JP2005229821A - バイオマスから単糖を製造する方法及び単糖製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 濃硫酸を用いたバイオマスの単糖化において、従来の方法より高い単糖変換率を得ることを目的とする。
【解決手段】 バイオマスから単糖を製造する方法であって、原料であるバイオマスを、10〜40質量%の硫酸中で、60〜95℃の温度で処理する第1処理工程1と、該第1処理工程1で処理した第1処理工程処理物を、固液分離する第1固液分離工程2と、該第1固液分離工程2により分離した固形物を、65〜85質量%の硫酸中で、30〜70℃の温度で処理する第2処理工程7と、該第2処理工程7で処理した第2処理工程処理物を、20〜60質量%の硫酸中で、40〜100℃の温度で処理する第3処理工程8と、該第3処理工程8で処理した第3処理工程処理物を、固液分離する第2固液分離工程9と、前記第2固液分離工程9により分離した濾液(2)を、前記第1処理工程1に導入する濾液(2)導入工程11とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 バイオマスから単糖を製造する方法であって、原料であるバイオマスを、10〜40質量%の硫酸中で、60〜95℃の温度で処理する第1処理工程1と、該第1処理工程1で処理した第1処理工程処理物を、固液分離する第1固液分離工程2と、該第1固液分離工程2により分離した固形物を、65〜85質量%の硫酸中で、30〜70℃の温度で処理する第2処理工程7と、該第2処理工程7で処理した第2処理工程処理物を、20〜60質量%の硫酸中で、40〜100℃の温度で処理する第3処理工程8と、該第3処理工程8で処理した第3処理工程処理物を、固液分離する第2固液分離工程9と、前記第2固液分離工程9により分離した濾液(2)を、前記第1処理工程1に導入する濾液(2)導入工程11とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、バイオマス資源を、エネルギー又は各種化学品製造用原料として有効に活用するためのバイオマス変換技術に関するものであり、特に、硫酸を用いてバイオマスから単糖を製造する方法及び単糖製造装置に関するものである。
従来より、針葉樹、広葉樹の他、間伐材や製材加工廃材又は建築廃材等の木質系バイオマスや、稲わら、サトウキビ絞り粕(バガス)、ビート絞り粕その他各種草本系植物から、エタノール、アミノ酸、有機酸その他各種化成品の製造原料となるグルコース、キシロース、マンノース等の単糖類を製造する技術の研究開発が行われてきた。
そのなかでも、硫酸を用いてバイオマスを加水分解する方法として、米国アーケノール社が提案した「アーケノール法」が知られている(例えば特許文献1参照)。
この「アーケノール法」では、バイオマス原料中のセルロースとヘミセルロースを効率よく単糖化するため、各々を別々に反応させる2段階加水分解方法を採用している。この製造方法の工程図を、図5に示す。「アーケノール法」では、先ず第1段目の脱結晶化(1)及び加水分解反応(1)にあっては、ヘミセルロースの過分解を最小限に抑えることを目的に緩和な条件で処理を行う。次いで、固液分離(1)を行うが、この固液分離(1)後の固形物(フィルターケーキ)には未反応のセルロースが多量に含まれているため、この固形物に対して、多量に残存するセルロースの分解を目的に第2段目の脱結晶化(2)及び加水分解反応(2)を行うものである。これにより、総合的にヘミセルロース及びセルロースからのC5単糖及びC6単糖の収率向上を期しているのが、「アーケノール法」特徴である。
特表平11−506934号公報
この「アーケノール法」では、バイオマス原料中のセルロースとヘミセルロースを効率よく単糖化するため、各々を別々に反応させる2段階加水分解方法を採用している。この製造方法の工程図を、図5に示す。「アーケノール法」では、先ず第1段目の脱結晶化(1)及び加水分解反応(1)にあっては、ヘミセルロースの過分解を最小限に抑えることを目的に緩和な条件で処理を行う。次いで、固液分離(1)を行うが、この固液分離(1)後の固形物(フィルターケーキ)には未反応のセルロースが多量に含まれているため、この固形物に対して、多量に残存するセルロースの分解を目的に第2段目の脱結晶化(2)及び加水分解反応(2)を行うものである。これにより、総合的にヘミセルロース及びセルロースからのC5単糖及びC6単糖の収率向上を期しているのが、「アーケノール法」特徴である。
しかしながら、「アーケノール法」では、原料に含まれるホロセルロースを十分単糖化できず、単糖変換率が低いという問題点がある。
本発明は、この問題を解決し、濃硫酸を用いたバイオマスの単糖化において、従来の方法より高い単糖変換率を得ることを目的としている。
また、本発明は、設備規模とコストの低減した単糖製造装置を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、バイオマスから単糖を製造する方法であって、原料であるバイオマスを、10〜40質量%の硫酸中で、60〜95℃の温度で処理する第1処理工程と、該第1処理工程で処理した第1処理工程処理物を、固液分離する第1固液分離工程と、該第1固液分離工程により分離した固形物を、65〜85質量%の硫酸中で、30〜70℃の温度で処理する第2処理工程と、該第2処理工程で処理した第2処理工程処理物を、20〜60質量%の硫酸中で、40〜100℃の温度で処理する第3処理工程と、該第3処理工程で処理した第3処理工程処理物を、固液分離する第2固液分離工程と、前記第2固液分離工程により分離した濾液(2)を、前記第1処理工程に導入する濾液(2)導入工程とを有することを特徴とする単糖製造方法である。
請求項1にかかる発明は、バイオマスから単糖を製造する方法であって、原料であるバイオマスを、10〜40質量%の硫酸中で、60〜95℃の温度で処理する第1処理工程と、該第1処理工程で処理した第1処理工程処理物を、固液分離する第1固液分離工程と、該第1固液分離工程により分離した固形物を、65〜85質量%の硫酸中で、30〜70℃の温度で処理する第2処理工程と、該第2処理工程で処理した第2処理工程処理物を、20〜60質量%の硫酸中で、40〜100℃の温度で処理する第3処理工程と、該第3処理工程で処理した第3処理工程処理物を、固液分離する第2固液分離工程と、前記第2固液分離工程により分離した濾液(2)を、前記第1処理工程に導入する濾液(2)導入工程とを有することを特徴とする単糖製造方法である。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の単糖製造方法であって、前記第1固液分離工程により分離した濾液(1)を、糖と硫酸に分離する糖・酸分離工程を有することを特徴とする単糖製造方法である。
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の単糖製造方法であって、前記糖・酸分離工程により分離した糖化液を、0.5〜5質量%の硫酸中で、110〜150℃の温度で処理する第4処理工程を有することを特徴とする単糖製造方法である。
請求項4にかかる発明は、前記糖・酸分離工程における糖と硫酸の分離に、擬似移動層クロマト分離装置を使用することを特徴とする請求項2又は3に記載の単糖製造方法である。
請求項5にかかる発明は前記糖・酸分離工程で分離した硫酸の低濃度成分を、前記第3処理工程に導入し、前記硫酸の高濃度成分を、硫酸回収・濃縮工程に導入することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の単糖製造方法である。
請求項6にかかる発明は、前記第2処理工程が、前記第1固液分離工程により分離した前記固形物に、前記硫酸を噴霧・混合し、混練する工程を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の単糖製造方法である。
請求項7にかかる発明は、前記第1固液分離工程により分離した前記固形物を洗浄した洗浄濾液(1)と、前記第2固液分離工程により分離したリグニンからなる固形物を洗浄した洗浄濾液(2)とを、前記第3処理工程に使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の単糖製造方法である。
請求項8にかかる発明は、前記バイオマスが、セルロース系バイオマスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の単糖製造方法である。
請求項9にかかる発明は、原料であるバイオマスに10〜40質量%の硫酸を添加し、これらを60〜95℃の温度で処理して第1処理工程処理物とし、この第1処理工程処理物を、第1固液分離工程により固液分離した固形物に、65〜85質量%の硫酸を噴霧し、該硫酸と前記固形物とを回転して混合して硫酸噴霧・混合物とする硫酸噴霧混合装置と、この硫酸噴霧混合装置からの硫酸噴霧・混合物に、せん断力を与えて混練して混練物とする連続混練装置と、この連続混練装置からの混練物たる第2処理工程処理物に、水又は低濃度硫酸を添加して前記硫酸濃度を20〜60質量%まで希釈し、これを40〜100℃の温度で処理する加水分解反応装置を備え、前記硫酸噴霧混合装置から連続的に前記加水分解反応装置まで、順次中間物を送給するようにしたことを特徴とする単糖製造装置である。
本発明の単糖製造方法によれば、10〜40質量%の硫酸で、ヘミセルロースを糖化することで、単糖の過分解を防ぎ、単糖変換率を向上させると共に、セルロースを主成分とする固形分を糖化する第3処理工程により得られた固液分離後の濾液(2)を、ヘミセルロースの糖化である第1処理工程に使用することで、硫酸の使用量の低減と濾液(1)中の単糖濃度の高濃度化を図ることができる。
また、本発明の単糖製造装置によれば、硫酸噴霧混合装置から連続的に加水分解反応装置まで、順次中間物を送給できるようにしたことにより、設備規模とコストを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る単糖製造方法の例を図面に示し、詳細に説明する。
〈第1の実施形態〉
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る単糖製造方法の工程図を示すものである。本発明の単糖製造方法は、原料であるバイオマスを加水分解反応により、単糖を生成するための糖化処理をする第1処理工程1と、第1固液分離工程2と、第1固液分離工程2により分離した固形物の第2処理工程7と、第3処理工程8と、第2固液分離工程9と、濾液(2)導入工程11とから構成されている。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る単糖製造方法の工程図を示すものである。本発明の単糖製造方法は、原料であるバイオマスを加水分解反応により、単糖を生成するための糖化処理をする第1処理工程1と、第1固液分離工程2と、第1固液分離工程2により分離した固形物の第2処理工程7と、第3処理工程8と、第2固液分離工程9と、濾液(2)導入工程11とから構成されている。
原料となるバイオマスとしては、紙、木材、建材、草、わら、天然繊維、食品等が用いられる。また、古紙、廃木材、廃建材、残飯等の産業廃棄物として排出されたものも使用することができる。そのなかでも、セルロース系バイオマスであることが好ましい。このようなセルロース系バイオマスとしては、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを主成分とするバイオマスを挙げることができる。
このバイオマスは、切断、粉砕されて適当な大きさの粉末又はチップ状とされ、必要に応じて異物を除去したものが好ましい。そのなかでも、後述する混練操作を容易にするため、厚さ10mm以下の棒状や板状のものが、より好ましい。
このバイオマスは、切断、粉砕されて適当な大きさの粉末又はチップ状とされ、必要に応じて異物を除去したものが好ましい。そのなかでも、後述する混練操作を容易にするため、厚さ10mm以下の棒状や板状のものが、より好ましい。
[第1処理工程]
第1処理工程1では、原料であるバイオマスに10〜40質量%、好ましくは20〜30質量%の硫酸を添加し、これらを60〜95℃、好ましくは80〜90℃の温度に加熱して加水分解反応による糖化処理を行う。第1処理工程1の処理時間は、10〜120分とするのが好ましく、30〜60分とするのがより好ましい。
この糖化処理により、バイオマス中のヘミセルロースの大部分はキシロース、マンノース、グルコース等の糖に転化し、糖と、未反応のセルロースと、硫酸を含んだ第1処理工程処理物(スラリー)が得られる。
第1処理工程1では、原料であるバイオマスに10〜40質量%、好ましくは20〜30質量%の硫酸を添加し、これらを60〜95℃、好ましくは80〜90℃の温度に加熱して加水分解反応による糖化処理を行う。第1処理工程1の処理時間は、10〜120分とするのが好ましく、30〜60分とするのがより好ましい。
この糖化処理により、バイオマス中のヘミセルロースの大部分はキシロース、マンノース、グルコース等の糖に転化し、糖と、未反応のセルロースと、硫酸を含んだ第1処理工程処理物(スラリー)が得られる。
このとき、硫酸濃度を10〜40質量%とするのは、バイオマス中のヘミセルロースをほぼ完全に加水分解反応するためであり、かつ生成したオリゴ糖類及びキシロース等の単糖の過分解を抑制するためである。これにより、ヘミセルロースからの単糖変換率を向上させることができる。
また、処理温度を60〜95℃とするのは、60℃未満では単糖への変換率が低く、未反応の可溶性オリゴ糖類が残ってしまうからである。また、温度が95℃を超えると、生成したオリゴ糖類及び単糖の過分解が促進され、単糖変換率が低下するからである。
また、処理温度を60〜95℃とするのは、60℃未満では単糖への変換率が低く、未反応の可溶性オリゴ糖類が残ってしまうからである。また、温度が95℃を超えると、生成したオリゴ糖類及び単糖の過分解が促進され、単糖変換率が低下するからである。
また、第2バッチ以降の第1処理工程1では、10〜40質量%濃度の硫酸に代えて又はこの硫酸と共に、後述する濾液(2)導入工程11により、濾液(2)をバイオマスに添加する。第2固液分離工程9により分離した濾液(2)を再利用することにより、プロセス全体での硫酸の使用量を低減し、硫酸回収・濃縮に要するエネルギーを低減すると共に、最終的な糖液を高濃度に保持し、単糖変換率を向上させることができる。
[第1固液分離工程]
第1処理工程処理物は、第1固液分離工程2で濾過され、濾液(1)と未反応のセルロースを多量に含む固形物とに分離される。
第1処理工程処理物は、第1固液分離工程2で濾過され、濾液(1)と未反応のセルロースを多量に含む固形物とに分離される。
この固形物には、残渣の糖と硫酸が付着しているため、これら糖と硫酸の回収率向上の観点から、固形物の洗浄を行う。洗浄には、50〜90℃の温水を用いる。固形物を洗浄した洗浄濾液(1)は、一旦別の容器に溜められる。次いで、この容器に溜めた洗浄濾液(1)を用いて再度固形物の洗浄を行う。このような洗浄方法を「カウンターフロー式」と呼ぶが、これを3〜5回程行い、最後にこの洗浄濾液(1)を、第3処理工程8に使用する。
この洗浄濾液(1)は、糖、硫酸共に低濃度である。したがって、これを第1固液分離工程により分離した濾液(1)に混ぜると、この濾液(1)が希釈され、糖・酸分離工程3後の糖化液と硫酸の濃度も薄くなり、単糖及び硫酸濃縮に余分なエネルギーを必要とする不都合が生じる。
しかし、この洗浄濾液(1)を第3処理工程8に使用するならば、糖の若干の過分解はあるものの、洗浄濾液(1)中の糖と硫酸をプロセスで無駄なく有効に活用でき、糖と硫酸の回収率を向上させることができる。
しかし、この洗浄濾液(1)を第3処理工程8に使用するならば、糖の若干の過分解はあるものの、洗浄濾液(1)中の糖と硫酸をプロセスで無駄なく有効に活用でき、糖と硫酸の回収率を向上させることができる。
[第2処理工程]
第1固液分離工程2により分離した固形物は、上述の洗浄後、乾燥され、第2処理工程7に供される。第2処理工程7では、この固形物を65〜85質量%、好ましくは70〜75質量%の硫酸中で、30〜70℃、好ましくは40〜55℃の温度にて、この固形物中のホロセルロース(セルロース及びヘミセルロースの総称)、特に多量に残存する未反応のセルロースの分子間結合を解離して、非晶質・可溶化の処理を行う。この第2処理工程7により、次の第3処理工程8でのセルロース又はヘミセルロースの加水分解反応による糖化処理が容易に進行するようになる。
第1固液分離工程2により分離した固形物は、上述の洗浄後、乾燥され、第2処理工程7に供される。第2処理工程7では、この固形物を65〜85質量%、好ましくは70〜75質量%の硫酸中で、30〜70℃、好ましくは40〜55℃の温度にて、この固形物中のホロセルロース(セルロース及びヘミセルロースの総称)、特に多量に残存する未反応のセルロースの分子間結合を解離して、非晶質・可溶化の処理を行う。この第2処理工程7により、次の第3処理工程8でのセルロース又はヘミセルロースの加水分解反応による糖化処理が容易に進行するようになる。
このとき、硫酸の濃度を65〜85質量%とするのは、硫酸の濃度が65質量%未満であるとセルロースの非晶質・可溶化率が下がってしまい、一方、85質量%を超えると可溶化したオリゴ糖類及び単糖の過分解が促進される問題を生じるからである。
また、処理温度を30〜70℃とするのは、非晶質・可溶化反応は発熱を伴い、処理温度が80〜90℃を超えると、温度が急激に上昇する「暴走反応」が生じ、単糖への変換率低下を招くからである。また、第2処理工程7の処理時間は、0.5〜30分とするのが好ましい。
また、処理温度を30〜70℃とするのは、非晶質・可溶化反応は発熱を伴い、処理温度が80〜90℃を超えると、温度が急激に上昇する「暴走反応」が生じ、単糖への変換率低下を招くからである。また、第2処理工程7の処理時間は、0.5〜30分とするのが好ましい。
この第2処理工程7では、固形物中のバイオマス質量(絶対乾燥量)に対しての硫酸量(100%換算)として、硫酸/固形物中のバイオマス質量(絶対乾燥量)混合比を0.3〜5.0とするのが好ましい。硫酸/固形物中のバイオマス質量(絶対乾燥量)混合比を0.3〜5.0とすることにより、従来の「アーケノール法」に比べて、少量の硫酸でホロセルロースを非晶質・可溶化することができる。
[第3処理工程]
高粘度の反応物である第2処理工程処理物は、第3処理工程8に送られる。この第3処理工程8では、水又は硫酸を第2処理工程処理物に加えて、硫酸濃度を20〜60質量%、好ましくは20〜40質量%まで希釈し、これを40〜100℃、好ましくは80〜100℃の温度で加水分解反応による糖化処理を行う。
水又は硫酸を加えて硫酸濃度を希釈すると、発熱反応により溶液の温度が上昇するため、投入エネルギーを低減することができる。この第3処理工程8の処理時間は、10〜60分とするのが好ましい。この糖化処理により、セルロース又はヘミセルロースはグルコース、キシロース等の糖に転化し、糖と硫酸を含んだ第3処理工程処理物(スラリー)が得られる。
高粘度の反応物である第2処理工程処理物は、第3処理工程8に送られる。この第3処理工程8では、水又は硫酸を第2処理工程処理物に加えて、硫酸濃度を20〜60質量%、好ましくは20〜40質量%まで希釈し、これを40〜100℃、好ましくは80〜100℃の温度で加水分解反応による糖化処理を行う。
水又は硫酸を加えて硫酸濃度を希釈すると、発熱反応により溶液の温度が上昇するため、投入エネルギーを低減することができる。この第3処理工程8の処理時間は、10〜60分とするのが好ましい。この糖化処理により、セルロース又はヘミセルロースはグルコース、キシロース等の糖に転化し、糖と硫酸を含んだ第3処理工程処理物(スラリー)が得られる。
このとき、硫酸濃度を20〜60質量%とするのは、硫酸の濃度が60質量%を超えると生成したオリゴ糖類及び単糖の過分解が促進され、単糖変換率が低下するからである。また、処理温度を40〜100℃とするのは、温度が100℃を超えると、生成したオリゴ糖類及び単糖の過分解が同様に促進され、単糖変換率が低下するからである。
さらに、この後の第2固液分離工程9により分離した濾液(2)は、上述したように濾液(2)導入工程11により第1処理工程1に再利用されるため、この第3処理工程8での硫酸濃度を20〜60質量%とすることにより、第1処理工程1での硫酸の濃度調整を容易とすることができる。
[第2固液分離工程]
第3処理工程処理物(スラリー)は、第2固液分離工程9に送られる。この第2固液分離工程9では、第3処理工程処理物を固液分離(濾過)し、濾液(2)とリグニンからなる固形物(フィルターケーキ)に分離する。この濾液(2)は、濾液(2)導入工程11により第1処理工程1に送られる。
また、この固形物(フィルターケーキ)には、残渣の糖と硫酸が付着しているため、これら糖と硫酸の回収率向上と固形物であるリグニンのボイラー燃料として利用の観点から、固形物の洗浄を行う。洗浄には、50〜90℃の温水を用い、上述の「カウンターフロー式」と同様に行う。最後にこの洗浄濾液(2)を、上述したように第3処理工程8での硫酸濃度を希釈するための水として利用する。
第3処理工程処理物(スラリー)は、第2固液分離工程9に送られる。この第2固液分離工程9では、第3処理工程処理物を固液分離(濾過)し、濾液(2)とリグニンからなる固形物(フィルターケーキ)に分離する。この濾液(2)は、濾液(2)導入工程11により第1処理工程1に送られる。
また、この固形物(フィルターケーキ)には、残渣の糖と硫酸が付着しているため、これら糖と硫酸の回収率向上と固形物であるリグニンのボイラー燃料として利用の観点から、固形物の洗浄を行う。洗浄には、50〜90℃の温水を用い、上述の「カウンターフロー式」と同様に行う。最後にこの洗浄濾液(2)を、上述したように第3処理工程8での硫酸濃度を希釈するための水として利用する。
この洗浄濾液(2)も洗浄濾液(1)と同様に、糖、硫酸共に低濃度である。したがって、これを第1固液分離工程2により分離した濾液(1)に混ぜると、この濾液(1)が希釈され、糖・酸分離工程3後の糖化液と硫酸の濃度も薄くなり、単糖及び硫酸濃縮に余分なエネルギーを必要とする不都合が生じる。
しかし、この洗浄濾液(2)を第3処理工程8に使用するならば、糖の若干の過分解はあるものの、洗浄濾液(2)中の糖と硫酸をプロセスで無駄なく有効に活用でき、糖と硫酸の回収率を向上させることができる。
しかし、この洗浄濾液(2)を第3処理工程8に使用するならば、糖の若干の過分解はあるものの、洗浄濾液(2)中の糖と硫酸をプロセスで無駄なく有効に活用でき、糖と硫酸の回収率を向上させることができる。
[濾液(2)導入工程]
濾液(2)導入工程11では、第2固液分離工程9により分離した濾液(2)を、第1処理工程1に導入する。第2バッチ以降、この濾液(2)は、当該バッチ以前のバッチ処理における第2処理工程7及び第3処理工程8によりセルロースから得られた単糖を含んだ硫酸である。これを第1処理工程1で再利用すると、新たなバイオマス原料からの糖成分もさらに含むことになる。
この濾液(2)を第1処理工程1で再利用することにより、原料バイオマス中のセルロースとヘミセルロースの両方に由来する単糖を最終糖液として得られる。これにより、プロセス全体での硫酸の使用量を低減し、硫酸回収・濃縮に要するエネルギーを低減すると共に、最終的な糖液を高濃度に保持し、単糖変換率を向上させることができる。
濾液(2)導入工程11では、第2固液分離工程9により分離した濾液(2)を、第1処理工程1に導入する。第2バッチ以降、この濾液(2)は、当該バッチ以前のバッチ処理における第2処理工程7及び第3処理工程8によりセルロースから得られた単糖を含んだ硫酸である。これを第1処理工程1で再利用すると、新たなバイオマス原料からの糖成分もさらに含むことになる。
この濾液(2)を第1処理工程1で再利用することにより、原料バイオマス中のセルロースとヘミセルロースの両方に由来する単糖を最終糖液として得られる。これにより、プロセス全体での硫酸の使用量を低減し、硫酸回収・濃縮に要するエネルギーを低減すると共に、最終的な糖液を高濃度に保持し、単糖変換率を向上させることができる。
本発明の単糖製造方法をバッチ処理で説明すると、第1バッチで製造を終了するのではなく、第2バッチ以降まで繰り返すことで、濾液(1)中の単糖濃度の高濃度化を図ることができる。これは、第1処理工程1では、原料に含まれるヘミセルロースを単糖化し、第2処理工程7及び第3処理工程8で、セルロースを単糖化することに起因する。
第1バッチでは、第1処理工程1において未使用の低濃度硫酸を導入し、原料であるバイオマス中のヘミセルロースを単糖化したものが最終糖液となるため、濾液(1)中の糖濃度は低い。
それに対し、第2バッチ以降では、当該バッチ以前のバッチ処理における第2処理工程7及び第3処理工程8によりセルロースから得られた単糖を含んだ硫酸が、濾液(2)導入工程11によって第1処理工程1にリサイクルされ、第1処理工程1で再使用されるため、原料バイオマス中のセルロースとヘミセルロースの両方に由来する単糖が、最終糖液となり、濾液(1)中の単糖濃度を高くすることができる。
それに対し、第2バッチ以降では、当該バッチ以前のバッチ処理における第2処理工程7及び第3処理工程8によりセルロースから得られた単糖を含んだ硫酸が、濾液(2)導入工程11によって第1処理工程1にリサイクルされ、第1処理工程1で再使用されるため、原料バイオマス中のセルロースとヘミセルロースの両方に由来する単糖が、最終糖液となり、濾液(1)中の単糖濃度を高くすることができる。
〈第2の実施形態〉
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る単糖製造方法の工程図を示すものである。本実施形態は、第1の実施形態に濾液(1)の糖・酸分離工程3と硫酸回収・濃縮工程10を加えたものである。第1の実施形態と異なる部分を説明し、それ以外は第1の実施形態と同様であるから、その説明は省略する。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る単糖製造方法の工程図を示すものである。本実施形態は、第1の実施形態に濾液(1)の糖・酸分離工程3と硫酸回収・濃縮工程10を加えたものである。第1の実施形態と異なる部分を説明し、それ以外は第1の実施形態と同様であるから、その説明は省略する。
[糖・酸分離工程]
第2バッチ以降、濾液(2)導入工程11により、第1処理工程1に導入した濾液(2)で処理した第1処理工程処理物にあっては、その糖濃度は、第1バッチの濾液(2)の糖濃度よりも高くなっている。この第1処理工程処理物から第1固液分離工程2により分離した濾液(1)は、糖・酸分離工程3に送られ、糖と酸に分離される。この糖・酸分離には、一般的なクロマト分離装置、イオン交換膜分離装置等を用いることができる。そのなかでも、擬似移動層クロマト分離装置を用いるのが好ましい。
第2バッチ以降、濾液(2)導入工程11により、第1処理工程1に導入した濾液(2)で処理した第1処理工程処理物にあっては、その糖濃度は、第1バッチの濾液(2)の糖濃度よりも高くなっている。この第1処理工程処理物から第1固液分離工程2により分離した濾液(1)は、糖・酸分離工程3に送られ、糖と酸に分離される。この糖・酸分離には、一般的なクロマト分離装置、イオン交換膜分離装置等を用いることができる。そのなかでも、擬似移動層クロマト分離装置を用いるのが好ましい。
この擬似移動層クロマト分離装置とは、特願2003−279997号に記載したように、陰イオン交換樹脂等の充填材を充填した複数のカラムC1,C2・・・C8を、直列に、かつ閉回路として管路で接続したものである。この擬似移動層クロマト分離装置の初段のカラムC1に濾液を注入して、移動速度の速い糖を主体とする流出液(以下、「ラフィネート」という。)を2段目のカラムC2から導出し、移動速度の遅い硫酸を主体とする流出液(以下、「エクストラクト」という。)を溶離水の注入によって6段目のカラムC6から導出するもので、この移動速度の差によってラフィネート(主成分は糖化液)とエクストラクト(主成分は硫酸)とに分離するものである。
[硫酸回収・濃縮工程]
硫酸を主体とする流出液(エクストラクト)は、硫酸回収・濃縮工程10に送られる。この硫酸回収・濃縮には、蒸発缶やエネルギー節約のために多重効用缶を用いることができる。これらにより、70〜80質量%程度に濃縮された高濃度硫酸は、第2処理工程7で使用する65〜85質量%の硫酸として利用することができる。
硫酸を主体とする流出液(エクストラクト)は、硫酸回収・濃縮工程10に送られる。この硫酸回収・濃縮には、蒸発缶やエネルギー節約のために多重効用缶を用いることができる。これらにより、70〜80質量%程度に濃縮された高濃度硫酸は、第2処理工程7で使用する65〜85質量%の硫酸として利用することができる。
〈第3の実施形態〉
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る単糖製造方法の工程図を示すものである。本実施形態は、第2の実施形態に第4処理工程4を加えており、さらに糖・酸分離工程3を改良したものである。第2の実施形態と異なる部分を説明し、それ以外は第2の実施形態と同様であるから、その説明は省略する。
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る単糖製造方法の工程図を示すものである。本実施形態は、第2の実施形態に第4処理工程4を加えており、さらに糖・酸分離工程3を改良したものである。第2の実施形態と異なる部分を説明し、それ以外は第2の実施形態と同様であるから、その説明は省略する。
[第4処理工程]
この第4処理工程4では、糖・酸分離工程3後の糖を主体とする流出液(ラフィネート(糖化液))に残存する未反応のオリゴ糖類を単糖に変換するための単糖化処理を行う。糖・酸分離工程3後の糖化液(ラフィネート)には、糖の他に極僅かの硫酸が含まれている。この糖化液(ラフィネート)をそのままの硫酸濃度で、あるいは濃度調整した後、加熱し、加水分解反応により単糖化処理する。この時の硫酸濃度は、0.5〜5質量%、好ましくは1〜3質量%で、温度は110〜150℃、好ましくは120〜135℃である。また、処理時間は、30〜90分とするのが好ましい。
この第4処理工程4は、従来の「アーケノール法」にはない工程である。この単糖化処理を行うことにより、糖化液(ラフィネート)中に残存する未反応オリゴ糖類が再度加水分解反応するため、最終単糖変換率をさらに向上させることができる。
この第4処理工程4では、糖・酸分離工程3後の糖を主体とする流出液(ラフィネート(糖化液))に残存する未反応のオリゴ糖類を単糖に変換するための単糖化処理を行う。糖・酸分離工程3後の糖化液(ラフィネート)には、糖の他に極僅かの硫酸が含まれている。この糖化液(ラフィネート)をそのままの硫酸濃度で、あるいは濃度調整した後、加熱し、加水分解反応により単糖化処理する。この時の硫酸濃度は、0.5〜5質量%、好ましくは1〜3質量%で、温度は110〜150℃、好ましくは120〜135℃である。また、処理時間は、30〜90分とするのが好ましい。
この第4処理工程4は、従来の「アーケノール法」にはない工程である。この単糖化処理を行うことにより、糖化液(ラフィネート)中に残存する未反応オリゴ糖類が再度加水分解反応するため、最終単糖変換率をさらに向上させることができる。
[改良した糖・酸分離工程]
糖・酸分離工程3後の硫酸を主体とする流出液(エクストラクト)は、さらに高濃度硫酸分画(ハイ・エクストラクト)成分と低濃度硫酸分画(ロー・エクストラクト)成分とに分けられる。本実施形態では、分離した硫酸の低濃度成分(ロー・エクストラクト)は、第3処理工程8に導入される。硫酸の低濃度成分(ロー・エクストラクト)を第3処理工程8に利用することにより、硫酸濃縮にかかるエネルギーを大きく低減することができる。
一方、分離した硫酸の高濃度成分(ハイ・エクストラクト)は、硫酸回収・濃縮工程10に供せられる。
糖・酸分離工程3後の硫酸を主体とする流出液(エクストラクト)は、さらに高濃度硫酸分画(ハイ・エクストラクト)成分と低濃度硫酸分画(ロー・エクストラクト)成分とに分けられる。本実施形態では、分離した硫酸の低濃度成分(ロー・エクストラクト)は、第3処理工程8に導入される。硫酸の低濃度成分(ロー・エクストラクト)を第3処理工程8に利用することにより、硫酸濃縮にかかるエネルギーを大きく低減することができる。
一方、分離した硫酸の高濃度成分(ハイ・エクストラクト)は、硫酸回収・濃縮工程10に供せられる。
硫酸の低濃度成分(ロー・エクストラクト)を第3処理工程8に導入し、また、硫酸の高濃度成分(ハイ・エクストラクト)を硫酸回収・濃縮工程10に導入することにより、硫酸の回収エネルギーをさらに低減することができる。
第2の実施形態では、この第3処理工程8に硫酸を添加することは考慮していないため、第2処理工程7と第3処理工程8での硫酸/固形物中のバイオマス質量(絶対乾燥量)混合比については、どちらも同じ質量混合比であることが、糖回収の点から好ましい。
しかしながら、本実施形態では、第3処理工程8で硫酸を添加できるため、先の第2処理工程7における硫酸/固形物中のバイオマス質量(絶対乾燥量)混合比が低くても、この第3処理工程8でその値が高くなるよう調節することができ、最終的な糖回収率を第2の実施形態と同程度にすることができる。
そして、第2処理工程7に投入する硫酸量を低くすることで、硫酸回収のエネルギーを低減することができる。
しかしながら、本実施形態では、第3処理工程8で硫酸を添加できるため、先の第2処理工程7における硫酸/固形物中のバイオマス質量(絶対乾燥量)混合比が低くても、この第3処理工程8でその値が高くなるよう調節することができ、最終的な糖回収率を第2の実施形態と同程度にすることができる。
そして、第2処理工程7に投入する硫酸量を低くすることで、硫酸回収のエネルギーを低減することができる。
さらに、第3処理工程8で硫酸を添加できるため、加水分解反応後の第3処理工程処理物(スラリー)の粘度が高くなり過ぎるのを防いで、次工程以降のハンドリングを容易にし、特に第2固液分離工程9で濾過する際に、濾液(2)が取れないのを避けることができる。
本発明においては、第2処理工程7と第3処理工程8をバッチ処理で行うことができる他に、この第2処理工程7を、固形物に硫酸を噴霧・混合する工程5と、この硫酸噴霧・混合物を混練する工程6から構成することができる。そして、この噴霧・混合工程5と、混練工程6と、第3処理工程8を連続させて、硫酸噴霧混合装置から加水分解反応装置まで、順次中間物を送給するようにし、糖を連続的に製造することができる。
図4には、噴霧・混合と、混練と、加水分解反応を連続させた単糖製造装置の概略図を示す。
図4には、噴霧・混合と、混練と、加水分解反応を連続させた単糖製造装置の概略図を示す。
この単糖製造装置は、硫酸噴霧混合装置200と、連続混練装置300と、加水分解反応装置400から構成されている。そして、硫酸噴霧混合装置200から連続的に加水分解反応装置400まで、順次中間物が送給されるように構成されている。
原料であるバイオマスを第1処理工程1に供して第1処理工程処理物とし、これを第1固液分離工程2により固液分離した固形物は、乾燥した後、図4に示した単糖製造装置によれば、まずスクリューフィーダー、テーブルフィーダー等の原料(固形物)定量供給装置100により硫酸噴霧装置(固形物/硫酸混合装置)200へと送られる。
この硫酸噴霧混合装置200は、高濃度硫酸を噴霧するためのスプレー又はシャワーの他に、硫酸と固形物を混合するための回転羽根を備えているのが望ましい。この硫酸噴霧混合装置200内で、固形物は、高濃度硫酸を均一に噴霧されると共に、比較的高速で回転する羽根によって回転されて混ぜ合わされ、硫酸噴霧・混合物になる。この時の硫酸の濃度は、第2処理工程7と同様の65〜85質量%、好ましくは70〜75質量%である。
次いで、この硫酸噴霧・混合物は、ニーダ等の連続混練装置300に送られる。この連続混練装置300は、硫酸を均一に噴霧した固形物中の微細組織に硫酸を充分浸透させ、固形物中の残存する結晶セルロースの非晶質化反応及び可溶化反応を促進させることを目的とするものである。したがって、この連続混練装置300は、硫酸噴霧・混合物にせん断応力を与える機構を有しているものが望ましい。
この硫酸噴霧・混合物を、第2処理工程7と同様の温度30〜70℃、好ましくは40〜55℃に加熱し、せん断力を与えて0.5〜30分混練して、混練物とする。
この硫酸噴霧・混合物を、第2処理工程7と同様の温度30〜70℃、好ましくは40〜55℃に加熱し、せん断力を与えて0.5〜30分混練して、混練物とする。
そして、混練して粘着性のゲル状になった混練物は、加水分解反応用の水又は硫酸を加えて、押出し流れ型(Plug flow)又は完全混合型(CSTR)の加水分解反応装置400に送られる。この加水分解反応装置400にあっては、少量の硫酸水溶液でも混練物(第2処理工程処理物)が均一に温水に溶解し、加水分解反応を促進させる条件を保持できる機能を有しているものが望ましい。
この加水分解反応の条件は、硫酸濃度を20〜60質量%、好ましくは20〜40質量%、40〜100℃、好ましくは80〜100℃の温度とし、加水分解反応時間を10〜60分とする。
この加水分解反応の条件は、硫酸濃度を20〜60質量%、好ましくは20〜40質量%、40〜100℃、好ましくは80〜100℃の温度とし、加水分解反応時間を10〜60分とする。
さらに、各装置で生成した中間物は、硫酸噴霧混合装置200から連続的に加水分解反応装置400まで、順次に後続の装置へと送給される。順次に中間物を送給できるようにしたことにより、本発明の単糖製造装置にあっては、設備規模とコストを低減することができる。
本発明では、第1処理工程1をヘミセルロースの加水分解反応条件に、第2処理工程7とその後の第3処理工程8をセルロースの可溶化と加水分解反応条件に、各々着目した反応条件に設定することにより、セルロースとヘミセルロースからの糖への転化を各々最適な反応条件とすることができるため、最終的な単糖変換率を向上させることができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。
[実施例1]
〈第1バッチ処理〉
(第1処理工程)
反応器容積10Lの混合攪拌器(ダルトン製)に、含水率6.7質量%、0.634kgのホロセルロースが含まれている杉(針葉樹)チップ(原料−1)1.0kgと30質量%の硫酸3.0kgを投入し、混合しながら85℃まで昇温後、60分間温度を一定に保持して、第1処理工程である加水分解反応による糖化処理を行った。
〈第1バッチ処理〉
(第1処理工程)
反応器容積10Lの混合攪拌器(ダルトン製)に、含水率6.7質量%、0.634kgのホロセルロースが含まれている杉(針葉樹)チップ(原料−1)1.0kgと30質量%の硫酸3.0kgを投入し、混合しながら85℃まで昇温後、60分間温度を一定に保持して、第1処理工程である加水分解反応による糖化処理を行った。
(第1固液分離工程)
その後、これを40℃まで降温した。糖化処理終了後、容器中の第1処理工程処理物全量を真空ポンプで吸引濾過し、未反応のセルロース成分及びリグニンからなる固形物(フィルターケーキ)と濾液(1)とに、第1固液分離工程により固液分離した。
その後、これを40℃まで降温した。糖化処理終了後、容器中の第1処理工程処理物全量を真空ポンプで吸引濾過し、未反応のセルロース成分及びリグニンからなる固形物(フィルターケーキ)と濾液(1)とに、第1固液分離工程により固液分離した。
得られた第1バッチ処理後の濾液(1)中の単糖濃度(質量%)を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)装置(島津製作所製)を用いて測定した。その値と全液量から、
単糖量(g)=全液量(質量)×単糖濃度(質量%)
の式により、濾液(1)中の単糖量を算出した。その結果、第1バッチ処理後の濾液(1)中のグルコース、キシロース、マンノース等の単糖類(以下、「単糖」という。)の単糖量は、0.127kg(1回目のヘミセルロース加水分解後)(生成単糖−1)であった。
単糖量(g)=全液量(質量)×単糖濃度(質量%)
の式により、濾液(1)中の単糖量を算出した。その結果、第1バッチ処理後の濾液(1)中のグルコース、キシロース、マンノース等の単糖類(以下、「単糖」という。)の単糖量は、0.127kg(1回目のヘミセルロース加水分解後)(生成単糖−1)であった。
第1固液分離工程により分離した固形物(フィルターケーキ)を、先と同様の方法で真空ポンプで吸引しながら濾過し、約30kgの温水を用いて、洗浄濾液(1)中の残存硫酸が検出限界以下の濃度になるまで、洗浄濾過(1)を行った。
次いで、残渣(残存未反応セルロース及びリグニンの混合物)を約70℃で一昼夜真空乾燥した。その際、残渣の水分含有率は1.5質量%、全質量は0.774kgであった。
次いで、残渣(残存未反応セルロース及びリグニンの混合物)を約70℃で一昼夜真空乾燥した。その際、残渣の水分含有率は1.5質量%、全質量は0.774kgであった。
(第2処理工程)
この乾燥残渣と72質量%の硫酸1.25kgを、あらかじめ50℃に保持した反応器容積10Lの上記混合攪拌器に投入し、60分間混練し、第2処理工程である非晶質・可溶化反応を行った。60分後のこの混練物(第2処理工程処理物)の温度は、約58℃であった。
この乾燥残渣と72質量%の硫酸1.25kgを、あらかじめ50℃に保持した反応器容積10Lの上記混合攪拌器に投入し、60分間混練し、第2処理工程である非晶質・可溶化反応を行った。60分後のこの混練物(第2処理工程処理物)の温度は、約58℃であった。
(第3処理工程)
さらに、この混練物に硫酸濃度が30質量%になるまで温水を注入し、95℃まで昇温したのち、1時間にわたり温度を一定に保持して、第3処理工程である加水分解反応による糖化処理を行った。
さらに、この混練物に硫酸濃度が30質量%になるまで温水を注入し、95℃まで昇温したのち、1時間にわたり温度を一定に保持して、第3処理工程である加水分解反応による糖化処理を行った。
(第2固液分離工程)
次いで、第3処理工程処理物を、第2固液分離工程により固液分離した。まず、糖化処理終了後、容器中の第3処理工程処理物を約50℃まで冷却した後、真空ポンプで吸引濾過し、固形物(フィルターケーキ)と濾液(2)に分離した。
得られた第1バッチ処理後の濾液(2)中の単糖濃度(質量%)を上記高速液体クロマトグラフィー(HPLC)装置により測定し、単糖量を算出した。濾液(2)中の単糖量は、0.323kg(1回目のセルロース加水分解後)(生成単糖−2)であった。
さらに、固形物(フィルターケーキ)中に含まれる液体分を、少量の温水で洗浄濾過(2)し、洗浄濾液(2)を得た。
次いで、第3処理工程処理物を、第2固液分離工程により固液分離した。まず、糖化処理終了後、容器中の第3処理工程処理物を約50℃まで冷却した後、真空ポンプで吸引濾過し、固形物(フィルターケーキ)と濾液(2)に分離した。
得られた第1バッチ処理後の濾液(2)中の単糖濃度(質量%)を上記高速液体クロマトグラフィー(HPLC)装置により測定し、単糖量を算出した。濾液(2)中の単糖量は、0.323kg(1回目のセルロース加水分解後)(生成単糖−2)であった。
さらに、固形物(フィルターケーキ)中に含まれる液体分を、少量の温水で洗浄濾過(2)し、洗浄濾液(2)を得た。
〈第2バッチ処理〉
(濾液(2)導入工程〜第1処理工程〜第1固液分離工程)
新たに、含水率6.7質量%、0.634kgのホロセルロースが含まれている杉チップ(原料−2)に、第1バッチ処理後の濾液(2)を投入し(濾液(2)導入工程)、再度第1処理と第1固液分離を行った。
得られた第2バッチ処理後の濾液(1)中の単糖濃度(質量%)を、先と同様に測定した。この結果、第2バッチ処理後の濾液(1)中の単糖量は、0.453kg(2回目のヘミセルロース加水分解後)(生成単糖−3)であった。
この単糖量(生成単糖−3)中には、上記第1バッチ処理後の濾液(2)中の単糖量(生成単糖−2)も含まれているため、これを差し引いた値は、0.130kg(2回目のヘミセルロース加水分解後から1回目のセルロース加水分解後を引いたもの)(生成単糖−4)となる。
(濾液(2)導入工程〜第1処理工程〜第1固液分離工程)
新たに、含水率6.7質量%、0.634kgのホロセルロースが含まれている杉チップ(原料−2)に、第1バッチ処理後の濾液(2)を投入し(濾液(2)導入工程)、再度第1処理と第1固液分離を行った。
得られた第2バッチ処理後の濾液(1)中の単糖濃度(質量%)を、先と同様に測定した。この結果、第2バッチ処理後の濾液(1)中の単糖量は、0.453kg(2回目のヘミセルロース加水分解後)(生成単糖−3)であった。
この単糖量(生成単糖−3)中には、上記第1バッチ処理後の濾液(2)中の単糖量(生成単糖−2)も含まれているため、これを差し引いた値は、0.130kg(2回目のヘミセルロース加水分解後から1回目のセルロース加水分解後を引いたもの)(生成単糖−4)となる。
第2バッチ処理の第1固液分離で得られた固形物(フィルターケーキ)を、先と同様の方法で洗浄濾過(1)及び乾燥操作を行った。
その際、乾燥後の残渣の水分含有率3.0質量%、全質量は0.783kgであった。
その際、乾燥後の残渣の水分含有率3.0質量%、全質量は0.783kgであった。
(第2処理工程〜第3処理工程〜第2固液分離工程)
この乾燥残渣を原料として、同様に第2処理工程である非晶質・可溶化反応と、第3処理工程である加水分解反応による糖化処理を行った。
次いで、第3処理工程処理物を、同様に第2固液分離工程により固液分離した。
得られた第2バッチ処理後の濾液(2)中の単糖量は、0.320kg(2回目のセルロース加水分解後)(生成単糖−5)であった。
さらに、固形物(フィルターケーキ)中に含まれる液体分を、少量の温水で洗浄濾過(2)した。
この乾燥残渣を原料として、同様に第2処理工程である非晶質・可溶化反応と、第3処理工程である加水分解反応による糖化処理を行った。
次いで、第3処理工程処理物を、同様に第2固液分離工程により固液分離した。
得られた第2バッチ処理後の濾液(2)中の単糖量は、0.320kg(2回目のセルロース加水分解後)(生成単糖−5)であった。
さらに、固形物(フィルターケーキ)中に含まれる液体分を、少量の温水で洗浄濾過(2)した。
〈第3バッチ処理〉
(濾液(2)導入工程〜第1処理工程〜第1固液分離工程)
得られた第2バッチ処理後の濾液(2)を新たな杉チップ(原料−3)に投入し、第1処理と第1固液分離を行った。
得られた第3バッチ処理後の濾液(1)中の単糖量(3回目のヘミセルロース加水分解後)(生成単糖−6)は、生成単糖−3とほぼ同じ量であった。
(濾液(2)導入工程〜第1処理工程〜第1固液分離工程)
得られた第2バッチ処理後の濾液(2)を新たな杉チップ(原料−3)に投入し、第1処理と第1固液分離を行った。
得られた第3バッチ処理後の濾液(1)中の単糖量(3回目のヘミセルロース加水分解後)(生成単糖−6)は、生成単糖−3とほぼ同じ量であった。
(糖・酸分離工程)
第3バッチ処理後の濾液(1)を、擬似移動層クロマト分離装置を用いて糖と酸に分離した。この時、糖と硫酸の回収率は、各々98.5%、97%であった。
この流出糖化液(ラフィネート)中の硫酸濃度は1.2質量%であった。この流出糖化液を、容積100Lの大型オートクレーブを用いて、121℃で30分間保持して、第4処理工程である単糖化処理を行った。
得られた糖液中の単糖量は、0.511kgであった。この単糖量から、杉を原料としたホロセルロース質量を基準としたホロセルロースから単糖への変換率を求めると、80.6%であった。
また、上記操作において、原料−2以降で使用した硫酸使用量は、0.9kg(=1.25×0.72)であり、硫酸/バイオマスの質量混合比は、0.96であった。
第3バッチ処理後の濾液(1)を、擬似移動層クロマト分離装置を用いて糖と酸に分離した。この時、糖と硫酸の回収率は、各々98.5%、97%であった。
この流出糖化液(ラフィネート)中の硫酸濃度は1.2質量%であった。この流出糖化液を、容積100Lの大型オートクレーブを用いて、121℃で30分間保持して、第4処理工程である単糖化処理を行った。
得られた糖液中の単糖量は、0.511kgであった。この単糖量から、杉を原料としたホロセルロース質量を基準としたホロセルロースから単糖への変換率を求めると、80.6%であった。
また、上記操作において、原料−2以降で使用した硫酸使用量は、0.9kg(=1.25×0.72)であり、硫酸/バイオマスの質量混合比は、0.96であった。
[実施例2]
〈第1バッチ処理〉
(第1処理工程〜第1固液分離工程)
実施例1と同様にして、含水率7.5質量%、0.671kgのホロセルロースが含まれているコジイ(広葉樹))チップ(原料−1)1.0kgを、第1処理工程である加水分解反応による糖化処理し、第1固液分離工程により固液分離した。
〈第1バッチ処理〉
(第1処理工程〜第1固液分離工程)
実施例1と同様にして、含水率7.5質量%、0.671kgのホロセルロースが含まれているコジイ(広葉樹))チップ(原料−1)1.0kgを、第1処理工程である加水分解反応による糖化処理し、第1固液分離工程により固液分離した。
実施例1と同様の方法で、第1バッチ処理後の濾液(1)中の単糖量を求めると、0.18kg(生成単糖−1)であった。
次いで、実施例1と同様にして、真空濾過、洗浄濾過(1)、真空乾燥を行った。残渣の水分含有率は2.2質量%、全質量は0.684kgであった。
(第2処理工程〜第3処理工程〜第2固液分離工程)
実施例1と同様に、この乾燥残渣を用いて、第2処理工程である非晶質・可溶化反応を行った。60分後のこの混練物(第2処理工程処理物)の温度は、約62℃であった。
さらに、この混練物を第3処理工程である加水分解反応による糖化処理を行い、第2固液分離工程により固液分離、真空濾過、洗浄濾過(2)した。
第1バッチ処理後の濾液(2)中の単糖量は、0.345kg(1回目のセルロース加水分解後)(生成単糖−2)であった。
実施例1と同様に、この乾燥残渣を用いて、第2処理工程である非晶質・可溶化反応を行った。60分後のこの混練物(第2処理工程処理物)の温度は、約62℃であった。
さらに、この混練物を第3処理工程である加水分解反応による糖化処理を行い、第2固液分離工程により固液分離、真空濾過、洗浄濾過(2)した。
第1バッチ処理後の濾液(2)中の単糖量は、0.345kg(1回目のセルロース加水分解後)(生成単糖−2)であった。
〈第2バッチ処理〉
(濾液(2)導入工程〜第1処理工程〜第1固液分離工程)
実施例1と同様に、第1バッチ処理後の濾液(2)を、新たなコジイチップ(原料−2)に投入し、再度第1処理と第1固液分離を行った。
この結果、第2バッチ処理後の濾液(1)中の単糖量は、0.529kg(2回目のヘミセルロース加水分解後)(生成単糖−3)であった。
この単糖量(生成単糖−3)中には、上記第1バッチ処理後の濾液(2)中の単糖量(生成単糖−2)も含まれているため、これを差し引いた値は、0.184kg(2回目のヘミセルロース加水分解後から1回目のセルロース加水分解後を引いたもの)(生成単糖−4)となる。
(濾液(2)導入工程〜第1処理工程〜第1固液分離工程)
実施例1と同様に、第1バッチ処理後の濾液(2)を、新たなコジイチップ(原料−2)に投入し、再度第1処理と第1固液分離を行った。
この結果、第2バッチ処理後の濾液(1)中の単糖量は、0.529kg(2回目のヘミセルロース加水分解後)(生成単糖−3)であった。
この単糖量(生成単糖−3)中には、上記第1バッチ処理後の濾液(2)中の単糖量(生成単糖−2)も含まれているため、これを差し引いた値は、0.184kg(2回目のヘミセルロース加水分解後から1回目のセルロース加水分解後を引いたもの)(生成単糖−4)となる。
第2バッチ処理の第1固液分離で得られた固形物(フィルターケーキ)を、実施例1と同様に洗浄濾過(1)及び乾燥操作を行った。
その際、乾燥後の残渣の水分含有率1.7質量%、全質量は0.691kgであった。
その際、乾燥後の残渣の水分含有率1.7質量%、全質量は0.691kgであった。
(第2処理工程〜第3処理工程〜第2固液分離工程)
この乾燥残渣を原料として、実施例1と同様に第2処理工程である非晶質・可溶化反応と、第3処理工程である加水分解反応による糖化処理、第2固液分離工程により固液分離を行った。
得られた第2バッチ処理後の濾液(2)中の単糖量は、0.339kg(2回目のセルロース加水分解後)(生成単糖−5)であった。
この乾燥残渣を原料として、実施例1と同様に第2処理工程である非晶質・可溶化反応と、第3処理工程である加水分解反応による糖化処理、第2固液分離工程により固液分離を行った。
得られた第2バッチ処理後の濾液(2)中の単糖量は、0.339kg(2回目のセルロース加水分解後)(生成単糖−5)であった。
〈第3バッチ処理〉
(濾液(2)導入工程〜第1処理工程〜第1固液分離工程)
得られた第2バッチ処理後の濾液(2)を、新たなコジイチップ(原料−3)に投入し、第1処理と第1固液分離を行った。
得られた第3バッチ処理後の濾液(1)中の単糖量(3回目のヘミセルロース加水分解後)(生成単糖−6)は、生成単糖−3とほぼ同じ量であった。
(濾液(2)導入工程〜第1処理工程〜第1固液分離工程)
得られた第2バッチ処理後の濾液(2)を、新たなコジイチップ(原料−3)に投入し、第1処理と第1固液分離を行った。
得られた第3バッチ処理後の濾液(1)中の単糖量(3回目のヘミセルロース加水分解後)(生成単糖−6)は、生成単糖−3とほぼ同じ量であった。
(糖・酸分離工程)
第3バッチ処理後の濾液(1)を、実施例1と同様に、糖と酸に分離した。この時、糖と硫酸の回収率は、各々98.7%、96.7%であった。
この流出糖化液(ラフィネート)中の硫酸濃度は1.2質量%であった。この流出糖化液を、実施例1と同様に、第4処理工程である単糖化処理を行った。
得られた糖液中の単糖量は、0.598kgであった。この単糖量から、コジイを原料としたホロセルロース質量を基準としたホロセルロースから単糖への変換率を求めると、89.1%であった。
また、上記操作において、原料−2以降で使用した硫酸使用量は、0.9kg(=1.25×0.72)であり、硫酸/バイオマスの質量混合比は、0.97であった。
第3バッチ処理後の濾液(1)を、実施例1と同様に、糖と酸に分離した。この時、糖と硫酸の回収率は、各々98.7%、96.7%であった。
この流出糖化液(ラフィネート)中の硫酸濃度は1.2質量%であった。この流出糖化液を、実施例1と同様に、第4処理工程である単糖化処理を行った。
得られた糖液中の単糖量は、0.598kgであった。この単糖量から、コジイを原料としたホロセルロース質量を基準としたホロセルロースから単糖への変換率を求めると、89.1%であった。
また、上記操作において、原料−2以降で使用した硫酸使用量は、0.9kg(=1.25×0.72)であり、硫酸/バイオマスの質量混合比は、0.97であった。
[比較例1]
〈アーケノール法〉
実施例1と同様の容器に、含水率6.7%、ホロセルロース0.634gを含む杉(針葉樹)チップ1.0kgと、72質量%硫酸1.1kgを投入し、28℃で45分間脱結晶化処理を行った。
その後、硫酸濃度が30質量%となるように温水をこの中に注入し、95℃で90分間第1段目の加水分解反応処理を行った。
〈アーケノール法〉
実施例1と同様の容器に、含水率6.7%、ホロセルロース0.634gを含む杉(針葉樹)チップ1.0kgと、72質量%硫酸1.1kgを投入し、28℃で45分間脱結晶化処理を行った。
その後、硫酸濃度が30質量%となるように温水をこの中に注入し、95℃で90分間第1段目の加水分解反応処理を行った。
次いで、この処理液を約40℃まで冷却し、第1段目の固液分離操作を行った。
実施例1と同様にして、得られた第1段目の濾液中の単糖濃度(質量%)を測定し、単糖量を算出した。
その結果、第1段目の濾液中の単糖量は、0.310kgであった。
この単糖量から、ホロセルロース質量を基準とした、第1段目の加水分解反応におけるホロセルロースから単糖への変換率を求めると、48.8%であった。
実施例1と同様にして、得られた第1段目の濾液中の単糖濃度(質量%)を測定し、単糖量を算出した。
その結果、第1段目の濾液中の単糖量は、0.310kgであった。
この単糖量から、ホロセルロース質量を基準とした、第1段目の加水分解反応におけるホロセルロースから単糖への変換率を求めると、48.8%であった。
第1段目の固液分離で得られた固形物(フィルターケーキ)2.0kgに、30質量%硫酸1.45kgを投入し、95℃で30分間第2段目の加水分解反応処理を行った。
これから、使用した硫酸の100%換算量を求めると、1.23kg(=1.1kg×0.72+1.45×0.3)であり、硫酸/バイオマス(絶対乾燥量)の質量混合比を計算すると、1.32であった。
これから、使用した硫酸の100%換算量を求めると、1.23kg(=1.1kg×0.72+1.45×0.3)であり、硫酸/バイオマス(絶対乾燥量)の質量混合比を計算すると、1.32であった。
次いで、この処理液を約40℃まで冷却し、第2段目の固液分離操作を行った。
実施例1と同様にして、得られた第2段目の濾液中の単糖濃度(質量%)を測定し、単糖量を算出した。
実施例1と同様にして、得られた第2段目の濾液中の単糖濃度(質量%)を測定し、単糖量を算出した。
その結果、第2段目の濾液中の単糖量は、0.196kgであった。これは、第1段目の加水分解反応後の固形物に付着した単糖も含んだ第2段目の加水分解反応後の数値である。したがって、この数値から、第2段目の加水分解反応の原料として使用する固形物に付着していた第1段目の加水分解反応で生成した単糖の量を差し引く必要がある。
差し引き後の単糖量は、0.047kg(第2段目の加水分解反応後のみの値)であった。
また、この単糖量から、ホロセルロース質量を基準とした、第2段目の加水分解反応におけるホロセルロースから単糖への変換率を求めると、7.2%であった。
差し引き後の単糖量は、0.047kg(第2段目の加水分解反応後のみの値)であった。
また、この単糖量から、ホロセルロース質量を基準とした、第2段目の加水分解反応におけるホロセルロースから単糖への変換率を求めると、7.2%であった。
第1段目の加水分解反応と第2段目の加水分解反応で得られた単糖量から、杉を原料とした「アーケノール法」(2段階加水分解法)によるホロセルロース質量を基準とした、最終的なホロセルロースから単糖への変換率を求めると、56.0%であった。
[比較例2]
〈アーケノール法〉
実施例1と同様の容器に、含水率7.5%、ホロセルロース0.671gを含むコジイ(広葉樹)チップ1.0kgを、比較例1と同様にして、脱結晶化処理、第1段目の加水分解反応処理、第1段目の固液分離操作を行った。
〈アーケノール法〉
実施例1と同様の容器に、含水率7.5%、ホロセルロース0.671gを含むコジイ(広葉樹)チップ1.0kgを、比較例1と同様にして、脱結晶化処理、第1段目の加水分解反応処理、第1段目の固液分離操作を行った。
実施例1と同様にして、得られた第1段目の濾液中の単糖濃度(質量%)を測定し、単糖量を算出した。
その結果、第1段目の濾液中の単糖量は、0.344kgであった。
この単糖量から、ホロセルロース質量を基準とした、第1段目の加水分解反応におけるホロセルロースから単糖への変換率を求めると、51.2%であった。
その結果、第1段目の濾液中の単糖量は、0.344kgであった。
この単糖量から、ホロセルロース質量を基準とした、第1段目の加水分解反応におけるホロセルロースから単糖への変換率を求めると、51.2%であった。
第1段目の固液分離で得られた固形物(フィルターケーキ)2.1kgに、30質量%硫酸1.4kgを投入し、比較例1と同様にして、第2段目の加水分解反応処理、第2段目の固液分離操作を行った。
これから、使用した硫酸の100%換算量を求めると、1.28kg(=1.2kg×0.72+1.45×0.3)であり、硫酸/バイオマス(絶対乾燥量)の質量混合比を計算すると、1.38であった。
これから、使用した硫酸の100%換算量を求めると、1.28kg(=1.2kg×0.72+1.45×0.3)であり、硫酸/バイオマス(絶対乾燥量)の質量混合比を計算すると、1.38であった。
比較例1と同様にして、第2段目の濾液中の単糖量を求めると、0.227kgであった。
この数値から、第2段目の加水分解反応の原料として使用する固形物に付着していた第1段目の加水分解反応で生成した単糖の量を差し引いた単糖量は、0.057kg(第2段目の加水分解反応後のみの値)であった。
また、この単糖量から、ホロセルロース質量を基準とした、第2段目の加水分解反応におけるホロセルロースから単糖への変換率を求めると、8.5%であった。
この数値から、第2段目の加水分解反応の原料として使用する固形物に付着していた第1段目の加水分解反応で生成した単糖の量を差し引いた単糖量は、0.057kg(第2段目の加水分解反応後のみの値)であった。
また、この単糖量から、ホロセルロース質量を基準とした、第2段目の加水分解反応におけるホロセルロースから単糖への変換率を求めると、8.5%であった。
第1段目の加水分解反応と第2段目の加水分解反応で得られた単糖量から、コジイを原料とした「アーケノール法」(2段階加水分解法)によるホロセルロース質量を基準とした、最終的なホロセルロースから単糖への変換率を求めると、59.7%であった。
実施例1において、生成単糖−1と生成単糖−4の単糖量を比較すると、大きな違いが見られないことから、第1バッチ処理第1処理工程で未使用の30質量%の硫酸を使用した場合と、第2バッチ処理第1処理工程で第1バッチ処理後の濾液(2)を使用した場合とでは、新たな杉チップから得られるヘミセルロース由来の生成単糖量には、ほとんど差がないことが確認された。
この結果、最初の原料(原料−1)を処理する第1バッチ処理には、未使用の純粋な硫酸の投入が必要であるが、第2バッチ処理以降の原料(原料−2以降)に対しては、それ以前のバッチ処理の濾液(2)を使用できることが確認された。
この結果、最初の原料(原料−1)を処理する第1バッチ処理には、未使用の純粋な硫酸の投入が必要であるが、第2バッチ処理以降の原料(原料−2以降)に対しては、それ以前のバッチ処理の濾液(2)を使用できることが確認された。
また、生成単糖−2と生成単糖−5の単糖量を比較すると、大きな違いが見られないことから、第1バッチ処理後の濾液(2)と第2バッチ処理後の濾液(2)では、硫酸と共存する単糖(主にグルコース)の過分解がほとんど起こらないことが確認された。
この結果、濾液(2)導入工程を設けても、単糖の過分解は起こらず、硫酸使用量を低減できることが確認された。
この結果、濾液(2)導入工程を設けても、単糖の過分解は起こらず、硫酸使用量を低減できることが確認された。
実施例1〜2と比較例1〜2とを比べると、比較例1〜2の単糖変換率は60%未満であったのに対し、実施例1〜2のそれは、80%以上の高い単糖変換率であった。
以上のことから、本発明の製造方法によれば、高い単糖変換率が得られることが確認された。
繊維系バイオマスが排出される分野(建設分野、食品分野等)、アルコール製造分野、アルコール混合燃料製造分野、グルコースを発酵原料(炭素源)として利用している分野(ポリ乳酸製造、アミノ酸製造等)に応用できる。
1 第1処理工程
2 第1固液分離工程
3 糖・酸分離工程
4 第4処理工程
5 硫酸噴霧・混合工程
6 混練工程
7 第2処理工程
8 第3処理工程
9 第2固液分離工程
10 硫酸回収・濃縮工程
11 濾液(2)導入工程
200 硫酸噴霧混合装置
300 連続混練装置
400 加水分解反応装置
2 第1固液分離工程
3 糖・酸分離工程
4 第4処理工程
5 硫酸噴霧・混合工程
6 混練工程
7 第2処理工程
8 第3処理工程
9 第2固液分離工程
10 硫酸回収・濃縮工程
11 濾液(2)導入工程
200 硫酸噴霧混合装置
300 連続混練装置
400 加水分解反応装置
Claims (9)
- バイオマスから単糖を製造する方法であって、
原料であるバイオマスを、10〜40質量%の硫酸中で、60〜95℃の温度で処理する第1処理工程と、
該第1処理工程で処理した第1処理工程処理物を、固液分離する第1固液分離工程と、
該第1固液分離工程により分離した固形物を、65〜85質量%の硫酸中で、30〜70℃の温度で処理する第2処理工程と、
該第2処理工程で処理した第2処理工程処理物を、20〜60質量%の硫酸中で、40〜100℃の温度で処理する第3処理工程と、
該第3処理工程で処理した第3処理工程処理物を、固液分離する第2固液分離工程と、
前記第2固液分離工程により分離した濾液(2)を、前記第1処理工程に導入する濾液(2)導入工程とを有することを特徴とする単糖製造方法。 - 請求項1に記載の単糖製造方法であって、
前記第1固液分離工程により分離した濾液(1)を、糖と硫酸に分離する糖・酸分離工程を有することを特徴とする単糖製造方法。 - 請求項1又は2に記載の単糖製造方法であって、
前記糖・酸分離工程により分離した糖化液を、0.5〜5質量%の硫酸中で、110〜150℃の温度で処理する第4処理工程を有することを特徴とする単糖製造方法。 - 前記糖・酸分離工程における糖と硫酸の分離に、擬似移動層クロマト分離装置を使用することを特徴とする請求項2又は3に記載の単糖製造方法。
- 前記糖・酸分離工程で分離した硫酸の低濃度成分を、前記第3処理工程に導入し、
前記硫酸の高濃度成分を、硫酸回収・濃縮工程に導入することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の単糖製造方法。 - 前記第2処理工程が、前記第1固液分離工程により分離した前記固形物に、前記硫酸を噴霧・混合し、混練する工程を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の単糖製造方法。
- 前記第1固液分離工程により分離した前記固形物を洗浄した洗浄濾液(1)と、前記第2固液分離工程により分離したリグニンからなる固形物を洗浄した洗浄濾液(2)とを、前記第3処理工程に使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の単糖製造方法。
- 前記バイオマスが、セルロース系バイオマスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の単糖製造方法。
- 原料であるバイオマスに10〜40質量%の硫酸を添加し、これらを60〜95℃の温度で処理して第1処理工程処理物とし、
この第1処理工程処理物を、第1固液分離工程により固液分離した固形物に、
65〜85質量%の硫酸を噴霧し、該硫酸と前記固形物とを回転して混合して硫酸噴霧・混合物とする硫酸噴霧混合装置と、
この硫酸噴霧混合装置からの硫酸噴霧・混合物に、せん断力を与えて混練して混練物とする連続混練装置と、
この連続混練装置からの混練物たる第2処理工程処理物に、水又は低濃度硫酸を添加して前記硫酸濃度を20〜60質量%まで希釈し、これを40〜100℃の温度で処理する加水分解反応装置を備え、
前記硫酸噴霧混合装置から連続的に前記加水分解反応装置まで、順次中間物を送給するようにしたことを特徴とする単糖製造装置。
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