JP2017110343A - 既存外壁の改修構造、及び、既存外壁の改修方法 - Google Patents

既存外壁の改修構造、及び、既存外壁の改修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗材が表面に設けられたフィルム材を適切な状態に維持させることにある。【解決手段】既存外壁と、フィルム材と、前記フィルム材の表面に設けられている塗材と、前記既存外壁に対して設けられ前記フィルム材の裏面が張り付けられている水硬性下地材と、を有する改修材と、を備え、前記フィルム材及び前記塗材には細孔が設けられていることを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、既存外壁の改修構造、及び、既存外壁の改修方法に関する。
既存外壁に対し水硬性下地材を設け、当該水硬性下地材に新規仕上げを施工して既存外壁を改修する方法は既によく知られている。
特開平9−317199号公報
当該新規仕上げを実現する方策として、塗材が表面に設けられたフィルム材を水硬性下地材に張り付ける方策が考えられる。当該方策により、既存外壁と、フィルム材と、フィルム材の表面に設けられている塗材と、既存外壁に対して設けられフィルム材の裏面が張り付けられている水硬性下地材と、を有する改修材と、を備える既存外壁の改修構造が形成される。
しかしながら、このような改修方法及び改修構造には、以下の課題があった。すなわち、当該フィルム材が水硬性下地材の水分の影響を受けた場合に、フィルム材が剥がれたり膨らんだりする可能性があった。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、塗材が表面に設けられたフィルム材を適切な状態に維持させることにある。
主たる本発明は、既存外壁と、
フィルム材と、前記フィルム材の表面に設けられている塗材と、前記既存外壁に対して設けられ前記フィルム材の裏面が張り付けられている水硬性下地材と、を有する改修材と、
を備え、
前記フィルム材及び前記塗材には細孔が設けられていることを特徴とする既存外壁の改修構造である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、塗材が表面に設けられたフィルム材を適切な状態に維持させることが可能となる。
本実施の形態に係る既存外壁10(既存仕上げ層12)を示した模式図である。 本実施の形態に係る第一下地モルタル塗布工程を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る立体繊維材張り付け工程を説明するための模式図である。 本実施の形態に係るアンカーピン打ち込み工程を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る第二下地モルタル塗布工程を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る化粧フィルム材張り付け工程を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る化粧フィルム材60の断面形状を示した模式図である。 本実施の形態に係る化粧フィルム材60に細孔66が設けられている様子を示した模式拡大図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
既存外壁と、
フィルム材と、前記フィルム材の表面に設けられている塗材と、前記既存外壁に対して設けられ前記フィルム材の裏面が張り付けられている水硬性下地材と、を有する改修材と、
を備え、
前記フィルム材及び前記塗材には細孔が設けられていることを特徴とする既存外壁の改修構造。
かかる場合には、水硬性下地材から発せられる水分を当該細孔から逃がすことができる。そのため、塗材が表面に設けられたフィルム材が剥がれたり膨らんだりすることを抑止することができる。したがって、塗材が表面に設けられたフィルム材を適切な状態に維持させることが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記水硬性下地材は、前記フィルム材の前記細孔内に位置していないことが望ましい。
かかる場合には、塗材が表面に設けられたフィルム材へ影響を及ぼす水分の発生を最小限に抑えた上で、最小限に抑えられた水分を細孔から逃がすことができる。そのため、塗材が表面に設けられたフィルム材が剥がれたり膨らんだりすることをより抑止することができる。したがって、塗材が表面に設けられたフィルム材をより適切な状態に維持させることが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記改修材は、前記フィルム材と前記塗材と前記フィルム材の裏面に設けられている粘着材とを有する新規外装材と、前記新規外装材が前記粘着材で張り付けられている前記水硬性下地材と、を備え、
前記粘着材には細孔が設けられていることが望ましい。
かかる場合には、新規外装材(フィルム材)を水硬性下地材に張り付ける工程が簡便なものとなる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記細孔の径は、50μm以上500μm以下であることが望ましい。
かかる場合には、細孔の機能を適切に発揮させつつ意匠上の問題を回避することが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記細孔のピッチは、1mm以上10mm以下であることが望ましい。
かかる場合には、細孔の機能を適切に発揮させつつフィルム材の破損を抑えることが可能となる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記既存外壁と、前記水硬性下地材との間に立体繊維材が設けられていることが望ましい。
かかる場合には、既存外壁に対する補強が適切に行われる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記既存外壁と前記立体繊維材は、水硬性接着材で接着されていることが望ましい。
かかる場合には、既存外壁に対する補強が適切に行われる。
かかる既存外壁の改修構造であって、
前記立体繊維材を前記既存外壁へ止めるアンカーピンを有することが望ましい。
かかる場合には、既存外壁に対する補強が適切に行われる。
次に、既存外壁に対して水硬性下地材を設ける工程と、
フィルム材と前記フィルム材の表面に設けられている塗材とを有し該フィルム材と該塗材に細孔が設けられている新規外装材を、前記水硬性下地材に張り付ける工程と、
を備えることを特徴とする既存外壁の改修方法。
かかる場合には、水硬性下地材から発せられる水分を当該細孔から逃がすことができる。そのため、塗材が表面に設けられたフィルム材が剥がれたり膨らんだりすることを抑止することができる。したがって、塗材が表面に設けられたフィルム材を適切な状態に維持させることが可能となる。
かかる既存外壁の改修方法であって、
前記水硬性下地材の硬化後に、前記新規外装材を前記水硬性下地材に張り付けることが望ましい。
かかる場合には、塗材が表面に設けられたフィルム材へ影響を及ぼす水分の発生を最小限に抑えた上で、最小限に抑えられた水分を細孔から逃がすことができる。そのため、塗材が表面に設けられたフィルム材が剥がれたり膨らんだりすることをより抑止することができる。したがって、塗材が表面に設けられたフィルム材をより適切な状態に維持させることが可能となる。
かかる既存外壁の改修方法であって、
前記新規外装材は、前記フィルム材の裏面に設けられ細孔を有する粘着材を備え、
前記粘着材が前記水硬性下地材に接触するように前記新規外装材を前記水硬性下地材に張り付けることが望ましい。
かかる場合には、新規外装材(フィルム材)を水硬性下地材に張り付ける工程が簡便なものとなる。
かかる既存外壁の改修方法であって、
前記既存外壁に立体繊維材を張り付ける工程をさらに有し、
前記既存外壁に対して前記水硬性下地材を設ける際には、前記既存外壁に張り付けられた前記立体繊維材に前記水硬性下地材を塗布することが望ましい。
かかる場合には、既存外壁に対する補強が適切に行われる。
かかる既存外壁の改修方法であって、
前記既存外壁に水硬性接着材で立体繊維材を張り付けることが望ましい。
かかる場合には、既存外壁に対する補強が適切に行われる。
かかる既存外壁の改修方法であって、
前記立体繊維材を前記既存外壁へアンカーピンで止める工程をさらに有することが望ましい。
かかる場合には、既存外壁に対する補強が適切に行われる。
===本実施の形態に係る既存外壁の改修方法及び改修構造について===
本実施の形態に係る既存外壁の改修方法及び改修構造について、図1乃至図8を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る既存外壁10(既存仕上げ層12)を示した模式図であり、本実施の形態に係る既存外壁の改修方法を実行する前の状態を示した図である。図2は、本実施の形態に係る第一下地モルタル塗布工程を説明するための模式図である。図3は、本実施の形態に係る立体繊維材張り付け工程を説明するための模式図である。図4は、本実施の形態に係るアンカーピン打ち込み工程を説明するための模式図である。図5は、本実施の形態に係る第二下地モルタル塗布工程を説明するための模式図である。図6は、本実施の形態に係る化粧フィルム材張り付け工程を説明するための模式図であり、既存外壁の改修方法完了後の状態を示した図である。また、この図6は、本実施の形態に係る既存外壁の改修構造も示している。図7は、本実施の形態に係る化粧フィルム材60の断面形状を示した模式図である。図8は、本実施の形態に係る化粧フィルム材60に細孔66が設けられている様子を示した模式拡大図である。
本実施の形態に係る既存外壁の改修方法は、建物の既存外壁10を残したまま、その表面にピンネット工法(繊維ネットの張り付け及びアンカーピンの打ち込みによる工法)によって繊維補強基材70を形成し、その表面に新規仕上げを施工する方法である。当該既存外壁の改修方法は、第一下地モルタル塗布工程、立体繊維材張り付け工程、アンカーピン打ち込み工程、第二下地モルタル塗布工程、化粧フィルム材張り付け工程を備えており、これらの工程がこの順に実施される。そして、これらの工程が実施されると、既存外壁の改修構造が形成されることとなる。以下、具体的に説明する。
図1は、既存外壁10(既存仕上げ層12)を示した図である。ここでは、既存外壁10として、既存コンクリート10aに既存タイル10bを張り付けたタイル張り外壁を例に挙げて説明するが、当該既存外壁10は、これに限定されるものではなく、どのようなものでもよい。例えば、モルタル塗り外壁であってもよいし、化粧成形シートであってもよい。
先ず、作業者は、図2に示すように、水硬性接着材の一例としての第一下地モルタル20(ポリマーセメントモルタル)を既存外壁10(既存仕上げ層12)に塗布する(第一下地モルタル塗布工程)。この第一下地モルタル20は、次の工程で立体繊維材30を張り付けるための接着剤である。
次に、作業者は、図3に示すように、第一下地モルタル20の塗布後直ちに、第一下地モルタル20へ立体繊維材30(繊維ネット)を張り付ける(立体繊維材張り付け工程)。すなわち、既存外壁10に第一下地モルタル20で立体繊維材30を張り付ける。なお、立体繊維材30を張り付ける際には、第一下地モルタル20に立体繊維材30が完全に埋まってしまわないようにする。すなわち、立体繊維材30の表面側の一部が第一下地モルタル20から露出する(換言すれば、立毛する)ように、第一下地モルタル20に伏せ込む。
次に、作業者は、図4に示すように、養生後、立体繊維材30を既存外壁10へアンカーピン40で止める(アンカーピン打ち込み工程)。すなわち、所定の位置(本実施の形態においては、既存外壁10の既存タイル10b間の目地部分をアンカーピン40が貫通するような位置としている)に穿孔し、当該孔にアンカーピン40を挿入する。アンカーピン40は、所定の間隔で複数挿入される。アンカーピン40は、立体繊維材30、第一下地モルタル20、既存外壁10(既存仕上げ層12)を貫通するように挿入され、このことにより、立体繊維材30を既存外壁10に押し付けることができ、既存タイル10bの剥落を防止することが可能となる。なお、図4において、符号42で示される部材は、座金である。ここまでの工程によって、既存外壁10と、立体繊維材30と、アンカーピン40を備えた繊維補強基材70が完成する。
次に、作業者は、図5に示すように、既存外壁10に対して水硬性下地材の一例としての第二下地モルタル50(第一下地モルタル20と同じものであっても違うものであってもよい)を設ける。すなわち、既存外壁10に張り付けられた立体繊維材30に第二下地モルタル50を塗布する(第二下地モルタル塗布工程)。
前述した第一下地モルタル20は、接着剤としての機能を有していたが、この第二下地モルタル50は、第一下地モルタル20とは異なり、当該接着剤としての機能ではなく、後述する化粧フィルム材60を張り付けるための平面化(平滑化)された下地部としての役割を果たすものである。なお、第二下地モルタル50は接着剤の機能を有さないため、化粧フィルム材60には、別途、粘着材60cが設けられている(後に詳述する)。
このように、立体繊維材30に第二下地モルタル50を塗布すること(換言すれば、湿式左官モルタル塗りを立体繊維材30に対し実行すること)により、平面化(平滑化)された下地部(ただし、金属面のような高い平滑性があるわけではなく、若干の凹凸は備えられている)を形成することが可能となる。
次に、作業者は、図6に示すように、養生後(すなわち、第二下地モルタル50の硬化後)、新規外装材の一例としての化粧フィルム材60を第二下地モルタル50に張り付ける(化粧フィルム材張り付け工程)。
ここで、化粧フィルム材60について、図7及び図8を参照しつつ説明する。本実施の形態に係る化粧フィルム材60は、図7に示すように、基材としてのフィルム材60a(フィルム層)と、当該フィルム材60aの表面に設けられている塗材60b(塗装層)と、当該フィルム材60aの裏面に設けられている粘着材60c(粘着層)と、を備えている。
フィルム材60aは、樹脂(例えば、塩化ビニル樹脂系やアクリル樹脂系)製の柔軟性を備えた部材である。また、当該フィルム材60a上(の表面)には、一定の模様(例えば、石材調の模様)が印刷されており、この印刷された模様が塗材60b(塗装層)を構成している。また、化粧フィルム材60を第二下地モルタル50に張り付ける(圧着させる)際に、当該塗材60b(塗装層)が剥がれて模様が崩れないように、塗材60b(塗装層)の表面には、保護フィルム62が付着されている。また、フィルム材60aの裏面には、粘着材60c(粘着層)が塗布されており、使用前には、この粘着材60c(粘着層)は離型紙64で保護されている。
また、化粧フィルム材60には、図8に示すように、円形状の細孔66が複数設けられている(なお、図6及び図7においては、便宜上、一つの細孔66のみを表している)。すなわち、化粧フィルム材60は、予め有孔加工されている。本実施の形態に係る細孔66は、前述した5つの層、すなわち、離型紙64、粘着材60c(粘着層)、フィルム材60a(フィルム層)、塗材60b(塗装層)、保護フィルム62を貫通する穴となっている。つまり、離型紙64、粘着材60c、フィルム材60a、塗材60b、保護フィルム62の各々に、細孔66が設けられており、当該5つの層に亘って細孔66が連続している。なお、細孔66の機能については、後述する。
化粧フィルム材60を第二下地モルタル50に張り付ける際には、先ず、作業者は、化粧フィルム材60から離型紙64を剥がして、粘着材60c(粘着層)を露出させる。そして、粘着材60c(粘着層)が第二下地モルタル50に接触するように化粧フィルム材60を硬化した第二下地モルタル50に張り付ける。このことで、粘着材60c(粘着層)が第二下地モルタル50に接触して、第二下地モルタル50に化粧フィルム材60が付着される。
次に、作業者は、第二下地モルタル50に張り付いた状態の化粧フィルム材60を、その表面側からローラーやブラシ等で十分に圧着させる。そして、圧着後、化粧フィルム材60から保護フィルム62を剥がして、塗材60b(塗装層)を露出させる。
かかる工程で、既存外壁の改修方法が完了し、既存外壁10に対し、フィルム材60aと塗材60bと粘着材60c(すなわち、化粧フィルム材60)と第二下地モルタル50とを有する改修材80が施されることとなる。
このように、本実施の形態に係る既存外壁の改修構造は、既存外壁10と、フィルム材60aと、フィルム材60aの表面に設けられている塗材60bと、既存外壁10に対して設けられフィルム材60aの裏面が張り付けられている第二下地モルタル50と、を有する改修材80と、を備え、フィルム材60a及び塗材60bには細孔66が設けられている。また、本実施の形態に係る既存外壁の改修方法は、既存外壁10に対して第二下地モルタル50を設ける工程と、フィルム材60aとフィルム材60aの表面に設けられている塗材60bとを有しフィルム材60aと塗材60bに細孔66が設けられている化粧フィルム材60を、第二下地モルタル50に張り付ける工程と、を備えている。
そのため、塗材60bが表面に設けられたフィルム材60a(すなわち、化粧フィルム材60)を適切な状態に維持させることが可能となる。以下、具体的に説明する。
新規仕上げを実現する方策として、塗材が表面に設けられたフィルム材を第二下地モルタルに張り付ける方策が考えられる。当該方策により、既存外壁と、フィルム材と、フィルム材の表面に設けられている塗材と、既存外壁に対して設けられフィルム材の裏面が張り付けられている第二下地モルタルと、を有する改修材と、を備える既存外壁の改修構造が形成される。
しかしながら、このような改修方法及び改修構造には、以下の課題があった。すなわち、当該フィルム材が第二下地モルタルの水分の影響を受けた場合に、塗材が表面に設けられたフィルム材が剥がれたり膨らんだりする可能性があった。つまり、第二下地モルタルから発せられる水分(水蒸気、湿気)がフィルム材を裏側から押圧し、塗材が表面に設けられたフィルム材が当該押圧力により剥がれたり膨らんだりする可能性があった。
これに対し、本実施の形態においては、フィルム材60a及び塗材60b(化粧フィルム材60)に細孔66が設けられているため、第二下地モルタル50から発せられる水分を当該細孔66から逃がすことができる。そのため、塗材60bが表面に設けられたフィルム材60a(化粧フィルム材60)が剥がれたり膨らんだりすることを抑止することができる。したがって、塗材60bが表面に設けられたフィルム材60a(化粧フィルム材60)を適切な状態に維持させることが可能となる。
また、本実施の形態においては、第二下地モルタル50の硬化後に、化粧フィルム材60を第二下地モルタル50に張り付けることとしている。したがって、図6に示したように、硬化した第二下地モルタル50は、フィルム材60a(換言すれば、化粧フィルム材60)の細孔66内に侵入することはなく、フィルム材60a(化粧フィルム材60)の細孔66内には位置しない状態となっている。
そのため、本実施の形態によれば、第二下地モルタル50を硬化させてから化粧フィルム材60を張り付けているので、塗材60bが表面に設けられたフィルム材60a(化粧フィルム材60)へ影響を及ぼす水分の発生を最小限に抑えた上で、最小限に抑えられた水分を細孔66から逃がすことができる。そのため、塗材60bが表面に設けられたフィルム材60a(化粧フィルム材60)が剥がれたり膨らんだりすることをより抑止することができる。したがって、塗材60bが表面に設けられたフィルム材60a(化粧フィルム材60)をより適切な状態に維持させることが可能となる。
また、本実施の形態において、改修材80は、フィルム材60aと塗材60bとフィルム材60aの裏面に設けられている粘着材60cとを有する化粧フィルム材60と、化粧フィルム材60が粘着材60cで張り付けられている第二下地モルタル50と、を備え、粘着材60cには細孔66が設けられている。すなわち、化粧フィルム材60は、フィルム材60aの裏面に設けられ細孔66を有する粘着材60cを備え、粘着材60cが第二下地モルタル50に接触するように化粧フィルム材60を第二下地モルタル50に張り付ける。
化粧フィルム材60に粘着材60c(粘着層)が設けられておらず、化粧フィルム材60(すなわち、フィルム材60a)に別途接着材を塗って化粧フィルム材60を第二下地モルタル50に張り付けるような実施形態であっても構わないが、本実施の形態の方が以下の優位性を有する点で望ましい。
すなわち、本実施の形態においては、接着剤を塗る手間を省くことができる。また、接着剤を塗る形態を採った場合には、フィルム材60aの細孔66を回避して塗らなければならないが、このような煩わしさからも解放される。すなわち、本実施の形態によれば、化粧フィルム材60(フィルム材60a)を第二下地モルタル50に張り付ける工程が簡便なものとなる。
また、細孔66の径(つまり、直径)は、50μm以上500μm以下であることが望ましい。径が50μmよりも小さいと、第二下地モルタル50から発せられる水分を逃す細孔66の機能が不十分なものとなり、50μmよりも大きいと、細孔66が肉眼で気付きやすくなり(細孔66が目立つ状況となり)、意匠上の問題が生ずる。
そのため、細孔66の径を50μm以上500μm以下とすることにより、細孔66の機能を適切に発揮させつつ意匠上の問題を回避することが可能となる。
また、細孔66のピッチは、1mm以上10mm以下であることが望ましい。ピッチが1mmより小さいと、互いに隣接する細孔66が近くなりすぎて、フィルム材60aの破損(破れ)が顕著に発生しやすくなり、10mmより大きいと、互いに隣接する細孔66が遠くなりすぎて、第二下地モルタル50から発せられる水分を逃す細孔66の機能が不十分なものとなる(例えば、大きな膨れが生じやすくなる)
そのため、細孔66のピッチを1mm以上10mm以下とすることにより、細孔66の機能を適切に発揮させつつフィルム材60aの破損を抑えることが可能となる。
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記実施の形態においては、保護フィルム62と離型紙64にも細孔66が設けられていることとしたが、これに限定されるものではない。保護フィルム62と離型紙64には、細孔66が設けられていなくてもよい。
また、上記実施の形態においては、既存外壁10と、第二下地モルタル50との間に立体繊維材30が設けられていることとした。すなわち、既存外壁10に立体繊維材30を張り付ける工程を有し、既存外壁10に対して第二下地モルタル50を設ける際には、既存外壁10に張り付けられた立体繊維材30に第二下地モルタル50を塗布することとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、立体繊維材30はなくてもよい。また、上記実施の形態においては、既存外壁10と立体繊維材30は、第一下地モルタル20で接着されていることとした。すなわち、既存外壁10に第一下地モルタル20で立体繊維材30を張り付けることとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、第一下地モルタル20による接着でなくてもよい。また、上記実施の形態においては、立体繊維材30を既存外壁10へ止めるアンカーピン40を有することとした。すなわち、立体繊維材30を既存外壁10へアンカーピン40で止める工程を有することとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、アンカーピン40はなくてもよい。
このように、本発明は、ピンネット工法が必須となるものではなく、ピンネット工法以外の形態にも適用可能である。
ただし、既存外壁10に対する補強が適切に行われる点で上記実施の形態の方が望ましい。
10 既存外壁
10a 既存コンクリート
10b 既存タイル
12 既存仕上げ層
20 第一下地モルタル
30 立体繊維材
40 アンカーピン
42 座金
50 第二下地モルタル
60 化粧フィルム材
60a フィルム材
60b 塗材
60c 粘着材
62 保護フィルム
64 離型紙
66 細孔
70 繊維補強基材
80 改修材

Claims (14)

  1. 既存外壁と、
    フィルム材と、前記フィルム材の表面に設けられている塗材と、前記既存外壁に対して設けられ前記フィルム材の裏面が張り付けられている水硬性下地材と、を有する改修材と、
    を備え、
    前記フィルム材及び前記塗材には細孔が設けられていることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  2. 請求項1に記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記水硬性下地材は、前記フィルム材の前記細孔内に位置していないことを特徴とする既存外壁の改修構造。
  3. 請求項2に記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記改修材は、前記フィルム材と前記塗材と前記フィルム材の裏面に設けられている粘着材とを有する新規外装材と、前記新規外装材が前記粘着材で張り付けられている前記水硬性下地材と、を備え、
    前記粘着材には細孔が設けられていることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記細孔の径は、50μm以上500μm以下であることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記細孔のピッチは、1mm以上10mm以下であることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記既存外壁と、前記水硬性下地材との間に立体繊維材が設けられていることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  7. 請求項6に記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記既存外壁と前記立体繊維材は、水硬性接着材で接着されていることを特徴とする既存外壁の改修構造。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の既存外壁の改修構造であって、
    前記立体繊維材を前記既存外壁へ止めるアンカーピンを有することを特徴とする既存外壁の改修構造。
  9. 既存外壁に対して水硬性下地材を設ける工程と、
    フィルム材と前記フィルム材の表面に設けられている塗材とを有し該フィルム材と該塗材に細孔が設けられている新規外装材を、前記水硬性下地材に張り付ける工程と、
    を備えることを特徴とする既存外壁の改修方法。
  10. 請求項9に記載の既存外壁の改修方法であって、
    前記水硬性下地材の硬化後に、前記新規外装材を前記水硬性下地材に張り付けることを特徴とする既存外壁の改修方法。
  11. 請求項10に記載の既存外壁の改修方法であって、
    前記新規外装材は、前記フィルム材の裏面に設けられ細孔を有する粘着材を備え、
    前記粘着材が前記水硬性下地材に接触するように前記新規外装材を前記水硬性下地材に張り付けることを特徴とする既存外壁の改修方法。
  12. 請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の既存外壁の改修方法であって、
    前記既存外壁に立体繊維材を張り付ける工程をさらに有し、
    前記既存外壁に対して前記水硬性下地材を設ける際には、前記既存外壁に張り付けられた前記立体繊維材に前記水硬性下地材を塗布することを特徴とする既存外壁の改修方法。
  13. 請求項12に記載の既存外壁の改修方法であって、
    前記既存外壁に水硬性接着材で立体繊維材を張り付けることを特徴とする既存外壁の改修方法。
  14. 請求項12又は請求項13に記載の既存外壁の改修方法であって、
    前記立体繊維材を前記既存外壁へアンカーピンで止める工程をさらに有することを特徴とする既存外壁の改修方法。
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