本国際出願は、2019年11月13日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2019-205733号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2019-205733号の全内容を本国際出願に参照により援用する。
本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
1.自動バレー駐車場1の構成
自動バレー駐車場1の構成を、図1に基づき説明する。自動バレー駐車場1は、入出庫スペース3と、駐車スペース7と、を備える。
入出庫スペース3は、駐車スペース7と隣接している。入出庫スペース3は、入口9と出口17とを備える。入口9は、入出庫スペース3における一方の側にある。出口17は、入出庫スペース3における、入口9とは反対の側にある。
これから駐車しようとする車両11は、自動バレー駐車場1の外部から、入口9を通り、入出庫スペース3に入る。車両11として、自動バレー駐車機能搭載車(以下ではAVP機能搭載車11Aとする)と、自動バレー駐車機能非搭載車(以下ではAVP機能非搭載車11Bとする)とがある。
入出庫スペース3は、複数の車室13を備える。複数の車室13は、入出庫スペース3のうち、駐車スペース7の側に並んでいる。それぞれの車室13は、1台の車両11を収容可能な大きさを有する。なお、複数の車室13を識別するため、それぞれの車室13に車室番号が割り振られていてもよい。例えば、車室番号は、入出庫スペース3から視認可能な位置に表示される。
車室13は、入庫車室及び出庫車室として使用可能である。後述する表示装置30は、それぞれの車室13が、現時点において、入庫車室及び出庫車室のうちいずれであるかを表示する。以下では、入庫車室であることを表示装置30が表示している車室13を、入庫車室13Aとする。また、出庫車室であることを表示装置30が表示している車室13を、出庫車室13Bとする。
入庫車室13Aは、出庫車室13Bよりも、入口9の側に位置する。出庫車室13Bは、入庫車室13Aよりも、出口17の側に位置する。例えば、全ての入庫車室13Aは、いずれの出庫車室13Bよりも入口9に近い。また、例えば、全ての出庫車室13Bは、いずれの入庫車室13Aよりも出口17に近い。
入口9から入出庫スペース3に入った車両11は、いずれかの入庫車室13Aの中に入り、停止することができる。入庫車室13A内の車両11は、後述する駐車ロボット31により搬送されるか、AVP機能を使用することで、駐車スペース7に入ることができる。
駐車スペース7から出庫された車両11は、いずれかの出庫車室13Bに入る。出庫車室13B内の車両11は、出口17を通り、自動バレー駐車場1の外部に進むことができる。駐車スペース7は、複数の車両11を駐車可能なスペースである。
入出庫スペース3は、施設19に隣接している。施設19は、例えば、店舗、オフィス、住宅、駅等である。施設19の出入口21と、入出庫スペース3との間は、例えば、歩行者専用エリアにより結ばれている。
2.管制システム23の構成
管制システム23の構成を、図2~図3に基づき説明する。管制システム23は、自動バレー駐車場1に用いられる。図2に示すように、管制システム23は、管制装置25と、複数の個別端末27と、信号機28と、共通端末29と、表示装置30と、駐車ロボット31と、インフラ32と、入口ゲート34と、を備える。
管制装置25は、制御部33と、通信部35とを備える。制御部33は、CPU37と、例えば、RAM又はROM等の半導体メモリ(以下、メモリ39とする)と、を有するマイクロコンピュータを備える。
制御部33の各機能は、CPU37が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ39が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部33は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
制御部33は、図3に示すように、割合設定ユニット41と、表示ユニット43と、テーブル作成ユニット45と、特定車両検出ユニット47と、禁止ユニット49と、支援ユニット51と、を備える。通信部35は、駐車ロボット31及びAVP機能搭載車11Aと無線通信を行うことができる。
複数の個別端末27のそれぞれは、1つの車室13に対応付けられている。それぞれの個別端末27は、対応する車室13の近くに設置されている。個別端末27は、ユーザの操作を受け付ける。ユーザの操作として、入庫要求操作、ユーザの識別情報の入力等が挙げられる。また、個別端末27は、ユーザに対し情報を表示する。
信号機28は、車室13ごとに設けられている。信号機28は、入出庫スペース3内のユーザに対し、対応する車室13に進入可能であることの表示(以下では進入可能表示とする)、又は、対応する車室13に進入できないことの表示(以下では進入不可表示とする)を行う。信号機28は、車室13が入庫車室13Aであり、且つ、車室13内に車両11が存在しない場合に、進入可能表示を行う。信号機28は、車室13が出庫車室13Bである場合、又は、車室13内に車両11が存在する場合に、進入不可表示を行う。
共通端末29は、入出庫スペース3に設置されている。共通端末29は、ユーザの操作を受け付ける。ユーザの操作として、出庫要求操作、ユーザの識別情報の入力等が挙げられる。また、共通端末29は、ユーザに対し情報を表示する。
駐車ロボット31は、以下の機能を有する。駐車ロボット31は、管制装置25との間で無線通信を行うことができる。駐車ロボット31は、管制装置25から走行経路を受信することができる。駐車ロボット31は、自動バレー駐車場1の地図情報を有している。駐車ロボット31は、自己の位置情報を取得することができる。駐車ロボット31は、地図情報と、位置情報と、走行経路とを使用して、走行経路に沿って走行することができる。
駐車ロボット31は、車両11をリフトアップすることができる。駐車ロボット31は、車両11をリフトアップした状態で、走行経路に沿って走行することができる。駐車ロボット31が車両11をリフトアップした状態で走行することは、駐車ロボット31が車両11を搬送することに対応する。駐車ロボット31は、リフトアップしていた車両11を路面に降ろすことができる。
駐車ロボット31は、位置情報を管制装置25に送信することができる。駐車ロボット31は、管制装置25から指示を受信し、指示に対応する動作をすることができる。指示として、例えば、停止、発進、リルート等がある。
表示装置30は、上述したように、それぞれの車室13が、現時点において、入庫車室13A及び出庫車室13Bのうちいずれであるかを表示する。入出庫スペース3内にいるユーザは、表示装置30を見ることで、それぞれの車室13が、現時点において、入庫車室13A及び出庫車室13Bのうちいずれであるかを認識することができる。表示装置30は、例えば、車室13ごとに設けられている。表示装置30は、例えば、天井から吊り下げられたモニタである。表示装置30は、例えば、文字、矢印等を表示する。
表示装置30は、例えば、入庫車室13Aであることのみを明示し、出庫車室13Bであることは明示しなくてもよい。例えば、表示装置30は、車室13のうち、現時点において入庫車室13Aであるものについては特定の色の明かりを点灯させる表示を行い、現時点において出庫車室13Bであるものについては、いかなる表示も行わなくてもよい。特定の色として、例えば、緑色等が挙げられる。
表示装置30は、例えば、電光掲示板である。電光掲示板は、例えば、入口9を通過した直後の車両11に乗車したドライバが視認できる位置に設置される。電光掲示板は、車両11が進入すべき入庫車室13Aの車室番号をドライバに表示する。入口9から入出庫スペース3に進入した車両11のドライバは、表示装置30に表示された車室番号を確認する。ドライバは、表示装置30に表示された車室番号に対応する入庫車室13Aに車両11を進行させる。
また、表示装置30は、それぞれの車室13に設けられたゲートであってもよい。ゲートは、車室13から見て、駐車スペース7とは反対側に設けられている。ゲートは開閉可能である。ゲートが開の状態であることは、車室13が入庫車室13Aであることを表示する。ゲートが閉の状態であることは、車室13が出庫車室13Bであることを表示する。
表示装置30は、それぞれの車室13に設けられたシャッタであってもよい。シャッタは開閉可能である。シャッタが開の状態であることは、車室13が進入可能な状態であることを示す。
表示装置30は、入出庫スペース3における入庫車室13Aと出庫車室13Bとの境界をドライバに通知する標識であってもよい。標識は、例えば、入出庫スペース3の路面に埋められた発光装置である。発光装置は、点灯又は点滅することで、入口9から入出庫スペース3に進入した車両11のドライバに対し、入庫車室13Aと出庫車室13Bとの境界を通知する。あるいは、標識は、例えば、入出庫スペース3の路上に設置される可動式のゲートである。
インフラ32は、自動バレー駐車場1の各部における状態を検出する複数のセンサを備える。センサとして、例えば、カメラ、ライダー等が挙げられる。カメラの一部は、入庫車室13A内にある車両11のナンバープレートを撮影する。カメラの一部は、入出庫スペース3内を撮影する。撮影範囲には、後述する特定車両が含まれる。また、インフラ32は、車両11を誘導する装置を備える。誘導する装置として、例えば、車両11の進行方向を表示する表示装置等が挙げられる。
入口ゲート34は、図1に示すように、入口9に設けられている。入口ゲート34は開閉可能である。入口ゲート34が開のとき、車両11は入口9を通過できる。入口ゲート34が閉のとき、車両11は入口9を通過できない。
3.管制システム23及び車両11が実行する入庫に関する処理
管制システム23及び車両11が実行する入庫に関する処理を図4~図7に基づき説明する。
ユーザが入庫の予約を行う場合、図4に示すA1~A8の処理が行われる。ユーザが入庫の予約を行わない場合は、A1~A8の処理は行われず、図5に示すA9以降の処理が行われる。
A1では、ユーザがスマートフォンに情報を入力し、入庫の予約操作をする。スマートフォンは、ユーザが携帯しているものである。情報として、例えば、車両11の識別情報、ユーザの識別情報、入庫予定時間、車両11が備えるAVPシステムの種類等がある。
A2では、スマートフォンが、前記A1で入力された情報を管制装置25に送信し、予約の可否を問い合わせる。
A3では、管制装置25が、前記A2で受信した情報に基づき、駐車場と車両11との整合を確認する。駐車場と車両11との整合とは、車両11が備えるAVPシステムと、管制システム23とが整合し、車両11のAVP機能を使用可能であることを意味する。
A4では、管制装置25が、駐車スペース7の空き状況を取得し、取得した空き状況に基づき、入庫の予約が可能であるか否かを確認する。
前記A3で駐車場と車両11とが整合すると管制装置25が判断した場合のみ、A5及びA6の処理が行われる。A5では、管制装置25が、予約の可否をスマートフォンに通知する。
A6では、スマートフォンが、予約の可否をユーザに通知する。
前記A3で駐車場と車両11とが整合しないと管制装置25が判断した場合のみ、A7及びA8の処理が行われる。A7では、管制装置25が、予約の可否をスマートフォンに通知する。また、管制装置25は、駐車の方法が、ロボット駐車となることをスマートフォンに通知する。ロボット駐車とは、駐車ロボット31を使用する自動バレー駐車である。
A8では、スマートフォンが、予約の可否をユーザに通知する。また、スマートフォンは、駐車の方法がロボット駐車となることをユーザに通知する。
A9では、ユーザが自動バレー駐車場1に来場する。このとき、ユーザは車両11に乗車している。
A10では、インフラ32が、ユーザ及び車両11の位置を検知する。インフラ32は、ユーザ及び車両11の位置を管制装置25に通知する。
A11では、ユーザ及び車両11を自動バレー駐車可能な位置へ誘導することを、管制装置25がインフラ32に指示する。自動バレー駐車可能な位置とは、入庫車室13Aのいずれかである。
A12では、インフラ32が、ユーザ及び車両11を自動バレー駐車可能な位置へ誘導する。ユーザは、自動バレー駐車可能な位置まで車両11を運転する。
A13では、ユーザが、自動バレー駐車可能な位置に車両11を駐車し、車両11から降りる。
A14では、ユーザが、個別端末27に情報を入力する。情報として、予約の有無、予約がある場合は予約番号、駐車の方法、入庫要求等がある。駐車の方法は、ロボット駐車、及び、AVP機能による駐車のどちらかである。なお、ユーザは情報をスマートフォンに入力してもよい。入庫要求の時点から、個別端末27と管制装置25との通信が始まる。
A15では、個別端末27が、前記A14で入力された情報を管制装置25に送信する。なお、スマートフォンが、前記A14で入力された情報を管制装置25に送信してもよい。
ユーザがAVP機能による駐車を選択した場合、A16~A19の処理が行われる。ユーザがロボット駐車を選択した場合、A16~A19の処理は行われない。
A16では、管制装置25が、車両11に対し、駐車場と車両11との整合の確認を要求する。
A17では、車両11が管制装置25に対し回答を送信する。回答の内容は、駐車場と車両11とが整合するという回答と、整合しないという回答とのいずれかである。駐車場と車両11とが整合しないという回答である場合、A18、A19の処理が行われる。駐車場と車両11とが整合するという回答である場合、A18、A19の処理は行われない。
A18では、駐車場と車両11とが整合しないこと、及び、駐車の方法をロボット駐車にすることを、管制装置25が個別端末27に通知する。なお、管制装置25はスマートフォンに通知してもよい。
A19では、駐車場と車両11とが整合しないこと、及び、駐車の方法をロボット駐車にすることを、個別端末27がユーザに通知する。なお、スマートフォンがユーザに通知してもよい。
A20では、車両11のサイズ等が対応可能なものであるか否かを確認することを、管制装置25がインフラ32に要求する。対応可能とは、自動バレー駐車場1に自動バレー駐車できることを意味する。
A21では、インフラ32が、車両11のサイズ等が対応可能なものであるか否かを確認し、確認結果を管制装置25に送信する。
A21での回答の内容が、車両11のサイズ等が対応不可能なものである場合、A22、A23の処理が行われ、本処理は終了する。A21での回答の内容が、車両11のサイズ等が対応可能なものである場合、A22、A23の処理は行われず、A24以降の処理が続けて行われる。
A22では、車両11のサイズ等が不整合であるため、自動バレー駐車が不可であることを、管制装置25が個別端末27に通知する。なお、管制装置25はスマートフォンに通知してもよい。
A23では、車両11のサイズ等が不整合であるため、自動バレー駐車が不可であることを、個別端末27がユーザに通知する。また、個別端末27は、他の駐車場へ移動することをユーザに依頼する。なお、スマートフォンがユーザに通知及び依頼を行ってもよい。
A24では、管制装置25が入庫開始を個別端末27に通知する。なお、管制装置25はスマートフォンに通知してもよい。
A25では、個別端末27が入庫開始をユーザに通知する。なお、スマートフォンが入庫開始をユーザに通知してもよい。
ユーザがロボット駐車を選択した場合、又は、前記A19でロボット駐車が通知された場合は、図6に示すA26~A40の処理が行われる。ユーザがAVP機能による駐車を選択し、且つ、前記A19でロボット駐車が通知されなかった場合、図7に示すA41~A51の処理が行われる。
A26では、管制装置25が、目標車両情報、位置情報、走行経路、及び迎車指示を駐車ロボット31に送信する。目標車両情報とは、目標車両に関する情報である。目標車両とは、これから駐車しようとする車両11である。位置情報とは、目標車両の現在位置を表す位置情報である。走行経路とは、駐車ロボット31の現在位置から、目標車両の現在位置までの走行経路である。迎車指示とは、目標車両を迎えにゆくことを指示するものである。
駐車ロボット31が目標車両の手前に到着するまで、A27~A29の処理が繰り返される。A27では、駐車ロボット31が、目標車両位置に向かう走行を行い、駐車ロボット31の現在位置を管制装置25に送信する。
A28では、管制装置25が、前記A27で受信した駐車ロボット31の現在位置に基づき、交通管理を行う。管制装置25は、必要に応じて、駐車ロボット31に対し、停止、発進、リルートの指示を送信する。駐車ロボット31は、指示に応じて、停止、発進、リルートを行う。
A29では、駐車ロボット31が目標車両の手前に到着したか否かを駐車ロボット31が判定する。駐車ロボット31が目標車両の手前に未だ到着していない場合、本処理はA27に戻る。駐車ロボット31が目標車両の手前に到着した場合、A27~A29の処理を終了し、本処理はA30に進む。
A30では、駐車ロボット31が目標車両の手前に到着したことを、駐車ロボット31が管制装置25に通知する。
A31では、目標車両をリフトアップすることを、管制装置25が駐車ロボット31に指示する。
A32では、駐車ロボット31が目標車両をリフトアップする。リフトアップが完了すると、A33に進む。
A33では、リフトアップの完了を駐車ロボット31が管制装置25に通知する。
A34では、管制装置25が、目標駐車位置情報、走行経路、及び駐車指示を駐車ロボット31に送信する。目標駐車位置情報とは、目標駐車位置を表す情報である。目標駐車位置とは、車両11をこれから駐車させる駐車位置である。走行経路とは、駐車ロボット31の現在位置から目標駐車位置までの走行経路である。駐車指示とは、目標車両を目標駐車位置に駐車させることを指示するものである。
駐車ロボット31が目標駐車位置に到着するまで、A35~A37の処理が繰り返される。A35では、駐車ロボット31が、目標駐車位置に向かう走行を行い、駐車ロボット31の現在位置を管制装置25に送信する。
A36では、管制装置25が、前記A35で受信した駐車ロボット31の位置に基づき、交通管理を行う。管制装置25は、必要に応じて、駐車ロボット31に対し、停止、発進、リルートの指示を送信する。駐車ロボット31は、指示に応じて、停止、発進、リルートを行う。
A37では、駐車ロボット31が目標駐車位置に到着したか否かを駐車ロボット31が判定する。駐車ロボット31が目標駐車位置に未だ到着していない場合、本処理はA35に戻る。駐車ロボット31が目標駐車位置に到着した場合、A35~A37の処理を終了し、本処理はA38に進む。
A38では、駐車ロボット31が駐車完了を管制装置25に通知する。
A39では、管制装置25が駐車完了を個別端末27に通知する。なお、管制装置25は、駐車完了をスマートフォンに通知してもよい。
A40では、個別端末27が駐車完了をユーザに通知する。なお、スマートフォンが駐車完了をユーザに通知してもよい。
A41では、管制装置25が、駐車場地図を車両11に配信し、イグニッションオン指示を車両11に送信する。駐車場地図は、自動バレー駐車場1の地図情報である。イグニッションオン指示は、車両11のイグニッションをオンにすることを指示するものである。車両11は駐車場地図を受信する。車両11は、イグニッションオン指示に応じてイグニッションをオンにする。
A42では、車両11が、イグニッションオン通知と、自己位置とを管制装置25に送信する。イグニッションオン通知は、車両11のイグニッションが既にオンになったことを表す通知である。自己位置とは、車両11の現在位置である。
A43では、管制装置25が、目標駐車位置、走行経路、及び駐車指示を車両11に送信する。走行経路とは、車両11の現在位置から、目標駐車位置までの走行経路である。駐車指示とは、走行経路に沿って走行し、目標駐車位置に駐車することを指示するものである。
車両11が目標駐車位置に到着するまで、A44~A46の処理が繰り返される。A44では、車両11が、目標駐車位置に向かう走行を行い、車両11の現在位置を管制装置25に送信する。
A45では、管制装置25が、前記A44で受信した車両11の現在位置に基づき、交通管理を行う。管制装置25は、必要に応じて、車両11に対し、停止、発進、リルートの指示を送信する。車両11は、指示に応じて、停止、発進、リルートを行う。
A46では、車両11が目標駐車位置に到着したか否かを車両11が判定する。車両11が目標駐車位置に未だ到着していない場合、本処理はA44に戻る。車両11が目標駐車位置に到着した場合、A44~A46の処理を終了し、本処理はA47に進む。
A47では、車両11が駐車完了を管制装置25に通知する。
A48では、管制装置25がイグニッションオフを車両11に指示する。車両11はイグニッションをオフにする。
A49では、車両11がイグニッションオフの完了を管制装置25に通知する。
A50では、管制装置25が駐車完了を個別端末27に通知する。なお、管制装置25は、駐車完了をスマートフォンに通知してもよい。
A51では、個別端末27が駐車完了をユーザに通知する。なお、スマートフォンが駐車完了をユーザに通知してもよい。
なお、図4~図7に示す管制装置25の処理は、支援ユニット51により実行される。
4.管制システム23及び出庫要求車両が実行する出庫に関する処理
管制システム23及び出庫要求車両が実行する出庫に関する処理を図8~図9に基づき説明する。
B1では、ユーザが、出庫予約、又は出庫要求を共通端末29に行う。また、ユーザは、ユーザの識別情報、及び出庫要求車両の識別情報を共通端末29に入力する。出庫要求車両とは、出庫要求により出庫を要求された車両11である。
B2では、共通端末29が、出庫予約又は出庫要求を管制装置25に送信する。共通端末29が出庫予約を送信した場合、以下の処理は、出庫予約の予約時間に応じて実行される。共通端末29が出庫要求を送信した場合、以下の処理は、即座に実行される。
ロボット駐車で出庫要求車両を駐車した場合は、B3~B17の処理が実行される。出庫要求車両のAVP機能により車両11を駐車した場合は、B18~B28の処理が実行される。
B3では、管制装置25が、出庫要求車両位置、走行経路、及び迎車指示を駐車ロボット31に送信する。出庫要求車両位置とは、出庫要求車両の現在位置である。走行経路とは、駐車ロボット31の現在位置から、出庫要求車両位置までの走行経路である。迎車指示とは、出庫要求車両を迎えにゆくことを指示するものである。
駐車ロボット31が出庫要求車両位置に到着するまで、B4~B6の処理が繰り返される。B4では、駐車ロボット31が、出庫要求車両位置に向かう走行を行い、駐車ロボット31の現在位置を管制装置25に送信する。
B5では、管制装置25が、前記B4で受信した駐車ロボット31の現在位置に基づき、交通管理を行う。管制装置25は、必要に応じて、駐車ロボット31に対し、停止、発進、リルートの指示を送信する。駐車ロボット31は、指示に応じて、停止、発進、リルートを行う。
B6では、駐車ロボット31が出庫要求車両位置に到着したか否かを駐車ロボット31が判定する。駐車ロボット31が出庫要求車両位置に未だ到着していない場合、本処理はB4に戻る。駐車ロボット31が出庫要求車両位置に到着した場合、B4~B6の処理を終了し、本処理はB7に進む。
B7では、駐車ロボット31が出庫要求車両位置に到着したことを、駐車ロボット31が管制装置25に通知する。
B8では、出庫要求車両をリフトアップすることを、管制装置25が駐車ロボット31に指示する。
B9では、駐車ロボット31が出庫要求車両をリフトアップする。リフトアップが完了すると、B10に進む。
B10では、リフトアップの完了を駐車ロボット31が管制装置25に通知する。
B11では、管制装置25が、目標出庫位置情報、走行経路、及び出庫指示を駐車ロボット31に送信する。目標出庫位置とは、出庫車室13Bのいずれかである。目標出庫位置情報とは、目標出庫位置を表す位置情報である。走行経路とは、駐車ロボット31の現在位置から目標出庫位置までの走行経路である。出庫指示とは、出庫要求車両を目標出庫位置に出庫することを指示するものである。
駐車ロボット31が目標出庫位置に到着するまで、B12~B14の処理が繰り返される。B12では、駐車ロボット31が、目標出庫位置に向かう走行を行い、駐車ロボット31の現在位置を管制装置25に送信する。
B13では、管制装置25が、前記B12で受信した駐車ロボット31の位置に基づき、交通管理を行う。管制装置25は、必要に応じて、駐車ロボット31に対し、停止、発進、リルートの指示を送信する。駐車ロボット31は、指示に応じて、停止、発進、リルートを行う。
B14では、駐車ロボット31が目標出庫位置に到着したか否かを駐車ロボット31が判定する。駐車ロボット31が目標出庫位置に未だ到着していない場合、本処理はB12に戻る。駐車ロボット31が目標出庫位置に到着した場合、B12~B14の処理を終了し、本処理はB15に進む。
B15では、駐車ロボット31が出庫完了を管制装置25に通知する。
B16では、管制装置25が出庫完了を共通端末29に通知する。なお、管制装置25は、出庫完了をスマートフォンに通知してもよい。
B17では、共通端末29が出庫完了をユーザに通知する。なお、スマートフォンが出庫完了をユーザに通知してもよい。
B18では、管制装置25が、イグニッションオン指示を出庫要求車両に送信する。出庫要求車両は、イグニッションオン指示に応じてイグニッションをオンにする。
B19では、出庫要求車両が、イグニッションオン通知を管制装置25に送信する。
B20では、管制装置25が、目標出庫位置、走行経路、及び出庫指示を出庫要求車両に送信する。走行経路とは、出庫要求車両の現在位置から、目標出庫位置までの走行経路である。
出庫要求車両が目標出庫位置に到着するまで、B21~B23の処理が繰り返される。B21では、出庫要求車両が、目標出庫位置に向かう走行を行い、出庫要求車両の現在位置を管制装置25に送信する。
B22では、管制装置25が、前記B21で受信した出庫要求車両の現在位置に基づき、交通管理を行う。管制装置25は、必要に応じて、出庫要求車両に対し、停止、発進、リルートの指示を送信する。出庫要求車両は、指示に応じて、停止、発進、リルートを行う。
B23では、出庫要求車両が目標出庫位置に到着したか否かを出庫要求車両が判定する。出庫要求車両が目標出庫位置に未だ到着していない場合、本処理はB21に戻る。出庫要求車両が目標出庫位置に到着した場合、B21~B23の処理を終了し、本処理はB24に進む。B21~B23の処理は、駐車位置から出庫車室13Bまで、管制装置25の指示の下、出庫要求車両が自動運転を行う処理である。
B24では、出庫要求車両が出庫完了を管制装置25に通知する。
B25では、管制装置25がイグニッションオフを出庫要求車両に指示する。出庫要求車両はイグニッションをオフにする。
B26では、出庫要求車両がイグニッションオフの完了を管制装置25に通知する。
B27では、管制装置25が出庫完了を共通端末29に通知する。なお、管制装置25は、出庫完了をスマートフォンに通知してもよい。
B28では、共通端末29が出庫完了をユーザに通知する。なお、スマートフォンが出庫完了をユーザに通知してもよい。その後、ユーザは、出庫車室13Bに入り、出庫要求車両を運転して、入出庫スペース3から出る。なお、図8~図9に示す管制装置25の処理は、支援ユニット51により実行される。
5.管制装置25が実行する割合設定処理
管制装置25が所定時間ごとに繰り返し実行する割合設定処理を、図10、図11A及び図11Bに基づき説明する。図10のステップ1では、割合設定ユニット41が現在時刻を取得する。
なお、ステップ1では、割合設定ユニット41は、現時点で設定されている入出庫割合をメモリ39より取得する。入出庫割合とは、入庫車室13Aの数と、出庫車室13Bの数との割合である。本明細書では、入出庫割合をX:Yと表記する。Xは入庫車室13Aの割合である。Yは出庫車室13Bの割合である。電源投入時等、現時点で入出庫割合が設定されていない場合、割合設定ユニット41は、初期割合を現時点で設定されている入出庫割合とする。初期割合は、例えば、5:5である。
ステップ2では、割合設定ユニット41が、メモリ39からテーブルを読み出す。テーブルは、時刻と入出庫割合との関係を規定する。テーブルの例を図11Bに示す。
テーブルは、テーブル作成ユニット45によって予め作成され、メモリ39に記憶されている。テーブル作成ユニット45は、過去のデータに基づき、テーブルを作成する。過去のデータとは、図11Aに示すように、それぞれの時刻における入庫車数と出庫車数のデータである。過去のデータは、過去の時刻における混雑の程度を表すデータである。テーブル作成ユニット45は、それぞれの時刻において、出庫車数に対する入庫車数の割合が大きいほど、入出庫割合におけるX/Yを大きくする。
それぞれの時刻における入庫車数と出庫車数とのデータは、例えば、インフラ32により取得される。あるいは、それぞれの時刻における入庫車数と出庫車数とのデータは、個別端末27及び共通端末29の操作履歴から取得されてもよい。
図11Aに示すように、テーブル作成ユニット45は、それぞれの時刻における入庫車数と出庫車数との過去データより入出庫割合を算出し、テーブルを生成する。図11Bは、メモリ39に記憶される、生成したテーブルの一例を示す。テーブルは、入出庫割合が10:0の時間帯を含んでいてもよいし、入出庫割合が0:10の時間帯を含んでいてもよい。例えば、入出庫割合が10:0に設定されると、全ての車室13が入庫車室13Aとして使用される。
なお、混雑の程度は、過去のデータの代わりに、自動バレー駐車場1の利用状況の予測に基づいて決定されてもよい。例えば、施設19でコンサート、イベント等が開催される場合、開演前の時間では、ほとんどの車両11が駐車スペース7に入庫し、閉演後の時間では、ほとんどの車両11が出庫すると予想される。自動バレー駐車場1の利用状況が予測できる場合は、テーブル作成ユニット45により、自動バレー駐車場1の利用状況に応じてテーブルを作成し、メモリ39に記憶してもよい。
ステップ3では、割合設定ユニット41が、前記ステップ1で取得した現在時刻を、前記ステップ2で読み出したテーブルに当てはめることで、入出庫割合を設定する。
ステップ3では、割合設定ユニット41が、設定された入出庫割合に合わせて、車室13を入庫車室13A又は出庫車室13Bに設定する。なお、入出庫割合にかかわらず、少なくとも1つの車室13を入庫車室13Aとし、さらに、少なくとも1つの車室13を出庫車室13Bとしてもよい。例えば、入口9に最も近い車室13を常に入庫車室13Aとし、出口17に最も近い車室13を常に出庫車室13Bとする。
ステップ4では、直前の前記ステップ3で設定した入出庫割合が、現時点で設定されている入出庫割合から変化しているか否かを、割合設定ユニット41が判断する。入出庫割合が変化している場合、本処理はステップ5に進む。入出庫割合が変化していない場合、本処理は終了する。
具体的には、直前のステップ1で取得した、現時点で設定されている入出庫割合と、直前の前記ステップ3で設定した入出庫割合とを比較し、入出庫割合が変化しているか否かを、割合設定ユニット41が判断する。入出庫割合が変化していると判断された場合、割合設定ユニット41は直前の前記ステップ3で設定した入出庫割合を、現時点で設定されている入出庫割合としてメモリ39に記憶する。また、入出庫割合が変化していると判断された場合、割合設定ユニット41は、直前の前記ステップ3で設定した入出庫割合に応じて、それぞれの車室13を入庫車室13A又は出庫車室13Bに設定する。
ステップ5では、禁止ユニット49が入口ゲート34を閉じる。その結果、入庫車室13Aへ向かう車両11の走行は禁止される。
ステップ6では、現時点で特定車両が存在するか否かを特定車両検出ユニット47が判断する。特定車両とは、現時点では入庫車室13Aであるが、直前の前記ステップ3で設定した入出庫割合を適用すると出庫車室13Bに変化する車室13(以下では変化車室とする)の中に存在するか、変化車室に向かう経路上に存在する車両11である。特定車両検出ユニット47は、インフラ32を用いて特定車両を検出できる。例えば、入庫車室13A内を撮影するカメラが、変化車室の中に存在する車両11を検出する。また、入出庫スペース3内を撮影するカメラが、変化車室に向かう経路上を走行している車両11を検出する。
特定車両が存在しないと判断した場合、本処理はステップ8に進む。特定車両が存在すると判断した場合、本処理はステップ7に進む。
ステップ7では、特定車両が存在する状態が解消したか否かを特定車両検出ユニット47が判断する。なお、特定車両であった車両11が変化車室を通過し、駐車スペース7に進むと、特定車両ではなくなる。
特定車両が存在する状態が解消した場合、本処理はステップ8に進む。特定車両が存在する状態が未だ解消していない場合、本処理はステップ7を繰り返す。
ステップ8では、表示ユニット43が、直前の前記ステップ3で設定した入出庫割合に応じて、表示装置30を用いて表示を行う。その結果、表示装置30によって入庫車室13Aであることを表示されている車室13の数と、表示装置30によって出庫車室13Bであることを表示されている車室13の数との割合は、直前の前記ステップ3で設定した入出庫割合と一致する。変化車室の表示は、入庫車室13Aの表示から出庫車室13Bの表示に変化する。
ステップ9では、禁止ユニット49が入口ゲート34を開ける。その結果、入庫車室13Aへ向かう車両11の走行は許可される。
6.管制装置25及び自動バレー駐車場1が奏する効果
(1A)管制装置25は、入庫車室13A及び出庫車室13Bの混雑の程度に応じて、入出庫割合を設定することができる。また、管制装置25は、設定した入出庫割合に応じて、それぞれの車室13が入庫車室13A及び出庫車室13Bのうちいずれであるかを、表示装置30を用いて表示することができる。
よって、管制装置25は、入庫車室13A及び出庫車室13Bの混雑の程度に応じて入出庫割合を適切に設定することにより、入庫及び出庫を効率よく行うことができる。
(1B)管制装置25は、現在時刻に応じて入出庫割合を設定する。そのため、管制装置25は、入出庫割合を設定する処理を簡略化できる。
(1C)管制装置25は、過去の時刻と、その過去の時刻における混雑の程度とを含むデータに基づき、テーブルを作成する。管制装置25は、現在時刻をテーブルに当てはめて入出庫割合を設定する。よって、管制装置25は、過去の混雑の程度に応じて適切に入出庫割合を設定できる。
(1D)管制装置25は特定車両を検出する。管制装置25は、特定車両が存在しなくなってから、新たに設定した入出庫割合に応じた表示を行う。そのため、管制装置25は、特定車両が存在する状態で変化車室の表示が変化してしまうことを抑制できる。
(1E)管制装置25は、入出庫割合を新たに設定したとき、新たな入出庫割合に応じた表示を行うまで、入庫車室13Aへ向かう車両11の走行を禁止する。そのため、これから入庫しようとする車両11が向かっていた入庫車室13Aが出庫車室13Bに変化してしまうことを抑制できる。
(1F)自動バレー駐車場1は、車室13が入庫車室13A及び出庫車室13Bのうちいずれであるかを、表示装置30を用いて表示することができる。自動バレー駐車場1は、表示装置30を制御することができる。そのため、自動バレー駐車場1は、入庫車室13A及び出庫車室13Bの混雑の程度に応じて入出庫割合を変更することで、入庫及び出庫を効率よく行うことができる。
<第2実施形態>
1.第1実施形態との相違点
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
前述した第1実施形態では、自動バレー駐車場1は、図1に示す構成を有していた。これに対し、第2実施形態では、自動バレー駐車場1は、図12に示す構成を有する点で、第1実施形態と相違する。
自動バレー駐車場1は、入口通路101と、出口通路103とをさらに備える。入口通路101は、自動バレー駐車場1の外部から、入口9に延びる通路である。入口通路101と、自動バレー駐車場1の外部との境界には、敷地入口105がある。これから駐車しようとする車両11は、敷地入口105から入口通路101に入り、入口通路101内を通り、入口9から入出庫スペース3に入る。入口通路101は、車両11が縦一列になって走行するように構成されている。インフラ32が備えるカメラは、入口通路101内を撮影する。よって、インフラ32は、入口通路101内に存在する車両11の数(以下では入庫渋滞台数とする)を検出できる。
出口通路103は、出口17から、自動バレー駐車場1の外部に延びる通路である。出口通路103と、自動バレー駐車場1の外部との境界には、敷地出口107がある。出口通路103は、車両11が縦一列になって走行するように構成されている。駐車スペース7から出庫された車両11は、出口17から出口通路103に入り、出口通路103を通り、敷地出口107から自動バレー駐車場1の外部に進む。インフラ32が備えるカメラは、出口通路103内を撮影する。よって、インフラ32は、出口通路103内に存在する車両11の数(以下では出庫渋滞台数とする)を検出できる。インフラ32が備えるカメラが入庫渋滞台数と出庫渋滞台数とを検出できるならば、入口通路101と出口通路103とは複数の車線を備えていてもよい。
2.管制装置25が実行する割合設定処理
管制装置25が所定時間ごとに繰り返し実行する割合設定処理を、図13、図14に基づき説明する。図13のステップ11では、割合設定ユニット41が、インフラ32を用いて、入庫渋滞台数及び出庫渋滞台数を取得する。
なお、入庫渋滞台数は、入庫車室13Aの混雑の程度に対応する。出庫渋滞台数は、出庫車室13Bの混雑の程度に対応する。本実施形態では、割合設定ユニット41は、入庫車室13A及び出庫車室13Bの混雑の程度を検出する機能を有する。割合設定ユニット41は、混雑検出ユニットに相当する。
ステップ12では、割合設定ユニット41が、前記ステップ11で取得した入庫渋滞台数及び出庫渋滞台数に基づき、入出庫割合を設定する。前記ステップ11で取得した入庫渋滞台数及び出庫渋滞台数と、割合設定ユニット41が設定する入出庫割合との関係の例を図14に示す。図14に示す例では、割合設定ユニット41は、出庫渋滞台数に対する入庫渋滞台数の割合が大きいほど、入出庫割合におけるX/Yを大きくする。
なお、駐車スペース7に空きがある場合は、出庫渋滞台数に対する入庫渋滞台数の割合に比べて、X/Yを大きくしてもよい。この場合、出庫よりも入庫が優先される。その結果、例えば、車両11を駐車した後に電車に乗るユーザの利便性が向上し、駐車稼働率が高くなる。
ステップ13~18の処理は、第1実施形態におけるステップ4~9の処理と同じである。
なお、出庫車室13Bの混雑の程度は、出庫渋滞台数以外の指標であってもよい。例えば、管制装置25に出庫要求があった場合でも、出庫車室13Bが空いていない場合、管制装置25は、出庫要求車両を駐車位置で待機させる。管制装置25は、出庫要求を行った後、駐車位置で待機している車両11の数(以下では待機台数とする)を取得する。待機台数は、出庫車室13Bの混雑の程度に対応する。管制装置25は、前記ステップ12において、出庫渋滞台数の代わりに待機台数を用いて、入出庫割合を設定してもよい。
3.管制装置25及び自動バレー駐車場1が奏する効果
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1A)、(1D)~(1F)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(2A)管制装置25は、インフラ32を用いて、入庫車室13A及び出庫車室13Bの混雑の程度を取得する。管制装置25は、入庫車室13A及び出庫車室13Bの混雑の程度に基づき、入出庫割合を設定する。そのため、管制装置25は、入庫車室13A及び出庫車室13Bの混雑の程度に応じて、適切に入出庫割合を設定できる。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)例えば、割合設定ユニット41は、自動バレー駐車場1に入庫しようとする車両11の数と出庫しようとする車両11の数とに基づいて、入庫車室13A及び出庫車室13Bの混雑の程度を判断してもよい。つまり、制御部33は、入庫しようとする車両11の数と出庫しようとする車両11の数とに応じて、複数の車室13を入庫車室13A又は出庫車室13Bとして設定してもよい。
入庫しようとする車両11の数は、例えば、以下のように算出できる。インフラ32により、入出庫スペース3の画像を取得する。画像において、入庫車室13Aに接近する車両11を検出する。入庫車室13Aに接近する車両11の数を、入庫しようとする車両11の数とする。また、入庫しようとする車両11の数は、例えば、入庫要求操作の回数でもよい。
出庫しようとする車両11の数は、例えば、出庫要求操作の回数である。または、出庫しようとする車両11の数は、例えば、以下のように算出できる。インフラ32により、入出庫スペース3の画像を取得する。画像において、出庫車室13Bから遠ざかる車両11を検出する。出庫車室13Bから遠ざかる車両11の数を、出庫しようとする車両11の数とする。
入出庫割合が変化した場合に車室13の設定を変更する処理の変形例を以下で説明する。割合設定ユニット41は、設定された入出庫割合に応じて、変化車室13Cを特定する。変化車室13Cは、入庫車室13Aから出庫車室13Bに変化する車室13、及び、出庫車室13Bから入庫車室13Aに変化する車室13である。
特定車両検出ユニット47は、変化車室13Cの中、又は変化車室13Cに向かう経路上に存在する車両11(以下では特定車両とする)を検出する。禁止ユニット49は、特定車両が検出されている間は、変化車室13Cに車両11が進入することを禁止する。禁止ユニット49は、変化車室13C以外の車室13の使用は禁止しないので、ユーザ及び支援ユニット51は、入庫車室13Aと出庫車室13Bとを使用し続けることができる。そのため、ユーザ及び支援ユニット51は、入庫又は出庫を効率よく行うことができる。
以下、変形例を、図15と図16とを参照しつつ説明する。変形例では、入出庫割合の変化に伴い、入庫車室13Aから出庫車室13Bに変化する車室13、及び、出庫車室13Bから入庫車室13Aに変化する車室13を、変化車室13Cとする。割合設定ユニット41が変化車室13Cを特定すると、禁止ユニット49はユーザ及び支援ユニット51が変化車室13Cを使用することを禁止する。図15は、12ある車室13のうち、4つが入庫車室13Aから出庫車室13Bに変化する状況を例示する。
図15に示す事例では、当初の入出庫割合に応じて、当初は、10台分の入庫車室13Aと、2台分の出庫車室13Bとが設定されていた。その後、入出庫割合が5:5に変化した。変化後の入出庫割合を適用すれば、入庫車室13Aは6台分となり、出庫車室13Bは6台分となる。この場合、当初は入庫車室13Aに設定されていた車室13のうち、4つの車室13が出庫車室13Bに変化する。
なお、図15では、一例として、2灯式の信号機28がそれぞれの車室13に備えられている。信号機28は、左側のランプ28Lと、右側のランプ28Rとを備える。ランプ28Lが点灯し、ランプ28Rが消灯している状態は、車室13に進入可能であることを表す。ランプ28Lが消灯し、ランプ28Rが点灯している状態は、車室13に進入不可であることを表す。図15にいて、ハッチングが付されたランプ28L及びランプ28Rは点灯している。ハッチングが付されていないランプ28L及びランプ28Rは消灯している。
図15に示すように、変化車室13Cの信号機28は進入不可を表示する。図示しない表示装置30は、変化車室13Cが利用不可であることを表示する。変化車室13Cの信号機28が進入不可を表示することにより、入出庫スペース3に進入した車両11ドライバは、変化車室13Cを使用できないことを理解する。
変化車室13Cの中、又は、変化車室13Cに向かう経路上に車両11が存在しないことが確認されると、図15に示すように、変化車室13Cは出庫車室13Bに変化する。
図16のフローチャートを参照して、管制装置25が実行する割合設定処理の一例を説明する。ステップ21~24の処理は、第1実施形態におけるステップ1~4の処理と同様である。
ステップ24で入出庫割合が変化していると判断されると、本処理はステップ25に進む。
ステップ25では、割合設定ユニット41が、変化車室13Cを特定する。表示ユニット43は、信号機28及び表示装置30を用いて、変化車室13Cが利用不可であることを表示する。また、支援ユニット51により実行される出庫に関する処理において、変化車室13Cは目標出庫位置として選択されなくなる。
ステップ26では、少なくとも1つの変化車室13Cに特定車両が存在するか否かを特定車両検出ユニット47が判断する。全ての変化車室13Cに特定車両が存在しない場合、又は、少なくとも1つの変化車室13Cに特定車両が過去に存在していても、その特定車両が存在しなくなった場合、ステップ28に進む。いずれかの変化車室13Cに特定車両が存在する場合、本処理はステップ27に進む。ステップ27の処理は、第1実施形態におけるステップ7の処理と同様である。
ステップ28では、割合設定ユニット41が、変化車室13Cを、前記ステップ23で設定された入出庫割合に応じて、入庫車室13A又は出庫車室13Bに変更する。禁止ユニット49は、変化車室13Cに対する利用不可との設定を解除する。
例えば、変化車室13Cが入庫車室13Aに変更された場合、表示ユニット43は、設定された入出庫割合に応じて、表示装置30を用いて表示を行う。また、信号機28は、ユーザに対し、入庫車室13Aが利用可能であることを示す。
変化車室13Cが出庫車室13Bに変更された場合、支援ユニット51はその出庫車室13Bを目標出庫位置として選択できるようになる。
変形例の構成によれば、入出庫割合が変化した場合、特定車両が存在しても、変化車室13C以外の車室13は、入庫車室13A又は出庫車室13Bとして利用可能である。そのため、自動バレー駐車場1は、入庫及び出庫を効率よく行うことができる。
図1に示す自動バレー駐車場1では、入庫車室13Aは、出庫車室13Bよりも、入口9の側に位置し、出庫車室13Bは、入庫車室13Aよりも、出口17の側に位置する。入庫車室13Aと出庫車室13Bとは混在してもよい。例えば、入庫車室13Aと出庫車室13Bとが交互に配置されてもよい。あるいは、入庫車室13Aと出庫車室13Bとがランダムに配置されてもよい。入庫車室13Aと出庫車室13Bとが混在するとは、2つの入庫車室13Aの間に出庫車室13Bが配置されること、又は、2つの出庫車室13Bの間に入庫車室13Aが配置されることを意味する。この場合、割合設定ユニット41の設定する入出庫割合に応じて入庫車室13Aと出庫車室13Bとを設定する場合には、所定の規則に従って入庫車室13Aと出庫車室13Bとを設定する。所定の規則では、例えば、入庫車室13Aとして使用する優先順位が設定されてもよいし、特定車両の存在しない車室13が優先して選択されてもよい。
入庫車室13Aと出庫車室13Bとが混在する場合は、天井から吊り下げられたモニタに車室13の車室番号を表示することに加えて、車両11が進行すべき経路を路面標示してもよい。路面標示は、表示装置30の一例に相当する。又は、信号機28を入出庫スペース3に設置し、入庫する車両11と出庫する車両11との交通流を整理してもよい。入庫車室13Aと出庫車室13Bとが混在することにより、入出庫スペース3や駐車スペース7の広さ、形状などに制約があったとしても自動バレー駐車場1を設置できる。また、入庫車室13A及び出庫車室13Bの混雑の程度に応じて、入出庫割合を変更することで、入庫及び出庫を効率よく行うことができる。
(2)第1、第2実施形態において、割合設定ユニット41は、車室13ごとに、車室13を、入庫車室13Aと、出庫車室13Bとのうちのいずれか一方に設定してもよい。その結果、入出庫割合が決まる。例えば、割合設定ユニット41は、入出庫割合を設定する処理を行わなくてもよい。
(3)本開示に記載の制御部33及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部33及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部33及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。制御部33に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
(4)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
(5)上述した管制装置の他、当該管制装置を構成要素とするシステム、当該管制装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、自動バレー駐車場の管制方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。