JP2020076163A - 塗工紙 - Google Patents

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淳 浦崎
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Abstract

【課題】課題は、印刷適性及びホログラフィー効果を有する塗工紙を提供することである。【解決手段】課題は、原紙と、前記原紙上に白色顔料及びバインダーを少なくとも含有する1層の塗工層とからなる塗工紙であって、前記白色顔料の少なくとも一種が中空有機顔料であり、前記塗工層の表面がエンボス加工部位を有し、及び塗工層の厚さが5μm以上である塗工紙によって達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、印刷が可能であって、ホログラフィー効果を発現するエンボス加工部位を塗工層に有する塗工紙に関する。
マイクロエンボス加工によって微細な凹凸をシート表面に形成すると、干渉光によってホログラフィー効果を有することが公知である(例えば、非特許文献1参照)。そして、ホログラフィーパターンを含む印刷が可能なマイクロエンボス加工が施されたシートが公知である(例えば、特許文献1及び2参照)。これらシートは、ホログラフィー効果を発現するようなマイクロエンボス加工部位を有する。
商業印刷物の生産は、オフセット印刷機を用いる印刷が主流である。オフセット印刷は平版印刷ともいわれ、平版にインキと給湿液と供給して印刷する方式である。
特開2014−530815号公報 米国特許第5756183号明細書
「多様なホログラム」(植田健治著、日本印刷学会誌、第40巻第2号、23〜26頁、2003年)
エンボス加工によってホログラフィー効果を得るためには、樹脂層を設けて該樹脂層にエンボス加工する方法、箔押しによりエンボス加工面を付与して形成する方法が一般的である。原紙と、前記原紙上に白色顔料及びバインダーを少なくとも含有する1層の塗工層とからなる塗工紙において、ホログラフィー効果を発現するような微細な凹凸を塗工層に有するようなものは存在しない。理由は、原紙の低い平滑性によって、エンボス加工によって有効な凹凸が形成され難いためである。すなわち、干渉光を生じるような面状に整った凹凸が得られない。そのために、ホログラフィー効果が発現しない場合が多い。又はホログラフィー効果を発現できても、印刷後では、インキや給湿液の影響によって凹凸が崩れてホログラフィー効果が消滅する場合が多い。従来は、樹脂層及び箔押しによって面状に整った凹凸を得ている。
特許文献1のシートでは非水溶性の熱可塑性ビヒクルを多く含む層によって、特許文献2のシートでは架橋されたシーリング層によって、ホログラフィー効果が発現するエンボス加工を達成する。しかしながら、これらシートは、熱可塑性ビヒクルを多く含む層及び架橋されたシーリング層によってむしろ印刷時のインキ乾燥性が悪く、その結果、商業印刷として印刷適性に問題がある。例えば、インキ乾燥性が低下すると、インキ汚れが発生し易い。また、インキ乾燥性が悪いと、商業印刷として生産性に劣って好ましくない。
上記を鑑みて本発明の目的は、下記の項目を有する塗工紙を提供することである。
(1)商業印刷として印刷が可能であること(印刷適性)
(2)印刷前にホログラフィー効果を有すること(前ホログラフィー性)
(3)印刷後にホログラフィー効果を有すること(後ホログラフィー性)
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明の目的は、以下により達成される。
[1]原紙と、前記原紙上に白色顔料及びバインダーを少なくとも含有する1層の塗工層とからなる塗工紙であって、前記白色顔料の少なくとも一種が中空有機顔料であり、前記塗工層の表面がエンボス加工部位を有し、及び塗工層の厚さが5μm以上である塗工紙。
[2]ISO8254−1:2009の規定に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度が40%以上である前記[1]に記載の塗工紙。
[3]塗工層中の前記中空有機顔料の含有量が、塗工層中の白色顔料100質量部に対して8質量部以上30質量部以下である前記[1]又は前記[2]に記載の塗工紙。
本発明により、印刷適性、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性を有する塗工紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、「塗工層」とは、用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に、原紙と区別できる明確な領域を有する場合、当該領域を指す。例えば、樹脂成分やポリマー成分を塗工し、塗工された前記成分が少量であって原紙に吸収され、結果として、用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に原紙と区別できる明確な領域を有しない場合、「塗工層」は無となる。
原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、及びDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも一種のパルプに、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらにサイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン性樹脂又は多価陽イオン塩などのカチオン化剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。さらに原紙には、抄造紙にカレンダー処理、澱粉やポリビニルアルコール等で表面サイズ処理あるいは表面処理等を施した上質紙が含まれる。さらに原紙には、表面サイズ処理あるいは表面処理を施した後にカレンダー処理した上質紙が含まれる。
抄造は、紙料を酸性、中性又はアルカリ性に調整して、従来公知の抄紙機を用いて行われる。抄紙機の例としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機などを挙げることができる。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの一種又は二種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
塗工層は、白色顔料及びバインダーを少なくとも含有する塗工層塗工液を塗工及び乾燥することによって原紙上に設けることができる。塗工層は、原紙上の片面に又は両面に設けることができる。塗工層を原紙の片面に設ける場合は、原紙において塗工層を有する側とは反対側に従来公知のバックコート層を有してよい。
原紙上に塗工層を設ける方法は特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて塗工層塗工液を塗工及び乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、コンマコーター、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
塗工層は、エンボス加工を受ける前に、カレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
塗工層は、エンボス加工を受ける前に、キャスト処理を施すことができる。
キャスト処理とは、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面に圧着することによって、鏡面形状を塗工層の表面に転写すると共に塗工層から水分を乾燥除去して、塗工層に光沢を付与する処理をいう。キャスト処理に使用する装置は通常、表面がクロムメッキされたシリンダーの表面に、弾性ロールを用いて連続的に塗工紙を圧着する構造の装置である。キャスト処理の方式は、塗工層塗工液を塗工後一旦乾燥させてから再度水分を付与し、その後キャスト装置の鏡面に圧着するリウェット法、塗工層塗工液を塗工後に乾燥させずそのままキャスト装置の鏡面に圧着するいわゆる直接法などを例示することができる。ただし、キャスト処理の方式は、これらの方式に限定されない。
塗工紙は、塗工紙の塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位において、ISO8254−1:2009の規定に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度が40%以上であることが好ましい。ここで、塗工紙の塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位が白紙光沢度40%以上であることは、エンボス加工前において塗工紙の塗工層を有する側が白紙光沢度40%以上であることに相当する。好ましい理由は、白紙光沢度が40%以上であると、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性が良化するからである。
塗工紙は、原紙のカレンダー処理、塗工層の塗工量とカレンダー処理及び/又はキャスト処理とによって、あるいは塗工層中の白色顔料の種類及び含有量によって、塗工紙の塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位において、ISO8254−1:2009の規定に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度が40%以上にすることができる。
塗工紙は、塗工紙の塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位において塗工層の厚さが5μm以上である。塗工層の厚さが5μm未満であると、後記のエンボス加工によって前ホログラフィー性を有する凹凸が形成できない。塗工層の厚さは、片面あたりであって、塗工紙の塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位において測定される塗工層の値である。ここで、エンボス加工後のエンボス未加工部位において測定される塗工層の厚さが5μm以上であることは、エンボス加工前において塗工層の厚さが5μm以上であることに相当する。塗工層の厚さは、塗工層塗工液の塗工量により、又は塗工層のカレンダー処理若しくはキャスト処理によって調整できる。なお、塗工量は、材料コストの増加に影響するために少ない方が好ましい。
塗工紙分野の経験則から大抵は、塗工層塗工液の乾燥固形分量による片面あたり塗工量が5g/mであれば、該塗工層の厚さが約5μmになる。塗工層の厚さ5μm以上は、塗工層塗工液の乾燥固形分量による片面あたり塗工量を5g/m以上とし、必要に応じて、塗工層のカレンダー処理又はキャスト処理によって得ることができる。
塗工層の厚さの上限は、特に限定されない。塗工層の強度の点から、片面あたり40μm以下が好ましい。塗工層の厚さが40μmを超えると、オフセット印刷機に対する耐刷性に劣る場合があり、またエンボス加工が困難になってむしろホログラフィー効果が低下する場合がある。
エンボス加工する方法は、特許文献1及び特開2001−262497号公報に記載されるが如く、公知である。例えば、エンボス加工は、所望のエンボスパターンを構成する凸構造が設置されたエンボスロールとラバーなどの弾性体ロール又は金属ロールとの間に紙を通し、エンボスパターンを型押しすることによって達成できる。ここで、エンボスロールのエンボス高さ、押し込み量、押し込み圧を変更することによって紙に形成されるエンボス高さ調整することができる。
エンボス加工で得られる凹凸の大きさは、ホログラフィー効果を発現する微細な凹凸であればよく、限定されない。非特許文献1に記載されるが如く、樹脂層及び箔押しの場合にホログラフィー効果を得る条件は、ホログラフィー層の厚さが1μm〜2μmの程度で、形成される典型的な凹凸は数十nm〜100nmである。紙でホログラフィー効果を得るためには、発明者らの経験から凹凸のある程度の変形を考慮して、塗工層の厚さが5μm以上とし、エンボス加工で形成された凹凸が段差が1μm〜3μmであることが好ましい。エンボス加工で得られる凹凸のピッチは、ホログラフィー効果を発現する程度であり、限定されない。樹脂層及び箔押しの場合にホログラフィー効果を得る場合のピッチは数μm〜十数μmであるから、紙でホログラフィー効果を得るためにピッチは、発明者らの経験から凹凸のある程度の変形を考慮して、その10μm前後であることが好ましい。
塗工層は、白色顔料を含有する。
白色顔料は、塗工紙分野で従来公知の白色顔料である。白色顔料の例としては、重質炭酸カルシウム、各種軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、マイカ、タルク、板状硫酸バリウム、板状水酸化マグネシウム、サチンホワイト、リトポン、二酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、天然シリカ、乾式合成シリカ、湿式合成シリカ、密実有機顔料、中空有機顔料、お椀型有機顔料及び金平糖型有機顔料などの各種有機顔料、並びにこれらを変性した顔料、並びにこれら二種以上の複合体などを挙げることができる。白色顔料は、これらからなる群から選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。
白色顔料の少なくとも一種は中空有機顔料である。
塗工層における中空有機顔料の含有量は、塗工層の白色顔料100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、8質量部以上であることがより好ましい。この理由は、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性が良化するからである。中空有機顔料の含有量の上限は、特に限定されない。しかしながら、中空有機顔料を塗工層が過剰に含有する場合、塗工層は、傷及び凹みが付き易くなる傾向にある。この理由により、中空有機顔料の含有量は、塗工層の白色顔料100質量部に対して40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。塗工層における中空有機顔料の含有量は、塗工層の白色顔料100質量部に対して8質量部以上30質量部以下であることがさらに好ましい。中空有機顔料のレーザー回折・散乱法の粒度分布測定装置を用いて測定される体積基準による平均粒子径は、0.3μm以上4μm以下であることが好ましく、0.5μm以上1.5μm以下であることがより好ましい。また、中空有機顔料の中空率は、30体積%以上90体積%以下であることが好ましく、40体積%以上60体積%以下であることがより好ましい。これらの理由は、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性が良化するからである。
中空有機顔料は従来公知のものである。中空有機顔料は、材料により熱硬化性樹脂製及び熱可塑性樹脂製が存在し、これらのいずれであってもよい。中空有機顔料は、種々の方法によって製造できる。中空有機顔料は、例えば、特公昭36−9168号公報及び同37−14327号公報に開示されるように、水に不溶の非重合性有機溶剤の存在下において懸濁重合または乳化重合を実施することにより、該溶剤を内孔中に含有する有機粒子を得て、この有機粒子から内包物を除去する方法、特開昭61−87734号公報に開示されるように、親水性モノマー、架橋性モノマー及び油性物質が共存する分散液を懸濁重合または乳化重合を実施することにより、該油性物質を内孔中に含有する有機粒子を得て、この有機粒子から油性物質を除去する方法、特開平9−19635号公報に開示されるように、ブタン又はペンタンなどの揮発性物質を封入したマイクロカプセルを加熱し、揮発性物質をガス化膨張させることにより中空有機粒子を得る方法、特開昭56−32513号公報に開示されるように、アルカリ膨潤性のコア部とそれを覆うシェル部とからなる重合体粒子に塩基性物質を作用させて該コア部を膨潤及び膨張させることにより乾燥時に中空を形成する方法、特開平2−173101号公報に開示されるように、コア部が酢酸ビニル重合体からなるコア/シェル型重合体の該コア部を加水分解する方法などを挙げることができる。ただし、これらの方法に限定されない。
また、中空有機顔料は、例えば、ダウ・ケミカル日本社、JSR社、日本ゼオン社、松本油脂製薬社、積水化学工業社、日本フィライト社などから市販される。
塗工層は、バインダーを含有する。
塗工層におけるバインダーの含有量は、塗工層の白色顔料100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
バインダーは、塗工紙分野で従来公知のバインダーである。バインダーの例としては、スチレン−ブタジエン系及びエチレン−酢酸ビニル系などの各種共重合体、アクリル酸系樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリア及びメラミンなどのホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、並びにポリアミドポリアミンなどの水溶性合成樹脂を挙げることができる。またバインダーの例としては、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉及びそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースなどの天然多糖類、並びにそれらの変性体を挙げることができる。またバインダーの例としては、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白及びコラーゲンなどの天然タンパク質及びそれらの変性体、ポリ乳酸及びポリペプチドなどの合成高分子を挙げることができる。バインダーは、これらからなる群から選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。
塗工層は、白色顔料及びバインダー以外に必要に応じて、増粘剤、分散剤、消泡剤、界面活性剤、pH調整剤、耐水化剤、着色剤など塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。
エンボス加工によってホログラフィー効果を得るためには、樹脂層を設けて該樹脂層にエンボス加工する方法、箔押しによりエンボス加工面を付与して形成する方法が一般的である。しかしながら、これらの方法では、従来から商業印刷に使用される塗工紙から構造が異なるばかりか古紙資源として不向きとなり、加えて塗工紙の製造コスト的にも不利である。従来から商業印刷に使用される塗工紙には、ホログラフィー効果を得るための凹凸を形成することが困難である。この理由は、原紙の低い平滑性によって、エンボス加工によって有効な凹凸が形成され難いから、またエンボス加工によって形成した凹凸が維持されずに崩れるからである。
本発明は、樹脂層を設けて該樹脂層にエンボス加工する方法又は箔押しによりエンボス加工面を付与して形成する方法に因らず、従来から商業印刷に使用される塗工紙に近い構造でありながら、ホログラフィー効果を発現することができる塗工紙を見出したものである。すなわち、塗工紙は、白色顔料及びバインダーを少なくとも含有する塗工層が特定の厚さと中空有機顔料の含有とによって、印刷適性及びホログラフィー効果を有することができる。
この理由について発明者らは、中空有機顔料の変形する作用効果によって、塗工層の特定厚中で中空有機顔料を含有する塗工層がエンボス加工によって、従来に無くホログラフィー効果を発現するような微細な凹凸を上手く形成すると考える。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」及び「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」及び「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<原紙>
濾水度420mlcsfのLBKP80質量部及び濾水度450mlcsfのNBKP20質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム9質量部、カチオン化澱粉1質量部、硫酸バンド1質量部及びアルキルケテンダイマー型サイズ剤0.05質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で酸化澱粉を片面あたり1.5g/mになるよう両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙を作製した。
<塗工層塗工液>
水を媒体として、下記の配合で塗工層塗工液を調製した。
カオリン 部数は表1に記載
重質炭酸カルシウム 部数は表1に記載
市販の有機顔料 平均粒子径、中空率及び部数は表1に記載
スチレン−ブタジエン系共重合体 9質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度99.5モル%、平均重合度1200)
1質量部
ステアリン酸カルシウム 0.5質量部
pH調整剤 適宜
上記の内容で配合し、水で混合及び分散して、濃度43質量%に調整した。
<塗工紙>
塗工紙を以下の手順にて作製した。
原紙上に塗工層塗工液をブレードコーターにて両面塗工し、その後に乾燥した。さらに乾燥後に、カレンダー処理を施した。
<エンボス加工>
エンボスパターンを構成する凸構造が設置されたエンボスロールとラバーロールとの間に塗工紙を通し、エンボスパターンを型押しすることによって行った。エンボスパターンは、3mm×3mmの面積に太さ6μmの線が間隔6μm及び段差3μmのストライプ形状とし、3mm×3mmのエンボス加工部位を面積率50面積%でランダムな向き及び位置に配置した模様とした。
塗工層の厚さは表1に記載する。また、塗工紙の塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位の白紙光沢度は、ISO8254−1:2009の規定に基づいて入射・受光角75度で測定した。白紙光沢度を表1に記載する。
<前ホログラフィー性>
前ホログラフィー性は、印刷する前の白紙状態である塗工紙を観察することで行った。上記のように得られたエンボス加工部位を有する塗工紙に対して、室内照明下で目視にて観察してホログラフィー効果の視認程度を下記の基準で評価した。本発明において、2、3又は4の評価であれば、塗工紙は、前ホログラフィー性を有するものとする。
4:良好にホログラフィー効果が認められる。
3:概ね良好にホログラフィー効果が認められる。
2:微かにホログラフィー効果が認められる。
1:ホログラフィー効果が認められない。
<印刷適性>
印刷適性は、オフセット印刷機を用いて実施した。枚葉オフセット印刷機(三菱重工社製DAIYA3H)を用いて、6000枚/時間の印刷速度で2000枚の印刷を行い、印刷後、画像部分のインクの抜け、画像部分の滲み及び画像部分の汚れの観点から印刷サンプルの状態を目視で観察し、印刷適性の有無を評価した。
<後ホログラフィー性>
後ホログラフィー性は、オフセット印刷後の画像部分に存在するエンボス加工部位を有する塗工紙を観察することで行った。印刷された画像部分に存在するエンボス加工部位を有する塗工紙に対して、室内照明下で目視にて観察してホログラフィー効果の視認程度を下記の基準で評価した。本発明において、2、3又は4の評価であれば、塗工紙は、後ホログラフィー性を有するものとする。
4:良好にホログラフィー効果が認められる。
3:概ね良好にホログラフィー効果が認められる。
2:微かにホログラフィー効果が認められる。
1:ホログラフィー効果が認められない。
各実施例及び各比較例は全て印刷適性を有していた。また、各実施例及び各比較例の前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性の評価結果を表1に示す。
Figure 2020076163
表1の結果から、本発明に該当する実施例1〜20は、印刷適性を有し、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性を有することが分かる。本発明の構成を満足しない比較例1〜3は、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性を有しないことが分かる。
また主に、実施例2〜5及び10〜12と実施例9との対比から、白紙光沢度が40%以上が好ましいと分かる。また主に、実施例1及び5と実施例2〜4との対比から、塗工層中の中空有機顔料の含有量が塗工層中の白色顔料100質量部に対して8質量部以上30質量部以下が好ましいと分かる。さらに、実施例3及び実施例15〜20と実施例13及び実施例14との対比から、中空有機顔料の平均粒子径が0.5μm以上4μm以下が好ましいと分かる。さらにまた、実施例3及び実施例15〜19と実施例13、実施例14及び実施例20との対比から、中空有機顔料の中空率が40体積%以上60体積%以下が好ましいと分かる。
本発明のホログラフィー効果を有する塗工紙は、光学的なデザイン性を有するポストカード、書籍及びカタログなどの表紙などに活用できる。ホログラフィー効果を有する塗工紙をコピー用紙にコピーした後のコピー用紙にはホログラフィー効果を発現しないことから、本発明の塗工紙は、各種チケットなどの偽造防止に活用できる。

Claims (3)

  1. 原紙と、前記原紙上に白色顔料及びバインダーを少なくとも含有する1層の塗工層とからなる塗工紙であって、前記白色顔料の少なくとも一種が中空有機顔料であり、前記塗工層の表面がエンボス加工部位を有し、及び塗工層の厚さが5μm以上である塗工紙。
  2. ISO8254−1:2009の規定に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度が40%以上である請求項1に記載の塗工紙。
  3. 塗工層中の前記中空有機顔料の含有量が、塗工層中の白色顔料100質量部に対して8質量部以上30質量部以下である請求項1又は2に記載の塗工紙。
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