JP7215887B2 - 伝達ベルトおよび無段変速機 - Google Patents

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Description

本明細書は、伝達ベルトおよび無段変速機並びにエレメントの設計方法、エレメントの製造方法について開示する。
従来、この種の伝達ベルトとしては、サドル面を含む本体部(胴部)とサドル面の幅方向における両側から同方向に延出された柱部(ピラー部)とを有する複数のエレメントと、内周面が複数のエレメントの各サドル面と接触して当該複数のエレメントを環状に結束するリングとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。胴部は、リングの内周側から外周側に向かうにつれて離間するように一対の側面が形成される。
また、略逆台形形状の胴部とその幅方向における中央部からリングの外周側に延在された略三角形状のヘッド部と胴部とヘッド部との間において幅方向における外側に向かって開口する一対の凹部とを含む複数の横断素子(エレメント)と、一対の凹部に収容された2組の連続バンドからなるキャリヤ(リング)とを備えるものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。横断素子の一対の横側面は、半径方向内方に先細りとなっており、一対の横側面がなす角度がプーリのV字溝の開き角度よりも大きくなるように形成される。これにより、横断素子の横側面とプーリとの間の接触圧力が半径方向外方に減少するのを防止し、横側面への局所摩耗を低減することができる、としている。
特開2017-180784 特表2003-535289
リングと接触するサドル面を含む胴部とサドル面の幅方向における両側から同方向に延出された一対のピラー部とを含むエレメントを備える特許文献1記載の伝達ベルトにおいては、エレメントの一対の側面がプーリから受ける挟圧力によりエレメントがリングの内周側から外周側へ向けて押し出され、それにより、サドル面の幅方向における中央部にリングからの力(張力)がリングの外周側から内周側に向けて作用する。このため、エレメントは、サドル面の幅方向における中央部に対してリングから受ける力によって大きく変形する。その結果、一対の側面とプーリとの間の接触圧力(面圧)に偏りが生じ、一対の側面に局所摩耗が生じてしまう。
胴部と略三角形状のヘッド部と胴部とヘッド部との間において幅方向における外側に向かって開口する一対の凹部とを含むエレメントを備える特許文献2記載の伝達ベルトにおいては、エレメントの一対の側面の開き角度を決定するに際して、シーブに撓みが生じることが考慮されている。この構成のエレメントにおいても、上述したようにリングから受ける力(張力)により変形すると考えられるが、エレメントがリングから受ける力により変形することについては何ら考慮されていない。
本開示は、一対の側面の胴部の幅方向における間にリングの内周面が接触するサドル面を有するエレメントにおいて、プーリのV字状溝と接触する一対の側面の局所摩耗を低減することを主目的とする。
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の伝達ベルトは、複数のエレメントと、該複数のエレメントを環状に結束するリングとを有し、無段変速機の一対のプーリのV字状溝に巻き掛けられて動力を伝達する伝達ベルトであって、前記エレメントは、前記リングと接触するサドル面を含む胴部と、前記サドル面の幅方向における両側から同方向に延出された一対のピラー部と、一対の側面
とを有し、前記一対の側面は、前記ピラー部に形成された第1側面と、前記第1側面から連続するように形成されて該第1側面よりも前記リングの内周側に位置する第2側面とをそれぞれ含み、一対の前記第1側面は、それぞれ、連続する前記第2側面における前記リングの内周側から外周側への延在方向に対して前記ピラー部の内側に傾斜するように形成され、一対の前記第2側面は、前記リングの内周側から外周側に向かうにつれて離間すると共に当該一対の第2側面のなす角度が前記プーリのV字状溝の開き角度よりも0.2度~0.8度大きくなるように形成されることを要旨とする。
リングが接触するサドル面の幅方向における両側に一対のピラー部を有するエレメントにおいては、トルク伝達時において一対の側面にプーリからの力(狭圧力)が作用すると共にサドル面の幅方向における中央部にリングからの力(張力)がリングの外周側から内周側に向けて作用する。このとき、サドル面の幅方向における中央部に内周側に向けて作用するリングからの力によってエレメントが大きく変形し、一対の側面とプーリとの間の接触圧力(面圧)に偏りが生じる。その結果、一対の側面がプーリからの接線方向の力を受けたときに前後方向に揺動(ピッチング)して、エレメントの各側面に局所摩耗が生じてしまう。本願の発明者らは、研究により、一対の第1側面がそれぞれ連続する第2側面におけるリングの内周側から外周側への延在方向に対してピラー部の内側に傾斜し、一対の第2側面がリングの内周側から外周側に向かうにつれて離間すると共に当該一対の第2側面がなす角度がプーリのV字状溝の開き角度よりも0.2度~0.8度大きくなるようにエレメントを形成することで、トルク伝達時において当該エレメントが変形した状態で一対の第2側面がプーリの接触面(傾斜面)と略平行になり、一対の側面(第2側面)がプーリからの接線方向の力を受けたときの一対の側面とプーリとの間の接触圧力の偏りが少なくなることを見出した。これにより、エレメント,プーリ間の摩擦による抵抗力(耐ピッチングモーメント)を高くすることができ、エレメントのピッチングを良好に抑制してプーリのV字状溝と接触する一対の側面の局所摩耗を低減することができる。
本開示の無段変速機は、一対のプーリと、複数のエレメントと該複数のエレメントを環状に結束するリングとを有し前記一対のプーリのV字状溝に巻き掛けられる伝達ベルトと、を備える無段変速機であって、前記エレメントは、前記リングと接触するサドル面を含む胴部と、前記サドル面の幅方向における両側から同方向に延出された一対のピラー部と、一対の側面とを有し、前記一対の側面は、前記ピラー部に形成された第1側面と、前記第1側面から連続するように形成されて該第1側面よりも前記リングの内周側に位置する第2側面とをそれぞれ含み、一対の前記第1側面は、それぞれ、連続する前記第2側面における前記リングの内周側から外周側への延在方向に対して前記ピラー部の内側に傾斜するように形成され、一対の前記第2側面は、前記リングの内周側から外周側に向かうにつれて離間すると共に当該一対の第2側面のなす角度が前記プーリのV字状溝の開き角度よりも0.2度~0.8度大きくなるように形成されることを要旨とする。
この本開示の無段変速機は、上述した本開示の伝達ベルトを備えるものである。このため、本開示の無段変速機は、本開示の伝達ベルトと同様の効果、すなわち、プーリのV字状溝と接触する一対の側面の局所摩耗を低減することができる効果を奏することができる。
本開示のエレメントの設計方法は、胴部と該胴部の幅方向における両端に位置する一対の側面と該一対の側面の前記幅方向における間に位置するサドル面とを有する複数のエレメントと、内周面が前記複数のエレメントの各サドル面と接触して該複数のエレメントを環状に結束するリングとを有し、無段変速機の一対のプーリのV字状溝に巻き掛けられて動力を伝達する伝達ベルトの前記エレメントの設計方法であって、前記プーリの開き角を含むプーリ諸元と前記一対の側面がなす角度であるフランク角度を含むエレメント諸元と前記無段変速機の入力トルクを含む解析条件を設定し、前記プーリ諸元と前記エレメント諸元と前記解析条件とに基づく解析により、異なる複数のフランク角度において前記一対の側面と前記プーリとの摩擦力の前記リングの径方向における分布をそれぞれ導出し、前記複数のフランク角度においてそれぞれ導出した摩擦力分布から前記複数のフランク角度において前記エレメントのピッチング中心に対する回転モーメントをそれぞれ導出し、前記複数のフランク角度においてそれぞれ導出した前記回転モーメントに基づいて、前記無段変速機に適したフランク角度を決定することを要旨とする。
この本開示のエレメントの設計方法では、プーリの開き角を含むプーリ諸元と一対の側面がなす角度であるフランク角度を含むエレメント諸元と無段変速機の入力トルクを含む解析条件を設定し、プーリ諸元とエレメント諸元と解析条件とに基づく解析により、異なる複数のフランク角度において一対の側面とプーリとの摩擦力分布(摩擦力のリング径方向における分布)をそれぞれ導出し、それぞれ導出した摩擦力分布から複数のフランク角度においてエレメントのピッチング中心に対する回転モーメントをそれぞれ導出し、それぞれ導出した回転モーメントに基づいて無段変速機に適したフランク角度を決定する。エレメントのピッチング中心に対する回転モーメントは、エレメントがプーリから力を受けたときの摩擦力による抵抗力に相当するため、当該回転モーメントに基づいてフランク角度を決定することで、エレメントのピッチングを良好に抑制することができ、プーリのV字状溝と接触する一対の側面の局所摩耗を低減することができる。
本開示のエレメントの製造方法は、胴部と該胴部の幅方向における両端に位置する一対の側面と該一対の側面の前記幅方向における間に位置するサドル面とを有する複数のエレメントと、内周面が前記複数のエレメントの各サドル面と接触して該複数のエレメントを環状に結束するリングとを有し、無段変速機の一対のプーリのV字状溝に巻き掛けられて動力を伝達する伝達ベルトの前記エレメントの製造方法であって、前記プーリの開き角を含むプーリ諸元と前記一対の側面がなす角度であるフランク角度を含むエレメント諸元と前記無段変速機の入力トルクを含む解析条件を設定し、前記プーリ諸元と前記エレメント諸元と前記解析条件とに基づく解析により、異なる複数のフランク角度において前記一対の側面と前記プーリとの摩擦力の前記リングの径方向における分布をそれぞれ導出し、前記複数のフランク角度においてそれぞれ導出した摩擦力分布から前記複数のフランク角度において前記エレメントのピッチング中心に対する回転モーメントをそれぞれ導出し、前記複数のフランク角度においてそれぞれ導出した前記回転モーメントに基づいて、前記無段変速機に適したフランク角度を決定し、前記決定したフランク角度に基づいて金型を形成し、前記形成した金型を用いてプレス加工することにより前記エレメントの外形を成形することを要旨とする。
この本開示のエレメントの製造方法は、上述したエレメントの設計方法を含むものである。このため、本開示のエレメントの製造方法は、本開示のエレメントの設計方法と同様の効果、すなわち、プーリのV字状溝と接触する一対の側面の局所摩耗を低減することができる効果を奏することができる。
本実施形態の無段変速機1の概略構成図である。 無段変速機1に含まれる伝達ベルト10の部分断面図である。 伝達ベルト10に含まれるエレメント20の拡大図である。 伝達ベルト10の部分断面図である。 エレメント20の胴部高さと一対の第2側面20sbがなす角度θbと耐ピッチングモーメントとの関係を示す説明図である。 エレメント20の胴部高さと一対の第2側面20sbがなす角度θbと最小主応力との関係を示す説明図である。 他の実施形態の伝達ベルト110の部分断面図である。 伝達ベルト110に含まれるエレメント120の胴部高さと一対の第2側面20sbがなす角度θbと耐ピッチングモーメントとの関係を示す説明図である。 図8の耐ピッチングモーメントの目盛り間隔を拡大した拡大図である。 エレメント120の胴部高さと一対の第2側面20sbがなす角度θbと最小主応力との関係を示す説明図である。 他の実施形態の伝達ベルト210の部分断面図である。 エレメント20の製造手順を示す説明図である。 シーブ(プーリ)およびエレメントの解析モデルの一例を示す説明図である。 エレメント20の第2側面20sbがプーリから受ける面圧の分布と耐ピッチングモーメントとの関係を示す説明図である。 本実施形態の伝達ベルト10および比較例の伝達ベルト310のそれぞれの伝達可能なトルクと油圧との関係を示す説明図である。 比較例の伝達ベルト310の部分断面図である。 エレメント20の成形の様子を示す説明図である。 エレメント20の成形の様子を示す説明図である。 エレメント20の成形の様子を示す説明図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本実施形態の無段変速機1の概略構成図である。無段変速機1は、車両に搭載されるものであり、図示するように、駆動側回転軸としてのプライマリシャフト2と、当該プライマリシャフト2に設けられたプライマリプーリ3と、プライマリシャフト2と平行に配置される従動側回転軸としてのセカンダリシャフト4と、当該セカンダリシャフト4に設けられたセカンダリプーリ5と、プライマリプーリ3のプーリ溝(V字状溝)とセカンダリプーリ5のプーリ溝(V字状溝)とに巻き掛けられた伝達ベルト10と、を備える。
プライマリシャフト2は、エンジン(内燃機関)等の動力源に連結された図示しないインプットシャフトに図示しない前後進切換機構を介して連結される。プライマリプーリ3は、プライマリシャフト2と一体に形成された固定シーブ3aと、ボールスプライン等を介してプライマリシャフト2により軸方向に摺動自在に支持される可動シーブ3bと、を有する。また、セカンダリプーリ5は、セカンダリシャフト4と一体に形成された固定シーブ5aと、ボールスプライン等を介してセカンダリシャフト4により軸方向に摺動自在に支持されると共にリターンスプリング8により軸方向に付勢される可動シーブ5bと、を有する。
更に、無段変速機1は、プライマリプーリ3の溝幅を変更するための油圧式アクチュエータであるプライマリシリンダ6と、セカンダリプーリ5の溝幅を変更するための油圧式アクチュエータであるセカンダリシリンダ7と、を有する。プライマリシリンダ6は、プライマリプーリ3の可動シーブ3bの背後に形成され、セカンダリシリンダ7は、セカンダリプーリ5の可動シーブ5bの背後に形成される。プライマリシリンダ6とセカンダリシリンダ7とには、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ5との溝幅を変化させるべく図示しない油圧制御装置から作動油が供給され、それにより、エンジン等からインプットシャフトや前後進切換機構を介してプライマリシャフト2に伝達されたトルクを無段階に変速してセカンダリシャフト4に出力することができる。セカンダリシャフト4に出力されたトルクは、ギヤ機構、デファレンシャルギヤおよびドライブシャフトを介して車両の駆動輪(何れも図示省略)に伝達される。
図2は、伝達ベルト10の部分断面図である。伝達ベルト10は、図示するように、無端の複数(本実施形態では、例えば9個)のリング材11を厚み方向(リング径方向)に積層することにより構成された1個の積層リング12と、無端の1個のリテーナリング15と、積層リング12の内周面に沿って環状に配列(結束)される複数(例えば、合計数百個)のエレメント20と、を有する。
積層リング12を構成する複数のリング材11は、それぞれ鋼板製のドラムから切り出された弾性変形可能なものであり、概ね同一の厚みおよびそれぞれについて予め定められた異なる周長を有するように加工されている。リテーナリング15は、例えば鋼板製のドラムから切り出された弾性変形可能なものであり、リング材11と概ね同一若しくはそれよりも薄い厚みを有すると共に積層リング12の最外層のリング材11の外周長よりも長い内周長を有するように加工されている。これにより、積層リング12とリテーナリング15とが同心円状に配置された状態(張力が作用しない無負荷状態)では、図2に示すように、最外層のリング材11の外周面とリテーナリング15の内周面との間に、環状のクリアランスが形成される。
エレメント20は、例えばプレス加工により鋼板から打ち抜かれたものであり、図2に示すように、図中水平に延びる胴部21と、当該胴部21の両端部から同方向に延出された一対のピラー部22と、各ピラー部22の遊端側に開口するように一対のピラー部22の間に画成された単一のリング収容部(凹部)23と、を有する。
胴部21の積層リング12の径方向における内側(内周側)の端縁21eiは、幅方向においてフラット状に形成されている。
一対のピラー部22は、リング収容部23の底面であるサドル面23sの幅方向における両側から積層リング12の径方向における外側(伝達ベルト10(積層リング12)の内周側から外周側に向かう方向、すなわち図中上方)に延出されており、各ピラー部22の遊端部には、サドル面23sの幅方向に突出するフック部22fが形成されている。一対のフック部22fは、積層リング12(リング材11)の幅よりも若干長く、かつリテーナリング15の幅よりも短い間隔をおいて互いに対向するように延出されている。
リング収容部23内には、図2に示すように、積層リング12が配置され、当該リング収容部23のサドル面23sは、積層リング12の内周面すなわち最内層のリング材11の内周面に接触する。サドル面23sは、幅方向における中央部を頂部Tとして幅方向外側に向かうにつれて図中下方に緩やかに傾斜した左右対称の凸曲面形状(クラウニング形状)に形成される。これにより、サドル面23sとの摩擦により積層リング12に頂部Tに向かう求心力を付与して、当該積層リング12をセンタリングすることが可能となる。ただし、サドル面23sは、積層リング12の径方向における外側に湾曲する凸曲面を幅方向に複数含むものであってもよい。
また、リング収容部23内には、弾性変形させられたリテーナリング15がエレメント20の一対のフック部22fの間から嵌め込まれる。リテーナリング15は、積層リング12の最外層のリング材11の外周面とエレメント20のフック部22fとの間に配置されて当該積層リング12を包囲し、一対のピラー部22と共に、エレメント20が積層リング12から脱落したり、エレメント20から積層リング12が脱落したりするのを規制する。これにより、それぞれ複数のエレメント20は、積層リング12の内周面に沿って環状に結束(配列)される。本実施形態では、リテーナリング15には、図示しない単一または複数の開口(長穴)が形成されており、これにより、リテーナリング15を弾性変形し易くしてエレメント20に対する組付性を確保することができる。
エレメント20の正面(一方の表面)には、図2に示すように、一対のロッキングエッジ部(接触領域)25、非接触部27、テーパ面(傾斜面)21s、および1個の突起(ディンプル)21pが形成されている。一対のロッキングエッジ部25は、それぞれ対応するピラー部22と胴部21とに跨がるようにサドル面23sの幅方向に間隔をおいてエレメント20の正面に形成されている。また、非接触部27は、一対のロッキングエッジ部25の上記幅方向における間に形成されている。更に、テーパ面21sは、非接触部27および一対のロッキングエッジ部25から各ピラー部22の突出方向と反対側、すなわちベルト内周側(図2における下側)に延在するように胴部21の正面(一方の表面)に形成されている。突起21pは、胴部21の正面の幅方向における中央部でテーパ面21sから突出する。
また、図2に示すように、各ロッキングエッジ部25および非接触部27よりもベルト外周側に位置するエレメント20の正面(主にピラー部22の正面)と、エレメント20の背面(他方の表面)とは、それぞれ平坦に形成されている。これにより、エレメント20の各ピラー部22は、一定の厚みを有する。また、各ロッキングエッジ部25および非接触部27よりもベルト内周側(図2における下側)に位置するテーパ面21sは、図2に示すように、ピラー部22から離間するにつれて(ベルト内周側に向かうにつれて)背面(裏面)に近接する。更に、エレメント20(胴部21)の背面には、突起21pの裏側に位置するように窪み部21rが形成されている。伝達ベルト10が組み立てられた際、当該窪み部21rには、隣り合うエレメント20の突起21pが遊嵌される。
各ロッキングエッジ部25は、短尺帯状の凸曲面であり、本実施形態では、予め定められた曲率半径を有する円柱面(曲面)とされている。各ロッキングエッジ部25は、隣り合うエレメント20同士が接触して両者が回動する支点(接触線)を含み、支点の位置は、無段変速機1の変速比γに応じてロッキングエッジ部25の外周側端部25o(ピラー部22の正面とロッキングエッジ部25との境界線)と内周側端部25i(テーパ面21sとロッキングエッジ部25との境界線)との間で変動する。
また、非接触部27は、隣り合うエレメント20同士が接触した状態でサドル面23sで開口すると共に当該サドル面23sに沿って幅方向に延在して一対のロッキングエッジ部25を分断するように胴部21の正面(一方の表面)に形成された帯状の凹部である。非接触部27の底面は、エレメント20の正面(主にピラー部22の正面)および背面と平行をなす平坦面であり、各ロッキングエッジ部25の表面よりも背面側に窪んでいる。これにより、サドル面23sの厚みは、ピラー部22の厚みよりも小さくなる。また、非接触部27(凹部)の隅部や、非接触部27を画成する胴部21のエッジ部には、面取り加工等によりR形状が付与されている。
このような非接触部27をエレメント20に形成することで、伝達ベルト10では、隣り合うエレメント20同士のロッキングエッジ部25以外での接触を良好に抑制することが可能となる。この結果、大きなモーメントが作用するエレメント20の幅方向における中央部からの荷重が隣り合うエレメント20に加えられて当該エレメント20が変形するのを抑制し、エレメント20の耐久性をより向上させることが可能となる。
また、エレメント20は、積層リング12の内周側から外周側(積層リング12の径方向における外側)に向かうにつれて互いに離間するように形成された一対の側面20sを有する。図2および図3に示すように、各側面20sは、ピラー部22側すなわち当該ピラー部22の内面22iの反対側(外側)に位置する第1側面20saと、第1側面20saに連続するように形成されて当該第1側面20saよりも積層リング12の径方向における内側に位置する第2側面20sbと、を有する。本実施形態において、一対の第1側面20saは、第2側面20sbと同様に、積層リング12の径方向における外側に向かうにつれて互いに離間するように形成されると共に、図3に示すように、第2側面20sbとの境界(B)において第2側面20sbに対するなす角度θabが180度未満となるように、即ち第2側面20sbにおける積層リング12の内周側から外周側への延在方向に対してピラー部22の内側に傾斜するように形成される。これにより、各ピラー部22の強度を良好に確保することができる。
更に、一対の第2側面20sbがなす角度θb(フランク角度)は、図4に示すように、プライマリプーリ3やセカンダリプーリ5のプーリ溝の開き角度θ0よりも大きく、本実施形態では0.2度~0.8度大きくなるように定められている。一方、一対の第1側面20saがなす角度θaは、プーリ溝の開き角度θ0よりも小さく定められている。これにより、エレメント20の第2側面20sbは、プライマリプーリ3のプーリ溝やセカンダリプーリ5のプーリ溝の表面に摩擦接触してプーリ3,5からの挟圧力を受け、プーリ3,5の接線方向の摩擦力によりプライマリプーリ3からセカンダリプーリ5へとトルクを伝達するトルク伝達面(フランク面)となる。これに対して、一対の第1側面20saは、伝達ベルト10によってプライマリプーリ3からセカンダリプーリ5へとトルクが伝達される際、基本的に、プーリ溝の表面に接触しないことになる。また、図3に示すように、第1側面20saと第2側面20sbとの境界Bは、エレメント20を平面視した際に、ロッキングエッジ部25の外周側端部25oよりもベルト外周側に位置する。
上述のような伝達ベルト10によってプライマリプーリ3からセカンダリプーリ5にトルクが伝達される際には、各エレメント20の側面20sの第2側面20sbをプーリ溝の表面に当接させる一方、ピラー部22側の第1側面20saがプーリ溝の表面に接触しないようにすることができる。これにより、プライマリプーリ3からセカンダリプーリ5へのトルクの伝達に際し、プライマリプーリ3やセカンダリプーリ5から各エレメント20の第1側面20saすなわちピラー部22に力(挟圧力)が直接加えられないようにすることができ、ピラー部22の変形を抑制することができる。
また、プーリ溝の表面に当接する一対の第2側面20sbは、両者のなす角度θbがプーリ溝の開き角度θ0よりも大きくなっているため、プーリ3または5から一対の第2側面20sbに作用する狭圧力が小さい(比較的小さなトルクを伝達する)ときには、プーリ溝の表面(斜面)に対して積層リング12の径方向における外側のみが接触してトルクを伝達する。一対の第2側面20sbに作用する狭圧力が大きくなる(伝達するトルクが大きくなる)と、当該狭圧力と積層リング12からその径方向における外側から内側に向けてサドル面23sに作用する力(張力)とによって、各エレメント20には、図3に示すように、一対のピラー部22をエレメント20の幅方向における内側に倒そうとする曲げモーメントM1と、胴部21のサドル面23sとは反対側の端縁21ei(胴部21のベルト内周側の端部)の幅方向における両側をベルト外周側に曲げようとする曲げモーメントM2とが発生する。これにより、エレメント20が変形し、一対の第2側面20sbのなす角度θbは、エレメント20の変形によって小さくなり、やがてプーリ溝の開き角度θ0と一致する。すなわち、一対の第2側面20sbは、プーリ溝の表面(斜面)に対して略平行になり、当該プーリ溝の表面と面接触してトルクを伝達するようになる。そして、一対の第2側面20sbに作用する狭圧力が更に大きくなる(伝達するトルクが更に大きくなる)と、エレメント20の変形させようとする力が更に大きくなり、一対の第2側面20sbのなす角度θbはプーリ溝の開き角度θ0と略同等で変わらないが、エレメント20の積層リング12の径方向における内側の側面が、より強くプーリに押し付けられることになる。すなわち、一対の第2側面20sbは、プーリ溝の表面に対して積層リング12の径方向における内側が強く接触した状態でトルクを伝達するようになる。この場合、一対の第2側面20sbのプーリ3または5との接触圧力(面圧)に偏りが生じ、エレメント20には、一対の第2側面20sbの接触圧力の偏りによって前後方向に揺動(第2側面20sbが受ける荷重の中心となる位置を支点として揺動)するピッチングが発生し、一対の第2側面20sbに局所摩耗が生じる。
本願の発明者らは、一対の第2側面20sbがなす角度θbが異なる(22.1度,22.2度,22.4度,22.6度,22.8度)複数のエレメント20を作製し、トルクの伝達に伴ってそれぞれのエレメント20の一対の第2側面20sbに作用する接触圧力の分布を解析し、その解析結果に基づいて一対の第2側面20sbのベルト径方向における各位置での垂直抗力を算出して隣接するエレメント20からの接線方向の力(主にロッキングエッジ部25を介して、隣接するエレメント20から入力される力(押し出し力))を受けたときの摩擦による抵抗力(耐ピッチングモーメント)を導出した。なお、プライマリプーリ3やセカンダリプーリ5は開き角度θ0が22.0度のものを用いた。図5は、エレメント20の胴部高さと一対の第2側面20sbがなす角度θbと耐ピッチングモーメントとの関係を示す説明図である。なお、図5は、一対の第2側面20sbがなす角度θbと胴部21の高さ(ベルト径方向における長さ)とが異なる複数のエレメント20についてそれぞれ耐ピッチングモーメントを導出し、同じ胴部高さ同士の導出データを直線で繋げたものであり、図中実線は胴部高さが最も高いエレメント20を用いた耐ピッチングモーメントの導出データを示し、図中一点鎖線は胴部高さが最も低いエレメント20を用いた耐ピッチングモーメントの導出データを示し、図中破線は胴部高さが中間のエレメント20を用いた耐ピッチングモーメントの導出データを示す。図示するように、胴部高さがいずれであっても、一対の第2側面20sbがなす角度θb(フランク角度)がプーリ溝の開き角度θ0(22.0度)よりも0.2度~0.8度(特に、0.2度~0.6度)大きいエレメント20で、耐ピッチングモーメントが高くなることがわかった。これにより、トルクの伝達に際して、各エレメント20が上述した曲げモーメントM1,M2によりある程度変形したとき(プーリ3または5からのエレメント20への狭圧力が所定値以上のとき)に一対の第2側面20sbがプーリ溝の表面と略平行になるようにして、一対の第2側面20sbのプーリ3または5との接触圧力の偏りを少なくすることができ、第2側面20sbの局所摩耗を良好に抑制することが可能となる。また、本実施形態では、胴部21の内周側の端縁21eiが幅方向においてフラット状に形成されているため、エレメント20の剛性が高いのに加えて、胴部高さを高くすることによりエレメント20の剛性を更に上げることができる。これにより、エレメント20の変形が抑制されるため、耐ピッチングモーメントが高くなり、エレメント20のピッチングを良好に抑制することができる。
更に、第1側面20saと第2側面20sbとの境界Bは、エレメント20のロッキングエッジ部25の外周側端部25oよりもベルト径方向における外側(外周側)に位置する。これにより、第2側面20sb(フランク面)が外周側に延びてプーリ3または5との接触面積が増えるため、耐ピッチングモーメントを高くすることができ、エレメント20のピッチングを良好に抑制することができる。ただし、第1側面20saと第2側面20sbとの境界Bは、ロッキングエッジ部25の外周側端部25oと内周側端部25iとの間に形成されてもよく、ロッキングエッジ部25の内周側端部25iよりもベルト径方向における内側(内周側)に形成されてもよい。
加えて、図3に示すように、ロッキングエッジ部25の外周側端部25oは、サドル面23s(凸曲面)の頂部Tを通って幅方向に延びる直線L0よりも外周側に位置し、内周側端部25iは、上記直線L0よりも内周側に位置する。これにより、第2側面20sbを介してロッキングエッジ部25をプーリ3または5により挟圧してトルクの伝達効率を向上させることができる。
また、本願の発明者らは、サドル面23sとピラー部22の内面22iとの間S1に作用する最小主応力と、胴部21の端縁21eiの幅方向における端部S2(あるいは、その若干内側)に作用する最小主応力の解析も合わせて行なった。図6は、エレメント20の胴部高さと一対の第2側面20sbがなす角度θbと最小主応力との関係を示す説明図である。なお、図中、下側(右下がり)の3つの線はサドル面23sとピラー部22の内面22iとの間S1に作用する最小主応力の導出データを示し、上側(右上がり)の3つの線は胴部21の端縁21eiの幅方向における端部S2に作用する最小主応力の導出データを示す。また、図中実線は図5の実線で示すものと同じ胴部高さ同士の導出データを直線で繋げたものであり、図中一点鎖線は図5の一点鎖線で示すものと同じ胴部高さ同士の導出データを直線で繋げたものであり、図中破線は図5の破線で示すものと同じ胴部高さ同士の導出データを直線で繋げたものである。サドル面23sとピラー部22の内面22iとの間S1に作用する最小主応力と、胴部21の端縁21eiの幅方向における端部S2(あるいは、その若干内側)に作用する最小主応力は、互いに近い値となるほど、最弱部に作用する最小主応力(図6の例では、サドル面23sとピラー部22の内面22iとの間S1に作用する最小主応力(圧縮側がマイナス))を絶対値として小さくできることを意味し、トルク伝達時の各エレメント20の変形を良好に抑制することができていることを示している。図示するように、一対の第2側面20sbがなす角度θb(フランク角度)が小さいほど、即ちプーリ3または5の開き角度θ0に近いほど、良好な結果となることがわかった。したがって、一対の第2側面20sbがなす角度θb(フランク角度)を、プライマリプーリ3やセカンダリプーリ5のプーリ溝の開き角度θ0よりも0.2度~0.8度(より好ましくは0.2度~0.6度)大きく定めることにより、トルク伝達時の各エレメント20の変形を良好に抑制することができ、一対の第2側面20sbの局所摩耗を良好に抑制することが可能となる。
実施形態の無段変速機1の伝達ベルト10では、胴部21のベルト径方向における内側(内周側)の端縁21eiが幅方向においてフラット状に形成されたが、図7に示す他の実施形態の伝達ベルト110に含まれるエレメント120のように、胴部121の内周側の端縁121eiにおいて、幅方向における中央部と第2側面20sbとの各々との間でサドル面23s側に窪む2つの凹部121deが形成されてもよい。2つの凹部121deは、凹円柱面や平坦面を組み合わせて画成されており、図7に示すように、その全体がエレメント120の幅方向において中央部よりも第2側面20sbに近接するように形成されている。なお、2つの凹部121deは、曲面のみにより形成されてもよい。これにより、エレメント20の重量を大きくすることなく、第2側面20sb(フランク面)を内周側に延ばして第2側面20sbのプーリ3または5との接触面積を増やすことができる。この結果、耐ピッチングモーメントが高くなり、エレメント20のピッチングを良好に抑制することができる。
本願の発明者らは、胴部121の端縁121eiに2つの凹部121deを有する変形例のエレメント120において、一対の第2側面20sbがなす角度θbが異なる(22.1度,22.2度,22.4度,22.6度,22.8度)複数のエレメント120を作製し、トルクの伝達に伴ってそれぞれのエレメント120の一対の第2側面20sbに作用する接触圧力の分布を解析し、その解析結果に基づいて耐ピッチングモーメントを導出した。なお、プーリ3,5は開き角度θ0が22.0度のものを用いた。図8は、エレメント120の胴部高さと一対の第2側面20sbがなす角度θbと耐ピッチングモーメントとの関係を示す説明図である。また、図9は、図8の耐ピッチングモーメントの目盛り間隔(0.21Nm~0.22Nm)を拡大した拡大図である。図示するように、変形例のエレメント120において、実施形態のエレメント20と同様に、一対の第2側面20sbがなす角度θb(フランク角度)がプーリ溝の開き角度θ0(22.0度)よりも0.2度~0.8度(特に、0.2度~0.6度)大きいエレメント120で、耐ピッチングモーメントが高くなることがわかった。これにより、トルクの伝達に際して、各エレメント120が上述した曲げモーメントM1,M2によりある程度変形が生じても、一対の第2側面20sbのプーリ3または5との接触圧力の偏りを少なくすることができ、第2側面20sbの局所摩耗を良好に抑制することが可能となる。
また、本願の発明者らは、サドル面23sとピラー部22の内面22iとの間S1に作用する最小主応力と、2つの凹部121deの最深部S2に作用する最小主応力の解析も合わせて行なった。図10は、エレメント120の胴部高さと一対の第2側面20sbがなす角度θbと最小主応力との関係を示す説明図である。なお、図中、右下がりの2つの線はサドル面23sとピラー部22の内面22iとの間S1に作用する最小主応力の導出データを示し、右上がりの2つの線は凹部121deの最深部S2に作用する最小主応力の導出データを示す。また、図中実線は、胴部高さが高いエレメント120を用いた導出データを直線で繋げたものであり、図中破線は、胴部高さが低いエレメント120を用いた導出データを直線で繋げたものである。図示するように、胴部高さが高低いずれであっても、一対の第2側面20sbがなす角度θbが22.6度のときに、サドル面23sとピラー部22の内面22iとの間S1に作用する最小主応力と、凹部121deの最深部S2に作用する最小主応力とが最も近くなり、最弱部に作用する最小主応力を絶対値として小さくできることがわかった。したがって、変形例のエレメント120においても、一対の第2側面20sbがなす角度θb(フランク角度)を、プライマリプーリ3やセカンダリプーリ5のプーリ溝の開き角度θ0よりも0.2度~0.8度(より好ましくは0.2度~0.6度)大きく定めることにより、トルク伝達時の各エレメント120の変形を良好に抑制することができ、一対の第2側面20sbの局所摩耗を良好に抑制することが可能となる。
本実施形態や他の実施形態の無段変速機1の伝達ベルト10,110では、エレメント20の一対の第1側面20saは、第2側面20sbと同様に、積層リング12の径方向における外側に向かうにつれて互いに離間するように形成されるが、これに限られるものではない。すなわち、図11に示す他の実施形態の伝達ベルト210のように、エレメント220の一対の側面220sのうちピラー部222に形成された一対の第1側面220saは、互いに平行となるように形成されてもよい。また、一対の第1側面は、積層リング12の径方向における外側に向かうにつれて互いに近接するように形成されてもよい。
本実施形態や他の実施形態の無段変速機1の伝達ベルト10,110では、エレメント20の一対の第2側面20sbは、平坦面で形成されるが、これに限られるものではなく、例えば、積層リング12の径方向にクランク状の段差が形成されてもよい。
本実施形態や他の実施形態の無段変速機1の伝達ベルト10,110では、各エレメント20に一対のフック部22fが設けられると共に、積層リング12と複数のエレメント20のフック部22fとの間にリテーナリング15が配置されるが、これに限られるものではない。すなわち、伝達ベルト10の各エレメント20からフック部22fが省略されてもよく、当該伝達ベルト10からリテーナリング15が省略されてもよい。
ここで、実施形態のエレメント20,120,220の製造方法(設計方法)について図12を用いて説明する。エレメント20,120,220の製造方法は、主に、エレメント20,120,220の諸元およびプーリ3,5の諸元と解析条件とから応力解析によってエレメント20の一対の第2側面20sbがなす角度θb(フランク角度)の最適フランク角度θopを決定するエレメント設計工程(ステップS100~S190)と、フランク角度が決定した最適フランク角度θopとなるように鋼板を打ち抜いてエレメント20を成形するエレメント成形工程(ステップS200,S210)とを含む。
エレメント設計工程では、まず、シーブ(プーリ)の解析モデルを作成すると共に(ステップS100)、フランク角度のみが異なる複数のエレメントの解析モデルを作成する(ステップS110)。図13は、シーブ(プーリ)SHおよびエレメントELの解析モデルの一例を示す説明図である。シーブの解析モデルには、シーブSHの外径や内径、エレメントELの進行方向(図13中、奥から手前の方向)におけるシーブSHの厚み、エレメントELとの接触面(傾斜面)の角度、材質などが含まれる。また、エレメントELの解析モデルには、エレメントELの形状やフランク角度、材質などが含まれる。シーブ(プーリ)の解析モデルとエレメントの解析モデルは、本実施形態では、図13に示すように、エレメントELの幅方向における中央部を通り且つリングの径方向に延びる中心線Lpに対して片側を省略したハーフモデルとし、単体のエレメントELを用いて応力解析を行なうものとした。続いて、応力解析を行なう際の解析条件を設定する(ステップS120)ここで、解析条件の設定には、シーブSHおよびエレメントELの拘束条件の設定や、シーブSHとエレメントELとの接触面の設定、エレメントELの荷重条件の設定などが含まれる。拘束条件の設定は、本実施形態では、シーブSHの内径をどの方向に対しても拘束し、エレメントELの第2側面FLをエレメントELの進行方向に対して拘束し、エレメントELの幅方向における中央部を当該幅方向に対して拘束するものとした。シーブSHとエレメントELとの接触面の設定は、シーブSHとエレメントELとの接触面のベルト径方向における範囲の設定を含む。エレメントELの荷重条件は、エレメントELのサドル面SSがリングからその径方向における内側に向かって受ける荷重に関する条件である。荷重条件の設定には、シーブSH(プライマリプーリを構成するシーブ)に入力される入力トルクの設定と、変速比の設定とが含まれる。入力トルクの設定は、本実施形態では、エンジンのクランクシャフトがロックアップ付きのトルクコンバータを介して無段変速機のプライマリシャフト(プライマリプーリ)に接続される構成を想定し、ロックアップオン時(非ストール時)にエンジンからプライマリシャフトに入力されうる最大トルク(エンジン最大トルクにトルクコンバータの増幅率を乗じたトルク)とした。また、変速比の設定は、本実施形態では、無段変速機がとりうる最大減速比とした。なお、解析条件では、トルク設定で設定したトルクをシーブSHからエレメントELに伝達するために必要な油圧制御装置からの油圧を、1.0の安全率(入力トルクに丁度見合う油圧)で定めた。
次に、シーブSHおよびエレメントELの解析モデルと解析条件とに基づいてフランク角度が異なる複数のエレメントELごとに応力解析を行ない、各エレメントELの第2側面FLがベルト径方向における各位置でシーブSHから受ける接触圧力(面圧)の分布(面圧分布)を抽出する(ステップS130)。面圧分布は、本実施形態では、図14に示すように、エレメントELの第2側面FLの板厚方向における中央部の面圧(板厚方向における中央部を通るようにリング径方向に延びる直線Lp上の位置で受ける面圧)を代表値として抽出するものとした。勿論、板厚方向において複数の位置で面圧を抽出するようにしてもよい。続いて、抽出した面圧分布を、エレメントELの第2側面FLのベルト径方向における各位置の垂直抗力(荷重)の分布としての荷重分布に変換する(ステップS140)。面圧分布から荷重分布への変換は、その面圧がかかっているところの側面の板厚と解析によってリング径方向の各位置で抽出される面圧の間隔(リング径方向における微小間隔)とを乗じることにより行なうことができる。面圧分布を荷重分布に変換すると、更に、荷重分布を摩擦力分布に変換する(ステップS150)。荷重分布から摩擦力分布への変換は、荷重分布に所定の摩擦係数(例えば、μ=0.09)を乗じることにより行なう。
こうして荷重分布を摩擦力分布に変換すると、摩擦力分布に基づいてエレメントELがシーブSHの接線方向の力を受けたときの摩擦力による抵抗力(耐ピッチングモーメント)Mrpを算出する(ステップS160)。耐ピッチングモーメントMrpは、上述したように、エレメントELがその第2側面FLに受ける荷重の中心(ピッチング中心O)となる位置を支点として回ろうとするときの摩擦力による抵抗力であり、耐ピッチングモーメントMrpの算出は、本実施形態では、図14に示すように、エレメントELのピッチング中心Oに対して第2側面FLのベルト径方向における外側の摩擦力分布のピッチング中心Oからの距離に応じた積算値と、ピッチング中心Oに対して第2側面FLのベルト径方向における内側の摩擦力分布のピッチング中心Oからの距離に応じた積算値とが絶対値として等しくなるようにピッチング中心Oを定め、そのときに導出される両積算値の和をとること(あるいは一方の積算値)により算出するものとした。このようにして、フランク角度が異なる複数のエレメントELの解析モデルにおいて、耐ピッチングモーメントMrpを算出することができる。
次に、入力トルクのみを変更した解析条件を設定し(ステップS170)、設定した解析条件で応力解析を行ない、サドル面SSとピラー部PLの内面との間S1に作用する最小主応力σ1と、胴部BAのサドル面SSとは反対側の端縁の幅方向における端部S2(あるいは、その若干内側)に作用する最小主応力σ2とを導出する(ステップS180)。ここで、最小主応力σ1,σ2を導出する際の応力解析で設定する入力トルクの設定は、ロックアップオフ時(ストール時)にエンジンからプライマリシャフトに入力されうる最大トルクとした。すなわち、耐ピッチングモーメントMrpを導出するための応力解析において解析条件としてステップS120で設定する入力トルクは、最小主応力σ1,σ2を導出するための応力解析において解析条件としてステップS170で設定する入力トルクよりも小さい。最小主応力σ1,σ2は、主としてエレメントELのサドル面SSがリングから受けるベルト径方向における内側に向かう荷重によって生じ、エレメントELの耐久性を図る指標であるから、ステップS170で設定する入力トルクは、無段変速機のプライマリシャフトに入力されうる最大トルク、すなわちエンジン最大トルクにトルクコンバータのトルク増幅率を乗じたトルクを考慮するのが望ましい。一方、フランク角度が異なる複数のエレメントELのうち耐ピッチングモーメントMrpが最も大きいフランク角度をもつエレメントELは、設定した入力トルクにおいてエレメントELが変形した状態で第2側面FLがシーブSHの接触面(傾斜面)と略平行になり、第2側面FLがシーブSHからの力を受けたときの接触圧力(面圧)の偏りが少なくなる(トルクの伝達効率が高くなる)から、ステップS120で設定する入力トルクは、実用領域内のトルクとすることが望ましい。耐ピッチングモーメントMrpを導出するための応力解析で設定する入力トルクを、最小主応力σ1,σ2を導出するための応力解析で設定する入力トルクよりも小さくするのはこうした理由に基づく。図15は、本実施形態の伝達ベルト10および比較例の伝達ベルト310の伝達可能なトルクと油圧の関係を示す説明図であり、図16は、比較例の伝達ベルト310の部分断面図である。なお、比較例の伝達ベルト310は、幅方向における両端に一対の側面320sを有する略台形形状の胴部321と、その幅方向における中央部からリング外周側に延出される略三角形状のヘッド部322と、胴部321とヘッド部322との間において幅方向における外側に向かって開口する一対の凹部323a,323bとを有するエレメント320と、エレメント320の一対の凹部323a,323bに収容される一対の積層リング312a、312bと、を備えるものである。比較例のエレメント320は、一対の凹部323a,323bのリング径方向における内側の面がサドル面323sa,323sbとなっている。伝達トルクが比較的大きい場合には、本実施形態のエレメント20の方が比較例のエレメント320に比して積層リングから受けるリング径方向における内側に向かう荷重により変形しやすく、一対の第2側面20sbの摩擦力係数が大きく低下する。このため、伝達すべきトルクが比較的大きい場合には、図15に示すように、本実施形態のエレメント20の方が比較例のエレメント320に比して油圧制御装置から供給すべき油圧は大きくなる。そこで、本実施形態では、伝達するトルクが比較的大きい場合に摩擦力係数の低下に起因して油圧不足が生じないように、ステップS120で設定する入力トルクは、実用領域内のトルクのうち最も大きいトルクTegmax、すなわちロックアップオン時(非ストール時)のトルクとした。そして、そのときに、摩擦力係数が上記の所定摩擦力係数(例えば、μ=0.09)となるようにエレメント20を設計した。
こうしてフランク角度が異なる複数のエレメントELの解析モデルにおいて、それぞれの耐ピッチングモーメントMrpと2つの最小主応力σ1,σ2とを導出すると、導出した2つの最小主応力(圧縮側がマイナス)σ1,σ2の絶対値がいずれも許容値を超えない範囲内で、耐ピッチングモーメントMrpが最も大きいモデルに設定したフランク角度を最適フランク角度θopに決定する(ステップS190)。そして、フランク角度が最適フランク角度θopとなるように金型(ダイ,パンチ,エジェクタおよびプッシャの形状)を設計し(ステップS200)、設計した金型を用いて鋼板(平板状部材)をプレス加工することによりエレメントを成形して(ステップS210)、エレメントが完成する。図17~図19に、金型を用いたエレメントの成形の様子を示す。なお、図中、実線白塗り矢印は、矢印の方向に上昇または下降している状態を示し、破線白塗り矢印は、矢印の方向に加圧している状態を示す。まず、図17に示すように、パンチ32,パンチピン36およびプッシャ34の下面を面一の状態としつつ、平板状部材Pの上面がパンチ32,パンチピン36およびプッシャ34の下面に突き当たるまでダイ31,エジェクタ33およびノックアウトピン35を上昇させる。続いて、図17に示すように、エジェクタ33の上面を平板状部材Pの下面に押し当てると共にパンチ32およびプッシャ34で平板状部材Pの上面を下向きに加圧する。パンチ32およびプッシャ34は平板状部材Pの上面を下向きに加圧しながらエジェクタ33からの上向きの加圧力によって平板状部材Pと共に上昇し、それにより、昇降不能に固定されたパンチピン36がパンチ32に対して相対的に下方向に突出し、パンチピン36の先端部で平板状部材Pの上面を下向きに加圧する。これにより、エジェクタ33からの加圧力によって平板状部材Pの下面にテーパ面が形成され、パンチピン36からの加圧力によって平板状部材Pの上面に窪み部が形成され、それに伴う突起形成用の孔部33hへの材料の流れ込みによって平板状部材Pの下面に突起が形成される。そして、図19に示すように、ダイ31を上昇させながらプッシャ34から平板状部材Pの上面を下向きに加圧することにより平板状部材Pを押さえ込み、ダイ31を更に上昇させて平板状部材Pをエレメントの輪郭形状に打ち抜く。ダイ31,パンチ32,エジェクタ33およびプッシャ34の形状は、エレメントのフランク角度が上記ステップ190で決定した最適フランク角度θopとなるように設計されるため、トルク伝達時のエレメントの変形を良好に抑制することができ、一対の第2側面の局所摩耗を良好に抑制することが可能なエレメントとすることができる。
本実施形態のエレメントの製造方法では、最小主応力σ1,σ2が絶対値として許容値を超えない範囲内で、耐ピッチングモーメントMrpが最も大きいモデルに設定したフランク角度を最適フランク角度θopに決定した。しかし、エレメントの形状や材質によっては、最小主応力を考慮することなく、耐ピッチングモーメントが最も大きいモデルに設定したフランク角度を最適フランク角度θopに決定してもよい。また、エレメントのフランク面に関する他の制約がある場合には、その他の制約を満たす範囲内で、耐ピッチングモーメントが最も大きいモデルに設定したフランク角度を最適フランク角度θopに決定してもよい。
本実施形態のエレメントの製造方法では、積層リング12と接触するサドル面23sを含む胴部21とサドル面23sの幅方向における両側から同方向に延出された一対のピラー部22とを有するエレメント20の製造(設計)に適用するものとした。しかし、図16に示すように、胴部321と略三角形状のヘッド部322と胴部321とヘッド部322との間において幅方向における外側に向かって開口する一対の凹部323a,323bとを含むエレメントの製造(設計)に適用することもできる。
以上説明したように、本開示の伝達ベルトは、複数のエレメント(20)と、該複数のエレメント(20)を環状に結束するリング(12)とを有し、無段変速機(1)の一対のプーリ(3,5)のV字状溝に巻き掛けられて動力を伝達する伝達ベルト(10)であって、前記エレメント(20)は、前記リング(12)と接触するサドル面(23s)を含む胴部(21)と、前記サドル面(23s)の幅方向における両側から同方向に延出された一対のピラー部(22)と、一対の側面(20s)とを有し、前記一対の側面(20s)は、前記ピラー部(22)に形成された第1側面(20sa)と、前記第1側面(20sa)から連続するように形成されて該第1側面(20sa)よりも前記リング(12)の内周側に位置する第2側面(20sb)とをそれぞれ含み、一対の前記第1側面(20sa)は、それぞれ、連続する前記第2側面(20sb)における前記リング(12)の内周側から外周側への延在方向に対して前記ピラー部(22)の内側に傾斜するように形成され、一対の前記第2側面(20sb)は、前記リング(12)の内周側から外周側に向かうにつれて離間すると共に当該一対の第2側面(20sb)のなす角度(θb)が前記プーリ(3,5)のV字状溝の開き角度(θ0)よりも0.2度~0.8度大きくなるように形成されることを要旨とする。
リングが接触するサドル面の幅方向における両側に一対のピラー部を有するエレメントにおいては、トルク伝達時において一対の側面にプーリからの力(狭圧力)が作用すると共にサドル面の幅方向における中央部にリングからの力(張力)がリングの外周側から内周側に向けて作用する。このとき、サドル面の幅方向における中央部に内周側に向けて作用するリングからの力によってエレメントが大きく変形し、一対の側面とプーリとの間の接触圧力(面圧)に偏りが生じる。その結果、一対の側面がプーリからの接線方向の力を受けたときに前後方向に揺動(ピッチング)して、エレメントの各側面に局所摩耗が生じてしまう。本願の発明者らは、研究により、一対の第1側面がそれぞれ連続する第2側面におけるリングの内周側から外周側への延在方向に対してピラー部の内側に傾斜し、一対の第2側面がリングの内周側から外周側に向かうにつれて離間すると共に当該一対の第2側面がなす角度がプーリのV字状溝の開き角度よりも0.2度~0.8度大きくなるようにエレメントを形成することで、トルク伝達時において当該エレメントが変形した状態で一対の第2側面がプーリの接触面(傾斜面)と略平行になり、一対の側面(第2側面)がプーリからの接線方向の力を受けたときの一対の側面とプーリとの間の接触圧力の偏りが少なくなることを見出した。これにより、エレメント,プーリ間の摩擦による抵抗力(耐ピッチングモーメント)を高くすることができ、エレメントのピッチングを良好に抑制してプーリのV字状溝と接触する一対の側面の局所摩耗を低減することができる。
こうした本開示の伝達ベルトにおいて、一対の前記第2側面(20sb)がなす角度は、前記プーリ(3,5)のV字状溝の開き角度(θ0)よりも0.2度~0.6度大きいものとしてもよい。こうすれば、耐ピッチングモーメントをより高めることができ、エレメントのピッチングによる各側面の局所摩耗を更に低減することができる。
また、本開示の伝達ベルトにおいて、前記エレメント(20)は、隣り合うエレメント(20)同士を接触させて両者の回動の支点となるロッキングエッジ部(25)を有し、前記第1側面(20sa)と前記第2側面(20sb)との境界(B)は、前記ロッキングエッジ部(25)よりも前記外周側に位置するものとしてもよい。これにより、エレメントのプーリとの接触面積を増やして耐ピッチングモーメントを更に高めることができ、エレメントのピッチングによる側面の局所摩耗を一層低減することができる。この場合、前記ロッキングエッジ部(25)は、前記エレメント(20)の正面および背面の一方に、隣り合うエレメント(20)同士が線接触する凸曲面状に形成され、前記ロッキングエッジ部(25)の前記内周側の端部(25i)は、前記サドル面(23s,T)よりも前記内周側に位置し、前記ロッキングエッジ部(25)の前記外周側の端部(25o)は、前記サドル面(23s,T)よりも前記外周側に位置し、前記第1側面(20sa)と前記第2側面(23sb)との境界(B)は、前記ロッキングエッジ部(25)の前記外周側の端部(25o)よりも前記外周側に位置するものとしてもよい。こうすれば、トルク伝達中の伝達ベルトの径方向におけるサドル面とエレメント同士の接触線との距離をより短くすることができるので、リングとエレメントとの角速度差を小さくし、エレメントのピッチングによる側面の局所摩耗を良好に低減すると共にリングとエレメントとの相対すべりによる摩擦損失を良好に低減することができる。
更に、本開示の伝達ベルトにおいて、前記胴部(21)の前記内周側の端部(21ei)は、幅方向にフラット状に形成されるものとしてもよい。こうすれば、エレメントの剛性を高めることができるため、エレメントの変形を抑制して、エレメントのピッチングによる側面の局所摩耗を良好に低減することができる。
また、本開示の伝達ベルトにおいて、前記ピラー部(22)の遊端部から互いに対向するように前記幅方向に突出する一対のフック部(22f)を更に備え、前記リング(12)と前記複数のエレメント(20)の前記フック部(22f)との間には、リテーナリング(15)が配置されるものとしてもよい。
なお、本開示では、伝達ベルトの形態として説明したが、上述した本開示の各伝達ベルトのうちいずれかを含む無段変速機の形態とすることもできる。この場合、一対の前記第2側面(20sb)がなす角度(θb)は、前記プーリ(3,5)による前記伝達ベルト(10)の狭圧力が所定値以上の状態でトルクを伝達するときに、一対の前記第2側面(20sb)がそれぞれ前記プーリ(3,5)の接触面と略平行となるように定められるものとしてもよい。
また、本開示では、伝達ベルトの形態として説明したが、伝達ベルトを構成するエレメントの設計方法の形態とすることもできる。
すなわち、本開示のエレメントの設計方法は、
胴部(21)と該胴部(21)の幅方向における両端に位置する一対の側面(20s)と該一対の側面(20s)の前記幅方向における間に位置するサドル面(23s)とを有する複数のエレメント(20)と、内周面が前記複数のエレメント(20)の各サドル面(23s)と接触して該複数のエレメント(20)を環状に結束するリング(12)とを有し、無段変速機(1)の一対のプーリ(3,5)のV字状溝に巻き掛けられて動力を伝達する伝達ベルト(10)の前記エレメント(20)の設計方法であって、前記プーリ(3,5)の開き角を含むプーリ諸元と前記一対の側面(20s)がなす角度であるフランク角度を含むエレメント諸元と前記無段変速機(1)の入力トルクを含む解析条件を設定し、前記プーリ諸元と前記エレメント諸元と前記解析条件とに基づく解析により、異なる複数のフランク角度において前記一対の側面(20s)と前記プーリ(3,5)との摩擦力の前記リング(12)の径方向における分布をそれぞれ導出し、前記複数のフランク角度においてそれぞれ導出した摩擦力分布から前記複数のフランク角度において前記エレメント(20)のピッチング中心に対する回転モーメントをそれぞれ導出し、前記複数のフランク角度においてそれぞれ導出した前記回転モーメントに基づいて、前記無段変速機(1)に適したフランク角度を決定することを要旨とする。
この本開示のエレメントの設計方法では、プーリの開き角を含むプーリ諸元と一対の側面がなす角度であるフランク角度を含むエレメント諸元と無段変速機の入力トルクを含む解析条件を設定し、プーリ諸元とエレメント諸元と解析条件とに基づく解析により、異なる複数のフランク角度において一対の側面とプーリとの摩擦力分布(摩擦力のリング径方向における分布)をそれぞれ導出し、それぞれ導出した摩擦力分布から複数のフランク角度においてエレメントのピッチング中心に対する回転モーメントをそれぞれ導出し、それぞれ導出した回転モーメントに基づいて無段変速機に適したフランク角度を決定する。エレメントのピッチング中心に対する回転モーメントは、エレメントがプーリから力を受けたときの摩擦力による抵抗力に相当するため、当該回転モーメントに基づいてフランク角度を決定することで、エレメントのピッチングを良好に抑制することができ、プーリのV字状溝と接触する一対の側面の局所摩耗を低減することができる。
こうした本開示のエレメントの設計方法において、他の制約を満たす範囲内で、前記回転モーメントが最も大きくなるフランク角度を前記無段変速機に適したフランク角度に決定するものとしてもよい。この場合、前記エレメント(20)は、前記サドル面(23s)を含む胴部(21)と、前記サドル面(23s)の幅方向における両側から同方向に延出された一対のピラー部(22)と、を有するものであり、前記プーリ諸元と前記エレメント諸元と前記解析条件とに基づく解析により、前記複数のフランク角度において前記サドル面(23s)と前記ピラー部(22)の内面との間に作用する最小主応力と前記胴部(21)の前記サドル面(23s)とは反対側の端縁(21ei)の幅方向における端部に作用する最小主応力とをそれぞれ導出し、前記他の制約として前記導出した各最小主応力がいずれも許容値を超えない範囲内で、前記回転モーメントが最も大きくなるフランク角度を前記無段変速機(1)に適したフランク角度に決定するものとしてもよい。こうすれば、エレメントの耐久性を確保しつつ、エレメントのピッチングを良好に抑制して一対の側面の局所摩耗を低減することができる。
さらにこの場合、前記最小主応力の導出に用いる前記解析条件として、前記入力トルクを前記無段変速機(1)に入力され得る最大トルクに設定し、前記回転モーメントの導出に用いる前記解析条件として、前記入力トルクを前記最大トルクよりも小さな所定トルクに設定するものとしてもよい。ここで、エンジンからのトルクがロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを介して無段変速機に入力される構成においては、「最大トルク」は、ロックアップクラッチがオフの状態、すなわちトルクコンバータによるトルク増幅状態でエンジンから無段変速機に入力されうる最大トルクを示し、「所定トルク」は、ロックアップクラッチがオンの状態でエンジンから無段変速機に入力されうる最大トルクであるものとしてもよい。この場合、最悪条件におけるエレメントの耐久性を確保しつつ、実用領域内のトルクにおいてエレメントのピッチングを良好に抑制して一対の側面の局所摩耗を低減することができる。
また、本開示のエレメントの設計方法において、前記プーリ諸元と前記エレメント諸元と前記解析条件とに基づく解析により、前記複数のフランク角度において前記一対の側面(20s)が前記プーリ(3,5)から受ける面圧の前記径方向における分布をそれぞれ導出し、前記複数のフランク角度においてそれぞれ導出した面圧分布を前記摩擦力の前記径方向における分布に変換するものとしてもよい。
さらに、本開示のエレメントの設計方法において、前記エレメント(20)のピッチング中心に対して前記一対の側面(20s)の前記径方向における外側の摩擦力分布の該ピッチング中心からの距離に応じた積算値と前記ピッチング中心に対して前記一対の側面(20s)の前記径方向における内側の摩擦力分布の該ピッチング中心からの距離に応じた積算値とが絶対値として等しくなるように前記ピッチング中心を定めたときに導出される前記回転モーメントに基づいて、前記無段変速機(1)に適したフランク角度を決定するものとしてもよい。こうすれば、回転モーメントは、エレメントのピッチングに対する抵抗力と一致するため、この回転モーメントに基づいてフランク角度を決定することで、エレメントのピッチングを更に好に抑制することができる。
また、本開示は、エレメントの製造方法の形態とすることもできる。
すなわち、本開示のエレメントの製造方法は、胴部(21)と該胴部(21)の幅方向における両端に位置する一対の側面(20s)と該一対の側面(20s)の前記幅方向における間に位置するサドル面(23s)とを有する複数のエレメント(20)と、内周面が前記複数のエレメント(20)の各サドル面(23s)と接触して該複数のエレメント(20)を環状に結束するリング(12)とを有し、無段変速機(1)の一対のプーリ(3,5)のV字状溝に巻き掛けられて動力を伝達する伝達ベルト(10)の前記エレメント(20)の製造方法であって、前記プーリ(3,5)の開き角を含むプーリ諸元と前記一対の側面(20s)がなす角度であるフランク角度を含むエレメント諸元と前記無段変速機(1)の入力トルクを含む解析条件を設定し、前記プーリ諸元と前記エレメント諸元と前記解析条件とに基づく解析により、異なる複数のフランク角度において前記一対の側面(20s)と前記プーリ(3,5)との摩擦力の前記リング(12)の径方向における分布をそれぞれ導出し、前記複数のフランク角度においてそれぞれ導出した摩擦力分布から前記複数のフランク角度において前記エレメント(20)のピッチング中心に対する回転モーメントをそれぞれ導出し、前記複数のフランク角度においてそれぞれ導出した前記回転モーメントに基づいて、前記無段変速機(1)に適したフランク角度を決定し、前記決定したフランク角度に基づいて金型(31~34)を形成し、前記形成した金型(31~34)を用いてプレス加工することにより前記エレメント(20)の外形を成形するものとすることができる。
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示の発明は、伝達ベルトや無段変速機の製造産業等において利用可能である。
1 無段変速機、2 プライマリシャフト、3 プライマリプーリ、3a,5a 固定シーブ、3b,5b 可動シーブ、4 セカンダリシャフト、5 セカンダリプーリ、6 プライマリシリンダ、7 セカンダリシリンダ、8 リターンスプリング、10,110,210,310 伝達ベルト、11 リング材、12,312a,312b 積層リング、15 リテーナリング、20,120,220,320,EL エレメント、20s,220s,320s,FL 側面、20sa,220sa 第1側面、20sb 第2側面、21,121,321,BA 胴部、21p 突起、21r 窪み部、21s テーパ面、21ei,121ei 端縁、121de 凹部、22,222,PL ピラー部、22f フック部、22i 内面、23 リング収容部、23s,323sa,323sb,SS サドル面、25 ロッキングエッジ部、25i 内周側端部、25o 外周側端部、27 非接触部、31 ダイ、32 パンチ、33 エジェクタ、33h 孔部、34 プッシャ、35 ノックアウトピン、36 パンチピン、322 ヘッド部、323a,323b 凹部、T 頂部、B 境界、SH シーブ、P 平板状部材。

Claims (6)

  1. 複数のエレメントと、該複数のエレメントを環状に結束するリングとを有し、無段変速機の一対のプーリのV字状溝に巻き掛けられて動力を伝達する伝達ベルトであって、
    前記エレメントは、前記リングと接触するサドル面を含む胴部と、前記サドル面の幅方向における両側から同方向に延出された一対のピラー部と、一対の側面と、隣り合うエレメント同士を接触させて両者の回動の支点となるロッキングエッジ部とを有し、
    前記一対の側面は、前記ピラー部に形成された第1側面と、前記第1側面から連続するように形成されて該第1側面よりも前記リングの内周側に位置する第2側面とをそれぞれ含み、
    一対の前記第1側面は、それぞれ、連続する前記第2側面における前記リングの内周側から外周側への延在方向に対して前記ピラー部の内側に傾斜するように形成され、
    一対の前記第2側面は、前記リングの内周側から外周側に向かうにつれて離間すると共に当該一対の第2側面のなす角度が前記プーリのV字状溝の開き角度よりも0.2度~0.8度大きくなるように形成され
    前記ロッキングエッジ部は、前記エレメントの正面および背面の一方に、隣り合うエレメント同士が線接触する凸曲面状に形成され、
    前記ロッキングエッジ部の前記内周側の端部は、前記サドル面よりも前記内周側に位置し、
    前記ロッキングエッジ部の前記外周側の端部は、前記サドル面よりも前記外周側に位置し、
    前記第1側面と前記第2側面との境界は、前記ロッキングエッジ部の前記外周側の端部よりも前記外周側に位置する、
    伝達ベルト。
  2. 請求項1に記載の伝達ベルトであって、
    一対の前記第2側面がなす角度は、前記プーリのV字状溝の開き角度よりも0.2度~0.6度大きい、
    伝達ベルト。
  3. 請求項1または2に記載の伝達ベルトであって、
    前記胴部の前記内周側の端部は、幅方向にフラット状に形成される、
    伝達ベルト。
  4. 請求項1ないしいずれか1項に記載の伝達ベルトであって、
    前記ピラー部の遊端部から互いに対向するように前記幅方向に突出する一対のフック部を更に備え、
    前記リングと前記複数のエレメントの前記フック部との間には、リテーナリングが配置される伝達ベルト。
  5. 一対のプーリと、複数のエレメントと該複数のエレメントを環状に結束するリングとを
    有し前記一対のプーリのV字状溝に巻き掛けられる伝達ベルトと、を備える無段変速機であって、
    前記エレメントは、前記リングと接触するサドル面を含む胴部と、前記サドル面の幅方向における両側から同方向に延出された一対のピラー部と、一対の側面と、隣り合うエレメント同士を接触させて両者の回動の支点となるロッキングエッジ部とを有し、
    前記一対の側面は、前記ピラー部に形成された第1側面と、前記第1側面から連続するように形成されて該第1側面よりも前記リングの内周側に位置する第2側面とをそれぞれ含み、
    一対の前記第1側面は、それぞれ、連続する前記第2側面における前記リングの内周側から外周側への延在方向に対して前記ピラー部の内側に傾斜するように形成され、
    一対の前記第2側面は、前記リングの内周側から外周側に向かうにつれて離間すると共に当該一対の第2側面のなす角度が前記プーリのV字状溝の開き角度よりも0.2度~0.8度大きくなるように形成され
    前記ロッキングエッジ部は、前記エレメントの正面および背面の一方に、隣り合うエレメント同士が線接触する凸曲面状に形成され、
    前記ロッキングエッジ部の前記内周側の端部は、前記サドル面よりも前記内周側に位置し、
    前記ロッキングエッジ部の前記外周側の端部は、前記サドル面よりも前記外周側に位置し、
    前記第1側面と前記第2側面との境界は、前記ロッキングエッジ部の前記外周側の端部よりも前記外周側に位置する、
    無段変速機。
  6. 請求項に記載の無段変速機であって、
    一対の前記第2側面がなす角度は、前記プーリによる前記伝達ベルトの狭圧力が所定値以上の状態でトルクを伝達するときに、一対の前記第2側面がそれぞれ前記プーリの接触面と略平行となるように定められる、
    無段変速機。
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