JP7200673B2 - 光源装置及びプロジェクター - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の光源装置では、蛍光体層は、接合部によって放熱基板に接合されており、蛍光体層、接合部及び放熱基板は、波長変換素子を構成する。このような波長変換素子は、励起光の入射側とは反対側に出射される光を、例えば放熱基板の反射面や、接合部によって励起光の入射側に反射させる反射方式の波長変換素子である。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、後述する光源装置4から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成する画像光を、スクリーン等の被投射面上に拡大投射する画像表示装置である。プロジェクター1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2と、外装筐体2内に配置される画像投射装置3と、を備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター1は、プロジェクター1の動作を制御する制御装置、電子部品に電力を供給する電源装置、及び、冷却対象を冷却する冷却装置を備える。
外装筐体2は、それぞれ図示しない天面部及び底面部と、正面部21、背面部22、左側面部23及び右側面部24を有し、略直方体形状に形成されている。
正面部21は、後述する投射光学装置36の一部を露出させる開口部211を有しており、投射光学装置36によって投射される画像光は、開口部211を通過する。また、正面部21は、プロジェクター1内の冷却対象を冷却した冷却気体が外装筐体2の外部に排出される排気口212を有する。
右側面部24は、外装筐体2外の気体を冷却気体として内部に導入する導入口241を有する。
画像投射装置3は、上記画像光を形成及び投射する。画像投射装置3は、光源装置4、均一化装置31、色分離装置32、リレー装置33、画像形成装置34、光学部品用筐体35及び投射光学装置36を備える。
なお、光源装置4の構成については、後に詳述する。
色分離装置32は、均一化装置31から入射される光を赤、緑及び青の各色光に分離する。色分離装置32は、2つのダイクロイックミラー321,322と、ダイクロイックミラー321によって分離された青色光を反射させる反射ミラー323と、を備える。
なお、本実施形態では、赤色光の光路にリレー装置33を設けているが、これに限らず、例えば他の色光より光路が長い色光を青色光とし、青色光の光路上にリレー装置33を設ける構成としてもよい。
光変調装置343は、光源装置4から出射された光を画像情報に応じて変調する。光変調装置343は、赤色光を変調する光変調装置343R、緑色光を変調する光変調装置343G、及び、青色光を変調する光変調装置343Bを含む。本実施形態では、光変調装置343は、透過型の液晶パネルによって構成されており、入射側偏光板342、光変調装置343及び出射側偏光板345によって液晶ライトバルブが構成される。
色合成装置346は、光変調装置343B,343G,343Rによって変調された各色光を合成して上記画像光を形成する。本実施形態では、色合成装置346は、クロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、これに限らず、例えば複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
図2は、光源装置4の構成を示す模式図である。
光源装置4は、光変調装置343を照明する照明光LTを均一化装置31に出射する。光源装置4は、図2に示すように、光源用筐体CAと、光源用筐体CA内にそれぞれ収容される光源部41、アフォーカル光学素子42、ホモジナイザー光学素子43、偏光分離素子44、第1集光素子45、第1位相差素子46、第2集光素子47、拡散反射装置48、第2位相差素子49及び波長変換装置5と、を備える。
光源用筐体CAは、塵埃等が内部に侵入しづらい密閉筐体である。
波長変換装置5、第1集光素子45、偏光分離素子44及び第2位相差素子49は、光源装置4に設定され、かつ、照明光軸Ax1に直交する照明光軸Ax2上に配置されている。
光源部41は、光を出射する光源411及びコリメーターレンズ415を備える。
光源411は、それぞれ発光素子としての複数の第1固体光源412及び複数の第2固体光源413と、支持部材414と、を備える。
第1固体光源412は、励起光であるs偏光の青色光L1sを出射する半導体レーザーである。青色光L1sは、例えば、ピーク波長が440nmのレーザー光である。第1固体光源412から出射された青色光L1sは、波長変換装置5に入射される。
第2固体光源413は、p偏光の青色光L2pを出射する半導体レーザーである。青色光L2pは、例えば、ピーク波長が460nmのレーザー光である。第2固体光源413から出射された青色光L2pは、拡散反射装置48に入射される。
支持部材414は、照明光軸Ax1に直交する平面にそれぞれアレイ状に配置された複数の第1固体光源412及び複数の第2固体光源413を支持する。支持部材414は、熱伝導性を有する金属製部材である。
なお、本実施形態では、光源411は、s偏光の青色光L1sと、p偏光の青色光L2pとを出射する構成である。しかしながら、これに限らず、光源411は、偏光方向が同じ直線偏光光である青色光を出射する構成としてもよい。この場合、入射された1種類の直線偏光をs偏光及びp偏光が含まれる光とする位相差素子を、光源部41と偏光分離素子44との間に配置すればよい。
アフォーカル光学素子42は、光源部41から入射される青色光L1s,L2pの光束径を調整して、ホモジナイザー光学素子43に入射させる。アフォーカル光学素子42は、入射される光を集光するレンズ421と、レンズ421によって集光された光束を平行化するレンズ422とにより構成されている。
ホモジナイザー光学素子43は、青色光L1s,L2pの照度分布を均一化する。ホモジナイザー光学素子43は、一対のマルチレンズアレイ431,432により構成されている。
ホモジナイザー光学素子43を通過した青色光L1s,L2pは、偏光分離素子44に入射する。
偏光分離素子44は、プリズム型の偏光ビームスプリッターであり、入射される光に含まれるs偏光成分とp偏光成分とを分離する。具体的に、偏光分離素子44は、s偏光成分を反射させ、p偏光成分を透過させる。また、偏光分離素子44は、s偏光成分及びp偏光成分のいずれの偏光成分であっても、所定波長以上の光を透過させる色分離特性を有する。従って、s偏光の青色光L1sは、偏光分離素子44にて反射され、第1集光素子45に入射する。一方、p偏光の青色光L2pは、偏光分離素子44を透過して、第1位相差素子46に入射する。
第1集光素子45は、偏光分離素子44にて反射された青色光L1sを波長変換装置5に集光する。また、第1集光素子45は、波長変換装置5から入射される蛍光YLを平行化する。図2の例では、第1集光素子45は、2つのレンズ451,452によって構成されているが、第1集光素子45を構成するレンズの数は問わない。
波長変換装置5は、光が入射されることによって励起され、入射された光の波長とは異なる波長を有する光を第1集光素子45に出射する。換言すると、波長変換装置5は、入射された光の波長を変換する。
本実施形態では、波長変換装置5は、励起光である青色光L1sの入射に応じて、青色光L1sの波長より長い波長を有する蛍光YLを出射する波長変換素子51と、所定の回転軸である照明光軸Ax2と平行な回転軸を中心として波長変換素子51を回転させる回転部RTとを備える。なお、波長変換素子51の回転軸は、励起光である青色光L1sの入射方向に沿う回転軸である。
これらのうち、波長変換素子51は、青色光L1sの入射側に蛍光YLを出射する反射型の波長変換素子である。なお、蛍光YLは、例えばピーク波長が500~700nmの光である。すなわち、蛍光YLは、緑色光成分を含む。
このような波長変換素子51の構成については、後に詳述する。
第1位相差素子46は、偏光分離素子44と第2集光素子47との間に配置されている。第1位相差素子46は、偏光分離素子44を通過した青色光L2pを円偏光の青色光L2cに変換する。青色光L2cは、第2集光素子47に入射される。
第2集光素子47は、第1位相差素子46から入射される青色光L2cを拡散反射装置48に集光する。また、第2集光素子47は、拡散反射装置48から入射される青色光L2cを平行化する。なお、第2集光素子47を構成するレンズの数は、適宜変更可能である。
拡散反射装置48は、波長変換装置5から出射される蛍光YLと同様の拡散角で、入射された青色光L2cを拡散反射させる。拡散反射装置48の構成として、入射された青色光L2cをランバート反射させる反射板と、反射板を照明光軸Ax1と平行な回転軸を中心として回転させる回転装置とを備える構成を例示できる。
拡散反射装置48にて拡散反射された青色光L2cは、第2集光素子47を通過した後、第1位相差素子46に入射される。青色光L2cは、拡散反射装置48にて反射される際に、回転方向が反対方向の円偏光に変換される。このため、第2集光素子47を介して第1位相差素子46に入射された青色光L2cは、偏光分離素子44から第1位相差素子46に入射された際のp偏光の青色光L2cではなく、s偏光の青色光L2sに変換される。そして、青色光L2sは、偏光分離素子44にて反射されて、第2位相差素子49に入射される。すなわち、偏光分離素子44から第2位相差素子49に入射される光は、青色光L2s及び蛍光YLが混在した白色光である。
第2位相差素子49は、偏光分離素子44から入射される白色光をs偏光及びp偏光が混在する光に変換する。このように変換された白色の照明光LTは、上記した均一化装置31に入射される。
図3は、波長変換素子51を励起光の入射側から見た平面図である。図4は、波長変換素子51の断面を模式的に示す図である。
波長変換素子51は、励起光の波長とは異なる波長を有する光である蛍光を、励起光の入射側に出射する反射型の波長変換素子である。波長変換素子51は、図3及び図4に示すように、波長変換部52と、基板53と、波長変換部52を基板53に接合する接着剤54と、波長変換部52及び基板53の間に設けられる空隙55と、を有する。
なお、以降の説明及び図においては、波長変換部52に入射される青色光L1sを、波長変換部52に含まれる蛍光体を励起させる励起光と記載する。また、波長変換部52に対する励起光の入射方向を+Z方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。
波長変換部52は、基板53に対して励起光の入射側である-Z方向に配置され、接着剤54によって基板53に保持されている。波長変換部52は、入射される励起光を蛍光に変換して出射する。詳述すると、波長変換部52は、入射される励起光を波長変換して、励起光の波長より長い波長を有する光である蛍光を生成して出射する。波長変換部52は、図3に示すように、-Z方向から見て、波長変換素子51の回転軸Rxを中心とする円環状に形成されている。
第1面521は、励起光が入射される入射面であり、蛍光が出射される出射面でもある。
第2面522は、基板53と対向する対向面であり、本発明における波長変換部の第1面に相当する。
基板53は、図3に示すように、-Z方向から見て円板状に形成され、回転部RTによって回転軸Rxを中心として、波長変換部52とともに回転される。基板53は、波長変換部52を保持する保持部材である他、波長変換部52から伝達される熱を放熱する放熱部材でもある。基板53は、図4に示すように、-Z方向の面である第1面531と、+Z方向の面であり、第1面531とは反対側の面である第2面532と、を有する。
第1面531は、波長変換部52に対向する対向面であり、本発明における基板の第2面に相当する。第1面531には、それぞれ微小な複数の凸部5311(図5参照)及び複数の凹部5312(図5参照)が形成されている。これらについては、後に詳述する。
第2面532には、周囲の気体との接触面積を拡大することによって、基板53に伝達された熱の放熱効率を高める放熱部が設けられていてもよい。
基板本体53Aは、例えば銅及びアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属材料によって、円板状に形成されている。
なお、基板本体53A自体が、入射される光を反射する反射特性を有する場合には、反射膜53Bは、無くてもよい。また、反射膜53Bは、基板本体53Aにおける-Z方向の面の略全面に形成されていなくてもよく、基板本体53Aにおける-Z方向の面において、波長変換部52と対向する部位のみに設けられていてもよい。
具体的に、反射膜53Bが基板本体53Aに設けられている場合には、誘電体多層膜53Cは、反射膜53Bを-Z方向にて覆うように設けられる。また、反射膜53Bが基板本体53Aに設けられていない場合には、誘電体多層膜53Cは、基板本体53Aにおける-Z方向の面に設けられる。すなわち、誘電体多層膜53Cは、基板53の第1面531を構成する。
このため、基板53が誘電体多層膜53Cを有する場合には、誘電体多層膜53Cにおける-Z方向の面が第1面531を構成する。また、基板53が誘電体多層膜53Cを有しない場合には、反射膜53Bにおける-Z方向の面が第1面531を構成する。更に、基板53が誘電体多層膜53C及び反射膜53Bのそれぞれを有しない場合には、基板本体53Aにおける-Z方向の面が第1面531を構成する。すなわち、基板53の構成に関わらず、基板53における-Z方向の面であり、波長変換部52と-Z方向にて対向する面が、第1面531である。
接着剤54は、基板53に波長変換部52を接合して、波長変換部52を基板53に保持させる。接着剤54は、図3に示すように、-Z方向から見て円環状に形成された波長変換部52の外縁に沿って円環状に設けられており、基板53の第1面531と、波長変換部52において回転軸Rxを中心とする外周面523とを接続する。このため、本実施形態における波長変換素子51では、波長変換部52の第2面522と基板53の第1面531との間に、接着剤54は設けられていない。
なお、接着剤54は、波長変換部52の内縁に沿って設けられていてもよい。すなわち、接着剤54は、波長変換部52の第2面522が基板53の第1面531と対向するように波長変換部52を基板53に固定できればよく、接着剤54の位置は問わない。
接着剤54は、例えばシリコーン接着剤を用いると、セラミックスである波長変換部52と金属である基板53との線膨張整数の違いによる発熱による寸法変化による応力を吸収できる。
図5は、波長変換素子51の一部を拡大して示す断面図である。
基板53の第1面531において波長変換部52と対向する対向部位ARは、図5に示すように、例えば研磨によって形成された微細な複数の凸部5311及び複数の凹部5312を有する。具体的に、複数の凸部5311及び複数の凹部5312は、基板本体53Aが研磨され、研磨後の基板本体53Aに必要に応じて反射膜53B及び誘電体多層膜53Cが形成されることによって、第1面531に形成される。
このため、複数の凸部5311のうちの少なくとも1つの凸部5311が波長変換部52の第2面522と接触することによって、波長変換部52の第2面522と基板53の第1面531との間には、空隙55が設けられる。
なお、反射膜53B及び誘電体多層膜53Cの少なくとも1つが形成された基板本体53Aを研磨することによって、複数の凸部5311及び複数の凹部5312を形成してもよい。
波長変換部52の内部を-Z方向に進行する蛍光は、第1面521から-Z方向に出射される。
波長変換部52の内部を+Z方向に進行する蛍光のうち、一部の蛍光は、第2面522から基板53に向かって出射される。基板53に入射された蛍光は、誘電体多層膜53C又は反射膜53Bにて反射されることによって、第2面522を介して波長変換部52内に入射され、波長変換部52の内部を-Z方向に進行する。
このため、波長変換部52の内部を+Z方向に進行する蛍光のうち、他の一部の蛍光は、波長変換部52と基板53との間に空隙55が設けられていることによって、第2面522にて全反射されて-Z方向に進行し、内部の気孔で進行方向が変わり、最終的に第1面521から出射される。
空隙55の+Z方向における寸法である厚さ寸法は、波長変換部52における第2面522の粗さと、基板53における第1面531の粗さとの和によって規定される。具体的に、空隙55の厚さ寸法は、第2面522の最大高さ粗さRzと、第1面531における対向部位ARの最大高さ粗さRzとの和によって規定される。
なお、波長変換部52を研磨した場合の第2面522の最大高さ粗さRzは数nmであり、第1面531の最大高さ粗さRzに比べて非常に小さい。このため、第2面522の最大高さ粗さRzは無視できるので、本実施形態では、空隙55の厚さ寸法D1は、第1面531の最大高さ粗さRzによって規定される。
また、第2面522の輪郭曲線の平均線から第1面531の輪郭曲線の平均線までの+Z方向における寸法は、波長変換部52にて生じる蛍光の波長以上で、蛍光の波長の2倍の値以下の範囲内の値である。本実施形態では、第2面522は略平面とみなせることから、第2面522から第1面531の輪郭曲線の平均線ALまでの+Z方向における寸法D2は、0.5μm以上、1.0μm以下の範囲内の値である。
これらの範囲は、以下の理由によって設定されている。
図6に示すように、波長変換部52の内部から第2面522に入射される入射光のうち、臨界角を超える入射角αで入射された入射光LT1は、第2面522にて内面反射され、反射光LT2となって波長変換部52の内部を進行する。
このように光エネルギーが吸収されると、波長変換素子51において、入射される励起光の光量に対して出射される蛍光の光量によって規定される波長変換効率が低下する。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果を奏することができる。
光源装置4は、励起光を出射する光源411と、励起光を波長変換して、励起光の波長より長い波長を有する蛍光を生成する波長変換部52と、波長変換部52と対向する基板53と、波長変換部52及び基板53の間に設けられる空隙55と、を備える。波長変換部52は、基板53と対向する第1面としての第2面522を有し、基板53は、第2面522と対向する第2面としての第1面531を有する。第2面522から第1面531に向かう方向である+Z方向における空隙55の厚さ寸法D1は、第2面522の粗さと第1面531の粗さとの和によって規定され、当該厚さ寸法D1は、蛍光の波長以上である。また、プロジェクター1は、上記光源装置4と、光源装置4から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置343と、光変調装置343によって変調された光を投射する投射光学装置36と、を備える。
また、空隙55の厚さ寸法D1は、第2面522の粗さ及び第1面531の粗さによって規定される。換言すると、空隙55は、第2面522の粗さ及び第1面531の粗さによって形成される。このため、第2面522と第1面531との間にスペーサーを設ける等して空隙55を設ける場合に比べて、空隙55を簡易に設けることができる他、小さな厚さ寸法の空隙55を形成できる。
このような構成によれば、空隙55を維持できる他、空隙55を簡易に構成できる。
このような構成によれば、空隙55の厚さ寸法が0.5μm以上、すなわち、500nm以上であることにより、励起光のエバネッセント波及び蛍光のエバネッセント波が基板53に入射されることを抑制できる。従って、波長変換部52から出射される蛍光に損失が生じることを抑制できる。
このような構成によれば、上記のように、第2面522から漏れ出すエバネッセント波EWが基板53に入射することを抑制できる他、波長変換部52の熱を基板53に伝達させることができる。従って、波長変換部52を冷却できる。
このような構成によれば、第2面522から出射された励起光及び蛍光を、反射面RSにて反射させることによって、波長変換部52に戻すことができる。従って、波長変換部52による波長変換効率を高めることができる。
このような構成によれば、第2面522から出射された光の一部を誘電体多層膜53Cにて反射させて、波長変換部52に入射させることができる。従って、波長変換部52による波長変換効率を高めることができる。また、反射面RSに入射されて吸収される光量を低減でき、波長変換部52から出射される蛍光、ひいては、光源装置4から出射される蛍光に損失が生じることを抑制できる。
このような構成によれば、波長変換部52における励起光の入射領域の位置を移動させることができるので、波長変換部52の温度が局所的に高くなることを抑制できる。従って、波長変換部52の波長変換効率が熱によって低下することを抑制できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、光源装置4が備える波長変換素子51は、蛍光体及び賦活剤がガラスバインダーによってバインドされた波長変換部52を有するとした。しかしながら、これに限らず、入射される励起光を、励起光の波長とは異なる波長を有する光に変換できれば、波長変換部52の構成は、上記に限定されない。
蛍光体粒子としては、YAG蛍光体の他、KSF蛍光体、又は、SCASN蛍光体等を採用できる。YAG蛍光体におけるYをLu、Gd又はGaで置換されたものを採用してもよい。賦活剤としては、Ceの他、Eu、Pr、Cr、Gd及びGaの少なくとも1つを採用できる。この他、波長変換部52は、気孔を含んでいてもよい。
なお、蛍光体粒子及び賦活剤は、上記と同様であり、波長変換部52の内部に気孔が含まれていてもよい。
また、樹脂バインダーに代えて、Al2O3等の無機バインダーを採用してもよい。
上記実施形態では、第2面522の輪郭曲線の平均線から第1面531の輪郭曲線の平均線までの+Z方向における寸法D2は、波長変換部52にて生じる蛍光の波長以上で、蛍光の波長の2倍の値以下の範囲内の値であるとした。しかしながら、これに限らず、寸法D2は、0.5μm未満の値であってもよく、1.0μmを超える値であってもよい。換言すると、寸法D2は、蛍光の波長未満の値であってもよく、蛍光の2倍の波長を超える値であってもよい。
また、空隙55は、基板53が有する凸部5311が第2面522に接触することによって波長変換部52と基板53との間に設けられるとした。しかしながら、これに限らず、凸部は、波長変換部が備えていてもよい。また、接着剤等により、波長変換部と基板とが互いに接触しない状態が維持されていてもよい。
一方、波長変換部52において基板53と対向する第2面522に、例えば高屈折率材料Nb2O5と低屈折率材料SiO2とが交互に積層された多層膜を設けてもよい。このような多層膜を設けることにより、波長変換部52からの蛍光の取り出しが、より効率的となる。
Claims (7)
- 励起光を出射する光源と、
前記励起光を波長変換して、前記励起光の波長より長い波長を有する蛍光を生成する波長変換部と、
前記波長変換部と対向する基板と、
前記波長変換部及び前記基板の間に設けられる空隙と、を備え、
前記波長変換部は、前記基板と対向する第1面を有し、
前記基板は、前記第1面と対向する第2面を有し、
前記第1面から前記第2面に向かう方向の寸法である前記空隙の厚さ寸法は、前記第1面の粗さと前記第2面の粗さとの和によって規定され、
前記厚さ寸法は、前記蛍光の波長以上で、前記蛍光の波長の2倍以下であることを特徴とする光源装置。 - 励起光を出射する光源と、
前記励起光を波長変換して、前記励起光の波長より長い波長を有する蛍光を生成する波長変換部と、
前記波長変換部と対向する基板と、
前記波長変換部及び前記基板の間に設けられる空隙と、を備え、
前記波長変換部は、前記基板と対向する第1面を有し、
前記基板は、前記第1面と対向する第2面を有し、
前記第1面から前記第2面に向かう方向の寸法である前記空隙の厚さ寸法は、前記第1面の粗さと前記第2面の粗さとの和によって規定され、
前記厚さ寸法は、前記蛍光の波長以上であり、
前記基板は、前記第1面と対向する誘電体多層膜を有することを特徴とする光源装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の光源装置において、
前記第1面及び前記第2面の一方は、複数の凸部を有し、
前記空隙は、前記複数の凸部のうち少なくとも1つの凸部が、前記第1面及び前記第2面の他方に接触することによって形成されることを特徴とする光源装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光源装置において、
前記蛍光は、緑色光成分を含み、
前記厚さ寸法は、0.5μm以上であることを特徴とする光源装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光源装置において、
前記基板は、前記第1面から出射される光を反射する反射面を有することを特徴とする光源装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光源装置において、
前記波長変換部に対する前記励起光の入射方向に沿う回転軸を中心として前記基板を回転させる回転部を備えることを特徴とする光源装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
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