JP6701793B2 - 波長変換素子、波長変換装置、照明装置およびプロジェクター - Google Patents

波長変換素子、波長変換装置、照明装置およびプロジェクター Download PDF

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Description

本発明は、波長変換素子、波長変換装置、照明装置およびプロジェクターに関する。
近年、カラーホイールを用いた投射型表示装置が提案されている。カラーホイールは、蛍光体層が設けられた基板を回転させつつ、基板上の蛍光体層に励起光を照射して蛍光を発生させ、蛍光を含む白色光を生成するものである。下記の特許文献1に記載の投射型表示装置においては、カラーホイールの円盤状の透明基材が3つの領域に分割され、それぞれの領域には、赤色、緑色、青色の各々の色に波長変換するように、蛍光体層がそれぞれ形成されている。
特開2004−341105号公報
特許文献1の投射型表示装置において、蛍光体層で発生する熱は空気に伝達されるが、カラーホイールから空気への熱抵抗が大きいために、カラーホイールの放熱性が低いという問題があった。また、カラーホイールの放熱性が低いと、蛍光体層は冷却されず、高温になりやすい。一般に、蛍光体層が高温になると、蛍光体層の量子効率が低下するため、投射型表示装置に設けられた照明装置の発光効率が低下することがあった。さらに、蛍光体層のバインダーとして有機材料が用いられる場合には、熱による蛍光体層の変色や劣化が起こることがあった。
一方、カラーホイールの放熱性を高めるために、カラーホイールのホイール径を大きくすると、投射型表示装置全体が大きくなることがあった。また、カラーホイールの放熱性を高めるために、カラーホイールの回転数を上げると、風切音やモーターのノイズが大きくなることがあった。
さらに、蛍光体層で発生する熱を少なくするために、蛍光体層に照射される励起光の光量を少なくすると、投射型表示装置に設けられた照明装置の明るさが低下することがあった。
本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、放熱性および信頼性の高い波長変換素子を提供することを目的の一つとする。本発明の一つの態様は、上記の波長変換素子を備え、放熱性および信頼性の高い波長変換装置を提供することを目的の一つとする。本発明の一つの態様は、上記の波長変換装置を備え、明るさや発光効率に優れる照明装置を提供することを目的の一つとする。本発明の一つの態様は、上記の照明装置を備え、低騒音かつ小型化が可能なプロジェクターを提供することを目的の一つとする。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様の波長変換素子は、回転軸を中心として回転可能に構成された基材と、前記基材の回転方向に沿って、前記基材の外周面に設けられた無機材料からなる波長変換層と、を備え、前記基材は、前記基材の内部に液体が流通する流通部を有している。
本発明の一つの態様の波長変換素子においては、波長変換層は無機材料から形成されているため、例えば有機材料を含む波長変換層に比べて、波長変換層自体の熱伝導率(放熱性)が高く、信頼性が高い。
また、本発明の一つの態様の波長変換素子では、基材が回転軸を中心として回転可能に構成され、波長変換層が基材の回転方向に沿って基材の外周面に設けられている。そのため、本発明の一つの態様の波長変換素子は、波長変換層へ入射する光の入射位置を時間的に変化させることができ、波長変換層が局所的に加熱されるのを抑制できる。
さらに、本発明の一つの態様の波長変換素子では、基材の内部に液体を流通させることにより、例えば空冷を利用した従来の波長変換素子に比べて、波長変換層を効率的に冷却することができる。
以上の作用によって、本発明の一つの態様の波長変換素子は、放熱性および信頼性が高い。
本発明の一つの態様の波長変換素子において、前記基材は、筒状の形状を有し、前記外周面と前記波長変換層のうち、少なくとも前記外周面は、前記回転軸方向に沿う一方の端部から他方の端部に向かって前記回転軸に近づくように形成されている部分を有してもよい。
本発明の一つの態様の波長変換素子においては、回転軸方向に沿う一方の端部では、他方の端部と比べて、基材の外周面と波長変換層との間隙を十分に小さくできるため、波長変換層で発生する熱を効率的に基材に伝え、冷却することができる。
これにより、本発明の一つの態様の波長変換素子は、放熱性が高い。
本発明の一つの態様の波長変換素子において、前記基材の回転方向に沿って複数に分割された前記波長変換層が、前記基材の回転方向に沿って並べられてもよい。
本発明の一つの態様の波長変換素子においては、基材と波長変換層との間隙を十分に小さくでき、波長変換層で発生する熱を効率的よく基材に伝え、冷却することができる。
また、本発明の一つの態様の波長変換素子では、複数の波長変換層のうち隣接するもの同士は、適度に隙間を有しているため、基材と波長変換層の熱膨張率の差に起因する波長変換層の破損を抑制することができる。
これにより、本発明の一つの態様の波長変換素子は、放熱性および信頼性が高い。
本発明の一つの態様の波長変換素子において、前記基材と前記波長変換層とが焼結により一体となっていてもよい。
本発明の一つの態様の波長変換素子においては、波長変換層で発生する熱を効率的に基材に伝え、冷却することができる。
また、本発明の一つの態様の波長変換素子では、基材と波長変換層とが焼結されて一体となっていることにより、例えば基材と波長変換層とが、接着剤などの固定部材を介して固定されている波長変換素子と比べて、波長変換層が基材から脱落するおそれが低い。
これにより、本発明の一つの態様の波長変換素子は、放熱性および信頼性が高い。
本発明の一つの態様の波長変換素子において、前記基材は、前記基材の回転軸と垂直な方向に積層された複数の層を有し、前記複数の層は、焼結により一体となっていてもよい。
本発明の一つの態様の波長変換素子においては、基材は、基材の回転軸と垂直な方向に積層された複数の層を有しているため、例えば、層ごとに異なる特性を付与することができ、放熱性を高めた構成とすることができる。
これにより、本発明の一つの態様の波長変換素子は、放熱性が高い。
本発明の一つの態様の波長変換装置は、本発明の一つの態様の波長変換素子と、前記液体を冷却する冷却装置と、前記液体を前記流通部へ送液する送液装置と、を備える。
本発明の一つの態様の波長変換装置においては、冷却装置によって冷却された液体を、基材内部の流通部へ送液装置を用いて送液することができるため、波長変換層を効率的に冷却することができる。
これにより、本発明の一つの態様の波長変換装置は、放熱性が高い。
本発明の一つの態様の照明装置は、本発明の一つの態様の波長変換装置と、前記波長変換素子へ入射する光を射出する光源と、を備える。
本発明の一つの態様の照明装置においては、放熱性の高い波長変換装置を備えるため、波長変換層が高温になりにくく、波長変換層の量子効率の低下を抑制し、照明装置の発光効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の一つの態様の照明装置は、放熱性の高い波長変換装置を備えるため、波長変換層で発生する熱を少なくする目的で、波長変換層へ入射する光の光量を少なくする必要がない。
以上の作用によって、本発明の一つの態様の照明装置は、明るさや発光効率に優れる。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の一つの態様の照明装置と、前記照明装置から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学系と、を備える。
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいては、放熱性の高い波長変換装置を備えた照明装置を有するため、波長変換装置の放熱性を高める目的で、基材を大きくしたり、基材の回転数を増やしたりする必要がない。
以上の作用によって、本発明の一つの態様のプロジェクターは、低騒音かつ小型化が可能である。
本発明の一実施形態のプロジェクターの光学系を示す概略図である。 第1実施形態の波長変換素子の斜視図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 第2実施形態の波長変換素子の斜視図である。 図4のB−B線に沿う断面図である。 第2変形例の波長変換素子の断面図である。 第3実施形態の波長変換素子の斜視図である。 第4実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
[プロジェクター]
本実施形態に係るプロジェクターの一例について説明する。
本実施形態のプロジェクターは、スクリーン(被投射面)上にカラー映像を表示する投射型画像表示装置である。プロジェクターは、赤色、緑色、青色の各色光に対応した3つの液晶光変調装置を備える。プロジェクターは、照明装置の光源として、高輝度・高出力な光が得られる半導体レーザーを備える。
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の光学系を示す概略図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、第1照明装置100と、第2照明装置102と、色分離導光光学系200と、液晶光変調装置400Rと、液晶光変調装置400Gと、液晶光変調装置400Bと、クロスダイクロイックプリズム500と、投射光学系600と、を備える。
本実施形態の第1照明装置100は、特許請求の範囲の照明装置に対応する。
第1照明装置100は、第1光源10と、コリメート光学系70と、ダイクロイックミラー80と、コリメート集光光学系90と、波長変換装置104と、第1レンズアレイ120と、第2レンズアレイ130と、偏光変換素子140と、重畳レンズ150と、を備える。
本実施形態の波長変換装置104は、特許請求の範囲の波長変換装置に対応する。
第1光源10は、励起光として第1の波長帯の青色のレーザー光(発光強度のピーク:約445nm)Eを射出する半導体レーザーから構成されている。第1光源10は、1つの半導体レーザーで構成されていてもよいし、複数の半導体レーザーで構成されていてもよい。
なお、第1光源10は、445nm以外の波長、例えば460nmの青色レーザー光を射出する半導体レーザーを用いることもできる。
本実施形態の第1光源10は、特許請求の範囲の光源に対応する。本実施形態の励起光は、特許請求の範囲における波長変換素子へ入射する光に対応する。
第1光源10は、第1光源10から射出されるレーザー光の光軸200axが照明光軸100axと直交するように配置されている。
コリメート光学系70は、第1レンズ72と、第2レンズ74と、を備える。コリメート光学系70は、第1光源10から射出された光を略平行化する。第1レンズ72および第2レンズ74は、凸レンズで構成されている。
ダイクロイックミラー80は、コリメート光学系70からコリメート集光光学系90に至る光路中に、第1光源10の光軸200axと照明光軸100axとの各々に対して45°の角度で交わるように配置されている。ダイクロイックミラー80は、青色光Eを反射させ、赤色光および緑色光を含む黄色の蛍光Yを透過させる。
コリメート集光光学系90は、ダイクロイックミラー80を通過した青色光Eを集光させて波長変換素子30に備えられた波長変換層20に入射させる機能と、波長変換層20から射出された蛍光Yを略平行化する機能とを有する。コリメート集光光学系90は、第1レンズ92と、第2レンズ94と、を備える。第1レンズ92および第2レンズ94は、凸レンズで構成されている。
本実施形態の波長変換素子30は、特許請求の範囲の波長変換素子に対応する。本実施形態の波長変換層20は、特許請求の範囲の波長変換層に対応する。
波長変換装置104は、波長変換素子30と、冷却装置50と、送液装置60と、冷却液配管62を備える。
冷却装置50は、冷却ジャケット52と、ペルチェ素子54と、放熱フィン56と、ファン58と、を備える。
本実施形態の冷却装置50は、特許請求の範囲の冷却装置に対応する。本実施形態の送液装置60は、特許請求の範囲の送液装置に対応する。
第2照明装置102は、第2光源710と、集光光学系760と、散乱板732と、コリメート光学系770と、を備える。
第2光源710は、第1照明装置100の第1光源10と同一の半導体レーザーから構成されている。第2光源710は、1つの半導体レーザーで構成されていてもよいし、複数の半導体レーザーで構成されていてもよい。
集光光学系760は、第1レンズ762と、第2レンズ764と、を備える。集光光学系760は、第2光源710から射出された青色光Bを散乱板732上もしくは散乱板732の近傍に集光させる。第1レンズ762および第2レンズ764は、凸レンズで構成されている。
散乱板732は、第2光源710からの青色光Bを散乱させ、波長変換素子30から射出された蛍光Yの配光分布に近い配光分布を有する青色光Bを生成する。散乱板732として、例えば、光学ガラスからなる磨りガラスを用いることができる。
コリメート光学系770は、第1レンズ772と、第2レンズ774と、を備える。コリメート光学系770は、散乱板732から射出された光を略平行化する。第1レンズ772および第2レンズ774は、凸レンズで構成されている。
第2照明装置102から射出された青色光Bは、ダイクロイックミラー80で反射され、波長変換素子30から射出されダイクロイックミラー80を透過した蛍光Yと合成されて白色光Wとなる。白色光Wは、第1レンズアレイ120に入射する。
図2は、本実施形態の波長変換素子30を示す斜視図である。図3は、図2のA−A断面図である。
波長変換素子30は、図2および図3に示すように、基材40と、反射膜41と、固定部材42と、流通部45と、波長変換層20と、を備える。ただし、図2は、反射膜41および固定部材42を省略して図示している。
波長変換層20は、青色光Eが入射することにより、蛍光Yを基材40とは反対側に向けて射出する。すなわち、波長変換素子30は、反射型の波長変換素子である。
基材40は、金属製またはセラミックス製の放熱性に優れた基材から構成される。基材40に用いられる金属としては、例えばアルミニウム、銅、ステンレスなどが挙げられる。
基材40は、モーターと、ギヤおよびベルト等の回転伝達機構(図示略)により、回転軸44を中心として回転可能に構成されている。図1に示す冷却液配管62と基材40との継ぎ手部分には、ロータリーアクチュエーター(図示略)が設けられている。
本実施形態の回転軸44は、特許請求の範囲の回転軸に対応する。
本実施形態において、基材40は、筒状の形状を有しており、回転軸44と垂直な方向の断面は円環状である。基材40の内部には流通部45が設けられている。流通部45には、液体Lが流通するように構成されている。基材40の厚さは、0.5mm〜5mm程度に設定される。
基材40の外径は、回転軸44と平行な方向に一定ではなく、基材40の中心部と端部で異なっている。基材40は、接続部40Sと、拡径部40Lと、を有する。拡径部40Lは、接続部40Sよりも外径および内径が大きくなるように構成され、接続部と一体に作製される。接続部40Sは、拡径部40Lの両方の端部に設けられている。
基材40は、基材40の外周面40aと、基材40の一方の端部40b(図2における基材40の左側端部)と、基材40の他方の端部40c(図2における基材40の右側端部)と、を有する。基材40の外周面40aは、特許請求の範囲における基材の外周面に相当する。基材40の一方の端部40bは、特許請求の範囲における回転軸44の方向に沿う一方の端部に相当する。基材40の他方の端部40cは、特許請求の範囲における回転軸44の方向に沿う他方の端部に相当する。
ここで、拡径部40Lにおける一方の端部40b側にある端面E1の外径をD1、他方の端部側にある端面E2の外径をD2とする。本実施形態においては、拡径部40LはD1>D2の関係を満たすように構成されている。換言すると、基材40の外周面40aは、基材40の一方の端部40bから他方の端部40cに向かって、基材40の回転軸44に近づくように形成されている部分(図2における拡径部40L)を有する。すなわち、基材40の拡径部40Lでは、基材40の外周面40aが回転軸44に対して傾いており、拡径部40Lはテーパー形状を有する。
一方、接続部40Sの外径は、回転軸44と平行な方向に一定になるように構成されている。接続部40Sにおける端面E3の外径をD3とするとき、基材40の端面E1,E2の外径D1、D2との関係が、D1>D2>D3となるように構成されている。すなわち、接続部40Sの外径は、拡径部40Lの外径よりも小さい。
なお、図3に示すように、流通部45は、拡径部40Lの内部では接続部40Sの内径に対して拡がるように構成されている。
波長変換層20は、無機材料から構成されている。波長変換層20は、基材40の回転方向に沿って、基材40の外周面40aに設けられている。波長変換層20は、筒状の形状を有しており、回転軸44と垂直な方向の断面は円環状である。
波長変換層20の外径は、回転軸44と平行な方向に一定ではない。ここで、波長変換層20における基材の一方の端部40b側にある端面E4の内径をD4、他方の端部側にある端面E5の内径をD5とする。本実施形態の波長変換層20においては、基材40の端面E1,E2の外径D1、D2との関係が、D1>D4>D5>D2の関係を満たすように構成されている。換言すると、波長変換層20の外周面20aは、基材40の一方の端部40bから他方の端部40cに向かって、基材40の回転軸44に近づくように形成されている。すなわち、波長変換層20は、波長変換層20の外周面20aが回転軸44に対して傾いており、テーパー形状を有する。
波長変換層20は、第1光源10から射出される青色光Eにより励起され、第2の波長帯の蛍光Yを射出する。蛍光Yは、赤色光および緑色光を含む黄色光である。波長変換層20は、無機蛍光体と無機材料からなるバインダーとの混合物、またはバルク状の無機蛍光体から構成されている。
上記無機蛍光体としては、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体が用いられる。YAG:Ceを例にとると、波長変換層20として、Y、Al、CeO等の構成元素を含む原料粉末を混合して固相反応させた材料、共沈法やゾルゲル法等の湿式法により得られるY−Al−Oアモルファス粒子、噴霧乾燥法や火炎熱分解法、熱プラズマ法等の気相法により得られるYAG粒子等を用いることができる。
無機材料からなるバインダーとしては、高融点ガラス、アルミナ多結晶またはYAG多結晶などが挙げられる。励起光および蛍光Yが波長変換層20を透過するためには、バインダーは透明である必要がある。
液体Lとしては、吸熱性、流動性、安全性を満たせば特に限定されず、例えば水が挙げられる。液体Lの冷却方法は、従来公知の方法を採用できる。本実施形態において、液体Lは冷却装置50により冷却され、冷却された液体Lは送液装置60により流通部45に送液される。
反射膜41は、波長変換層20と基材40との間に設けられている。反射膜41は、波長変換層20から発せられた蛍光Yを高い効率で反射するように、銀などの金属または誘電体多層膜で構成されている。そのため、反射膜41が形成される基材40の外周面40aは、高い精度の平面粗さを有している。これにより、反射膜41は、基材40側に向かう蛍光Yの大部分を、基材40とは反対側に向けて反射する。
なお、基材40の外周面40aの反射率が十分高い場合には、反射膜41は必ずしも基材40に設けられていなくてもよい。
図3に示すように、波長変換層20は、固定部材42を用いて、反射膜41を備えた基材40に固定されている。本実施形態の場合、固定部材42として、接着剤が用いられる。励起光および蛍光が反射膜41に入射するためには、固定部材42は光透過性を有する必要がある。固定部材42としては、例えばシリコーン樹脂が用いられる。
図1に戻って、第1レンズアレイ120は、ダイクロイックミラー80からの光を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ122を有する。複数の第1小レンズ122は、照明光軸100axと直交する面内にマトリクス状に配列されている。
第2レンズアレイ130は、第1レンズアレイ120の複数の第1小レンズ122に対応する複数の第2小レンズ132を有する。第2レンズアレイ130は、後段の重畳レンズ150とともに、第1レンズアレイ120の各第1小レンズ122の像を液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、および液晶光変調装置400Bのそれぞれの画像形成領域近傍に結像させる。複数の第2小レンズ132は、照明光軸100axに直交する面内にマトリクス状に配列されている。
偏光変換素子140は、第1レンズアレイ120により分割された各部分光束を、偏光方向が揃った直線偏光に変換する。
重畳レンズ150は、偏光変換素子140から射出された各部分光束を集光し、液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、および液晶光変調装置400Bのそれぞれの画像形成領域近傍で互いに重畳させる。第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130、および重畳レンズ150は、波長変換素子30からの光の面内光強度分布を均一にするインテグレーター光学系を構成する。
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210、220と、反射ミラー230、240、250と、リレーレンズ260、270と、を備える。色分離導光光学系200は、第1照明装置100と第2照明装置102とから得られた白色光Wを赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとに分離し、赤色光R、緑色光G、および青色光Bを、対応する液晶光変調装置400R,400G,400Bに導光する。フィールドレンズ300R、フィールドレンズ300G、およびフィールドレンズ300Bは、色分離導光光学系200と液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、および液晶光変調装置400Bとの間に配置されている。
ダイクロイックミラー210は、赤色光成分を通過させ、緑色光成分および青色光成分を反射するダイクロイックミラーである。ダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射して、青色光成分を通過させるダイクロイックミラーである。反射ミラー230は、赤色光成分を反射する反射ミラーである。反射ミラー240および250は、青色光成分を反射する反射ミラーである。
ダイクロイックミラー210を通過した赤色光は、反射ミラー230で反射され、フィールドレンズ300Rを通過して赤色光用の液晶光変調装置400Rの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー210で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー220でさらに反射され、フィールドレンズ300Gを通過して緑色光用の液晶光変調装置400Gの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー220を通過した青色光は、リレーレンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250、およびフィールドレンズ300Bを経て青色光用の液晶光変調装置400Bの画像形成領域に入射する。
液晶光変調装置400R、400G、および400Bは、入射された色光を画像情報に応じて変調し、各色光に対応するカラー画像を形成する。
図示を省略したが、液晶光変調装置400R、400G、および400Bの光入射側に、入射側偏光板が配置されている。液晶光変調装置400R、400G、および400Bの光射出側に、射出側偏光板が配置されている。
クロスダイクロイックプリズム500は、液晶光変調装置400R、400G、および400Bから射出された各画像光を合成してカラー画像を形成する。クロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投射光学系600によって拡大投射され、スクリーンSCR上で画像を形成する。投射光学系600は、複数の投射レンズ6で構成されている。
波長変換素子30を作製する方法としては例えば、以下に記載する方法が挙げられる。
まず、上記のように構成された基材40および基材40とは別体に作製した波長変換層20を用意する。
本実施形態に係る基材40および波長変換層20は、傾斜角θが互いに等しくなるように構成されている。図3に示すように、傾斜角θとは、相対する面(外周面)が回転軸44に対して傾斜している角度を意味する。
次いで、基材40を他方の端部40c側から波長変換層20の内側に挿入し、波長変換層20を他方の端部40cから一方の端部40bの方向にスライドさせ、基材40の外径と波長変換層20の内径とが一致する位置で固定する。
このとき、反射膜41は、基材40の外周面40aにおいて基材40と波長変換層20とが少なくとも重なる位置にあらかじめ設けられている。
一方、固定部材42は、基材40の外周面40aまたは波長変換層20の内側の少なくとも一方にあらかじめ設けられている。例えば、基材40がセラミックからなる場合には、基材40と波長変換層20とが焼結により一体となっていてもよい。このとき、基材40に波長変換層20を積層または埋め込みを行ってから基材40と一緒に焼結してもよい。
本実施形態に係る波長変換層20には、レーザー光からなる青色光Eが入射するため、波長変換層20で熱が発生する。波長変換層20は、無機材料から形成されているため、例えば有機材料を含む従来の波長変換層に比べて、波長変換層20自体の熱伝導率が大きい(放熱性が高い)。
また、本実施形態に係る基材40は、回転軸44を中心として回転可能に構成され、波長変換層20は、基材40の回転方向に沿って設けられている。そのため、波長変換層20における青色光Eの入射位置を時間的に変化させることができ、波長変換層20が局所的に加熱されるのを抑制できる。上記に加えて、本実施形態に係る波長変換層20が、拡径部40Lに設けられていることにより、接続部40Sに設けられている場合と比べて、波長変換層20における単位時間あたりの青色光Eの入射量を低減できる。そのため、波長変換層20が加熱されるのをさらに抑制できる。
さらに、本実施形態に係る基材40は、その内部に液体Lが流通することにより、例えば空冷を利用した従来の波長変換素子に比べて、波長変換層20を効率的に冷却することができる。
さらに、本実施形態に係る基材40は、回転軸44と平行な方向に一定ではなく、拡径部40Lと、接続部40Sと、を有する。拡径部40Lは、接続部40Sと比べて表面積が大きいため、放熱性が高い。
本実施形態に係る波長変換素子30を作製する方法としては、例えば基材40と、基材40とは別体に作製された波長変換層20を用意して、基材40を波長変換層20の内側に挿入する方法が挙げられる。従来の波長変換素子においては、基材および波長変換層が回転軸と平行な方向に一定な外径を有するため、基材の外径を小さくする、または波長変換層の内径を大きくする必要がある。これにより、基材と波長変換層との間隙が大きくなり、固定部材の使用量が増加する。固定部材は熱伝導率が小さいため、効率的に波長変換層を冷却することができなくなり、従来の波長変換素子では放熱性が低下する。
一方、本実施形態に係る波長変換素子30においては、基材40および波長変換層20は、傾斜角θが等しくなるように構成されたテーパー形状を有するため、従来のように基材の外径や波長変換層の内径をあらかじめ調整する必要がない。これにより基材40と波長変換層20との間隙が十分に小さくなり、固定部材42の使用量を低減することができる。以上のことから、効率的に波長変換層20を冷却することができるため、波長変換素子30は放熱性が高い。
本実施形態に係る波長変換素子30の放熱性が高いことにより、固定部材42が波長変換層20で発生する熱によって劣化するのを抑え、固定部材42の劣化による波長変換層20の脱落を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態に係る波長変換素子30は、放熱性および信頼性が高い。
本実施形態の波長変換装置104は、上記構成の波長変換素子30を備えているため、放熱性および信頼性の高い波長変換装置を実現することができる。本実施形態の第1照明装置100は、上記構成の波長変換装置104を備えているため、明るさや発光効率に優れた照明装置を実現することができる。本実施形態のプロジェクター1は、上記構成の第1照明装置100を備えているため、低騒音かつ小型化が可能なプロジェクターを実現することができる。
(第1変形例)
本発明の第1実施形態に係る波長変換素子30において、波長変換層20は必ずしも、外周面20aが回転軸44に対して傾いていなくてもよい。例えば、図2に示す波長変換層20の外周面20aが回転軸44と平行な方向に一定になるように形成されていてもよい。この場合、第1変形例の照明装置において、波長変換層20から蛍光Yが射出される方向は、波長変換層20に青色光Eが入射する側と同じ側となる。
(第2変形例)
本発明の第1実施形態に係る波長変換素子30において、波長変換層20は必ずしも、基材40の回転方向に沿って設けられていなくてもよい。例えば、図2に示す波長変換層20の端面E4または端面E5もしくはその両方が回転軸44に対して垂直でなくてもよい。ただし、波長変換層20の全てにおいて、レーザー光からなる青色光Eが入射されるように、波長変換層20は基材40の外周面40aに配置されている。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図4〜6を用いて説明する。
第2実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、波長変換素子の構成が第1実施形態と異なる。そのため、プロジェクター全体の説明は省略し、波長変換素子についてのみ説明する。
図4は、第2実施形態の波長変換素子32の斜視図である。図5は、図4のB−B断面図である。
図4および図5において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態の波長変換素子32は、基材43と、反射膜41と、固定部材42と、流通部45と、波長変換層22と、を備える。すなわち、第2実施形態の波長変換素子32においては、基材および波長変換層の構成が第1実施形態と異なり、基材および波長変換層以外の構成要素は第1実施形態と同じである。
第1実施形態の波長変換素子30では、基材40の外周面40aは、基材40の一方の端部40bから他方の端部40cに向かって、回転軸44に近づくように形成されている部分を有する。これに対して、図4および図5に示すように、第2実施形態の基材43の外周面43aは、基材43の一方の端部43bから他方の端部43cに向かって、回転軸44と平行な方向に一定である。
また、第1実施形態の波長変換素子30では、波長変換層20は一体成形されている。これに対して、図4および図5に示すように、第2実施形態の波長変換素子32では、波長変換層22は、基材43の回転方向に沿って90°ずつ4つに分割されている。この分割された波長変換層を、それぞれ波長変換層23、24、25、26とする。波長変換層23、24、25、26は、基材43の回転方向に沿って並んでいる。
従来の波長変換素子においては、基材および波長変換層が回転軸と平行な方向に一定な外径を有するため、上記の波長変換素子の作製方法によれば、基材の外径を小さくする、または波長変換層の内径を大きくする必要がある。これにより、基材と波長変換層との間隙が大きくなり、固定部材の使用量が増加する。固定部材は熱伝導率が低いため、波長変換層を効率的に冷却することができなくなり、従来の波長変換素子では放熱性が低下する。
一方、本実施形態に係る波長変換素子32においては、波長変換層23、24、25、26を、基材43の回転方向に沿って並べればよいため、従来のように基材の外径や波長変換層の内径をあらかじめ調整する必要がない。これにより、基材43と波長変換層22との間隙を十分に小さくできるため、固定部材42の使用量を低減でき、効率的に波長変換層22を冷却することができる。
従来の波長変換素子において、基材が金属からなる場合には、基材の熱膨張率は無機材料からなる波長変換層と比べて高いために、波長変換層が割れることがある。本実施形態においては、波長変換層23、24、25、26のうち隣接するもの同士は、適度な隙間を有しているため、基材43の熱膨張に合わせて、この隙間が大きくなることで、波長変換層22が割れるのを抑制している。すなわち、波長変換層22が上記の構成であることにより、基材43と波長変換層22との熱膨張率の差に起因する波長変換層22の破損を抑制することができる。
なお、本実施形態における基材43の外周面43aは、基材43の一方の端部43bから他方の端部43cに向かって、回転軸44に近づくように形成されている部分を有してもよい。
(第3変形例)
図6は、第3変形例の波長変換素子34の断面図である。図6は、第2実施形態における図5に対応している。図6に示すように、上記隙間を、無機蛍光体を含む樹脂層46で埋めてもよい。無機蛍光体としては第1実施形態と同じものを使用することができる。励起光および蛍光が樹脂層46を透過するためには、樹脂層46に含まれる樹脂は光透過性を有する必要がある。樹脂としては、例えばシリコーン樹脂等が用いられる。これにより、上記隙間に励起光が照射された場合においても、蛍光を発生させることができるため、明るさの低下を抑制することができる。
本実施形態においても、波長変換素子が放熱性および信頼性が高いといった第1実施形態と同様の効果が得られる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図7を用いて説明する。第3実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、波長変換素子の構成が第1実施形態と異なる。そのため、プロジェクター全体の説明は省略し、波長変換素子についてのみ説明する。
図7は、第3実施形態の波長変換素子36の断面図である。図7は、第1実施形態における図3に対応している。図7において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態の波長変換素子36は、基材47と、流通部45と、波長変換層20と、を備える。すなわち、第3実施形態の波長変換素子36においては、流通部45および波長変換層20の構成は第1実施形態と同じである。
第1実施形態の波長変換素子30では、基材40は、基材40の回転軸44と垂直な方向に1つの層のみから構成されている。これに対して、図7に示すように、第3実施形態の波長変換素子36では、基材47は、基材47の回転軸44と垂直な方向に積層された2つの層を有している。この2つの層のうち流通部45側に設けられた層(図7における基材40の内側の層)を第1基材48とし、波長変換層20側に設けられた層(図7における基材40の外側の層)を第2基材49とする。
本実施形態において、第1基材48および第2基材49はセラミックスから構成されている。第1基材48と第2基材49とは、各々の機能に応じて空孔の量や光散乱性が異なる。第1基材48は、液体Lが浸透するのを抑制する目的で、第2基材49と比べて空孔が少なくなっている。一方、第2基材49は、基材47側に向かう蛍光Yの大部分を、基材47とは反対側に向けて反射させる目的で、第2基材49の形成材料とは異なる屈折率を有する粒子や空孔を有する光散乱体である。このような構成によれば、基材47に反射層を設ける必要がないため、基材47は放熱性に優れる。
第1基材48および第2基材49は、焼結により一体となっている。この場合、固定部材42を設ける必要がないため、波長変換素子34は、効率的に波長変換層20を冷却することができる。また、第2基材49はセラミックスからなるため、耐熱性が高く、信頼性の高い波長変換素子34が提供される。
本実施形態においても、波長変換素子が放熱性および信頼性が高いといった第1実施形態と同様の効果が得られる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図8を用いて説明する。第4実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と異なり第2照明装置を必要としない。また、第4実施形態に係る照明装置の構成は、第1実施形態の第1照明装置と異なる。そのため、プロジェクター全体の説明は省略し、照明装置についてのみ説明する。
図8は、第4実施形態に係るプロジェクター2の光学系を示す概略図である。図8は、第1実施形態における図1に対応している。図8において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
第1実施形態の第1照明装置100は、第1光源10と、コリメート光学系70と、ダイクロイックミラー80と、コリメート集光光学系90と、波長変換装置104と、第1レンズアレイ120と、第2レンズアレイ130と、偏光変換素子140と、重畳レンズ150と、を備える。これに対して、図8に示すように、第4実施形態の照明装置106は、位相差板12と、ダイクロイックミラー82と、反射ミラー88と、波長変換装置108と、を備える。第1光源10と、コリメート光学系70、コリメート集光光学系90、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130、偏光変換素子140および重畳レンズ150は第1実施形態と同じものを使用できる。
位相差板12は、コリメート光学系70に対して第1光源10とは反対側に1つと、後述する第1ダイクロイックミラー84と第2ダイクロイックミラー86との間に設けられている。位相差板12は、コリメート光学系70で集光した青色光Eを、p偏光およびs偏光を含む円偏光に変換する。
ダイクロイックミラー82は、第1ダイクロイックミラー84と、第2ダイクロイックミラー86とを備える。第1ダイクロイックミラー84および第2ダイクロイックミラー86は、コリメート光学系70からコリメート集光光学系90に至る光路中に、第1光源10の光軸200axと照明光軸106ax、106bx、106cxとの各々に対して45°の角度で交わるようにそれぞれ配置されている。
第1ダイクロイックミラー84および第2ダイクロイックミラー86は、s偏光の青色光Esおよび赤色の蛍光Rを反射させ、p偏光の青色光Epおよび緑色の蛍光Gを通過させる。
第2ダイクロイックミラー86を通過したp偏光の青色光Epは、反射ミラー88で反射される。
第1実施形態の波長変換素子30では、基材40の外周面40aの回転方向に沿って1つの波長変換層20を備える。これに対して、図8に示すように、第4実施形態の照明装置106では、波長変換素子38は、基材40の外周面40aの回転方向に沿って2つの波長変換層28G、28Rと、1つの拡散反射層29を備える。
波長変換層28Gは、第1ダイクロイックミラー84で反射されたs偏光の青色光Esにより励起され、蛍光Gを射出する。射出された蛍光Gは、第1ダイクロイックミラー84を通過し、コリメート集光光学系90に進む。
波長変換層28Rは、第2ダイクロイックミラー86で反射されたs偏光の青色光Esにより励起され、蛍光Rを射出する。射出された蛍光Rは、第2ダイクロイックミラー86で反射され、位相差板12を通過して円偏光となった後、第1ダイクロイックミラー84で反射され、コリメート集光光学系90に進む。
拡散反射層29は、反射ミラー88で反射されたp偏光の青色光Epを偏光方向を変えずに、拡散反射する。拡散反射されたp偏光の青色光Epは反射ミラー88で反射され、位相差板12を通過して円偏光となった後、第1ダイクロイックミラー84で反射され、コリメート集光光学系90に進む。
蛍光G、蛍光Rおよび青色光Eは、合成されて白色光Wとなる。白色光Wが、第1レンズアレイ120に入射する以降の構成は、第1実施形態と同様である。
(第4変形例)
本発明の第4実施形態に係る波長変換素子において、波長変換層は必ずしも2つ設けられていなくてもよい。例えば、波長変換層28G、28Rの代わりに、赤色光および緑色光を含む黄色の蛍光Yを射出する波長変換層を1つだけ有してもよい。蛍光Yは、コリメート集光光学系90を通過した後、ダイクロイックミラーに入射する。第3変形例においては、ダイクロイックミラーはs偏光の青色光Esを反射させ、p偏光の青色光Epおよび蛍光Yを通過させる。ダイクロイックミラーを通過した蛍光Yおよび青色光Eは、合成されて白色光Wとなる。
上記の構成によれば、波長変換層は1つでよく、波長変換層で発生する熱を少なくすることができる。
以上のような構成のプロジェクター2によれば、第1実施形態と同様に、波長変換層28G、28Rで発生する熱を効率的に冷却することができる。また、拡散反射層29で発生する熱も効率的に冷却することができるため、プロジェクター全体の放熱性が高い。さらに、本実施形態では、照明装置が1つあればよいためプロジェクターの小型化が可能である。
本実施形態においても、波長変換素子が放熱性および信頼性が高いといった第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第1実施形態では、波長変換素子を形成する方法として、基材と、基材とは別体に作製された波長変換層を用意して、波長変換層の内側に挿入する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、波長変換素子を形成する他の方法として、無機蛍光体と無機材料からなるバインダーとの混合物を、反射膜41を備えた基材40の外周面40aに塗布する方法が挙げられる。この塗布方法としては、例えばスクリーン印刷、吹付塗装、浸漬塗りなどが挙げられる。このとき基材と波長変換層とは焼結により一体としてもよく、例えば既に焼結された基材に無機蛍光体のスラリー液を塗布後に再度焼結してもよい。
例えば、第2実施形態では、波長変換層は、基材の回転方向に90°ずつ4つに分割されている例を挙げたが、角度や分割数は上記に限定されず、また均等に分割されていなくてもよい。すなわち、波長変換層が複数に分割され、これらが基材の回転方向に沿って並んでいればよい。
例えば、第3実施形態では、基材は、基材の回転軸と垂直な方向に積層された2つの層を有している例を挙げたが、基材は回転軸と垂直な方向に複数の層を有していればよい。
さらに、例えば上記実施形態では、反射型の波長変換素子を備えた照明装置の例を挙げたが、透過型の波長変換素子を備えた照明装置であってもよい。この場合、波長変換素子の基材および固定部材はともに光透過性を有する必要がある。
その他、波長変換装置、照明装置、およびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
上記実施形態では、本発明による照明装置を、液晶ライトバルブを用いたプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。光変調装置としてデジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクターに搭載してもよい。
上記実施形態では、本発明による照明装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による照明装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
上記実施形態では、波長変換層として無機蛍光体を用いたが、これに限られない。波長変換層として、例えば量子ロッドを用いてもよい。
1、2…プロジェクター、10…第1光源(光源)、12…位相差板、20、22、23、24、25、26、28G、28R…波長変換層、30、32、34、36、38…波長変換素子、40、43、47…基材、40a…外周面、40b…一方の端部、40c…他方の端部、44…回転軸、45…流通部、50…冷却装置、60…送液装置、100…第1照明装置(照明装置)、102…第2照明装置、106…照明装置、104、108…波長変換装置、400R、400G、400B…液晶光変調装置(光変調装置)、600…投射光学系、L…液体。

Claims (7)

  1. 回転軸を中心として回転可能に構成された基材と、
    前記基材の回転方向に沿って、前記基材の外周面に設けられた無機材料からなる波長変換層と、を備え、
    前記基材は、筒状の形状を有するとともに前記基材の内部に液体が流通する流通部を有し、
    前記外周面と前記波長変換層のうち、少なくとも前記外周面は、前記回転軸方向に沿う一方の端部から他方の端部に向かって前記回転軸に近づくように形成されている部分を有することを特徴とする波長変換素子。
  2. 回転軸を中心として回転可能に構成された基材と、
    前記基材の回転方向に沿って、前記基材の外周面に設けられた無機材料からなる波長変換層と、を備え、
    前記基材は、前記基材の内部に液体が流通する流通部を有し、
    前記基材の回転方向に沿って複数に分割された前記波長変換層が、隙間を介して前記基材の回転方向に沿って並んでおり、
    前記隙間に設けられ、蛍光体を含む樹脂層を備えることを特徴とする波長変換素子。
  3. 前記基材と前記波長変換層とが焼結により一体となっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の波長変換素子。
  4. 前記基材は、前記基材の回転軸と垂直な方向に積層された複数の層を有し、
    前記複数の層は、焼結により一体となっていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の波長変換素子。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の波長変換素子と、
    前記液体を冷却する冷却装置と、前記液体を前記流通部へ送液する送液装置と、を備えたことを特徴とする波長変換装置。
  6. 請求項に記載の波長変換装置と、
    前記波長変換素子へ入射する光を射出する光源と、を備えたことを特徴とする照明装置。
  7. 請求項に記載の照明装置と、
    前記照明装置から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
    前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学系と、を備えたことを特徴とするプロジェクター。
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