JP5828291B2 - 樹脂部材の表面装飾方法 - Google Patents

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本発明は、樹脂部材の表面装飾方法に関し、特に箔を樹脂部材に転写する方法に関する。
例えば、車両の外装部品では、シボ面を有する樹脂部材にクロム箔を熱転写することで、樹脂部材表面を装飾することが行われている。クロム箔を熱転写する工法として、ホットスタンプ工法がある。ホットスタンプ工法は、クロム箔を印刷したシートを、加熱されたローラで樹脂部材表面に押し当てることで、クロム箔を樹脂部材表面に熱転写する方法である。
ここで、樹脂部材の表面にはシボ面が形成されていることがある。シボ面は、凹凸差が15μm程度の粗面である。シボ面に直接クロム箔を熱転写すると、クロム箔は厚みが3〜5μmと薄いため、クロム箔がシボ面の凹凸を拾い、クロム箔の鏡面光沢を発しなくなってしまう。このため、クロム箔を転写する部分のシボ面は平坦化することが必要とされる。
樹脂部材のクロム箔転写部分のシボ面を平坦化するために、クロム箔転写部分だけを平坦化する金型を作製し、金型に全面にシボ面を形成した樹脂部材を入れて、樹脂部材のクロム箔転写部分のみを平坦化させることも考えられる。しかし、この場合、金型作製に費用がかかってしまう。
そこで、従来、樹脂部材のクロム箔転写部分のシボ面を平坦化するためには、特許文献1、2、3に開示されているように、シボ面を研磨したり溶剤により溶かしたりしていた。
特開2004−114483号公報 特開2002−15295号公報 特開昭56−22329号公報
しかしながら、シボ面を研磨したり溶剤で溶かしたりする工程は、手作業で行われるため、非常に手間がかかる。また、クロム箔の熱転写をホットスタンプ工法で行う場合には、ホットスタンプ工程とは別個に、研磨工程や溶剤溶出工程を行う設備を設ける必要がある。このため、外装部品の製造コストを高くする要因となっていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、粗面を有する樹脂部材表面に簡素に箔を転写することができ且つ見栄えのよい表面装飾をすることができる、樹脂部材の表面装飾方法を提供することを課題とする。
本発明の樹脂部材の表面装飾方法は、表面を粗面とする熱可塑性樹脂からなる樹脂部材の前記表面を加飾する樹脂部材の表面装飾方法において、
前記樹脂部材の前記粗面を、前記樹脂部材の前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上の加熱温度で加熱しながら加圧治具で押圧して前記樹脂部材の前記粗面を平坦化する平坦化工程と、
前記樹脂部材の前記粗面に装飾層を配置して、加圧治具により前記装飾層を前記樹脂部材の前記粗面に押し付ける装飾工程と、を行い、
前記加圧治具はローラであって、
前記樹脂部材の前記粗面に前記装飾層を配置して、前記ローラの加熱温度220〜240℃、面圧1〜3MPaの条件で前記樹脂部材の前記粗面を加熱しながら前記ローラで押圧して前記ローラを前記樹脂部材及び前記装飾層に対して相対移動させることにより、前記樹脂部材の前記粗面を平坦化面としながら前記装飾層を前記平坦化面に押し付けることで、前記平坦化工程とともに前記装飾工程を行うことを特徴とする。
前記加圧治具は、JIS K6253で規定されている硬度が60〜100の弾性表面をもつことが好ましい。前記加圧治具の前記硬度は70〜90であることが好ましい。前記樹脂部材の前記熱可塑性樹脂は、PP、AES、及びASAの群から選ばれる1種以上であることが好ましい。前記ローラの押し込み量は2〜10mmであることが好ましい。
本発明によれば、樹脂部材の粗面を、樹脂部材の熱可塑性樹脂の軟化温度以上の加熱温度で加熱しながら加圧治具で押圧して粗面を平坦化している。このため、樹脂部材表面に、簡素に箔を転写することができ且つ見栄えのよい表面装飾をすることができる。
実施例1のグリルロアーの斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 実施例1の熱転写シートの断面説明図である。 実施例1のホットスタンプ機の説明図である。 実施例1の加圧ローラによるグリルロアーの加圧方法を示す説明図である。 実施例1の加圧ローラにより加圧されているグリルロアーの断面説明図である。
本発明の樹脂部材の表面装飾方法について詳細に説明する。本発明の樹脂部材の表面装飾方法は、粗面を有する熱可塑性樹脂からなる樹脂部材を加飾する方法であり、以下の平坦化工程と装飾工程とを有する。
(平坦化工程)
平坦化工程では、樹脂部材の粗面を、樹脂部材の熱可塑性樹脂の軟化温度以上の加熱温度で加熱しながら加圧治具で押圧して、樹脂部材の粗面を平坦化して平坦化面とする。
樹脂部材は、熱可塑性樹脂からなり、樹脂部材の表面は粗面である。樹脂部材の粗面は、シボ面、梨地模様面など、凹凸がある粗面である。粗面の装飾層が形成される被装飾部分は平坦化される。
樹脂部材は、熱可塑性樹脂からなる。樹脂部材に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、PP(ポリプロピレン)、AES(アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体)、ASA(アクリレートスチレンアクリロニトリル系トリブロック共重合体)などを用いることができる。PPの軟化温度は、150〜180℃である。軟化温度とは、熱可塑性樹脂からなる樹脂部材の剛性が維持できず変形し易くなる温度をいう。
樹脂部材を加熱する加熱温度は、樹脂部材を構成する熱可塑性樹脂の軟化温度以上の温度である。樹脂部材を加熱する加熱温度が樹脂部材を構成する熱可塑性樹脂の軟化温度よりも低い場合には、樹脂部材を加圧治具で加熱しながら押圧したときに樹脂部材の表面が軟化せず平坦化しにくくなる。
樹脂部材がPPからなる場合には、樹脂部材を加熱する加熱温度は、PPの軟化温度である150〜180℃よりも若干高い185〜190℃であるとよい。
樹脂部材の粗面を、樹脂部材の熱可塑性樹脂の軟化温度以上の加熱温度で加熱するためには、樹脂部材の粗面を加熱できればどの手段でもよい。例えば、加圧治具の表面が加熱されている。その他、熱風でもよい。
加圧治具が加熱されたローラである場合には、ローラの表面温度は、樹脂部材を構成する熱可塑性樹脂の軟化温度よりも若干高いことがよい。例えば、ローラの表面温度は、樹脂部材を構成する熱可塑性樹脂の軟化温度よりも5〜10℃高いことがよい。
ローラと樹脂部材の粗面との間にフィルムを介在させる場合には、軟化温度よりも30〜40℃高いことがよい。ローラから発する熱がフィルムを伝わる間に若干放散されて、樹脂部材の粗面の温度がローラの表面温度よりも若干低下するからである。
加圧治具は、例えば、ローラ、プレス型を用いることができる。中でも、加圧治具は、ローラを用いるとよい。例えば、ローラと、ローラを加熱するヒータとを備えるホットスタンプ機を用いるとよい。
平坦化工程で用いる加圧治具の内部には、加熱手段が内蔵されていて、加熱手段の発生する熱で加圧治具の表面を加熱温度に加熱しながら、樹脂部材の粗面を平坦化することが好ましい。樹脂部材の粗面を加圧しながら押圧することができる。
加圧治具の樹脂部材の粗面を押圧する押圧面は、凹凸の少ない又は凹凸のない平滑な平坦面であるとよい。樹脂部材の粗面を平坦面とするためである。
さらに、加圧治具の押圧面は、樹脂部材の粗面の装飾層が形成される被装飾部分の形状に沿った形状を呈しているとよい。樹脂部材の粗面の被装飾部分を均等に押圧して平坦化するためである。
加圧治具の押圧面は、弾性をもつ弾性表面を有するとよい。平坦化工程で用いる加圧治具は、弾性表面をもつローラであるとよい。凹凸形状や湾曲形状をもつ樹脂部材の被装飾部分に均等に押圧力を加えることができる。弾性表面をもつ加圧治具は、例えば、シリコンゴムなどの弾性材料により形成される。弾性表面の硬度は60〜100がよく、更には70〜90がよい。硬度はJIS K6253規格により規定されている硬度をいう。
加圧治具の押圧面は、樹脂部材の表面形状に沿った形状を呈しているとよい。例えば、樹脂部材の粗面の被装飾部分が湾曲している場合には、加圧治具の押圧面は、被装飾部分の湾曲形状に沿った形状を呈しているとよい。
樹脂部材の粗面の一部に装飾層を形成する場合には、装飾層が形成される被装飾部分を加圧治具で加熱しながら押圧して平坦化するとよい。この場合、樹脂部材の被装飾部分を押圧するために、加圧治具の押圧面は樹脂部材の被装飾部分を押圧する部分を押圧する形状とするとよい。加圧治具の押圧面は、樹脂部材の表面のうち被装飾部分を押圧し、被装飾部分以外の部分は押圧しない形状とするとよい。例えば、樹脂部材の粗面が平面形状に広がっていて、粗面の一部に装飾層を形成する場合、加圧治具の押圧面は、樹脂部材の被装飾部分に対応する部分が突出していて、樹脂部材の被装飾部分以外の部分に対応する部分は窪んでいるとよい。この場合、押圧面の突出した部分で樹脂部材の被装飾部分が押圧されて平坦化され、樹脂部材の被装飾部分以外の部分は押圧されず粗面を残すことができる。
加圧治具と樹脂部材の粗面との間には、平滑表面をもつフィルムを介在させるとよい。加圧治具の押圧面が粗面であっても、樹脂部材の粗面はフィルムの平滑表面に接触して押圧されるため、樹脂部材の粗面を平坦化しやすい。フィルムは、樹脂部材の粗面を加熱する加熱温度でも軟化せずかつ溶融しない耐熱性のよいフィルムであることがよい。
加圧治具により樹脂部材を押圧する加圧力は、樹脂部材を加熱する加熱温度が高いほど低くすることが可能である。また、加熱温度が低い程、加圧治具による加圧力は高くするとよい。例えば、樹脂部材がPPからなる場合には、加熱温度は220〜240℃であり、加圧治具の面圧は1〜3MPa(10〜30kg/cm)であるとよい。更に、加熱温度は225〜235℃であり加圧治具の面圧は1.5〜2.5MPa(15〜25kg/cm)であると好ましい。
樹脂部材の粗面の凹凸差が15μmであり、加圧治具が直径200〜300mmのシリコンゴムからなるローラである場合、ローラの押し込み量は2〜10mmであることがよく、更には3〜6mmであることが好ましい。押し込み量が過少の場合には、シボ面が残り見栄えが悪くなり、押し込み量が過剰の場合には樹脂部材の被装飾部分が変形し、装飾層の見切り線がゆがみ、見栄えが悪くなるおそれがある。ここで、図5に示すように、ローラの押込み量Xは、樹脂部材の粗面への加圧力がゼロのときのローラ76’(図5の二点鎖で示す)の回転軸の上下方向の位置から、加圧力が所定量に増加したときのローラ76(図5の実線で示す)の回転軸の上下方向の位置までのローラの回転軸の移動量をいう。ローラの押し込み量Xには、樹脂部材の粗面の変形量だけでなく、ローラの変形量なども含まれる。なお、樹脂部材の粗面を平坦化するために、ローラの押し込み量よりも、ローラの面圧で条件管理することがよい。
(装飾工程)
装飾工程では、樹脂部材の平坦化面に装飾層を配置して、加圧治具により装飾層を樹脂部材の平坦化面に押し付ける。
装飾層は、フィルム上に形成されているとよい。装飾工程で用いるフィルムは、平坦化工程で用いることのあるフィルムと同様に、耐熱性の高いことがよい。装飾層をフィルム上に形成する場合、装飾層を樹脂部材の平坦化面に対面させるとよい。フィルムと装飾層との間には離型剤からなる離型層が介在しているとよい。フィルム上の装飾層を樹脂部材の平坦化面に転写した後に装飾層からフィルムを剥離することが必要とされるからである。
更に、装飾層の表面には接着材からなる接着層が形成されているとよい。樹脂部材の平坦化面に装飾層を転写する際に、装飾層を平坦化面に対して強固に接着させるためである。
装飾層は、例えば、金属箔、印刷層などである。金属箔は、クロム箔、アルミ箔、インジウム箔などがある。印刷層は、塗料又は顔料を印刷して形成した層であるとよい。塗料や顔料は耐熱性であるとよい。
加圧治具は、装飾層を樹脂部材の平坦化面に押し付けることができれば特に限定されることはない。例えば、装飾工程で用いる加圧治具は平坦化工程で用いる加圧治具と同様のものを用いてもよく、また異なる加圧治具を用いても良い。例えば、平坦化工程及び装飾工程ともに、加圧治具としてローラを用いても良い。同一のローラを平坦化工程と装飾工程とで併用してもよい。平坦化工程と装飾工程とで別個のローラを用いても良い。
装飾工程で用いる加圧治具の押圧面は、樹脂部材の平坦化面を均等に押すように平坦化面の形状に沿った形状を呈しているとよい。また、樹脂部材の平坦化面が樹脂部材の粗面の一部に形成されている場合には、加圧治具の押圧面は平坦化面のみを押圧する形状を呈しているとよい。
平坦化工程と装飾工程とは、同時に行う。
平坦化工程と装飾工程とを同時に行う場合には、樹脂部材の粗面に装飾層を配置して、樹脂部材の加熱温度で加熱しながら加圧治具で押圧して、樹脂部材の粗面を平坦化面としながら装飾層を平坦化面に押し付けることで、平坦化工程とともに装飾工程を行うとよい。
平坦化工程ととともに装飾工程を行う場合には、加圧治具による樹脂部材の粗面を押圧する加圧力は、樹脂部材の粗面を平坦化可能であってかつ装飾層を転写可能な程度の圧力とするとよい。また、樹脂部材の粗面を加熱する加熱温度は、樹脂部材を構成する熱可塑性樹脂の軟化温度よりも高く、かつ装飾層を熱転写可能な温度とするとよい。
平坦化工程ととともに装飾工程を行う場合には、加圧治具により樹脂部材を押圧する加圧力は、樹脂部材を加熱する加熱温度が高いほど低くすることが可能である。また、加熱温度が低い程、加圧治具による加圧力は高くするとよい。例えば、樹脂部材がPPからなる場合には、加熱温度は220〜240℃であり、加圧治具の面圧は1〜3MPa(10〜30kg/cm)であるとよい。更に、加熱温度は225〜230℃であり加圧治具の面圧は1.5〜2.5MPa(15〜25kg/cm)であると好ましい。
平坦化工程ととともに装飾工程を行い、樹脂部材がPPからなる場合には、PPの軟化温度は150〜180℃であるため、樹脂部材の粗面の加熱温度は、170〜190℃であるとよい。
平坦化工程ととともに装飾工程を行う場合には、加圧治具は、ローラを用いるとよい。例えば、ローラと、ローラを加熱するヒータとを備えるホットスタンプ機を用いるとよい。加圧治具の樹脂部材の粗面を押圧する押圧面は、凹凸の少ない又は凹凸のない平滑な平坦面であるとよい。樹脂部材の粗面を平坦面とすると同時に、装飾層を転写するためである。
平坦化工程とともに装飾工程を行う場合にも、上記した各工程で好ましい態様が適用されるとよい。
表面装飾された樹脂部材は、特に問わないが、例えば、グリルロアー、ラジエータグリルなどの車両部材に用いることができる。
(実施例1)
本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
本例の樹脂部材の表面装飾方法は、粗面を有する樹脂部材を加飾する方法である。樹脂部材は、車両外装部品であるグリルロアーからなる。図1に示すように、グリルロアー9は、長尺形状をなし、横方向に互いに並行に延びる上枠体91及び下枠体92と、上枠体91及び下枠体92の間に形成された通風口90と、通風口90を格子状に仕切る複数の横材93及び複数の縦材94とを有する。各横材93は、長板形状をなしている。各横材93は、通風口90内に配置され、各横材93の長手方向は通風口90の左右方向と平行に向けられ、各横材93の幅方向は通風口90の前後方向と平行に向けられている。グリルロアー9は、車体前方に配設されるバンパーの中央開口部に取り付けられる。
グリルロアー9は、PP(ポリプロピレン)からなる。PPの軟化温度は、150〜180℃である。グリルロアー9の全表面には、シボ面が形成されている。シボ面の凹凸差は15μmである。図2に示すように、グリルロアー9は、各横材93の表面先端部97にクロム箔5が設けられることで表面装飾がなされている。
クロム箔5によるグリルロアー9の表面装飾するにあたっては、図3に示すように、クロム箔5を有する熱転写シート6と、ホットスタンプ機7とを準備する。熱転写シート6は、フィルム61と、フィルム61の表面に形成された離型層65と、離型層65の上に配置されたクロム箔5と、クロム箔5の表面に形成された接着層62とからなる。フィルム61は、PET(ポリエチレンテレフタレート)からなる。フィルム61に用いられるPETは、後述の加圧ローラ76の表面温度よりも軟化温度が高い。離型層65は、厚み1μmで、離型剤により形成されている。クロム箔5は、クロムの蒸着膜からなる。接着層62は、厚み2μmで、接着剤により形成されている。フィルム61の厚みは25μmであり、クロム箔5の厚みは0.04〜0.06μmであって、熱転写シート6の全体厚みは30μmである。
図4に示すように、ホットスタンプ機7は、グリルロアー9を載置する受け治具75と、グリルロアー9の表面を押圧する加圧ローラ76と、熱転写シート6を巻回している第1ローラ74と、熱転写シート6を加圧ローラ76とグリルロアー9との間に送り込む第2ローラ73とを備えている。加圧ローラ76は、直径200〜300mmであり、硬度90°のシリコンゴムからなる。加圧ローラ76には図略のヒータが内蔵されていて、加圧ローラ76の表面を所望温度に加熱することができる。また、加圧ローラ76は、受け治具75の上方に配設されている。
加圧ローラ76は、グリルロアー9の表面を所定の面圧で加圧しながら回転移動をすることが可能な加圧移動手段を設けている。加圧移動手段は、加圧ローラを上下方向及び受け治具の長手方向に移動するように制御する移動制御部と、加圧ローラ76を回転させる駆動モータと、加圧ローラをグリルロアー9に対して所定の面圧で押し付けるプレス機とを備えている。移動制御部は、加圧ローラの周速とグリルロアー9の移動速度が同一になるように制御する。
グリルロアー9を受け治具75の上に載置し固定する。グリルロアー9の表面を上側に向ける。第1ローラ74から熱転写シート6を引き出して、第2ローラ73を通じて、グリルロアー9の表面に熱転写シート6を配置する。このとき、熱転写シート6の接着層62をグリルロアー9に向ける。そして、加圧ローラ76により、熱転写シート6の上からグリルロアー9を押圧する。加圧ローラ76の表面温度は、230℃とした。加圧ローラ76の押し込み量Xは4〜7mmとした。この押し込み量Xには、樹脂部材の粗面の変形量だけでなく、加圧ローラの変形量及び熱転写シート6の変形量も含まれる。加圧ローラ76の面圧を感圧紙により測定したところ、1.5〜2.5MPa(15〜25kg/cm)であった。
加圧ローラ76は、グリルロアー9の表面側に突出している横材93の表面先端部97を加熱しながら押圧する。図6に示すように、加圧ローラ76の幅は、グリルロアー9の上枠体19と下枠体92の間の通風口90の上下方向の幅と同程度である。加圧ローラ76は、グリルロアー9の上枠体19と下枠体92の間に配置されている複数の横材93のすべてを同時に押圧する。加圧ローラ76は、グリルロアー9とのの熱転写シート6との摩擦により若干自転しながら、グリルロアー9及び熱転写シート6に対して相対移動する。加圧ローラ76による加熱により、各横材93の表面先端部97が若干軟化する。軟化した表面先端部97が、加圧ローラ76による加圧力により押圧されて、表面先端部97のシボ面が平坦化される。
グリルロアー9の表面先端部97は、平坦化されるとともに、熱転写シート6のクロム箔5が接着する。クロム箔5の表面に形成されている接着層62が、加圧ローラ76の熱により溶融し、冷却により固化することで、クロム箔5が表面先端部97に接着される。熱転写シート6では、クロム箔5はフィルム表面全体を被覆している。加圧ローラ76による表面先端部97への加圧により、クロム箔5のうち表面先端部97に押し付けられた部分のみがグリルロアー9の表面先端部97に接着する。熱転写シート6のフィルム61をクロム箔5から剥離すると、クロム箔5の表面先端部97に接着している部分が、残余の部分から切り離されて、表面先端部97に接着される。以上により、グリルロアー9の表面先端部97がクロム箔5により装飾される。
本例においては、グリルロアー9のシボ面を、グリルロアー9を構成するPPの軟化温度以上の加熱温度で加熱しながら加圧ローラ76で押圧してシボ面を平坦化している。このため、グリルロアー9の表面に簡素にクロム箔5を転写することができる。また、グリルロアー9のシボ面を平坦化するとともに平坦化された平坦化面にクロム箔5を熱転写している。このため、平坦化工程と装飾工程とを同時に行うことができ、グリルロアー9の装飾を更に簡素に行うことができる。また、クロム箔5は、グリルロアー9の平坦化面上に転写されるため、転写されたクロム箔5は鏡面光沢を発し、見栄えが良い。
また、実施例1においては、ホットスタンプ機7が、受け治具75が動くことなく、加圧ローラ76のみが移動するように構成されている。しかし、受け治具がその長手方向に移動可能とすることで、加圧ローラ76は上下方向にのみ移動可能とすることができ、加圧ローラ76の移動制御を簡素化できる。
5:クロム箔(装飾層)、6:熱転写シート、61:フィルム、62:接着層、65:離型層、7:ホットスタンプ機、75:受け治具、76:加圧ローラ(加圧治具)、9:グリルロアー(樹脂部材)、91:上枠体、92:下枠体、93:横材、94:縦材、97:表面先端部。

Claims (5)

  1. 表面を粗面とする熱可塑性樹脂からなる樹脂部材の前記表面を加飾する樹脂部材の表面装飾方法において、
    前記樹脂部材の前記粗面を、前記樹脂部材の前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上の加熱温度で加熱しながら加圧治具で押圧して前記樹脂部材の前記粗面を平坦化する平坦化工程と、
    前記樹脂部材の前記粗面に装飾層を配置して、加圧治具により前記装飾層を前記樹脂部材の前記粗面に押し付ける装飾工程と、を行い、
    前記加圧治具はローラであって、
    前記樹脂部材の前記粗面に前記装飾層を配置して、前記ローラの加熱温度220〜240℃、面圧1〜3MPaの条件で前記樹脂部材の前記粗面を加熱しながら前記ローラで押圧して前記ローラを前記樹脂部材及び前記装飾層に対して相対移動させることにより、前記樹脂部材の前記粗面を平坦化面としながら前記装飾層を前記平坦化面に押し付けることで、前記平坦化工程とともに前記装飾工程を行うことを特徴とする樹脂部材の表面装飾方法。
  2. 前記加圧治具は、JIS K6253で規定されている硬度が60〜100の弾性表面をもつ請求項1に記載の樹脂部材の表面装飾方法。
  3. 前記加圧治具の前記硬度は70〜90である請求項2に記載の樹脂部材の表面装飾方法。
  4. 前記樹脂部材の前記熱可塑性樹脂は、PP、AES、及びASAの群から選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂部材の表面装飾方法。
  5. 前記ローラの押し込み量は2〜10mmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂部材の表面装飾方法
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