JP7220769B2 - 渦電流を用いたスプール制動装置及びこれを備えた釣り用リール - Google Patents
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Description
このようなバックラッシュ現象を防止するために、釣り用リールは、大きく、物理的な摩擦を利用する摩擦ブレーキと、磁性の引力作用を利用するマグネットブレーキを使用する。
従来のマグネットブレーキは、ブレーキングマグネットとブレーキングプレートとが互いに接触しないので、摩擦ブレーキとは異なり、騒音及び部品の摩耗が発生せず、制動力の微調整が容易であるという利点がある一方で、制動力がスプールの回転速度に関係なく常に一定なので、スプールの低速回転時にも制動力が発生し続けることにより、キャスティングの飛距離が減少するなどの問題点がある。
参考までに、これに関連した従来技術としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3などがある。
スプールの一側面に備えられるブレーキングプレートと、
前記ブレーキングプレートに対向するように形成されたマグネットを備えたマグネットホルダーと、
前記スプールの回転時に前記ブレーキングプレートとマグネットとの間に発生する渦電流を介して前記マグネットホルダーが変位するようにするホルダー可変手段と、
を含むことにより、
前記スプールが回転するとき、前記マグネットホルダーが前記スプールの軸方向に移動しながら、前記ブレーキングプレートとマグネットとの距離に応じて前記ブレーキングプレートに作用する磁力の差異によって前記スプールの回転速度を制御することを特徴とする。
前記スプールカバーの一側でサイドカバーに設けられたダイヤルに結合され、前記ホルダー可変手段は、周方向に最低点と最高点とが傾斜するように連結されたカムで形成された被押動部もしくは押圧部又はこれらの両方と、前記マグネットホルダーを前記ブレーキングプレートから離れる一側方向に弾性支持する第1弾性体と、を含むことを特徴とする。
前記マグネットホルダーの軸設部が挟まれるスライドカムをさらに含み、
前記押圧部は、前記スライドカムから周方向に沿って他側から突出する第1端面カムで構成され、
前記被押動部は、前記軸設部の外周面から突出して前記第1端面カムに接触する被押動突起で構成されることを特徴とする。
サイドカバーのダイヤルに結合され、周方向に沿って他側に突出して最低点と最高点とが傾斜するように連結された第2端面カムを備えたダイヤルカムを含み、
前記スライドカムは、前記第2端面カムに接触するように突出したガイド突起を含むことを特徴とする。
前記マグネットホルダーは、複数のマグネットが周方向に放射状に配列されて装着され、周方向の所定区間にマグネットが装着されていないマグネット未装着部を含み、
前記スライドカムは、前記第1端面カムの最高点から内側に突出して連結された段差部と、前記マグネット未装着部と対応する位置に備えられた翼部と、前記翼部に装着され、前記マグネットと同一極性の補助マグネットと、を含むことを特徴とする。
前記マグネットホルダーは、スプールカバーの前面軸部に挟まれる軸設部を含み、
前記押圧部は、前記前面軸部の外周面から突出して周方向に沿って形成された第1端面カムで構成され、
前記被押動部は、前記軸設部の内周面から突出して前記第1端面カムに接触する被押動突起で構成されることを特徴とする。
前記スプールカバーとマグネットホルダーとの間に配列され、前記マグネットホルダーの移動距離を制御する押圧プレートと、
前記スプールカバーの一側で前記押圧プレートに連結され、周方向に最低点と最高点とが傾斜するように連結された第2端面カムを備えるスライドカムと、
再度カバーのダイヤルに結合され、シュウ方向に沿って前記第2端面カラムと対応する形態で突出して前記第2端面カムと接触する第3端面カムを備えたダイヤルカムと、
前記スライドカムを前記スプールカバーから離れる一側方向に弾性支持する第2弾性体と、を含むことを特徴とする。
前記マグネットホルダーと共に一方向又は双方向回転及び前後進可能に連結されているスライドカムを含み、
前記被押動部は、前記スライドカムの内周面から突出して周方向に最低点と最高点とが傾斜するように連結された第1端面カムで構成され、
前記押圧部は、前記スライドカムの一側から前記第1端面カムに向かって突出して前記第1端面カムに接触する押圧突起で構成されることを特徴とする。
渦電流を用いて、マグネットが備えられたマグネットホルダーが、スプールシャフトの軸方向にスプールのブレーキングプレートに向かって前進しながら、前記マグネットによる追加制動力の発生及び増加が行われることにより、スプールの実際回転速度に合わせて制動力の加減が自動的に精密に制御されるという効果がある。
また、各図面において、構成要素は、理解の便宜などのために、大きさや厚さを誇張して大きく(または厚く)或いは小さく(または薄く)表現しているか単純化して表現しているが、これによって本発明の保護範囲が制限されるものと解釈されてはならない。
本出願において、「含む」または「からなる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
本明細書において記載した「第1」、「第2」などは、互いに異なる構成要素を区分するためのものに過ぎず、製造された順序に拘らないものであり、発明の詳細な説明と請求の範囲においてその名称が一致しないこともある。
本発明による渦電流を用いたスプール制動装置及びこれを備えた釣り用リールを説明するにあたり、便宜のために、厳密でないおよその方向基準を図1a及び図1bを参照して特定すると、重力が作用する方向を下側にして見える方向のまま上下左右を定め、他の図面に関連した発明の詳細な説明及び請求の範囲においても、他に特別な記載がない限り、この基準に基づいて方向を特定して記述する。
スプールの一側面に備えられるブレーキングプレートと、
前記ブレーキングプレートに対向するように形成されたマグネットを備えたマグネットホルダーと、
前記スプールの回転時に前記ブレーキングプレートとマグネットとの間に発生する渦電流を介して前記マグネットホルダーが変位するようにするホルダー可変手段と、を含み、
前記スプールが回転するとき、前記マグネットホルダーが前記スプールの軸方向に移動しながら、前記ブレーキングプレートとマグネットとの距離に応じて磁力の差異によって前記スプールの回転速度を制御することを特徴とする。
周方向に最低点と最高点とが傾斜するように連結されたカムで形成された被押動部もしくは押圧部又はこれらの両方と、
前記マグネットホルダーを前記ブレーキングプレートから離れる一側方向に弾性支持する第1弾性体と、を含むことを特徴とする。
前記マグネットホルダーの軸設部が挟まれるスライドカムをさらに含み、
前記押圧部は、前記スライドカムから周方向に沿って他側から突出する第1端面カムで構成され、
前記被押動部は、前記軸設部の外周面から突出して前記第1端面カムに接触する被押動突起で構成されることを特徴とする。
サイドカバーのダイヤルに結合され、周方向に沿って他側に突出して最低点と最高点とが傾斜するように連結された第2端面カムを備えたダイヤルカムを含み、
前記スライドカムは、前記第2端面カムに接触するように突出したガイド突起を含むことを特徴とする。
前記マグネットホルダーは、複数のマグネットが周方向に放射状配列されて装着され、周方向の所定区間にマグネットが装着されていないマグネット未装着部を含み、
前記スライドカムは、前記第1端面カムの最高点から内側に突出して連結された段差部と、前記マグネット未装着部と対応する位置に備えられた翼部と、前記翼部に装着され、前記マグネットと同一極性の補助マグネットと、を含むことを特徴とする。
前記マグネットホルダーは、スプールカバーの前面軸部に挟まれる軸設部を含み、
前記押圧部は、前記前面軸部の外周面から突出して円周方向に沿って形成された第1端面カムで構成され、
前記被押動部は、前記軸設部の内周面から突出して前記第1端面カムに接触する被押動突起で構成されることを特徴とする。
前記スプールカバーとマグネットホルダーとの間に配列され、前記マグネットホルダーの移動距離を制御する押圧プレートと、
前記スプールカバーの一側で前記押圧プレートに連結され、周方向に最低点と最高点とが傾斜するように連結された第2端面カムと接触する第3端面カムを備えたダイヤルカムと、
前記スライドカムを前記スプールカバーから離れる一側方向に弾性支持する第2弾性体と、を含むことを特徴とする。
前記マグネットホルダーと共に一方向又は双方向回転及び前後進可能に連結されているスライドカムを含み、
前記被押動部は、前記スライドカムの内周面から突出して周方向に最低点と最高点とが傾斜するように連結された第1端面カムで構成され、
前記押圧部は、前記スライドカムの一側から前記第1端面カムに向かって突出して前記第1端面カムに接触する押圧突起で構成されることを特徴とする。
前記ブレーキングプレートと前記マグネットホルダーに配列されたマグネットは、非重畳対向面を備えたことを特徴とする。
スプール装着部を有するフレームと、
前記スプール装着部に装着されるスプールと、
上記に記載されたスプール制動装置と、を含むことを特徴とする。
以下、本発明による渦電流を用いたスプール制動装置及びこれを備えた釣り用リールについて、添付図面を参照して説明する。
本発明による釣り用リールは、スプール装着部を有するフレーム(図示せず)、スプール(図示せず)及び前記スプール制動装置を含む。
ここで、ホルダーの変位とは、ホルダーの最初状態でその位置又は角度が変わりながら差異を示すベクトル量であって、スプールの軸方向に各マグネットホルダー20A、20B、20Cの前後進位置が変わることを意味する。
前記前面軸部12Aに外挿されて前記収容部11において前記スプールの回転方向に双方向回転可能にかつ前記スプールの軸方向に前後進可能に結合され、前面部にマグネットMが備えられたマグネットホルダー20A、20B、20Cと、
前記スプールの回転時に発生する渦電流を用いて前記マグネットホルダー20A、20B、20Cを変位させるホルダー可変手段と、を含み、
前記ホルダー可変手段は、前記マグネットホルダー20A、20B、20Cの一側に設けられ、前記被押動部が接触する押圧部と、前記マグネットホルダー20A、20B、20Cを前記ブレーキングプレートから離れる一側方向に弾性支持する第1弾性体と、を含み、
前記被押動部もしくは押圧部又はこれらの両方は、周方向に最低点と最高点とが傾斜するように連結された端面カムで形成され、
前記スプールが一定速度以下で回転するとき、前記第1弾性体の弾性力によって前記マグネットホルダー20A、20B、20Cが前記ブレーキングプレートに向かって前進していない状態で前記ブレーキングプレートに作用する基本制動力が発生し、
前記スプールが一定速度以上で回転するとき、前記ブレーキングプレートとマグネットMとの間に渦電流が増加して前記被押動部が端面カム構造に乗って上方に移動しながら前記マグネットホルダー20A、20B、20Cが前進するにつれて、前記マグネットMとブレーキングプレートとの距離が近くなり、前記スプールの高速回転に応じて、前記ブレーキングプレートに作用する追加制動力が発生及び増加することを特徴とする。
そして、本発明のスプールカバー10は、前記底部11Aの内、外側両面の中央に前面軸部12Aと後面軸部12Bがそれぞれ円筒状に突出しており、
各実施例別の押圧部として機能する端面カムの有無、スライドカム30A、30B、30Cの結合位置、及びマグネットホルダー20A、20B、20Cとスライドカム30A、30B、30Cとの連結のためのガイド孔11aと嵌合孔11cとガイド溝11dそれぞれの有無によって、第1~第3実施形態のスプールカバー10が区分される。
また、本発明は、複数のマグネットMがマグネットホルダー20A、20B、20Cの周方向に所定間隔を隔てて設けられ、このとき、マグネットMは、互いに異なる極性で交差配列され、マグネットがブレーキングプレートに重畳しない非重畳対向面を形成する。
まず、本発明の第1実施形態は、図1a、図1b~図8a、図8bに示すように、
前記前面軸部12Aに外挿されて前記収容部11において前記スプールの回転方向に双方向回転可能に結合され、周方向に沿って他側に突出する押圧部を形成する第1端面カム31Aを備えたスライドカム30Aを含み、
前記マグネットホルダー20Aは、前記前面軸部12Aと前記スライドカム30Aの内周面との間に挟まれる軸設部21と、前記軸設部21の外周面から突出して前記第1端面カム31Aに接触する被押動部を形成する被押動突起22Aと、を含むことを特徴とする。
このようなスプールカバー10は、第2実施形態とは異なり、前面軸部12Aに押圧部として機能する端面カムが設けられず、前面軸部12Aに外挿されるスライドカム30Aに第1端面カム31Aが設けられて押圧部として機能するという点で、差異がある。
このとき、軸設部21の内径は、前記前面軸部12Aの外径及びスライドカム30Aの内径に対応し、軸設部21の外径は、スライドカム30Aに設けられた第1端面カム31Aの内径に対応して、第1端面カム31Aに内挿されたマグネットホルダー20Aがスライドカム30Aと共に前面軸部12Aに外挿されて支持される。
そして、前記軸設部21の外周面から突設された被押動突起22Aは、後端側(外側)に幅が漸次減少する楔状構造であって、軸設部21の周方向に沿って放射状に配列され、前記第1端面カム31Aの先端面に接触して組み立てられる。
このとき、基本的な第1実施形態において、マグネットホルダー20Aは、一側面の装着溝10aにリング状のマグネットプレートMPがさらに装着され、前記マグネットプレートMPは、伝導体であって、マグネットMの磁性がホルダーの後面側に作用することを防止することにより、ブレーキングプレートに対する基本磁力を増大させることができる。
前記ホルダーキャップ23は、フック突起23aが前面軸部12Aの内周面に係止されて装着され、これにより、ホルダーキャップ23を支持点として、前記マグネットホルダー20Aがブレーキングプレートから離れる方向である外側方向に後進するように弾性支持される。
前記スライドカム30Aは、前記軸設部21に相応するリング状部材であって、縁に沿って第1端面カム31Aが前記被押動突起22Aと対応する位置に配列されている。
前記スライドカム30Aは、前記前面軸部12Aの軸方向に前後進可能に結合するが、一側面から突出して前記スプールカバー10を貫通して嵌め込まれ、前記第2端面カム41に接触するガイド突起32を備えることにより、
前記ダイヤルカム40Aの双方向回転に応じて前記ガイド突起32が前記第2端面カム41に乗って移動しながら前記スライドカム30Aによって前記マグネットホルダー20Aの前後位置が可変して、前記ブレーキングプレートに作用する基本制動力を調節できることを特徴とする。
前記ダイヤルカム40Aは、縁に沿って一方向に上方傾斜するように形成された第2端面カム41が備えられるが、図面の如く、2つのガイド突起32と2つの第2端面カム41が備えられる場合、1回転あたりの可変高さを最大に延長することができるように、一側のガイド突起32が他側のガイド突起32よりもダイヤルカム40Aの縁側に偏重されるように備えられ、これに対応して2つの第2端面カム41が各ガイド突起32の回転経路上に位置して内外に互いに重畳する形態で配列される。
したがって、このようなマグネット制動装置を備えた釣り用リールでキャスティング(及びリーリング)を行う場合、
スプールが低速で回転するときは、回転するブレーキングプレート(導体)と、該ブレーキングプレートに対して固定されたマグネットM(及びマグネットプレートMP)との間に発生する渦電流よりも前記第1圧縮ばね24の弾性力がさらに強いため、マグネットホルダー20Aがスプール回転方向に押圧されなくなり、前記被押動突起22Aが第1端面カム31Aの最低点31Lに位置することにより、マグネットM(及びマグネットプレートMP)がブレーキングプレートから最大限離れた状態が維持され、その結果、離隔距離に応じた最小限の基本制動力のみが発生する。
また、スプール停止状態で、ユーザがサイドカバーのダイヤルDを掴んで一方向に回転させると、第2端面カム41の最下点41Lに位置したガイド突起32が第2端面カム41の最高点41Hに向かって上昇しながらスライドカム30Aが前進してマグネットM(及びマグネットプレートMP)の基本設定位置が変わる。
したがって、ユーザが、任意にスプールの低速回転状態で発生する基本制動力を増加するように調節することができ、このように基本制動力が増加する分だけスライドカム30Aの前進による追加制動力の発生時点を早くなるように調節することができるため、ユーザは、自分に合わせて制動力を精密制御することができる。
前記マグネットホルダー20Aは、複数のマグネットMが周方向に放射状に配列されて装着されるが、周方向の所定区間にマグネットMが装着されていないマグネット未装着部26を含み、
前記スライドカム30Aは、前記第1端面カム31Aの最高点31Hから内側に突出して連結された段差部31aと、前記マグネット未装着部26と対応する位置の外周面から突出した翼部34と、前記翼部34に装着され、前記マグネットMと同じ極性を有する補助マグネットM1とを含むことにより、
前記第1端面カム31Aの最高点31Hに到達した前記被押動突起22Aが前記段差部31aに係止されながら、前記マグネットMと補助マグネットM1との斥力の発生によって前記マグネットホルダー20Aが追加前進して、前記ブレーキングプレートに作用するマキシマム制動力が発生することを特徴とする。
前記段差部31aは、第1端面カム31Aの最高点31Hからスプールシャフトの軸方向に突出することにより、前記被押動突起22Aがもはや回転移動することができないようにする。
前記補助マグネットM1は、前記複数のマグネットMと同じ極性であり、前記スライドカム30Aの被押動突起22Aが第1端面カム31Aの最低点31Lに位置するとき、前記翼部34が前記マグネット未装着部26と同一線上に位置することにより、マグネットMと補助マグネットM1との間に斥力が発生しない。
そして、スプールが高速回転するにつれて、前記被押動突起22Aが第1端面カム31Aの最高点31Hに向かって上昇しながら、前記翼部34の補助マグネットM1がマグネット未装着部26を外れる方向に移動する。
したがって、スプールが一定限度を超えて超高速で回転する場合、被押動突起22Aが第1端面カム31Aに沿って移動しながら制動力が次第に増加するのではなく、マグネットMと補助マグネットM1との斥力によって制動力が瞬間的に増加しながら、マキシマム制動力が即時発生することになり、スプールの超高速回転によるバックラッシュ現象を防止することができる。
前記スプールカバー10は、前記底部11Aの他側面から突出した前面軸部12Aと、前記前面軸部12Aの外周面に突設され、周方向に沿って形成される押圧部を形成する第1端面カム13と、を含み、
前記マグネットホルダー20Bは、前記前面軸部12Aの外周面に嵌められる軸設部21と、前記軸設部21の内周面から突出して前記第1端面カム13に接触する押圧部を形成する被押動突起22Bと、を含むことを特徴とする。
このとき、本明細書の図面には、前記第1端面カム13が最低点13Lから両側に向かって最高点13Hに上方傾斜した形態が代表的に示されているが、第1端面カム13が一方向にのみ形成されることも可能であり、最高点13Hには段差部13aが形成され、前記被押動突起22Bが最高点13Hを超えないようにする。
前記被押動突起22Bは、第1実施形態と同様の形態であり、ただし、マグネットホルダー20Bの内周面に突設されるという点で、差異がある。
前記収容部11に装着されて前記マグネットホルダー20Bの一側面を支え、前記スプールカバー10を一側に貫通して嵌め込まれる連結突起51を備える押圧プレート50と、
前記連結突起51に結合されて前記スプールカバー10の一側で前記押圧プレート50と共にスプールシャフトの軸方向に前後進可能であり、内周面から突出して周方向に最低点と最高点とが傾斜するように連結された第2端面カム31Bを備えたスライドカム30Bと、
前記スライドカム30Bの一側でサイドカバーに設けられたダイヤルDに結合されて前後回転可能であり、周方向に沿って前記第2端面カム31Bと対応する形態で突出して前記第2端面カム31Bと接触する第3端面カム42を備えたダイヤルカム40Bと、
前記スライドカム30Bを前記スプールカバー10から離れる一側方向に弾性支持する第2弾性体と、を含むことにより、
前記ダイヤルカム40Bの双方向回転に応じて前記第2端面カム31Bが前記第3端面カム42に乗って移動しながら前記スライドカム30Bによって前記マグネットホルダー20Bの前後位置が可変して、前記ブレーキングプレートに作用する基本制動力を調節することができることを特徴とする。
前記スライドカム30Bは、第1実施形態とは異なり、前記スプールカバー10の後面軸部12Bに嵌合され、前記連結突起51によってマグネットホルダー20Bと連結されており、一緒に前後進可能である。
前記ダイヤルカム40Bの第3端面カム42は、前記第2端面カム31Bと対応する形態で形成されて互いに接している。
そして、前記連結突起51には第2圧縮ばね52が外挿され、前記スプールカバー10に対して前記スライドカム30Bをスプールカバー10の外側に離れる一側方向に後進するように弾性支持する。
また、前記押圧プレート50は、前面縁部から突出した制限突起53を含み、
前記マグネットホルダーは、前面縁部に所定長さで形成された長溝29を含むことにより、
前記マグネットホルダー20Bの前進時に前記長溝29が前記制限突起53の係止部に係合される。
よって、前記マグネットホルダー20Bは、前記制限突起53に拘束されて最大前進位置が制限を受ける。
つまり、押圧プレート50の位置を問わず、前記マグネットホルダー20Bの最大前進距離は、前記制限突起53の係止部を外れることができず、これによりスプールの高速回転時に前記マグネットホルダー20Bがブレーキングプレートに向かって前進し続けて接触することを防止することができる。
前記スプールカバー10は、周方向に所定長さを持つように形成されたガイド溝11dが放射状に配列されており、
前記マグネットホルダー20Cは、前記ガイド溝11dを貫通して嵌め込まれる嵌合突起27を含み、
前記嵌合突起27に結合されて前記スプールカバー10の一側で前記マグネットホルダー20Cと共に双方向回転及び前後進可能であり、内周面から突出して周方向に最低点と最高点とが傾斜するように連結される被押動部を形成する第1端面カム31Cを備えたスライドカム30Cと、
前記スライドカム30Cの一側から前記第1端面カム31Cに向かって突出して前記第1端面カム31Cに接触する押圧部を形成する押圧突起43と、を含むことを特徴とする。
前記スライドカム30Cは、前記スプールカバー10の後面軸部12Bに嵌められて軸設され、後面軸部12Bに外挿された圧縮ばね33が前記第1弾性体として機能するため、スライドカム30Cに結合されたマグネットホルダー20Cをブレーキングプレートから離れる外側方向に弾性支持することにより、スプールが低速回転するときに圧縮ばね33によってマグネットホルダー20Cが収容部内に行進するようにして追加制動力が調節される。
前記ダイヤルカム40Cの双方向回転に応じて、前記押圧突起43が前記第1端面カム31Cに乗って移動しながら前記スライドカム30Cによって前記マグネットホルダー20Cの前後位置が可変して、前記ブレーキングプレートに作用する基本制動力を調節することができることを特徴とする。
このとき、前記第1端面カム31Cは、最低点が所定長さで連なっている平坦面31bから一方向に上方傾斜した傾斜面31cで構成され、
前記押圧突起43は、一側端部に前記傾斜面31cの傾斜度に対応するように形成されたテーパー部43aが備えられる。
MP マグネットプレート
D ダイヤル
10 スプールカバー
20A、20B、20C、20D マグネットホルダー
30A、30B、30C スライドカム
40A、40B、40C ダイヤルカム
50 押圧プレート
Claims (7)
- スプールの一側面に備えられるブレーキングプレートと、
前記ブレーキングプレートに対向するように形成されたマグネットを備えたマグネットホルダーと、
前記スプールの回転時に前記ブレーキングプレートとマグネットとの間に発生する渦電流を介して前記マグネットホルダーが変位するようにするホルダー可変手段と、
を含むことにより、
前記スプールが回転するとき、前記マグネットホルダーが前記スプールの軸方向に移動しながら、前記ブレーキングプレートとマグネットとの距離に応じて前記ブレーキングプレートに作用する磁力の差異によって前記スプールの回転速度を制御することを特徴とする、スプール制動装置。 - 前記ホルダー可変手段は、
最低点と最高点とが傾斜するように連結されたカムで形成された被押動部もしくは押圧部又はこれらの両方と、
前記マグネットホルダーを前記ブレーキングプレートから離れる一側方向に弾性支持する第1弾性体と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のスプール制動装置。 - 前記マグネットホルダーの軸設部が挟まれるスライドカムをさらに含み、
前記押圧部は、前記スライドカムから周方向に沿って他側に突出する第1端面カムで構成され、
前記被押動部は、前記軸設部の外周面から突出して前記第1端面カムに接触する被押動突起で構成されることを特徴とする請求項2に記載のスプール制動装置。 - 前記マグネットホルダーは、スプールカバーの前面軸部に挟まれる軸設部を含み、
前記押圧部は、前記前面軸部の外周面から突出して周方向に沿って形成された第1端面カムで構成され、
前記被押動部は、前記軸設部の内周面から突出して前記第1端面カムに接触する被押動突起で構成されることを特徴とする請求項2に記載のスプール制動装置。 - 前記マグネットホルダーと共に一方向又は双方向回転及び前後進可能に連結されているスライドカムを含み、
前記被押動部は、前記スライドカムの内周面から突出して最低点と最高点とが傾斜するように連結された第1端面カムで構成され、
前記押圧部は、前記スライドカムの一側から前記第1端面カムに向かって突出して前記第1端面カムに接触する押圧突起で構成されることを特徴とする請求項2に記載のスプール制動装置。 - 前記スプールカバーとマグネットホルダーとの間に配列されて前記マグネットホルダーの移動距離を制御する押圧プレートを含むことを特徴とする請求項4に記載のスプール制動装置。
- 前記ブレーキングプレートと前記マグネットホルダーに配列されたマグネットは非重畳対向面を備えたことを特徴とする請求項1に記載のスプール制動装置。
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