JP7215807B2 - 積層セラミックキャパシター及びその製造方法 - Google Patents

積層セラミックキャパシター及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層セラミックキャパシター及びその製造方法に関するものである。
スマートフォンまたはPCなどの電子製品の中央処理装置(CPU)部分に要求される高周波、高電流、低電圧の傾向に応じて、電源端の電圧変動現象を防止する必要性が増加している。
特に、電源の出力端のキャパシターには、高い容量及び低い等価直列インダクタンス(ESL)が要求されている。
これに応えるべく、積層セラミックキャパシターにビアまたは貫通孔を形成し、導電性物質を満たして内部電極同士を連結する積層セラミックキャパシターの開発が進んでいる。
特許第5482062号公報 特許第5753748号公報 特許第5535765号公報
本発明の目的のうちの一つは、高い容量を有し、且つ低いESLを有する積層セラミックキャパシターを提供することである。
上述の課題を解決するための方法として、本発明は一例により新規な構造の積層セラミックキャパシターを提案しようとする。具体的に、誘電層、及び上記誘電層を挟んで配置される第1及び第2内部電極を含む容量層と、上記容量層の一面に配置される保護層と、上記保護層を貫通するアルファビアに充填されたアルファ連結電極と、上記容量層を貫通し、上記アルファビアと連結されるベータビアに充填されたベータ連結電極と、を含み、上記アルファビアの直径が上記ベータビアの直径より大きい。
上述の課題を解決するための方法として、本発明は他の例により新規な構造の積層セラミックキャパシターを効率的に製造することができる製造方法を提案しようとする。具体的に、誘電層、及び上記誘電層を挟んで配置される第1及び第2内部電極を含む容量層と、上記容量層の一面に配置された保護層とを含む本体を準備する段階と、上記保護層に上記保護層を貫通するアルファビアを形成する段階と、上記アルファビアの内側に露出した上記容量層を貫通し、上記アルファビアより小さい直径のベータビアを形成する段階と、上記アルファビア及び上記ベータビアに導電性物質を充填してアルファ連結電極及びベータ連結電極を形成する段階と、を含む。
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシターは、アルファビアの直径がベータビアの直径より大きいため、ベータビアを形成する際に内部電極が変形することを防止または最小化することができる。
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシターを示した概略斜視図である。 図1のI-I'に沿った概略断面図である。 比較例による積層セラミックキャパシターを示した概略断面図である。 本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシターを示した概略斜視図である。 図4のII-II'に沿った概略断面図である。 本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシターの製造方法の各段階を示した概略断面図である。 本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシターの製造方法の各段階を示した概略断面図である。 本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシターの製造方法の各段階を示した概略断面図である。 本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシターの製造方法の各段階を示した概略断面図である。 本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシターの製造方法の各段階を示した概略断面図である。
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
図面において、X方向は第1方向または長さ方向、Y方向は第2方向または幅方向、Z方向は第3方向、厚さ方向、または積層方向と定義することができる。
積層セラミックキャパシター
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシターを示した概略斜視図であり、図2は図1のI-I'に沿った概略断面図である。
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシター100の構造について説明する。
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシター100は、本体110と、本体110の外側に配置される第1及び第2外部電極191、192と、を含む。本体110は容量層A及び保護層Cを含む。
本体110は、複数の誘電層111が積層された形態を有し、複数のグリーンシートを積層してから焼結することで得られる。このような焼結工程により、複数の誘電層111は一体化された形態を有することができる。本体110の形状及び寸法並びに誘電層111の積層数は本実施形態に示されたものに限定されず、例えば、図1に示された形態のように、本体110は直方体形状を有することができる。
本体110に含まれた誘電層111は高誘電率を有するセラミック材料を含み、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO)系物質を含むことができるが、十分な静電容量が得られるものであれば、当技術分野で公知された他の物質も用いることができる。誘電層111には、主成分である上記セラミック材料とともに、必要に応じて、添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤及び分散剤などがさらに含まれることができる。このうち、添加剤としては、内部電極121、122に添加されたものと同一の物質を含むことができ、この添加剤の濃度は、均一な焼結特性を確保するように局部的に適宜調節される。
本体110は、4層以上の誘電層111が積層されて形成されることができ、例えば、400~500層の誘電層が積層されて形成されることができる。本体110の上下部には、内部電極を含まない誘電層を積層することで形成される上部カバー層112及び下部カバー層113が配置されることができる。この際、上部カバー層112及び下部カバー層113が保護層Cとなることができる。すなわち、容量層Aの上下部に保護層Cが配置される。
本体110の内側、すなわち、容量層Aには、誘電層111を挟んで互いに対向するように配置される第1及び第2内部電極121、122が含まれる。第1及び第2内部電極121、122は互いに異なる外部電極191、192と連結され、駆動時に互いに異なる極性を有することができる。第1及び第2内部電極121、122は、セラミックグリーンシートの一面に導電性金属を含むペーストを所定の厚さで印刷した後、それを焼結することで得られる。第1及び第2内部電極121、122を成す主要構成物質としては、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)などが挙げられ、これらの合金も用いることができる。
内部電極121、122は連結電極151、152を介して外部電極191、192と連結される。
この際、連結電極151、152は、保護層Cに形成されるアルファ連結電極151a、152aと、容量層Aに形成されるベータ連結電極151b、152bと、を含む。
ベータ連結電極151b、152bは、第1内部電極121と連結される第1ベータ連結電極151bと、第2内部電極122と連結される第2ベータ連結電極152bと、を含む。また、アルファ連結電極151a、152aは、第1ベータ連結電極151bと対応する位置に形成される第1アルファ連結電極151aと、第2ベータ連結電極152bと対応する位置に形成される第2アルファ連結電極152aと、を含む。第1ベータ連結電極151bは、第1内部電極121と接し、第2内部電極122とは離隔するように配置され、第2ベータ連結電極152bは、第2内部電極122と接し、第1内部電極121とは離隔するように配置される。
第1外部電極191は、保護層Cの一面に配置され、第1アルファ連結電極151aと連結され、第2外部電極192は、保護層Cの一面に配置され、第2アルファ連結電極152aと連結される。
保護層Cには、保護層Cを貫通するアルファビア131、132が形成される。アルファ連結電極151a、152aは、アルファビア131、132に導電性物質を充填することで形成されることができる。また、容量層Aにも、アルファビア131、132と連結され、容量層Aを貫通するベータビア141、142が形成される。ベータ連結電極151b、152bは、ベータビア141、142に導電性物質を充填することで形成されることができる。なお、アルファビア131、132の直径は実質的に同一であればよく、ベータビア141、142の直径も実質的に同一であればよい。
図3は比較例による積層セラミックキャパシターを示した概略断面図である。
図3を参照して、従来の積層セラミックキャパシターにビアを形成する過程について説明する。
ビアに導電性物質を充填して内部電極21、22を連結する従来の積層セラミックキャパシターでは、セラミックシートに内部電極21、22を印刷し、内部電極21、22が印刷されたセラミックシートを積層・圧着・焼成することで本体を形成した後、ピン(pin)、ドリル、レーザーなどを用いて本体に内部電極21、22と連結されるビア51、52を形成した。また、ビア51、52には導電性物質が充填され、外部電極91、92と内部電極21、22とが電気的に連結されるようにしていた。
ビアを形成する際に、レーザーを用いてビアを形成すると、熱が原因で内部電極が変形し、内部電極の間で短絡が発生する不良が著しく増加するようになる。レーザーを用いることなく、ピン(pin)またはドリルのような物理的な貫通法によりビアを形成する場合には、図3のように、ビア51、52が形成される方向に上部カバー層12が物理的な貫通具によって変形する。
すなわち、保護層Cにおける上部カバー層12、容量層A、及び保護層Cにおける下部カバー層13を一度に貫通するようにビア51、52を形成していた。このようにビア51、52を一度に形成して本体を貫通すると、高い圧力により、上部カバー層12が上部カバー層12のビア51a、52aとともに容量層Aの方向に押し出されるようになる。このように押し出された上部カバー層12は、容量層Aのビア51b、52bの上部周辺の誘電層11を変形させ、その結果、内部電極21、22の間で短絡が発生する可能性は非常に高くなる。
特に、ビア51、52を一度に形成して本体を貫通する場合に発生する変形により、第1外部電極91と連結されるビア51と、第2外部電極92と連結されるビア52との間の距離を十分に増加させる必要がある。しかし、ビア51、52の間の距離が増加することにより、内部電極21、22及びビア51、52が形成するループ(loop)の面積が増え、ESLが増加するという問題がある。
これに対し、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシター100は、アルファビア131、132の直径がベータビア141、142の直径より大きいため、内部電極121、122と直接接触するベータビア141、142の形成過程で保護層Cが容量層Aを加圧しないようにすることにより、第1及び第2内部電極121、122の間で短絡が発生することを防止できるようにする。また、アルファ連結電極及びベータ連結電極151、152の間の間隔を小さくすることが可能であるため、第1及び第2内部電極121、122とアルファ連結電極及びベータ連結電極151、152が形成するループ(loop)の面積を減らして、積層セラミックキャパシター100のESLを減少させることができる。
下表1は、ベータビア141、142の直径に対するアルファビア131、132の直径の比による短絡発生有無を測定したものである。
Figure 0007215807000001
表1の短絡発生有無は、各サンプル毎に100個のチップに対して短絡試験を行った結果、短絡発生率が1%以上である場合を◎、1%未満である場合を○、0である場合をXと示した。
表1を参照すると、ベータビア141、142の直径に対するアルファビア131、132の直径の比が120%以上である場合、積層セラミックキャパシター100にビアの形成による短絡の問題が発生しないことを確認できる。
しかし、ベータビア141、142の直径に対するアルファビア131、132の直径の比が大きすぎると、複数のベータビア141、142の間の距離が増加して、積層セラミックキャパシターのESLが増加するという問題がある。
下表2は、ベータビア141、142の直径に対するアルファビア131、132の直径の比が120%以上である積層セラミックキャパシター100において、アルファビア131、132の間の距離である第1アルファ連結電極151aと上記第2アルファ連結電極152aとの間の間隔によるESL及び短絡発生有無を測定したものである。
Figure 0007215807000002
表2の短絡発生有無は、各サンプル毎に100個のチップに対して短絡試験を行った結果、短絡発生率が1%以上である場合を◎、1%未満である場合を○、0である場合をXと示した。第1アルファ連結電極151aと上記第2アルファ連結電極152aとの間の間隔とは、第1アルファ連結電極151a及び上記第2アルファ連結電極152aの中心を互いに連結した直線において第1アルファ連結電極151a及び上記第2アルファ連結電極152aの各境界の間の距離を意味する。
表2を参照すると、第1アルファ連結電極151aと上記第2アルファ連結電極152aとの間の間隔が350~500μmである場合に短絡が発生せず、ESLが140pH以下であることを確認できる。
すなわち、第1アルファ連結電極151aと上記第2アルファ連結電極152aとの間の間隔が350μm未満である場合には、第1アルファ連結電極151aと上記第2アルファ連結電極152aとの間で短絡が発生するという問題があった。また、第1アルファ連結電極151aと上記第2アルファ連結電極152aとの間の間隔が500μmを超えると、第1アルファ連結電極151a及び上記第2アルファ連結電極152aが第1及び第2内部電極121、122とともに形成するループ(loop)の面積が大きくなってESLが増加するという問題があった。
したがって、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシター100は、第1アルファ連結電極151aと上記第2アルファ連結電極152aとの間の間隔が350~500μmである場合に、短絡が発生せず、ESLが140pH以下であるという効果を奏することができる。
図4は本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシターを示した概略斜視図であり、図5は図4のII-II'に沿った概略断面図である。
図4及び図5を参照して、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシター200の構造について説明する。
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシター200は、本体210と、本体210の外側に配置される第1及び第2外部電極291、292と、を含む。本体210は、容量層Aと、保護層Cと、を含む。
本体210は、複数の誘電層211が積層された形態を有し、複数のグリーンシートを積層してから焼結することで得られる。
本体210は、4層以上の誘電層211が積層されて形成されることができ、例えば、400~500層の誘電層が積層されて形成されることができる。本体210の上下部には、内部電極を含まない誘電層を積層することで形成される上部カバー層212及び下部カバー層213が配置されることができる。この際、上部カバー層212及び下部カバー層213が保護層Cとなることができる。すなわち、容量層Aの上下部に保護層Cが配置される。
本体210の内側、すなわち、容量層Aには、誘電層211を挟んで互いに対向するように配置される第1及び第2内部電極221、222が含まれる。内部電極221、222は連結電極251、252を介して外部電極291、292と連結される。
この際、連結電極251、252は、保護層Cに形成されるアルファ連結電極251a、252aと、容量層Aに形成されるベータ連結電極251b、252bと、を含む。
ベータ連結電極251b、252bは、第1内部電極221と連結される第1ベータ連結電極251bと、第2内部電極222と連結される第2ベータ連結電極252bと、を含む。また、アルファ連結電極251a、252aは、第1ベータ連結電極251bと連結される第1アルファ連結電極251aと、第2ベータ連結電極252bと連結される第2アルファ連結電極252aと、を含む。第1ベータ連結電極251bは、第1内部電極221と接し、第2内部電極222とは離隔するように配置され、第2ベータ連結電極252bは、第2内部電極222と接し、第1内部電極221とは離隔するように配置される。
保護層Cには、保護層Cを貫通するアルファビア231、232が形成される。アルファ連結電極251a、252aは、アルファビア231、232に導電性物質を充填することで形成されることができる。また、容量層Aにも、アルファビア231、232と連結され、容量層Aを貫通するベータビア241、242が形成される。ベータ連結電極251b、252bは、ベータビア241、242に導電性物質を充填することで形成されることができる。
本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシター200は、第1アルファ連結電極251a及び上記第2アルファ連結電極252aが保護層Cの中央部に配置される。すなわち、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシター200は、第1アルファ連結電極251aと上記第2アルファ連結電極252aとの間の距離が最も短くなるように形成されることができる。
第1アルファ連結電極251a及び上記第2アルファ連結電極252aは、それぞれ第1及び第2外部電極と連結される必要があるが、第1アルファ連結電極251a及び上記第2アルファ連結電極252aが保護層Cの中央部に配置されると、第1及び第2外部電極も中央部に配置するしかない。このように第1及び第2外部電極を保護層Cの中央部に配置すると、第1及び第2外部電極のサイズにより、第1アルファ連結電極251aと上記第2アルファ連結電極252aとの間の間隔を減少させるのに制約があり、基板に実装する際に別の設計が必要となるという問題がある。
したがって、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシター200における第1外部電極291の第1パッド291a及び第2外部電極292の第2パッド292aは、第1アルファ連結電極251a及び第2アルファ連結電極252aを中心として第1方向(X)または第2方向(Y)の両側に配置され、第1アルファ連結電極251aから上記第1外部電極291の第1パッド291aまで延びる第1連結パターン291bと、第2アルファ連結電極252aから第2外部電極292の第2パッド292aまで延びる第2連結パターン292bと、をさらに含むことができる。
すなわち、第1及び第2連結パターン291b、292bにより、第1及び第2外部電極291、292の位置を自由に変更するとともに、第1アルファ連結電極251aと上記第2アルファ連結電極252aとの間の間隔を最小化することで、積層セラミックキャパシター200のESLを最小化することができる。
積層セラミックキャパシターの製造方法
図6から図10は、本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシターの製造方法の各段階を示した概略断面図である。
以下、図6から図10を参照して、本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシターの製造方法について説明する。
先ず、図6を参照すると、誘電層111、及び上記誘電層111を挟んで配置される第1及び第2内部電極121、122を含む容量層Aと、上記容量層Aの一面に配置された保護層Cと、を含む本体110を準備する段階が行われる。
本体110は、複数の誘電層111が積層された形態を有し、複数のグリーンシートを積層してから焼結することで得られる。このような焼結工程により、複数の誘電層111は一体化された形態を有することができる。本体110の形状及び寸法並びに誘電層111の積層数は本実施形態に示されたものに限定されず、例えば、図6に示された形態のように、本体110は直方体形状を有することができる。
本体110に含まれた誘電層111は高誘電率を有するセラミック材料を含み、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO)系物質を含むことができるが、十分な静電容量が得られるものであれば、当技術分野で公知された他の物質も用いることができる。誘電層111には、主成分である上記セラミック材料とともに、必要に応じて、添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤及び分散剤などがさらに含まれることができる。このうち、添加剤としては、内部電極121、122に添加されたものと同一の物質を含むことができ、この添加剤の濃度は、均一な焼結特性を確保するように局部的に適宜調節される。
本体110は、4層以上の誘電層111が積層されて形成されることができ、例えば、400~500層の誘電層が積層されて形成されることができる。本体110の上下部には、内部電極を含まない誘電層を積層することで形成される上部カバー層112及び下部カバー層113が配置されることができる。この際、上部カバー層112及び下部カバー層113が保護層Cとなることができる。すなわち、容量層Aの上下部に保護層Cが配置される。
本体110の内側、すなわち、容量層Aには、誘電層111を挟んで互いに対向するように配置される第1及び第2内部電極121、122が含まれる。第1及び第2内部電極121、122は、後述の互いに異なる外部電極191、192と連結され、駆動時に互いに異なる極性を有することができる。第1及び第2内部電極121、122は、セラミックグリーンシートの一面に導電性金属を含むペーストを所定の厚さで印刷した後、それを焼結することで得られる。この際、第1及び第2内部電極121、122は、それぞれ第1及び第2絶縁部121'、122'を含むことができる。第1及び第2絶縁部121'、122'は、内部電極が形成されない領域を意味し、第1及び第2内部電極121、122がそれぞれ異なる極性の外部電極にのみ連結されるようにする役割を果たすことができる。第1及び第2内部電極121、122を成す主要構成物質としては、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)などが挙げられ、これらの合金も用いることができる。
次に、図7を参照すると、保護層Cに保護層Cを貫通するアルファビア131、132を形成する段階が行われることができる。アルファビア131、132は、積層方向に第2絶縁部122'と対応する位置に形成される第1aビア131と、第1絶縁部121'と対応する位置に形成される第1bビア132と、を含むことができる。
アルファビア131、132を形成する段階は、ピン(pin)、ドリル、レーザーを用いて行われることができる。
アルファビア131、132を形成する段階は、後述の第1アルファ連結電極151aと第2アルファ連結電極152aとの間の間隔が350~500μmとなるように、アルファビア131、132の間の間隔が350~500μmとなるように行われることができる。
アルファビア131、132を形成した後、図8のように、上記アルファビア131、132の内側に露出した上記容量層Aを貫通し、上記アルファビア131、132より小さい直径のベータビア141、142を形成する段階が行われる。ここで、アルファビア131、132の直径は実質的に同一であればよく、ベータビア141、142の直径も実質的に同一であればよい。
ベータビア141、142を形成する際に、レーザーを用いてベータビア141、142を形成すると、熱が原因で内部電極121、122が変形し、内部電極121、122の間で短絡が発生する不良が著しく増加するようになる。
したがって、ベータビア141、142は、レーザーではなくピン(pin)またはドリルなどの物理的な貫通具を用いて形成することができる。
アルファビア及びベータビアを一度に形成して本体を貫通すると、上部カバー層が高い圧力によって容量層の方向に押し出されるという問題がある。
しかし、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシター100は、アルファビア131、132の直径がベータビア141、142の直径より大きいため、内部電極121、122と直接接触するベータビア141、142の形成過程で保護層Cが容量層Aを加圧しないようにすることにより、第1及び第2内部電極121、122の間で短絡が発生することを防止できるようにする。また、アルファ連結電極及びベータ連結電極151、152の間の間隔を小さくすることが可能であるため、第1及び第2内部電極121、122とアルファ連結電極及びベータ連結電極151、152が形成するループ(loop)の面積を減らして、積層セラミックキャパシター100のESLを減少させることができる。
この際、アルファビア131、132の直径はベータビア141、142の直径より20%以上大きく形成することができる。
ベータビア141、142は、第2絶縁部122'を貫通する第2aビア141と、第1絶縁部121'を貫通する第2bビア142と、を含むことができる。
次に、図9のように、アルファビア131、132及びベータビア141、142に導電性物質を充填することでアルファ連結電極及びベータ連結電極151、152を形成する段階が行われることができる。
この際、連結電極151、152は、保護層Cに形成されるアルファ連結電極151a、152aと、容量層Aに形成されるベータ連結電極151b、152bと、を含む。
ベータ連結電極151b、152bは、第1内部電極121と連結される第1ベータ連結電極151bと、第2内部電極122と連結される第2ベータ連結電極152bと、を含む。また、アルファ連結電極151a、152aは、第1ベータ連結電極151bと対応する位置に形成される第1アルファ連結電極151aと、第2ベータ連結電極152bと対応する位置に形成される第2アルファ連結電極152aと、を含む。
第2aビア141が第2絶縁部122'を貫通するため、第1ベータ連結電極151bは、第1内部電極121と接し、第2内部電極122とは離隔する。また、第2bビア142が第1絶縁部121'を貫通するため、第2ベータ連結電極152bは、第2内部電極122と接し、第1内部電極121とは離隔する。
最後に、図10を参照すると、保護層Cの一面に上記第1アルファ連結電極151aと連結される第1外部電極191を形成する段階が行われ、保護層Cの一面に第1外部電極191と離隔し、上記第2アルファ連結電極152aと連結される第2外部電極192を形成する段階が行われることができる。
しかし、図5及び図6の本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシターのように、上記第1アルファ連結電極及び上記第2アルファ連結電極は上記保護層の中央部に形成され、上記第1外部電極及び上記第2外部電極は上記第1アルファ連結電極及び上記第2アルファ連結電極を中心として両側に形成されることができる。この際、上記第1外部電極及び上記第2外部電極291、292を形成する段階は、上記第1アルファ連結電極及び上記第2アルファ連結電極を中心として両側に配置され、第1アルファ連結電極251aから上記第1外部電極291の第1パッド291aまで延びる第1連結パターン291bと、第2アルファ連結電極252aから第2外部電極292の第2パッド292aまで延びる第2連結パターン292bと、を含むことができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
100 積層セラミックキャパシター
111 誘電層
112 上部カバー層
113 下部カバー層
121、122 内部電極
131、132 アルファビア
141、142 ベータビア
151、152 連結電極
191、192 外部電極

Claims (19)

  1. 誘電層、及び前記誘電層を挟んで配置される第1及び第2内部電極を含む容量層と、
    前記容量層の一面に配置される保護層と、
    前記保護層を貫通するアルファビアに充填されたアルファ連結電極と、
    前記容量層を貫通し、前記アルファビアと連結されるベータビアに充填されたベータ連結電極と、を含み、
    前記容量層と前記保護層の境界において、前記ベータビアの直径に対する前記アルファビアの直径の比が110%以上であり、
    前記保護層が形成された一面に対向する面に下部保護層が配置され、前記ベータ連結電極が前記下部保護層に延長されて配置される、積層セラミックキャパシター。
  2. 前記ベータビアの直径に対する前記アルファビアの直径の比が120%以上である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシター。
  3. 前記ベータ連結電極は、
    前記第1内部電極と接し、前記第2内部電極とは離隔する第1ベータ連結電極と、
    前記第2内部電極と接し、前記第1内部電極とは離隔する第2ベータ連結電極と、を含む、請求項1または2に記載の積層セラミックキャパシター。
  4. 前記アルファ連結電極は、
    前記保護層において前記第1ベータ連結電極と対応する位置に配置される第1アルファ連結電極と、
    前記保護層において前記第2ベータ連結電極と対応する位置に配置される第2アルファ連結電極と、を含む、請求項3に記載の積層セラミックキャパシター。
  5. 前記第1アルファ連結電極と前記第2アルファ連結電極との間の間隔が350~500μmである、請求項4に記載の積層セラミックキャパシター。
  6. 前記保護層の一面に配置され、前記第1アルファ連結電極と連結される第1外部電極と、
    前記保護層の一面に配置され、前記第1外部電極と離隔し、且つ前記第2アルファ連結電極と連結される第2外部電極と、を含む、請求項4または5に記載の積層セラミックキャパシター。
  7. 前記第1アルファ連結電極及び前記第2アルファ連結電極は前記保護層の中央部に配置され、
    前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記第1アルファ連結電極及び前記第2アルファ連結電極を中心として両側に配置され、前記第1アルファ連結電極から前記第1外部電極まで延びる第1連結パターンと、前記第2アルファ連結電極から前記第2外部電極まで延びる第2連結パターンと、をさらに含む、請求項6に記載の積層セラミックキャパシター。
  8. 前記アルファビアの直径は実質的に一定であり、前記ベータビアの直径は実質的に一定である、請求項1から7のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシター。
  9. 誘電層、及び前記誘電層を挟んで配置される第1及び第2内部電極を含む容量層と、前記容量層の一面に配置された保護層とを含む本体を準備する段階と、
    前記保護層に前記保護層を貫通するアルファビアを形成する段階と、
    前記アルファビアの内側に露出した前記容量層を貫通し、前記アルファビアより小さい直径のベータビアを形成する段階と、
    前記アルファビア及びベータビアに導電性物質を充填することでアルファ連結電極及びベータ連結電極を形成する段階と、を含み、
    前記ベータビアの直径に対する前記アルファビアの直径の比が110%以上である、積層セラミックキャパシターの製造方法。
  10. 前記ベータビアの直径に対する前記アルファビアの直径の比が120%以上である、請求項9に記載の積層セラミックキャパシターの製造方法。
  11. 前記ベータビアを物理的な貫通法により形成する、請求項9または10に記載の積層セラミックキャパシターの製造方法。
  12. 前記ベータ連結電極は、
    前記第1内部電極と接し、前記第2内部電極とは離隔する第1ベータ連結電極と、
    前記第2内部電極と接し、前記第1内部電極とは離隔する第2ベータ連結電極と、を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシターの製造方法。
  13. 前記アルファ連結電極は、
    前記保護層において前記第1ベータ連結電極と対応する位置に配置される第1アルファ連結電極と、
    前記保護層において前記第2ベータ連結電極と対応する位置に配置される第2アルファ連結電極と、を含む、請求項12に記載の積層セラミックキャパシターの製造方法。
  14. 前記第1アルファ連結電極と前記第2アルファ連結電極との間の間隔が350~500μmである、請求項13に記載の積層セラミックキャパシターの製造方法。
  15. 前記保護層の一面に前記第1アルファ連結電極と連結される第1外部電極を形成する段階と、
    前記保護層の一面に、前記第1外部電極と離隔し、前記第2アルファ連結電極と連結される第2外部電極を形成する段階と、をさらに含む、請求項13または14に記載の積層セラミックキャパシターの製造方法。
  16. 前記第1アルファ連結電極及び前記第2アルファ連結電極は前記保護層の中央部に形成され、
    前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記第1アルファ連結電極及び前記第2アルファ連結電極を中心として両側に形成され、
    前記第1外部電極及び前記第2外部電極を形成する段階は、
    前記第1アルファ連結電極及び前記第2アルファ連結電極を中心として両側に配置される第1パッド及び第2パッドを形成する段階を含み、
    前記第1アルファ連結電極から前記第1パッドまで延びる第1連結パターン、及び前記第2アルファ連結電極から前記第2パッドまで延びる第2連結パターンを形成する段階をさらに含む、請求項15に記載の積層セラミックキャパシターの製造方法。
  17. 前記アルファビアの直径は実質的に一定であり、前記ベータビアの直径は実質的に一定である、請求項9から16のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシターの製造方法。
  18. 誘電層、及び前記誘電層を挟んで配置される第1及び第2内部電極を含む容量層と、
    前記容量層の一面に配置される保護層と、
    前記保護層を貫通するアルファビアに充填されたアルファ連結電極と、
    前記容量層を貫通し、前記アルファビアと連結されるベータビアに充填されたベータ連結電極と、を含み、
    前記ベータビアの直径に対する前記アルファビアの直径の比が110%以上であり、
    前記ベータ連結電極は、
    前記第1内部電極と接し、前記第2内部電極とは離隔する第1ベータ連結電極と、
    前記第2内部電極と接し、前記第1内部電極とは離隔する第2ベータ連結電極と、を含み、
    前記アルファ連結電極は、
    前記保護層において前記第1ベータ連結電極と対応する位置に配置される第1アルファ連結電極と、
    前記保護層において前記第2ベータ連結電極と対応する位置に配置される第2アルファ連結電極と、を含み、
    前記保護層の一面に配置され、前記第1アルファ連結電極と連結される第1外部電極と、
    前記保護層の一面に配置され、前記第1外部電極と離隔し、且つ前記第2アルファ連結電極と連結される第2外部電極と、を含み、
    前記第1アルファ連結電極及び前記第2アルファ連結電極は前記保護層の中央部に配置され、
    前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記第1アルファ連結電極及び前記第2アルファ連結電極を中心として両側に配置され、前記第1アルファ連結電極から前記第1外部電極まで延びる第1連結パターンと、前記第2アルファ連結電極から前記第2外部電極まで延びる第2連結パターンと、をさらに含む、積層セラミックキャパシター。
  19. 誘電層、及び前記誘電層を挟んで配置される第1及び第2内部電極を含む容量層と、
    前記容量層の一面に配置される保護層と、
    前記保護層を貫通するアルファビアに充填されたアルファ連結電極と、
    前記容量層を貫通し、前記アルファビアと連結されるベータビアに充填されたベータ連結電極と、を含み、
    前記ベータビアの直径に対する前記アルファビアの直径の比が110%以上であり、
    前記保護層が形成された一面に対向する面に下部保護層が配置され、前記ベータ連結電極が前記下部保護層に延長されて配置され、
    前記アルファビアの直径は実質的に一定であり、前記ベータビアの直径は実質的に一定である、積層セラミックキャパシター。
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