JP7244265B2 - セラミックス配線基板 - Google Patents

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Description

本開示は、例えば電子部品のパッケージ、無線通信モジュール基板、制御回路用基板、半導体検査装置などに用いることができるセラミックス配線基板に関するものである。
従来、セラミックス配線基板には、融点が高い例えばMoやW等を用いた配線が形成されているが、配線抵抗が高いため、電気的ロスが大きいという問題があった。
そこで、配線抵抗を下げる手法として、AgやCuに代表されるように、融点は低いが低抵抗の金属を用いたLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)基板が開発されている。
ところが、上述したLTCC基板は、低温で焼成可能にするため、ガラス成分を多くしてあるために、一般的に基板強度が低いという問題がある。
そこで、配線を構成する導体として、例えばCu及びWを用いることにより、焼成温度が1000℃以上の比較的高い温度にて焼成可能とすることで、セラミックに添加するガラス成分の量を少なくして、低抵抗で高強度のセラミックス配線基板を得る技術が検討されている。
例えば、アルミナを主成分とするセラミックス基板の表面に、Cuからなるマトリックス中にW及び/又はMoを分散させた構成を有する配線を設ける技術などが開示されている(特許文献1参照)。
また、前記セラミックス配線基板としては、セラミックス基板の内部に配線(即ち内部導電部)を備えるとともに、セラミックス基板の表面に配線(即ち表面導電部)を備え、内部導電部と表面導電部とがビアにより接続されているものが知られている。
このような構造のセラミックス配線基板では、内部導電部には導体として融点の低い例えばCuが使用されるが、表面導電部には、焼成時に好適に配線の形状を保つために、Cuより融点の高い例えばMo等が使用される。
特開2000-77805号公報
ところで、上述した従来技術では、下記のような問題があり、その改善が求められていた。
具体的には、上述のように、内部導電部に低融点のCuを含み、表面導電部に高融点のMo等を含むセラミックス配線基板を製造する場合には、セラミックス基板の材料と配線の材料とを同時焼成するときに、内部導電部中のCuが熔融し、ビアを通って表面導電部の表面に熔出することがあった。
このように、Cuが表面導電部の表面に熔出すると、図14(矢印部分参照)に示す外見上の不具合だけではなく、内部導電部のCuの含有量が変化してしまい配線の電気特性も変化してしまうことで、配線の電気特性が十分に発揮されないことがあった。
本開示は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内部導電部中のCuが表面導電部等に熔出することを抑制できるセラミックス配線基板を提供することにある。
(1)本開示の第1局面は、アルミナを主成分とするセラミックス基板と、セラミックス基板の内部に配置された内部導電部と、セラミックス基板の厚み方向の表面に配置された表面導電部と、セラミックス基板の内部に配置されて、内部導電部と表面導電部とを電気的に接続するビア導電部と、を備えたセラミックス配線基板に関するものである。
このセラミックス配線基板では、内部導電部は、導電成分として、Cu及びMo、又は、Cu及びW、のいずれか一方を含み、ビア導電部は、導電成分として、Mo及びWのうち少なくとも一方を含むとともに、前記導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である。
本第1局面では、ビア導電部は、導電成分として、Mo及びWのうち少なくとも一方を含むとともに、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である。なお、Niの含有量は少ない方が望ましく、含有量が0であれば最も好ましい。
そのため、セラミックス配線基板を製造する際に、焼成の際の加熱によって、内部導電部となる部分のCuが熔融した場合でも、Cuがビア導電部となる部分に熔出することを抑制する。そのため、Cuがビア導電部となる部分から表面導電部となる部分に熔出することを抑制する。つまり、Cuがビア導電部を介して表面導電部に熔出することを抑制するという効果がある。
ここで、Cuが表面導電部に熔出することを抑制できる理由を説明する。
焼成後にビア導電部となる部分にNiが含まれている場合には、焼成の際の加熱によって、Niがビア導電部側から内部導電部側に移動する性質がある。それに伴って、逆にCuが内部導電部側からビア導電部側に移動し、さらに、移動したCuがビア導電部側から表面導電部側に移動すると考えられる。従って、ビア導電部となる部分にNiが含まれていない場合(又はNiが少ない場合)には、Cuはビア導電部側から表面導電部側に移動しにくいと考えられる。
このように、本第1局面では、上述した構成によって、Cuが表面導電部に移動しにくい。そのため、セラミックス配線基板の表面導電部の外観不良(例えば、変色、不要な突出、Cuの表面への熔出、等)を抑制するとともに、表面導電部における電気特性が変化し難いので、表面導電部の電気特性が十分に発揮されるという顕著な効果を奏する。
なお、「Cu及びMo、又は、Cu及びW、のいずれか一方」とは、「Cu及びMo」を含むか、又は、「Cu及びW」を含むことを示している(以下同様)。
(2)本開示の第2局面では、表面導電部のうち、ビア導電部と接する表面からの厚みが5μmの範囲(以下表面隣接領域と称することもある)では、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下であってもよい。なお、Niの含有量は少ない方が望ましく、含有量が0であれば最も好ましい。
このように、表面導電部の表面隣接領域において、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である場合には、上述のように、内部導電部のCuが熔融した場合でも、ビア導電部によりCuの熔出が抑制されつつ、更にビア導電部と接する表面導電部においてもCuの熔出が抑制されるため、より一層Cuが表面導電部に熔出し難いので好適である。
(3)本開示の第3局面では、内部導電部は、セラミックス基板の厚み方向に対して垂直方向にある側面に露出する露出部を有するとともに、セラミックス基板の側面には、露出部を覆うとともに露出部と電気的に接続された側面導電部を有していてもよい。
この場合に、側面導電部のうち、露出部と接する表面からの厚みが5μmの範囲(以下側面隣接領域と称することもある)では、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下であってもよい。なお、Niの含有量は少ない方が望ましく、含有量が0であれば最も好ましい。
このように、セラミックス基板の側面に露出する露出部を有するとともに、その露出部を覆う側面導電部を有している場合に、側面隣接領域の導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下であるときには、上述のように、内部導電部のCuが熔融した場合でも、そのCuが側面導電部に熔出し難いので好適である。
(4)本開示の第4局面では、セラミックス基板の厚み方向の表面と反対側の裏面に配置された裏面導電部と、セラミックス基板の内部に配置されて、内部導電部と裏面導電部とを電気的に接続する第2のビア導電部と、を備えていてもよい。
この場合に、第2のビア導電部は、導電成分として、Mo及びWのうち少なくとも一方を含むとともに、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下であってもよい。
このように、裏面導電部と第2のビア導電部とを備えている場合に、第2のビア導電部の導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下であるときには、上述のように、内部導電部のCuが熔融した場合でも、そのCuが第2のビア導電部を介して裏面導電部に熔出し難いので好適である。
(5)本開示の第5局面では、裏面導電部のうち、第2のビア導電部と接する表面からの厚みが5μmの範囲(以下裏面隣接領域と称することもある)では、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下であってもよい。
このように、裏面隣接領域の導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下であるときには、上述のように、内部導電部のCuが熔融した場合でも、第2のビア導電部によりCuの熔出が抑制されつつ、更に第2のビア導電部と接する裏面導電部においてもCuの熔出が抑制されるため、より一層Cuが裏面導電部に熔出し難いので好適である。
<以下に、本開示の各構成について説明する>
・セラミックス基板とは、セラミックを主成分とする基板を示している。なお、主成分とは、最も量(即ち体積)が多い成分を示している。
・内部導電部とは、セラミックス基板の内部に配置されている導電性を有する部分である。なお、内部導電部の一部が、セラミックス基板の表面(例えば側面)に達していてもよい。
・ビア導電部とは、セラミックス基板の内部において、基板の厚み方向に延びる導電性を有する部分である。また、以下では、表面導電部に接するビア導電部を表面ビア導電部と称し、裏面導電部に接するビア導電部を裏面ビア導電部と称する。なお、第2のビア導電部とは、ビア導電部の1種(例えば裏面ビア導電部)である。
・表面導電部と側面導電部と裏面導電部とは、それぞれ、セラミックス基板の厚み方向の一方の表面と、セラミックス基板の側面(即ち厚み方向と垂直の方向に存在する側面)と、セラミックス基板の厚み方向の他方の表面(即ち裏面)と、に配置されている導電性を有する部分である。なお、内部導電部と表面導電部と側面導電部と裏面導電部とは、構成成分が異なっていてもよい。
・「導電成分中のNiの含有量」については、例えばエネルギー分散型X線分析(EDS)により、複数箇所(例えば5箇所)におけるNiの割合(例えばatm%)から、それぞれ導電成分中の含有量(重量%)を求め、その複数箇所の含有量から得られる平均値を採用できる。
第1実施形態のセラミックス配線基板を厚み方向に破断して示す断面図である。 図2Aは第1実施形態のセラミックス配線基板をビア導電部に沿って厚み方向に破断し拡大して示す断面図、図2Bはそのセラミックス配線基板のビア導電部の位置における平面図(但しNi層とAu層を除く)である。 第1実施形態のセラミックス配線基板の製造方法を示す説明図である。 第2実施形態のセラミックス配線基板を厚み方向に破断して示す断面図である。 図5Aは第3実施形態のセラミックス配線基板を厚み方向に破断して示す断面図、図5Bは変形例1のセラミックス配線基板を厚み方向に破断して示す断面図、図5Cは変形例2のセラミックス配線基板を厚み方向に破断して示す断面図である。 第4実施形態のセラミックス配線基板を厚み方向に破断して示す断面図である。 第5実施形態のセラミックス配線基板を厚み方向に破断して示す断面図である。 図8Aは第5実施形態のセラミックス配線基板をビア導電部に沿って厚み方向に破断し拡大して示す断面図、図8Bはそのセラミックス配線基板のビア導電部の位置における平面図(但しNi層とAu層を除く)である。 第6実施形態のセラミックス配線基板を厚み方向に破断して示す断面図である。 第7実施形態のセラミックス配線基板を厚み方向に破断して示す断面図である。 図11Aは第7実施形態のセラミックス配線基板を示す斜視図、図11Bはそのセラミックス配線基板の第1セラミックス層及び内部導電部等の一部を示す平面図である。 図12Aは実施例の試料を厚み方向に破断した破断面のSEM画像を示す説明図、図12Bは同破断面におけるCuのマッピング画像を示す説明図、図12Cは同破断面におけるWのマッピング画像を示す説明図、図12Dは同破断面におけるNiのマッピング画像を示す説明図、図12Eは比較例の試料を厚み方向に破断した破断面のSEM画像を示す説明図、図12Fは同破断面におけるCuのマッピング画像を示す説明図、図12Gは同破断面におけるWのマッピング画像を示す説明図、図12Hは同破断面におけるNiのマッピング画像を示す説明図である。 図13Aは他のセラミックス配線基板等を厚み方向に破断して示す断面図、図13Bは更に他のセラミックス配線基板等を厚み方向に破断して示す断面図である。 従来技術のセラミックス配線基板の表面の配線の拡大画像である。
次に、本開示のセラミックス配線基板の実施形態について説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.セラミックス配線基板の構成]
まず、第1実施形態のセラミックス配線基板について説明する。
図1に模式的に示す様に、第1実施形態のセラミックス配線基板1は、Alを90体積%以上含むセラミックス基板3の内部に、例えばCu及びWを主成分とする内部導電部5と、例えばMoを主成分とするビアであるビア導電部7とを備えている。
さらに、セラミックス基板3の厚み方向の一方の表面(図1の上方)に、例えばMoを主成分とする表面導電部9を備えている。
なお、内部導電部5及び表面導電部9により、導電性を有する例えば層状の配線が構成されている。
このうち、セラミックス基板3は、第1セラミックス層13と第2セラミックス層15とを備えており、第1セラミックス層13と第2セラミックス層15との間に内部導電部5が配置されている。
セラミックス基板3は、Al以外に、例えば、SiO、MgCO、BaCO等の焼結助剤の成分などが含まれている。
前記内部導電部5は、主として導電成分であるCu及びWを含んでおり、導電成分以外には、例えばAl等の添加成分を含んでいる。内部導電部5における導電成分の割合は、例えば70重量%~90重量%である。また、導電成分中のCuの割合は、例えば20重量%~30重量%である。なお、内部導電部5の導電成分としては、Cu及びMoを用いてもよい。
ビア導電部(詳しくは表面ビア導電部)7は、内部導電部5と電気的に接続されるとともに、セラミックス基板3の厚み方向に延びて、即ち第2セラミックス層15を貫通して、表面導電部9と電気的に接続されている。
このビア導電部7は、主として導電成分であるMoを含んでおり、導電成分以外には、例えばAl等の添加成分を含んでいる。ビア導電部7における導電成分の割合は、例えば80重量%~99重量%である。なお、ビア導電部7の導電成分としては、Mo及びWのうち少なくとも一方を採用できる。
特に、本第1実施形態では、ビア導電部7の導電成分中のNiの含有量は実質的に0重量%である(詳しくは0.01重量%以下である)。つまり、ビア導電部7は、Niの含有量が少ない方が好ましく、最も好ましくは含有量は0重量%である。
表面導電部9は、主として導電成分であるMoを含んでおり、導電成分以外には、例えばAl等の成分や、SiO、MgCO、BaCO等の焼結助剤の成分などを含んでいる。なお、表面導電部9の導電成分としては、Wを用いてもよい。
なお、後述するように、表面導電部9の作製する際の材料中にはNiを添加しないが、表面導電部9の表面にNi層17(図2A参照)を設ける場合には、Ni層17中のNiが表面導電部9中に拡散して、表面導電部9のNi層17側に僅かにNiが含まれることがある。
[1-2.表面導電部の構成]
次に、表面導電部9の構成について説明する。
図2Aに拡大して示すように、表面導電部9の全表面を覆うように、Niを主成分とするNi層17が形成されており、更に、Ni層17の全表面を覆うようにAuを主成分とするAu層19が形成されている。
特に、表面導電部9のうち、ビア導電部7と接する表面(即ち表面導電部9とビア導電部7との界面K1)からの厚みが5μmの範囲、即ち一点鎖線で囲まれた表面隣接領域(即ち第1領域)R1では、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である。なお、この含有量は、表面隣接領域R1における平均の含有量である。
この表面隣接領域R1では、不可避不純物としてNiが含まれていてもよいが、Niの含有量はできる限り少ない方が望ましい。例えば0重量%が好ましい。
なお、図2Bに示すように、平面視(図2Aの上方から見た場合)でのビア導電部7の端面の形状(即ち界面K1の形状)が円形の場合には、表面隣接領域R1の平面形状も界面K1の形状と同様に円形となる。従って、表面隣接領域R1の立体形状は円柱である。
また、表面導電部9のNi層17に隣接している部分には、若干Niが含まれていることがあるが、表面導電部9全体におけるNiの含有量(平均値)は、0.01重量%以下である。
なお、Ni層17とAu層19は、省略してもよい。この場合には、表面導電部9の導電成分中のNiの含有量は0.01重量%以下である。つまり、表面導電部9は、Niの含有量が少ない方が好ましく、最も好ましくは含有量は0重量%である。
[1-3.セラミックス配線基板の製造方法]
次に、本第1実施形態のセラミックス配線基板1の製造方法について説明する。なお、下記の第1工程~第4工程の順番は前後してもよい。
<セラミックグリーンシートの作製工程:第1工程>
まず、セラミックス基板3の主原料(主成分となる原料)として、Al粉末を用意するとともに、焼結助剤として、SiO、MgCO、BaCO等の粉末を用意した。
そして、これらの粉末材料(なお、焼結助剤は各粉末から1種又は複数種を選択して使用する)に、バインダや溶剤等を加えて、セラミックスラリーを作製した。このセラミックスラリーを用いて、図3Aに示すように、ドクターブレード法によって、複数のセラミックグリーンシート21を作製した。
<内部導電部用の導電ペーストの作製工程:第2工程>
内部導電部5の主原料として、Cu粉末及びW粉末を用意するとともに、Al粉末を用意した。
そして、これらの粉末材料に、ワニス成分を加えて内部導電部5用の導電ペーストを作製した。なお、この導電ペーストの導電材料は、Cu及びWである。
<ビア導電部用の導電ペーストの作製工程:第3工程>
ビア導電部7の主原料として、Mo粉末を用意するとともに、Al粉末を用意した。
そして、これらの粉末材料に、ワニス成分を加えてビア導電部7用の導電ペーストを作製した。なお、この導電ペーストの導電材料は、Moである。
<表面導電部用の導電ペーストの作製工程:第4工程>
表面導電部9の主原料として、Mo粉末(例えばD50が1μm未満)を用意するとともに、Al粉末を用意した。さらに、焼結助剤として、SiO、BaCO、MgCO、Mn、Nbの粉末を用意した。
そして、これらの粉末材料(なお、焼結助剤は各粉末から1種又は複数種を選択して使用する)に、ワニス成分を加えて表面導電部9用の導電ペーストを作製した。この導電ペーストの導電材料は、Moである。
<積層体の作製工程:第5工程>
図3Bに示すように、複数のセラミックグリーンシート21を積層して、第1セラミックス層13となる第1積層体23を作製した。なお、第1積層体23ではなく、1層のセラミックグリーンシート21としてもよい。
そして、第1積層体23の表面に、内部導電部5用の導電ペーストをスクリーン印刷して、内部導電パターン25を形成した。
また、図3Cに示すように、複数のセラミックグリーンシート21を積層して、第2セラミックス層15となる第2積層体27を作製した。なお、第2積層体27ではなく、1層のセラミックグリーンシート21としてもよい。
この第2積層体27に、ビア導電部7用の貫通孔29を開け、その貫通孔29にビア導電部7用の導電ペーストを充填してビア構成部31を形成した。その後、第2積層体27の一方の表面に、ビア構成部31を覆うように、表面導電部9用の導電ペーストをスクリーン印刷して、表面導電部9用の表面導電パターン33を形成した。
次に、図3Dに示すように、第1積層体23と第2積層体27とを積層して、セラミックス基板3となる積層体35を作製した。詳しくは、第1積層体23の内部導電パターン25が形成された側に、第2積層体27の表面導電パターン33が形成されていない側を積層するようにして、第1積層体23と第2積層体27とを積層した。
<焼成工程:第6工程>
次に、前記積層体35を、周知にように脱脂した後に、所定の焼成条件にて同時焼成した。なお、焼成条件としては、例えば還元雰囲気にて、1200~1300℃の温度範囲で、0.5~2時間焼成する条件を採用できる。
そして、焼成後に、表面導電部9の表面に、電解メッキ又は無電解メッキによって、Ni層17を形成した。また、Ni層17の表面に、同様なメッキ法によって、Au層19を形成し、本第1実施形態のセラミックス配線基板1を得た。
[1-4.効果]
(1)本第1実施形態では、ビア導電部(即ち表面ビア導電部)7は、導電成分としてMoを含むとともに、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である。
そのため、セラミックス配線基板1を製造する場合に、焼成の際の加熱によって、内部導電部5となる部分のCuが熔融した場合でも、Cuがビア導電部7となる部分に熔出することを抑制し、その結果、Cuがビア導電部7となる部分から表面導電部9となる部分に熔出することを抑制する。つまり、Cuがビア導電部7を介して表面導電部9に熔出することを抑制するという効果がある。
このように、本第1実施形態では、上述した構成によって、セラミックス配線基板1の表面導電部9の外観不良を抑制するとともに、表面導電部9における電気特性が変化し難いので、表面導電部9の電気特性が十分に発揮されるという顕著な効果を奏する。
(2)本第1実施形態では、表面導電部9のうち、ビア導電部7と接する表面からの厚みが5μmの範囲(即ち表面隣接領域)R1では、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である。
このように、表面導電部9の表面隣接領域R1において、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下であるので、内部導電部5のCuが熔融した場合でも、ビア導電部7により内部配線層5に含まれるCuが熔出することが抑制されつつ、更にビア導電部7と接する表面導電部9においてもCuの熔出が抑制されるため、そのCuが表面導電部9に熔出し難いので好適である。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
図4に示すように、本第2実施形態のセラミックス配線基板41は、第1実施形態と同様な材料からなるセラミックス基板43を有している。このセラミックス基板43は、第1セラミックス層45と第2セラミックス層47と第3セラミックス層49とが積層された構成を有する。
第1セラミックス層45と第2セラミックス層47との間には、第1実施形態の内部導電部と同様な第1内部導電部51が配置されている。第2セラミックス層47と第3セラミックス層49との間には、第1実施形態の内部導電部と同様な第2内部導電部53が配置されている。セラミックス基板43の厚み方向の一方(図4の上方)の表面には、第1実施形態の表面導電部と同様な表面導電部55が配置されている。
また、第1内部導電部51と第2内部導電部53との間には、第1内部導電部51と第2内部導電部53とを電気的に接続するように、ビア導電部である内部ビア導電部57が配置されている。第2内部導電部53と表面導電部55との間には、第2内部導電部53と表面導電部55とを電気的に接続するように、第1実施形態のビア導電部と同様な表面ビア導電部59が配置されている。
本第2実施形態では、第1内部導電部51と第2内部導電部53と内部ビア導電部57とを構成する材料は、第1実施形態の内部導電部と同様であり、その導電成分はCu及びWである。
また、表面導電部55を構成する材料は、第1実施形態の表面導電部と同様である。詳しくは、表面導電部55の導電成分はMoからなり、実質的にNiを含んでいない(即ちNiの含有量は0.01重量%以下である)。
さらに、表面ビア導電部59を構成する材料は、第1実施形態のビア導電部と同様である。詳しくは、表面ビア導電部59の導電成分はMoからなり、実質的にNiを含んでいない(即ちNiの含有量は0.01重量%以下である)。
なお、図示しないが、第1実施形態と同様に、表面導電部55の表面隣接領域R1におけるNiの含有量は0.01重量%以下である。
本第2実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏する。
また、内部ビア導電部57は表面ビア導電部59と異なり、Cuを導電成分として含んで形成されている。これにより、セラミックス配線基板41の電気的特性を向上(即ち抵抗値を低減)させると共に、表面ビア導電部59により、第1内部導電部51と第2内部導電部53と内部ビア導電部57からCu成分が熔出することを抑制し、セラミックス配線基板41全体としての電気的特性に経時変化を発生させることなく、電気的特性を高く維持できる。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
(1)本第3実施形態では、セラミックス配線基板の厚み方向の両表面に、配線が形成されている。
詳しくは、図5Aに示すように、本第3実施形態のセラミックス配線基板61は、第1実施形態と同様な材料からなるセラミックス基板63を有している。このセラミックス基板63は、第1セラミックス層65と第2セラミックス層67とが積層された構成を有する。
第1セラミックス層65と第2セラミックス層67との間には、第1実施形態の内部導電部と同様な内部導電部69が配置されている。
セラミックス基板43の厚み方向の一方(図5Aの上方)の表面には、第1実施形態の表面導電部と同様な表面導電部71が配置されている。また、セラミックス基板43の厚み方向の他方(図5Aの下方)の表面(即ち裏面)には、第1実施形態の表面導電部と同様な裏面導電部73が配置されている。
また、表面導電部71と内部導電部69との間には、第1実施形態のビア導電部と同様な表面ビア導電部75が配置されている。また、裏面導電部73と内部導電部69との間には、第1実施形態のビア導電部と同様な第2のビア導電部(詳しくは裏面ビア導電部)77が配置されている。
本第3実施形態では、内部導電部69を構成する材料は、第1実施形態の内部導電部と同様であり、その導電成分はCu及びWである。
また、表面導電部71及び裏面導電部73を構成する材料は、第1実施形態の表面導電部と同様である。詳しくは、表面導電部71及び裏面導電部73の導電成分はMoからなり、実質的にNiを含んでいない(即ちNiの含有量は0.01重量%以下である)。
さらに、表面ビア導電部75及び裏面ビア導電部77を構成する材料は、第1実施形態のビア導電部と同様である。詳しくは、表面ビア導電部75及び裏面ビア導電部77の導電成分はMoからなり、実質的にNiを含んでいない(即ちNiの含有量は0.01重量%以下である)。
なお、図示しないが、第1実施形態と同様に、表面導電部71の表面隣接領域R1におけるNiの含有量は0.01重量%以下である。
また、図示しないが、裏面導電部73にも、表面導電部71と同様に、裏面ビア導電部77と接するように、表面隣接領域R1と同様な範囲の裏面隣接領域(第2領域)R2が設けられ、その裏面隣接領域R2におけるNiの含有量は0.01重量%以下である。なお、裏面隣接領域R2とは、裏面導電部73のうち、裏面ビア導電部77と接する表面からの厚みが5μmの範囲である。
本第3実施形態は、裏面導電部73を設けることで、セラミックス配線基板61をプリント基板等に実装する際に裏面導電部73を使用した平面実装が可能となる。このようなセラミックス配線基板61の表面導電部71、裏面導電部73においてもCuの熔出を抑制し、第1実施形態と同様な効果を奏する。
(2)本第3実施形態の変形例としては、図5Bに示す変形例1が挙げられる。
この変形例1では、裏面ビア導電部77を構成する材料は、第2実施形態の内部ビア導電部と同様である。詳しくは、裏面ビア導電部77の導電成分はCu及びWからなる。なお、他の構成は、前記第3実施形態と同様である。
この形態においても、前記第3実施形態と同様な効果を奏する。さらに、裏面ビア導電部77の導電成分はCu及びWからなることで、セラミックス配線基板61の電気的特性を向上(即ち抵抗値を低減)させると共に、裏面導電部73により、内部導電部69と裏面ビア導電部77からCu成分が熔出することを抑制し、セラミックス配線基板61全体としての電気的特性に経時変化を発生させることなく、電気的特性を高く維持できる。
(3)本第3実施形態の他の変形例としては、図5Cに示す変形例2が挙げられる。
この変形例2では、裏面ビア導電部77及び裏面導電部73を構成する材料は、第2実施形態の内部ビア導電部と同様である。詳しくは、裏面ビア導電部77及び裏面導電部73の導電成分はCu及びWからなる。なお、他の構成は、前記第3実施形態と同様である。
この形態においても、前記第3実施形態と同様の効果を奏する。
[4.第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明するが、第2実施形態や第3実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
本第4実施形態では、セラミックス配線基板の内部に2層の内部導電部が形成されている。
詳しくは、図6に示すように、本第4実施形態のセラミックス配線基板81は、第2実施形態と同様な材料からなるセラミックス基板83を有している。このセラミックス基板83は、第1セラミックス層85と第2セラミックス層87と第3セラミックス層89とが積層された構成を有する。
第1セラミックス層85と第2セラミックス層87との間と、第2セラミックス層87と第3セラミックス層89との間とには、それぞれ第2実施形態の内部導電部と同様な第1内部導電部91と第2内部導電部93が配置されている。
セラミックス基板83の厚み方向の一方(図6の上方)の表面には、第2実施形態の表面導電部と同様な表面導電部95が配置されている。また、セラミックス基板83の厚み方向の他方(図6の下方)の表面(即ち裏面)には、第3実施形態の裏面導電部と同様な裏面導電部97が配置されている。
また、表面導電部95と第2内部導電部93との間には、第2実施形態の表面ビア導電部と同様な表面ビア導電部99が配置されている。裏面導電部97と第1内部導電部91との間には、第3実施形態の裏面ビア導電部と同様な裏面ビア導電部101が配置されている。
さらに、第2内部導電部93と第1内部導電部91との間には、第2実施形態の内部ビア導電部と同様な内部ビア導電部103が配置されている。
本第4実施形態では、第1内部導電部91と第2内部導電部93と内部ビア導電部103とを構成する材料は、第2実施形態の内部導電部と同様であり、その導電成分はCu及びWである。
また、表面導電部95及び裏面導電部97を構成する材料は、第3実施形態の表面導電部及び裏面伝導部と同様である。詳しくは、表面導電部95及び裏面導電部97の導電成分はMoからなり、実質的にNiを含んでいない(即ちNiの含有量は0.01重量%以下である)。
さらに、表面ビア導電部99及び裏面ビア導電部101を構成する材料は、第3実施形態のビア導電部と同様である。詳しくは、表面ビア導電部99及び裏面ビア導電部101の導電成分はMoからなり、実質的にNiを含んでいない(即ちNiの含有量は0.01重量%以下である)。
なお、図示しないが、第3実施形態と同様に、表面導電部95の表面隣接領域R1と裏面導電部97の裏面隣接領域R2におけるNiの含有量は0.01重量%以下である。
本第4実施形態は、第2、第3実施形態と同様な効果を奏する。
[5.第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明するが、第3実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
本第5実施形態では、セラミックス配線基板の側面に、内部導電部と接続された側面導電部が形成されている。
(1)図7に示すように、本第5実施形態のセラミックス配線基板111は、基本的には、第3実施形態(詳しくはその変形例1)とほぼ同様な構成を有している。
詳しくは、セラミックス基板113を構成する第1セラミックス層115と第2セラミックス層117との間には、第3実施形態と同様に内部導電部119が設けられている。この内部導電部119の一端(図7の左端)は、セラミックス基板113の側面113aにまで到達して、露出部121にて露出している。
つまり、内部導電部119は、セラミックス基板113の厚み方向に対して垂直方向にある側面113aに露出する露出部121を有している。
さらに、セラミックス基板113の側面113aには、内部導電部119の露出部121を覆うとともに、露出部121と電気的に接続された側面導電部123が形成されている。この側面導電部123は、セラミックス基板113の裏面(図7の下方の表面)113bの一部を覆うように形成されている。
なお、その他の構成は、第3実施形態の変形例1と基本的に同様であり、表面導電部125、裏面導電部127、表面ビア導電部129、裏面ビア導電部131を備えている。
(2)次に、側面導電部123について詳細に説明する。
図8Aに拡大して示すように、側面導電部123の全表面を覆うように、Niを主成分とするNi層133が形成されており、更に、Ni層133の全表面を覆うようにAuを主成分とするAu層135が形成されている。なお、Ni層133とAu層135は、省略してもよい。
特に、側面導電部123のうち、内部導電部119と接する表面(即ち側面導電部123と内部導電部119との界面K3)からの厚みが5μmの範囲、即ち一点鎖線で囲まれた側面隣接領域(第3領域)R3では、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である。なお、この含有量は、側面隣接領域R3における平均の含有量である。
この側面隣接領域R3では、不可避不純物としてNiが含まれていてもよいが、Niの含有量はできる限り少ない方が望ましい。例えば0重量%が好ましい。
なお、図8Bに示すように、側方(図8Aの左側)から見た場合での内部導電部119の端面の形状(詳しくは界面K3の形状)が長方形の場合には、側面隣接領域R3の形状も界面K3の形状と同様に長方形となる。従って、側面隣接領域R3の立体形状は直方体である。
なお、側面導電部123の成分は、例えば表面導電部125と同様であり、表面導電部125と同様にして形成できる。
本第5実施形態は、第3実施形態及び第3実施形態の変形例1と同様な効果を奏する。また、内部導電部119が側面に露出し、側面導電部123で覆われている場合でも、内部導電部119中のCuが側面導電部123に熔出することを抑制できるという利点がある。
[6.第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明するが、第4実施形態や第5実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
本第6実施形態では、第5実施形態と基本的に同様な構成であり、セラミックス配線基板の内部に複数の内部導電部が形成されている。
詳しくは、図9に示すように、本第6実施形態のセラミックス配線基板141は、第4実施形態と同様なセラミックス基板143内に、第1内部導電部145と第2内部導電部147とを備えている。
このうち、第2内部導電部147は、セラミックス基板143の側面に露出する露出部149を有している。また、露出部149を覆うように、第5実施形態と同様な側面導電部151が形成されている。
本第6実施形態は、第4実施形態及び第5実施形態と同様な効果を奏する。
[7.第7実施形態]
次に、第7実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
(1)図10に示すように、本第7実施形態のセラミックス配線基板161は、第1セラミックス層163と第2セラミックス層165とが積層されたセラミックス基板167を有している。
第1セラミックス層163と第2セラミックス層165との間には、内部導電部169を備えている。なお、内部導電部169の導電成分は、Cu及びWである。
セラミックス基板167の厚み方向の一方の表面(図10の上方)には、第1実施形態と同様な表面隣接領域R1を有する表面導電部171を備えている。なお、表面導電部171の導電成分は、Moであり、Niの含有量は0.01重量%以下である。
表面導電部171と内部導電部169との間には、第1実施形態と同様な表面ビア導電部173を備えている。なお、表面ビア導電部173の導電成分は、Moであり、Niの含有量は0.01重量%以下である。
内部導電部169は、セラミックス基板167の側面に露出する露出部175を有している。また、露出部175を覆うように、第5実施形態と同様な側面隣接領域R3を有する側面導電部177が形成されている。なお、側面導電部177の導電成分は、Moであり、側面隣接領域R3におけるNiの含有量は0.01重量%以下である。
この側面導電部177は、内部導電部169の側面だけではなく、図10の上下方向に延びて、内部導電部169の上面(図10の上方の面)の側面側の一部を覆うとともに、セラミックス基板167の裏面(図10の下方の面)167bの一部を覆うように形成されている。
(2)次に、側面導電部177が形成されている部分について詳しく説明する。
図11A及び図11Bに示すように、第1セラミックス層163の側面(図10の左右の側面)には、厚み方向から見た平面視で、長円形状の凹部181が形成されている。
詳しくは、図11Bに示すように、第1セラミックス層163の表面(図10における上面)163aには、内部導電部169が形成されており、この内部導電部169の端部(図11Bの左端)は、凹部181にまで達している。
そして、凹部181の内周面の全面を覆うように、側面導電部177が形成されている。また、側面導電部177の上端部分(図10における上側部分)は、内部導電部169の上面の一部を所定幅で覆うように、凹部181に沿って略円弧状に形成されている。
なお、側面導電部177の下端部分(図10における下側部分)は、上述したように、セラミックス基板167の裏面167b(図10参照)の一部を覆うように形成されている。
本第7実施形態は、第5実施形態と同様な効果を奏する。また、凹部181を利用して、外部の配線等を接続することも可能である。
[8.実験例]
次に、本開示の効果を確認するために行った実験例について説明する。
この実験例では、本開示の範囲の実施例の試料として、前記第1実施形態と同様な構成のセラミックス配線基板を同様な製造方法によって作製した。詳しくは、表面導電部及びビア導電部の導電材料としてNiを含まないMoのみの材料を用いて、同様なセラミックス配線基板を作製した。
また、本開示の範囲外の比較例では、表面導電部及びビア導電部の導電材料として、Moを65重量%含むとともに、Niを1.0重量%含む材料を用いる以外は、前記実施例と同様にして、セラミックス配線基板を作製した。
(実施例)
まず、実施例の試料をビアに沿って厚み方向に破断し、その破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。
そのSEM画像(倍率1000倍)を図12Aに示すが、同図のS1の範囲が第1セラミックス層を示し、S2の範囲が内部導電部を示し、S3の範囲がビア導電部を示し、S4の範囲が表面導電部を示している。なお、S1~S4の区分については、後述する図12Eについても同様である。
また、同じ破断面について、エネルギー分散型X線分析(EDS)により、Cu、W、Niの各元素のマッピングを行った。その結果を、図12B~図12Dに示す。
図12Bから明らかなように、Cuは、内部導電部と、ビア導電部のうち内部導電部側の一部に存在するだけであり、表面導電部では観察されなかった。なお、図12DのNiの分布では、多数の白点が見られるが、これは、周知のように、EDSによる元素マッピングの際のバックグラウンドであり、Niの存在を示すものではない。
また、EDSにより、表面導電部のうちの表面隣接領域R1において、複数箇所(例えば5点)にて、Niのatm%を求めた。その結果、Niは0atm%(従って0重量%)であった。即ち、Niは、測定限界以下であった。
さらに、同様にして、表面隣接領域R1において、Cuのatm%を求めたところ、Cuは0atm%であった。即ち、Cuは、測定限界以下であった。
また、上述した実施例とは別に、他の実施例として、Mo及びNiからなる表面導電部の導電材料として、Niを0.01重量%含む導電材料を用いて、前記実施例と同様にして試料を作製した。
この試料においても、EDSの測定結果は、表面導電層の表面隣接領域R1からCuが検出されなかった。また、前記と同様なEDSの測定の結果、表面隣接領域R1におけるNiの含有量(但し5点の平均値)は0.01重量%であった。
(比較例)
一方、比較例の試料もビア導電部に沿って厚み方向に破断し、その破断面をSEMにより観察した。
そのSEM画像(倍率1000倍)を図12Eに示す。また、同じ破断面について、EDSにより、Cu、W、Niの各元素のマッピングを行った。その結果を、図12F~図12Hに示す。
図12Fから明らかなように、Cuは、内部導電部とビア導電部と表面導電部の一部に存在していた。また、図12Hの楕円内の明瞭な白点に示すように、Niが、ビア導電部や内部導電部に見られた。
また、EDSにより、表面導電部のうちの表面隣接領域R1において、複数箇所(5点)にて、Ni、Cuの有無を確認した。その結果、表面隣接領域R1にてNi及びCuが確認された。
以上より、ビア導電部の導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下の場合(即ち実質的に含有しない場合)、内部導電部の導電成分であるCuがビア導電部及び表面導電部まで熔出することを抑制できていることが確認された。また、比較例であるNiをビア導電部に含有する場合、内部導電部の導電成分であるCuがビア導電部及び表面導電部まで熔出してしまうことが確認された。
[9.その他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(1)例えば、セラミックス基板を構成するセラミックとしては、前記実施形態に限定されることなく、アルミナ以外に、各種のセラミック(例えば、窒化アルミ、窒化ケイ素、ジルコニア)を採用できる。
(2)内部導電部、表面導電部、裏面導電部、側面導電部、ビア導電部(例えば表面ビア導電部、裏面ビア導電部等)の組成については、本開示の範囲を逸脱しない範囲内で、各種の組成を採用できる。
例えば、導電成分としてMo又はWを用いる各導電部において、Mo又はWに代えて、Mo及びWを採用することも可能である。
(3)表面導電部、裏面導電部、側面導電部におけるNiの含有量については、表面隣接領域、裏面隣接領域、側面隣接領域において、Niの含有量が0.01重量%以下であれば、好適にCuの熔出を抑制できる。
なお、表面導電部、裏面導電部、側面導電部のうち、表面隣接領域、裏面隣接領域、側面隣接領域以外の領域においては、Niの含有量が少ないほど良いことは勿論であるが、Niの含有量が0.01重量%を上回っていてもある程度の効果はある。
(4)また、セラミックス配線基板は、半田バンプによって、他の配線基板に実装することができる。
例えば、図13Aに示すように、第3実施形態と同様な構成のセラミックス配線基板201を用いる場合には、第3実施形態と同様な裏面導電部203と、他の配線基板205の表面の配線層207とを、半田バンプ209によって接合してもよい。
また、例えば図13Bに示すように、第6実施形態と同様なセラミックス配線基板211を、他の配線基板225の表面の配線層227に、一部がフィレット状になった半田229によって接合してもよい。
詳しくは、第1内部配線部213の露出部215を覆うとともにセラミックス配線基板211の下面の一部を覆う第1側面導電部217と、第2内部配線部219の露出部221を覆うとともにセラミックス配線基板211の下面の一部を覆う第2側面導電部223と、を備えたセラミックス配線基板211を用いる場合には、第1側面導電部217と第2側面導電部223とを、それぞれ半田によって配線層227に接合してもよい。
(5)なお、上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1、41、61、81、111、141、161、201、211…セラミックス配線基板
3、43、63、83、113、143、167…セラミックス基板
5、69、119、169…内部導電部
7…ビア導電部
9、55、71、95、125…表面導電部
51、91、145、213…第1内部導電部
53、93、147、219…第2内部導電部
59、75、99、129、173…表面ビア導電部
73、97、127、171、203…裏面導電部
77、101、131…裏面ビア導電部
121、149、175、215、221…露出部
123、151、177、217、223…側面伝導部

Claims (4)

  1. アルミナを主成分とするセラミックス基板と、
    前記セラミックス基板の内部に配置された内部導電部と、
    前記セラミックス基板の厚み方向の表面に配置された表面導電部と、
    前記セラミックス基板の内部に配置されて、前記内部導電部と前記表面導電部とを電気的に接続するビア導電部と、
    を備えたセラミックス配線基板において、
    前記内部導電部は、導電成分として、Cu及びMo、又は、Cu及びW、のいずれか一方を含み、
    前記内部導電部は、前記セラミックス基板の厚み方向に対して垂直方向にある側面に露出する露出部を有するとともに、前記セラミックス基板の側面には、前記露出部を覆うとともに前記露出部と電気的に接続された側面導電部を有しており、
    前記側面導電部のうち、前記露出部と接する表面からの厚みが5μmの範囲では、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下であり、
    前記ビア導電部は、導電成分として、Mo及びWのうち少なくとも一方を含むとともに、前記導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である、
    セラミックス配線基板。
  2. 前記表面導電部のうち、前記ビア導電部と接する表面からの厚みが5μmの範囲では、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である、
    請求項1に記載のセラミックス配線基板。
  3. 前記セラミックス基板の厚み方向の表面と反対側の裏面に配置された裏面導電部と、
    前記セラミックス基板の内部に配置されて、前記内部導電部と前記裏面導電部とを電気的に接続する第2のビア導電部と、
    を備え、
    前記第2のビア導電部は、導電成分として、Mo及びWのうち少なくとも一方を含むとともに、前記導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である、
    請求項1又は2に記載のセラミックス配線基板。
  4. 前記裏面導電部のうち、前記第2のビア導電部と接する表面からの厚みが5μmの範囲では、導電成分中のNiの含有量が0.01重量%以下である、
    請求項に記載のセラミックス配線基板。
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