JP7236415B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、外観性を維持しながら車体からの振動の影響を受け難いリアフェンダーを備える鞍乗り型車両を提供することを目的とする。
鞍乗り型車両は、車体フレームと、前記車体フレームに支持される前後方向に延びるリアステーと、後輪を上方から覆うリアフェンダーとを備える鞍乗り型車両において、前記リアフェンダーは、前記車体フレームに固定される第1フェンダーと、前記第1フェンダーを介して前記車体フレームに固定される第2フェンダーとを備え、前記第2フェンダーは、前記第1フェンダーの少なくとも一部を外側から覆い、前記第1フェンダーの素材の可撓性は、前記第2フェンダーの素材の可撓性よりも大きく、前記車体フレームは、シートフレームを備え、前記リアステーは、前記シートフレーム後方に支持され、前記第2フェンダーは、前記第1フェンダーおよび前記リアステーに固定されることを特徴とする。
自動二輪車1は、車体フレーム10と、車体フレーム10に支持されるエンジン11と、前輪2を操舵自在に支持するフロントフォーク12と、後輪3を支持するスイングアーム13と、乗員用のシート14とを備える車両である。
自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗り型車両である。シート14は、車体フレーム10の後部の上方に設けられる。
車体フレーム10は、車体フレーム10の前端に設けられるヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15から後下方に延びる左右一対のメインフレーム16L,16Rと、メインフレーム16L,16Rの後端部から下方に延びるピボットフレーム17とを備える。
また、車体フレーム10は、左右のメインフレーム16L,16Rから後上方に延びる左右一対のシートフレーム18L,18Rと、ピボットフレーム17から後上方に延びてシートフレーム18L,18Rの後部に接続される左右一対のサブフレーム19L,19Rとを備える。
左右のメインフレーム16L,16Rの後端は、それぞれピボットフレーム17の上端部に接続される。
車体フレーム10は、シートフレーム18L,18Rの前後の中間部を車幅方向(左右方向)に接続する後部クロスメンバー20と、シートフレーム18L,18Rの後端部を車幅方向に接続する後端部クロスメンバー21とを備える。
フロントフォーク12の上端部には、操舵用のハンドル23が取り付けられる。
後輪3は、スイングアーム13の後端部に設けられる車軸3aに支持される。
スイングアーム13の後部と車体フレーム10との後部との間には、リアクション26が掛け渡される。
エンジン11は、車幅方向に延びるクランク軸(不図示)を収納するクランクケース30と、クランクケース30の前面部から前方に延出するシリンダー部31とを備える内燃機関である。
シリンダー部31は、ピストン(不図示)を収納するシリンダー31aと、シリンダー31aから前方に延びるシリンダーヘッド31bと、シリンダーヘッド31bを前方から覆うヘッドカバー31cとを備える。
エンジン11は、シリンダー31aのシリンダー軸線31dが車両側面視で略水平に前方へ延びる水平エンジンである。上記ピストンは、シリンダー軸線31dに沿って前後に往復運動する。
エンジン11の排気管33は、シリンダーヘッド31bの下面の排気ポートから車両後方に延びる。
シリンダーヘッド31bの上面の吸気ポートには、吸気量を調整するスロットルボディ34が接続される。
外気を取り込む吸気装置35は、シリンダー部31の真上で左右のメインフレーム16L,16Rの間に配置される。吸気装置35はスロットルボディ34に接続される。
バッテリー38は、クランクケース30の上方且つ燃料タンク37の下方で、左右のシートフレーム18L,18Rの間に配置される。
車体カバー40は、ヘッドパイプ15、メインフレーム16L,16R、シートフレーム18L,18R、サブフレーム19L,19R、燃料タンク37、及びシリンダー部31等を側方から覆う。
また、車体カバー40は、メインフレーム16L,16Rを上方から覆う跨ぎ部40aを、車両側面視でヘッドパイプ15とシート14との間に備える。跨ぎ部40aは、メインフレーム16L,16Rの上面に沿うように形成されており、車両側面視でシート14よりも下方に凹む。乗員は、跨ぎ部40aに脚を通すようにして、シート14に着座することができる。
シート14は、燃料タンク37及びリアフェンダー42を上方から覆う。
本実施形態のシートフレーム18L、18Rとサブフレーム19L、19Rは角パイプで形成される。
後部クロスメンバー20の前側には、左右一対のタンクステー51L、51Rが設けられている。タンクステー51L、51Rは、それぞれ、シートフレーム18L、18Rの車幅方向外側面に形成されおり、シートフレーム18L、18Rよりも上方に突出している(図2参照)。タンクステー51L、51Rには、燃料タンク37(図1参照)が固定される。
シート受け部53L、53Rの後方であって、後端部クロスメンバー21の前方には、シートロックステー54L、54Rが形成されている。シートロックステー54L、54Rは、シートフレーム18L、18Rの車幅方向内側面に形成されており、互いに対向している。シートロックステー54L、54Rには、シートロック79(図5参照)が締結される。
フェンダー締結部21A、21Bには、リアフェンダー42(図1参照)が締結される。ステー締結部21Cには、テールライト45およびリアウインカ48(図1参照)を支持するリアステー50(図11参照)が締結される。
ピボットフレーム17の前部には、後部エンジンハンガー56が上下に一対設けられる。
エンジン11は、クランクケース30が上部エンジンハンガー55及び後部エンジンハンガー56に締結されることで車体フレーム10に支持される。本実施形態では、エンジン11は、リジッドマウントされており、緩衝材を介さずに車体フレーム10に支持される。
サブフレーム19L、19Rの前部には、サブフレーム19L、19Rの間をつなぐ中間クロスメンバー22(図3参照)が接続されている。
以下の説明では、左右一対で設けられるものも原則として一つの符号で説明する。すなわち、図1-図4の説明では、左右一対設けられる部材は、数字の符号にL、Rを付して説明したが、以下では、原則として、L、Rを付さずに説明する。
図5に示すように、シート14は、ヒンジ構造61のヒンジ軸67により開閉可能に支持される。ヒンジ構造61は燃料タンク37(図1参照)の前端部に設けられる。なお、シート14は説明の便宜のために太線で図示している。
燃料タンク37の給油口はリッド46で閉塞される。燃料タンク37の給油口から後部は給油トレー47で覆われている。シート14が開放されることで、燃料タンク37のリッド46にアクセス可能となる。
車体フレーム10には、リアフェンダー42が支持される。リアフェンダー42は後輪3を上方から覆う。
リアフェンダー42は、インナーフェンダー(第1フェンダー)71と、インナーフェンダー71を覆うアウターフェンダー(第2フェンダー)81と、を有する。
インナーフェンダー71は、断面逆U字状で後輪3の上部に沿って延びる中央部72と、中央部72の左側の下縁72A(図7参照)に沿って形成され左側の下縁72Aから左側に突出する湾曲板状の左側の側部73と、中央部72の右側の下縁72B(図7参照)に沿って形成され右側の下縁72Bから右側に突出する湾曲板状の右側の側部74(図7参照)と、を有する。
これらにより、インナーフェンダー71は、車体フレーム10に固定される。
中央部72の後端には、上方に突出する台座状のフェンダー保持部72Fが形成されている。フェンダー保持部72Fは左右一対形成されている。フェンダー保持部72Fはアウターフェンダー81を下方から保持する。
アウターフェンダー81は、インナーフェンダー71を介して車体フレーム10に支持される。アウターフェンダー81は、車両側面視で後輪3の上部に沿って円弧状に延びている。アウターフェンダー81は、車体フレーム10の軸部52から後方に延びており、テールライト45よりも後方まで後輪3に沿って延びている。アウターフェンダー81は、インナーフェンダー71よりも後方に延出する。
前側開口82Aの後端に対応して、側面部83、84には、左右一対のカバー固定片83B、84Bが形成されている。カバー固定片83B、84Bは、上部カバー91に下方から締結部材121(図9参照)で締結される。カバー固定片83B、84Bは、シートフレーム18L、18Rの上方に配置される。
前側のフェンダー固定片83E、84Eは、クッション回避部83C、84Cに近接して形成されている。
後側のフェンダー固定片83F、84Fは、アウターフェンダー81の前後方向中央部に対応して形成されている。
よって、アウターフェンダー81の下部は、インナーフェンダー71に固定され、インナーフェンダー71を介して車体フレーム10に固定される。
このとき、アウターフェンダー81の側面部83、84は、インナーフェンダー71の中央部72の後部側面を外側から覆い、後方頂部85が中央部72の後方を覆う。
ステー固定部85Aの後方には、下面から上面側に凹んだ形状のプレート保持部85Bが形成されている。プレート保持部85Bは外面である上面側では台座状に形成されており、プレートステー49A(図5参照)を介してライセンスプレート49(図1参照)が支持される。プレート保持部85Bの内面側は、凹み形状であり、締結部を有する板状の固定部材123が配置され、固定部材85B1にはプレートステー49Aが固定される。プレート保持部85Bの下方には、前後方向に延びる突出片状のプレート保持リブ85Cが形成されている。プレート保持リブ85Cは、ライセンスプレート49の下面に接触してライセンスプレート49を下方から保持する。
アウターフェンダー81の上方には、上部カバー91が配置される。上部カバー91は樹脂製であり、インナーフェンダー71と同一の素材で製造可能である。本実施形態では、上部カバー91はPP樹脂製である。
上部カバー91は、平面視では、前後方向に延びる台形形状であり、後方に進むにしたがって、幅が狭くなっている。上部カバー91は、車両側面視では、車体フレーム10の軸部52からテールライトカバー45Aの前部まで延びている。
また、第2のスリット孔92Bには、アウターフェンダー81の位置決めリブ82A1が下方から差し込まれる。
これらにより、上部カバー91はアウターフェンダー81に対して位置決め可能であり、仮組可能である。
前側のボス穴95には、アウターフェンダー81の前側のカバー固定部83A、84Aの締結部材121(図9参照)が締結されて固定される。
後側のボス穴96には、アウターフェンダー81の後側のカバー固定部83B、84Bの締結部材121(図9参照)が締結されて固定される。
これにより、上部カバー91とアウターフェンダー81とを一体にすることが可能である。
リアステー50には、テールライト45やリアウインカ48(図1参照)が支持される。リアステー50の後端には、下方から、アウターフェンダー81の固定部材122(図9参照)が係合されて固定される。
図5に示すように、上部カバー91の開口93は、第2上部カバー101で上方から覆われる。第2上部カバー101は、上部カバー91と同一の素材で製造可能である。本実施形態の第2上部カバー101は、PP樹脂製である。第2上部カバー101は、シートロックカバー部102を備える。シートロックカバー部102は、上方に凹んだ四角容器状であり、下側の内部にシートロック79を収容する。シートロックカバー部102の天井部には、上下方向に貫通する孔状の開口103が形成されている。シート14が閉塞された場合に、開口103を通じて、シート14の下面のロック係合部(不図示)がシートロック79に進入して、シートロック79にロックされる。
上部カバー91および第2上部カバー101は、シート14が閉塞された場合に、シート14で上方から覆われる。
ここで、図1に示すように、アウターフェンダー81は外観露出する。一方で、インナーフェンダー71、上部カバー91、および、第2上部カバー101は、車体カバー40や、アウターフェンダー81、シート14によって覆われて通常は外観露出しない。
本実施形態では、外観露出するアウターフェンダー81がABS樹脂製であり、適宜に塗装可能であるため、外観性を向上させ易い。
上述の実施形態では、上部カバー91、第2上部カバー101が、インナーフェンダー71と同一の素材で製造された構成を説明したが、上部カバー91、第2上部カバー101は、インナーフェンダー71の素材とは異なってもよい。
10 車体フレーム
42 リアフェンダー
71 第1フェンダー
71 インナーフェンダー(第1フェンダー)
72C フレーム固定部(第1フェンダー固定部)
72D フレーム固定部(第1フェンダー固定部)
81 アウターフェンダー(第2フェンダー)
83E フェンダー固定片(第2フェンダー固定部)
83F フェンダー固定片(第2フェンダー固定部)
84E フェンダー固定片(第2フェンダー固定部)
84F フェンダー固定片(第2フェンダー固定部)
Claims (6)
- 車体フレーム(10)と、後輪(3)を上方から覆うリアフェンダー(42)とを備える鞍乗り型車両において、
前記リアフェンダー(42)は、前記車体フレーム(10)に固定される第1フェンダー(71)と、前記第1フェンダー(71)を介して前記車体フレーム(10)に固定される第2フェンダー(81)とを備え、
前記第2フェンダー(81)は、前記第1フェンダー(71)の少なくとも一部を外側から覆い、
前記第1フェンダー(71)の素材の可撓性は、前記第2フェンダー(81)の素材の可撓性よりも大きく、
前記第1フェンダー(71)は、ポリプロピレン製であり、
前記第2フェンダー(81)は、ABS樹脂製である
ことを特徴とする鞍乗り型車両。 - 車体フレーム(10)と、前記車体フレーム(10)に支持される前後方向に延びるリアステー(50)と、後輪(3)を上方から覆うリアフェンダー(42)とを備える鞍乗り型車両において、
前記リアフェンダー(42)は、前記車体フレーム(10)に固定される第1フェンダー(71)と、前記第1フェンダー(71)を介して前記車体フレーム(10)に固定される第2フェンダー(81)とを備え、
前記第2フェンダー(81)は、前記第1フェンダー(71)の少なくとも一部を外側から覆い、
前記第1フェンダー(71)の素材の可撓性は、前記第2フェンダー(81)の素材の可撓性よりも大きく、
前記車体フレーム(10)は、シートフレーム(18L、18R)を備え、
前記リアステー(50)は、前記シートフレーム(18L、18R)後方に支持され、
前記第2フェンダー(81)は、前記第1フェンダー(71)および前記リアステー(50)に固定される
ことを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記第2フェンダー(81)は前記第1フェンダー(71)に固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。 - 前記第2フェンダー(81)は、前記第1フェンダー(71)よりも後方に延出する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。 - 前記第2フェンダー(81)の素材は、前記第1フェンダー(71)の素材よりも塗装性が良い
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。 - 前記第1フェンダー(71)を前記車体フレーム(10)に固定する第1フェンダー固定部(72C、72D)と、前記第2フェンダー(81)を前記第1フェンダー(71)に固定する第2フェンダー固定部(83E、83F、84E、84F)とが設けられ、
前記第2フェンダー固定部(83E、83F、84E、84F)は、前記第1フェンダー固定部(72C、72D)よりも車幅方向外側に設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
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