JP7236610B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本開示は、回転仕切体が設置された観音開き式の扉を有する冷蔵庫に関する。
一般に、冷蔵庫は、扉によって開閉自在な冷蔵室、冷凍室および野菜室等の貯蔵室を備えている。それぞれの貯蔵室は、扉によって開閉自在となるよう構成されている。大型の冷蔵庫では、冷蔵室の扉は、観音開き式の扉で構成されている。観音開き式扉には、その左右いずれか一方の扉の開閉に連動して回動する、回転仕切体が設けられている。これにより、扉閉止時に生じる扉端面同士間の隙間が塞がれて気密が確保されている。また、回転仕切体の内面には、ヒータが貼付され、回転仕切体の表面に発生する結露を防止している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような従来の冷蔵庫では、ヒータの熱の一部が、回転仕切体を介して、冷蔵室内に侵入する。このため、回転仕切体の表面に発生する結露を防止するためのヒータの消費電力が増大するという課題がある。
特開2010-249491号公報
本開示は、上記のような従来の課題に鑑みてなされたもので、結露防止のためのヒータの消費電力を低減することができる、省エネルギ性の高い冷蔵庫を提供する。
具体的には、本開示の一例による冷蔵庫は、冷蔵室と、第一扉および第二扉で構成された観音開き式の扉と、第一扉に設けられた回転仕切体と、第二扉の側面のうち、観音開き式の扉が閉まっている状態において第一扉と第二扉とが対向する側面に設けられたヒータとを備え、ヒータは、加温部分が分割された複数の部位を有し、複数の部位それぞれのワット密度が互いに異なることを特徴とする
このような構成により、効果的に回転仕切体に触れる空気を加温できる。これにより、回転仕切体が結露することを抑制できる。
図1は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の斜視図である。 図2は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の縦断面図である。 図3は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉が開かれた状態の斜視図である。 図4は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉の一つを示す斜視図である。 図5は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉および回転仕切体の要部断面図である。 図6は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の加温部の構成を説明するための図である。 図7Aは、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉に設けられた回転仕切体の外観斜視図である。 図7Bは、本開示の実施の形態の一例による回転仕切体を背面側から見た図である。 図8は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉に設けられた回転仕切体の図7Bの8-8線における断面を示す断面図である。 図9は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉に設けられた回転仕切体を示す分解斜視図である。 図10は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉に設けられた回転仕切体を示す他の分解斜視図である。 図11は、本開示の実施の形態の変形例1における観音開き式扉および回転仕切体の要部断面図である。 図12は、本開示の実施の形態の変形例2における観音開き式扉および回転仕切体の要部断面図である。
以下、本開示の実施の形態の例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本開示が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本開示の実施の形態における冷蔵庫の斜視図、図2は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の縦断面図、および、図3は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉が開かれた状態の斜視図である。
(1.冷蔵庫の全体構成)
まず、図1~図3を用いて、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫100の全体構成を説明する。本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫100は、前方が開口した冷蔵庫本体1を備えている。冷蔵庫本体1は、金属製の外箱2と、硬質樹脂製の内箱3と、外箱2と内箱3の間に発泡充填された発泡断熱材4とを有する。内箱3の内部は、仕切板5,6等によって、複数の貯蔵室に仕切られている。また、冷蔵庫本体1の各貯蔵室は、冷蔵庫本体1と同様の断熱構成が採用された扉を備える。各扉は、開閉自在となるよう構成されている。
冷蔵庫本体1内に形成された複数の貯蔵室は、最上部の冷蔵室14と、冷蔵室14の下に設けられた温度帯切り替え可能な切替室15およびその横に設けられた製氷室16と、切替室15および製氷室16の下に設けられた冷凍室18と、最下部に設けられた野菜室17とで構成されている。
冷蔵室14は、観音開き式扉7を備えている。切替室15、製氷室16、野菜室17、および冷凍室18は、引出し式の扉88,9,10,11をそれぞれ備えている。
また、冷蔵庫本体1は、冷凍室18の背面に、冷却室19を備えている。冷却室19には、冷気を生成する冷却器20と、冷気を各貯蔵室に供給する冷却ファン21とが設置されている。また、冷却器20の下方には、ガラス管ヒータ等で構成された除霜部22が設けられている。
冷却器20は、圧縮機23と、コンデンサ(図示せず)と、放熱用の放熱パイプ(図示せず)と、キャピラリーチューブ(図示せず)とが環状に接続されて冷凍サイクルを構成している。圧縮機23によって圧縮された冷媒が、冷凍サイクル内で循環されることで、冷却器20は、冷却室19内の冷却を行う。
また、冷却ファン21は、冷却器20の上方に設けられている。冷却ファン21は、その下流側に連なる冷蔵室ダクト24、冷凍室ダクト25、および野菜室ダクト(図示せず)を介して、冷蔵室14、冷凍室18および野菜室17のそれぞれに、冷却室19内の冷気を供給する。この冷気によって、各貯蔵室は冷却される。
冷蔵室14には、図2および図3に示すように、複数の棚板27が着脱自在に設けられている。複数の棚板27により、冷蔵室14内の空間が、上下複数の空間に仕切られている。また、冷蔵室14には、図2に示すように、下部に、低温貯蔵室、例えばパーシャルフリーザ室28およびチルド室29が設けられている。
なお、冷蔵室14は、例えば、凍らない程度の1℃~5℃に冷却される。冷蔵室14内のパーシャルフリーザ室28は、例えば、微凍結保存に適した-2℃~-3℃に冷却される。冷蔵室14内のチルド室29は、例えば、冷蔵室14よりも低く、パーシャルフリーザ室28よりは若干高めの1℃前後の温度に冷却される。
(2.観音開き式扉の構成)
次に、観音開き式扉7の構成について説明する。
図4は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉の一つを示す斜視図であり、図5は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉および回転仕切体の要部断面図である。
冷蔵室14(図3参照)の観音開き式扉7は、第一扉71と第二扉72とからなる。第一扉71および第二扉72は、それぞれ冷蔵庫本体1に扉ヒンジ13で回動自在に軸支されている。
図4では、観音開き式扉7の例として、第一扉71を示している。第一扉71は、樹脂製の扉内枠31と、樹脂製の扉外周枠32と、扉表面を構成するガラス板等の外装板33(図5参照)とで囲われた空間部分に、硬質発泡ウレタン等の扉用発泡断熱材34が充填されて構成されている。
観音開き式扉7の一方の扉、本実施の形態では、幅の狭い第一扉71の遊端側に、扉閉止時に生じる第一扉71および第二扉72のそれぞれの側面321同士間の隙間を閉塞する、短冊状の細長い回転仕切体35が設けられている。観音開き式扉7のもう一方の幅広い第二扉72には、例えば、図1に示すように、その下部に、冷蔵庫100の運転状態等を表示する表示部36が設けられている。
第一扉71および第二扉72それぞれは、扉内枠31の周囲に、ガスケット71a,72aを備えている。ガスケット71a,72aは、観音開き式扉7と、冷蔵庫本体1または回転仕切体35との間に生じる隙間を塞ぐための樹脂製の部材である。ガスケット71a,72aのうち、回転仕切体35に対向する部分の少なくとも一部には、磁石が配置されている。また、回転仕切体35は、第一扉71および第二扉72それぞれに対向する部分の少なくとも一部に、磁石を備えている。ガスケット71a,72aが備える磁石と、回転仕切体35が備える磁石とが、磁気的に引き合うことで、ガスケット71a,72aと回転仕切体35とは密着し、冷蔵庫本体1または回転仕切体35との間に生じる隙間を塞ぐ。
回転仕切体35を備えていない方の第二扉72は、図5に示すように、結露防止用ヒータ59を備えている。結露防止用ヒータ59は、扉閉止時に生じる、第一扉71および第二扉72それぞれの側面321と、回転仕切体35とで区画される空間Sの、空気の温度を上昇させるための加温部である。結露防止用ヒータ59は、第二扉72の、回転仕切体35が設けられた側の端部に設けられている。より具体的には、第二扉72の、扉外周枠32のうち、扉閉止時に観音開き式扉7の第一扉71および第二扉72が対向する側の側面321に設けられている。結露防止用ヒータ59は、第二扉72の、扉外周枠32の側面321の内面(扉用発泡断熱材34を充填する空間側)に、熱伝導性を有するテープ61により、貼り付けられ固定されている。テープ61は、扉外周枠32の側面321の内面のうち、貯蔵室(冷蔵室14)側のほぼ半分の領域を覆っている。なお、テープ61は、側面321の内面の長手方向のほぼ全長に亘って覆っている。テープ61は、例えば、アルミテープである。
扉外周枠32のうち、少なくとも、側面321の熱伝導率は、回転仕切体35の外郭(後述する、貯蔵室側外郭部材47、または、外気側外郭部材48)、または、断熱材(後述する、成形断熱部材49、または、回転仕切体用発泡断熱材50)の熱伝導率より高い。
次に、結露防止用ヒータ59について説明する。
図6は、本開示の実施の形態による冷蔵庫の加温部の構成を説明するための図である。図6において、結露防止用ヒータ59は、加温部分(ヒータ)591と、加温部分(ヒータ)591に電気を供給するリード線(電線)592と、加温部分591とリード線592とを電気的に接続する切替え部位593a,593bとを備えている。
切替え部位593a,593bは、観音開き式扉7の長手方向の中心付近に配置される。加温部分591は、観音開き式扉7の長手方向(図6の矢印で示す方向)に沿って切替え部位593aの上方に伸び、観音開き式扉7の上端付近で折り返される。加温部分591は、さらに、観音開き式扉7の下端に向かって観音開き式扉7の長手方向の略全長に亘って配置され、観音開き式扉7の下端付近で折り返され、観音開き式扉7の長手方向に沿って再び上方に伸び、切替え部位593bに接続される。リード線592は、切替え部位593a,593bのそれぞれから1本ずつ、観音開き式扉7の長手方向に沿って切替え部位593aの上方に伸びるように配置される。
より詳細には、加温部分591は、図6に示すように、切替え部位593aのリード線592側に配置されるワット密度W1で長さL1の部位dと、部位dに連接され上方向に伸びるワット密度W2で長さL2の逆U字状の部位eとを有する。加温部分591は、さらに、部位eに連接され部位dと平行に下方向に伸びるワット密度W3で長さL3の部位fと、部位fに連接され切替え部位593a,593bに併設されるワット密度W4で長さL4の部位gとを有する。加温部分591は、さらに、部位gに連接され下方向に伸びるワット密度W5で長さL5の部位hと、部位hに連接され最下部に位置するワット密度W6で長さL6のU字状の部位iとを有する。加温部分591は、さらに、部位iから連接され上方向に伸び切替え部位593bに接続されるワット密度W7と長さL7の部位jを有する。
加温部分591の部位iは、パーシャルフリーザ室28またはチルド室29の天面より下方に位置している。観音開き式扉7の長手方向において、加温部分(ヒータ)591の各部位のワット密度は、観音開き式扉7の下部が最も高くなるように設定されている。具体的には、少なくとも、ワット密度W6は、ワット密度W1~W5およびワット密度W7より大きくなるよう設定されている。
結露防止用ヒータ59が通電されると、加温部分591の部位dから部位jがそれぞれ発熱し、観音開き式扉7の側面321が全長Lにおいて所望の温度に加温される。側面321の外表面が加温されることで、空間S付近の空気が加温される。このため、結露を発生させる冷たい空気が、回転仕切体35に触れることがない。これによって、回転仕切体35が結露することを抑制できる。
空間S付近の空気は、冷蔵室14内の下方に内蔵された、冷蔵室温度より低い温度帯に設定されたパーシャル室およびチルド室の温度影響を受けて、観音開き式扉7の上下方向において、下部が上部より低い温度で冷却される。
しかし、本実施の形態では、第二扉72の上下方向において、加温部分(ヒータ)591の各部位のワット密度は、観音開き式扉7の下部が最も高くなるように、設定されている(ワット密度W1~W5およびワット密度W7<ワット密度W6)。このような構成により、側面321の外表面は、略均一な温度となる。このため、空間S付近の空気も、上下方向において、略均一な温度となり、空間S付近の空気を効率的に加温できる。これによって、結露防止用ヒータ59の消費電力を低減しながら、確実に回転仕切体35の結露を抑制できる。
(3.回転仕切体の構成)
次に、観音開き式扉7に設けられた回転仕切体35について説明する。図7Aは、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉に設けられた回転仕切体の外観斜視図であり、図7Bは、本開示の実施の形態の一例による回転仕切体の背面側から見た図である。図8は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の図7Bの8-8線における断面を示す断面図、図9は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉に設けられた回転仕切体を示す分解斜視図、および、図10は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の観音開き式扉に設けられた回転仕切体を示す他の分解斜視図である。
回転仕切体35は、上述したように、観音開き式扉7の第一扉71に設けられている。具体的には、回転仕切体35の上下部分が、ヒンジ部材46によって、第一扉71の扉内枠31の内面に軸支されている(図5参照)。回転仕切体35は、第一扉71の開閉に連動して回転動作する。
回転仕切体35は、図9等に示すように、外郭として主に、樹脂で形成された、貯蔵室側外郭部材47および外気側外郭部材48を備えている。回転仕切体35は、貯蔵室側外郭部材47の開口部分と、外気側外郭部材48の開口部分とを嵌合させて、中空状に構成されている。また、回転仕切体35は、その中空状部の上端部分に、発泡スチロールからなる成形断熱部材49(図9および図10参照)が組み込まれるとともに、中空状部の残りの大部分には、発泡ウレタン等の回転仕切体用発泡断熱材50が充填されて構成されている。回転仕切体用発泡断熱材50は、回転仕切体35の外郭を構成する貯蔵室側外郭部材47と外気側外郭部材48との間に設けられた介在部材である軟質袋部材64を介して充填されている。
貯蔵室側外郭部材47および外気側外郭部材48は、何れも熱伝導性の低い樹脂で形成されている。貯蔵室側外郭部材47には、図7B~図10に示すように、その長手方向の略中央部に、発泡ウレタンを注入する注入孔52が形成され、長手方向端部付近に、空気抜き孔53が形成されている。貯蔵室側外郭部材47の内面には、金属製の回転仕切体補強板55が設けられている。
回転仕切体補強板55は、その長手方向全域に亘って、複数の孔57が分散して配置されている。回転仕切体補強板55は、貯蔵室側外郭部材47に設けられた注入孔52に対向する部分には、孔66を備えている。また、空気抜き孔53に対向して孔57を有している。
図10に示すように、貯蔵室側外郭部材47の注入孔52と回転仕切体補強板55の孔66との間には、リング状のシールフォーム69が設けられ、空気抜き孔53と孔57との間には、矩形状のシールフォーム70が設けられている。
図9および図10に示すように、回転仕切体35の外郭を構成する貯蔵室側外郭部材47と外気側外郭部材48との空間に介在する軟質袋部材64には、貯蔵室側外郭部材47の注入孔52および回転仕切体補強板55の孔66に対向して、開口孔65が設けられている。
回転仕切体補強板55の孔66と軟質袋部材64の開口孔65の間に、図10に示すように、両面接着剤67を介して、軟質袋部材64が、回転仕切体補強板55に固定される。また、軟質袋部材64の端部近傍も、両面接着剤68を介して回転仕切体補強板55に固定される。
両面接着剤67の中央部は、図10に示すように、空隙を有する。このような構成により、注入孔52から回転仕切体用発泡断熱材50が充填される際に、確実に軟質袋部材64内に回転仕切体用発泡断熱材50が充填される(図8参照)。
なお、軟質袋部材64の端部には、空気抜き用の開口孔を備えている。これにより、シールフォーム70を介して、貯蔵室側外郭部材47の空気抜き孔53から、回転仕切体用発泡断熱材50の充填発泡時の不要な空気が、外部に排出される(図10参照)。
回転仕切体35の上端部は、キャップ62(図9参照)で覆われている。回転仕切体35の下端部は、貯蔵室側外郭部材47の開口下辺と、外気側外郭部材48の開口下辺との嵌合によって閉塞されている。
緩衝シート54は、少なくとも、注入孔52と空気抜き孔53とを覆うように、貯蔵室側外郭部材47に貼り付けられている。緩衝シート54は、回転仕切体35の内部に回転仕切体用発泡断熱材50が充填発泡された後、貯蔵室側外郭部材47の貯蔵室側面に、注入孔52および空気抜き孔53を閉塞するように貼り付けられる。
なお、本実施の形態では、回転仕切体35には、加温部は設けられていない。
以上のように構成された冷蔵庫100について、次にその作用効果について説明する。
冷凍サイクルを構成する圧縮機23で圧縮された冷媒は、コンデンサで放熱し、キャピラリーチューブで減圧され、冷却器20で吸熱し、再び、圧縮機23に戻ってくる。冷却器20で生成された冷気は、冷却ファン21からダクトを介して冷蔵庫本体1内の冷蔵室14、切替室15、製氷室16、野菜室17および冷凍室18に供給され、各貯蔵室を所定の温度に冷却する。
本実施の形態の冷蔵庫100は、観音開き式扉7の第二扉72に、第二扉72の側面を加温する結露防止用ヒータ59を備えている。このような構成により、扉閉止時に生じる第一扉71および第二扉72のそれぞれの扉端面同士間の隙間の空気が加温される。よって、このような構成により、回転仕切体35に冷たい空気が触れることがなくなり、回転仕切体35が結露することを抑制できる。
図5に示すように、回転仕切体35を備えない側の第二扉72と、回転仕切体35との隙間は、回転仕切体35を備える側の第一扉71と、回転仕切体35との隙間より大きい。このような構成により、第二扉72の側面321は、第一扉71の側面321より、低い温度となりやすい。このような構成により、本実施の形態では、低い温度となりやすい第二扉72に結露防止用ヒータ59を備えていることで、効果的に、回転仕切体35に触れる冷たい空気を加温できる。
また、第二扉72は、その側面の領域のうち、例えば庫内側の略半分の領域を加温する結露防止用ヒータ59を備えている。このような構成により、第一扉71および第二扉72のそれぞれの側面321と、回転仕切体35とで区画される空間Sのうち、回転仕切体35に近い領域の空気を効果的に加温できる。
また、回転仕切体35自体には、結露防止用ヒータが設けられていない。このような構成により、結露防止用ヒータの熱の一部が、回転仕切体35を介して、冷蔵室14内に侵入し、冷蔵室14内の温度を上昇させることも抑制できる。
また、第二扉72と回転仕切体35との間には、熱伝導率の低いガスケットが設けられている。このような構成により、第二扉72に設けられた結露防止用ヒータ59の熱の一部が、回転仕切体35に伝わることを抑制できる。
また、加温部分591は、複数の部位に分割されている。また、加温部分591は、複数の部位それぞれのワット密度を異ならせている。このような構成により、冷蔵室14内の温度分布に応じて、効率的に観音開き式扉7の第一扉71および第二扉72の端面同士間の隙間の空気を加温できる。これによって、結露防止用ヒータ59の消費電力を低減できる。
なお、本実施の形態では、観音開き式扉7の長手方向のほぼ全長に亘って、結露防止用ヒータ59が設けられている。また、本実施の形態では、加温部分(ヒータ)591の各部位のワット密度は、観音開き式扉7の下部の温度が最も高くなるように、設定されている。しかし、本実施の形態の冷蔵庫100は、このような構成に限られず、例えば、観音開き式扉7の長手方向の下方のほぼ半分の領域に、結露防止用ヒータ59が設けられていてもよい。このような構成により、加温部分(ヒータ)591の各ワット密度を細かく設定することなく、観音開き式扉7の下部の加熱量を大きくすることができる。このような構成により、結露防止用ヒータ59に、廉価なヒータを使用することが可能となる。扉外周枠32のうち、少なくとも、側面321の熱伝導率は、回転仕切体35の外郭(貯蔵室側外郭部材47、または、外気側外郭部材48)、もしくは、断熱材(成形断熱部材49、または、回転仕切体用発泡断熱材50)の熱伝導率より高い。このような構成により、結露防止用ヒータ59の熱を、側面321に効率よく伝導させることができる。よって、このような構成により、効果的に回転仕切体35に触れる空気を加温できる。
また、回転仕切体35の外郭(貯蔵室側外郭部材47、または、外気側外郭部材48)、もしくは、断熱材(成形断熱部材49、または、回転仕切体用発泡断熱材50)の熱伝導率は、扉外周枠32の熱伝導率より低い。このような構成により、第二扉72に設けられた結露防止用ヒータ59の熱の一部が、回転仕切体35を介して冷蔵室14に伝わることを抑制できる。
また、回転仕切体35は、貯蔵室側外郭部材47と外気側外郭部材48との間に、介在部材である軟質袋部材64を介して、回転仕切体用発泡断熱材50が充填されて構成されている。このような構成により、回転仕切体35の断熱材に発泡スチロールが用いられているものに比べて、その断熱性は格段に高いものとなる。よって、回転仕切体35を介して冷蔵室14内に侵入しようとする外気熱を効果的に抑制することができる。
なお、本実施の形態では、回転仕切体35は、その外郭の内部に軟質袋部材64を介して回転仕切体用発泡断熱材50が充填される形態を例に説明したが、この形態に限られず、外郭の内部に軟質袋部材64を介して発泡スチロールが設けられた回転仕切体としてもよい。
また、回転仕切体35においては、上下に細長く回転仕切体用発泡断熱材50が充填された際、従来の構成では、その発泡圧によって貯蔵室側外郭部材47と外気側外郭部材48とが嵌合している部分から回転仕切体用発泡断熱材50が漏出しやすい。しかし、本実施の形態では、回転仕切体35は、貯蔵室側外郭部材47と外気側外郭部材48との間に、介在部材である軟質袋部材64を介して、回転仕切体用発泡断熱材50が充填されて構成されている。このような構成により、貯蔵室側外郭部材47と外気側外郭部材48とが嵌合している部分からの回転仕切体用発泡断熱材50の漏れを確実に抑制することができる。よって、このような構成により、断熱性が高められた回転仕切体35を得ることができる。
さらに、貯蔵室側外郭部材47と外気側外郭部材48との間に配置された、介在部材である軟質袋部材64により、回転仕切体用発泡断熱材50と、回転仕切体35を構成する貯蔵室側外郭部材47および外気側外郭部材48それぞれとの接着強度が緩和され、回転仕切体35の冷熱温度差によるソリおよび変形を抑制することができる。
また、貯蔵室側外郭部材47の注入孔52と、回転仕切体補強板55の孔66との間には、リング状のシールフォーム69が配置されている。また、空気抜き孔53と孔57との間には、矩形状のシールフォーム70が配置されている。また、貯蔵室側外郭部材47と回転仕切体補強板55とは、爪56によって固定されている。このような構成により、軟質袋部材64を介して、より確実に回転仕切体35内部へ回転仕切体用発泡断熱材50の充填性を高めることができる。
また、回転仕切体35の外郭を構成する、貯蔵室側外郭部材47および外気側外郭部材48の間の空間に介在する軟質袋部材64には、貯蔵室側外郭部材47の注入孔52と回転仕切体補強板55の孔66とに対向して、開口孔65が設けられている。回転仕切体補強板55の孔66と軟質袋部材64の開口孔65との間には、両面接着剤67を介して、軟質袋部材64が、回転仕切体補強板55に固定される。このような構成により、軟質袋部材64を介して、より確実に回転仕切体35内部への回転仕切体用発泡断熱材50の充填性を高めることができる。
また、回転仕切体35は、その上下部分が、ヒンジ部材46で第一扉71に枢結されるとともに、ヒンジ部材46の設置部分には、発泡スチロールからなる成形断熱部材49が設けられている。すなわち、複雑な構造となるヒンジ部材46の軸支部46aなどの近傍は、成形断熱部材49で構成されている。このような構成により、貯蔵室側外郭部材47と外気側外郭部材48との空間を、簡素な構造にできる。また、このような構成により。軟質袋部材64を簡素な矩形形状とすることができる。よって、このような構成により、ヒンジ部材46近傍の回転仕切体用発泡断熱材50の漏れ、および、充填不足を解消することができる。これにより、回転仕切体35の回転動作を安定したものとすることができる。
また、回転仕切体35は、貯蔵室側外郭部材47の内面に、金属製の回転仕切体補強板55が設けられて構成されている。このような構成により、回転仕切体用発泡断熱材50の熱収縮によって生じる変形を防止でき、扉閉止時における密閉性をより高いものとして省エネルギ性を更に向上させることができる。
また、回転仕切体35内の回転仕切体用発泡断熱材50は、軟質袋部材64を介して、回転仕切体補強板55に接している。このような構成により、回転仕切体用発泡断熱材50と回転仕切体補強板55とは、間接的な接触となり、回転仕切体用発泡断熱材50の熱収縮によって生じる、回転仕切体補強板55の直接的な変形を抑制できる。
また、回転仕切体補強板55は、貯蔵室側外郭部材47に設けられた回転仕切体用発泡断熱材50の注入孔52および空気抜き孔53に対向する孔を含めて、その長手方向に複数の孔57が形成されている。このような構成により、貯蔵室側外郭部材47に設けられた注入孔52から、軟質袋部材64内に充填される回転仕切体用発泡断熱材50の注入を可能としつつ、回転仕切体補強板55の軽量化を図ることができる。よって、このような構成により、回転仕切体35自体も軽量化でき、回転仕切体35の回転動作が安定するとともに、回転時に生じる回転仕切体35の慣性力が軽減するので、衝突音等もより少ないものになる。
また、回転仕切体35は、方形状を有する。このような構成により、その左右全域に亘って、良好な断熱効果を発揮するようになり、断熱効果を高めることができる。
なお、本実施の形態では、回転仕切体35の外郭を構成する、貯蔵室側外郭部材47および外気側外郭部材48の間に介在する介在部材は、軟質袋部材64で構成される形態を例として説明したが、介在部材は、これに限定されるものではなく、例えば、ブロー成形部材、離型材塗布、および離型テープ等の貼付でも可能である。
また、本実施の形態では、貯蔵室側外郭部材47および外気側外郭部材48が、熱伝導性の低い樹脂で形成され、回転仕切体35の内部にマグネットが埋設された形態を例として説明したが、これに限定されることなく、回転仕切体35の内部に、マグネット58に代えて着磁性のある金属板が設けられていてもよい。また、外気側外郭部材48は、金属板で構成されてもよい。
この場合、回転仕切体35内部のマグネット配置空間部分を、軟質袋部材64を介して回転仕切体用発泡断熱材50で充填することができ、断熱性の向上と回転仕切体35の強度を高めることができる。この場合、貯蔵室側外郭部材に鉄板を用いることで貯蔵室側外郭部材47に設けられた回転仕切体補強板55も不要、あるいは薄肉化することができ、断熱性と強度とコストの最適バランスを図ることができる。
また、本実施の形態では、回転仕切体35の上端部のヒンジ部材近傍に、発泡スチロールからなる成形断熱部材49が設けられた形態を例として説明したが、これに限定されるものではなく、回転仕切体35の上下端部のヒンジ部材近傍も含めて、回転仕切体35内部のほぼ全域に、軟質袋部材64を介して、回転仕切体用発泡断熱材50が充填されていてもよい。
この場合、発泡ウレタンの充填率向上による断熱性能向上、強度向上、および、発泡スチロールからなる成形断熱部材49の不要によるコストダウン等の効果を得ることができる。
<変形例1>
図11は、本開示の実施の形態の変形例1における冷蔵庫の観音開き式扉および回転仕切体の要部断面図である。
回転仕切体35を備えていない方の第二扉72は、扉外周枠32(図4参照)のうち、扉閉止時に観音開き式扉7が対向する側の側面321に、結露防止用ヒータ59を備えている。結露防止用ヒータ59を固定するテープ61は、扉外周枠32の側面321の内面のほぼ全域を覆っている。
このような構成により、結露防止用ヒータ59により加温される面積を大きくできるので、より効果的に回転仕切体35付近の空気を加温できる。また、テープ61は、扉外周枠32の側面321の内面のほぼ全域を覆っているので、結露防止用ヒータ59の貼り付け面積が増大し、結露防止用ヒータ59を貼り付ける作業効率を向上させることができる。
<変形例2>
図12は、本開示の実施の形態の変形例2における冷蔵庫の観音開き式扉および回転仕切体の要部断面図である。
観音開き式扉7の第一扉71および第二扉72それぞれは、扉外周枠32(図4参照)のうち、扉閉止時に観音開き式扉7が対向する側の側面321に、結露防止用ヒータ59を備えている。結露防止用ヒータ59を固定するテープ61は、第一扉71および第二扉72それぞれの扉外周枠32の側面321の内面の領域のうち、貯蔵室側のほぼ半分の領域を覆っている。
このような構成により、結露防止用ヒータ59により加温される面積を大きくするとともに、空間Sのうち回転仕切体35に近い領域の空気を加温することで、より効果的に回転仕切体35付近の空気を加温できる。また、第一扉71および第二扉72それぞれに、結露防止用ヒータ59を分けて設けることで、第一扉71および第二扉72それぞれに適したワット密度のヒータを取り付けることができる。例えば、第一扉71および第二扉72のいずれか一方に結露防止用ヒータ59を設ける場合と比較して、結露防止用ヒータ59のワット密度を細かく設定する必要がない。よって、このような構成により、結露防止用ヒータ59に、廉価なヒータを使用することが可能となる。
本開示は、回転仕切体の結露を防止のための加温部への入力を抑制できるので、回転仕切体を備えた家庭用および業務用など様々な種類および大きさの冷蔵庫等に適用することができる。
1 冷蔵庫本体
2 外箱
3 内箱
4 発泡断熱材
5,6 仕切板
7 観音開き式扉
88,9,10,11 扉
13 扉ヒンジ
14 冷蔵室
15 切替室
16 製氷室
17 野菜室
18 冷凍室
19 冷却室
20 冷却器
21 冷却ファン
22 除霜部
23 圧縮機
24 冷蔵室ダクト
25 冷凍室ダクト
27 棚板
28 パーシャルフリーザ室
29 チルド室
31 扉内枠
32 扉外周枠
321 側面
33 外装板
34 扉用発泡断熱材
35 回転仕切体
36 表示部
46 ヒンジ部材
46a 軸支部
47 貯蔵室側外郭部材
48 外気側外郭部材
49 成形断熱部材
50 回転仕切体用発泡断熱材
52 注入孔
53 空気抜き孔
54 緩衝シート
55 回転仕切体補強板
57,66 孔
59 結露防止用ヒータ
591 加温部分(ヒータ)
592 リード線(電線)
593a,593b 切替え部位
62 キャップ
64 軟質袋部材(介在部材)
65 開口孔
67,68 両面接着剤
69,70 シールフォーム
71 第一扉
72 第二扉
71a,72a ガスケット
100 冷蔵庫

Claims (9)

  1. 冷蔵室と、
    第一扉および第二扉で構成された観音開き式の扉と、
    前記第一扉に設けられた回転仕切体と、
    前記第二扉の側面のうち、前記観音開き式の扉が閉まっている状態において前記第一扉と前記第二扉とが対向する側面に設けられたヒータとを備え、
    前記ヒータは、加温部分が分割された複数の部位を有し、前記複数の部位それぞれのワット密度が互いに異なることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記ヒータは、前記側面のうち前記冷蔵室側の略半分の領域に設けられていることを特徴とする請求項に記載の冷蔵庫。
  3. 前記冷蔵室の下方には、前記冷蔵室よりも温度帯が低い貯蔵室が設けられ、
    前記ヒータのワット密度は、前記観音開き式の扉の下部の温度が最も高くなるように設定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記第二扉の側面のうち、前記観音開き式の扉が閉まっている状態において前記第一扉と前記第二扉とが対向する側面は、前記回転仕切体の外郭、または、前記回転仕切体に設けられた断熱材より、熱伝導率が高い樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記第一扉の側面のうち、前記観音開き式の扉が閉まっている状態において前記第一扉と前記第二扉とが対向する第2の側面に設けられた第2のヒータを更に備え、
    前記第2のヒータは、加温部分が分割された複数の部位を有し、前記複数の部位それぞれのワット密度が互いに異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記第2のヒータは、前記第2の側面のうち前記冷蔵室側の略半分の領域に設けられていることを特徴とする請求項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記冷蔵室の下方には、前記冷蔵室よりも温度帯が低い貯蔵室が設けられ、
    前記第2のヒータのワット密度は、前記観音開き式の扉の下部の温度が最も高くなるように設定されたことを特徴とする請求項5または6に記載の冷蔵庫。
  8. 前記第一扉の側面のうち、前記観音開き式の扉が閉まっている状態において前記第一扉と前記第二扉とが対向する側面は、前記回転仕切体の外郭、または、前記回転仕切体に設けられた断熱材より、熱伝導率が高い樹脂で形成されたことを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  9. 前記第一扉は、前記第二扉よりも横幅が狭いことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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