JP7248537B2 - コンクリート表面の補修箇所養生構造及び養生シート - Google Patents

コンクリート表面の補修箇所養生構造及び養生シート Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート表面の補修箇所養生構造及び養生シートに関し、特に、既設のコンクリート構造物の表面の補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料から、水分が揮散しないように養生するコンクリート表面の補修箇所養生構造、及び該補修箇所養生構造に用いる養生シートに関する。
既設のコンクリート構造物の表面は、例えば経年劣化等によって、ひび割れ等による損傷箇所が生じている場合があり、例えばひび割れがひどくなると、ひび割れを介して侵入した雨水や劣化因子等がコンクリート中に埋設された鉄筋に至ってこれを腐食させることで、コンクリート構造物の強度の低下を招いたりするおそれがあることから、このようなひび割れ等による損傷箇所は、補修する必要がある。損傷箇所の補修を行う方法としては、一般に、既設のコンクリートの表面に生じた損傷個所を含む補修領域を斫って補修用凹部を形成すると共に、形成された補修用凹部にモルタルやセメントペースト等のセメント系硬化材料を充填し、充填されたセメント系硬化材料の表面を周囲のコンクリートの表面と面一な仕上げ面となるように、例えばコテを用いて仕上げる方法が採用されている。
また、補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料の表面を仕上げた後に、基材の片面に設けられた粘着層に多数の着色粒状物が分布されている着色補修シートを、粘着層を介して仕上げ面に貼付し、充填されたセメント系硬化材料が硬化した後に、着色粒状物を仕上げ面に付着させたまま着色補修シートを剥離することによって損傷個所を補修する、コンクリート表面補修方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、コンクリートを打設して新たにコンクリート構造物を形成する際に、打設されたコンクリートを養生するためにコンクリートの表面に接着させるコンクリート養生用粘着テープとして、透水性ではない基材層と、基材層の一面に設けられた粘着剤層とからなるものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第2676575号公報 特許第5683504号公報
コンクリートの表面に生じた損傷個所を補修するための補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料は、内部に含まれる水分とセメントとの水和反応によって硬化するものであることから、仕上げ面を形成した後に、そのまま自然環境での硬化を待つことにすると、揮散によって水和反応に必要な水分が不足することになり易く、既存のコンクリートとの界面における付着不良が生じたり、温度の低下による強度の不足が生じたりすることによって、硬化した充填されたセメント系硬化材料に、ひび割れによる欠損や、剥落等が生じ易くなる。
また、特許文献1の着色補修シートや特許文献2のコンクリート養生用粘着テープを用いて、補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料を、水分が揮散しないように養生することも考えられるが、これらの補修シートや粘着テープは、粘着層を、被覆される仕上げ面やコンクリート表面の全体に粘着させて用いるものであるため、例えば粘着層による粘着力が高くなっている場合には、補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料の仕上げ面に粘着されたこれらの補修シートや粘着テープを、仕上げ面から引き剥がす際に、補修シートや粘着テープは、その粘着力によって、仕上げ面からセメント系硬化材料の一部を付着させまま引き剥がされたり、粘着剤を仕上げ面に付着させたまま残した状態で引き剥がされたりすることになって、硬化したセメント系硬化材料による仕上げ面を荒らし易くなる。
本発明は、既設のコンクリート構造物の表面に生じた損傷個所を補修するための補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料を、水分を揮散させることなく効果的に養生することができると共に、硬化したセメント系硬化材料による仕上げ面を荒らすことなく、簡易に且つ容易に実施することのできるコンクリート表面の補修箇所養生構造、及び該養生構造に用いる養生シートを提供することを目的とする。
本発明は、既設のコンクリート構造物の表面に生じた損傷個所を含む補修領域に形成された補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料から、水分が揮散しないように養生するコンクリート表面の補修箇所養生構造であって、前記補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料の、これの周囲の既設のコンクリート構造物の表面と面一な仕上げ面を覆うようにして、既設のコンクリート構造物の表面に、非通気性を備える養生シートを直接に粘着することによって構成され、非通気性を備える前記養生シートは、既設のコンクリート構造物の表面に粘着される裏面側に、前記セメント系硬化材料の前記仕上げ面及びこれの全体を囲う領域に重ね合わされる非粘着性区画部と、該非粘着性区画部の外周部分に環状に連続して設けられた粘着性環状区画部とを含んで形成されており、前記非粘着性区画部を前記仕上げ面の全体に重ね合わせた状態で、既設のコンクリート構造物の表面における前記仕上げ面の外側を囲む領域に、環状に連続する前記粘着性環状区画部を直接に粘着することによって、前記養生シートが、前記セメント系硬化材料の前記仕上げ面を覆うようにして取り付けられていることで、補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料から、水分が揮散しないようにしているコンクリート表面の補修箇所養生構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明のコンクリート表面の補修箇所養生構造は、前記セメント系硬化材料の前記仕上げ面と、前記非粘着性区画部との間に保温シートを介在させた状態で、前記養生シートが、前記セメント系硬化材料の前記仕上げ面を覆うようにして取り付けられていることが好ましい。
また、本発明は、上記のコンクリート表面の補修箇所養生構造に用いる養生シートであって、非通気性を備え、裏面側の全体に粘着剤が塗布された養生シート本体と、該養生シート本体の粘着剤が塗布された裏面側に重ね合わせて剥離可能に粘着された母材シートとを有しており、前記母材シートには、前記非粘着性区画部と前記粘着性環状区画部とを区画する環状線に沿って、切り離し案内線が設けられており、既設のコンクリート構造物の表面に粘着される際に、前記切り離し案内線の内側部分を残置させたまま、前記切り離し案内線の外側部分の前記母材シートを切り離し、切り離した外側部分を前記養生シート本体の裏面から剥離させて取り除くことにより、前記養生シート本体の裏面側に、前記母材シートの残置された内側部分による前記非粘着性区画部と、取り除かれた外側部分による前記粘着性環状区画部とが形成される養生シートを提供することにより、上記目的を達成したものである。
さらに、本発明は、上記のコンクリート表面の補修箇所養生構造に用いる養生シートであって、 非通気性を備え、裏面側の全体に粘着剤が塗布された養生シート本体と、該養生シート本体の粘着剤が塗布された裏面側に重ね合わせて剥離可能に粘着された母材シートとを有しており、前記養生シート本体の裏面側における前記非粘着性区画部との間にのり殺しシートを介在させた状態で、前記母材シートが、前記養生シート本体の裏面側に重ね合わせて粘着されており、既設のコンクリート構造物の表面に粘着される際に、前記のり殺しシートを残置させたまま、前記母材シートを前記養生シート本体の裏面から剥離させて取り除くことにより、前記養生シート本体の裏面側に、残置された前記のり殺しシートによる前記非粘着性区画部と、これの外側部分による前記粘着性環状区画部とが形成される養生シートを提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の養生シートは、前記のり殺しシートが、保温シートからなっていることが好ましい。
また、本発明は、上記のコンクリート表面の補修箇所養生構造に用いる養生シートであって、非通気性を備え、裏面側に粘着剤が塗布された養生シート本体と、該養生シート本体の粘着剤が塗布された裏面側に重ね合わせて剥離可能に粘着された母材シートとを有しており、前記養生シート本体の裏面側において、粘着剤は、前記非粘着性区画部には塗布されておらず、前記非粘着性区画部の外周部分に環状に連続する前記粘着性環状区画部のみに塗布されており、既設のコンクリート構造物の表面に粘着される際に、前記母材シートを前記養生シート本体の裏面から剥離させて取り除くことにより、前記養生シート本体の裏面側に、粘着剤が塗布されていない前記非粘着性区画部と、粘着剤が塗布された前記粘着性環状区画部とが形成される養生シートを提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の養生シートは、前記母材シート及び前記非粘着性区画部が、矩形の平面形状を備えており、前記粘着性環状区画部は、矩形環状の平面形状を備えていることが好ましい。
また、本発明は、上記のコンクリート表面の補修箇所養生構造に用いる養生シートであって、非通気性を備え、裏面側に粘着剤が塗布された養生シート本体と、非通気性を備え、裏面側に粘着剤が塗布された一対の端部養生シートとを有しており、前記養生シート本体は、矩形形状に裁断されると共に、一方の一対の対向する辺部に沿った各々の側縁部分の裏面側に粘着剤が塗布されていることで、これらの粘着剤が塗布された側縁部分に挟まれる領域が前記非粘着性区画部を形成しており、前記端部養生シートは、裏面側の全体に粘着剤が塗布されており、既設のコンクリート構造物の表面に粘着される際に、矩形形状の前記養生シート本体の他方の一対の対向する辺部に沿った各々の側縁部分に重ねて、前記端部養生シートを、他方の一対の対向する辺部の外側に食み出させた状態で粘着させることにより、前記端部養生シートの他方の一対の対向する辺部の外側に食み出した部分と、前記養生シート本体の一方の一対の対向する辺部に沿った両側の側縁部分とによって、前記養生シート本体による前記非粘着性区画部の外周部分に、環状に連続する前記粘着性環状区画部が形成される養生シート提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の養生シートは、前記養生シート本体が、粘着剤が塗布された側縁部分を横幅方向の両側に配置してロール状に巻かれた養生シート本体ロールから、矩形形状に裁断されることが好ましい。
また、本発明の養生シートは、前記養生シート本体又は前記端部養生シートの裏面側に塗布された粘着剤の粘着力が、2~15N/25mmとなっていることが好ましい。
本発明のコンクリート表面の補修箇所養生構造又は該養生構造に用いる養生シートによれば、既設のコンクリート構造物の表面に生じた損傷個所を補修するための補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料を、水分を揮散させることなく効果的に養生することができると共に、硬化したセメント系硬化材料による仕上げ面を荒らすことなく、簡易に且つ容易に実施することができる。
(a)~(d)は、本発明の好ましい一実施形態に係るコンクリート表面の補修箇所養生構造を説明する鉄筋コンクリート製の柱の部分断面図である。 養生シートの構成を説明する、(a)は略示斜視図、(b)は略示平面図、(c)は略示断面図である。 他の養生シートの構成を説明する、(a)は略示斜視図、(b)は略示平面図、(c)は略示断面図である。 他の養生シートの構成を説明する、(a)は略示斜視図、(b)は略示平面図、(c)は略示断面図である。 他の養生シートの構成を説明する、(a)は略示平面図、(b)は養生シート本体ロールの略示斜視図である。
本発明の好ましい一実施形態に係るコンクリート表面の補修箇所養生構造10は、図1(a)~(d)に示すように、既設のコンクリート構造物として、例えば鉄筋コンクリート製のコンクート柱50に、例えばひび割れ等による損傷個所51が生じた際に(図1(a)参照)、このような損傷個所51を、モルタル等のセメント系硬化材料55(図1(c)参照)を用いて安定した状態で補修可能なように、損傷個所51に形成された補修用凹部52(図1(d)参照)に充填されたセメント系硬化材料55を効果的に養生できるようにするための養生構造として採用されたものである。すなわち、本実施形態では、既設のコンクート柱50は、経年劣化等によってひび割れ等による損傷箇所51が生じており、ひび割れ等の損傷箇所51から雨水や劣化因子等がコンクリートの内部に侵入して、例えばコンクリート中に埋設された鉄筋53に至ると、鉄筋53が腐食することでコンクリート柱50の強度の低下等を招くおそれかあることから、このような損傷箇所51をセメント系硬化材料55を用いて補修するようになっている。本実施形態のコンクリート表面の補修箇所養生構造10(図1(d)参照)は、損傷個所51に形成された補修用凹部52に充填されたセメント系硬化材料55から水分が揮散しないように、セメント系硬化材料55を効果的に養生できるようにすると共に、硬化したセメント系硬化材料55による仕上げ面55aを荒らすことなく、簡易に且つ容易に実施ができるようにする機能を備えている。
そして、本実施形態のコンクリート表面の補修箇所養生構造10は、既設のコンクリート構造物として、例えば鉄筋コンクリート製のコンクート柱50の表面に生じたひび割れ等による損傷個所51を含む補修領域を、例えば斫ることにより形成された補修用凹部52に充填された、セメント系硬化材料55である好ましくは補修用モルタルから、水分が揮散しないように養生するための養生構造であって、図1(a)~(d)に示すように、補修用凹部52に充填された補修用モルタル55の仕上げ面55aを覆うようにして、既設のコンクリート柱50の表面50aに養生シート11を粘着することによって構成される。養生シート11は、図2(a)~(c)にも示すように、既設のコンクリート柱50の表面に粘着される裏面側に、補修用モルタル55の仕上げ面55a及び仕上げ面55aの全体を囲う領域に重ね合わされる非粘着性区画部12と、この非粘着性区画部12の外周部分に環状に連続して設けられた粘着性環状区画部13とを含んで形成されている。非粘着性区画部12を補修用モルタル55の仕上げ面55aの全体に重ね合わせた状態で、既設のコンクリート柱50の表面における補修用モルタル55の仕上げ面55aの外側を囲む領域に、粘着性環状区画部13を粘着することによって、養生シート11が、補修用モルタル55の仕上げ面55aを覆うようにして取り付けられている(図1(d)参照)。
また、本実施形態では、コンクリート表面の補修箇所養生構造10に用いる養生シート11は、図2(a)~(c)にも示すように、非通気性を備え、裏面側の全体に粘着剤が塗布された養生シート本体14と、養生シート本体14の粘着剤が塗布された裏面側に重ね合わせて剥離可能に粘着された母材シート15とを有している。母材シート15には、非粘着性区画部12と粘着性環状区画部13とを区画する環状線に沿って、切り離し案内線15aが設けられている。既設のコンクリート柱50の表面に粘着される際に、切り離し案内線15aの内側部分15bを残置させたまま、切り離し案内線15aの外側部分15cの母材シート15を切り離し、切り離した外側部分15cを養生シート本体14の裏面から剥離させて取り除くことにより、養生シート本体14の裏面側に、母材シート15の残置された内側部分15bによる非粘着性区画部12と、取り除かれた外側部分15cによる粘着性環状区画部13とが形成されるようになっている。
母材シート15及び非粘着性区画部12は、好ましくは矩形の平面形状を備えており、粘着性環状区画部13は、好ましくは矩形環状の平面形状を備えている。
本実施形態では、既設のコンクリート構造物であるコンクリート柱50は、例えば建物の柱や橋脚を構成する柱となっており、構築された後、例えば30年~50年以上経過していることで、劣化が激しくなっている。本実施形態では、コンクリート柱50は、鉄筋コンクリート製の構造物となっていることから、ひび割れ等の損傷箇所51(図1(a)参照)から埋設された鉄筋53に至るまでコンクリートの内部に雨水や劣化因子等が侵入しないよう補修できるように、コンクリートの表面の例えば損傷箇所51を含む縦50~3000mm、横50~3000mm程度の領域を補修領域として、公知の斫り装置によって、例えば鉄筋のかぶり厚さに相当する20~100mm程度の深さでコンクリートの表面部分を斫り取ることによって、補修用凹部52を形成する(図1(b)参照)。また、所定の配合割合に混合された公知の補修用モルタルを、形成した補修用凹部52に充填されるセメント系硬化材料55として、この補修用モルタル55を補修用凹部52に充填すると共に、表面が周囲のコンクリートの面一になるようにコテ仕上げすることにより仕上げ面55aを形成する(図1(c)参照)。しかる後に、補修用凹部52に充填された補修用モルタル55の仕上げ面55aを覆うようにして、養生シート11を、既設のコンクリート柱50の表面50aに粘着することによって取り付ける(図1(d)参照)。
養生シートは、本実施形態では、上述のように、非通気性を備え、裏面側の全体に粘着剤が塗布された養生シート本体14と、養生シート本体14の粘着剤が塗布された裏面側に重ね合わせて剥離可能に粘着された母材シート15とを含んで形成されている。
養生シート本体14は、非通気性を備えるシート材料として、例えば和紙、クレープ紙、上質紙等の紙類からなるものや、レーヨン、綿、ポリエステル等の単独又は混紡による紡績糸、ポリエステルやアクリル等の長繊維、ポリエチレンフラットヤーン等を製織した織布又は編布の片面又は両面にポリエチレン等の樹脂をラミネートしたものを用いることができる。ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の合成樹脂からなるシート材料を用いることもできる。
養生シート本体14は、0.05~0.3mm程度の厚さを有していることが好ましく、コンクリート柱50の表面における補修用モルタル55の仕上げ面55a及びこれの外側を囲む領域を覆うことが可能な大きさとして、縦100~3500mm、横100~3500mm程度の大きさの、矩形(正方形も含む)の平面形状を備えるように形成することができる。
養生シート本体14の裏面側の全体に塗布される粘着剤は、例えば粗面用として、固形やホットメルト型のゴム系粘着剤を用いることができる。一般に固形粘着剤は、カレンダー方式や押出機等の塗工法により粘着剤層を比較的厚く形成できる。粘着剤層を厚くするとコンクリート等の粗面への馴染み性が高くなり、接着不良の問題が生じにくく、水分等が粘着剤層と粗面との間に浸入するのを防止できる。粗面用の粘着剤層の厚さは、好ましくは0.02~0.40mmとすることが好ましい。粗面用の粘着剤としては、後述するアクリル系粘着剤であっても良いし、その他、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等であっても良い。
ゴム系粘着剤のゴム成分の具体例としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム等を挙ることができる。2種以上のゴム成分を併用しても良い。中でも、天然ゴムが好ましい。
ゴム系粘着剤は、粘着付与樹脂を含んでいることが好ましい。粘着付与樹脂の具体例としては、ロジン、ロジンエステル等のロジン系樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、ピュアー・モノマー系樹脂等の重合系樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂等の縮合系樹脂等を挙ることができる。2種以上の粘着付与樹脂を併用しても良い。粘着付与樹脂の配合量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは20~200質量部、より好ましくは30~150質量部、特に好ましくは50~100部とすることが好ましい。
ゴム系粘着剤は、増量剤(フィラー)やプロセスオイルを含んでいることが好ましい。増量材の具体例としては、炭酸カルシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。増量剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは30~200質量部である。プロセスオイルの配合量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは5~50質量部である。さらに、本発明の目的を損なわない範囲内において、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等を添加することもできる。
養生シート本体14の裏面側の全体に塗布される粘着剤は、例えば平滑面用として、剥離性の点から、アクリル系粘着剤を用いることが好ましい。平滑面用の粘着剤層の厚さは、0.01~0.10mmとすることが好ましい。平滑面用の粘着剤としては、上述のゴム系粘着剤と同様のものを用いることもでき、その他、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を用いることもできる。
アクリル系粘着剤のベースポリマーであるアクリル系ポリマーとしては、一般に、アルキル(メタ)アクリレートを主成分とするポリマーが用いられる。ここで「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。特に、アルキル(メタ)アクリレートと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体が好ましい。アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数が2~12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。2種以上のアルキル(メタ)アクリレートを併用しても良い。上記アクリレートとの共重合性モノマー成分としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー及びその無水物、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N-ビニルアセトアミド等の窒素含有モノマー、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー等が挙げられる。2種以上の共重合性モノマー成分を併用しても良い。
アクリル系ポリマーは、架橋剤によって架橋していることが好ましい。架橋剤の具体例としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤等が挙げられる。架橋剤の配合量はベースポリマー100質量部に対し、好ましくは0.01~5.0質量部である。
本実施形態では、養生シート本体14の裏面側の全体に塗布される粘着剤の粘着力は、2~15N/25mmとなっていることが好ましい。粘着力は、例えば#280の耐水研磨紙で研磨したSUS304鋼板を被着体として、JIS Z 0237(2000)に準じて、温度20℃、湿度 60%の標準状態の下、剥離角180°、圧着後の養生時間20分、剥離速度300mm/分の各条件で、引き剥がすことにより測定することができる。
粗面用の粘着剤の粘着力は、凹凸の激しい面への接着が想定されるため、6~15N/25mmとなっていることが好ましく、8~12N/25mmとなっていることがさらに好ましい。粘着力が6N/25mmを下回ると、養生中に養生シート本体14の剥がれや保湿効果の低減が懸念され、15N/25mmを上回ると、養生後にコンクリートの表面から剥離して除去する際に剥がし難くなって、補修用凹部52に充填されて硬化した補修用モルタル55の仕上げ面55aに、糊残りが生じ易くなる。平滑面用の粘着剤の粘着力は、平滑な面への接着が想定されるため、比較的低めの粘着力のものから、高めのものまで使用ですることができる。例えば、2~15N/25mmの粘着力のものを用いることが好ましく、4~13N/25mmの粘着力のものを用いることがさらに好ましい。
養生シート本体14の裏面側に剥離可能に粘着される母材シート15としては、例えば基材シートに剥離剤を塗布したものを用いることができる。基材シートとしては、例えばポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等からなるフィルム基材や、上質紙、含浸紙、フラット紙等の紙基材を用いることができる。なかでも、保湿性等の観点から、フィルム基材を用いることが好ましい。また、剥離剤としては、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤等の市販の剥離剤を用いることができる。
本実施形態では、母材シート15には、養生シート11の養生シート本体14の非粘着性区画部12と粘着性環状区画部13とを区画する環状線に沿って、切り離し案内線15aが設けられている。切り離し案内線15aは、例えば養生シート本体14の裏面側に母材シート15を粘着した状態で、当該母材シート15のみを、非粘着性区画部12と粘着性環状区画部13とを区画する好ましくは矩形状の環状線に沿って、カットしたり、ハーフカットしたり、ミシン目状にカットしたりすることによって、容易に形成することができる。切り離し案内線15aが形成されていることにより、補修用モルタル55の仕上げ面55aに重ね合わされる当該切り離し案内線15aによって囲まれる内側部分15bと、これの外側部分15cとを容易に切り離すことが可能になるので、仕上げ面55aを覆って既設のコンクリート柱50の表面50aに養生シート11を粘着する際に、養生シート11の裏面側に、補修用モルタル55の仕上げ面55aに重ね合わされる非粘着性区画部12と、この非粘着性区画部12の外周部分に好ましくは矩形環状に連続して設けられた、例えば20~300mm程度の幅の粘着性環状区画部13とを、容易に形成することが可能になる。
本実施形態によれば、コンクート柱50の表面に生じたひび割れ等による損傷個所51を含む補修領域を斫って形成された、補修用凹部52に補修用モルタル55を充填したら、充填した補修用モルタル55の仕上げ面55aを覆って、既設のコンクリート柱50の表面50aに上述の養生シート11を粘着することによって、コンクリート表面の補修箇所養生構造10が形成される。すなわち、本実施形態では、母材シート15の切り離し案内線15aに沿って、これの内側部分15bを残置させたまま、これ外側部分15cを養生シート本体14の裏面から剥離させて取り除くことにより、養生シート本体14の裏面側に、母材シート15の残置された内側部分15bによる非粘着性区画部12と、取り除かれた外側部分15cによる粘着性環状区画部13とを形成し、形成した非粘着性区画部12を補修用モルタル55の仕上げ面55aの全体に重ね合わせた状態で、既設のコンクリート柱50の表面における、補修用モルタル55の仕上げ面55aの外側を囲む領域に、粘着性環状区画部13を粘着することにより、養生シート11を補修用モルタル55の仕上げ面55aを覆うようにして取り付けて、補修箇所養生構造10を容易に形成することができる。
これによって、補修用モルタル55の仕上げ面55aの外側を囲む領域に、粘着性環状区画部13が粘着することで、充填した補修用モルタル55から水分を揮散させることなく、所定の期間、補修用モルタル55を養生シート11で覆った状態で効果的に養生することが可能になる。
所定の養生期間が経過して、補修用凹部52に充填された補修用モルタル55が硬化し、養生に必要な期間が経過したら、コンクート柱50の表面から養生シート11を取り除く。ここで、充填された補修用モルタル55の仕上げ面55aは、非粘着性区画部12によって覆われているので、養生シート11を引き剥がして取り除く際に、仕上げ面55aから補修用モルタル55の一部を付着させまま養生シート11が引き剥がされたり、粘着剤を仕上げ面55aに付着させたまま残した状態で養生シート11が引き剥がされたりすることになるのを、効果的に回避することが可能になる。
これらによって、本実施形態によれば、既設のコンクリート柱50の表面に生じた損傷個所51を補修するための補修用凹部52に充填された補修用モルタル55を、水分を揮散させることなく効果的に養生すること可能になると共に、硬化した補修用モルタル55による仕上げ面55aを荒らすことなく、簡易に且つ容易に実施することが可能になる。
図3(a)~(c)は、本実施形態のコンクリート表面の補修箇所養生構造10に用いる養生シート11’の他の形態を例示するものである。図3(a)~(c)に示す他の形態の養生シート11’は、非通気性を備え、裏面側の全体に粘着剤が塗布された養生シート本体14と、養生シート本体14の粘着剤が塗布された裏面側に重ね合わせて剥離可能に粘着された母材シート15’とを有しており、養生シート本体14の裏面側における非粘着性区画部12との間にのり殺しシート16を介在させた状態で、母材シート15’が、養生シート本体14の裏面側に重ね合わせて粘着されている。既設のコンクリート構造物であるコンクート柱50の表面に粘着される際に、のり殺しシート16を残置させたまま、母材シート15’を養生シート本体14の裏面から剥離させて取り除くことにより、養生シート本体14の裏面側に、残置されたのり殺しシート16による非粘着性区画部12と、これの外側部分による粘着性環状区画部13とが形成されるようになっている。
なお、図3(a)~(c)に示す他の形態の養生シート11’に関して、図2(a)~(c)に示す養生シート11と同様の構成部分については、同一の符号を付して説明を省略している。特に言及しない部分については、図2(a)~(c)の養生シート11に関する説明が適宜適用される。
図3(a)~(c)に示す他の形態の養生シート11’では、養生シート本体14の裏面側における非粘着性区画部12との間に介在して設けられるのり殺しシート16として、例えばポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のフィルム材からなるものや、上質紙、含浸紙、フラット紙等の紙からなるものや、ウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体等の発泡体基材からなるものを用いることができる。なかでも、保湿性等の観点から、フィルム材を用いることが好ましい。また、保温性の観点から、フィルムと発泡体とを組み合わせたシート材料を用いることが好ましい。すなわち、のり殺しシートは、保温シートからなっていることが好ましい。のり殺しシート16は、養生シート本体14に塗布された粘着剤を介して、養生シート本体14の裏面側の非粘着性区画部12に容易に粘着させておくことができる。
また、図3(a)~(c)に示す他の形態の養生シート11’では、母材シート15’は、養生シート本体14よりも大きな矩形形状に形成されており、切り離し案内線は不要となっている。母材シート15’は、養生シート本体14の裏面側における外周の粘着性環状区画部13の部分において、養生シート本体14に一体として粘着されることで、養生シート本体14と共に養生シート11’を形成している。母材シート15’は、補修用モルタル55の仕上げ面55aを覆って養生シート11’がコンクート柱50の表面に粘着される際には、その全体が、養生シート本体14の裏面から取り除かれるようになっている。なお、図2(c)及び図3(c)において、母材シート15,15’の、養生シート本体14の裏面から取り除かれる部分は、点線で示されている。
図3(a)~(c)に示す他の形態の養生シート11’を用いた場合でも、コンクート柱50の表面に粘着される際に、のり殺しシート16を残置させたまま、母材シート15’を養生シート本体14の裏面から剥離させて取り除くことにより、養生シート本体14の裏面側に、残置されたのり殺しシート16による非粘着性区画部12と、これの外側部分による粘着性環状区画部13とが形成されるので、形成した非粘着性区画部12を補修用モルタル55の仕上げ面55aの全体に重ね合わせた状態で、既設のコンクリート柱50の表面における補修用モルタル55の仕上げ面55aの外側を囲む領域に、粘着性環状区画部13を粘着することにより、養生シート11’を補修用モルタル55の仕上げ面55aを覆うようにして取り付けて、図2(a)~(c)に示す養生シート11’を用いた場合と同様の作用効果が奏される。
また、養生シート本体14の裏面側に設けられるのり殺しシート16が、保温シートとなっていることにより、例えば冬季の低温環境下においても、補修用モルタル55の初期の硬化時に発せられる熱の逸散を防いで、適正な強度を発現させることが可能になる。
図4(a)~(c)もまた、本実施形態のコンクリート表面の補修箇所養生構造10に用いる養生シート11”の他の形態を例示するものである。図3(a)~(b)に示す他の形態の養生シート11”は、非通気性を備え、裏面側に粘着剤が塗布された養生シート本体14”と、養生シート本体14”の粘着剤が塗布された裏面側に重ね合わせて剥離可能に粘着された母材シート15”とを有しており、養生シート本体14”の裏面側において、粘着剤は、非粘着性区画部12には塗布されておらず、非粘着性区画部12の外周部分に環状に連続する粘着性環状区画部13のみに塗布されている。既設のコンクリート構造物であるコンクート柱50の表面に粘着される際に、母材シート15”を養生シート本体14”の裏面から剥離させて取り除くことにより、養生シート本体14”の裏面側に、粘着剤が塗布されていない非粘着性区画部12と、粘着剤が塗布された粘着性環状区画部13とが形成されるようになっている。
図4(a)~(c)に示す他の形態の養生シート11”を用いた場合でも、コンクート柱50の表面に粘着される際に、母材シート15”を養生シート本体14”の裏面から剥離させて取り除くことにより、養生シート本体14”の裏面側に、非粘着性区画部12と、これの外側部分による粘着性環状区画部13とが形成されるので、形成した非粘着性区画部12を補修用モルタル55の仕上げ面55aの全体に重ね合わせた状態で、既設のコンクリート柱50の表面における補修用モルタル55の仕上げ面55aの外側を囲む領域に、粘着性環状区画部13を粘着することにより、養生シート11”を補修用モルタル55の仕上げ面55aを覆うようにして取り付けて、図2(a)~(c)に示す養生シート11を用いた場合と同様の作用効果が奏される。
図5(a)もまた、本実施形態のコンクリート表面の補修箇所養生構造10に用いる養生シート11aの他の形態を例示するものである。図5(a)に示す他の形態の養生シート11aは、非通気性を備え、裏面側に粘着剤が塗布された養生シート本体14aと、非通気性を備え、裏面側に粘着剤が塗布された一対の端部養生シート17とを有しており、養生シート本体14aは、矩形形状に裁断されると共に、一方の一対の対向する辺部に沿った各々の側縁部分14bの裏面側に粘着剤が塗布されていることで、これらの粘着剤が塗布された側縁部分14bに挟まれる領域が非粘着性区画部12を形成しており、端部養生シート17は、裏面側の全体に粘着剤が塗布されている。既設のコンクリート構造物であるコンクート柱50の表面に粘着される際に、矩形形状の養生シート本体14の他方の一対の対向する辺部に沿った各々の側縁部分14cに重ねて、端部養生シート17を、他方の一対の対向する辺部の外側に食み出させた状態で粘着させることにより、端部養生シート17の他方の一対の対向する辺部の外側に食み出した部分と、養生シート本体14の一方の一対の対向する辺部に沿った両側の側縁部分14bとによって、養生シート本体14による非粘着性区画部12の外周部分に、環状に連続する粘着性環状区画部13が形成されるようになっている。
図5(a)に示す養生シート11aでは、好ましくは養生シート本体14aは、図5(b)に示す、粘着剤が塗布された側縁部分14bを横幅方向の両側に配置してロール状に巻かれた養生シート本体ロール18から、例えば切り離し線18aに沿って切り離すことによって、矩形形状に裁断されるようになっている。
図5(a)に示す他の形態の養生シート11aを用いた場合でも、養生シート本体14a及び端部養生シート17の裏面側に、養生シート本体14aによる非粘着性区画部12と、養生シート本体14aの側縁部分14b及び端部養生シート17による粘着性環状区画部13とが形成されるので、形成された非粘着性区画部12を補修用モルタル55の仕上げ面55aの全体に重ね合わせた状態で、既設のコンクリート柱50の表面における補修用モルタル55の仕上げ面55aの外側を囲む領域に、粘着性環状区画部13を粘着することにより、養生シート11aを補修用モルタル55の仕上げ面55aを覆うようにして取り付けて、図2(a)~(c)に示す養生シート11を用いた場合と同様の作用効果が奏される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、図2(a)、(b)に示す形態の養生シートを用いた場合でも、非粘着性区画部において、養生シート本体と母材シートとの間に保温シートを挟み込んでおくことで、セメント系硬化材料の仕上げ面と、非粘着性区画部との間に保温シートを介在させた状態で、養生シートを、セメント系硬化材料の仕上げ面を覆うようにして取り付けることができる。コンクリート表面の補修箇所は、コンクリート柱以外のその他の種々のコンクート構造物の表面であっても良い。母材シートや非粘着性区画部は、矩形の平面形状を備えている必要は必ずしもなく、補修用凹部の形状に応じた、円形等のその他の種々の平面形状を備えていても良い。補修の対象となる既設のコンクリート構造物には、脱型した後の新設のコンクリート構造物も含まれる。したがって、本発明の補修箇所養生構造や養生シートによって養生されるセメント系硬化材料が充填される補修用凹部は、経年劣化等によってコンクリート構造物に生じた、ひび割れ等による損傷箇所を斫って形成された補修用凹部である必要は必ずしもなく、例えばコンクリート構造物を新設する際に生じた、ジャンカ等の施工不良個所による補修用凹部であっても良いし、コンクリートの検査等のためにコア抜きした部分や非破壊検査を行った部分の補修用凹部であっても良い。また、部分補修を前提として切梁等の仮設材を取り込んで施工した場合に、切梁を解体・切断してその切断面の被り厚を確保する表面仕上げを行う際に、補修用凹部を形成して使用しても良い。
10 コンクリート表面の補修箇所養生構造
11,11’,11”,11a 養生シート
12 非粘着性区画部
13 粘着性環状区画部
14,14”,14a 養生シート本体
14b 一方の一対の対向する辺部に沿った側縁部分
14c 他方の一対の対向する辺部に沿った各々の側縁部分
15,15’,15” 母材シート
15a 切り離し案内線
15b 切り離し案内線の内側部分(内側部分)
15c 切り離し案内線の外側部分(外側部分)
16 のり殺しシート
17 端部養生シート
18 養生シート本体ロール
18a 切り離し線
50 コンクート柱(既設のコンクリート構造物)
51 損傷箇所
52 補修用凹部
53 鉄筋
55 セメント系硬化材料(補修用モルタル)
55a 仕上げ面

Claims (10)

  1. 既設のコンクリート構造物の表面に生じた損傷個所を含む補修領域に形成された補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料から、水分が揮散しないように養生するコンクリート表面の補修箇所養生構造であって、
    前記補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料の、これの周囲の既設のコンクリート構造物の表面と面一な仕上げ面を覆うようにして、既設のコンクリート構造物の表面に、非通気性を備える養生シートを直接に粘着することによって構成され、
    非通気性を備える前記養生シートは、既設のコンクリート構造物の表面に粘着される裏面側に、前記セメント系硬化材料の前記仕上げ面及びこれの全体を囲う領域に重ね合わされる非粘着性区画部と、該非粘着性区画部の外周部分に環状に連続して設けられた粘着性環状区画部とを含んで形成されており、
    前記非粘着性区画部を前記仕上げ面の全体に重ね合わせた状態で、既設のコンクリート構造物の表面における前記仕上げ面の外側を囲む領域に、環状に連続する前記粘着性環状区画部を直接に粘着することによって、前記養生シートが、前記セメント系硬化材料の前記仕上げ面を覆うようにして取り付けられていることで、補修用凹部に充填されたセメント系硬化材料から、水分が揮散しないようにしているコンクリート表面の補修箇所養生構造。
  2. 前記セメント系硬化材料の前記仕上げ面と、前記非粘着性区画部との間に保温シートを介在させた状態で、前記養生シートが、前記セメント系硬化材料の前記仕上げ面を覆うようにして取り付けられている請求項1に記載のコンクリート表面の補修箇所養生構造。
  3. 請求項1又は2に記載のコンクリート表面の補修箇所養生構造に用いる養生シートであって、
    非通気性を備え、裏面側の全体に粘着剤が塗布された養生シート本体と、該養生シート本体の粘着剤が塗布された裏面側に重ね合わせて剥離可能に粘着された母材シートとを有しており、
    前記母材シートには、前記非粘着性区画部と前記粘着性環状区画部とを区画する環状線に沿って、切り離し案内線が設けられており、
    既設のコンクリート構造物の表面に粘着される際に、前記切り離し案内線の内側部分を残置させたまま、前記切り離し案内線の外側部分の前記母材シートを切り離し、切り離した外側部分を前記養生シート本体の裏面から剥離させて取り除くことにより、前記養生シート本体の裏面側に、前記母材シートの残置された内側部分による前記非粘着性区画部と、取り除かれた外側部分による前記粘着性環状区画部とが形成される養生シート。
  4. 請求項1又は2に記載のコンクリート表面の補修箇所養生構造に用いる養生シートであって、
    非通気性を備え、裏面側の全体に粘着剤が塗布された養生シート本体と、該養生シート本体の粘着剤が塗布された裏面側に重ね合わせて剥離可能に粘着された母材シートとを有しており、
    前記養生シート本体の裏面側における前記非粘着性区画部との間にのり殺しシートを介在させた状態で、前記母材シートが、前記養生シート本体の裏面側に重ね合わせて粘着されており、
    既設のコンクリート構造物の表面に粘着される際に、前記のり殺しシートを残置させたまま、前記母材シートを前記養生シート本体の裏面から剥離させて取り除くことにより、前記養生シート本体の裏面側に、残置された前記のり殺しシートによる前記非粘着性区画部と、これの外側部分による前記粘着性環状区画部とが形成される養生シート。
  5. 前記のり殺しシートが、保温シートからなる請求項4に記載の養生シート。
  6. 請求項1又は2に記載のコンクリート表面の補修箇所養生構造に用いる養生シートであって、
    非通気性を備え、裏面側に粘着剤が塗布された養生シート本体と、該養生シート本体の粘着剤が塗布された裏面側に重ね合わせて剥離可能に粘着された母材シートとを有しており、
    前記養生シート本体の裏面側において、粘着剤は、前記非粘着性区画部には塗布されておらず、前記非粘着性区画部の外周部分に環状に連続する前記粘着性環状区画部のみに塗布されており、
    既設のコンクリート構造物の表面に粘着される際に、前記母材シートを前記養生シート本体の裏面から剥離させて取り除くことにより、前記養生シート本体の裏面側に、粘着剤が塗布されていない前記非粘着性区画部と、粘着剤が塗布された前記粘着性環状区画部とが形成される養生シート。
  7. 前記母材シート及び前記非粘着性区画部は、矩形の平面形状を備えており、前記粘着性環状区画部は、矩形環状の平面形状を備えている請求項3~6のいずれか1項に記載の養生シート。
  8. 請求項1又は2に記載のコンクリート表面の補修箇所養生構造に用いる養生シートであって、
    非通気性を備え、裏面側に粘着剤が塗布された養生シート本体と、非通気性を備え、裏面側に粘着剤が塗布された一対の端部養生シートとを有しており、
    前記養生シート本体は、矩形形状に裁断されると共に、一方の一対の対向する辺部に沿った各々の側縁部分の裏面側に粘着剤が塗布されていることで、これらの粘着剤が塗布された側縁部分に挟まれる領域が前記非粘着性区画部を形成しており、前記端部養生シートは、裏面側の全体に粘着剤が塗布されており、
    既設のコンクリート構造物の表面に粘着される際に、矩形形状の前記養生シート本体の他方の一対の対向する辺部に沿った各々の側縁部分に重ねて、前記端部養生シートを、他方の一対の対向する辺部の外側に食み出させた状態で粘着させることにより、前記端部養生シートの他方の一対の対向する辺部の外側に食み出した部分と、前記養生シート本体の一方の一対の対向する辺部に沿った両側の側縁部分とによって、前記養生シート本体による前記非粘着性区画部の外周部分に、環状に連続する前記粘着性環状区画部が形成される養生シート。
  9. 前記養生シート本体は、粘着剤が塗布された側縁部分を横幅方向の両側に配置してロール状に巻かれた養生シート本体ロールから、矩形形状に裁断される請求項8記載の養生シート。
  10. 前記養生シート本体又は前記端部養生シートの裏面側に塗布された粘着剤の粘着力は、2~15N/25mmとなっている請求項3~9のいずれか1項に記載の養生シート。
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