JP7233774B2 - リグニンの精製方法 - Google Patents
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Description
(1)粗抽出したリグニンを精製溶媒に入れ、超音波振動して一次生成物を得るステップと、
(2)一次生成物を遠心処理し、上清液および固体沈殿を取得し、固体沈殿を精製溶媒で洗浄濾過し、濾液と上清液とを混合させて二次生成物を得るステップと、
(3)二次生成物を恒温水中で撹拌処理し、三次生成物を得るステップと、
(4)三次生成物に蒸留水を加え、撹拌した後に濾過膜で濾過し、分画沈殿を得るステップと、
(5)分画沈殿を洗浄して乾燥し、精製後のリグニンを得るステップと、
を含むリグニンの精製方法を提供する。
(1)粗抽出したリグニンを質量濃度が30%~100%の精製溶媒に入れ、20~80℃で10~200min超音波振動し、濃度0.1%~90%の一次生成物を取得するステップであって、
精製溶媒は、有機酸、アルコール系、エーテル系、エステル系、またはジオキサンのうちのいずれか1種を含み、前記粗抽出したリグニンは、有機溶媒を用いて植物繊維原料から抽出したリグニンであり、有機酸系リグニン、アルコール系リグニン、エーテル系リグニン、フェノール系リグニン、エステル系リグニン、またはケトン系リグニンのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されないステップと、
(2)一次生成物を6000~20000r/minの回転数で遠心処理し、上清液および固体沈殿を取得し、固体沈殿を精製溶媒で洗浄濾過し、濾液と上清液とを混合させて二次生成物を取得するステップと、
(3)二次生成物を20~80℃の恒温水中で10~1000s-1の剪断速度で10~300min撹拌処理し、三次生成物を取得するステップと、
(4)固液比1:(1~10)の割合に従って三次生成物に蒸留水を加え、1~10min撹拌した後、分画分子量が1000よりも大きい濾過膜で濾過し、分画沈殿を取得するステップと、
(5)分画沈殿を洗浄して乾燥し、精製後のリグニンを得るステップと、
を含む。
本発明に係る精製方法は簡潔で効率的であり、有機溶媒により抽出したリグニン内のヘミセルロース、各種のイオンおよび不純物を効果的に除去し、高い精製収率を有するとともにリグニンの純度を著しく向上させ、収率が80%以上に達し、灰分が低く、純度が90%以上に達し、操作のステップが簡単であり、コストを節約し、環境汚染が小さく、応用および普及の価値を有する。
(1)酢酸を用いて粗抽出したリグニンを質量濃度が60%の酢酸に入れて溶液に調製し、60℃で100min超音波振動し、リグニンの質量濃度が80%の一次生成物を得た。
(1)エタノールを用いて粗抽出したリグニンを質量濃度が90%のメタノールに入れ、20℃で200min超音波振動し、リグニンの質量濃度が60%の一次生成物を取得した。
(1)高沸点アルコール(1,4-ブチレングリコール)を用いて粗抽出したリグニンを質量濃度が95%のエタノールに入れ、80℃で10min超音波振動し、リグニンの質量濃度が30%の一次生成物を取得した。
(1)アセトンを用いて粗抽出したリグニンを質量濃度が100%のエチルエーテルに入れ、20~80℃で80min超音波振動し、リグニンの質量濃度が90%の一次生成物を取得した。
(1)エチレングリコールを用いて粗抽出したリグニンを質量濃度が100%の酢酸エチルに入れ、60℃で100min超音波振動し、リグニンの質量濃度が80%の一次生成物を取得した。
実施例1と比べ、超音波振動のステップを採用しなかった以外は実施例1の条件と同じである。
実施例2と比べ、恒温水撹拌のステップを採用しなかった以外は実施例2の条件と同じである。
実施例3と比べ、遠心濾過のステップを採用しなかった以外は実施例3の条件と同じである。
実施例1と比べ、酢酸をホルムアルデヒドに置き換えた以外は実施例1の条件と同じである。
実施例4と比べ、濾過膜で濾過しなかった以外は実施例4の条件と同じである。
実施例5と比べ、ステップ(1)で溶液に調製した後、ステップ(3)の恒温水撹拌をステップ(1)の超音波振動の前に変更した以外は実施例5の条件と同じである。
実施例および比較例における精製したリグニンの純度、収率および灰分を検出した。
Claims (21)
- (1)粗抽出したリグニンを精製溶媒に入れ、20~80℃で10~200min超音波振動して一次生成物を得るステップと、
(2)一次生成物を6000~20000r/minの回転数で遠心処理し、上清液および固体沈殿を取得し、固体沈殿を精製溶媒で洗浄濾過し、濾液と上清液とを混合させて二次生成物を得るステップと、
(3)二次生成物を20~80℃の恒温水中で10~1000s-1の剪断速度で10~300min撹拌処理し、三次生成物を得るステップと、
(4)三次生成物に蒸留水を加え、撹拌した後に濾過膜で濾過し、分画沈殿を得るステップと、
(5)分画沈殿を洗浄して乾燥し、精製後のリグニンを得るステップと、
を含む、リグニンの精製方法。 - 前記粗抽出したリグニンは、有機溶媒を用いて植物繊維原料から抽出したリグニンであり、有機酸系リグニン、アルコール系リグニン、エーテル系リグニン、フェノール系リグニン、エステル系リグニン、またはケトン系リグニンを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記粗抽出したリグニンは、エタノールリグニン、有機酸系リグニン、アセトンリグニン、または高沸点アルコールリグニンのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせである、請求項2に記載の方法。
- 前記有機酸系リグニンは酢酸リグニンである、請求項2に記載の方法。
- 前記高沸点アルコールリグニンはエチレングリコールリグニンおよび/または1,4-ブチレングリコールリグニンである、請求項3に記載の方法。
- 前記精製溶媒は有機溶媒であり、有機酸、アルコール系、エーテル系、エステル系、またはジオキサンのうちのいずれか1種を含み、前記有機酸はプロピオン酸、酪酸、ギ酸、または酢酸を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記精製溶媒の質量濃度は30%~100%である、請求項1に記載の方法。
- 前記一次生成物の質量濃度は30%~90%である、請求項1に記載の方法。
- 前記アルコール系は、メタノール、プロパノール、グリセリン、イソブタノール、エタノール、またはn-ブタノールを含む、請求項6に記載の方法。
- 前記エーテル系はエチルエーテルを含む、請求項6に記載の方法。
- 前記エステル系は酢酸エチルまたは酢酸ブチルを含む、請求項6に記載の方法。
- 前記酢酸リグニンは酢酸で精製される、請求項4に記載の方法。
- 前記エタノールリグニンはメタノールで精製される、請求項3に記載の方法。
- 前記アセトンリグニンはエチルエーテルで精製される、請求項3に記載の方法。
- 前記1,4-ブチレングリコールリグニンはエタノールで精製される、請求項5に記載の方法。
- 前記エチレングリコールリグニンは酢酸エチルで精製される、請求項5に記載の方法。
- ステップ(1)に記載の超音波振動の温度は40~60℃であり、
ステップ(1)に記載の超音波振動の時間は50~150minである、請求項1に記載の方法。 - ステップ(2)に記載の遠心の回転数は8000~15000r/minである、請求項1に記載の方法。
- ステップ(3)に記載の恒温水の温度は40~60℃であり、
ステップ(3)に記載の撹拌の時間は50~200minである、請求項1に記載の方法。 - ステップ(4)に記載の三次生成物と蒸留水との固液比は1:(3~7)であり、
ステップ(4)に記載の濾過膜の分画分子量は1000よりも大きい、請求項1に記載の方法。 - (1)粗抽出したリグニンを質量濃度が30%~100%の精製溶媒に入れ、20~80℃で10~200min超音波振動し、濃度が0.1%~90%の一次生成物を取得するステップであって、
精製溶媒は、有機酸、アルコール系、エーテル系、エステル系、またはジオキサンのうちのいずれか1種を含み、前記粗抽出したリグニンは、有機溶媒を用いて植物繊維原料から抽出したリグニンであり、有機酸系リグニン、アルコール系リグニン、エーテル系リグニン、フェノール系リグニン、エステル系リグニン、またはケトン系リグニンのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含むステップと、
(2)一次生成物を6000~20000r/minの回転数で遠心処理し、上清液および固体沈殿を取得し、固体沈殿を精製溶媒で洗浄濾過し、濾液と上清液とを混合させて二次生成物を取得するステップと、
(3)二次生成物を20~80℃の恒温水中で10~1000s-1の剪断速度で10~300min撹拌処理し、三次生成物を取得するステップと、
(4)固液比1:(1~10)の割合に従って三次生成物に蒸留水を加え、1~10min撹拌し、分画分子量が1000よりも大きい濾過膜で濾過し、分画沈殿を取得するステップと、
(5)分画沈殿を洗浄して乾燥し、精製後のリグニンを得るステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
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