JP7248852B1 - 繊維用集束剤組成物及び繊維用集束剤溶液 - Google Patents

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Abstract

【課題】集束性に優れかつ、繊維とマトリックス樹脂との接着性に優れた繊維用集束剤を提供する。【解決手段】一般式(1)で表されるビニルエステル樹脂(A)と、非イオン界面活性剤を含有する繊維用集束剤組成物であって、ビニルエステル樹脂(A)が、溶解度パラメーター(SP値)が12.00~12.10(cal/cm3)1/2である成分(A1)及び溶解度パラメーター(SP値)が12.11~12.15(cal/cm3)1/2である成分(A2)を含み、成分(A1)の重量W1と成分(A2)の重量W2との比(W1/W2)が15/85~90/10である繊維用集束剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維用集束剤組成物及び繊維用集束剤溶液に関する。
近年、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びポリプロピレン樹脂等のマトリックス樹脂と各種繊維との複合材料は、スポーツ用具、レジャー用品及び航空機等の分野で広く利用されている。これらの複合材料においては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維及びスラッグ繊維等の繊維が用いられている。これらの繊維には、上記複合材料とする加工工程において、通常、集束剤が付与される(例えば特許文献1を参照)。
特開2013-249562号公報
複合材料の物性向上には、繊維の特性を有効に生かすという点から繊維とマトリックス樹脂との接着性が高いこと、及び、繊維束の取扱い性の観点から集束性が優れることが重要である。
しかしながら、従来の技術では、前記の特性を充分に向上できておらず、改善の余地があった。
本発明は、集束性に優れかつ、繊維とマトリックス樹脂との接着性に優れた繊維用集束剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるビニルエステル樹脂(A)と、非イオン界面活性剤を含有する繊維用集束剤組成物であって、ビニルエステル樹脂(A)が、溶解度パラメーター(SP値)が12.00~12.10(cal/cm1/2である成分(A1)及び溶解度パラメーター(SP値)が12.11~12.15(cal/cm1/2である成分(A2)を含み、成分(A1)の重量W1と成分(A2)の重量W2との比(W1/W2)が15/85~90/10である繊維用集束剤組成物;前記繊維用集束剤組成物が、水及び有機溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む溶剤に溶解または分散されてなる繊維用集束剤溶液である。
Figure 0007248852000001
[式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基または炭素原子数1~4のアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立にメチレン基又はイソプロピリデン基のいずれかで表される構造部位であり、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基であり、nは0~20の整数である。]
本発明によれば、集束性に優れかつ、繊維とマトリックス樹脂との接着性に優れた繊維用集束剤を提供することができる。
<繊維用集束剤組成物>
本発明の繊維用集束剤組成物は、下記一般式(1)で表されるビニルエステル樹脂(A)と、非イオン界面活性剤(B)とを含有する。
Figure 0007248852000002
一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基または炭素原子数1~4のアルコキシ基である。炭素原子数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、直鎖または分岐のプロピル基及び直鎖または分岐のブチル基が挙げられる。炭素原子数1~4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、直鎖または分岐のプロポキシ基及び直鎖または分岐のブトキシ基が挙げられる。Rは水素原子であることが好ましい。
一般式(1)中、Rはそれぞれ独立にメチレン基又はイソプロピリデン基のいずれかで表される構造部位である。Rとしては、好ましくはイソプロピリデン基である。
一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基である。炭素原子数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、直鎖または分岐のプロピル基及び直鎖または分岐のブチル基が挙げられる。Rは水素原子及びメチル基であることが好ましい。
一般式(1)中のnは、一般式(1)中の括弧内の基の数であり、0~20の整数である。
本発明において、ビニルエステル樹脂(A)は、溶解度パラメーター(SP値)が12.00~12.10(cal/cm1/2である成分(A1)及び溶解度パラメーター(SP値)が12.11~12.15(cal/cm1/2である成分(A2)を含む。また、本発明において、前記成分(A1)の重量W1と前記成分(A2)の重量W2との比(W1/W2)は15/85~90/10である。以下において「ビニルエステル樹脂(A)」を「(A)成分」ともいう。
(A)成分が、前記成分(A1)と、前記成分(A2)とを、重量比(W1/W2)が15/85~90/10の範囲で含むことにより、集束性に優れかつ繊維とマトリックス樹脂との接着性を充分に向上させることができる。
(A)成分中の、前記成分(A1)と、前記成分(A2)との重量比(W1/W2)が15/85未満であると繊維とマトリックス樹脂との接着性が不充分となることがあり、前記重量比が90/10を超えると集束性が不十分となることがある。
(A)成分中の、前記成分(A1)と、前記成分(A2)との重量比(W1/W2)は、繊維とマトリックス樹脂との接着性の観点から、好ましくは20/80以上、より好ましくは25/75以上であり、集束性の観点から、好ましくは89/11以下、より好ましくは87/13以下である。
本発明におけるSP値(溶解度パラメータ)[単位は(cal/cm1/2]は、Fedors法(Polymer Engineering and Science,February,1974,Vol.14、No.2 P.147~154)の152頁(Table.5)に記載の数値(原子又は官能基の25℃における蒸発熱及びモル体積)を用いて、同153頁の数式(28)に記載の方法で算出される値である。具体的には、Fedors法のパラメータである下記表1に記載のΔe及びΔviの数値から、分子構造内の原子及び原子団の種類に対応した数値を用いて、下記数式(A)に当てはめることで算出することができる。
SP値=(ΣΔe/ΣΔv1/2 (A)
上記数式(A)におけるΣΔe(単位はcal/モル)は凝集エネルギー密度(単位はcal/モル)であり、ΣΔvは分子容(単位はcm/モル)である。本明細書においては、SP値の単位(cal/cm1/2を省略し数値だけを記載することがある。
Figure 0007248852000003
SP値の計算方法について説明する。例えば、一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子、nが0のビニルエステル樹脂のSP値の算出方法は、以下の通りである。
当該樹脂は、CH(Δe=1125、Δv=33.5)が2個、CH(Δe=1180、Δv=16.1)が4個、CH(Δe=820、Δv=-1.0)が2個、4級炭素(C、Δe=350、Δv=-19.2)が1個、=CH(Δe=1030、Δv=28.5)が2個、=CH-(Δe=1030、Δv=13.5)が2個、フェニレン基(Δe=7630、Δv=52.4)が2個、エーテル基(O、Δe=800、Δv=3.8)が2個、OH(Δe=7120、Δv=10.0)が2個、COO(Δe=4300、Δv=18.0)が2個から構成される。これらの数値から、反応物のΣΔe及びΣΔvをそれぞれ算出し、上記数式(A)にあてはめるとSP値(12.06)を算出することができる。
成分(A1)の具体例としては、一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子、nが0のビニルエステル樹脂(SP値は12.06)及び一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子、nが1のビニルエステル樹脂(SP値は12.10)等が挙げられる。
成分(A2)の具体例としては、一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子、nが2のビニルエステル樹脂(SP値は12.11)、一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子、nが3のビニルエステル樹脂(SP値は12.12)、一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子、nが4のビニルエステル樹脂(SP値は12.13)、一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子、nが20のビニルエステル樹脂(SP値は12.14)等が挙げられる。
本発明において、ビニルエステル樹脂(A)としては、好ましくは、下記一般式(2)で表される化合物と(メタ)アクリル酸との反応物が挙げられる。
Figure 0007248852000004
[式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基または炭素原子数1~4のアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立にメチレン基又はイソプロピリデン基のいずれかで表される構造部位であり、nは0以上の整数である。]
一般式(2)中のR及びRは、それぞれ一般式(1)中のRと及びRと同様である。
一般式(2)で表される化合物としては、好ましくはビスフェノール化合物(例えばビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)のジグリシジルエーテルとエピハロヒドリン(例えばエピクロルヒドリン等)とが縮合してなるエポキシ樹脂であり、より好ましくはビスフェノールAとエピクロルヒドリンとが縮合してなるビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
ビニルエステル樹脂(A)は、例えば、SP値が12.00~12.10である成分(A1)と、SP値が12.11~12.15である成分(A2)とを、その重量比(W1/W2)が15/85~90/10となるように配合し混合する方法などにより製造することができる。
SP値が12.00~12.10の成分(A1)は、例えば、一般式(2)中のnが0または1のエポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸とを反応させることにより製造しうる。(メタ)アクリル酸とはアクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
SP値が12.11~12.15である成分(A2)は、例えば一般式(2)中のnが2以上のエポキシ樹脂(a2)と(メタ)アクリル酸とを反応させることにより製造しうる。
成分(A1)の材料となるエポキシ樹脂(a1)及び成分(A2)の材料となるエポキシ樹脂(a2)はこれらを含む樹脂(例えば、三菱ケミカル製エポキシ樹脂「jER1001」等)を溶剤(例えばテトラヒドロフラン等)に溶解し、GPC分取装置[例えば、リサイクル分取HPLC、日本分析工業(株)製「LC-9130NEXT」]を用いて分子量毎に分取する方法により製造してもよい。
前記エポキシ樹脂(a1)及び前記エポキシ樹脂(a2)は、各種ビスフェノール化合物及びエピハロヒドリン等を用いて製造してもよい。具体的な製造方法としては、例えば、ビスフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られるジグリシジルエーテル化合物を、更にビスフェノール化合物と反応させる方法(方法1)、及びビスフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させて直接目的物であるエポキシ樹脂を得る方法(方法2)等が挙げられる。反応が調整し易く、得られるエポキシ樹脂のn[一般式(2)中の括弧内の基の数]の調整が容易であることから、方法1が好ましい。
方法1又は2で用いるビスフェノール化合物としては、例えば、下記一般式(2a)で表される化合物を用いることができる。エピハロヒドリンとしてはエピクロロヒドリン等を用いることができる。
Figure 0007248852000005
式(2a)中の、Rは及びRはそれぞれ一般式(1)中のR及びRと同じである。一般式(2a)で表される化合物は、目的物であるエポキシ樹脂[一般式(2)で表される化合物]の種類に応じ選択することができる。
ビニルエステル樹脂(A)は、繊維束の毛羽立ちを抑制する観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させてなる、数平均分子量が480~1372の樹脂(Ax)を含むことが好ましい。前記樹脂(Ax)を構成するビスフェノール型エポキシ樹脂としては、上記一般式(2)で表されるものなどが挙げられる。ビニルエステル樹脂(A)が、前記樹脂(Ax)を含む場合、その含有量は、ビニルエステル樹脂(A)の総重量に基づき60重量%以上であることが好ましく、65重量%以上がより好ましい。ビニルエステル樹脂(A)がMnの相違する樹脂を2種以上含む場合、例えば液体クロマトグラフなどの分析方法により、ビニルエステル樹脂(A)中の樹脂の数平均分子量(以下、Mnとも記載する)を測定しうる。
ビニルエステル樹脂(A)のMnは、一般式(1)中のn(括弧内の基の数)を調整することにより調整することができる。一般式(2)で表される化合物をビニルエステル樹脂の材料として用いる場合、一般式(2)中のnが一般式(1)中のnに反映されるので、当該一般式(2)の化合物を選択することによりビニルエステル樹脂(A)のMnをコントロールすることができる。一般式(2)の化合物におけるn[一般式(2)中の括弧内の基の数]は、例えば上記方法1により一般式(2)の化合物を製造する場合、ビスフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られるジグリシジルエーテル化合物とビスフェノール化合物との反応の回数を調整することにより調整することができる。
ビニルエステル樹脂(A)の数平均分子量(Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPC)によって、40℃で測定することができる。
GPCの測定条件は例えば以下のようにすることができる。
(GPCの測定条件)
機種:Alliance(日本ウォーターズ(株)製液体クロマトグラフ)
カラム:Guardcolumn Super H-L
+TSK gel Super H4000
+TSK gel Super H3000
+TSK gel Super H2000
(いずれも東ソー(株)製)
カラム温度:40℃
検出器:RI(Refractive Index)
溶離液:テトラヒドロフラン
溶離液流量:0.6ml/分
試料濃度:0.25重量%
注入量:10μl
標準物質:
Mn=228(出光興産(株);ビスフェノールA)
Mn=340(三井化学ファイン(株)製;エポミックR139S)
Mn=370(三菱ケミカル(株)製;jER828)
Mn=470(三菱ケミカル(株)製;jER834)
Mn=900(三菱ケミカル(株)製;jER1001)
Mn=1200(三菱ケミカル(株)製;jER1002)
本発明の繊維用集束剤組成物は非イオン界面活性剤(B)を含有する。
本発明において、非イオン界面活性剤(B)としては、例えば、脂肪族1価アルコール(炭素数8~18)のアルキレンオキサイド(AO)付加物(Mn=158~200,000)、多価(2~8価)アルコール(炭素数2~6;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール及びソルビタン等)のAO付加物(Mn500~100,000)、高級脂肪酸(炭素数12~24)のAO付加物(Mn=158~200,000)、アルキルフェノール(炭素数が10~20)のAO付加物(Mn500~5,000)、アリールアルキルフェノール(炭素数が14~62;スチレン化フェノール等)のAO付加物(Mn500~5,000)、スチレン化クミルフェノールまたはスチレン化クレゾール(炭素数の総数が15~61)のAO付加物(Mn500~5,000)、ポリアルキレングリコール(Mn150~6,000)と炭素数12~24の脂肪酸とを反応させたもの、多価(2価~8価、またはそれ以上)アルコール(炭素数2~32、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなど)と炭素数12~24の脂肪酸(たとえばラウリン酸、ステアリン酸)とのエステルのAO付加物(Mn350~10,000)、炭素数12~24の脂肪酸アミドのAO付加物(Mn200~30,000)、多価(2価~8価またはそれ以上)アルコールアルキル(炭素数8~60)エーテルのAO付加物(Mn220~30,000)などが挙げられる。
アルキレンオキサイド(AO)としては、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)及びブチレンオキサイド(BO)等が挙げられる。PO及びBOは直鎖であっても分岐していてもよい。AOは一種であっても二種以上を組み合わせてもよい。二種以上を組み合わせたAO付加物としてはランダム付加物、ブロック付加物及びこれらの混合付加物等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤(B)のうち、集束性の観点から、好ましくはアリールアルキルフェノール{スチレン化フェノール(炭素数14~62)、スチレン化クミルフェノール及びスチレン化クレゾール(炭素数15~61)等}のAO付加物(Mn500~5,000)であり、より好ましくはアリールアルキルフェノールのAO付加物であり、より好ましくはスチレン化フェノールのAO付加物であり、特に好ましくはスチレン化フェノールのPOおよびEO付加物である。
非イオン界面活性剤(B)は一種を単独で用いてもよいし二種以上を組み合わせて用いてもよい。
非イオン界面活性剤(B)のMnの測定方法は、標準物質をポリエチレングリコールに代える以外は上記ビニルエステル樹脂(A)のMnの測定方法と同様である。
本発明の繊維用集束剤組成物において、ビニルエステル樹脂(A)の重量Waに対する非イオン界面活性剤(B)の重量Wbに対する比(Wb/Wa)は、毛羽立ち抑制効果と接着性向上効果の両立の観点から、5/95~50/50であることが好ましく、10/90~30/70であることがより好ましく、20/80~35/65であることがさらに好ましい。
本発明の繊維用集束剤組成物中のビニルエステル樹脂(A)の含有量は、毛羽立ち抑制効果と接着性向上効果の両立の観点から、繊維用集束剤組成物が含有する固形分の重量に基づき、50~95重量%が好ましく、70~90重量%がより好ましい。ここで、固形分とは、試料1gを130℃45分間循風乾燥機で加熱乾燥した後の残渣である。
本発明の繊維用集束剤組成物中の非イオン界面活性剤(B)の含有量は、毛羽立ち抑制効果と接着性向上効果の両立の観点から、繊維用集束剤組成物が含有する固形分の重量に基づき、5~50重量%が好ましく、10~30重量%がより好ましい。
本発明の繊維用集束剤組成物はビニルエステル樹脂(A)及び非イオン性界面活性剤(B)以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、非イオン界面活性剤以外の界面活性剤(C)、平滑剤、防腐剤及び酸化防止剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤以外の界面活性剤(C)としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤等の公知の界面活性剤(例えば特開2006-124877号公報、WO2003/37964号公報記載のもの)等が挙げられる。
平滑剤としては、ワックス類(ポリエチレン、ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレン、変性ポリエチレン及び変性ポリプロピレン等)、高級脂肪酸アルキル(炭素数1~24)エステル類(メチルステアレート、エチルステアレート、プロプルステアレート、ブチルステアレート、オクチルステアレート及びステアリルステアレート等)、高級脂肪酸(ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸等)、天然油脂(ヤシ油、牛脂、オリーブ油及びナタネ油等)及び流動パラフィン等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸類、サリチル酸類、ソルビン酸類及び第4級アンモニウム塩類イミダゾール類等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール類(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール等)、チオジプロピオネート類(ジラウリル 3,3’-チオジプロピオネート等)及びホスファイト類(トリフェニルホスファイト等)等が挙げられる。
本発明の繊維用集束剤組成物中の他の成分の含有量は、集束性に優れるという観点から、繊維用集束剤組成物が含有する固形分の重量に基づき、0~5重量%が好ましく、0~2重量%がより好ましい。
本発明の繊維用集束剤組成物の製造方法に特に制限はないが、例えば、混合容器に、ビニルエステル樹脂(A)及び非イオン界面活性剤(B)、並びに、必要により用いる成分(上記他の成分)を投入し、好ましくは20~150℃、更に好ましくは50~120℃で均一になるまで撹拌して製造する方法等が挙げられる。組成物を構成する成分[(A)、(B)及び他の成分]の投入順序は特に制限はない。
<繊維用集束剤溶液>
本発明の繊維用集束剤溶液は、本発明の繊維用集束剤組成物が、水及び有機溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む溶剤に溶解または分散されてなるものである。
本発明の繊維用集束剤組成物を前記溶剤に溶解又は分散することにより、繊維束への繊維用集束剤組成物の付着量を適量にすることが容易になる。
溶剤としては、水及び有機溶剤等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、炭素数1~4の1価のアルコール(メタノール、エタノール及びイソプロパノール等)、炭素数3~6のケトン(アセトン、エチルメチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、炭素数2~6のグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール等)、そのモノ低級アルキル(アルキルの炭素数は1~4)エーテル、ジメチルホルムアミド、芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等)、炭素数3~5の酢酸アルキルエステル(酢酸メチル及び酢酸エチル等)等が挙げられる。
前記の溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記の溶剤のうち、火気などの安全性等の観点から好ましいのは、水、及び、水混和性有機溶剤(25℃において、水と、体積比1:1で混合した場合に、均一に混合しうる有機溶剤)と水との混合溶剤であり、更に好ましいのは水である。
本発明の繊維用集束剤溶液は、コスト等の観点から、流通時は高濃度であって、繊維束の製造時は低濃度であることが好ましい。すなわち、高濃度で流通することで輸送コスト及び保管コスト等を低下させ、低濃度で繊維を処理することで、優れた集束性と開繊性とを両立した繊維束を製造することができる。
流通時の繊維用集束剤溶液の濃度(溶剤以外の成分の重量割合)は、保存安定性等の観点から、好ましくは30~80重量%であり、更に好ましくは40~70重量%である。
繊維束製造時の繊維用集束剤溶液の濃度は、繊維束の製造時に繊維用集束剤の付着量を適量にすることができるという観点等から、好ましくは0.5~15重量%であり、更に好ましくは1~10重量%である。
本発明の繊維用集束剤溶液の製造方法に特に制限はないが、例えば、本発明の繊維用集束剤組成物に溶剤を投入して、繊維用集束剤組成物を溶剤中に溶解又は乳化分散させる方法が挙げられる。
繊維用集束剤組成物を溶剤中に溶解又は乳化分散する際の温度は、混合し易さの観点から、好ましくは20~90℃であり、更に好ましくは40~90℃である。繊維用集束剤組成物を溶剤中に溶解又は乳化分散する時間は、好ましくは1~20時間であり、更に好ましくは1~10時間である。
繊維用集束剤組成物を溶剤中に溶解又は乳化分散する際には、公知の混合装置、溶解装置及び乳化分散装置を使用することができ、具体的には、撹拌羽根(羽根形状:カイ型及び三段パドル等)、ナウタミキサー[ホソカワミクロン(株)製等]、リボンミキサー、コニカルブレンダー、モルタルミキサー、万能混合機{万能混合撹拌機「5DM-L」[(株)三英製作所製]等}及びヘンシエルミキサー[日本コークス工業(株)等]及びオートクレーブ等が使用できる。
本発明の繊維用集束剤組成物または繊維用集束剤溶液を適用できる繊維としては、無機繊維(炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維及びスラッグ繊維等)並びに有機繊維(アラミド繊維等)などが挙げられる。繊維用集束剤組成物及び繊維を用いた複合材料の成形体の強度の観点から、これらの中では炭素繊維が好ましい。
本発明の繊維用集束剤組成物または繊維用集束剤溶液により繊維を処理する方法としては、スプレー法及び浸漬法等が挙げられる。繊維上への繊維用集束剤組成物の付着量は、集束性の観点から、繊維の重量に基づいて、好ましくは0.05~5重量%であり、更に好ましくは0.2~2.5重量%である。
前記繊維を本発明の繊維用集束剤組成物または繊維用集束剤溶液により処理して得られる繊維束は、加工して繊維製品としてもよい。繊維製品としては、織物、編み物、不織布(フェルト、マット及びペーパー等)、チョップドファイバー及びミルドファイバー等が含まれる。
本発明の繊維用集束剤組成物または繊維用集束剤溶液により処理して得られる繊維束及び/又は繊維製品は、マトリックス樹脂と組み合わせて複合材料としてもよい。
マトリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂(ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリフェニレンスルフィド等)及び熱硬化性樹脂[エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂と同様のもの、ならびにフェノール樹脂(特許第3723462号に記載のもの等)等]等が挙げられる。
複合材料において、マトリックス樹脂と繊維束との重量比(マトリックス樹脂/繊維束)は、複合材料の成形体の強度等の観点から、好ましくは10/90~90/10であり、更に好ましくは20/80~70/30であり、特に好ましくは30/70~60/40である。複合材料は触媒を含んでいてもよい。
複合材料は、熱溶融(好ましい溶融温度:60~350℃)したマトリックス樹脂、又は溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン及び酢酸エチル等)で希釈したマトリックス樹脂を、繊維束及び/又は繊維製品に含浸させることで製造できる。溶剤を使用した場合、プリプレグを乾燥させて溶剤を除去することが好ましい。
複合材料を構成するマトリックス樹脂が熱可塑性樹脂である場合、プリプレグを加熱成形し、常温で固化することで成形体とすることができる。
複合材料を構成するマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂である場合、プリプレグを加熱成形し、硬化することで成形体とすることができる。
これらの樹脂は完全に硬化している必要はないが、成形体が形状を維持できる程度に硬化していることが好ましい。成形後、更に加熱して完全に硬化させてもよい。
加熱成形の方法は特に限定されず、公知の方法、例えばフィラメントワインディング成形法(回転するマンドレルに張力をかけながら巻き付け、加熱成形する方法)、プレス成形法(プリプレグシートを積層して加熱成形する方法)、オートクレーブ法(プリプレグシートを型に圧力をかけ押しつけて加熱成形する方法)及びチョップドファイバー又はミルドファイバーをマトリックス樹脂と混合して射出成形する方法等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、部は重量部を示す。
<エポキシ樹脂のMnおよびビニルエステル樹脂のMnの測定方法>
エポキシ樹脂のMn及びビニルエステル樹脂のMnはGPCによって、下記標準物質を用いて、40℃で測定した。
GPCの測定条件は以下の通りである。
(GPCの測定条件)
機種:Alliance(日本ウォーターズ(株)製液体クロマトグラフ)
カラム:Guardcolumn Super H-L
+TSK gel Super H4000
+TSK gel Super H3000
+TSK gel Super H2000
(いずれも東ソー(株)製)
カラム温度:40℃
検出器:RI(Refractive Index)
溶離液:テトラヒドロフラン
溶離液流量:0.6ml/分
試料濃度:0.25重量%
注入量:10μl
標準物質:
Mn=228(出光興産(株);ビスフェノールA)
Mn=340(三井化学ファイン(株)製;エポミックR139S)
Mn=370(三菱ケミカル(株)製;jER828)
Mn=470(三菱ケミカル(株)製;jER834)
Mn=900(三菱ケミカル(株)製;jER1001)
Mn=1200(三菱ケミカル(株)製;jER1002)
<エポキシ樹脂のエポキシ当量の算出方法>
エポキシ樹脂のエポキシ当量は以下の方法により算出した。
(1)試料0.6~0.7gを三角フラスコに0.1mgの単位まで精秤した。 (2)次に、0.2mol/L塩酸ジオキサン溶液25mLを加え、栓をして室温で15 分間マグネチックスタラーを用いて撹拌し反応させた。
(3)反応終了後、フラスコの内壁および栓を20mlのメチルアルコールで洗った。次 にクレゾールレッド指示薬を約10滴加え、0.1mol/L水酸化カリウム標準溶液で 滴定した。滴定の終点は、ピンク色から一旦黄色に変色した後、1滴程度の0.1mol/L水酸 化カリウム標準溶液の滴下で紫色に変色した点とする。
(4)(1)~(3)の操作を2個の試料について行い、同時にブランクも測定した。
(5)下記の計算式に基づきエポキシ当量を計算し、2個の測定値の平均値を算出した。 エポキシ当量(g/eq)=〔10000×{試料の重量(g)}〕/[〔{ブランク の滴定量(ml)}-{(3)での滴定量(ml)}〕×f] なお、fは、0.1mol/l水酸化カリウム標準溶液の力価を示す。
<製造例1:ビスフェノール型エポキシ樹脂の製造>
三菱ケミカル製ビスフェノールA型エポキシ樹脂「jER1001」(エポキシ当量474)400gをテトラヒドロフランで固形分濃度が2重量%になるように溶解し、GPC分取装置[リサイクル分取HPLC、日本分析工業(株)製「LC-9130NEXT」]を用いてエポキシ樹脂を分子量毎に分取した。その後、それぞれの分取液を加熱冷却装置及び撹拌装置を備えた反応容器に仕込み、90℃で20mmHgまで徐々に減圧してテトラヒドロフランを除去し、Mn340、SP値10.4のビスフェノール型エポキシ樹脂(a-1)、Mn620、SP値11.2のビスフェノール型エポキシ樹脂(a-2)、Mn910、SP値11.5のビスフェノール型エポキシ樹脂(a-3)、Mn1190、SP値11.7のビスフェノール型エポキシ樹脂(a-4)及びMn1900、SP値11.8~12.0のビスフェノール型エポキシ樹脂(a-5)を得た。エポキシ樹脂(a-1)~(a-5)は、それぞれ、一般式(2)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基のエポキシ樹脂である。
<製造例2:ビニルエステル樹脂(A-1)の製造>
温度計、撹拌装置、還流冷却管、滴下装置を備えた4ツ口フラスコに、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a-1)340部、アクリル酸141部、t-ブチルハイドロキノン1部、2-メチルイミダゾール3部を仕込み、60℃で十分に攪拌溶解した。その後、窒素と空気の50/50の混合気体を100ml/分通気下、90℃まで昇温した。更に90℃で3時間反応させると、酸価が1以下となり、Mn80、SP値12.06のビニルエステル樹脂(A-1)を得た。当該ビニルエステル樹脂(A-1)は一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子である。
<製造例3:ビニルエステル樹脂(A-2)の製造>
製造例2において、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a-1)340部をビスフェノール型エポキシ樹脂(a-2)620部としたこと以外は、製造例2と同様の操作を行い、Mn760、SP値12.10のビニルエステル樹脂(A-2)を得た。当該ビニルエステル樹脂(A-2)は一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子である。
<製造例4:ビニルエステル樹脂(A-3)の製造>
製造例2において、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a-1)340部をビスフェノール型エポキシ樹脂(a-3)910部としたこと以外は、製造例2と同様の操作を行い、Mn1050、SP値12.11のビニルエステル樹脂(A-3)を得た。当該ビニルエステル樹脂(A-3)は一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子である。
<製造例5:ビニルエステル樹脂(A-4)の製造>
製造例2において、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a-1)340部をビスフェノール型エポキシ樹脂(a-4)1190部としたこと以外は、製造例2と同様の操作を行い、Mn1330、SP値12.12のビニルエステル樹脂(A-4)を得た。当該ビニルエステル樹脂(A-4)は一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子である。
<製造例6:ビニルエステル樹脂(A-5)の製造>
製造例2において、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a-1)340部をビスフェノール型エポキシ樹脂(a-5)1900部としたこと以外は、製造例2と同様の操作を行い、Mn2040、SP値12.13のビニルエステル樹脂(A-5)を得た。当該ビニルエステル樹脂(A-5)は一般式(1)中のRが水素原子、Rがイソプロピリデン基、Rが水素原子の樹脂である。
<実施例1~7、比較例1~7>
表1に記載の種類及び量(重量部)のビニルエステル樹脂(A)および非イオン界面活性剤(B-1)[スチレン化フェノールのプロピレンオキサイドエチレンオキサイド付加物[商品名「Soprophor 796/P」、ソルベイ日華(株)製]を、万能混合機[万能混合攪拌機、(株)三英製作所製]中で60℃に温調しながら30分均一溶解させた後、そこに水を6時間かけて滴下し、固形分濃度が40重量%の実施例の繊維用集束剤溶液(Y-1)~(Y-7)及び比較例の繊維用集束剤溶液(Y’-1)~(Y’-7)をそれぞれ25部得た。
実施例及び比較例の繊維用集束剤溶液(Y-1)~(Y-7)、(Y’-1)~(Y’-7)を用いて下記の方法により炭素繊維束を作製し、集束性及び界面剪断強度を評価した。結果を表1に示す。
<評価試験用の炭素繊維束の製造>
各例の繊維用集束剤溶液に、固形分濃度が1.5重量%となるように水を加えて分散液とし、未処理炭素繊維(フィラメント数12,000本)を浸漬して繊維用集束剤組成物の分散液を含浸させた。その後、炭素繊維を繊維用集束剤組成物の分散液から取り出し、180℃で3分間熱風乾燥させて炭素繊維束を得た。なお、繊維用集束剤組成物の分散液に含まれる固形分の繊維への付着量(浸漬前炭素繊維重量に基づく百分率)は、1.5重量%となるように、炭素繊維束を作製した。当該炭素繊維束を集束性及び界面剪断強度の評価試験に供した
<集束性の評価試験>
試験用の炭素繊維束を用いて、集束性を、JIS L1096-2010 8.21.1 A法(45°カンチレバー法)に準じて評価した。前記JISで規定する処理条件で得られた炭素繊維束をカンチレバーで評価した。測定値(cm)が大きいほど集束性に優れることを意味する。本評価方法で測定した集束性の値は、13cm以上が好ましい。
<界面剪断強度の評価試験>
マイクロドロップレット試験により界面剪断強度を評価した。
炭素繊維束より単糸を取り出し、試料ホルダーにセッティングした。マトリクス樹脂として、ビニルエステル樹脂[昭和電工株式会社製リポキシR804(製品名)]を用い、当該樹脂100質量部と、硬化剤[日油株式会社製パークミルD(製品名)]1.5質量部とを混合し、炭素繊維単糸上に塗布しドロップを形成させ、150℃で15分硬化し、測定用の試料を得た。測定は複合材料界面特性評価装置HM410[東栄産業株式会社製]を使用し、0.12mm/分の速度で走行させ単糸からドロップを引き抜く際の最大引抜き荷重Fを測定した。次式により界面剪断強度τを算出し、単糸とマトリクス樹脂との界面剪断強度を評価した。 界面剪断強度の数値が大きいほど、繊維とマトリックス樹脂との接着性が優れる。界面剪断強度は45MPa以上が好ましい。
界面剪断強度τ(単位:MPa)=F/πdl
(F:最大引抜き荷重、d:単糸直径、l:ドロップの引き抜き方向の粒子径)
Figure 0007248852000006
表1に示すように、実施例の繊維用集束剤溶液を用いると、集束性に優れかつ、界面剪断強度を優れたものとすることができるということがわかった。これにより、本発明によれば、集束性に優れかつ、繊維とマトリックス樹脂との接着性に優れた繊維用集束剤を提供できることがわかる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるビニルエステル樹脂(A)と、非イオン界面活性剤を含有する繊維用集束剤組成物であって、
    ビニルエステル樹脂(A)が、溶解度パラメーター(SP値)が12.00~12.10(cal/cm1/2である成分(A1)及び溶解度パラメーター(SP値)が12.11~12.15(cal/cm1/2である成分(A2)を含み、成分(A1)の重量W1と成分(A2)の重量W2との比(W1/W2)が15/85~90/10である繊維用集束剤組成物。
    Figure 0007248852000007

    [式中、Rはそれぞれ独立に水素原子であり、Rはそれぞれ独立にイソプロピリデン基で表される構造部位であり、Rはそれぞれ独立に水素原子であり、nは0~20の整数である。]
  2. ビニルエステル樹脂(A)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させてなる数平均分子量が480~1372の樹脂(Ax)を、ビニルエステル樹脂(A)の総重量に基づき60重量%以上含む請求項1に記載の繊維用集束剤組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の繊維用集束剤組成物が、水及び有機溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む溶剤に溶解されてなる繊維用集束剤溶液。
  4. 請求項1又は2に記載の繊維用集束剤組成物が、水及び有機溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む溶剤に分散されてなる繊維用集束剤分散液。
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