以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1000は、コンピュータシステムであるサーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ2が所持するプレーヤ端末1500とを含み、これらが通信回線9を介して相互にデータ通信可能に接続されて構成される。
通信回線9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備え、本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、本実施形態のゲームを運営するための処理を行う。具体的には、サーバシステム1100は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ2(登録ユーザ)に固有のアカウント(プレーヤID)を発給し、プレーヤ2に関する情報をユーザ管理データ510として一元的に管理する。ユーザ管理データ510は、プレーヤ2のレベル(プレーヤレベル)やプレイ履歴、課金状況といったプレイデータを含む。また、サーバシステム1100は、プレーヤ2のログイン/ログアウトに関する処理や、ゲームをプレイするのに必要なデータをプレーヤ端末1500に提供して当該プレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理する処理等を行う。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、自身のプレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたプレーヤIDによりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、仮想通貨相当ポイント(以下単に「ポイント」という)の購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してポイントの購入額をプレーヤ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額相当をプレーヤ2に付与する。
なお、サーバシステム1100は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介して通信回線9に接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。また、制御基板1550には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)1557等が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
ここで、本実施形態のゲームでは、ゲーム媒体として、図1に示す仮想的なゲームカード3(3A,3B,3C,・・・)をゲームプレイで使用する。ゲームカード3は、例えば、ゲームに登場するキャラクタ毎に用意され、表示面中央に該当するキャラクタの絵柄31(31A,31B,31C,・・・)が表示される。また、ゲームカード3に定められるレアリティ(当該ゲームカード3が示すキャラクタのレアリティともいえる)を識別するためのレアリティマーク33(33A,33B,33C,・・・)が、表示面内の所定位置(例えば右上)に表示される。
そして、ゲームカード3は、ゲームプレイに最低限必要な枚数がアカウント登録時に付与される他、所定の獲得条件を満たすと入手できる。例えば、ガチャと呼ばれる抽選によって入手したり、ログインボーナスや各種イベントの報酬、ゲームステージのクリア報酬、後述するドロップオブジェクト等としてゲームの過程で入手したり、所定数のポイント消費と引き換えに入手(購入)することができる。また、別のゲームを実行するとか、広告ページにアクセスする等の獲得条件で入手できるようにしてもよい。一方で、入手したゲームカード3は、特定のゲームカード(ベースカード)3に合成して強化するための素材カードとして使用し、或いは、売却してポイントに換金することも可能である。合成に使用されたゲームカード3や売却されたゲームカード3は消滅する。
このゲームカード3が示すキャラクタには、ゲーム中、コンピュータ制御の敵キャラクタや他のプレーヤ2等の対戦相手との対戦時に参照されるレベル、攻撃力、HPといった各種能力値の初期値や最大値、習得可能な特技や呪文(スキル)等が予め定められており、ゲームプレイで使用すると当該ゲームカード3に係るキャラクタの能力値や習得スキルが更新され、そのキャラクタが成長していく。
また、レアリティマーク33が示すレアリティは、例えば、高い方から順に「スーパーレア(SR)」「レア(R)」「コモン(C)」の3種類とされる。勿論、レアリティの段階は4段階以上であってもよいし、2段階であっても構わない。高い能力値や特殊なスキルを持つキャラクタのゲームカード3には高いレアリティが設定され、入手難易度は高くなる。具体的には、レアリティが高いほどガチャでの当選確率は低く、販売価格(消費ポイント額)は高くなる。
[概要]
図3は、本実施形態におけるゲームのホーム画面の一例を示す図である。図3に示すように、ホーム画面W1には、ゲームプレイメニューM11と、カードメニューM12と、ガチャメニューM13と、買うメニューM14と、投票メニューM15と、ポイントメニューM16とを含む各種メニューが、それらの選択ボタンによって提示される。
1.ゲームプレイメニュー
ゲームプレイメニューM11は、ゲームの実行開始を指示するためのメニューである。本実施形態のゲームは、例えば複数のゲームステージで構成され、各ゲームステージを順にクリアしていくステージクリア型の対戦ゲームである。例えば、プレーヤは、保有しているゲームカード(保有カード)の中から所定枚数(例えば5枚)を選んで編成したデッキを用い、ゲームステージ毎に出現する敵キャラクタとのバトルに挑む。デッキを用いたバトルとは、デッキカードに係るキャラクタの能力値をもとに、敵キャラクタとの対戦の勝敗を決める戦闘場面とも呼べるものである。最終的に、ボスキャラクタとのバトルに勝利するとステージクリアとなる。
なお、本実施形態のゲームでは、敵キャラクタとのバトルに勝利すると所定のドロップ確率に基づきドロップ処理が発動し、ドロップ対象のゲームオブジェクト群の中から1つ又は複数のドロップオブジェクトを例えば抽選で選出して、プレーヤに付与する。ドロップ確率は、例えば30%等のように適宜設定される。なお、バトルに勝利すると必ず1つ以上のゲームオブジェクトがドロップされる構成でもよい。
ここで、ゲームオブジェクトには、例えば、ゲームカード(キャラクタ)の他、キャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具、弾、薬等の各種アイテム、キャラクタの乗り物、召喚獣、スキル等のキャラクタに付加できる追加能力、新しいゲームステージやマップの開放、抽選権、投票権等が含まれる。ドロップ対象は、これらゲームオブジェクトの全部または一部とすることができる。
2.カードメニュー
カードメニューM12では、デッキ編成メニュー、合成メニュー、売却メニューといったゲームカードに関するサブメニューを提示する。そして、デッキ編成メニューを選ぶと保有カードが一覧表示され、その中からデッキカードを選択操作してデッキを編成することができる。合成メニューでは、1枚のベースカードを指定操作し、素材カードとする1枚又は複数枚のゲームカードを指定操作して、ベースカードに素材カードを合成することができる。売却メニューでは、一覧表示された保有カードの中から1枚又は複数枚の売却対象のゲームカード(売却カード)を指定操作し、売却カードをポイントに交換することができる。
3.ガチャメニュー
ガチャメニューM13は、ガチャの実行を指示するメニューである。ガチャメニューM13が選択されると、1回の実行に要求されるガチャ価格のポイント消費と引き換えに媒体付与処理の一例である抽選処理を行い、抽選対象のゲームオブジェクト群の中からプレーヤに付与するオブジェクトを抽選する。抽選権(抽選チケット)を保有している場合には、それを1枚消費して抽選を行うこともできる。本実施形態では、抽選対象がゲームカードとされ、当選したゲームカードをプレーヤに付与する。ただし、ゲームカードだけでなく、上記した各種ゲームオブジェクトの一部又は全部を抽選対象とすることもできる。
ここで、ゲームカードには、そのうちのレアリティがスーパーレア又はレアであるレアカードについて、レアリティに応じた当選確率が予め設定されている。前述のように、レアリティが高いほど当選確率は低く設定され、当選し難くなる。例えば、スーパーレアは0.1%、レアは0.7%といった具合である。そして、抽選処理は、この当選確率を用いて行う。抽選の結果レアカードの非当選時は、レアリティがコモンである非レアカードの中から1つを選んで付与する。
4.買うメニュー
買うメニューM14は、ゲームオブジェクトを購入したい場合に選択するメニューである。買うメニューM14を選択すると、オブジェクト購入画面が表示される。このオブジェクト購入画面には販売対象のゲームオブジェクトが一覧表示され、プレーヤは、購入するゲームオブジェクトを指定した購入操作を行う。ここでの購入操作があると、媒体付与処理の他の例である販売処理を行い、指定されたゲームオブジェクトを、その販売価格のポイント消費と引き換えにプレーヤに付与する。例えば、ゲームプレイで使用可能なゲームカードを、そのレアリティに応じた販売価格の消費ポイント額で購入できる。
5.投票メニュー
投票メニューM15は、所定の投票イベントの開催期間(投票期間)中において、選択可能な状態で表示される。この投票メニューM15を選ぶと投票画面が表示され、新規ゲーム媒体候補としての追加候補カードに対する投票操作を受け付ける。具体的には、投票イベントは、新しくゲームプレイで使用可能となるゲームカードを投票によって選ぶイベントである。そして、追加候補カードは、新たにガチャでの抽選対象や販売対象に登録する可能性があるゲームカードとして、当該投票イベントの開催に先立ち用意される。すなわち、投票メニューM15では、開催中の投票イベントに係る投票対象として用意された追加候補カードへの投票が行える。
図4は、投票画面の一例を示す図である。図4に示すように、投票画面W2は、追加候補一覧表示部W21と、投票ボタンB21と、購入ボタンB23と、中間発表ボタンB25とを備える。追加候補一覧表示部W21には、追加候補カードを示すカードアイコンI31,I32,I33,・・・が並べて表示される。プレーヤは、この追加候補一覧表示部W21においてカードアイコンを選択することで、投票する追加候補カードを指示する。
投票ボタンB21は、投票操作を入力するためのものであり、プレーヤは、前述のように追加候補一覧表示部W21にて所望の追加候補カードのカードアイコンを選択した上で投票ボタンB21を選択し、当該追加候補カードに投票する。
投票は、投票権(投票チケット)を1枚消費して1回行うことができる。投票権の獲得条件は、上記したゲームカードの獲得条件と同様に定めておくことができ、ゲームの過程での入手や、所定の獲得条件を満たしたことでの入手が可能である他、購入によって入手することもできる。また、ガチャの当選オブジェクトとして付与することもできる。そして、プレーヤの持ち票が0票であり、当該プレーヤが投票権を持たないときには、投票ボタンB21は選択不可の状態となる。そしてその場合は、購入ボタンB23を選択することにより、投票権に係る販売価格のポイント消費と引き換えに投票権を購入することができる。なお、投票権は、特定の投票イベントでのみ有効なものとしてもよいし、全ての投票イベントにおいて共通で使えるとしてもよい。
以上のようにプレーヤ端末1500において投票画面W2から行われた投票操作はサーバシステム1100において集計され、集計された投票結果に基づき追加候補カードの中から新規追加カードとするゲームカードが決定される。本実施形態では、後述する総合獲得票数に基づく投票順位が上位3位までの追加候補カードが、新規追加カードとされる。そして、新規追加カードの決定に際し、例えばそのレアリティが決定される。つまり、投票画面W2において投票操作を受け付ける候補の段階では、そのレアリティは未設定である。当然、どの追加候補カードが新規追加カードとされるのか(ゲームプレイで使用可能になるのか)も決定されていない。よって、プレーヤは、投票する追加候補カードが新規追加カードに選ばれるのかどうかや、仮に選ばれたとしてそれがレアリティの高いゲームカードとなるかどうかは知らない状態で、例えばキャラクタデザインが好みのものを選ぶ等して投票を行う。
ただし、本実施形態では、開催期間の途中(中間段階)でそれまでになされた投票操作を集計し、後述する中間獲得票数を算出して中間段階での順位(中間順位)を中間発表する。そのため、中間発表後は、中間順位を参照すれば投票の傾向(人気の追加候補カード)を知ることができるので、どの追加候補カードがゲームカードに追加される可能性が高いか等の予想がある程度可能となる。中間順位は、投票画面W2において中間発表ボタンB25を選択すると、閲覧できる。
すなわち、中間発表ボタンB25は、後述する中間発表のタイミングを過ぎると選択可能な状態となる。この中間発表ボタンB25を選択すると中間発表画面が表示され、中間獲得票数に基づく追加候補カードの中間順位が提示される。
6.ポイントメニュー
ポイントを購入したい場合は、プレーヤは、ポイントメニューM16を選択する。ポイントメニューM16を選択するとポイント購入画面が表示され、購入可能なポイントのポイント数がその販売価格とともに提示される。このポイント購入画面においてポイント数を指定したポイント購入操作がなされると、購入額の支払い・清算に係る手続きを経てプレーヤにポイントが付与される。
[原理]
本実施形態では、サーバシステム1100は、プレーヤの投票(プレーヤ端末1500での投票操作)を集計する際、その1票当たりの投票価値に、ユーザ管理データ510として管理している当該プレーヤのプレーヤレベル517(図7を参照)等を反映させる。本実施形態では、投票価値は、プレーヤレベル517に基づいて投票操作単位で設定される。その上で投票結果を集計し、新規追加カードを決定する。
そして、そのための処理として、ユーザ登録済みのプレーヤ毎に、対象の投票イベント(対象投票イベント)での当該プレーヤの投票に適用する1票当たりの投票価値を設定する処理(投票価値設定処理)と、各プレーヤが行った投票をその投票価値に基づき集計する処理(投票結果集計処理)と、投票結果に基づき新規追加カードを決定し、その第1のパラメータ値として例えばレアリティを決定する処理(第1パラメータ値決定処理)とを行う。その後、抽選対象登録処理と、特典付与処理とを行う。
1.投票価値設定処理
図5は、投票価値設定処理と、投票結果集計処理とを説明するための図である。先ず、投票価値設定処理では、図5に示す3つの係数Ka,Kb,Kcを用いて1票当たりの投票価値をプレーヤ毎に設定する。そのうちの係数Kaについては、対象投票イベントの開催時に設定しておく。例えば、対象投票イベントについて投票の受け付けを開始した後、プレーヤが最初に投票メニューM15を選択した際に、当該プレーヤについて係数Kaを設定する。
具体的には、係数Kaは、プレーヤレベル517に基づく係数であり、プレーヤレベル517が高いほど大きく、プレーヤレベル517が低いほど小さい値として設定する。例えば、プレーヤレベル517が取り得るレベル範囲を3つに区切った「高レベル」「中レベル」「低レベル」の段階毎に、係数Kaの値を予め定義しておく。そして、投票価値設定に係るプレーヤのプレーヤレベル517に対応する段階の値を、係数Kaとする。勿論、レベル範囲を2段階又は4段階以上に区切って値を定めておくのでもよいし、プレーヤレベル517を入力値としてそれに対応した係数Kaの値を出力する関数式を定めておくのでもよい。
次に、係数Kbは、投票操作のタイミングに基づく係数であり、対象投票イベントの開始時刻(投票の受け付けを開始した時刻)からの経過時間が短いほど大きく、当該経過時間が長いほど小さい値として設定する。例えば、対象投票イベントの開催期間を3つに区切った「前期」「中期」「後期」の段階毎に、係数Kbの値を予め定義しておく。そして、投票価値の設定に係る投票操作までの経過時間に対応する段階の値を、係数Kbとする。勿論、係数Kaと同様に開催期間を2段階又は4段階以上に区切って値を定めておくのでもよいし、経過時間に対応した係数Kbの値を出力する関数式を定めておくのでもよい。
また、係数Kcは、中間発表時の中間獲得票数に基づく係数であり、中間獲得票数が少ないほど大きく、中間獲得票数が多いほど小さい値として設定する。例えば、中間順位の1位から最下位までを3つに区切った「低順位」「中順位」「高順位」の段階毎に、係数Kcの値を予め定義しておく。そして、投票価値設定に係る投票操作の投票先の中間順位に対応する段階の値を、係数Kcとする。勿論、中間順位を2段階又は4段階以上に区切って値を定めておくのでもよいし、中間順位に対応した係数Kcの値を出力する関数式を定めておくのでもよい。
ここで、後段の投票結果集計処理は、対象投票イベントの開催期間が経過した後(投票の受け付けを終了した後)だけでなく、当該対象投票イベントの中間発表時にも行う。そして、係数Kbは中間発表時及び投票受け付け終了時に、係数Kcは投票受け付け終了時においてそれぞれ設定し、既に設定されている係数Kaとともに投票価値の設定に用いる。
具体的には、中間発表時の投票価値設定処理では、係数Kaと係数Kbとを用い、投票受け付け開始以後、中間発表までの間にプレーヤ端末1500でなされた全ての投票操作を対象に、各投票操作のそれぞれについてその投票価値Pmを次式(1)で求める。
Pm=Ka×Kb ・・・(1)
これによれば、プレーヤレベル517に基づく係数Kaを投票操作のタイミングに基づく係数bで調整して、投票価値Pmを設定できる。よって、中間発表までの間の投票操作に係る投票価値Pmには、その投票操作を行ったプレーヤのプレーヤレベルと、当該投票操作のタイミングとが反映される。したがって、中間発表までの間は、投票したプレーヤのプレーヤレベルが高く、対象投票イベント開始後の比較的早い時点で行った投票ほど投票価値Pmの値が大きく設定され、1票の投票価値は高くなる。
一方、投票受け付け終了時の投票価値設定処理では、係数Kaと係数Kbと係数Kcとを用い、中間発表以後、投票受け付け終了までの間にプレーヤ端末1500でなされた全ての投票操作を対象に、各投票操作のそれぞれについてその投票価値Pfを次式(2)で求める。
Pf=Ka×Kb×Kc ・・・(2)
これによれば、プレーヤレベル517に基づく係数Kaを投票操作のタイミングに基づく係数Kbと中間発表時の中間獲得票数に基づく係数Kcとで調整して、投票価値Pfを設定できる。よって、中間発表から投票受け付け終了までの間の投票操作に係る投票価値Pfには、その投票先の中間順位(中間獲得票数)がさらに反映される。したがって、中間発表がされた後は、中間順位が低かった追加候補カードに投票すると投票価値Pfの値が大きく設定され、1票の投票価値は高くなる。
2.投票結果集計処理
投票結果集計処理は、対象投票イベントの開催期間中に定められる中間発表時と、当該投票イベントに係る投票の受け付け終了時の2回行う。
ここで、本実施形態では、投票期間である投票イベントの開催期間は、例えば1週間等、予め定められた所定日数の期間とされ、中間発表のタイミングは、例えばその中日に定められる。
なお、投票は、固定の開催期間が経過するまで受け付ける構成に限らず、投票数に応じて受け付けを終了する構成も可能である。例えば、投票総数が所定数に達した時点で投票の受け付けを終了するとか、投票数が最多の追加候補カードの当該投票数が所定数に達した時点で投票の受け付けを終了する等としてもよい。
先ず、中間発表時の投票結果集計処理では、当該中間発表時の投票価値設定処理でそれまでの各投票操作について求めた投票価値Pmを投票先毎に合算して、各追加候補カードの中間獲得票数とする。一方、投票受け付け終了時の投票結果集計処理では、当該投票受け付け終了時の投票価値設定処理で中間発表後の各投票操作について求めた投票価値Pfを投票先毎に合算し、該当する追加候補カードの中間獲得票数を加えて各追加候補カードの総合獲得票数とする。
なお、投票価値の設定に用いる係数の種類は、図5に例示した3つの係数Ka,Kb,Kcに限定されない。具体的には、対象投票イベントの開催時点までのプレイ時間、課金総額、課金頻度、到達ステージ(クリアしたゲームステージ)等のゲームの進行状況、プレーヤキャラクタ(デッキカードに係るキャラクタ)の武器や防具等の装備情報、団体・ギルド・ファンクラブ等への所属情報、キャンペーン対象のプレーヤか否かといった、プレーヤレベルとは別の各種プレイデータに基づいて係数を設定するとしてもよい。その際、複数種類のプレイデータに基づく係数をそれぞれ設定し、それらを乗じて1票当たりの投票価値とすることもできる。本変形例の場合は対象投票イベントの開催時点で各プレーヤの投票価値を設定できることから、続く投票結果集計処理では、追加候補カードのそれぞれについて、各プレーヤの投票数に、該当するプレーヤの投票価値を乗じて総合することで、中間獲得票数や総合獲得票数を算出できる。また、キャンペーンとしては、投票価値Pm,Pfを算出値の例えば1割増しにする等のキャンペーンが挙げられる。その他、対象投票イベントにおいてそのプレーヤが既に行った投票数に基づく係数や、過去に開催された投票イベントでの投票総数に基づく係数を設定してもよい。
また、投票画面を表示させる操作がなされてから(プレーヤが投票メニューM15を選択してから)、当該プレーヤが投票ボタンB21を選択して投票を行うまでの時間に応じて別の係数Kdを設定し、投票価値Pm,Pfの設定に用いるとしてもよい。具体的には、係数Kdは、投票画面を表示させる操作がなされてから投票までの時間が短いほど大きく、長いほど小さい値とされ、あまり悩まずに投票先を決定した投票について投票価値を高くするといったことが可能となる。この場合、プレーヤは、その投票先を好んでいるため、問答無用で即座に投票したと推察される。
3.第1パラメータ値決定処理
第1パラメータ値決定処理では、先ず、総合獲得票数の多い順に追加候補カードを順位付けし、各追加候補カードの投票順位を求める。そして、例えば上位3位までの追加候補カードを、新規追加カードとして決定する。なお、新規追加カードとして採用する追加候補カードの順位は上位3位までに限らず、適宜設定してよい。1位だけとしてもよいし、全ての追加候補カードを新規追加カードとする構成でも構わない。
その後、新規追加カードとして決定した追加候補カードのレアリティを、その投票順位に基づき決定する。本実施形態では、例えば、投票順位が1位の追加候補カードのレアリティをスーパーレア、2位の追加候補カードのレアリティをレア、3位の追加候補カードのレアリティをコモンとして設定する。
なお、レアリティは、例示したように投票順位をもとに決定する構成に限らず、総合獲得票数を用いて決定するとしてもよい。例えば、新規追加カードに決定された追加候補カードのうち、総合獲得票数が所定数T31以上である追加候補カードのレアリティをスーパーレア、所定数T33未満である追加候補カードのレアリティをコモン、T33以上T31未満である追加候補カードのレアリティをレアとする(ただし、T31>T33)といった具合である。
また、第1のパラメータ値としてゲームカードのレアリティを例示したが、レアリティとは別の第1のパラメータ値を投票順に基づき決定するとしてもよい。また、決定する第1のパラメータ値は1種類に限らず、複数種類の第1のパラメータ値を、投票順位に基づき決定するとしてもよい。例えば、当該ゲームカードを素材として合成に使用する際のベースカードの獲得経験値、レベルの上昇値、ベースカードが変化(成長)してレアリティが上位のゲームカードとなる確率といった合成効率に関するパラメータ値、当該ゲームカード(キャラクタ)の属性、レベルの上限値、ドロップ確率や各種イベントでの入手確率、コスト等の各値を第1のパラメータ値として採用できる。ただし、どれを採用する場合も、投票順位が高いほど有利な値として決定する。
4.抽選対象登録処理
抽選対象登録処理では、第1パラメータ値決定処理で新規追加カードとされたゲームカード(追加候補カード)をガチャの抽選対象に追加して登録する。ここでの処理により、ガチャメニューM13からガチャを実行することで、新規追加カードがプレーヤに付与され得る。その際の当選確率は、第1パラメータ値決定処理で決定されたレアリティに応じた当選確率となる。すなわち、他のゲームカードと同様に、レアリティの高い新規追加カードは当選し難い。
また、当該ゲームカードを販売対象に追加して登録する。ここでの処理により、買うメニューM14から新規追加カードがプレーヤに付与され得る。その際の販売価格は、第1パラメータ値決定処理で決定されたレアリティに応じた消費ポイント額となる。すなわち、他のゲームカードと同様に、レアリティの高い新規追加カードは消費ポイント額が高くなる。
5.特典付与処理
特典付与処理では、対象投票イベントに投票したプレーヤに対して所与の特典を付与する。本実施形態では、「新規追加カードとされた追加候補カードへの投票を行ったこと」を特典付与条件として、当該特典付与条件を満たす投票操作を行ったプレーヤに、その投票数と投票価値とに基づいて特典を付与する。
具体的には、例えば、付与対象のプレーヤが投票した新規追加カード(以下、「投票カード」という)を特典として付与する。そしてその際、当該付与対象のプレーヤが行った投票カードへの投票操作の投票価値を合算して投票貢献度を算出し、算出した投票貢献度を用いて投票カードの第2のパラメータ値を設定する。
第2のパラメータ値は、例えば、第1のパラメータ値ともされ得る各種合成効率に関するパラメータ値、ゲームカード(キャラクタ)の属性、レベルの上限値、ドロップ確率や各種イベントでの入手確率、コスト等とすることができ、当該投票カードに係る規定値を有利な値に調整することで設定する。投票貢献度が高いほど調整量を大きくしてより有利な値とする。つまり、本実施形態では、第2のパラメータ値を、付与対象のプレーヤに付与する投票カードに限った特別値とすることで、当該投票カードに投票したプレーヤにその投票数と投票価値とに基づく特典を付与する。
ここで、特典は、投票カードの投票順位を考慮して高順位であるほど豪華にするとよい。例えば、有利な値に調整する第2のパラメータ値の種類を投票順位が1位の投票カードの場合5種類、2位で3種類、3位で1種類等とすることで実現できる。
また、特典は、付与対象のプレーヤが投票カードをガチャで当てたときや購入するときに付与するとしてもよい。特典の内容は、上記と同様に第2のパラメータ値を調整することで実現できる。或いは、この場合の特典は、付与対象のプレーヤがガチャを実行するときに投票カードに適用する当選確率を高くするとか、当該付与対象のプレーヤが投票カードを購入するときの販売価格を下げることで付与するとしてもよい。これによれば、付与対象のプレーヤに限ってその投票カードを当選し易くしたり、安く購入できるようになる。
また、投票貢献度に応じた枚数の投票カードを付与するとしてもよい。その場合は、投票順位が1位になった追加候補カードにたくさん投票したプレーヤには、レアリティがスーパーレアの投票カードが多数付与されることとなり、例えば有利な素材カードとして使用できる。
また、特典は、投票カード以外のゲームカードやその他のゲームオブジェクトを含めることもできる。例えば、投票順位毎に付与する特典を予め定めておき、投票したプレーヤに対してその投票貢献度に応じて特典を山分け配分して付与するとしてもよい。
また、投票順が1位から最下位までの全ての投票順について特典を用意しておき、新規追加カードとされたか否かに関わらず、追加候補カードへの投票を行ったプレーヤに特典を付与する構成でもよい。
また、投票操作のタイミングを考慮して特典を付与することもできる。例えば、投票順位が上位の追加候補カードに投票したプレーヤの中でも、その投票を投票傾向の先読みがしにくい中間発表前に行ったプレーヤは、当該追加候補カードのお気に入り度が高いと考えて、例えば第2のパラメータ値をより有利な値に設定する等、中間発表後に投票したプレーヤとは異なる特典を付与するとしてもよい。
さらに、投票操作のタイミングに加えて中間順位を考慮し、特典を付与するとしてもよい。すなわち、本実施形態では、投票受け付け終了時の投票価値設定処理で係数Kcを用いて中間順位の低い追加候補への投票価値を高く設定することとしたが、その結果当該追加候補カードが上位3位に入って新規追加カードとされた場合に、中間発表後の投票操作を行ったプレーヤを対象に特典を上乗せして付与するとしてもよい。第2のパラメータ値を設定する場合であれば、その調整量を大きくするとか、調整する種類を増やすことで実現できる。
[機能構成]
1.サーバシステム
図6は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。図6に示すように、サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPFA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理及びプレーヤIDに紐付けられるプレーヤ(登録ユーザ)のデータ管理を行う。例えば、プレーヤへの固有のプレーヤIDの発給処理、プレーヤID別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログイン及びログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行する。また、これら以外のプレーヤIDに紐付けられるデータについての管理処理等も行う。
課金処理部220は、プレーヤによるポイント購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のポイントを当該プレーヤに付与する。
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部230は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。このゲーム管理部230は、ゲーム進行制御部231と、投票受け付け処理部233と、投票価値設定部237と、投票結果集計部239と、中間発表処理部241と、新規追加カード決定部243と、抽選対象登録部247と、特典付与処理部249とを含む。
ゲーム進行制御部231は、プレーヤ端末1500との通信を随時行い、当該プレーヤ端末1500におけるゲームプレイの進行を制御し、プレイ結果の反映に関する処理を行う。
投票受け付け処理部233は、投票画面(例えば図4の投票画面W2)をプレーヤ端末1500に表示させる制御を行って、プレーヤによる追加候補カードへの投票の受け付け処理を行う。具体的には、プレーヤ端末1500での投票操作を検出し、当該投票操作に係る投票データ570を生成する。この投票受け付け処理部233は、各プレーヤそれぞれの持ち票(保有する投票権の数)を持ち票管理データ580として管理する持ち票管理部235を備える。持ち票管理部235は、プレーヤ毎(サーバシステム1100にアクセスしてゲームを実行しているプレーヤ端末1500毎)に獲得条件の充足を監視し、投票権付与処理を行って投票権を付与するとともに、投票操作を検出した場合は投票権を消費し、持ち票管理データ580を随時更新する。
投票価値設定部237は、中間発表時と投票受け付け終了時とに上記の要領で投票価値設定処理を行う機能部であり、各プレーヤのそれぞれについて、開催中の投票イベント(対象投票イベント)での1票当たりの投票価値を設定する。本実施形態では、係数Ka,Kb,Kcを設定して用い、中間発表前の投票操作に係る投票価値Pmと、中間発表の後、投票受け付けを終了するまでの間の投票操作に係る投票価値Pfとを設定する。
投票結果集計部239は、中間発表時と投票受け付け終了時とに上記の要領で投票結果集計処理を行う機能部であり、中間発表に当たって投票価値設定部237が設定した投票価値Pmを用いて各追加候補カードの中間獲得票数を算出するとともに、投票受け付け終了を受けて投票価値設定部237が設定した投票価値Pfを用いて各追加候補カードの総合獲得票数を算出する。
中間発表処理部241は、中間獲得票数の中間順位をプレーヤ端末1500に表示させる制御を行って、プレーヤに提示する。
新規追加カード決定部243は、上記の要領で第1パラメータ値設定処理を行う機能部であり、第1パラメータ値決定部245を備える。この新規追加カード決定部243は、投票結果集計部239が算出した総合獲得票数に基づいて、追加候補カードの中から新規追加カードを決定する。そして、第1パラメータ値決定部245は、新規追加カードとした追加候補カードについて、第1のパラメータ値として例えばレアリティを設定する。
抽選対象登録部247は、上記の要領で抽選対象登録処理を行う機能部であり、新規追加カードをガチャの抽選対象に追加登録するとともに、販売対象に追加登録する。
特典付与処理部249は、上記の要領で特典付与処理を行う機能部であり、追加候補カードへの投票を行ったプレーヤに対し、当該プレーヤの投票数と投票価値とに基づく特典の付与を行う。
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
通信部394sは、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図1では、通信装置1153がこれに該当する。
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム設定データ520と、追加候補カードデータ540と、投票イベントデータ550と、投票履歴データ560と、持ち票管理データ580と、ゲーム状況データ590と、現在日時800とが格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種フラグ等、必要なデータが適宜格納される。
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、及びゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
配信用ゲームクライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(図11を参照)の原本である。
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録済みのプレーヤに関する情報を格納する。図7は、1つのユーザ管理データ510のデータ構成例を示す図である。図7に示すように、ユーザ管理データ510は、該当するプレーヤのプレーヤID511と、決済媒体帳簿データ512と、保有カードリスト513と、保有カード別キャラクタデータ516と、プレーヤレベル517と、プレイ日時やプレイ時間、プレイ回数等のプレイ履歴518とを含む。
決済媒体帳簿データ512は、該当するプレーヤに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態では仮想通貨相当ポイント)の収支の情報、例えば、ポイントの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ポイントの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
保有カードリスト513は、プレーヤがゲームの過程で入手し、現時点で保有しているゲームカード(保有カード)のリストを格納する。具体的には、図8に示すように、保有カードリスト513には、保有カードのカード種類IDと対応付けて個別設定データ515が設定され、特典付与処理部249によって第2のパラメータ値の特別値が適宜設定される。個別設定データ515に第2のパラメータ値の特別値が設定されているゲームカードの使用時には、ゲームカードデータ530に設定されているその規定値が特別値に置き換えられる。
保有カード別キャラクタデータ516は、保有カードのカード種類IDと対応付けて、そのキャラクタのキャラクタレベルや各種能力値の現在値、習得スキル、装備情報等を格納する。キャラクタレベルや各種能力値、習得スキルは、例えば、該当するゲームカードをデッキカードに使用することで随時更新されていく。
図6に戻り、ゲーム設定データ520は、本実施形態のゲームを実行するための各種初期設定データを格納する。このゲーム設定データ520には、ゲームカードデータ530が格納される。
ゲームカードデータ530は、プレーヤがゲームプレイで使用可能なゲームカードのカード種類別に用意される。図9は、1つのゲームカードデータ530のデータ構成例を示す図である。図9に示すように、ゲームカードデータ530は、該当するゲームカードのカード種類を示すカード種類ID531と、当該カード種類に固有のキャラクタ種類532と、該当するキャラクタのキャラクタ表示体データ533と、パラメータ値設定534と、当選確率538と、販売価格539とを含む。その他にも、例えば、そのキャラクタの各種能力値の初期値や習得可能なスキル等が設定される。
パラメータ値設定534は、レアリティ535を含む。その他にも、第1のパラメータ値や第2のパラメータ値とされ得る各種合成効率に関するパラメータ値、ゲームカード(キャラクタ)の属性、レベルの上限値、ドロップ確率や各種イベントでの入手確率、コスト等の規定値の設定を含めることができる。
図6に戻り、追加候補カードデータ540は、投票イベントの開催に先立ち用意された追加候補カードのカードデータである。この追加候補カードデータ540のデータ構成は、図9に示したゲームカードデータ530と同様とされる。ただし、追加候補カードデータ540では、第1のパラメータ値とされるレアリティの設定はブランクとされる。
投票イベントデータ550は、投票イベント毎に用意される。1つの投票イベントデータ550には、例えば、投票イベントIDと対応付けて、投票イベント名、開催期間、中間発表タイミング、追加候補カードのカード種類ID等が設定される。
投票履歴データ560には、投票イベントでのプレーヤの投票履歴が設定される。この投票履歴データ560は、投票イベント毎に用意され、その投票イベントID561と対応付けて、該当する投票イベントでの投票に係る投票データ570を格納する。投票データ570は、投票操作毎に生成・追加され、例えば図10に示すように、当該投票操作に通し番号等として割り振られる投票番号571と、当該投票操作がなされた投票操作日時572と、当該投票操作を行ったプレーヤのプレーヤIDである投票プレーヤID573と、当該投票操作の投票先カードID574とを含む。投票先カードID574には、投票先の追加候補カードのカード種類IDが設定される。
図6に戻り、持ち票管理データ580は、各プレーヤの現在の持ち票を格納する。
ゲーム状況データ590はゲームをプレイしているプレーヤ毎(つまりサーバシステム1100に接続しているプレーヤ端末1500毎)に用意され、ゲームのプレイ状況(進行状況)を記述する。
2.プレーヤ端末
図11は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。図11に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
操作入力部100は、プレーヤが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPFA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
プレーヤ端末演算部270は、プレーヤ端末30をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム10にて生成されるが、ゲーム空間画像をプレーヤ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
通信部394は、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502と、現在日時801とが格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(図6を参照)のコピーとする。
[処理の流れ]
図12は、1つの対象投票イベントの開催に着目してサーバシステム1100における新規追加カードの決定に係る処理の流れを示したフローチャートである。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。なお、プレーヤ端末1500は、別途ログイン手続き済みとする。
図12に示すように、投票イベントを開催する場合は先ず、投票価値設定部237が、プレーヤ毎に、そのプレーヤレベル517に基づき係数Kaを設定する(ステップS1)。
その後は、投票受け付け処理部233が、中間発表までの間、各プレーヤの追加候補カードへの投票を受け付け処理する。すなわち、投票受け付け処理部233は、投票画面をプレーヤ端末1500に表示制御して、投票操作を受け付ける。そして、何れかのプレーヤ端末1500での投票操作を検出すると(ステップS3:YES)、現在日時を投票操作日時572として投票データ570を生成し、対象投票イベントの投票履歴データ560に追加する(ステップS5)。
そして、中間発表タイミングとなったら(ステップS7:YES)、投票価値設定部237は、中間発表までに受け付け処理した投票操作毎に係数Kbを設定し(ステップS9)、式(1)に従って各投票操作の投票価値Pmを設定する(ステップS11)。続いて、投票結果集計部239が、ステップS11において各投票操作について設定した投票価値Pmを投票先毎に合算して、中間獲得票数を算出する(ステップS13)。そして、ステップS13で算出した中間獲得票数の多い順に追加候補カードを順位付けし、各追加候補カードの中間順位を求める(ステップS15)。その後、中間発表処理部241が、ステップS15で求めた中間順位をプレーヤ端末1500に表示制御して、中間発表を行う(ステップS17)。
続いて、投票受け付け処理部233は、対象投票イベントの開催期間が経過して投票受け付けを終了するまでの間、引き続き各プレーヤの追加候補カードへの投票を受け付け処理する。すなわち、投票受け付け処理部233は、何れかのプレーヤ端末1500での投票操作を検出すると(ステップS19:YES)、投票データ570を生成して、対象投票イベントの投票履歴データ560に追加する(ステップS21)。
そして、投票の受け付けを終了したならば(ステップS23:YES)、投票価値設定部237は、中間発表後に受け付け処理した投票操作毎に係数Kbと係数Kcとを設定し(ステップS25)、式(2)に従って各投票操作の投票価値Pfを設定する(ステップS27)。続いて、投票結果集計部239は、ステップS27において各投票操作について設定した投票価値Pfを投票先毎に合算して用い、総合獲得票数を算出する(ステップS29)。そして、ステップS29で算出した総合獲得票数から、各追加候補カードの投票順位を求める(ステップS31)。
投票順位を求めたら、続いて新規追加カード決定部243が、例えば、投票順位が上位3位までの追加候補カードを新規追加カードとして決定する(ステップS33)。そして、第1パラメータ値決定部245が、ステップS33で新規追加カードに決定した追加候補カードのレアリティを、その投票順位に基づき決定する(ステップS35)。ここでの処理により、新規追加カードとした追加候補カードの追加候補カードデータ540に、決定したレアリティが設定される。そして、その上で当該追加候補カードデータ540が、ゲームカードデータ530に追加される。
その後は、抽選対象登録部247が、新規追加カードとしたゲームカード(追加候補カード)を抽選対象や販売対象に追加登録する(ステップS37)。
また、特典付与処理部249が、対象投票イベントで投票を行ったプレーヤに、その投票数と投票価値とに基づいて特典を付与する(ステップS39)。例えば、新規追加カードとされた追加候補カードに投票したプレーヤを付与対象のプレーヤとして特典を付与することとし、当該付与対象のプレーヤに対し、当該追加候補カードである投票カードの投票順位に応じた特典を付与する。その際、付与対象のプレーヤによる投票カードへの投票貢献度を算出して用い、付与する投票カードの第2のパラメータ値について規定値を有利な値に調整した特別値とする。ここでの処理により、投票カードのカード種類IDが保有カードリスト513に追加され、その個別設定データ515に第2のパラメータ値の特別値が設定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、例えば、ゲームを多くプレイしておりプレーヤレベル517の高いプレーヤが行った投票の1票当たりの投票価値を高めるといった、1票当たりの投票価値を変更可能とする技術を実現できる。これにより、投票についてのプレーヤの射幸心を高めることができたり、投票に対するモチベーションや興味を持たせるといった、従来に無い投票に係る興趣をもたらすことができる。
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
例えば、中間発表のタイミングで、各追加候補カードの情報を公開するとしてもよい。例えば、中間発表までの間にキャラクタデザインのみを公開し、中間発表の時点でそのキャラクタが習得可能なスキル等を公開するとしてもよい。或いは、中間発表までの間はキャラクタをシルエットで表示し、中間発表の時点でキャラクタデザインを公開するとしてもよい。
なお、公開のタイミングは中間発表時とは別のタイミングであってもよい。そして、この場合は、公開の後すぐに行われた投票操作の投票価値を高く設定するとしてもよい。例えば、公開のタイミングからの経過時間に基づく係数を設定し、投票価値の設定に用いることで実現できる。また、公開後の先着順に所定数の投票操作について、その投票価値を所定数倍する等としてもよい。
また、投票イベントで投票対象とする追加候補カードは、図4に例示したように複数用意する場合に限らず、1つであってもよい。例えば、その1つのゲームカードを1体について投入するかしないかの投票を打受け付けるのでもよい。
また、1つの投票イベントにおいてプレーヤが投票することができる投票数は、例えば50票まで等のように上限を定めておいてもよい。