JP7177814B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部構造に関する。
従来から、車体前部構造に備えたカウルサイド構造として、例えば、カウルの側部に設けられたサイド補強部材において、第1フランジの両側が第2フランジおよび後端部に重ね合わされて閉断面が形成されたものが知られている。このカウルサイド構造は、例えば、前面衝突により入力する前突荷重で第1フランジおよび第2フランジがなしている屈曲角度をより鋭角となるように変形させる。このため、第1フランジおよび第2フランジを重ね合わせた部分の剛性、強度を高めることができる。よって、例えば、第1フランジおよび第2フランジより車両前方の部分(領域)を変形させて衝撃エネルギーを吸収できる(例えば、特許文献1参照)。
特許第6112002号公報
しかし、特許文献1の車体前部構造のように、第1フランジおよび第2フランジの屈曲角度を鋭角に変形するだけでは、十分な剛性、強度を確保することが難しい。このため、第1フランジおよび第2フランジより車両前方の部分(領域)による衝撃エネルギーの吸収量が小さい。よって、従来の構成では、例えば、車体重量が大きい車両や、高速走行の車両の前面衝突により入力する前突荷重に対応することが難しい。
本発明は、強度、剛性を高くすることにより衝撃エネルギーの吸収量を増すことができる車体前部構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る車体前部構造(例えば、実施形態の車体前部構造10)は、フロントピラー(例えば、実施形態のフロントピラー14)から車体前方に延出されたフロントピラーエクステンション(例えば、実施形態のフロントピラーエクステンション52)と、前記フロントピラーエクステンションの前端部から車体前方に延出されてカウル(例えば、実施形態のカウルトップパネル22)の車幅方向外側に配置され、前記フロントピラーエクステンションとともに、車幅方向外側に開口する第1コ字断面部を形成するカウルサイドエクステンション(例えば、実施形態のカウルサイドエクステンション53)と、前記フロントピラーエクステンションおよび前記カウルサイドエクステンションから車体前方で、かつ下方に向けて垂れ下がるように延出され、前記第1コ字断面部に連続する第2コ字断面部に形成されたアッパメンバ本体部(例えば、実施形態のアッパメンバ本体部31)と、前記第1コ字断面部および前記第2コ字断面部で形成されたコ字断面の開口を塞ぐ蓋部材(例えば、実施形態のアッパメンバ蓋部材32)と、を備え、前記蓋部材、前記アッパメンバ本体部、前記フロントピラーエクステンション、および前記カウルサイドエクステンションにより、車体前方で、かつ下方に向けて連続する矩形閉断面のアッパメンバ(例えば、実施形態のアッパメンバ16)が形成されており、前記フロントピラーエクステンションは、前記フロントピラーから車体前方に向けて延出された上部ピラーエクステンション(例えば、実施形態の第1ピラーエクステンション54)を備え、前記上部ピラーエクステンションは、車体前方の前端部において上面(例えば、実施形態の第1エクステンション上壁61)に、前記カウルサイドエクステンションが上方から重ねられる上側固定部(例えば、実施形態の上側固定部69)を有する。
このように、フロントピラーエクステンション、およびカウルサイドエクステンションにより車幅方向外側に開口する第1コ字断面部を形成した。また、アッパメンバ本体部は第1コ字断面部に連続する第2コ字断面部に形成されている。さらに、第1コ字断面部および第2コ字断面部でコ字断面を形成し、コ字断面の開口を蓋部材で塞ぐことにより、アッパメンバを長手方向に連続する矩形閉断面に形成した。
アッパメンバのうちカウルの側部に位置する後部が、第1コ字断面部および蓋部材で矩形閉断面に形成されることにより、強度、剛性が高く形成されている。また、アッパメンバは車体前方で、かつ下方に向けて垂れ下がるように延出されている。
ここで、例えば、前面衝突による前突荷重がアッパメンバの前端部に入力し場合、入力した前突荷重がアッパメンバの後部を経てフロントピラーに伝達される。アッパメンバは、カウルの側部に位置する後部の強度、剛性が高く形成されている。このため、入力した前突荷重により、アッパメンバのうち車体前方向けて下方に垂れ下がるように延出された前方側の部位を下方へ折り曲げることができる。
このように、アッパメンバの後部の強度、剛性を高く形成することにより、アッパメンバの前方側の部位を下方へ折り曲げて衝撃エネルギーの吸収量を増すことができる。
また、上部ピラーエクステンションの前端部において上面に上側固定部を形成した。このため、上側固定部にカウルサイドエクステンションを上方から重ねて固定できる。これにより、上部ピラーエクステンションの前端部にカウルサイドエクステンションを容易に組み付けることができ、例えばスポット溶接で確実に接合できる。
)前記フロントピラーエクステンションは、前記フロントピラーのうち前記上部ピラーエクステンションが延出された下方から車体前方に向けて延出された下部ピラーエクステンション(例えば、実施形態の第2ピラーエクステンション55)を備え、前記下部ピラーエクステンションは、車体前方の前端部において下面(例えば、実施形態の第2エクステンション下壁72)に、前記アッパメンバ本体部の下壁(例えば、実施形態のメンバ下壁37)が下方から重ねられる下側固定部(例えば、実施形態の下側固定部82)を有してもよい。
このように、下部ピラーエクステンションの前端部において下面に下側固定部を形成した。このため、下側固定部にアッパメンバ本体部の下壁を下方から重ねて固定できる。これにより、下部ピラーエクステンションの前端部にアッパメンバ本体部の下壁を容易に組み付けることができ、例えばスポット溶接で確実に接合できる。
さらに、下部ピラーエクステンションの前端部にアッパメンバ本体部の下壁を接合することにより、下部ピラーエクステンションをフロントピラーに向けるとともに下方に傾斜させることができる。
フロントピラーの下端部にはサイドシルが連結され、サイドシルが車体後方へ延出されている。これにより、下部ピラーエクステンションを下方に傾斜させることにより、下部ピラーエクステンションからフロントピラーに荷重が伝達された場合に、例えば、フロントピラーからサイドシルの側への荷重伝達性を高めることができる。
)前記上部ピラーエクステンションは、前記カウルのサイドパネル(例えば、実施形態のカウルサイドパネル51)に車幅方向外側から重ねられるサイドパネル固定部(例えば、実施形態のサイドパネル固定部64)を有してもよい。
このように、上部ピラーエクステンションのサイドパネル固定部をカウルのサイドパネルに車幅方向外側から重ねることにより、サイドパネル固定部をサイドパネルに強固に接合(固定)できる。このため、例えば、上部ピラーエクステンションおよびフロントピラーの接合強度を十分に補い、上部ピラーエクステンション(すなわち、カウルサイド構造)の強度、剛性を高めることができる。
)前記フロントピラーは、車体内側に設けられたインナパネル(例えば、実施形態のインナパネル25)を備え、前記インナパネルは、前記フロントピラーエクステンションが車体前方に向けて延出される部位(例えば、実施形態のフロントピラーエクステンションが延出される前部位14c)から前記下部ピラーエクステンションに沿って車体前方に向けて延び、前記下部ピラーエクステンションは、前記インナパネルのうち車体前方に向けて延びた延出部(例えば、実施形態の延出部29)に重ねられるインナパネル固定部(例えば、実施形態のインナパネル固定部76)を有してもよい。
このように、下部ピラーエクステンションのインナパネル固定部をインナパネルの延出部に重ねることにより、インナパネル固定部をインナパネルの延出部に強固に接合(固定)できる。
ここで、インナパネルは、フロントピラーを閉断面に形成するパネルである。このインナパネルの延出部にインナパネル固定部が接合されている。これにより、例えば、下部ピラーエクステンションが車体前後方向に長くなっても、下部ピラーエクステンション(すなわち、カウルサイド構造)の強度、剛性を高めることができる。
)前記下部ピラーエクステンションの後端部から下方へ延びる下側フランジ(例えば、実施形態の第2エクステンションフランジ74)および前記フロントピラーが接合された第1接合部(例えば、実施形態の第1接合部78)と、前記アッパメンバ本体部および前記下部ピラーエクステンションの前端部が接合された第2接合部(例えば、実施形態の第2接合部79)と、を有し、前記第1接合部は、前記第2接合部よりも車体下方に位置してもよい。
このように、第1接合部を第2接合部よりも車体下方に位置させた。このため、下部ピラーエクステンションをフロントピラーに向けるとともに下方に傾斜させることができる。さらに、第1接合部は、車体下方へ延びる下側フランジがフロントピラーと接合されている。
これにより、例えば、前面衝突により前突荷重が入力した場合に、アッパメンバから伝達される前突荷重をフロントピラーの下部側へ伝達する経路として、下部ピラーエクステンションが機能する。フロントピラーの下端部にはフロア部材(例えば、サイドシル)が連結され、フロア部材(サイドシル)が車体後方へ延出されている。
この結果、アッパメンバから伝達される前突荷重が、下部ピラーエクステンションおよびフロントピラーを経てフロントピラーの下端部からサイドシルなどのフロア部材側へ伝達されやすくなる。よって、フロントピラーが車室内側へ変形することを抑制することができる。
)前記蓋部材は、前記フロントピラーに締結部材(例えば、実施形態の締結ボルト42)によって締結され、前記第1接合部に対して車体高さ方向で異なる位置に設けられた締結部(例えば、実施形態の締結部41)を有してもよい。
このように、蓋部材の締結部を締結部材によってフロントピラーに締結し、締結部を第1接合部に対して車体高さ方向で異なる位置に設けた。このため、例えば、前面衝突による前突荷重を、アッパメンバからフロントピラーへ伝達する際に、締結部材を避けて第1接合部からフロントピラーに入力できる。これにより、前突荷重が締結部材に伝達されて、前突荷重により締結部材が破断することを防止できる。
)前記アッパメンバ本体部の側壁(例えば、実施形態のメンバ側壁35)及び前記下壁に接合され、前記アッパメンバ本体部を補強する補強部材(例えば、実施形態の補強部材33)を備え、前記第2接合部は、前記アッパメンバ本体部、前記下部ピラーエクステンションの前端部、および前記補強部材が3枚重ねられて接合されてもよい。
このように、第2接合部が、アッパメンバを補強する補強部材とともに接合されている。このため、アッパメンバから伝達される前突荷重を下部ピラーエクステンションに伝達されやすくなる。これにより、例えば、アッパメンバから伝達される前突荷重が、下部ピラーエクステンションおよびフロントピラーを経てフロントピラーの下端部からサイドシルなどのフロア部材側へ伝達されやすくなる。したがって、フロントピラーが車室内側へ変形することを抑制することができる。
)前記第2接合部は、前記アッパメンバ本体部の前記側壁、前記下部ピラーエクステンションの前端部、および前記補強部材が3枚重ねられて接合された側壁側接合部(例えば、実施形態の側壁側接合部84)、と、前記アッパメンバ本体部の前記下壁、前記下部ピラーエクステンションの前端部、および前記補強部材が3枚重ねられて接合された下壁側接合部(例えば、実施形態の下壁側接合部85)と、を有してもよい。
このように、第2接合部に側壁側接合部および下壁側接合部を備えた。側壁側接合部は、アッパメンバ本体部の側壁を接合する部位であり、下壁側接合部は、アッパメンバ本体部の下壁を接合する部位である。そして、側壁側接合部および下壁側接合部がL字状に形成されている。すなわち、補強部材、アッパメンバ本体部、および下部ピラーエクステンションはL字状に接合されている。これにより、例えば、アッパメンバから伝達される前突荷重を、下部ピラーエクステンションの側に伝達されやすくなる。
)前記上部ピラーエクステンションは、前記下部ピラーエクステンションよりも車体上方に位置し、車体後方の前記フロントピラーへ向うに従って車体上側へ延出され、前記上部ピラーエクステンションの後端部から下方へ延びて前記矩形閉断面の内部に位置する上側フランジ(例えば、実施形態の第1エクステンションフランジ63)と、前記フロントピラーと、が接合された第3接合部(例えば、実施形態の第3接合部67)を有してもよい。
このように、上部ピラーエクステンションを、下部ピラーエクステンションよりも車体上方に配置した。また、上部ピラーエクステンションを、車体後方のフロントピラーに向うに従って車体上側へ延出させた。ここで、上部ピラーエクステンションおよび下部ピラーエクステンションでフロントピラーエクステンションが構成されている。
このため、上部ピラーエクステンションを車体上側へ延出させることにより、フロントピラーエクステンションがフロントピラーに接合される面積を大きく確保できる。これにより、例えば、アッパメンバから伝達される前突荷重を受けるフロントピラーの面積を大きく確保できる。さらに、第3接合部は、上部ピラーエクステンションの後端部から下方へ延びる上側フランジが矩形閉断面の内部に配置された状態でフロントピラーと接合されている。
これにより、例えば、アッパメンバから伝達された前突荷重を、フロントピラーの下部も含めた大きな面積(領域)で受けつつ、フロントピラーの上部側に前突荷重が集中することを防止できる。
本発明によれば、アッパメンバの後部の強度、剛性を高く形成することにより、アッパメンバの前方側の部位を下方へ折り曲げて衝撃エネルギーの吸収量を増すことができる。
本発明に係る一実施形態の車体前部構造の側面図である。 一実施形態の車体前部構造からアッパメンバ蓋部材を分解した側面図である。 図2のIII-III線に沿って破断した断面図である。 図1のIV-IV線に沿って破断した断面図である。 図2の車体前部構造を分解した側面図である。 一実施形態のカウルサイド構造に備えた第1ピラーエクステンションおよびカウルサイドエクステンションを車体前下方からみた斜視図である。 一実施形態のカウルサイド構造に備えた第1ピラーエクステンションを透過させた状態で車体前下方からみた斜視図である。 一実施形態のカウルサイド構造に備えた第2ピラーエクステンションを車体前側方からみた斜視図である。 一実施形態のカウルサイド構造に備えた第2ピラーエクステンションを車体後上方からみた斜視図である。 一実施形態のカウルサイド構造に備えた第2ピラーエクステンションを車体前上方からみた斜視図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る車体前部構造10を説明する。図面において、矢印FRは車両の前方、矢印UPは車両の上方、矢印LHは車両の左側方を示す。なお、車両は、用途や種類等は特に限定されないが、一実施形態として自動車を例に説明する。また、車体前部構造10は略左右対称に形成された構造体であり、以下左側部材について説明し、右側部材の説明を省略する。
<車両>
図1は、車体前部構造10の側面図である。図2は、車体前部構造10からアッパメンバ蓋部材32を分解した側面図である。
図1、図2に示すように、車両Veは、例えば、車体の前部を構成する車体前部構造10と、車体前部構造10の下部から車体後方に延びているサイドシル12と、を備えている。
サイドシル12は、例えば、矩形状の閉断面に形成されることにより剛性の高い部材であり、車体下部骨格の一部を構成している。サイドシル12の前端部12aからフロントピラー(具体的には、フロントピラーロア)14が上方に向けて立ち上げられている。以下、フロントピラーロアをフロントピラー14として説明する。
<車体前部構造>
車体前部構造10は、例えば、フロントピラー14と、フロントサイドフレーム15と、アッパメンバ16と、カウルサイド構造18と、を備えている。
<フロントピラー>
フロントピラー14は、例えば、サイドシル12の前端部12aからカウルトップパネル(カウル)22まで立ち上げられている。フロントピラー14の上端部14aにフロントピラーアッパ23が連結されている。
フロントピラー14は、例えば、閉断面に形成されることにより剛性の高い部材であり、車体前部骨格の一部を構成している。具体的には、フロントピラー14は、例えば、主要な部位14Aがインナパネル25と、アウタパネル26と、により矩形状の閉断面に形成されている。インナパネル25は、車体内側に設けられている。アウタパネル26は、サイドパネルアウタ24のうち、フロントピラー14に対応する部位で形成されている。サイドパネルアウタ24は、車体の側面全体を車幅方向外側から覆う装飾用のパネル材である。
図3は、図2のIII-III線に沿って破断した断面図である。
図2、図3に示すように、フロントピラー14は、例えば、主要な部位を除いた他の部位14Bがインナパネル25と、アウタパネル26と、フロントパネル27と、により矩形状の閉断面に形成されている。フロントピラー14の他の部位14Bは、アッパメンバ16やカウルサイド構造18が固定される部位である。以下、他の部位14Bを「カウルサイド接続部14B」ということもある。
インナパネル25は、カウルサイド接続部14Bにおいて、車体前方の部位に延出部(前部側面、前部側面部)29を有する。すなわち、インナパネル25に延出部29を有することにより、インナパネル25自体が車体前方に延びるパネルに形成されている。具体的には、延出部29は、カウルサイド構造18のフロントピラーエクステンション52(後述する)が延出される前部位(部位)14cから車体前方に向けて延ばされている。
<フロントサイドフレーム>
図1に示すように、フロントサイドフレーム15は、例えば、サイドシル12のうち前端部12aの車体後方近傍の部位から車体前方に向けて延びている。フロントサイドフレーム15は、例えば矩形状の閉断面に形成されることにより剛性の高い部材であり、車体前部骨格の一部を構成している。フロントサイドフレーム15は、アッパメンバ16の車幅方向内側に設けられている。
<アッパメンバ>
図4は、図1のIV-IV線に沿って破断した断面図である。
図1、図2、図4に示すように、アッパメンバ16は、例えば、フロントピラー14およびカウルサイド構造18から車体前方で、かつ下方に向けて垂れ下がるように延出されている。アッパメンバ16は、アッパメンバ本体部31と、アッパメンバ蓋部材(蓋部材)32と、補強部材33と、を備えている。
アッパメンバ本体部31は、例えば、カウルサイド構造18から車体前方で、かつ下方に向けて垂れ下がるように延出されている。アッパメンバ本体部31は、例えば、メンバ側壁(側壁)35と、メンバ上壁36と、メンバ下壁(下壁)37と、を有している。アッパメンバ本体部31は、メンバ側壁35、メンバ上壁36、およびメンバ下壁37により、車幅方向外側に開口するコ字状の断面に形成されている。
以下、アッパメンバ本体部31のコ字状の断面を「アッパメンバコ字断面部(第2コ字断面部)」ということがある。
アッパメンバコ字断面部は、後端部がカウルサイド構造18のカウルサイドコ字断面部(第1コ字断面部)に長手方向に連続されている。アッパメンバコ字断面部およびカウルサイドコ字断面部により、フロントピラー14から車体前方に向けて垂れ下がるように延出され、かつ、車幅方向外側に開口するコ字断面が形成されている。
カウルサイド構造18のカウルサイドコ字断面部については後で詳しく説明する。
アッパメンバ蓋部材32は、アッパメンバコ字断面部およびカウルサイドコ字断面部で形成されたコ字断面の開口を塞ぐように、カウルサイド構造18およびアッパメンバ本体部31に車幅方向外側から接合されている。
アッパメンバ蓋部材32は、後端部32aに複数の締結部(締結点)41を有する。締結部41は、フロントピラー14のアウタパネル26に締結ボルト(締結部材)42によって締結される部位である。実施形態では、締結部材として締結ボルト42を例示するが、例えば、リベットなどの他の締結部材を使用してもよい。
アッパメンバ本体部31のうち基部(後端部)31aの内部には補強部材33が設けられている。補強部材33は、補強縦壁44と、補強下壁45と、を有する。補強部材33は、補強縦壁44および補強下壁45により断面L字状に形成されている。
補強縦壁44は、アッパメンバ本体部31のメンバ側壁35に車幅方向外側から接合されている。補強下壁45は、アッパメンバ本体部31のメンバ下壁37に車体上方から接合されている。アッパメンバ本体部31の基部31aのうちメンバ側壁35およびメンバ下壁37に補強部材33が接合されることにより、アッパメンバ本体部31の基部31aが補強部材33で補強されている。
補強部材33は、後端部33aが、カウルサイド構造18の第2ピラーエクステンション55(後述する)の前端部に接合されている。
アッパメンバ16は、先端部(前端部)16aがガセット48を介してフロントサイドフレーム15の前端部15aに結合(連結)されている。ガセット48は、フロントサイドフレーム15の前端部15aから車幅方向外側に延ばされ、アッパメンバ本体部31の先端部(前端部)31bと連結されている。ガセット48は、矩形状の閉断面に形成されている。なお、アッパメンバ16については、後でさらに詳しく説明する。
<カウルサイド構造>
図5は、車体前部構造10を分解した側面図である。
図5に示すように、カウルサイド構造18は、カウルサイドパネル(カウルのサイドパネル)51と、フロントピラーエクステンション52と、カウルサイドエクステンション53と、を備えている。
カウルサイドパネル51は、カウルトップパネル22の外側部、インナパネル25の上端部25a(フロントピラー14の上端部14a)、ダッシュボードアッパ58の外側部に強固に固定されている。カウルサイドパネル51は、側面視において略三角形に形成され、車幅方向に対して直交するように配置されている。
図2、図5に示すように、フロントピラーエクステンション52は、フロントピラー14のカウルサイド接続部14Bから車体前方に延出されている。フロントピラーエクステンション52は、第1ピラーエクステンション(上部ピラーエクステンション)54と、第2ピラーエクステンション(下部ピラーエクステンション)55と、を備えている。
図6は、第1ピラーエクステンション54およびカウルサイドエクステンション53を車体前下方からみた斜視図である。図7は、第1ピラーエクステンション54を透過させた状態で車体前下方からみた斜視図である。
図2、図6、図7に示すように、第1ピラーエクステンション54は、フロントピラー14のカウルサイド接続部14Bのうち上端部14aから車体前方に向けて延出されている。第1ピラーエクステンション54は、第2ピラーエクステンション55よりも車体上方に位置し、車体後方のフロントピラー14に向うに従って車体上側へ延出されている。
第1ピラーエクステンション54は、第1エクステンション上壁(上面、上面部)61と、第1エクステンション縦壁62と、第1エクステンションフランジ(上側フランジ)63と、を有する。
第1エクステンション上壁61は、縦向きに配置された第1エクステンション縦壁62の上辺から車幅方向外側に向けて横向きに張り出されている。第1エクステンション縦壁62は、第1エクステンション上壁61の内辺から車体下側に向けて縦向きに張り出されている。第1エクステンション上壁61および第1エクステンション縦壁62により第1ピラーエクステンション54が断面L字状に形成されている。
第1エクステンション縦壁62は、サイドパネル固定部64を有する。サイドパネル固定部64は、カウルサイドパネル51の下部51aに沿って車幅方向外側から重ねられた状態で、下部51aに接合(固定)されている。このため、例えば、第1ピラーエクステンション54およびフロントピラー14の接合強度を、カウルサイドパネル51の下部51aとサイドパネル固定部64との接合強度で十分に補うことができる。これにより、第1ピラーエクステンション54(すなわち、カウルサイド構造18)の強度、剛性を高めることができる。
第1エクステンションフランジ63は、第1ピラーエクステンション54の後端部54aから下方へ延びている。第1エクステンションフランジ63は、アッパメンバ16およびカウルサイド構造18により形成された矩形閉断面の内部に位置する。
アッパメンバ16およびカウルサイド構造18の矩形閉断面については後で詳しく説明する。
第1エクステンションフランジ63は、第1エクステンション上壁61および第1エクステンション縦壁62の各後端部に設けられて、フロントピラー14のフロントパネル27に沿って配置されている。第1エクステンションフランジ63がフロントパネル27に接合されることにより、第1エクステンションフランジ63およびフロントパネル27により第3接合部67が設けられている。
このように、第1ピラーエクステンション54を、第2ピラーエクステンション55よりも車体上方に配置した。さらに、第1ピラーエクステンション54を、車体後方のフロントピラー14に向うに従って車体上側へ延出させた。ここで、第1ピラーエクステンション54および第2ピラーエクステンション55でフロントピラーエクステンション52が構成されている。
このように、第1ピラーエクステンション54を車体上側へ延出させることにより、フロントピラーエクステンション52がフロントピラー14に接合される面積を大きく確保できる。これにより、例えば、アッパメンバ16から伝達される前突荷重Fを受けるフロントピラー14の面積を大きく確保できる。
前突荷重Fは、前面衝突によりアッパメンバ16に入力し、アッパメンバ16を経てフロントピラーエクステンション52に伝達される。
さらに、第3接合部67は、第1ピラーエクステンション54の後端部54aから下方へ延びる第1エクステンションフランジ63がアッパメンバ16の略矩形閉断面の内部に配置された状態でフロントピラー14と接合されている。
これにより、例えば、アッパメンバ16から伝達された前突荷重Fを、フロントピラー14の下部も含めた大きな面積(領域)で受け、かつ、フロントピラー14の上部側に前突荷重Fが集中することを防止できる。したがって、フロントピラー14が車体後方の車室内側へ変形することを抑制できる。
また、第1ピラーエクステンション54は、第1エクステンション上壁61の前端部に上側固定部69を有する。上側固定部69は、カウルサイドエクステンション53の後端部53aが上方から重ねられる部位である。
すなわち、上側固定部69に、カウルサイドエクステンション53のうちカウルサイドエクステンション上壁91(後述する)の後端部が上方から重ね合わされて接合されている。さらに、第1エクステンション縦壁62の前端部に、カウルサイドエクステンション53のうちカウルサイドエクステンション縦壁92(後述する)の後端部が車幅方向内側から重ね合わされて接合されている。
このように、上側固定部69にカウルサイドエクステンション53の後端部53aを上方から重ね合わせて接合できる。これにより、第1ピラーエクステンション54の前端部54bにカウルサイドエクステンション53を容易に組み付けることができ、例えばスポット溶接で確実に接合できる。
図8は、第2ピラーエクステンション55を車体前側方からみた斜視図である。図9は、第2ピラーエクステンション55を車体後上方からみた斜視図である。図10は、第2ピラーエクステンション55を車体前上方からみた斜視図である。
図8から図10に示すように、第2ピラーエクステンション55は、フロントピラー14のカウルサイド接続部14Bのうち、第1ピラーエクステンション54(図2参照)が延出された下方部位から車体前方に向けて延出されている。第2ピラーエクステンション55は、車体後方のフロントピラー14(カウルサイド接続部14B)に向うに従って車体下側へ延出されている。
第2ピラーエクステンション55は、第2エクステンション下壁(下面、下面部)72と、第2エクステンション縦壁73と、第2エクステンションフランジ(下側フランジ)74と、を有する。
第2エクステンション下壁72は、縦向きの第2エクステンション縦壁73の下辺から車幅方向外側に向けて横向きに張り出されている。第2エクステンション縦壁73は、横向きの第2エクステンション下壁72の内辺から車体上側に向けて張り出されている。第2エクステンション下壁72および第2エクステンション縦壁73により第2ピラーエクステンション55が断面L字状に形成されている。
図3、図10に示すように、第2エクステンション縦壁73は、車体前後方向の中央部にインナパネル固定部76を有する。インナパネル固定部76は、インナパネル25の延出部29に車幅方向外側から重ねられた状態で強固に接合されている。
ここで、インナパネル25は、フロントピラー14(カウルサイド接続部14B)を閉断面に形成するパネルである。このインナパネル25の延出部29にインナパネル固定部76が接合されている。これにより、例えば、第2ピラーエクステンション55が車体前後方向に長く形成されていても、第2ピラーエクステンション55(すなわち、カウルサイド構造18)の強度、剛性を高めることができる。
図8、図9に示すように、第2エクステンションフランジ74は、第2ピラーエクステンション55の後端部55aから下方へ延びている。第2エクステンションフランジ74がフロントパネル27に接合されることにより、第2エクステンションフランジ74およびフロントパネル27により第1接合部78が設けられている。
図2に示すように、第1接合部78は、アッパメンバ蓋部材32の締結部41に対して車体高さ方向で異なる位置に設けられている。締結部41は、締結ボルト42でカウルサイド接続部14Bに車幅方向外側から締結されている。具体的には、締結ボルト42がカウルサイド接続部14Bの取付孔43に差し込まれ、差し込まれた締結ボルト42が締結ナット(図示せず)にねじ結合されることにより、締結部41がカウルサイド接続部14Bに締結されている。
実施形態においては、第1接合部78は、締結部41に対して車体下方に設けられている。なお、第1接合部78を締結部41に対して車体上方に設けてもよい。
このように、第1接合部78をアッパメンバ蓋部材32の締結部41に対して車体高さ方向で異ならせた。このため、例えば、前面衝突による前突荷重Fを、アッパメンバ16からフロントピラー14(カウルサイド接続部14B)へ伝達する際に、締結ボルト42を避けて第1接合部78からフロントピラー14に入力できる。これにより、前突荷重Fが締結ボルト42に伝達されて、前突荷重Fにより締結ボルト42が破断することを防止できる。
前突荷重Fは、前面衝突によりアッパメンバ16に入力し、アッパメンバ16を経てフロントピラー14に伝達される。
図9、図10に示すように、第2エクステンション下壁72の前端部には、アッパメンバ本体部31のメンバ下壁37のうち後端部が車体下方から重ねられて接合されている。メンバ下壁37の後端部が第2エクステンション下壁72の前端部に接合されることにより、メンバ下壁37の後端部および第2エクステンション下壁72の前端部により第2接合部79が設けられている。
また、第2ピラーエクステンション55は、第2エクステンション下壁72の前端部に下側固定部82を有する。下側固定部82は、アッパメンバ本体部31のメンバ下壁37のうち後端部37aが下方から重ねられる部位である。このため、メンバ下壁37の後端部37aを下方から重ねて固定できる。これにより、第2ピラーエクステンション55の前端部(すなわち、下側固定部82)にメンバ下壁37の後端部37aを容易に組み付けることができ、例えばスポット溶接で確実に接合できる。
図1、図8に示すように、第2ピラーエクステンション55の前端部(下側固定部82)にメンバ下壁37の後端部37aを接合することにより、第2ピラーエクステンション55をフロントピラー14に向うに従って下方に傾斜させることができる。また、フロントピラー14の下端部14bにはフロア部材(例えば、サイドシル12)が連結され、フロア部材(サイドシル12)が車体後方へ延出されている。
これにより、例えば、第2ピラーエクステンション55からフロントピラー14に前突荷重(荷重)F)が伝達された場合に、例えば、フロントピラー14からサイドシル12側への荷重伝達性を高めることができる。
前突荷重Fは、前面衝突によりアッパメンバ16に入力し、アッパメンバ16を経て第2ピラーエクステンション55に伝達される。
図8から図10に示すように、下側固定部82にメンバ下壁37の後端部37aが接合された状態において第2接合部79が設けられる。この第2接合部79は、アッパメンバ本体部31の基部31a、第2ピラーエクステンション55の前端部、および補強部材33の後端部が3枚重ねられて接合されている。
このため、アッパメンバ16から伝達される前突荷重Fを第2ピラーエクステンション55に伝達されやすくなる。これにより、例えば、アッパメンバ16から伝達される前突荷重Fが、第2ピラーエクステンション55およびフロントピラー14を経てフロントピラー14の下端部からサイドシル12(図1参照)などのフロア部材側へ伝達されやすくなる。したがって、フロントピラー14が車室内側へ変形することを抑制することができる。
また、第2接合部79は、側壁側接合部(側壁側接合点)84と、下壁側接合部(下壁側接合点)85と、を有する。側壁側接合部84は、アッパメンバ本体部31のメンバ側壁35のうち後端部、第2エクステンション縦壁73の前端部、および補強縦壁44の後端部が3枚重ねられて接合されている。
さらに、下壁側接合部85は、アッパメンバ本体部31のメンバ下壁37のうち後端部、第2エクステンション下壁72の前端部、および補強下壁45の後端部が3枚重ねられて接合されている。
すなわち、補強部材33の後端部は、アッパメンバ本体部31の基部31aと第2ピラーエクステンション55の前端部とに挟み込まれた状態で接合されている。
このように、側壁側接合部84は、アッパメンバ本体部31のメンバ側壁35を接合する部位である。下壁側接合部85は、アッパメンバ本体部31のメンバ下壁37を接合する部位である。このため、側壁側接合部84および下壁側接合部85がL字状(略L字状)に形成されている。すなわち、アッパメンバ本体部31の基部31a、補強部材33の後端部、および第2ピラーエクステンション55の前端部は断面L字状(略L字状)に接合されている。これにより、例えば、アッパメンバ16から伝達される前突荷重Fを、第2ピラーエクステンションの側に伝達されやすくできる。
また、前述したように、第2ピラーエクステンション55は、車体後方のフロントピラー14に向うに従って車体下側へ延出されている。このため、第1接合部78は、第2接合部79よりも車体下方に位置している。したがって、第2ピラーエクステンション55をフロントピラー14に向けるとともに下方に傾斜させることができる。さらに、第1接合部78は、車体下方へ延びる第2エクステンションフランジ74がフロントピラー14(カウルサイド接続部14B)と接合されている。
これにより、例えば、前面衝突により前突荷重Fが入力した場合に、アッパメンバ16から伝達される前突荷重Fをフロントピラー14の下部側へ伝達する経路として、第2ピラーエクステンション55が機能する。また、フロントピラー14の下端部14bからサイドシル12(図1参照)などが車体後方へ延出されている。
このため、アッパメンバ16から伝達される前突荷重Fが、第2ピラーエクステンション55およびフロントピラー14を経てフロントピラー14の下端部14b(図1参照)からサイドシル12などのフロア部材側へ伝達されやすくなる。これにより、フロントピラー14が車室内側へ変形することを抑制できる。
図2、図6、図7に示すように、カウルサイドエクステンション53は、第1ピラーエクステンション54の前端部54bからアッパメンバ本体部31の基部31aまで車体前方に向けて延出されている。カウルサイドエクステンション53は、アッパメンバ本体部31の基部31aから車体後方の第1ピラーエクステンション54の前端部54bに向うに従って車体上側へ延出されている。
カウルサイドエクステンション53は、カウルサイドパネル51の車幅方向外側に配置されて、カウルサイドパネル51に車幅方向外側から接合されている。
カウルサイドエクステンション53は、カウルサイドエクステンション上壁(上面、上面部)91と、カウルサイドエクステンション縦壁92と、を有する。
カウルサイドエクステンション上壁91は、縦向きのカウルサイドエクステンション縦壁92の上辺から車幅方向外側に向けて横向きに張り出されている。カウルサイドエクステンション縦壁92は、横向きのカウルサイドエクステンション上壁91の内辺から車体下側に向けて縦向きに張り出されている。
カウルサイドエクステンション上壁91およびカウルサイドエクステンション縦壁92によりカウルサイドエクステンション53が断面L字状に形成されている。
カウルサイドエクステンション53は、後端部53aが第1ピラーエクステンション54の前端部54bに接合されている。具体的には、カウルサイドエクステンション上壁91の後端部が、第1エクステンション上壁61の前端部に上方から重ね合わされて接合されている。また、カウルサイドエクステンション縦壁92の後端部が、第1エクステンション縦壁62の前端部に車幅方向内側から重ね合わされて接合されている。
カウルサイドエクステンション53は、前端部がアッパメンバ本体部31の基部31a(例えば、メンバ上壁36の後端部36a)に接合されている。具体的には、例えば、カウルサイドエクステンション上壁91の前端部91aが、アッパメンバ本体部31のメンバ上壁36のうち後端部36aに上方から重ね合わされて接合されている。
このように構成されたカウルサイド構造18は、フロントピラーエクステンション52(すなわち、第1、第2のピラーエクステンション54,55)と、カウルサイドエクステンション53とにより、前述したカウルサイドコ字断面部が形成されている。カウルサイドコ字断面部は、車幅方向外側に開口するコ字状の断面である。
図1、図2に示すように、カウルサイドコ字断面部のカウルサイド構造18には、アッパメンバ本体部31の基部31aが車体前方側から長手方向に接合され、さらに、アッパメンバ蓋部材32の後部32bが車幅方向外側から接合されている。
アッパメンバ本体部31は、カウルサイドエクステンション53の前端部および第2ピラーエクステンション55の前端部から車体前方で、かつ下方に向けて垂れ下がるように延出されている。アッパメンバ本体部31は、前述したように、車幅方向外側に開口するアッパメンバコ字断面部が形成されている。
このように、カウルサイド構造18からアッパメンバ本体部31が車体前方で、かつ下方に向けて垂れ下がるように延出されている。これにより、カウルサイドコ字断面部およびアッパメンバコ字断面部により長手方向に連続し、車体前方で、かつ下方に向けて垂れ下がるように延出されたコ字断面が形成されている。カウルサイド構造18およびアッパメンバ本体部31のコ字断面は、車幅方向外側に向けて開口するコ字状に形成された断面である。
カウルサイド構造18およびアッパメンバ本体部31にアッパメンバ蓋部材32が接合されている(図4も参照)。このため、カウルサイド構造18およびアッパメンバ本体部31におけるコ字断面の開口がアッパメンバ蓋部材32で塞がれている。アッパメンバ蓋部材32、アッパメンバ本体部31、およびカウルサイド構造18により、フロントピラー14から車体前方で、かつ下方に向けて長手方向に連続する矩形閉断面(略矩形閉断面)のアッパメンバ16が形成されている。
すなわち、アッパメンバ16は、フロントピラー14から車体前方で、かつ下方に向けて垂れ下がるように延出されている。以下、アッパメンバ16のうち、垂れ下がるように延出された部位16cを「易変形部16c」ということがある。
アッパメンバ16は、カウルサイド構造18とともに矩形状の閉断面(すなわち、矩形閉断面)に形成されることにより強度、剛性の高い部材であり、車体前部骨格の一部を構成している。
以上説明したように、実施形態の車体前部構造10によれば、図1に示すように、アッパメンバ16のうちカウルサイド構造18に位置する基部(後部)16bが、カウルサイドコ字断面部およびアッパメンバ蓋部材32で略矩形閉断面に形成される。また、カウルサイド構造18は強度、剛性が高く形成されている。このため、アッパメンバ16のうちカウルサイド構造18に位置する基部16bは、強度、剛性が高く形成されている。また、アッパメンバ16は、基部16bから車体前方に向うに従って下方に向けて垂れ下がるように延出されている。
したがって、例えば、前面衝突による前突荷重Fがアッパメンバ16の先端部16aに入力し場合、入力した前突荷重Fがアッパメンバ16の基部16bを経てフロントピラー14に伝達される。
ここで、アッパメンバ16は、カウルサイド構造18に位置する基部16bの強度、剛性が高く形成されている。また、アッパメンバ16の易変形部16cは、下方に垂れ下がるように車体前方に向けて延出されている。
これにより、アッパメンバ16の易変形部16cを、入力した前突荷重Fで下方へ折り曲げることができる。このように、アッパメンバ16の基部16bの強度、剛性をカウルサイド構造18で高く形成することにより、アッパメンバ16の易変形部16cを下方へ折り曲げて衝撃エネルギーの吸収量を増すことができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、アッパメンバ16に入力する荷重として前突荷重Fを例に説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、オフセット前面衝突、スモールオーバラップ前面衝突などにより入力する荷重に適用してもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10…車体前部構造
12…サイドシル
14…フロントピラー(フロントピラーロア)
14c…フロントピラーエクステンションが延出される前部位(部位)
16…アッパメンバ
16c…易変形部
18…カウルサイド構造
22…カウルトップパネル(カウル)
25…インナパネル
29…延出部(前部側面、前部側面部)
31…アッパメンバ本体部
32…アッパメンバ蓋部材(蓋部材)
33…補強部材
35…メンバ側壁(側壁)
36…メンバ上壁
37…メンバ下壁(下壁)
41…締結部(締結点)
42…締結ボルト(締結部材)
51…カウルサイドパネル(カウルのサイドパネル)
52…フロントピラーエクステンション
53…カウルサイドエクステンション
54…第1ピラーエクステンション(上部ピラーエクステンション)
55…第2ピラーエクステンション(下部ピラーエクステンション)
61…第1エクステンション上壁(上面、上面部)
63…第1エクステンションフランジ(上側フランジ)
64…サイドパネル固定部
67…第3接合部
69…上側固定部
72…第2エクステンション下壁(下面、下面部)
74…第2エクステンションフランジ(下側フランジ)
76…インナパネル固定部
78…第1接合部
79…第2接合部
82…下側固定部
84…側壁側接合部(側壁側接合点)
85…下壁側接合部(下壁側接合点)
Ve…車両

Claims (9)

  1. フロントピラーから車体前方に延出されたフロントピラーエクステンションと、
    前記フロントピラーエクステンションの前端部から車体前方に延出されてカウルの車幅方向外側に配置され、前記フロントピラーエクステンションとともに、車幅方向外側に開口する第1コ字断面部を形成するカウルサイドエクステンションと、
    前記フロントピラーエクステンションおよび前記カウルサイドエクステンションから車体前方で、かつ下方に向けて垂れ下がるように延出され、前記第1コ字断面部に連続する第2コ字断面部に形成されたアッパメンバ本体部と、
    前記第1コ字断面部および前記第2コ字断面部で形成されたコ字断面の開口を塞ぐ蓋部材と、を備え、
    前記蓋部材、前記アッパメンバ本体部、前記フロントピラーエクステンション、および前記カウルサイドエクステンションにより、車体前方で、かつ下方に向けて連続する矩形閉断面のアッパメンバが形成されており
    前記フロントピラーエクステンションは、
    前記フロントピラーから車体前方に向けて延出された上部ピラーエクステンションを備え、
    前記上部ピラーエクステンションは、
    車体前方の前端部において上面に、前記カウルサイドエクステンションが上方から重ねられる上側固定部を有する、
    ことを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記フロントピラーエクステンションは、
    前記フロントピラーのうち前記上部ピラーエクステンションが延出された下方から車体前方に向けて延出された下部ピラーエクステンションを備え、
    前記下部ピラーエクステンションは、
    車体前方の前端部において下面に、前記アッパメンバ本体部の下壁が下方から重ねられる下側固定部を有する、
    ことを特徴とする請求項に記載の車体前部構造。
  3. 前記上部ピラーエクステンションは、
    前記カウルのサイドパネルに車幅方向外側から重ねられるサイドパネル固定部を有する、
    ことを特徴とする請求項に記載の車体前部構造。
  4. 前記フロントピラーは、車体内側に設けられたインナパネルを備え、
    前記インナパネルは、前記フロントピラーエクステンションが車体前方に向けて延出される部位から前記下部ピラーエクステンションに沿って車体前方に向けて延び、
    前記下部ピラーエクステンションは、
    前記インナパネルのうち車体前方に向けて延びた延出部に重ねられるインナパネル固定部を有する、
    ことを特徴とする請求項に記載の車体前部構造。
  5. 前記下部ピラーエクステンションの後端部から下方へ延びる下側フランジおよび前記フロントピラーが接合された第1接合部と、
    前記アッパメンバ本体部および前記下部ピラーエクステンションの前端部が接合された第2接合部と、を有し、
    前記第1接合部は、前記第2接合部よりも車体下方に位置している、
    ことを特徴とする請求項に記載の車体前部構造。
  6. 前記蓋部材は、
    前記フロントピラーに締結部材によって締結され、前記第1接合部に対して車体高さ方向で異なる位置に設けられた締結部を有する、
    ことを特徴とする請求項に記載の車体前部構造。
  7. 前記アッパメンバ本体部の側壁及び前記下壁に接合され、前記アッパメンバ本体部を補強する補強部材を備え、
    前記第2接合部は、前記アッパメンバ本体部、前記下部ピラーエクステンションの前端部、および前記補強部材が3枚重ねられて接合されている、
    ことを特徴とする請求項に記載の車体前部構造。
  8. 前記第2接合部は、
    前記アッパメンバ本体部の前記側壁、前記下部ピラーエクステンションの前端部、および前記補強部材が3枚重ねられて接合された側壁側接合部、と、
    前記アッパメンバ本体部の前記下壁、前記下部ピラーエクステンションの前端部、および前記補強部材が3枚重ねられて接合された下壁側接合部と、を有する、
    ことを特徴とする請求項に記載の車体前部構造。
  9. 前記上部ピラーエクステンションは、前記下部ピラーエクステンションよりも車体上方に位置し、車体後方の前記フロントピラーに向うに従って車体上側へ延出され、
    前記上部ピラーエクステンションの後端部から下方へ延びて前記矩形閉断面の内部に位置する上側フランジと、前記フロントピラーと、が接合された第3接合部を有する、
    ことを特徴とする請求項に記載の車体前部構造。
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