JP2020076165A - 塗工紙 - Google Patents

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高田  秀樹
応昇 名越
Osho Nagoshi
応昇 名越
淳 浦崎
Atsushi Urasaki
淳 浦崎
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Abstract

【課題】課題は、印刷適性が良好で、ホログラフィー効果を有する塗工紙を提供することである。【解決手段】課題は、原紙と塗工層とを有する塗工紙であって、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が白色顔料及びバインダーを少なくとも含有し、前記白色顔料として平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下の重質炭酸カルシウムを最外塗工層の白色顔料100質量部に対して80質量部以上含み、前記最外塗工層の表面がエンボス加工部位を有し、及び最外塗工層を含む塗工層全体の厚さが5μm以上である塗工紙によって達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、印刷が可能であって、ホログラフィー効果を発現するエンボス加工部位を塗工層に有する塗工紙に関する。
マイクロエンボス加工によって微細な凹凸をシート表面に形成すると、干渉光によってホログラフィー効果を有することが公知である(例えば、非特許文献1参照)。そして、ホログラフィーパターンを含む印刷が可能なマイクロエンボス加工が施されたシートが公知である(例えば、特許文献1及び2参照)。これらシートは、ホログラフィー効果を発現するようなマイクロエンボス加工部位を有する。
商業印刷物の生産は、オフセット印刷機を用いる印刷が主流である。オフセット印刷は平版印刷ともいわれ、平版にインキと給湿液と供給して印刷する方式である。
特開2014−530815号公報 米国特許第5756183号明細書
「多様なホログラム」(植田健治著、日本印刷学会誌、第40巻第2号、23〜26頁、2003年)
エンボス加工によってホログラフィー効果を得るためには、樹脂層を設けて該樹脂層にエンボス加工する方法、箔押しによりエンボス加工面を付与して形成する方法が一般的である。原紙と、前記原紙上に白色顔料及びバインダーを少なくとも含有する1層の塗工層とからなる塗工紙において、ホログラフィー効果を発現するような微細な凹凸を塗工層に有するようなものは存在しない。理由は、原紙の低い平滑性によって、エンボス加工によって有効な凹凸が形成され難いためである。すなわち、干渉光を生じるような面状が整った凹凸が得られない。そのために、ホログラフィー効果が発現しない場合が多い。又はホログラフィー効果を発現できても、印刷後では、インキや給湿液の影響によって凹凸が崩れてホログラフィー効果が消滅する場合が多い。従来は、樹脂層及び箔押しによって面状に整った凹凸を得ている。
特許文献1のシートでは非水溶性の熱可塑性ビヒクルを多く含む層によって、特許文献2のシートでは架橋されたシーリング層によって、ホログラフィー効果が発現するエンボス加工を達成する。しかしながら、これらシートは、熱可塑性ビヒクルを多く含む層及び架橋されたシーリング層によってむしろ印刷時のインキ乾燥性が悪く、その結果、商業印刷として印刷適性に問題がある。例えば、インキ乾燥性が低下すると、インキ汚れが発生しやすい。また、インキ乾燥性が悪いと、商業印刷として生産性に劣って好ましくない。
上記を鑑みて本発明の目的は、下記の項目を満足する塗工紙を提供することである。
(1)商業印刷として良好に印刷が可能であること(印刷適性)
(2)印刷前にホログラフィー効果を有すること(前ホログラフィー性)
(3)印刷後にホログラフィー効果を有すること(後ホログラフィー性)
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明の目的は、以下により達成される。
[1]原紙と塗工層とを有する塗工紙であって、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が白色顔料及びバインダーを少なくとも含有し、前記白色顔料として平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下の重質炭酸カルシウムを最外塗工層の白色顔料100質量部に対して80質量部以上含み、前記最外塗工層の表面がエンボス加工部位を有し、及び最外塗工層を含む塗工層全体の厚さが5μm以上である塗工紙。
[2]ISO8254−1:2009の規定に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度が40%以上である前記[1]に記載の塗工紙。
本発明により、印刷適性、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性を満足する塗工紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、「塗工層」とは、用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に、原紙と区別できる明確な領域を有する場合、当該領域を指す。例えば、樹脂成分やポリマー成分を塗工し、塗工された前記成分が少量であって原紙に吸収され、結果として、用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に原紙と区別できる明確な領域を有しない場合、「塗工層」は無となる。
原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、及びDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも一種のパルプに、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらにサイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン性樹脂又は多価陽イオン塩などのカチオン化剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。さらに原紙には、抄造紙にカレンダー処理、澱粉やポリビニルアルコールなどで表面サイズ処理あるいは表面処理などを施した上質紙が含まれる。さらに原紙には、表面サイズ処理あるいは表面処理を施した後にカレンダー処理した上質紙が含まれる。
抄造は、紙料を酸性、中性又はアルカリ性に調整して、従来公知の抄紙機を用いて行われる。抄紙機の例としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機などを挙げることができる。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの一種又は二種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
塗工層は、白色顔料及びバインダーを少なくとも含有する塗工層塗工液を塗工及び乾燥することによって原紙上又は下位の塗工層上に設けることができる。塗工層は、原紙の片面に又は両面に設けることができる。塗工層は1層又は2層以上である。本発明においては、原紙を基準として最外に位置する塗工層を最外塗工層という。塗工層が1層の場合は該塗工層が最外塗工層になる。塗工層が2層以上の場合、原紙と最外塗工層との間に存在する塗工層は、白色顔料の有無及び種類、バインダーの有無及び種類並びに各種添加剤の各々有無及び種類について特に限定しない。
原紙上に塗工層を設ける方法は特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて塗工層塗工液を塗工及び乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、コンマコーター、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機の各種乾燥装置を挙げることができる。
塗工層は、エンボス加工を受ける前に、カレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
塗工層は、エンボス加工を受ける前に、キャスト処理を施すことができる。
キャスト処理とは、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面に圧着することによって、鏡面形状を塗工層の表面に転写すると共に塗工層から水分を乾燥除去して、塗工層に光沢を付与する処理をいう。キャスト処理に使用する装置は通常、表面がクロムメッキされたシリンダーの表面に、弾性ロールを用いて連続的に塗工紙を圧着する構造の装置である。キャスト処理の方式は、塗工層塗工液を塗工後一旦乾燥させてから再度水分を付与し、その後キャスト装置の鏡面に圧着するリウェット法、塗工層塗工液を塗工後に乾燥させずそのままキャスト装置の鏡面に圧着するいわゆる直接法などを例示することができる。ただし、キャスト処理の方式は、これらの方式に限定されない。
塗工紙は、塗工紙の最外塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位において、ISO8254−1:2009の規定に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度が40%以上であることが好ましい。ここで、塗工紙の最外塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位が白紙光沢度40%以上であることは、エンボス加工前において塗工紙の最外塗工層を有する側が白紙光沢度40%以上であることに相当する。好ましい理由は、白紙光沢度が40%以上であると、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性が良化するからである。
塗工紙は、原紙のカレンダー処理、塗工層の塗工量とカレンダー処理及び/又はキャスト処理とによって、あるいは塗工層中の白色顔料の種類及び含有量によって、塗工紙の最外塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位において、ISO8254−1:2009の規定に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度を40%以上にすることができる。
塗工紙は、塗工紙の最外塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位において最外塗工層を含む塗工層全体の厚さが5μm以上である。塗工層全体の厚さが5μm未満であると、後記のエンボス加工によって前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性を有する凹凸が形成できない。塗工層全体の厚さは、片面あたりであって、塗工層が1層で最外塗工層のみの場合、最外塗工層に関する値であり、塗工層が2層以上の場合、最外塗工層を含む塗工層全体に関する値である。塗工層全体の厚さは、塗工紙の最外塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位において測定される値である。ここで、エンボス加工後のエンボス未加工部位において測定される塗工層の厚さが5μm以上であることは、エンボス加工前において塗工層の厚さが5μm以上であることに相当する。塗工層の厚さは、塗工層塗工液の塗工量により、又は塗工層のカレンダー処理若しくはキャスト処理によって調整できる。なお、塗工量は、材料コストの増加に影響するために少ない方が好ましい。
塗工紙分野の経験則から大抵は、塗工層塗工液の乾燥固形分量による片面あたり塗工量が5g/mであれば、該塗工層の厚さが約5μmになる。塗工層の厚さ5μm以上は、塗工層塗工液の乾燥固形分量による片面あたり塗工量を5g/m以上とし、必要に応じて、塗工層のカレンダー処理又はキャスト処理によって得ることができる。
塗工層全体の厚さの上限は、特に限定されない。塗工層の強度の点から、片面あたり40μm以下が好ましい。塗工層全体の厚さが40μmを超えると、オフセット印刷機に対する耐刷性に劣る場合があり、またエンボス加工が困難になってむしろホログラフィー効果が低下する場合がある。
エンボス加工する方法は、特許文献1及び特開2001−262497号公報に記載されるが如く、公知である。例えば、エンボス加工は、所望のエンボスパターンを構成する凸構造が設置されたエンボスロールとラバーなどの弾性体ロール又は金属ロールとの間に紙を通し、エンボスパターンを型押しすることによって達成できる。ここで、エンボスロールのエンボス高さ、押し込み量、押し込み圧を変更することによって紙に形成されるエンボス高さを調整することができる。
エンボス加工で得られる凹凸の大きさは、ホログラフィー効果を発現する微細な凹凸であればよく、限定されない。非特許文献1に記載されるが如く、樹脂層及び箔押しの場合にホログラフィー効果を得る条件は、ホログラフィー層の厚さが1μm〜2μmの程度で、形成される典型的な凹凸は数十nm〜100nmである。紙でホログラフィー効果を得るためには、発明者らの経験から凹凸のある程度の変形を考慮して、塗工層全体の厚さが5μm以上とし、エンボス加工で形成された凹凸が段差が1μm〜3μmであることが好ましい。エンボス加工で得られる凹凸のピッチは、ホログラフィー効果を発現する程度であり、限定されない。樹脂層及び箔押しの場合にホログラフィー効果を得る場合のピッチは数μm〜十数μmであるから、紙でホログラフィー効果を得るためにピッチは、発明者らの経験から凹凸のある程度の変形を考慮して、10μm前後であることが好ましい。
最外塗工層は、白色顔料として平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下の重質炭酸カルシウムを含有する。重質炭酸カルシウムの平均粒子径が0.3μmより大きい場合、エンボス加工によって最外塗工層に形成された凹凸が変形しやすくなって、その結果、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性を得ることができない。重質炭酸カルシウムの平均粒子径が0.1μmより小さい場合、印刷時のインキ乾燥性が低下して、結果として印刷適性に劣る。
白色顔料の平均粒子径は、単粒子の場合は単粒子の平均粒子径であり、二次粒子など凝集粒子を形成する場合は凝集粒子の平均粒子径である。重質炭酸カルシウムの平均粒子径は、塗工紙となった状態から求めることができる。例えば、平均粒子径は、エネルギー分散形X線分光器などの元素分析機能付走査型電子顕微鏡を用いて最外塗工層表面の電子顕微鏡写真を撮影し、撮影された重質炭酸カルシウムの粒子を投影面積が近似する球形と見なして粒子径を計算し、撮影画像内に存在する任意の100個の重質炭酸カルシウム粒子対して測定し、100個の粒子径の平均値として算出することができる。
平均粒子径は、レーザー回折・散乱法又は動的光散乱法によって得られる粒度分布から求めることができる。平均粒子径は、レーザー回折・散乱法又は動的光散乱法を用いた体積を基準とした粒度分布から算出される値である。レーザー回折・散乱法の装置は、例えば、日機装社製レーザー回折・散乱式粒度分布測定器Microtrac MT3300EXIIを挙げることができる。
本発明の平均粒子径を有する重質炭酸カルシウムは、例えば、次に示す方法で製造することができる。
先ず、天然石灰石を乾式粉砕し得られた粉体を、水又は分散剤を添加した水溶液に分散させた重質炭酸カルシウムの予備分散スラリーを調製する。このようにして調製した予備分散スラリーを、さらに、ビーズミル等を用い湿式粉砕する。ここで、天然石灰石を直ちに湿式粉砕することもできる。しかし、生産性の点から、湿式粉砕に先立って予め乾式粉砕することが好ましい。乾式粉砕では、石灰石の粒子径を4mm以下、好ましくは平均粒子径を2μm以上2mm以下の程度に粉砕しておくことがよい。湿式粉砕では、途中段階で適宜整粒を行い、粒度分布が狭くなるように整えることが好ましい。整粒は、市販の整粒機によって実施することができる。
分散剤を添加する場合、分散剤は、例えば、水溶性アニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール型又は多価アルコール型非イオン界面活性剤を挙げることができる。分散剤は、サンノプコ社、東亞合成社、花王社等から市販されており、本発明に用いることができる。分散剤の添加量は特に限定されない。好ましい分散剤の添加量は、重質炭酸カルシウム100質量部当たり固形分として0.3質量部以上3.5質量部以下である。
最外塗工層は、重質炭酸カルシウム以外に、塗工紙分野で従来公知の白色顔料を含有することができる。従来公知の白色顔料は、例えば、各種軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、サチンホワイト、リトポン、二酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、天然シリカ、乾式合成シリカ及び湿式合成シリカなどの無機白色顔料、密実有機顔料、中空有機顔料、お椀型有機顔料及び金平糖型有機顔料などの有機白色顔料、並びにこれらを変性した白色顔料、並びにこれら二種以上の複合体の白色顔料などを挙げることができる。白色顔料は、これらからなる群から選ばれる一種又は二種以上を、重質炭酸カルシウムと併用して含有することができる。
最外塗工層は、平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下の重質炭酸カルシウムを、最外塗工層中の白色顔料100質量部に対しては80質量部以上で含む。平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下の重質炭酸カルシウムの最外塗工層中の含有量が、最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して80質量部未満であると、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性を得ることができない場合がある。
最外塗工層は、バインダーを含有する。
最外塗工層のバインダーの含有量は、最外塗工層の白色顔料100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
バインダーは、塗工紙分野で従来公知のバインダーである。バインダーの例としては、スチレン−ブタジエン系及びエチレン−酢酸ビニル系などの各種共重合体、アクリル酸系樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリア及びメラミンなどのホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、並びにポリアミドポリアミンなどの水溶性合成樹脂を挙げることができる。またバインダーの例としては、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉及びそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースなどの天然多糖類、並びにそれらの変性体を挙げることができる。またバインダーの例としては、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白及びコラーゲンなどの天然タンパク質及びそれらの変性体、ポリ乳酸及びポリペプチドなどの合成高分子を挙げることができる。バインダーは、これらからなる群から選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。
最外塗工層は、白色顔料及びバインダー以外に必要に応じて、増粘剤、分散剤、消泡剤、界面活性剤、pH調整剤、耐水化剤、着色剤など塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。
エンボス加工によってホログラフィー効果を得るためには、樹脂層を設けて該樹脂層にエンボス加工する方法、箔押しによりエンボス加工面を付与して形成する方法が一般的である。しかしながら、これらの方法では、従来から商業印刷に使用される塗工紙から構造が異なるばかりか古紙資源として不向きとなり、加えて塗工紙の製造コスト的にも不利である。従来から商業印刷に使用される塗工紙には、ホログラフィー効果を得るための凹凸を形成することが困難である。この理由は、原紙の低い平滑性によって、エンボス加工によって有効な凹凸が形成され難いから、またエンボス加工によって形成した凹凸が維持されずに崩れるからである。
本発明は、樹脂層を設けて該樹脂層にエンボス加工する方法又は箔押しによりエンボス加工面を付与して形成する方法に因らず、従来から商業印刷に使用される塗工紙に近い構造でありながら、ホログラフィー効果を発現することができる塗工紙を見出したものである。すなわち、塗工紙は、塗工層が特定の厚さを有し、白色顔料及びバインダーを少なくとも含有する最外塗工層が特定の平均粒子径の重質炭酸カルシウムを含有することによって、印刷適性、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性を満足することができる。
この理由について発明者らは、塗工層が特定の厚さと特定の平均粒子径の白色顔料とを有することで最外塗工層表面の面状が整い、かつ最外塗工層が、平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下の無定形である重質炭酸カルシウムを最外塗工層中の白色顔料100質量部に対して80質量部以上で含むことでエンボス加工によって形成した凹凸が崩れず維持されると考える。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」及び「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」及び「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<原紙>
濾水度420mlcsfのLBKP80質量部及び濾水度450mlcsfのNBKP20質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム9質量部、カチオン化澱粉1質量部、硫酸バンド1質量部及びアルキルケテンダイマー型サイズ剤0.05質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で酸化澱粉を片面あたり1.5g/mになるよう両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/mの原紙を作製した。
<最外塗工層の塗工層塗工液>
水を媒体として、下記の配合で最外塗工層の塗工層塗工液を調製した。
カオリン 部数は表1に記載
軽質炭酸カルシウム 部数は表1に記載
重質炭酸カルシウム 平均粒子径及び部数は表1に記載
スチレン−ブタジエン系共重合体 9質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度99.5モル%、平均重合度1200)
1質量部
ステアリン酸カルシウム 0.5質量部
pH調整剤 適宜
上記の内容で配合し、水で混合及び分散して、濃度35質量%に調整した。
<塗工紙>
塗工紙を以下の手順にて作製した。
原紙上に最外塗工層の塗工層塗工液をブレードコーターにて両面塗工し、その後に乾燥した。さらに乾燥後に、カレンダー処理を施した。
<エンボス加工>
エンボスパターンを構成する凸構造が設置されたエンボスロールとラバーロールとの間に塗工紙を通し、エンボスパターンを型押しすることによって行った。エンボスパターンは、3mm×3mmの面積に太さ6μmの線が間隔6μm及び段差3μmのストライプ形状とし、3mm×3mmのエンボス加工部位を面積率50面積%でランダムな向き及び位置に配置した模様とした。
塗工紙の最外塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位の最外塗工層を含む塗工層全体の厚さを表1に記載する。また、塗工紙の最外塗工層を有する側におけるエンボス加工後のエンボス未加工部位の白紙光沢度は、ISO8254−1:2009の規定に基づいて入射・受光角75度で測定した。白紙光沢度を表1に記載する。
<前ホログラフィー性>
前ホログラフィー性は、印刷する前の白紙状態である塗工紙を観察することで行った。上記のように得られたエンボス加工部位を有する塗工紙に対して、室内照明下で目視にて観察してホログラフィー効果の視認程度を下記の基準で評価した。本発明において、2、3又は4の評価であれば、塗工紙は、前ホログラフィー性を有するものとする。
4:良好にホログラフィー効果が認められる。
3:概ね良好にホログラフィー効果が認められる。
2:微かにホログラフィー効果が認められる。
1:ホログラフィー効果が認められない。
<印刷適性>
印刷適性は、オフセット印刷機を用いて実施した。枚葉オフセット印刷機(三菱重工社製DAIYA3H)を用いて6000枚/時間の印刷速度で2000枚の印刷を行った。印刷後、紙粉の発生具合の観点から印刷機の状態を、及びインキ乾燥性の観点から印刷サンプルの状態を目視で観察し、印刷適性を下記の基準で評価した。本発明において、3又は4の評価であれば、塗工紙は、印刷適性を満足するものとする。
4:良好である。
3:概ね良好である。
2:実用上許される程度である。
1:実用上許されない程度である。
<後ホログラフィー性>
後ホログラフィー性は、印刷後の画像部分に存在するエンボス加工部位を有する塗工紙を観察することで行った。印刷された画像部分に存在するエンボス加工部位を有する塗工紙に対して、室内照明下で目視にて観察してホログラフィー効果の視認程度を下記の基準で評価した。本発明において、2、3又は4の評価であれば、塗工紙は、後ホログラフィー性を有するものとする。
4:良好にホログラフィー効果が認められる。
3:概ね良好にホログラフィー効果が認められる。
2:微かにホログラフィー効果が認められる。
1:ホログラフィー効果が認められない。
各実施例及び各比較例の、印刷適性、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性の評価結果を表1に示す。
Figure 2020076165
表1の結果から、本発明の塗工紙に該当する実施例1〜13は、印刷適性を満足し、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性を有することが分かる。本発明の塗工紙該当しない比較例1〜5は、印刷適性、前ホログラフィー性及び後ホログラフィー性の少なくとも一つを満足しないと分かる。
主に実施例2及び実施例11〜13と実施例10との対比から、白紙光沢度が40%以上が好ましいと分かる。
本発明のホログラフィー効果を有する塗工紙は、光学的なデザイン性を有するポストカード、書籍及びカタログなどの表紙などに活用できる。ホログラフィー効果を有する塗工紙をコピー用紙にコピーした後のコピー用紙にはホログラフィー効果を発現しないことから、本発明の塗工紙は、各種チケットなどの偽造防止に活用できる。

Claims (2)

  1. 原紙と塗工層とを有する塗工紙であって、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が白色顔料及びバインダーを少なくとも含有し、前記白色顔料として平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下の重質炭酸カルシウムを最外塗工層の白色顔料100質量部に対して80質量部以上含み、前記最外塗工層の表面がエンボス加工部位を有し、及び最外塗工層を含む塗工層全体の厚さが5μm以上である塗工紙。
  2. ISO8254−1:2009の規定に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度が40%以上である請求項1に記載の塗工紙。
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