JP2019179851A - セラミック配線基板 - Google Patents

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文昭 佐久間
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Abstract

【課題】CuとWとを含む配線を備えたセラミック配線基板を焼成して製造する際に、配線となる部分にて焼成によって熔融したCuが他の場所に移動することを抑制できるセラミック配線基板を提供すること。【解決手段】セラミック配線基板1では、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13は、導電成分としてCuとWとを含み、Wの平均粒径は0.7μm以上1.0μm未満の範囲であるので、焼成中に熔融したCuの移動を抑制できる。つまり、導電成分であるWの平均粒径は、0.7μm以上1.0μm未満の範囲のように、非常に微細であるので、熔融したCuは、Wの表面に濡れやすくなり、よって、Cuの移動が抑制される。その結果、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の中のCuの減少を抑制できるので、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13における電気伝導率が安定する。【選択図】図1

Description

本開示は、例えば電子部品のパッケージ、無線通信モジュール基板、制御回路用基板、半導体検査装置などの分野に用いることができるセラミック配線基板に関するものである。
従来、セラミック配線基板として、複数のセラミック層が積層された構造を有するセラミック配線基板が知られている。また、このようなセラミック配線基板等の各種の基板には、配線等を構成する導電材料として、低抵抗で比較的安価な銅(Cu)系材料が用いられている。また、同様な低抵抗な導電材料として、銀(Ag)や金(Au)も用いられている。
しかしながら、低抵抗のCu、Ag、Auといった導電材料は、融点が低いという性質がある。そのため、これらの導電材料と同時焼成が可能な基板材料として、例えばガラスセラミックを用いると、基板の強度が低いという問題や熱伝導率が低いという別の問題がある。
そこで、低融点のCuなどの導電材料と高融点のモリブデン(Mo)やタングステン(W)などの導電材料とを組み合わせ、高強度及び高熱伝導率の特性を有するアルミナ等のセラミック材と同時焼成する技術が開発されている。つまり、前記セラミック材を用いたセラミックグリーンシートに、前記低融点および高融点の導電材料を含む導電性ペーストを用いて配線パターンを形成し、それらを同時焼成する技術が知られている。
例えば特許文献1には、平均粒径1μm〜10μmのWまたはMoを含んだCu電極を使用した配線基板が開示されている。
また、特許文献2には、平均粒径1μm〜5μmのWまたはMoを含み、且つ、配線の保形性のために、平均粒径150nm以下の金属酸化物を含むCu電極を使用した配線基板が開示されている。
特開2000−188453号公報 特開2009−4515号公報
ところで、上述した技術では、セラミック配線基板の内部の所定のセラミック層の表面に配線(即ち表面配線)を備えるとともに、その配線と接触するようにセラミック層を厚み方向に貫通するビア配線を備えたセラミック配線基板を製造する場合には、下記のような問題が生ずることがあった。
つまり、セラミック配線基板を製造する際に、W等を含むCu系配線を形成するために、平均粒径が1μm以上のW等の粉末を含むCu系の導電性ペーストを用いる場合には、焼成中に熔融したCuが、他の場所に移動するという問題があった。
詳しくは、上述したCu系の導電性ペーストを用いて、セラミックグリーンシート上に配線パターンを形成し、各セラミックグリーンシートを積層して積層体を作成し、その積層体をCuの融点以上の温度で同時焼成してセラミック配線基板を製造する場合には、焼成中に融点を超えたCuが、配線パターンからビア配線の部分に熔出することがあった。
また、ビア配線がセラミック配線基板の表面に形成された電極(外部電極)に到る構造の場合には、熔融したCuがセラミック配線基板の表面から外部に揮発するという問題もあった。
このように、同時焼成の際に、熔融したCuが移動することによって、配線中のCuが減少すると、配線における電気伝導率が不安定になる(具体的には比抵抗が大きくなる、又は、配線内の電気抵抗がばらつく)という問題があった。
さらに、熔融したCuが、基板表面から蒸発した場合(即ち揮発した場合)には、蒸発したCuが、降温時に基板の表面に析出して、Cuの球が発生し、外観不良となることがあった。
本開示は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、CuとWとを含む配線を備えたセラミック配線基板を焼成して製造する際に、配線となる部分にて熔融したCuが他の場所に移動することを抑制できるセラミック配線基板を提供することにある。
(1)本開示の第1局面は、セラミックを主成分とするセラミック層が複数積層されたセラミック基板と、導電成分を主成分とする配線と、を備えたセラミック配線基板に関するものである。
このセラミック配線基板は、配線として、セラミック層の表面に配置された表面配線と、セラミック層を厚み方向に貫通して表面配線と電気的に接続されるビア配線と、を備えている。そして、表面配線及びビア配線のうち少なくとも一方の配線は、導電成分として、CuとWとを含むとともに、Wの平均粒径は、0.7μm以上1.0μm未満の範囲である。
本第1局面では、表面配線及びビア配線のうち少なくとも一方の配線は、導電成分として、CuとWとを含むとともに、Wの平均粒径は、0.7μm以上1.0μm未満の範囲である。よって、セラミック配線基板の焼成中に熔融したCuの移動を抑制できる。
つまり、導電成分であるWの平均粒径は、0.7μm以上1.0μm未満の範囲のように、非常に微細であるので(従って、原料のWも非常に微細であるので)、焼成時に熔融したCuは、熔融していないWの表面に濡れやすくなり(即ち付着し易くなり)、よって、Cuの移動が抑制される。
詳しくは、WはCuよりも熔融温度が高く、通常では、セラミック層となるセラミックグリーンシートと配線となる配線パターンとを同時焼成しても熔融しない。なお、この場合は、セラミック配線基板を焼成する際の焼成温度は、Cuの融点以上であるが、Wの融点未満である。従って、熔融しないWの表面に熔融したCuが付着した状態となるので、熔融したCuの移動を抑制できる。
その結果、配線中のCuが減少することを抑制できるので、配線における電気伝導率が安定する(具体的には比抵抗が大きくならない、又は、配線内の電気抵抗がばらつかない)という効果がある。
さらに、熔融したCuが、基板表面から蒸発しにくい(即ち揮発しくい)ので、降温時に基板の表面にCuが析出することにより、基板の外観不良を抑制できる。
なお、焼成後に0.7μm未満の平均粒径となるWは、原料のW粉末が発火する等の危険があり、取扱いが困難である。従って、ここでは、Wの平均粒径を0.7μm以上と規定している。
一方、焼成後に1.0μm以上の平均粒径となるWは、焼成の際にW(即ちW粒子)の粒径が大きすぎるため、W粒子同士の間に形成される空間が大きくなる。その結果、熔融したCuがW粒子同士の間に止まることができず、Cuの移動を抑制しにくい。つまり、Cuの熔出や蒸発を抑制する効果が少ない。また、焼成後に、W粒子の平均粒径が1.0μm以上となる大きなW粒子を用いて、配線(即ち表面配線やビア配線)を形成する場合には、配線を焼結させるために、Cuの融点を超えるより高い高温域での焼成が必要になり、Cuの熔出や揮発が一層起こりやすく、配線の電気的特性が不安定となる恐れがある。従って、ここでは、Wの平均粒径を1.0μm未満と規定している。
なお、前記表面配線とは、セラミック配線基板を構成するセラミック層の厚み方向の表面に形成された配線のことである。
(2)本開示の第2局面では、少なくとも一方の配線の断面において、Cuが占める面積は導電成分が占める面積に対して25%以上65%以下の割合であってもよい。
本第2局面のように、Cuが占める面積は導電成分が占める面積に対して25%以上65%以下の割合である場合には、配線の保形性が良いという利点がある。さらに、抵抗値も過大になり難いという効果もある。
なお、配線の保形性が良いとは、配線中に含まれるCuとWとの成分の均一性が高く(即ち場所による偏りが少なく)、その形状が保たれ易いことを示している。
<以下に、本開示の各構成について説明する>
・導電成分としては、Cu及びWからなる構成を採用できる。また、導電成分としては、Cu及びW以外に、他の導電成分(例えばMo)を含んでいてもよい。この場合は、Cu及びWを主成分とし、残部として、他の導電成分を1質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
・セラミック配線基板とは、セラミックを主成分とするセラミック基板に、表面配線やビア配線を備えた基板を示している。セラミックとしては、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミ、窒化ケイ素が挙げられる。なお、セラミック基板には、セラミック以外に、SiO、MgCO、BaCO等の焼結助剤などが含まれていてもよい。
・表面配線、ビア配線とは、セラミック層の表面や内部に配置されている導電性を有する部分である。この表面配線、ビア配線としては、導電性を有する導電成分からなる構成や、導電成分を主成分とし他のセラミック等を含む構成が挙げられる。なお、主成分とは、当該成分が90体積%以上であることを示す。
・表面配線やビア配線の各配線による平均粒径は、配線の断面に対する例えば走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮影された画像から、周知の画像解析等によって求めることができる。
・各配線の導電成分を形成するための導電材料としては、W粉末及びCu粉末を用いることができる。W粉末の粒度(D50粒径)としては、0.7μm以上0.9μm以下(即ち0.7μm〜0.9μm)の範囲の粉末を用いることができる。
なお、使用するW粉末は、0.9μmを上回る粒度(D50粒径)では、焼成した際に平均粒径が1.0μmよりも大きくなりやすく、Cuの熔出、もしくは揮発に対する効果を発揮しにくい。一方、0.7μm未満の粒度(D50粒径)では、発火等の恐れがあり、扱いが困難であるので、0.7μm〜0.9μmの範囲が好適である。
また、Cu粉末の粒度(D50粒径)としては、2.5μm〜4.5μmの範囲の粉末を用いることができる。
なお、D50粒径とは、粉体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側とが等量となる径(いわゆるメジアン径)である。
実施形態のセラミック配線基板を厚み方向に破断して示す断面図である。 実施形態のセラミック配線基板の製造方法を示す説明図である。 実験例の試料のセラミック配線基板の製造方法を示す説明図である。 実験例の試料のセラミック配線基板の評価方法を示す説明図である。 実験例の配線の断面のW粒子の平均粒径を算出する方法を示す説明図である。
次に、本開示のセラミック配線基板の実施形態について説明する。
[1.実施形態]
[1−1.セラミック配線基板の構成]
まず、実施形態のセラミック配線基板について説明する。
図1に模式的に示す様に、実施形態におけるセラミック配線基板1は、アルミナ(Al)を90体積%以上含む材料(即ちアルミナを主成分とする材料)からなり、電気絶縁性を有するセラミック基板3と、Cu及びWを主成分とし、電気導電性を有する第1配線5及び第2配線7及び第3配線9と、Cu及びWを主成分とし、電気導電性を有する第1ビア配線11及び第2ビア配線13とを備えている。
以下、各構成について説明する。
セラミック基板3は、第1セラミック層15と第2セラミック層17と第3セラミック層19とが積層された構成を有している。
このセラミック基板3、従って、第1〜第3セラミック層15〜19は、上述した主成分のAl以外に、例えば、SiO、MgCO、BaCO等の焼結助剤の成分が含まれている。
第1配線5は、第1セラミック層15の外側(図1の上方)に露出する表面(主面)に設けられている。第2配線7は、第1セラミック層15と第2セラミック層17との間に設けられている。第3配線9は、第2セラミック層17と第3セラミック層19との間に設けられている。
また、第1ビア配線11は、第1セラミック層15を厚み方向(図1の上下方向)に貫通している。第2ビア配線13は、第2セラミック層17を厚み方向に貫通している。第1ビア配線11は、第1配線5と第2配線7とを接続しており、第2ビア配線13は、第2配線7と第3配線9とを接続している。
第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13は、主成分の導電成分であるCu及びW以外に、例えばAl等の添加成分が僅かに含まれている。なお、導電成分はCu及びWのみである。また、添加成分は、例えば導電成分100質量部対して外質量部で1質量部以下の範囲で含まれている。
第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13におけるW粒子(即ち結晶粒子)の平均粒径は、0.7μm以上1.0μm未満の範囲である。
また、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の断面において、Cuが占める面積は前記導電成分が占める面積に対して25%以上65%以下の割合である。
なお、本実施形態では、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の全てが上述した特徴的な構成(即ち前記Wの平均粒径やCuが占める面積)を有しているが、少なくとも一つの配線が、そのような構成を有していてもよい。
[1−2.セラミック配線基板の製造方法]
次に、セラミック配線基板1の製造方法について説明する。
<導電性ペーストの作製工程:第1工程>
第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の主原料として、Cu粉末及びW粉末を用意し、また、Al粉末を用意した。ここで、W粉末の粒度は、D50粒径が0.7μm〜0.9μmである。また、Cu粉末の粒度は、D50粒径が2.5μm〜4.5μmである。さらに、Al粉末の粒度は、平均粒径が150nm以下である。
なお、D50粒径は、空気透過法によって求めることができる。ここでは、W粉末等の各粉末の粒度は、Fisher社製 Sub Sieve Sizerを用い、空気透過法により測定した。
また、Al粉末の平均粒径の求め方を説明する。
0.1gのAl粉末を、ステンレス板上に置き、カーボンスパッタを施した後、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率1000倍で撮影した。そのSEM画像を用いて、基準長(例えば、1nmに対応する長さ[mm])の長さを測定した。次に、実際に、SEM画像から、同方向にて、アルミナ粒子の長さ(アルミナ粒子長さA)を100点(100ポイント)測定した。そして、下記式(1)を用いて、実際のアルミナ粒子径[nm]を算出した。
実際のアルミナ粒子径[nm]=アルミナ粒子長さA[mm]/基準長[mm]…(1)
次に、このようにして求めた、100個の実際のアルミナ粒子径の平均を算出し、この値を平均粒径とした。
そして、これらの粉末材料に、ワニス成分を加えて第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の形成に用いる導電性ペーストを作製した。
この導電性ペーストを作製する場合には、導電成分であるCu及びWを100質量部とした場合、導電成分中のCuの比率を25質量部〜65質量部(好ましくは30質量部〜60質量部)とした。従って、W粉末は、35〜75質量部(好ましくは40〜70質量部)である。
このCuの質量割合とすることにより、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の形成時に、十分な保形性を有し、且つ、抵抗の低い配線とすることができる。
なお、Cu粉末とW粉末との総質量を100質量部としたときに、この導電成分に外質量部で1質量部の平均粒径150nm以下のアルミナ粉末を添加した。
<セラミックグリーンシートの作製工程:第2工程>
まず、セラミック基板3の主原料(主成分となる原料)として、Al粉末を用意した、また、焼結助剤として、SiO、MgCO、BaCO等の粉末を用意した。
そして、これらの粉末材料(なお、焼結助剤は各粉末から1種又は複数種を選択して使用する)に、バインダや可塑剤や溶剤等を加えて、セラミックスラリーを作製した。
このセラミックスラリーを用いて、図2(a)に示すように、ドクターブレード法によって、第1〜第3セラミック層15〜19を作製するために、3枚のセラミックグリーンシート(即ち第1〜第3セラミックグリーンシート)21、23、25を作製した。
次に、図2(b)に示すように、第1、第2ビア配線11、13を作製するために、第1、第2セラミックグリーンシート21、23に、それぞれ、厚み方向に貫通する第1貫通孔27と第2貫通孔29とを形成した。
<各配線の作製工程:第3工程>
次に、図2(c)に示すように、第1、第2ビア配線11、13を作製するために、第1、第2セラミックグリーンシート21、23における第1、第2貫通孔27、29に、前記導電性ペーストを充填して、それぞれ、第1ビア充填部31と第2ビア充填部33を形成した。
次に、図2(d)に示すように、第1、第2セラミックグリーンシート21、23における一方の主面(図2(d)の上方に、それぞれ、前記導電性ペーストをスクリーン印刷して、第1配線用の第1配線パターン35と第2配線用の第2配線パターン37とを形成した。なお、第1、第2配線パターン35、37は、それぞれ、第1、第2ビア充填部31、33に接触するとともに、その上面を覆っている。
次に、図2(e)に示すように、第3配線9を作製するために、第3セラミックグリーンシート25の一方の主面(図2(e)の上方に、前記導電性ペーストをスクリーン印刷して、第3配線用の第3配線パターン39を形成した。
<積層体の作製工程:第4工程>
次に、図2(f)に示すように、図2(f)の下方より、第3配線パターン39を備えた第3セラミックグリーンシート25、第2配線パターン37及び第2ビア充填部33を備えた第2セラミックグリーンシート23、第1配線パターン35及び第1ビア充填部31を備えた第1セラミックグリーンシート21を積層して、積層体41を作製した。
<焼成工程:第5工程>
次に、前記積層体41を、周知にように脱脂した後に、所定の焼成条件にて同時焼成した。この焼成条件としては、例えば窒素水素混合雰囲気にて、1100℃〜1300℃の温度範囲で、0.5〜2時間焼成する条件を採用できる。なお、この焼成温度は、積層体41の焼成温度であり、Cuが熔融する温度以上であり、Wの融点未満である。
これによって、図1に示すセラミック配線基板1を得た。
[1−3.効果]
(1)本実施形態では、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の形成に用いる導電性ペーストの導電材料として、W粉末及びCu粉末を用いた。また、W粉末として、その粒度(D50粒径)が0.7μm〜0.9μmのものを用いた。
そして、この導電材料を用いて上述した条件で製造された第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13は、導電成分はCu及びWからなり、焼成後のWの平均粒径は、0.7μm以上1.0μm未満の範囲である。
従って、本実施形態では、セラミック配線基板1を製造する際に、同時焼成によってCuが熔融した場合でも、熔融したCuの移動を抑制できる。
つまり、同時焼成の際に、Cuが熔融した場合でも、熔融していないWは非常に微細であるので、熔融したCuは、Wの表面に濡れやすくなり(即ち付着し易くなり)、よって、Cuの移動が抑制される。
その結果、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の中のCuが減少することを抑制できるので、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13における電気伝導率が安定する(具体的には比抵抗が大きくならない、又は、各配線5、7、11,13内の比抵抗がばらつかない)という効果がある。
さらに、本実施形態では、熔融したCuが、焼成中のセラミック配線基板1の表面から蒸発しにくい(即ち揮発しくい)。そのため、降温時にセラミック配線基板1の表面にCuが析出することを抑制できるので、セラミック配線基板1の外観不良を抑制できる。
(2)本実施形態では、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13はその断面において、Cuが占める面積は導電成分が占める面積に対して25%以上65%以下の割合である。
このような割合である場合には、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の保形性が良いという利点がある。さらに、低抵抗のCuが十分に存在しているので、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の抵抗が低いという利点もある。
なお、本実施形態では、第1、第2配線5、7及び第1、第2ビア配線11、13の全てが上述した特徴的な構成(即ち前記Wの平均粒径やCuが占める面積)を有しているが、少なくとも一つの配線でも、そのような構成を有している場合には、その特徴による効果が得られる。
[1−4.文言の対応関係]
本実施形態のセラミック配線基板1、セラミック基板3、第1配線5及び第2配線7及び第3配線9、第1ビア配線11及び第2ビア配線13は、それぞれ、本開示の、セラミック配線基板、セラミック基板、表面配線、ビア配線の一例に該当する。
[2.実験例]
次に、本開示の効果を確認するために行った実験例について説明する。
[2ー1.実験例1]
本実験例1は、複数の種類(サンプル1〜4)の導電性ペーストを用いて、セラミック配線基板を作製し、それによる効果等を調べたものである。
このサンプル1〜4のうち、サンプル2、3を用いて作製した試料(No.2、3)が、本開示の範囲の実施例の試料であり、サンプル1、4を用いて作製した試料(No.1、4)が、本開示の範囲外の比較例の試料である。なお、後述するように、サンプル4については、実際には製造できなかった。
<サンプル1〜4の導電性ペーストの作製方法>
(サンプル1)
サンプル1の導電性ペーストの粉末材料として、導電成分であるCu粉末とW粉末を用意するとともに、フィラー成分としてAl粉末を用意した。なお、Cu粉末の粒度(D50粒径)は3μm〜5μmであり、W粉末の粒度(D50粒径)は1.25μm〜1.45μmであり、Al粉末の粒度(平均粒径)は、150nm以下である。
そして、Cu粉末とW粉末とを、Cu:W=33:67の比率(質量比)で配合し、さらに、Cu粉末とW粉末との導電成分の総質量を100質量部としたときに、この導電成分に外質量部で1質量部の平均粒径150nm以下のAl粉末を添加して、混合粉末を得た。
なお、Cu粉末及びW粉末の粒度は、Fisher社製 Sub Sieve Sizerを用い、空気透過法により測定した。
次に、ワニス成分としてエチルセルロース樹脂を用いるとともに、この樹脂を溶解する溶剤としてBCA(ブチルカルビトールアセテート)を用い、樹脂と溶剤の体積比で20:80の割合で混合して、有機成分を作製した。
そして、前記混合粉末と有機成分とを、体積比で、混合粉末:有機成分=33:67の割合として、三本ロールミルにて混合して、サンプル1の導電性ペーストを得た。
(サンプル2)
サンプル2の導電性ペーストは、W粉末の粒度(D50粒径)が0.7μm〜0.9μmである以外は、サンプル1と同様にして作製した。
(サンプル3)
サンプル3の導電性ペーストは、W粉末の粒度(D50粒径)が0.7μm〜0.75μmである以外は、サンプル1と同様にして作製した。
(サンプル4)
焼成後に平均粒径が0.7μm未満のWを有する試料を作製するためには、W粉末として0.7μm未満の粒径(D50粒径)の粉末を使用する必要があるが、Wの場合、0.7μm未満の粒径の粉末は発火の恐れがあり、使用することができない。従って、サンプル4は作製できなかった。
<Moビア配線ペーストの作製方法>
上記サンプル1〜4の導電性ペースト以外に、後述するCu熔出確認用のMoビア配線ペーストを作製した。
具体的には、無機成分として、導電成分であるMo粉末(D50粒径が1.0μm〜1.9μm)と、フィラー成分としてAl粉末(平均粒径が150nm以下)とからなる混合粉末を用意した。
また、サンプル1と同様樹脂と溶剤とを同様な割合で使用し、有機成分を作製した。
そして、前記混合粉末と有機成分とを、体積比で、混合粉末:有機成分=33:67の割合として、三本ロールミルにて混合して、Cu熔出確認用のMoビア配線ペーストを得た。
<試料のセラミック配線基板の作製方法>
まず、図3(a)、(b)に示すように、前記実施形態と同様な方法で、Alを主成分とする複数のセラミックグリーンシート、即ち、3枚の第1セラミックグリーンシート51と3枚の第2セラミックグリーンシート53を作製した。なお、各セラミックグリーンシート51、53の厚みは、100μmである。
次に、図3(c)、(d)に示すように、各セラミックグリーンシート51、53に、それぞれ、φ0.15mmの貫通孔(第1貫通孔55、第2貫通孔57)を形成した。
次に、図3(e)に示すように、3枚の第1セラミックグリーンシート51の第1貫通孔55に、それぞれ、サンプル1〜3の導電性ペーストを充填して、第1ビア充填部59を作製した。これにより、3種の異なる導電性ペーストが充填された3種の第1セラミックグリーンシート51が得られる。
次に、図3(f)に示すように、3枚の第2セラミックグリーンシート53の第2貫通孔57に、それぞれ、Moビア配線ペーストを充填して、第2ビア充填部61を作製した。
次に、図3(g)に示すように、3種の第1セラミックグリーンシート51の上に、それぞれ、第2セラミックグリーンシート53を積層して、試料No.1〜3に対応した3種の積層体63を作製した。なお、積層する際には、第1ビア充填部59の上面と第2ビア充填部61の下面とが一致するように積層する。
次に、3種の積層体63を、窒素水素混合雰囲気にて、1100℃〜1300℃で、0.5〜2時間焼成して、試料No.1〜3に対応するセラミック配線基板65を得た。
このセラミック配線基板65は、第1セラミックグリーンシート51から形成された第1セラミック層67の上に、第2セラミックグリーンシート53から形成された第2セラミック層69が積層された構成を有しており、第1ビア充填部59から形成された第1ビア配線71と、第2ビア充填部59から形成された第2ビア配線73とが厚み方向に重なって接触している。
<評価方法>
試料No.1〜3のセラミック配線基板の評価方法について説明する。
(Cuの熔出の評価)
図4に示すように、試料No.1〜3の各セラミック配線基板65に対して、第2ビア配線73を厚み方向(図3の上下方向)に沿って破断した。
次に、その第2ビア配線73の断面を、厚み方向と垂直の方向に5等分した。そして、5等分した中央の領域CRに対して、EDS分析(エネルギー分散型X線分析)を行い、Cuの有無を確認した。
その結果を、下記表1に記す。
(Wの平均粒径の評価)
また、前記試料No.1〜3の各セラミック配線基板65の第2ビア配線73の断面を研磨し、3000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、二次電子像による観察を行った。
詳しくは、第2ビア配線73の断面の画像の所定範囲(例えば20μm角)における全W粒子について、図5に示すように、水平方向(同図矢印方向)における最大の粒径を測定し、その平均粒径を算出した。なお、W粒子の個数は、100個以上の非常に多数であるので、精度よく平均粒子を算出できた。
その結果を、下記表1に記す。
Figure 2019179851
なお、表1の試料No.4は、実際には作製されていないが、参考のために記載した。
この表1から明らかなように、本開示の範囲内の試料No.2、3では、Wの平均粒径が0.97μm、0.8μmと小さいので、Cuの熔出が無く好適であった。
それに対して、本開示の範囲外の試料No.1では、Wの平均粒径が1μmより大きく(具体的には、1.32μmであり)、Cuの熔出が有り好ましくない。
[2ー2.実験例2]
本実験例2は、実験例1の配線の断面において、導電成分のうち、Cuが占める面積の割合を調べたものである。
具体的には、本開示の範囲内の試料No.2、3において、前記中央の領域CRについて上述したSEM画像を用いて、CuとWとの面積の割合を調べた。なお、SEM画像においては、導電成分のWはCuより明るくなるので、WとCuとを区別することができる。
その結果、試料No.2におけるCuの面積の割合は18%であり、試料No.3におけるCuの面積の割合は18%であった。
[3.その他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(1)例えば、セラミック基板を構成するセラミックとしては、前記実施形態に限定されることなく、アルミナ以外に、各種のセラミック(例えばジルコニア、窒化アルミ、窒化ケイ素)を採用できる。
(2)導電性ペーストの組成、各配線の組成や配置等は、本開示の範囲を逸脱しない範囲内で、各種の組成を採用できる。
(3)なお、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…セラミック配線基板
3…セラミック基板
5…第1配線
7…第2配線
9…第3配線
11…第1ビア配線
13…第2ビア配線

Claims (2)

  1. セラミックを主成分とするセラミック層が複数積層されたセラミック基板と、導電成分を主成分とする配線と、を備えたセラミック配線基板において、
    前記配線として、前記セラミック層の表面に配置された表面配線と、前記セラミック層を厚み方向に貫通して前記表面配線と電気的に接続されるビア配線と、を備え、
    前記表面配線及び前記ビア配線のうち少なくとも一方の配線は、導電成分として、CuとWとを含むとともに、前記Wの平均粒径は、0.7μm以上1.0μm未満の範囲である、
    セラミック配線基板。
  2. 前記少なくとも一方の配線の断面において、前記Cuが占める面積は前記導電成分が占める面積に対して25%以上65%以下の割合である、
    請求項1に記載のセラミック配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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