JP7232787B2 - 印刷用塗工紙 - Google Patents
印刷用塗工紙 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7232787B2 JP7232787B2 JP2020049339A JP2020049339A JP7232787B2 JP 7232787 B2 JP7232787 B2 JP 7232787B2 JP 2020049339 A JP2020049339 A JP 2020049339A JP 2020049339 A JP2020049339 A JP 2020049339A JP 7232787 B2 JP7232787 B2 JP 7232787B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper
- coating layer
- parts
- mass
- base paper
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Paper (AREA)
Description
印刷用塗工紙が印刷部光沢感を得るためには、平滑性を高めることが有効な一つの手段である。グロスタイプ及びダル調と呼ばれるセミグロスタイプの印刷用塗工紙は、スーパーカレンダー処理などの平滑化処理を施すために、平滑性を得易い。しかしながら、前記平滑化処理は、白紙部光沢感が高くなるために、マットタイプを得ることができない。
パルプ及び填料を含有する基紙と、基紙の両面に白色顔料及びバインダーを含有する塗工層とを有し、白色顔料が炭酸カルシウム及びカオリンを少なくとも含み、個々の塗工層においてカオリンの含有量が塗工層中の白色顔料100質量部に対して10質量部以上50質量部以下であり、バインダーが尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体を少なくとも含み、ISO5636-6:2015に準じて求められる透気度(秒)を坪量で除した比透気度が36(秒/坪量)以上65(秒/坪量)以下であるマットタイプの印刷用塗工紙。
本発明の印刷用塗工紙は、パルプ及び填料を含有する基紙と、前記基紙の両面に対して白色顔料及びバインダーを含有する塗工層とを有する。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって光沢面化、平滑化及び厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
基紙の密度は、ISO534:2011「Paper and board-Determination of thickness, density and specific volume」に準じて求められる値である。印刷用塗工紙の状態から基紙の密度は、印刷用塗工紙の塗工層を削除した基紙から求めることができる。
また、基紙の密度が0.75g/cm3以下であると、手肉感が得易い傾向にある。
濾水度は、ISO5627-2:2001「Pulps-Determination of drainability-Part 2 Canadian Standard freeness method」に準じて求められるCSF濾水度である。
基紙に塗工層を設ける方法は、塗工層塗工液を基紙に対して塗工及び乾燥する方法であって特に限定されない。塗工層を設ける方法は、例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて、塗工層塗工液を塗工及び乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、サイズプレス、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、塗工装置は、ブレードコーターなどの接触型である。この理由は、印刷部光沢が良化するからである。
塗工紙の透気度は、基紙と塗工層とで決まる。透気度は、基紙に比べて空隙の小さい塗工層の影響が大きい。そして塗工層は、塗工層を設ける際に基紙の影響を受ける。本発明者らは、透気度(秒)を印刷用塗工紙の坪量(g/m2)で除した比透気度が塗工層の緻密さに相関すると考え、その結果、比透気度が特定の範囲であれば印刷部光沢感とインキ乾燥性とが得られることを見出した。
個々の塗工層において、カオリンは、前記塗工層中の白色顔料100質量部に対して10質量部以上50質量部以下である。カオリンが10質量部未満であると、印刷用塗工紙は印刷部光沢感及び手肉感を得ることができない。カオリンが50質量部超であると、印刷用塗工紙はマットタイプを得ることができない。いくつかの実施態様において、炭酸カルシウムが重質炭酸カルシウムであって、個々の塗工層中の重質炭酸カルシウムが前記塗工層中の白色顔料100質量部に対して50質量部以上90質量部以下であり、及び同塗工層中のカオリンが同塗工層中の白色顔料100質量部に対して10質量部以上50質量部以下である。この理由は、マットタイプであってインキ乾燥性が良化する、印刷部光沢感が良化する、及び手肉感が良化するからである。
少なくとも一つの実施態様において、個々の塗工層は、尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体の合計が前記塗工層中のバインダー100質量部に対して80質量部以上である。
CSF濾水度420mlのLBKP750質量部、CSF濾水度480mlのNBKP100質量部、損紙由来パルプ150質量部から成るパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム50質量部、カチオン化澱粉10質量部、及び硫酸バンド8質量部を配合して紙料を調成した。前記紙料を長網抄紙機で抄造して基紙を得た。
ここで、紙料の供給量、抄紙工程のプレスパート条件及びドライヤーパート条件、並びにカレンダー処理有無又はその条件を制御して、坪量95g/m2かつ密度0.8g/cm3(基紙1)、坪量95g/m2かつ密度0.75g/cm3(基紙2)、坪量53g/m2かつ密度0.7g/cm3(基紙3)、坪量53g/m2かつ密度0.65g/cm3(基紙4)、及び坪量53g/m2かつ密度0.6g/cm3(基紙5)の各基紙を調製した。得られた基紙に、両面にサイズプレス装置で澱粉を片面あたり付着量0.5g/m2となるようにサイズプレスした。サイズプレスした基紙を塗工層塗工液の塗工及び乾燥に用いた。基紙の密度は、ISO534:2011に準じて求めた。
塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
カオリン 部数は表1に記載
炭酸カルシウム 部数は表1に記載
タルク 部数は表1に記載
澱粉類 種類及び部数は表1に記載
スチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体(SBA共重合体)
アクリロニトリル単量体の質量%及び共重合体の部数は表1に記載
ステアリン酸カルシウム 0.5質量部
ポリアミド系印刷適性向上剤 0.3質量部
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、濃度63質量%に調整した。
印刷用塗工紙を以下の手順にて作製した。
サイズプレスした基紙に対して、塗工層塗工液をブレードコーターにて両面塗工し、その後に乾燥した。さらに乾燥後に、カレンダー処理を施した。塗工量は、片面あたり16g/m2とした。
ISO5636-6:2015に準じて測定し、透気度(秒)を印刷用塗工紙の坪量(g/m2)で除した値を算出した。印刷用塗工紙の坪量は、ISO536:1995「Paper and board-Determination of grammage」に準じて求めた。
印刷用塗工紙の白紙部表面を観察して、下記の基準で評価した。
本発明において、印刷用塗工紙は、3の評価であればマットタイプであるものとした。
3:光沢感を感じない。
2:光沢感を僅かに感じる。
1:上記「2」以上に光沢感を感じる。
オフセット印刷機(三菱重工社製ダイヤ3H-4)を用い、平版オフセットプロセスインキを使用して4色印刷を印刷用塗工紙の片面に行った。印刷には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色のベタパターンを10cm×10cm四方で横一列に隙間なく配置した評価画像を用いた。印刷部光沢感は、各色ベタ画像印刷部と白紙部との光沢度差を測定することによって評価した。光沢度は、村上色彩技術研究所社製デジタル光沢計GM-26D型を用い、入反射角度が75度で、JIS Z8741:1997「鏡面光沢度-測定方法」に準拠して測定した。ベタ画像印刷部の光沢度から白紙部の光沢度を引いた光沢度差の平均値=([ブラックΔグロス]+[シアンΔグロス]+[マゼンタΔグロス]+[イエローΔグロス])/4を求め、下記の基準で評価した。本発明において、印刷用塗工紙は、2又は3の評価であれば印刷部光沢感を有するものとする。
3:光沢度差平均値が10以上
2:光沢度差平均値が0以上10未満
1:光沢度差平均値が0未満
オフセット印刷機(三菱重工社製ダイヤ3H-4)を用い、平版オフセットプロセスインキを使用して4色印刷を印刷用塗工紙の片面に行った。印刷には、各色ベタ画像、人物写真画像、風景写真画像及び文字画像をランダムに配置した評価用画像を用いた。インキ乾燥性は、印刷1時間後に印刷用塗工紙の印刷部に上質紙を押し当ててインキの転移及び印刷部で画像の乱れの有無を目視で観察して、下記の基準で評価した。
本発明において、印刷用塗工紙は、3又は4の評価であればインキ乾燥性に優れるものとする。
4:インキの転移が認められない。印刷部で画像の乱れが認めらない。
3:インキの転移が極僅かに認められる。印刷部で画像の乱れが認められない。
2:インキの転移が僅かに認められる。僅かに印刷部で画像の乱れが認められる。
1:インキの転移が認められる。印刷部で画像の乱れが認められる。
オフセット印刷機(三菱重工社製ダイヤ3H-4)を用い、平版オフセットプロセスインキを使用してブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各単色、並びにブラックインキを除く他の3色インキでの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、3cm×3cm四方で横一列に並べた評価画像を印刷用塗工紙に印刷した。各色ベタ画像の印刷部に対してモットリングの発生状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。本発明において、印刷用塗工紙は、3~5の評価であればモットリングが抑えられたものとする。
5:モットリングが認められず、極めて良好。
4:色により部分的に極僅かにモットリングが認められるが、良好。
3:色により極僅かにモットリングが認められるが、概ね良好。
2:色により僅かにモットリングが認められるが、実用上問題はない程度。
1:モットリングが認められる。
印刷用塗工紙をA4サイズ(210mm×297mm)に裁断した。長辺方向を紙のMD(Machine Direction)にした。A4サイズの印刷用塗工紙を20枚重ね、長辺の一方をホチキスで3箇所(上端・中央・下端)を綴じて冊子とした。前記冊子を10部作製して10人の被験者に渡し、手肉感を下記の基準で評価した。最終的な点数は、10人の評価結果を平均して小数点以下を四捨五入した。本発明において、印刷用塗工紙は、3~5の評価であれば手肉感を有するものとする。
5:しっとり感及びしっかり感が認められる。
4:しっとり感及びしっかり感の一方が認めらかつ他方が幾分認められる。
3:しっとり感及びしっかり感が幾分認められる。
2:しっかり感又はしっとり感が認められない。
1:しっかり感及びしっとり感が認められない。
Claims (1)
- パルプ及び填料を含有する基紙と、前記基紙の両面に白色顔料及びバインダーを含有する塗工層とを有し、前記白色顔料が炭酸カルシウム及びカオリンを少なくとも含み、個々の塗工層においてカオリンの含有量が前記塗工層中の白色顔料100質量部に対して10質量部以上50質量部以下であり、前記バインダーが尿素燐酸エステル化澱粉及びスチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体を少なくとも含み、ISO5636-6:2015に準じて求められる透気度(秒)を坪量で除した比透気度が36(秒/坪量)以上65(秒/坪量)以下であるマットタイプの印刷用塗工紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020049339A JP7232787B2 (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 印刷用塗工紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020049339A JP7232787B2 (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 印刷用塗工紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021147726A JP2021147726A (ja) | 2021-09-27 |
JP7232787B2 true JP7232787B2 (ja) | 2023-03-03 |
Family
ID=77847753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020049339A Active JP7232787B2 (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 印刷用塗工紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7232787B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004143624A (ja) | 2002-10-24 | 2004-05-20 | Hokuetsu Paper Mills Ltd | 印刷用嵩高塗工紙 |
JP2010090501A (ja) | 2008-10-07 | 2010-04-22 | Daio Paper Corp | 印刷用塗工紙及び印刷用塗工紙の製造方法 |
JP2012117185A (ja) | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Daio Paper Corp | 塗工紙 |
JP2015209614A (ja) | 2014-04-28 | 2015-11-24 | 北越紀州製紙株式会社 | オフセット印刷用塗工紙の製造方法及びオフセット印刷用塗工紙 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2516739B2 (ja) * | 1985-02-25 | 1996-07-24 | 日本ピー・エム・シー 株式会社 | 紙用塗工組成物の製造方法 |
JP2537238B2 (ja) * | 1987-07-27 | 1996-09-25 | 三井東圧化学株式会社 | 輪転オフセット印刷用紙用顔料塗被液組成物 |
JP3177293B2 (ja) * | 1992-04-17 | 2001-06-18 | 三井化学株式会社 | 塗工紙用組成物及び塗工紙 |
-
2020
- 2020-03-19 JP JP2020049339A patent/JP7232787B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004143624A (ja) | 2002-10-24 | 2004-05-20 | Hokuetsu Paper Mills Ltd | 印刷用嵩高塗工紙 |
JP2010090501A (ja) | 2008-10-07 | 2010-04-22 | Daio Paper Corp | 印刷用塗工紙及び印刷用塗工紙の製造方法 |
JP2012117185A (ja) | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Daio Paper Corp | 塗工紙 |
JP2015209614A (ja) | 2014-04-28 | 2015-11-24 | 北越紀州製紙株式会社 | オフセット印刷用塗工紙の製造方法及びオフセット印刷用塗工紙 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021147726A (ja) | 2021-09-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7776435B2 (en) | Electrophotographic transfer paper | |
JP2007197879A (ja) | 塗工紙 | |
JP2006249607A (ja) | 印刷用艶消し塗被紙 | |
JP7232787B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP6414356B1 (ja) | 塗工板紙の製造方法 | |
JP2007101917A (ja) | 電子写真用転写紙 | |
JP6633251B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP3404736B2 (ja) | 艶消し塗工紙の製造方法 | |
JP7232786B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2016191164A (ja) | 塗工白板紙 | |
JP4873973B2 (ja) | グラビア印刷用塗工紙の製造方法及びその塗工紙 | |
JP6389371B2 (ja) | 塗工白板紙 | |
JP2023121212A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2023121210A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2004300605A (ja) | 艶消し塗工紙 | |
JP6841791B2 (ja) | 非塗工紙 | |
JP2024039540A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2004277975A (ja) | 嵩高な艶消し塗工紙およびその製造方法 | |
JP2017057528A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
WO2019244970A1 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
TW202104723A (zh) | 印刷用塗佈紙 | |
JP2024034577A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2020076163A (ja) | 塗工紙 | |
JP2020200562A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2023121211A (ja) | 両面印刷用塗工紙 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220121 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20221227 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230220 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7232787 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |