JP7196820B2 - ホットスタンプ装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、基体(モール本体11)の表面(転写面11P)に転写フィルム(スタンプ箔50)の意匠層(黒色箔51)を転写する技術が開示されている。
このため、特許文献1に紹介されているような従来のホットスタンプ装置においては転写型に要するコストが大きく、ホットスタンプに要するコストを低減し難い問題がある。また、ホットスタンプを施す基体が大型であれば、必要とされる転写型もまた大型となり、当該転写型に要するコストはさらに高騰する。
このため、ホットスタンプに要するコストを低減し得る新規なホットスタンプ装置が望まれている。
基体を裏面側から支持する支持型と、
先端にクランプを有する多関節アームと、前記多関節アームを駆動するアーム駆動要素と、を有するロボットアームと、
前記ロボットアームの前記クランプに脱着可能に保持されているホットスタンプユニットと、を具備し、
前記ホットスタンプユニットは、
キャリアフィルムと前記キャリアフィルム上に形成されている意匠層とを有する転写フィルムが巻回された巻き出しロールと、
前記転写フィルムの前記キャリアフィルムが取り付けられた巻き取りロールと、
前記転写フィルムが前記巻き出しロールから巻き出され前記キャリアフィルムが前記巻き取りロールに巻き取られるよう、前記巻き出しロールおよび前記巻き取りロールを回転させるロール駆動要素と、
前記転写フィルムの前記意匠層を加熱する加熱要素と、
前記巻き出しロールと前記巻き取りロールとの間において前記転写フィルムの前記キャリアフィルム側に配置され、前記意匠層側に向けて前記転写フィルムを押圧する押圧転写要素と、を具備する、ホットスタンプ装置である。
なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x~y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施形態中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
これに対して、支持型、ロボットアームおよびホットスタンプユニットを具備する本発明のホットスタンプ装置では、基体表面に沿った形状の押圧型を要さない。
基体の表面に複数の転写領域を設ける場合、かつ、従来のように基体の表面に沿った形状の押圧型を用いてホットスタンプを行う場合には、上記の複数の転写領域に一度に意匠層を転写する必要がある。この場合、転写領域の間にある非転写領域の分まで転写フィルムが必要となるため、転写フィルムのロスが大きく、ホットスタンプに要するコストを低減するのがより一層困難である。
また、特に、転写領域が湾曲面を含む場合、当該湾曲面を含む複数の転写領域の各々に対して従来の押圧型により転写フィルムを均一な力で押圧するのは非常に困難であり、当該複数の転写領域に意匠層を隈無く転写することもまた非常に困難である。
さらに、多関節アームによってホットスタンプユニットを転写領域に沿って3次元的に位置変化させることによっても、転写領域の全体にわたって、転写フィルムの転写に十分な力を作用させることが可能である。
転写領域の全体にわたって転写フィルムの転写に十分な力を作用させることができれば、意匠性に優れる製品、すなわち、基体にホットスタンプを施すことで得られた転写部材を容易に得ることが可能であり、かつ、製造ロスを低減できることによりホットスタンプによる製造コストを低減することが可能である。
このうち支持型は、ホットスタンプの対象となる基体を裏面側から支持する部材であり、既述した従来の転写型における支持型と同様のものである。
このうち巻き出しロール、巻き取りロールおよびロール駆動要素は、キャリアフィルムと当該キャリアフィルム上に形成されている意匠層とを有する転写フィルムを、巻き出しかつ巻き取るための要素である。
ロール駆動要素は、巻き出しロールおよび巻き取りロールを直接的に回転させても良いし、間接的に回転させても良い。
巻き出しロールと巻き取りロールとの間において、押圧転写要素に到達する前の時点では、転写フィルムのキャリアフィルム上には意匠層が形成されたままである。当該意匠層は、加熱要素によって加熱されて軟化することで、キャリアフィルムから剥離し易くなる。このような状態にある転写フィルムを、押圧転写要素によって、キャリアフィルム側から意匠層側に向けて押圧することで、意匠層にはキャリアフィルムから剥離する方向の力が加えられる。
このとき、ロボットアームが基体の表面に対面する位置にホットスタンプユニットを配置すれば、キャリアフィルムから剥離した意匠層は、基体の表面に押しつけられ、当該基体の表面に転写される。
押圧部を弾性体で構成することで、転写領域が湾曲面を有する場合にも押圧部が当該湾曲面に沿って変形することで、押圧領域の全体にわたって転写フィルムに十分な押圧力を付与し得る利点もある。
以下、具体例を挙げて本発明のホットスタンプ装置を説明する。
実施例1のホットスタンプ装置は、車両用のフロントグリルに金属色の意匠層を転写するための装置である。
実施例1のホットスタンプ装置を模式的に表す斜視図を図1に示す。実施例1のホットスタンプ装置におけるホットスタンプユニットを模式的に表す説明図を図2に示す。実施例1のホットスタンプ装置によりホットスタンプを施す基体を模式的に表す斜視図を図3に示す。実施例1のホットスタンプ装置により基体にホットスタンプを施すことで得られた転写部材を模式的に表す斜視図を図4に示す。図4に示す転写部材を図中のA-A位置で切断した断面を模式的に表す説明図を図5に示す。
以下、実施例1において上、下、左、右、前、後とは、図1に示す上、下、左、右、前、後を意味する。
支持型12およびロボットアーム2は台座11上に固定され、ホットスタンプユニット5はロボットアーム2に保持されている。
ロボットアーム2は、多関節アーム3、および、当該多関節アーム3に一体化されたアーム駆動要素4を有する。多関節アーム3は、第1軸31s、第2軸32s、第3軸33s、第4軸34sを有する4軸型である。多関節アーム3は、その他、第1アーム31a、第2アーム32a、第3アーム33a、第4アーム34a、アーム基部35およびクランプ36を有する。
クランプ36は、ホットスタンプユニット5と脱着可能に嵌合することで、ホットスタンプユニット5を脱着可能に保持する。
巻き出しロール51はホットスタンプ基部50の右側に、巻き取りロール52はホットスタンプ基部50の左側に配置されている。このうち巻き出しロール51には、転写フィルム8が巻回されている。転写フィルム8は、キャリアフィルム80と当該キャリアフィルム80上に形成されている意匠層81とを有し、キャリアフィルム80をホットスタンプ基部50およびクランプ36側(つまり図1中上側)に向け、意匠層81をホットスタンプ基部50およびクランプ36とは逆側(つまり図1および図2中の下側)に向けている。
実施例1のホットスタンプ装置1によりホットスタンプを施す基体9において、凸部91および当該凸部91に連続する連結部93の上側部分が上記した転写領域9rであり、凹部92および当該凹部92に連続する連結部93の下側部分が上記した非転写領域9nである。さらに、当該基体9においては、側壁9sの表面における一部の領域も転写領域9rであり、側壁の表面におけるその他の領域は非転写領域9nである。
先ず、多関節アーム3のクランプ36にホットスタンプユニット5を保持する。また、基体9の裏面9bを図1に示す支持型12に向けて、基体9を支持型12に支持させる。
そして、アーム駆動要素4を駆動して、図2に示すように、クランプ36に保持されたホットスタンプユニット5を基体9の表面9fに対面させる。
このとき転写フィルム8は加熱要素54により加熱され、意匠層81の接着層81aは軟化している。このため、押圧転写要素6の押圧部62に押圧された意匠層81は転写領域9rに転写される。具体的には、意匠層81の接着層81aが転写領域9rに接着され、金属箔81mが当該接着層81aの上に露出する。
押圧部62により転写フィルム8を基体9の転写領域9rに押圧しつつ、ロボットアーム2によりホットスタンプユニット5を左側から右側に向けて位置変化させることで、転写領域9rには左側から右側に向けて帯状に意匠層81が転写される(図4参照)。基体9の表面の転写領域9rの各々について、上記と同様に意匠層81を転写することで、転写領域9rに意匠層81が転写された転写部材95が得られる。
同様に、図5に示すように転写領域9rの一部97rを転写領域9rの他の部分96rに対して略直交する方向に設ける場合にも、転写領域9rへの意匠層81の転写を信頼性高く行うことが可能である。
実施例2のホットスタンプ装置は、ホットスタンプユニット以外は実施例1のホットスタンプ装置と概略同じである。以下、実施例1との相違点を中心として、実施例2のホットスタンプ装置を説明する。実施例2のホットスタンプ装置におけるホットスタンプユニットを模式的に表す説明図を図6に示す。実施例2のホットスタンプ装置により基体にホットスタンプを施すことで得られた転写部材を模式的に表す斜視図を図7に示す。本発明のホットスタンプ装置により得られる転写部材の他の例を表す説明図を図8および図9に示す。
先ず、実施例1のホットスタンプ装置と同様に、多関節アーム3のクランプ36にホットスタンプユニット5を保持する。また、基体9を図略の支持型に支持させる。
そして、図略のアーム駆動要素を駆動して、クランプ36に保持されたホットスタンプユニット5を、基体9の表面9fにある転写領域9rに対面させる。
ここで、押圧部62は加熱要素54により加熱されているため、当該押圧部62に押圧された転写フィルム8のもまた加熱要素54により間接的に加熱され、意匠層81の接着層81aは軟化する。このため、押圧部62に押圧された意匠層81は転写領域9rに転写される。
また、実施例2のホットスタンプ装置におけるホットスタンプユニット5は、実施例1のホットスタンプ装置におけるホットスタンプユニット5と同様に、上下-前後-左右方向に3次元的に位置変化可能である。このため、実施例2のホットスタンプ装置によっても、湾曲面状の転写領域9rに意匠層81を信頼性高く転写することが可能である。
さらに、実施例2のホットスタンプ装置における押圧部62もまた、基体9に比べて遙かに小さく、小回りがきく。このため、実施例2のホットスタンプ装置もまた汎用性に優れる。
本発明のホットスタンプ装置によると、これらの転写領域9rに対しても、信頼性高く意匠層81を転写することが可能である。
2:ロボットアーム 3:多関節アーム
36:クランプ 4:アーム駆動要素
5:ホットスタンプユニット 51:巻き出しロール
52:巻き取りロール 53:ロール駆動要素
54:加熱要素 6:押圧転写要素
62:押圧部 8:転写フィルム
80:キャリアフィルム 81:意匠層
9:基体 9b:基体の裏面
9r:転写領域
Claims (4)
- 基体を裏面側から支持する支持型と、
先端にクランプを有する多関節アームと、前記多関節アームを駆動するアーム駆動要素と、を有するロボットアームと、
前記ロボットアームの前記クランプに脱着可能に保持されているホットスタンプユニットと、を具備し、
前記ホットスタンプユニットは、
キャリアフィルムと前記キャリアフィルム上に形成されている意匠層とを有する転写フィルムが巻回された巻き出しロールと、
前記転写フィルムの前記キャリアフィルムが取り付けられた巻き取りロールと、
前記転写フィルムが前記巻き出しロールから巻き出され前記キャリアフィルムが前記巻き取りロールに巻き取られるよう、前記巻き出しロールおよび前記巻き取りロールを回転させるロール駆動要素と、
前記転写フィルムの前記意匠層を加熱する加熱要素と、
前記巻き出しロールと前記巻き取りロールとの間において前記転写フィルムの前記キャリアフィルム側に配置され、前記意匠層側に向けて前記転写フィルムを押圧する押圧転写要素と、を具備し、
前記基体の表面形状に沿って前記多関節アームの先端を位置変化させることで、前記ホットスタンプユニットを前記基体の表面形状に沿って位置変化させつつ、前記基体の表面に前記転写フィルムの前記意匠層を転写する、ホットスタンプ装置。 - 前記押圧転写要素は、弾性体からなり前記転写フィルムに当接する押圧部を有する、請求項1に記載のホットスタンプ装置。
- 請求項1に記載のホットスタンプ装置を用いて前記基体に前記転写フィルムの前記意匠層を転写するホットスタンプ方法であって、
前記基体として、その表面に、前記意匠層が転写される転写領域を複数有するものを用い、
前記押圧転写要素によって、各々の前記転写領域について個別に前記意匠層を転写する、ホットスタンプ方法。 - 前記基体として、前記転写領域に湾曲面を含むものを用い、
前記ホットスタンプ装置の前記押圧転写要素は、弾性体からなり前記転写フィルムに当接する押圧部を有する、請求項3に記載のホットスタンプ方法。
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