JP7232787B2 - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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本発明は、マットタイプの印刷用塗工紙に関する。
印刷用塗工紙は、グロス(光沢)タイプとマット(艶消し)タイプとに大別される。従来は、美術書、画集、写真集、パンフレット及びカタログなどにグロスタイプに人気があった。グロスタイプの人気は、白紙部光沢感及び印刷部光沢感が高くなって高級感を表現できるためである。一方、従来のマットタイプは、グロスタイプよりも白紙部光沢感及び印刷部光沢感が低い。近時では、美術書、画集、写真集及びコレクター向けカタログにおいて絵画及び写真など印刷画像をスッキリ見やすいためにマットタイプに人気がある。また、グロスタイプに比べてマットタイプは文字画像が読み易い。一般にマットタイプは、JIS Z8741:1997「鏡面光沢度-測定方法」に準じて求められる75度光沢度が40%未満である。また、愛蔵書になる書籍には、手に馴染むしっとり感及びしっかり感を求める顧客が多い。ここで、「しっとり感」は、実際に濡れていなくとも感じる湿りの感覚である。「しっかり感」は、紙の曲げに対する弾力に依存する感覚である。
例えば、低密度で実用に適した不透明度、剛度を有し、低白紙光沢にも関わらず高いインキ着肉性及び印刷光沢度を有するマット調の艶消し塗工紙が存在する(例えば、特許文献1参照)。前記艶消し塗工紙は、原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工層を有し、顔料として、体積分布平均粒径3.5μm以上20μm以下であるデラミネーテッドクレーを顔料100重量部当たり30質量部以上90重量部以下で含有し、白紙光沢度が30%未満、塗工紙密度が0.95g/cm以下、平滑度が150秒以上であることを特徴とする。
特開2002-194698号公報
本発明の目的は、マットタイプでありながら印刷部光沢感を有し、インキ乾燥性に優れ及びモットリングを抑えた、並びに手に馴染むしっとり感及びしっかり感(以下、これを「手肉感」と記する。)有する印刷用塗工紙を提供することである。
印刷用塗工紙が印刷部光沢感を得るためには、平滑性を高めることが有効な一つの手段である。グロスタイプ及びダル調と呼ばれるセミグロスタイプの印刷用塗工紙は、スーパーカレンダー処理などの平滑化処理を施すために、平滑性を得易い。しかしながら、前記平滑化処理は、白紙部光沢感が高くなるために、マットタイプを得ることができない。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、印刷部においてインキのレベリングを達成して印刷部光沢を発現させる印刷用塗工紙を発明するに至った。なおかつ、インキのレベリングを達成して印刷部光沢感を得つつ、インキ乾燥性に優れる及びモットリングを抑え、並びに手肉感を有する印刷用塗工紙を発明するに至った。
本発明の目的は以下により達成される。
パルプ及び填料を含有する基紙と、基紙の両面に白色顔料及びバインダーを含有する塗工層とを有し、白色顔料が炭酸カルシウム及びカオリンを少なくとも含み、個々の塗工層においてカオリンの含有量が塗工層中の白色顔料100質量部に対して10質量部以上50質量部以下であり、バインダーが尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体を少なくとも含み、ISO5636-6:2015に準じて求められる透気度(秒)を坪量で除した比透気度が36(秒/坪量)以上65(秒/坪量)以下であるマットタイプの印刷用塗工紙。
本発明により、マットタイプでありながら印刷部光沢感を有し、インキ乾燥性に優れ、及びモットリングを抑え、並びに手肉感を有する印刷用塗工紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の印刷用塗工紙は、パルプ及び填料を含有する基紙と、前記基紙の両面に対して白色顔料及びバインダーを含有する塗工層とを有する。
上記パルプは、製紙分野で従来公知のものである。パルプの例としては、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)などの機械パルプ、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などのセミケミカルパルプ、DIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプ(Waste Paper Pulp)、及び製紙工場で発生する損紙(Spoilage)を離解して成るパルプを挙げることができる。パルプは、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
上記填料は、製紙分野で従来公知の白色顔料である。白色顔料の例としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、サチンホワイト、リトポン、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、活性白土、珪藻土などの白色無機顔料、及びプラスチック顔料などの白色有機顔料を挙げることができる。
基紙は、必要に応じて各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、嵩高剤、印刷適性向上剤、カチオン性樹脂及び多価陽イオン塩などのカチオン化剤、紙力剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、並びに乾燥紙力増強剤などを挙げることができる。
基紙は、パルプ、填料及び必要に応じて各種添加剤を配合した紙料を抄造して得ることができる。抄造は、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。抄造には、製紙分野で従来公知の抄紙機を用いることができる。抄紙機の例としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機及びヤンキー抄紙機などを挙げることができる。
基紙は、カレンダー処理、澱粉及びポリビニルアルコールなどの表面サイズ剤を含有する表面サイズ液を用いて表面サイズ処理又は表面処理を施すことができる。さらに基紙は、表面サイズ処理又は表面処理を施した後にカレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって光沢面化、平滑化及び厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、基紙は、密度が0.65g/cm以上0.75g/cm以下である。この理由は、下記のように基紙に対して塗工層塗工液を塗工及び乾燥した際に、乾燥前後における塗工層塗工液の体積変化が適切になるからである。すなわち、マットタイプでありながら印刷部光沢感を得易くなる。例えば、乾燥前後における体積変化が小さい場合、塗工層は、カレンダー処理を施さなくてもある程度平滑化の傾向を示す。結果、マットタイプでありながら印刷部光沢感を得易くなる。
基紙の密度は、ISO534:2011「Paper and board-Determination of thickness, density and specific volume」に準じて求められる値である。印刷用塗工紙の状態から基紙の密度は、印刷用塗工紙の塗工層を削除した基紙から求めることができる。
また、基紙の密度が0.75g/cm以下であると、手肉感が得易い傾向にある。
基紙の密度は、パルプの種類、パルプの叩解度、抄紙工程のプレスパート及びドライヤーパートの条件、並びにカレンダー処理有無及び条件によって制御できる。例えば、基紙は、パルプの叩解度を下げる、プレスパートのプレス圧を下げる、ドライヤーパートの乾燥強度を上げる、カレンダー処理を施さない又は軽めの線圧に設定する、という条件によって密度が下がる。いくつかの実施態様において、パルプはLBKPを含み、LBKPの濾水度を300ml以上とし、カレンダー処理を施さない又は軽めの線圧に設定によって密度を上記範囲にする。
濾水度は、ISO5627-2:2001「Pulps-Determination of drainability-Part 2 Canadian Standard freeness method」に準じて求められるCSF濾水度である。
塗工層は、基紙の両面に有する。
基紙に塗工層を設ける方法は、塗工層塗工液を基紙に対して塗工及び乾燥する方法であって特に限定されない。塗工層を設ける方法は、例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて、塗工層塗工液を塗工及び乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、サイズプレス、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、塗工装置は、ブレードコーターなどの接触型である。この理由は、印刷部光沢が良化するからである。
塗工層はカレンダー処理を施すことができる。一般に、塗工層へのカレンダー処理は、表面が平滑化してグロスタイプに成る傾向を示す。カレンダー処理の装置としては、上記した通りである。
塗工層が、塗工後の塗工面が十分平滑性を有する場合、カレンダー処理を施さない又は塗工層の空隙を潰さない比較的軽いカレンダー処理の条件が採用できる。よって、印刷用塗工紙は、平滑性から印刷部光沢感を得ることができ、カレンダー処理を施さない又は軽いカレンダー処理によってマットタイプを得ることができ、なおかつ塗工層の空隙によってインキ乾燥性を得ることができる。塗工層の空隙は塗工層の透気度に相関する。本発明の印刷用塗工紙は、下記塗工層の成分によって十分平滑性を有する塗工層を得ることができ、下記塗工層の成分と下記比透気度との相乗効果によって印刷部光沢感及びインキ乾燥性を得ることができる。
基紙の両面に塗工層を有する本発明の印刷用塗工紙は、ISO5636-6:2015「Paper and board-Determination of air permeance (medium range)-Part6:Oken method」に準じて求められる透気度(秒)を、ISO536:1995「Paper and board-Determination of grammage」に準じて求められる印刷用塗工紙の坪量(g/m)で除した値、すなわち比透気度が、36(秒/坪量)以上65(秒/坪量)以下である。比透気度が36(秒/坪量)未満では、印刷部光沢感を得ることができない。比透気度が65(秒/坪量)超では、インキ乾燥性を得ることができない。
塗工紙の透気度は、基紙と塗工層とで決まる。透気度は、基紙に比べて空隙の小さい塗工層の影響が大きい。そして塗工層は、塗工層を設ける際に基紙の影響を受ける。本発明者らは、透気度(秒)を印刷用塗工紙の坪量(g/m)で除した比透気度が塗工層の緻密さに相関すると考え、その結果、比透気度が特定の範囲であれば印刷部光沢感とインキ乾燥性とが得られることを見出した。
基紙の両面に設けた個々の塗工層は、白色顔料として炭酸カルシウム及びカオリンを少なくとも含有する。塗工層は、塗工層塗工液に炭酸カルシウム及びカオリンを配合することによって、炭酸カルシウム及びカオリンを含有することができる。炭酸カルシウムは、塗工紙分野で従来公知のものである。炭酸カルシウムの例としては、重質炭酸カルシウム及び軽質炭酸カルシウムを挙げることができる。カオリンは、天然に産出されたカオリン原鉱を工業的に精製、加工したものであり、粉砕、洗浄、除鉄、分級等の工程を経て製造されるものである。また、カオリンには、アスペクト比を向上させるためにせん断力をかけて薄板状としたデラミネーティッドカオリンや、粒度分布がシャープになるよう調整したエンジニアードカオリン、凝集性を高めた焼成カオリンといった加工性の高いものも含まれる。
塗工層は、炭酸カルシウム及びカオリン以外に塗工紙分野で従来公知の白色顔料を含有することができる。従来公知の白色顔料の例としては、タルク、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、活性白土、珪藻土などの白色無機顔料、及びプラスチック顔料などの白色有機顔料を挙げることができる。
個々の塗工層において、カオリンは、前記塗工層中の白色顔料100質量部に対して10質量部以上50質量部以下である。カオリンが10質量部未満であると、印刷用塗工紙は印刷部光沢感及び手肉感を得ることができない。カオリンが50質量部超であると、印刷用塗工紙はマットタイプを得ることができない。いくつかの実施態様において、炭酸カルシウムが重質炭酸カルシウムであって、個々の塗工層中の重質炭酸カルシウムが前記塗工層中の白色顔料100質量部に対して50質量部以上90質量部以下であり、及び同塗工層中のカオリンが同塗工層中の白色顔料100質量部に対して10質量部以上50質量部以下である。この理由は、マットタイプであってインキ乾燥性が良化する、印刷部光沢感が良化する、及び手肉感が良化するからである。
塗工層は、バインダーとして尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体を少なくとも含有する。塗工層が、尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体を含有することで、印刷用塗工紙は印刷部光沢感、モットリング及び手肉感を得ることができる。塗工層は、塗工層塗工液に尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体を配合することによって、尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体を含有することができる。尿素燐酸エステル化澱粉は、燐酸エステル基とカルバミン酸エステル基とをグルコースに有する澱粉である。燐酸エステル基を導入する方法の例としては、トリポリ燐酸ナトリウム等の燐酸塩を単独で添加して焙焼反応させる方法、燐酸エステル基とカルバミン酸エステル基とを導入する方法の例としては、無機燐酸類と共に尿素を添加して焙焼反応させる方法を挙げることができる。スチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体は、共重合体を構成する単量体としてスチレン系、ブタジエン及びアクリロニトリルを含有するものである。このような共重合体は、添加する単量体の濃度を調整しつつ乳化重合法により得ることができる。
いくつかの実施態様において、スチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体は、共重合体中におけるアクリロニトリル単量体の割合が10質量%以上30質量%以下である。少なくとも一つの実施態様において、スチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体は、共重合体中におけるスチレン系単量体の割合が15質量%以上40質量%以下、共重合体中におけるブタジエン単量体の割合が40質量%以上65質量%以下、及び共重合体中におけるアクリロニトリル単量体の割合が10質量%以上30質量%以下である。これらの理由は、印刷部光沢感が良化するからである。
単量体としてスチレン系の例としては、スチレン、α-メチルスチレンなどのビニル基に置換基を有するスチレン誘導体、並びにビニルトルエン及びp-クロルスチレンなどのベンゼン環に置換基を有する誘導体を挙げることができる。
スチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体は、スチレン系、ブタジエン及びアクリロニトリル以外の単量体を、共重合体を構成する単量体として有することができる。単量体の例としては、アクリル酸、アクリル酸塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸塩、メタクリル酸エステル及びマレイン酸などを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、個々の塗工層中、尿素燐酸エステル化澱粉は、前記塗工層中のバインダー100質量部に対して30質量部以上50質量部以下である。この理由は、モットリング及び/又は手肉感に関して良化するからである。少なくとも一つの実施態様において、個々の塗工層中の尿素燐酸エステル化澱粉が前記塗工層中のバインダー100質量部に対して30質量部以上50質量部以下であり、及び同塗工層中のスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体が同塗工層中のバインダー100質量部に対して50質量部以上70質量部以下である。この理由は、インキ乾燥性、印刷部光沢感、モットリング及び手肉感に関して良化するからである。
塗工層は、尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体以外に塗工紙分野で従来公知のバインダーを含有することができる。バインダーの例としては、澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、エーテル化澱粉、カチオン性澱粉、両性澱粉、ジアルデヒド澱粉、燐酸エステル化澱粉などの尿素燐酸エステル化澱粉を除くエステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、及びヒドロキシブチル化澱粉、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体などの共役ジエン系樹脂、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合体若しくはメタクリル酸エステルブタジエン共重合体などのアクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体及び塩化ビニル酢酸ビニル共重合体などのビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、並びにこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性樹脂、並びにメラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂、天然ゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン及び大豆蛋白等の天然高分子樹脂若しくはその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール及びその各種変性ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール、並びにポリエチレングリコールなどを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、個々の塗工層中のバインダーは、塗工層中の白色顔料100質量部に対して5質量部以上15質量部以下である。
少なくとも一つの実施態様において、個々の塗工層は、尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体の合計が前記塗工層中のバインダー100質量部に対して80質量部以上である。
塗工層は、必要に応じて塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、分散剤、増粘剤、流動性改良剤、カチオン化剤、滑剤、耐水化剤、印刷適性向上剤、消泡剤、発泡剤、浸透剤、着色剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等を挙げることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」及び「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」及び「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<基紙>
CSF濾水度420mlのLBKP750質量部、CSF濾水度480mlのNBKP100質量部、損紙由来パルプ150質量部から成るパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム50質量部、カチオン化澱粉10質量部、及び硫酸バンド8質量部を配合して紙料を調成した。前記紙料を長網抄紙機で抄造して基紙を得た。
ここで、紙料の供給量、抄紙工程のプレスパート条件及びドライヤーパート条件、並びにカレンダー処理有無又はその条件を制御して、坪量95g/mかつ密度0.8g/cm(基紙1)、坪量95g/mかつ密度0.75g/cm(基紙2)、坪量53g/mかつ密度0.7g/cm(基紙3)、坪量53g/mかつ密度0.65g/cm(基紙4)、及び坪量53g/mかつ密度0.6g/cm(基紙5)の各基紙を調製した。得られた基紙に、両面にサイズプレス装置で澱粉を片面あたり付着量0.5g/mとなるようにサイズプレスした。サイズプレスした基紙を塗工層塗工液の塗工及び乾燥に用いた。基紙の密度は、ISO534:2011に準じて求めた。
<塗工層塗工液>
塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
カオリン 部数は表1に記載
炭酸カルシウム 部数は表1に記載
タルク 部数は表1に記載
澱粉類 種類及び部数は表1に記載
スチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体(SBA共重合体)
アクリロニトリル単量体の質量%及び共重合体の部数は表1に記載
ステアリン酸カルシウム 0.5質量部
ポリアミド系印刷適性向上剤 0.3質量部
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、濃度63質量%に調整した。
<印刷用塗工紙>
印刷用塗工紙を以下の手順にて作製した。
サイズプレスした基紙に対して、塗工層塗工液をブレードコーターにて両面塗工し、その後に乾燥した。さらに乾燥後に、カレンダー処理を施した。塗工量は、片面あたり16g/mとした。
<坪量あたりの透気度>
ISO5636-6:2015に準じて測定し、透気度(秒)を印刷用塗工紙の坪量(g/m)で除した値を算出した。印刷用塗工紙の坪量は、ISO536:1995「Paper and board-Determination of grammage」に準じて求めた。
<マットタイプ>
印刷用塗工紙の白紙部表面を観察して、下記の基準で評価した。
本発明において、印刷用塗工紙は、3の評価であればマットタイプであるものとした。
3:光沢感を感じない。
2:光沢感を僅かに感じる。
1:上記「2」以上に光沢感を感じる。
<印刷部光沢感>
オフセット印刷機(三菱重工社製ダイヤ3H-4)を用い、平版オフセットプロセスインキを使用して4色印刷を印刷用塗工紙の片面に行った。印刷には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色のベタパターンを10cm×10cm四方で横一列に隙間なく配置した評価画像を用いた。印刷部光沢感は、各色ベタ画像印刷部と白紙部との光沢度差を測定することによって評価した。光沢度は、村上色彩技術研究所社製デジタル光沢計GM-26D型を用い、入反射角度が75度で、JIS Z8741:1997「鏡面光沢度-測定方法」に準拠して測定した。ベタ画像印刷部の光沢度から白紙部の光沢度を引いた光沢度差の平均値=([ブラックΔグロス]+[シアンΔグロス]+[マゼンタΔグロス]+[イエローΔグロス])/4を求め、下記の基準で評価した。本発明において、印刷用塗工紙は、2又は3の評価であれば印刷部光沢感を有するものとする。
3:光沢度差平均値が10以上
2:光沢度差平均値が0以上10未満
1:光沢度差平均値が0未満
<インキ乾燥性>
オフセット印刷機(三菱重工社製ダイヤ3H-4)を用い、平版オフセットプロセスインキを使用して4色印刷を印刷用塗工紙の片面に行った。印刷には、各色ベタ画像、人物写真画像、風景写真画像及び文字画像をランダムに配置した評価用画像を用いた。インキ乾燥性は、印刷1時間後に印刷用塗工紙の印刷部に上質紙を押し当ててインキの転移及び印刷部で画像の乱れの有無を目視で観察して、下記の基準で評価した。
本発明において、印刷用塗工紙は、3又は4の評価であればインキ乾燥性に優れるものとする。
4:インキの転移が認められない。印刷部で画像の乱れが認めらない。
3:インキの転移が極僅かに認められる。印刷部で画像の乱れが認められない。
2:インキの転移が僅かに認められる。僅かに印刷部で画像の乱れが認められる。
1:インキの転移が認められる。印刷部で画像の乱れが認められる。
<モットリング>
オフセット印刷機(三菱重工社製ダイヤ3H-4)を用い、平版オフセットプロセスインキを使用してブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各単色、並びにブラックインキを除く他の3色インキでの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、3cm×3cm四方で横一列に並べた評価画像を印刷用塗工紙に印刷した。各色ベタ画像の印刷部に対してモットリングの発生状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。本発明において、印刷用塗工紙は、3~5の評価であればモットリングが抑えられたものとする。
5:モットリングが認められず、極めて良好。
4:色により部分的に極僅かにモットリングが認められるが、良好。
3:色により極僅かにモットリングが認められるが、概ね良好。
2:色により僅かにモットリングが認められるが、実用上問題はない程度。
1:モットリングが認められる。
<手肉感>
印刷用塗工紙をA4サイズ(210mm×297mm)に裁断した。長辺方向を紙のMD(Machine Direction)にした。A4サイズの印刷用塗工紙を20枚重ね、長辺の一方をホチキスで3箇所(上端・中央・下端)を綴じて冊子とした。前記冊子を10部作製して10人の被験者に渡し、手肉感を下記の基準で評価した。最終的な点数は、10人の評価結果を平均して小数点以下を四捨五入した。本発明において、印刷用塗工紙は、3~5の評価であれば手肉感を有するものとする。
5:しっとり感及びしっかり感が認められる。
4:しっとり感及びしっかり感の一方が認めらかつ他方が幾分認められる。
3:しっとり感及びしっかり感が幾分認められる。
2:しっかり感又はしっとり感が認められない。
1:しっかり感及びしっとり感が認められない。
評価結果を表1に記載する。
Figure 0007232787000001
表1から、本発明に該当する実施例1~14は、マットタイプでありながら、印刷部光沢感を有し、インキ乾燥性に優れ、及びモットリングを抑えた印刷用塗工紙であると分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1~8は、これらの効果をいずれかを満足できない印刷用塗工紙であると分かる。

Claims (1)

  1. パルプ及び填料を含有する基紙と、前記基紙の両面に白色顔料及びバインダーを含有する塗工層とを有し、前記白色顔料が炭酸カルシウム及びカオリンを少なくとも含み、個々の塗工層においてカオリンの含有量が前記塗工層中の白色顔料100質量部に対して10質量部以上50質量部以下であり、前記バインダーが尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体を少なくとも含み、ISO5636-6:2015に準じて求められる透気度(秒)を坪量で除した比透気度が36(秒/坪量)以上65(秒/坪量)以下であるマットタイプの印刷用塗工紙。
JP2020049339A 2020-03-19 2020-03-19 印刷用塗工紙 Active JP7232787B2 (ja)

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