JP7238506B2 - 波長変換素子、光源装置及びプロジェクター - Google Patents
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Description
バインダーは、例えば水ガラス等の無機材料の架橋体を含むものである。バインダーは、互いに隣り合う一の蛍光体粒子と他の一の蛍光体粒子とを結合するとともに、蛍光体粒子と反射層の表面とを結合する。蛍光体粒子は、外部から照射される励起光を吸収して蛍光を発する粒子状の蛍光体である。蛍光体粒子には、例えばYAG系材料の蛍光物質が含まれている。そして、特許文献1では、上記発光素子を有する光源装置が、プロジェクターに適用された例が示されている。
しかしながら、蛍光体層においてバインダー内を蛍光が伝播すると、蛍光体層の表面における蛍光の出射領域は、励起光の入射領域より大きくなる。そして、蛍光の出射領域が大きいと、光学系において液晶パネルに対する蛍光の入射効率が低下するおそれがある。すなわち、蛍光体粒子の表面全体がバインダーによって覆われていると、蛍光体層から蛍光が入射される光学系での蛍光の利用効率が低下するおそれがある。
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、後述する光源装置4から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成する画像光を、スクリーン等の被投射面上に拡大投射する。プロジェクター1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2と、外装筐体2内に配置される光源装置4及び光学装置30と、を備える。なお、光源装置4及び光学装置30の構成については、後に詳述する。この他、図示を省略するが、プロジェクター1は、プロジェクター1の動作を制御する制御装置、電子部品に電力を供給する電源装置、及び、冷却対象を冷却する冷却装置を備える。
外装筐体2は、それぞれ図示しない天面部及び底面部と、正面部21、背面部22、左側面部23及び右側面部24とを有し、略直方体形状に形成されている。
正面部21は、後述する投射光学装置36の一部を露出させる開口部211を有しており、投射光学装置36によって投射される画像光は、開口部211を通過する。また、正面部21は、プロジェクター1内の冷却対象を冷却した冷却気体が外装筐体2の外部に排出される排気口212を有する。更に、右側面部24は、外装筐体2外の気体を冷却気体として内部に導入する導入口241を有する。
光学装置30は、均一化装置31、色分離装置32、リレー装置33、画像形成装置34、光学部品用筐体35及び投射光学装置36を備える。
均一化装置31は、光源装置4から出射された光を均一化する。均一化装置31によって均一化された光は、色分離装置32及びリレー装置33を経て、画像形成装置34の後述する光変調装置343の変調領域を照明する。均一化装置31は、2つのレンズアレイ311,312、偏光変換素子313及び重畳レンズ314を備える。
色分離装置32は、均一化装置31から入射される光を赤、緑及び青の各色光に分離する。色分離装置32は、2つのダイクロイックミラー321,322と、ダイクロイックミラー321によって分離された青色光を反射させる反射ミラー323と、を備える。
なお、本実施形態では、赤色光の光路にリレー装置33を設けているが、これに限らず、例えば他の色光より光路が長い色光を青色光とし、青色光の光路上にリレー装置33を設ける構成としてもよい。
光変調装置343は、光源装置4から出射された光を画像情報に応じて変調する。光変調装置343は、赤色光を変調する光変調装置343R、緑色光を変調する光変調装置343G、及び、青色光を変調する光変調装置343Bを含む。本実施形態では、光変調装置343は、透過型の液晶パネルによって構成されており、入射側偏光板342、光変調装置343及び出射側偏光板344によって液晶ライトバルブが構成される。
色合成装置345は、光変調装置343B,343G,343Rによって変調された各色光を合成して上記画像光を形成する。本実施形態では、色合成装置345は、クロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、これに限らず、例えば複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
図2は、光源装置4の構成を示す模式図である。
光源装置4は、光変調装置343を照明する照明光LTを均一化装置31に出射する。光源装置4は、図2に示すように、光源用筐体CAと、光源用筐体CA内にそれぞれ収容される光源部41、アフォーカル光学素子42、第1位相差素子43、ホモジナイザー光学素子44、偏光分離素子45、第1集光素子46、第2位相差素子47、第2集光素子48、拡散反射装置49及び波長変換装置5と、を備える。
光源用筐体CAは、塵埃等が内部に侵入しづらい密閉筐体である。
波長変換装置5、第1集光素子46及び偏光分離素子45は、光源装置4に設定され、かつ、照明光軸Ax1に直交する照明光軸Ax2上に配置されている。照明光軸Ax2は、レンズアレイ311の位置にて、照明光軸Axと一致する。換言すると、照明光軸Ax2は、照明光軸Axの延長線上に設定されている。
光源部41は、光を出射する光源411及びコリメーターレンズ414を備える。
光源411は、それぞれ発光素子としての複数の固体光源412と、支持部材413と、を備える。
固体光源412は、励起光であるs偏光の青色光L1sを出射する半導体レーザーである。青色光L1sは、例えば、ピーク波長が440nmのレーザー光である。
支持部材413は、照明光軸Ax1に直交する平面にそれぞれアレイ状に配置された複数の固体光源412を支持する。支持部材413は、熱伝導性を有する金属製部材である。
なお、本実施形態では、光源411は、偏光方向が同じ直線偏光光であるs偏光の青色光L1sを出射する構成である。しかしながら、これに限らず、光源411は、偏光方向が異なる直線偏光光である青色光を出射する構成としてもよい。この場合、第1位相差素子43を省略できる。
アフォーカル光学素子42は、光源部41から入射される青色光L1sの光束径を調整して、第1位相差素子43に入射させる。アフォーカル光学素子42は、入射される光を集光するレンズ421と、レンズ421によって集光された光束を平行化するレンズ422とにより構成されている。
第1位相差素子43は、アフォーカル光学素子42とホモジナイザー光学素子44との間、より具体的には、レンズ422と、ホモジナイザー光学素子44を構成するマルチレンズアレイ441との間の光路上に設けられている。第1位相差素子43は、青色光L1sが入射する面内、すなわち照明光軸Ax1に直交する平面に沿って回転可能に設けられている。第1位相差素子43は、青色光L1sの波長446nmに対する1/2波長板で構成されている。第1位相差素子43の光学軸は、第1位相差素子43に入射する青色光L1sの偏光軸と交差する。なお、第1位相差素子43の光学軸は、第1位相差素子43の進相軸及び遅相軸のうちのいずれであってもよい。
なお、光源装置4は、第1位相差素子43を回転させるモーターを備えていてもよい。
ホモジナイザー光学素子44は、青色光L1s,L2pの照度分布を均一化する。ホモジナイザー光学素子44は、一対のマルチレンズアレイ441,442により構成されている。
ホモジナイザー光学素子44を通過した青色光L1s,L2pは、偏光分離素子45に入射する。
偏光分離素子45は、プリズム型の偏光ビームスプリッターであり、入射される光に含まれるs偏光成分とp偏光成分とを分離する。具体的に、偏光分離素子45は、s偏光成分を反射させ、p偏光成分を透過させる。また、偏光分離素子45は、s偏光成分及びp偏光成分のいずれの偏光成分であっても、所定波長以上の光を透過させる色分離特性を有する。従って、s偏光の青色光L1sは、偏光分離素子45にて反射され、第1集光素子46に入射する。一方、p偏光の青色光L2pは、偏光分離素子45を透過して、第2位相差素子47に入射する。
第1集光素子46は、偏光分離素子45にて反射された青色光L1sを波長変換装置5に集光する。また、第1集光素子46は、波長変換装置5から入射される蛍光YLを平行化する。図2の例では、第1集光素子46は、2つのレンズ461,462によって構成されているが、第1集光素子46を構成するレンズの数は問わない。
波長変換装置5は、光が入射されることによって励起され、入射された光の波長とは異なる波長を有する光を第1集光素子46に出射する。換言すると、波長変換装置5は、入射された光の波長を変換する。
本実施形態では、波長変換装置5は、励起光である青色光L1sの入射に応じて、青色光L1sの波長より長い波長を有する蛍光YLを出射する波長変換素子51と、所定の回転軸である照明光軸Ax2と平行な回転軸Rxを中心として波長変換素子51を回転させる回転部RTとを備える。なお、波長変換素子51の回転軸Rxは、励起光である青色光L1sの入射方向に沿う回転軸である。
これらのうち、波長変換素子51は、青色光L1sの入射側に蛍光YLを出射する反射型の波長変換素子である。なお、蛍光YLは、例えばピーク波長が500~700nmの光である。すなわち、蛍光YLは、緑色光成分及び赤色光成分を含む。
このような波長変換素子51の構成については、後に詳述する。
第2位相差素子47は、偏光分離素子45と第2集光素子48との間に配置されている。第2位相差素子47は、1/4波長板であり、偏光分離素子45を通過したp偏光の青色光L2pは、第2位相差素子47によって円偏光の青色光L2cに変換された後、第2集光素子48に入射される。
第2集光素子48は、第2位相差素子47から入射される青色光L2cを拡散反射装置49に集光する。また、第2集光素子48は、拡散反射装置49から入射される青色光L2cを平行化する。なお、第2集光素子48を構成するレンズの数は、適宜変更可能である。
拡散反射装置49は、波長変換装置5から出射される蛍光YLと同様の拡散角で、第2集光素子48から入射された青色光L2cを、偏光分離素子45に向けて拡散反射させる。拡散反射装置49の構成として、入射された青色光L2cをランバート反射させる反射板と、反射板を照明光軸Ax1と平行な回転軸を中心として回転させる回転装置とを備える構成を例示できる。光源装置4において、この種の拡散反射装置49を用いて青色光L2cを拡散反射させることによって、均一な照度分布を有する青色光を得られる。
図3は、波長変換素子51を励起光の入射側から見た平面図である。図4は、波長変換素子51の断面を模式的に示す図である。
波長変換素子51は、励起光の波長とは異なる波長を有する光である蛍光を、励起光の入射側に出射する反射型の波長変換素子である。波長変換素子51は、図3及び図4に示すように、基板52、放熱シート53、蛍光体層54及び反射防止層55を有する。なお、波長変換素子51は、後述する製造方法によって製造される。
なお、以降の説明及び図においては、波長変換素子51に入射される青色光L1sを、波長変換素子51に含まれる蛍光体粒子を励起させる励起光と記載する。また、波長変換素子51に対する励起光の入射方向を+Z方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。
基板52は、放熱シート53、蛍光体層54及び反射防止層55を保持する保持部材である他、蛍光体層54から伝達される熱を放熱する放熱部材でもある。基板52は、図3に示すように、例えばアルミナや酸化亜鉛の少なくともいずれかを含む金属材料によって、-Z方向から見て円板状に形成されている。基板52は、回転部RTによって回転軸Rxを中心として、放熱シート53、蛍光体層54及び反射防止層55とともに回転される。
基板52は、図4に示すように、-Z方向の面である第1面521と、+Z方向の面である第2面522と、を有する。
第1面521は、蛍光体層54と対向する対向面である。
第2面522は、第1面521とは反対側の面である。第2面522には、放熱シート53が接着されており、蛍光体層54で発生した熱は基板52を介して、放熱シート53に伝えられ、伝えられた熱は放熱シート53全体に伝えられる。放熱シート53は、周囲の気体との接触面積を拡大することによって、基板52に伝達された熱の放熱効率を高めている。放熱シート53は、例えばアルミニウムやグラファイト等により構成される。
基板52は、サブミクロンオーダーのアルミナ紛体を低温で焼成して内部に微小な気孔を体積比で20%程度含んだ焼結体であり、蛍光体層54から入射される光を、蛍光体層54側に反射する。
蛍光体層54は、基板52に対して励起光の入射側である-Z方向に設けられている。蛍光体層54は、入射される励起光を蛍光に変換して出射する。換言すると、蛍光体層54は、入射される励起光を波長変換して、励起光の波長より長い波長を有する光である蛍光を生成して出射する。蛍光体層54は、図3に示すように、-Z方向から見て、波長変換素子51の回転軸Rxを中心とする円環状に形成されている。
第1面541は、励起光が入射される入射面であり、蛍光が出射される出射面である。
第2面542は、基板52と対向する対向面である。
蛍光体層54は、図5に示すように、複数の蛍光体粒子PRと、ガラスを含有するバインダーBNとを含み、複数の蛍光体粒子PRがバインダーBNによって互いに結合された構成を有する。具体的に、隣り合う2つの蛍光体粒子PRは、それぞれの表面の一部に接合されるバインダーBNによって互いに結合されている。
バインダーBNは、複数の蛍光体粒子PRのうち、隣り合う蛍光体粒子PRのそれぞれの表面の一部に接合して、隣り合う蛍光体粒子PRを結合させる。本実施形態では、バインダーBNとして、ホウケイ酸ガラスが用いられているが、リン酸塩系ガラスであってもよい。
なお、蛍光体層54の内部には、微小な空隙SPが設けられている。このような空隙SPが含まれていることによって、蛍光体層54内部での蛍光の広がりを抑え、蛍光体層54からの蛍光を小さい範囲で取り出すことによって、光学系の集光効率が高められる。
このような反射防止層55は、蛍光体層54に蒸着等によって形成される。このため、図5に示すように、複数の蛍光体粒子PRのうち、蛍光体層54において-Z方向に位置して第1面541を形成する複数の蛍光体粒子PRAと、複数の蛍光体粒子PRAを結合させるバインダーBNとを、-Z方向にて覆うように形成される。
本実施形態では、反射防止層55は、蛍光体層54の第1面541にのみ形成されている。しかしながら、これに限らず、反射防止層55は、第1面541に加えて、例えば蛍光体層54の内周面及び外周面の少なくともいずれかに形成されていてもよい。
図6は、バインダーBNによる蛍光体粒子PRの結合状態を示す模式図である。換言すると、図6は、隣り合う蛍光体粒子PR(PR1,PR2)がバインダーBNによって結合された状態を示す模式図である。
図6に示すように、蛍光体粒子PRにおいてバインダーBNが接合される部位を結合部B1とすると、本実施形態では、蛍光体層54から出射された蛍光を含む照明光が入射される光学系である光学装置30を透過する光の明るさを高めるために、結合部B1の面積は、蛍光体粒子PRの表面積の10%以下の値に設定されている。詳述すると、結合部B1の面積は、蛍光体粒子PRの表面積の3%以上、5%以下の範囲内の値に設定されている。これは、以下の実験結果によるものである。
発明者は、蛍光体粒子PRの表面積に対する結合部B1の面積の割合を変化させ、蛍光体層54から出射される光の広がり、及び、光学装置30における光学系での明るさを測定する実験を行った。なお、ここでいう光学系での明るさは、光変調装置343に集光可能な光量を示している。また、光の広がりは、蛍光体層54の第1面541において、励起光の入射領域の面積に対する蛍光の出射領域の面積の割合である。以下の説明では、蛍光体粒子PRの表面積に対する結合部B1の面積の割合を、面積割合と略す。
蛍光体層54から出射される光の広がりは、図7に一点鎖線によって示されるように、面積割合が大きいほど大きくなった。すなわち、蛍光体層54から出射される光の広がりは、結合部B1の面積が大きいほど大きくなった。
詳述すると、面積割合が10%以下の範囲では、光学系での明るさは、面積割合が大きくなるに従って高くなった後に低くなった。そして、光学系での明るさの最大値は、面積割合が3%以上、5%以下の範囲内にあるときに示されることが分かった。
一方、面積割合が10%を超える範囲では、光学系での明るさは、面積割合が0%であるときより低くなり、面積割合が大きいほど低くなった。
すなわち、光学系での明るさは、面積割合が10%以下であるときに0%であるときよりも高くなり、面積割合が3%以上、5%以下の範囲内にあるときに最大となることが分かった。
蛍光体粒子PRの屈折率は、約1.8である。これに対し、バインダーBNを構成するホウケイ酸ガラスの屈折率は、約1.5である。
このことから、蛍光体粒子PRの内部にて生成されて結合部B1に入射された蛍光は、結合部B1からバインダーBNを伝わって、隣り合う蛍光体粒子PR内に進行する。
一方、蛍光体層54の内部には空隙SPが設けられていることから、蛍光体粒子PRの外面において結合部B1以外の領域は、空気と接している。このため、フレネルの式に従い、蛍光体粒子PRの内部にて生成されて、蛍光体粒子PRの外面において結合部B1以外の領域に入射された蛍光は、屈折して大部分が蛍光体粒子PRの外部に出射されて一部が内部に反射するか、或いは、蛍光体粒子PR内部に全反射される。
本実施形態では、蛍光体粒子PRの表面積に対する結合部B1の面積の割合を10%以下にするために、結合部B1の大きさが以下の大きさになるように、蛍光体層54を作製している。なお、以下の説明では、図6に示すように、複数の蛍光体粒子PRのうち、バインダーBNによって結合され、かつ、互いに隣り合う蛍光体粒子を蛍光体粒子PR1,PR2とする。また、蛍光体粒子PR1におけるバインダーBNとの結合部B1を、結合部B11とし、蛍光体粒子PR2におけるバインダーBNとの結合部B1を結合部B12とする。更に、蛍光体粒子PR1,PR2の各中心C1,C2を結ぶ仮想線VLに直交し、かつ、互いに直交する二軸をX軸及びY軸とする。
同様に、結合部B12のY軸における寸法は、蛍光体粒子PR2の直径D12の1/4以下とされ、図示を省略するが、結合部B12のX軸における寸法は、蛍光体粒子PR2の直径D12の1/4以下とされている。換言すると、結合部B12のY軸における寸法は、蛍光体粒子PR2のY軸における大きさの1/4以下とされ、図示を省略するが、結合部B12のX軸における寸法は、蛍光体粒子PR2のX軸における大きさの1/4以下とされている。
更に、バインダーBNの厚み、すなわち、仮想線VLに沿うバインダーBNの寸法は、蛍光体粒子PRの直径の1/10以下とされている。
このように、結合部B1の寸法が上記の大きさであることにより、上記割合が10%以下の値となり、光学系での明るさを高くすることができる。
光学系での明るさを高める上記面積割合は、蛍光体粒子PRの直径に基づく計算結果からも裏付けられる。
蛍光体層54に含まれる蛍光体粒子PRを球状と仮定した場合、半径Rの蛍光体粒子PRの表面積は、4π・R2である。
一方、粒径が略揃った球形の蛍光体粒子PRが密に配列されている場合、単位体積当たりの蛍光体粒子PRの充填率は、一般的に60~75%である。この場合、1つの蛍光体粒子PRが接する他の蛍光体粒子PRの数は、8~12である。
これらのことから、上記面積割合は、8π・r2/(4π・R2)となる。すなわち、上記面積割合は、2r2/R2となる。
このような計算によって求められる結合部B1の直径は、上記仮定に基づく蛍光体粒子PRの直径24μmの1/4以下の値である。換言すると、結合部B1のX軸及びY軸における寸法は、蛍光体粒子PRの直径の1/4以下の値である。
以上のように、蛍光体粒子PRの直径に対して結合部B1の寸法を上記した大きさにすることによって、上記面積割合を10%以下にすることができ、ひいては、光学系での明るさを高くできる。
このような結合部B1の大きさは、詳しくは後述するが、蛍光体層54を製造する際の温度を調整することによって実現できる。これについては、波長変換素子51の製造方法にて説明する。
図8は、蛍光体層54のガラス含有率と光学系効率との関係を示すグラフである。
なお、ガラス含有率は、蛍光体層54においてバインダーBNの体積割合(vol%)により表される。具体的に、ガラス含有率は「100*ガラスの体積/(ガラスの体積+蛍光体粒子の体積)」であり、空隙SPの体積は含まれていない。
すなわち、ここでいうガラス含有率は、作製後の波長変換素子51の実測値ではなく、後述する波長変換素子51の製造工程におけるペースト調製工程S1及び蛍光体混合工程S2(図14参照)でのバインダーBN及び蛍光体粒子PRの投入量の体積割合に基づく値である。
すなわち、光学系効率は、エテンデューを含んだ効率であり、プロジェクター1の光学装置30における光利用効率と言い換えることができる。
ガラス含有率が10vol%を超えると、ガラス含有率が0vol%であるときに比べて、光学系効率が低下する。これは、上記のように、蛍光体粒子PRとバインダーBNとの界面にて、蛍光が反射及び屈折をすることによる損失は低下する一方で、蛍光が蛍光体層54中を広がり、蛍光が蛍光体層54から出射される際の光の広がりが大きくなり、光学系である光学装置30にて利用できる光量が低下して、測定値の差として表れたものと考えられる。また、0~10%との間でピークを示すのは、バインダーBNが極端に少ないと、蛍光体粒子PRと空隙SP(空気)との界面にて、励起光が何回も反射及び屈折を繰り返すことによって、当該励起光が蛍光体を励起する前に、蛍光体層54から放出されてしまうことによるものと考えられる。
図10は、ガラス含有率が20vol%であり、蛍光体層の焼成温度が1000℃である蛍光体層のSEM画像である。図11は、ガラス含有率が10vol%であり、蛍光体層の焼成温度が1000℃である蛍光体層のSEM画像である。図12は、ガラス含有率が5vol%であり、蛍光体層の焼成温度が1000℃である蛍光体層のSEM画像である。図13は、ガラス含有率が3vol%であり、蛍光体層の焼成温度が1000℃である蛍光体層のSEM画像である。
このように、バインダーBNによって、隣り合う蛍光体粒子PRが表面の一部にて結合され、他の部分が露出されていることにより、蛍光体層から出射される光の広がりが小さくなり、光学系効率が高められる。
従って、ガラス含有率は、0vol%より大きく、10vol%以下の範囲内の値であることにより、ガラス含有率が0vol%のとき、及び、ガラス含有率が10vol%より大きい場合に比べて、光学系効率を高められる蛍光体層を構成できる。
図14は、波長変換素子51の製造方法を示すフローチャートである。
上記した蛍光体層54を含む波長変換素子51の製造方法について、説明する。
波長変換素子51の製造方法は、図14に示すように、順に実施されるペースト調製工程S1、蛍光体混合工程S2、印刷版作成工程S3、塗布工程S4、乾燥工程S5、焼成工程S6、冷却工程S7及び層形成工程S8を含む。すなわち、以下に示す波長変換素子51の製造方法は、本発明の製造方法を含む。
ペースト調製工程S1は、焼成後にバインダーBNとなるバインダー構成物と、エチルセルロース等の樹脂と、バインダー構成物及び樹脂を溶かす溶剤とを混合して、ガラスペーストを調製する工程である。なお、樹脂は、ペーストに粘性を付与するためのものである。また、バインダー構成物としては、例えばシリカが60%以上含まれるホウケイ酸ガラスを直径1μm以下に砕いたものが挙げられる。
蛍光体混合工程S2は、調製されたガラスペースト中に蛍光体粒子PRを混合した混合ペーストを調製する工程である。蛍光体粒子PRとバインダー構成物であるホウケイ酸ガラスとの割合は、体積比で98:2~92:8の範囲内の割合とする。なお、当該範囲は、98:2及び92:8を含む範囲である。より好ましくは、蛍光体粒子PRとホウケイ酸ガラスとの割合は、体積比で97:3~95:5の範囲内の割合とする。当該範囲は、97:3及び95:5を含む範囲である。このように蛍光体粒子PRとホウケイ酸ガラスとの割合を調整することによって、ガラス含有率を上記範囲内の値に設定できる。
塗布工程S4は、作製された印刷版を用いて、円板形状の反射板上に、蛍光体混合工程S2にて調製された混合ペーストを厚さ80μmで印刷塗布する。反射板は、内部に反射用の微小気孔が設けられた基板52である。
乾燥工程S5では、塗布された混合ペーストを100℃程度で短時間乾燥させる。
冷却工程S7では、焼成された混合ペーストを冷却する。
以上の各工程S1~S8を含む製造方法によって、上記面積割合及びガラス含有率が0%より大きく、10%以下である蛍光体層54を有する波長変換素子51が製造される。
図15は、焼成温度とガラスの粘度との関係を示すグラフである。
ガラスの粘度は、図15に示すように、温度が高くなるに従って低下し、ガラスの粘性による力は、粘度が小さくなるに従って弱くなる。そして、ガラスが自重で顕著に軟化変形し始める温度であり、粘度が約107.6dPa・sとなる温度である軟化点を700℃とすると、上記焼成工程S6の焼成温度を軟化点+100℃である800℃以上にすることにより、ガラスの粘度は、106dPa・s(=106P)以下となる。
すなわち、図16は、ガラス含有率が5vol%であり、750℃で焼成されて作製された蛍光体層を示すSEM画像である。図17は、ガラス含有率が5vol%であり、800℃で焼成されて作製された蛍光体層を示すSEM画像である。図18は、ガラス含有率が5vol%であり、850℃で焼成されて作製された蛍光体層を示すSEM画像である。図19は、ガラス含有率が5vol%であり、900℃で焼成されて作製された蛍光体層を示すSEM画像である。図20は、ガラス含有率が5vol%であり、950℃で焼成されて作製された蛍光体層を示すSEM画像である。
なお、上記のように、図12には、ガラス含有率が5vol%であり、1000℃で焼成されて作製された蛍光体層のSEM画像が示されている。
このため、750℃で焼成された蛍光体層では、蛍光体層から出射される蛍光の光量が減少し、上記した光学系効率が低下しやすい。
特に、焼成温度が900℃以下となると、粘度は105dPa・s以下となり、ガラスの流動性が高まり、バインダーBNは流線型となって隣り合う蛍光体粒子PRとで接着されている光学的にも熱伝導的にも望ましい状態となる。更に、焼成温度が1000℃となると、粘度は104dPa・sとなり、ほぼ完全な流動性での接着状態となっていることが図12よりわかる。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1及び波長変換素子51の製造工程によれば、以下の効果を奏することができる。
プロジェクター1は、光源装置4と、光源装置4から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置343(343B,343G,343R)と、光変調装置343によって変調された光を投射する投射光学装置36と、を備える。光源装置4は、励起光を出射する光源411と、励起光を波長変換して、励起光の波長より長い波長を有する蛍光を生成する波長変換素子51と、を備える。波長変換素子51は、複数の蛍光体粒子PRと、複数の蛍光体粒子PRのうち互いに隣り合う一方の蛍光体粒子PR1と互いに隣り合う他方の蛍光体粒子PR2とを結合するバインダーBNとを有する蛍光体層54と、蛍光体層54に対する励起光の入射側に設けられる反射防止層55と、蛍光体層54が設けられる基板52と、を備える。バインダーBNは、ガラスを含有し、バインダーBNは、一方の蛍光体粒子PR1の表面の一部と他方の蛍光体粒子PR2の表面の一部とを結合する。
このような構成によれば、上記したように、蛍光体粒子PRの表面においてバインダーBNとの接合される結合部B1の面積を小さくすることができる。これにより、バインダーBN内を伝播する蛍光の光量を小さくすることができ、蛍光体層54、ひいては、波長変換素子51から出射される蛍光の広がりを小さくすることができる。従って、光学系である光学装置30での明るさを高めることができ、上記光学系効率を高めることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態にて示したプロジェクター1と同様の構成を備えるが、波長変換素子の構成が異なる。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るプロジェクターは、波長変換素子51に代えて波長変換素子51Aを有する他は、プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。すなわち、本実施形態においては、光源装置4は、波長変換素子51に代えて波長変換素子51Aを有する。
波長変換素子51Aは、図21に示すように、蛍光体層54に代えて蛍光体層56を有する一方で、反射防止層55を有しない他は、波長変換素子51と同様の構成及び機能を有する。すなわち、波長変換素子51Aは、基板52、放熱シート53及び蛍光体層56を有する。波長変換素子51Aは、後述する製造方法によって製造される。
図22は、蛍光体層56を構成する複数の蛍光体粒子PR及びバインダーBNの結合状態を示す模式図である。また、図23は、隣り合う蛍光体粒子PRのバインダーBNによる結合状態を示す模式図である。
蛍光体層56は、蛍光体層54と同様に、入射される励起光によって励起されて、励起光の波長とは異なる波長の光である蛍光を出射する。蛍光体層56は、蛍光体層56に対して+Z方向に位置する基板52に保持される。
蛍光体層56は、-Z方向の面である第1面561と、+Z方向の面であり、第1面561とは反対側の面である第2面562と、を有する。
第1面561は、励起光が入射される入射面であり、蛍光が出射される出射面である。
第2面562は、基板52の第1面521と対向する対向面である。
蛍光体層56におけるガラス含有率は、蛍光体層54と同様に、0vol%より大きく、10vol%以下の範囲内の値である。なお、本実施形態におけるガラス含有率の定義は、上記と同様である。
粒子PAは、図22及び図23に示すように、蛍光体粒子PRと、蛍光体粒子PRの表面に設けられた反射防止層ARと、を有する。すなわち、蛍光体層56は、複数の蛍光体粒子PRと、複数の蛍光体粒子PRのうち隣り合う蛍光体粒子PR同士を結合するバインダーBNと、複数の蛍光体粒子PRのそれぞれの表面に設けられる反射防止層ARと、を有する。
なお、反射防止層ARが形成される蛍光体粒子PRの表面の略全面とは、蛍光体粒子PRの表面の全面を含む。すなわち、反射防止層ARは、蛍光体粒子PRの表面において略全面と言える範囲に形成されていれば、必ずしも、粒子PAの表面の全面に形成されていなくてもよい。
このため、隣り合う蛍光体粒子PRのうち、一方の蛍光体粒子PR(PR3)の表面と他方の蛍光体粒子PR(PR4)の表面との間、一方の蛍光体粒子PR(PR3)の表面に設けられた反射防止層ARと他方の蛍光体粒子PR(PR4)の表面に設けられた反射防止層ARとの間、及び、一方の蛍光体粒子PR(PR3)の表面と他方の蛍光体粒子PR(PR4)の表面に設けられた反射防止層ARとの間、の少なくともいずれかを、バインダーBNは結合する。
すなわち、蛍光体粒子PRは、バインダーBNを介して他の蛍光体粒子PRと結合する結合部B2を有する。そして、蛍光体粒子PRの表面において、結合部B2以外の領域は、空隙SP(空気)と接触しているか、或いは、反射防止層ARを介して空隙SP(空気)と接触している。
この場合、蛍光体粒子PR3の表面積に対する結合部B21の面積の割合は、第1実施形態における面積割合と同様に、10%以下であり、詳しくは、3%以上、5%以下である。同様に、蛍光体粒子PR4の表面積に対する結合部B22の面積の割合も、10%以下であり、詳しくは、3%以上、5%以下である。
更に、結合部B22のY軸における寸法は、蛍光体粒子PR4の直径D22の1/4以下であり、図示を省略するが、結合部B22のX軸における寸法は、蛍光体粒子PR4の直径D22の1/4以下である。換言すると、結合部B22のY軸における寸法は、蛍光体粒子PR4のY軸における大きさの1/4以下であり、図示を省略するが、結合部B22のX軸における寸法は、蛍光体粒子PR4のX軸における大きさの1/4以下である。
更に、バインダーBNの厚み、すなわち、蛍光体粒子PR3の中心と蛍光体粒子PR4の中心とを結ぶ方向におけるバインダーBNの寸法は、蛍光体粒子PRの直径の1/10以下である。
図24は、波長変換素子51Aの製造方法を示すフローチャートである。
波長変換素子51Aの製造方法は、図24に示すように、順に実施される層形成工程SA、ペースト調製工程S1、蛍光体混合工程S2A、印刷版作成工程S3、塗布工程S4、乾燥工程S5、焼成工程S6及び冷却工程S7を含む。
これら工程S1,S2Aのうち、蛍光体混合工程S2Aは、ペースト調製工程S1にて調製されたガラスペーストと、層形成工程SAにて反射防止層ARが形成された蛍光体粒子PRである粒子PAを、蛍光体粒子PRとバインダー構成物との割合が上記した割合となるように、混合する。
印刷版作成工程S3、塗布工程S4、乾燥工程S5、焼成工程S6及び冷却工程S7は、上記波長変換素子51の製造方法における工程S3~S7と同様である。すなわち、焼成工程S6での焼成温度は、バインダー構成物であるホウケイ酸ガラスの軟化点+100℃以上の温度である800℃以上の温度であり、好ましくは、800℃以上、1000℃以下である。そして、このような焼成温度で焼成したときのホウケイ酸ガラスの粘度は、106dPa・s(=106P)以下である。
以上の各工程SA,S1~S7を含む製造方法によって、上記面積割合及びガラス含有率が0%より大きく、10%以下である蛍光体層56を有する波長変換素子51Aが製造される。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、第1実施形態にて示したプロジェクター1と同様の効果を奏することができる。
すなわち、本実施形態に係るプロジェクターは、光源装置4と、光源装置4から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置343(343B,343G,343R)と、光変調装置343によって変調された光を投射する投射光学装置36と、を備える。光源装置4は、励起光を出射する光源411と、励起光を波長変換して、励起光の波長より長い波長を有する蛍光を生成する波長変換素子51Aと、を備える。波長変換素子51Aは、複数の蛍光体粒子PRと、複数の蛍光体粒子PRのうち互いに隣り合う一方の蛍光体粒子PR(PR3)と互いに隣り合う他方の蛍光体粒子PR(PR4)とを結合するバインダーBNと、複数の蛍光体粒子PRの表面に設けられる反射防止層ARと、を有する蛍光体層56と、蛍光体層56が設けられる基板52と、を備える。バインダーBNは、ガラスを含有する。バインダーBNは、一方の蛍光体粒子PR(PR3)の表面の一部と他方の蛍光体粒子PR(PR4)の表面の一部との間、一方の蛍光体粒子PR(PR3)の表面に設けられた反射防止層ARと他方の蛍光体粒子PR(PR4)の表面に設けられた反射防止層ARとの間、及び、一方の蛍光体粒子PR(PR3)の表面の一部と他方の蛍光体粒子PR(PR4)の表面に設けられた反射防止層ARとの間、の少なくともいずれかを結合する。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記第1実施形態では、反射防止層55は、蛍光体層54において励起光が入射される第1面541に設けられているとした。詳述すると、反射防止層55は、第1面541の略全面に設けられるとした。しかしながら、これに限らず、反射防止層55は、第1面541において励起光の入射領域が含まれる範囲に設けられていてもよい。
また、反射防止層55は、蛍光体層54に対して励起光の入射側に設けられていればよく、反射防止層55と蛍光体層54との間に、他の層が設けられていてもよい。
更に、反射防止層55は、蒸着により第1面541に形成されるとした。しかしながら、蒸着に限らず、他の手法によって蛍光体層54に反射防止層55を設けてもよい。
また、蛍光体層56を形成する蛍光体粒子PRの全てに反射防止層ARが設けられていなくてもよい。すなわち、蛍光体層56に、反射防止層ARが設けられた蛍光体粒子PRが含まれていれば、反射防止層ARが設けられていない蛍光体粒子PRが含まれていればよい。
また、結合部B1,B2のX軸における寸法とY軸における寸法とが、それぞれ蛍光体粒子PRの直径の1/4以下になれば、蛍光体粒子PRの表面積に対する結合部B1,B2の面積の割合が10%以下の値、好ましくは、3%以上、5%以下の値とならなくてもよい。
更に、X軸及びY軸のうち、一方の軸における結合部B1,B2の寸法は、蛍光体粒子PRの直径の1/4を超えていてもよい。
また、蛍光体層54,56と基板52との間に、蛍光体層54,56から出射された光を反射させる誘電体多層膜が設けられていてもよい。
Claims (8)
- 複数の蛍光体粒子と、前記複数の蛍光体粒子のうち1つの蛍光体粒子と他の1つの蛍光体粒子とを結合するバインダーと、を有する蛍光体層と、
前記蛍光体層に対する励起光の入射側に設けられる反射防止層と、
前記蛍光体層が設けられる基板と、を備え、
前記バインダーは、ガラスを含有し、
前記バインダーは、前記1つの蛍光体粒子の表面の一部と前記他の1つの蛍光体粒子の表面の一部とを結合し、
前記蛍光体粒子に対する前記バインダーの結合部の面積は、前記バインダーが結合する前記蛍光体粒子の表面積の10%以下の値であることを特徴とする波長変換素子。 - 複数の蛍光体粒子と、バインダーと、前記複数の蛍光体粒子のそれぞれの表面に設けられる反射防止層と、を有する蛍光体層と、
前記蛍光体層が設けられる基板と、を備え、
前記バインダーは、ガラスを含有し、
前記バインダーは、前記複数の蛍光体粒子のうち1つの蛍光体粒子の表面に設けられた前記反射防止層の一部と、他の1つの蛍光体粒子の表面に設けられた前記反射防止層の一部と、を結合し、
前記蛍光体粒子に対する前記バインダーの結合部の面積は、前記バインダーが結合する前記蛍光体粒子の表面積の10%以下の値であることを特徴とする波長変換素子。 - 複数の蛍光体粒子と、バインダーと、前記複数の蛍光体粒子の表面に設けられる反射防止層と、を有する蛍光体層と、
前記蛍光体層が設けられる基板と、を備え、
前記バインダーは、ガラスを含有し、
前記バインダーは、前記複数の蛍光体粒子のうち1つの蛍光体粒子の表面の一部と、他の1つの蛍光体粒子の表面に設けられた前記反射防止層と、を結合することを特徴とする波長変換素子。 - 複数の蛍光体粒子と、バインダーと、前記複数の蛍光体粒子の表面に設けられる反射防止層と、を有する蛍光体層と、
前記蛍光体層が設けられる基板と、を備え、
前記バインダーは、ガラスを含有し、
前記バインダーは、前記複数の蛍光体粒子のうち1つの蛍光体粒子の表面の一部と、他の1つの蛍光体粒子の表面の一部と、を結合し、
前記蛍光体粒子に対する前記バインダーの結合部の面積は、前記バインダーが結合する前記蛍光体粒子の表面積の10%以下の値であることを特徴とする波長変換素子。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の波長変換素子において、
前記1つの蛍光体粒子及び前記他の1つの蛍光体粒子は、前記バインダーの内部に空隙が設けられるように前記バインダーにより結合されていない部分をそれぞれ有することを特徴とする波長変換素子。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の波長変換素子において、
前記蛍光体粒子の体積の合計と前記バインダーの体積の合計とを合計した体積に対する前記バインダーの体積の割合は、0vol%より大きく、10vol%以下であることを特徴とする波長変換素子。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の波長変換素子と、
前記波長変換素子に励起光を出射する光源と、を備えることを特徴とする光源装置。 - 請求項7に記載の光源装置と、
前記光源装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
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