JP7166536B2 - 水溶性高分子と無機多孔質体を用いた含油廃水の処理方法 - Google Patents

水溶性高分子と無機多孔質体を用いた含油廃水の処理方法 Download PDF

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本発明は、水溶性高分子を用いて含油廃水を凝集処理する方法に関する。詳しくは、特定の構造単位と物性を有するポリビニルアミン系水溶性高分子と無機多孔質体を使用する凝集処理方法に関する。
自動車工場、機械工場、食品工場、印刷工場、整備工場、製油工場等の各種工場において発生した水には鉱物油や植物油等の油分が多く含まれている。又、機械や設備について洗浄剤を用いて洗浄した水にも油分が含まれている。一般的にこれら含油廃水に対して主に水溶性高分子を凝集剤として添加し油分や油分以外のSS等の不溶解物を凝集処理して除去し、処理水を系外に放出する方法が適用されている。これら凝集剤としては、ポリアクリルアミド(PAM)系ポリマーが汎用されており、これまで様々な処方が提案されてきた。
例えば、特許文献1では、含油排水にカチオン性高分子を添加する処理方法が開示されており、カチオン性高分子として、ジメチルアミノエチルメタクリレートのホモポリマー、又はアクリルアミドとのコポリマー、その4級化物のホモポリマー、又はコポリマー等が挙げられている。
又、特許文献2では、含油廃水に適した凝集剤としてポリアクリルアミドやポリアクリル酸等の水溶性高分子とベントナイトを組み合わせたものが好ましいことが記載されている。
更に特許文献3では、含油汚泥排水にベントナイトを使用、排水中の油分を吸着させることが記載され、含油廃水にベントナイトが有効であることが示唆される。
しかし、これら処方においても含油廃水については処理効果が必ずしも満足されないことがあり、更なる有効な処方の開発が要望されている。
特開昭60-202787号公報 特開2007-167779号公報 特開2014-124594号公報
本発明の課題は、含油廃水の処理方法に関し、詳しくは含油廃水に対して水溶性高分子を使用する薬品処方により凝集処理することで油分を分離し水質を改善する方法に関することである。
上記課題を解決するため本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ある特定の組成及び物性を有するポリビニルアミン系水溶性高分子及び無機多孔質体が、含油廃水に対して優れた凝集効果を有し、前記課題を解決できることを発明し本発明に至った。
本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子及び無機多孔質体を使用する処方は、含油廃水処理用に一般的に使用されている薬品処方に比べて、凝集処理性能に優れる結果、油分を分離し処理水の水質が改善される。
自動車工場、機械工場、食品工場、印刷工場、整備工場、製油工場等の各種工場において排出される廃水には油分(鉱物油、植物油等)が含まれており、これら油分を含む汚れ成分が工程や洗浄剤として使用される界面活性剤により微細に分散した状態で存在するため、廃水中から油分を含んだ汚れ成分と水分とに分離して処理される必要がある。本発明が適用される含油廃水とは、油分を含む水を意味し、油分以外の懸濁物質等を含んでいても良い。
本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子は、1mol/L濃度の食塩水溶液中での25℃における還元粘度が1.0~12.0dL/gであり、アミノ化度が10~100モル%の範囲である。この範囲のポリビニルアミン系水溶性高分子を含油廃水に添加することで優れた凝集性能を発揮し油分を分離し処理水の水質が改善される。
本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子は、常法のポリビニルアミンの製造方法で製造することができる。
ポリビニルアミンは、構造が最も単純な一級アミノ基含有ビニルポリマーであり、その製造方法は、N-ビニルカルボン酸アミドの重合物を酸または塩基にて加水分解する方法、N-ビニル-O-t-ブチルカルバメートの重合物を加水分解する方法、あるいはポリアクリルアミドを次亜ハロゲン酸およびアルカリ金属水酸化物の存在下ホフマン反応を行う方法等が挙げられる。
例えば、特開平6-65329号公報に開示されている。本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子は、N-ビニルホルムアミド重合物あるいは共重合物を重合体中のホルミル基を変性することにより容易に得ることができる。すなわちN-ビニルホルムアミドと他の共重合可能な単量体とのモル比が、通常20:80~100:0の混合物、好ましくは、40:60~100:0の混合物をラジカル重合開始剤の存在下、重合することにより製造される。
酸あるいはアルカリによりホルミル基を加水分解するため、共重合する単量体の一部も加水分解され、カルボキシル基が生成する場合が多い。そのため共重合する場合は、アクリロニトリル等が共重合する場合便利である。その他アクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec-ブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル等が挙げられる。これら単量体は、アニオン性基が生成するので、共重合体中のモル比は、20モル%未満であることが好ましい。
上記のN-ビニルホルムアミド共重合物を製造する重合方法としては、塊状重合、水および種々の有機溶媒を用いる溶液重合、沈殿重合のいずれも用いることができる。好ましい重合溶媒としては、水、沸点60~110℃の有機溶媒および、水と沸点60~110℃の親水性有機溶媒の混合物が使用される。単量体を溶液状で重合する場合には、目的とする重合体の分子量、重合発熱を考慮して単量体の濃度、重合方法、および重合反応器の形状が適宜選択され、例えば以下の方法によって重合が行われる。すなわち、単量体濃度5~20質量%の溶液状で重合を開始し、重合体を溶液状または、沈殿物として得る方法、単量体濃度20~60質量%の条件下重合を開始し、重合物と溶媒を含むゲル状物または析出物として得る方法、単量体濃度20~60質量%の溶液を、単量体が溶解しない溶媒中で乳化または分散状態で重合する方法等が例示される。
ラジカル重合開始剤としては、通常水溶性または親水性の単量体の重合に用いられる一般的な開始剤のいずれもが使用されるが、重合体を収率良く得る為には、アゾ化合物が好ましい。重合溶媒に水を使用する場合、水溶性のアゾ化合物が好ましく、その例としては、2,2’-アゾビス-2-アミジノプロパンの塩酸塩および酢酸塩、4,4’-アゾビス-4-シアノ吉草酸のナトリウム塩、アゾビス-N,N’-ジメチレンイソブチルアミジンの塩酸塩および硫酸塩が挙げられる。これら重合開始剤の使用量は、通常単量体の質量に対して0.01~1質量%の範囲である。又、重合反応は、一般に、不活性ガス気流下、30~100℃の温度で実施される。
得られたN-ビニルホルムアミド共重合体は、そのままの溶液状もしくは分散状で、あるいは希釈、もしくは、公知の方法で脱水または乾燥して粉末状とした後、変性することにより、ポリビニルアミン系水溶性高分子とすることができる。この際に用いられる変性方法としては、N-ビニルホルムアミド共重合体を塩基性および酸性条件下変性するいずれの方法も用いることができる。水中で塩基性加水分解すると重合体中のエステル基がカルボキシル基に変わり、アニオン性基を多く含有する両性共重合体を生ずる傾向があり、水溶性の良い両性重合体の優れた製造法となる。しかし、疎水性を付与したポリビニルアミンを製造するためには、酸性条件下で変性することが好ましい。N-ビニルホルムアミド共重合体の好ましい変性方法としては、水中で酸性加水分解する方法、水を含有するアルコール等の親水性溶媒中で酸性加水分解する方法、酸性条件下、加アルコール分解し、ホルミル基をギ酸エステルとして分離しつつ変性する方法等が例示されるが、特に好ましいのは、酸性条件下の加アルコール分解である。この方法により、カルボキシル基を実質的に含有しないポリビニルアミン系水溶性高分子を得ることができる。
又、酸性変性に使用される変性剤としては、強酸性に作用する化合物ならばいずれも使用することが可能であり、例えば、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸、スルファミン酸、アルカンスルホン酸等が挙げられる。変性剤の使用量は、重合体中のホルミル基に対して、通常0.1~2倍モルの範囲から目的の変性率に応じて適宜選択される。又、変性反応は通常40~100℃の条件で実施される。
特開2012-153747号公報に開示されている方法では、保存安定性に優れる高分子量のポリビニルアミン系水溶性高分子を製造できる。先ず、N-ビニルカルボン酸アミド単量体を水、水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合することによってN-ビニルカルボン酸アミド重合体を合成する。
その後、前記N-ビニルカルボン酸アミド重合体の油中水型エマルジョンを酸または塩基で加水分解し得ることができる。目的に応じて適宜選択することが可能であり、酸の存在下で使用する必要がある場合は、酸により加水分解することが好適である。酸による加水分解では、副生成物としてギ酸が生成し製造槽や貯槽を腐食するため、塩基により加水分解することが好適である。加水分解によって、酸アミド基をアミノ基に変換することによりカチオン化するが、加水分解率は使用目的によって適宜に設定される。
加水分解は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの存在下で行うことが好ましい。このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルの例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルが例示される。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLBは重合条件に応じて任意のものが使用できる。これらのポリオキシエチレンアルキルエーテルは、N-ビニルカルボン酸アミドの重合時に添加することも、重合後加水分解の前に添加することも可能であるが、重合後、加水分解前に添加する方法が好ましい。
本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子は、水溶性高分子中のビニルアミン構造単位の全構成に対する比率は、10~100モル%の範囲であり、20~100モル%であること好ましい。アミノ化度が10モル%より小さい場合は、無機多孔質体との併用時において凝集性能が不良であり、大きな水質の改善は得られない。
本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子の分子量は還元粘度によって表される。還元粘度は一般的な測定方法に従うが、例えば下記の測定方法により求められる。
(還元粘度の測定方法)
ポリビニルアミン系水溶性高分子を1mol/L濃度のNaCl水溶液で溶解し、ポリマー濃度が0.01~0.1質量%の塩水溶液を得る。25℃の恒温槽中で毛細管粘度計(柴山科学機器製作所社製自動粘度測定装置SS-120)を使用し、水溶液及び溶媒が一定距離流下する時間を測定することで、還元粘度を算出する。
還元粘度は、ポリマーの0.01~0.1質量%の塩水溶液を毛細管粘度計内で一定距離流下させ、流下時間を測定することによって求められる。本発明においては、0.06質量%の塩水溶液を用いて測定した。ポリビニルアミン系水溶性高分子の還元粘度はアミノ化度によって大きく変動するが、本発明においては還元粘度が1.0~12.0dL/gの範囲であり、1.5~11.0dL/gが好ましく、1.5~10.0dL/gがより好ましい。還元粘度が1.0dL/gより小さいと凝集性能が不良であり効率的な処理を発揮することができない。12.0dL/gより大きいと凝集力が大きすぎ適正なフロックを形成することができないため油分をフロック内に取り込むことができないことが推測され、処理水の改善効果は低下する。
本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子を含油廃水に添加、撹拌した後、無機多孔質体を添加する。無機多孔質体として、ベントナイト、カオリン、タルク、シリカゲル、珪藻土等が挙げられる。これら無機多孔質体は多孔質構造により油や水に対して高い吸着能を有しており、ポリビニルアミン系水溶性高分子添加により、形成されたフロックが存在する分離液において、無機多孔質体を添加することにより、フロックから取りこぼれた油成分を吸着し、油水分離効果が促進されることが推測される。これら無機多孔質体の中でベントナイト、カオリン、タルクが好ましい。ベントナイトの主成分は粘土鉱物であるモンモリロナイトである。陽イオンが主としてNaであるものがNa-モンモリロナイト、Ca2+であるものがCa-モンモリロナイトである。Na-モンモリロナイトが好ましいが、Ca-モンモリロナイトを使用することもできる。又、これら無機多孔質体を二種以上併用することができる。これら多孔質体の表面積は、50~1000m/gのものが好ましい。比表面積は、BET法により測定することができる。
本発明における無機多孔質体を添加後に、一般的な高分子凝集剤を使用することができる。中でもアニオン性高分子凝集剤が好ましい。これは、アニオン性高分子凝集剤を添加することでポリビニルアミン系水溶性高分子と無機多孔質体とにより凝集したフロック間をより強固に吸着し、油水分離効果を促進させるためである。アニオン性高分子凝集剤としては、アニオン性単量体を単独で重合して製造した高分子、アニオン性単量体と非イオン性単量体を共重合して製造した高分子を使用できる。使用するアニオン性単量体の例としては、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フタル酸あるいはp-カルボキシスチレン酸等が挙げられる。これらを二種以上組み合わせて使用しても良い。使用する水溶性非イオン性単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイルピペラジン等が挙げられる。これらは一種でも、二種以上を混合して用いても良い。アニオン性高分子中のアニオン性単量体は1~100モル%の範囲である。5~100モル%が好ましく、10~100モル%が更に好ましい。30モル%より多いと高い分子量のものの製造が難しくなる。重量平均分子量は、100万~2000万の範囲であるが、300万~2000万の範囲が好ましい。
又、本発明におけるアニオン性高分子凝集剤中に、全構成単位中10モル%以下の効果を阻害しない範囲でカチオン性単量体が含まれていても良い。使用するカチオン性単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチルジアリルアミン等の塩化メチルや塩化ベンジルによる四級化物である。その例として、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物等が挙げられる。これらを二種以上組み合わせて使用しても良い。
製品形態としては、水溶液重合、油中水型エマルジョン重合、油中水型分散重合、塩水中分散重合等によって重合した後、水溶液、分散液、エマルジョンあるいは粉末等任意の製品形態のものが使用できる。好ましい形態としては、高分子量のものが得られやすい油中水型エマルジョン重合である。
次に具体的な含油廃水に関して述べる。本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子は、各種工場において発生する様々な含油廃水に適用できる。例えば、自動車工場、機械工場、食品工場、印刷工場、整備工場、製油工場等の各種工場において用いた油分(鉱物油、植物油等)や、機械や設備について洗浄剤を用いて洗浄した油分が多く含まれるため好適である。含油廃水に含まれる油分量の指標として、n-ヘキサン抽出物の量を用いることができる。n-ヘキサン抽出物の量は、1000~100000mg/Lの範囲であり、2000~100000mg/Lが好ましい。1000mg/Lより少ない場合や100000mg/Lより大きい場合では、本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子及び無機多孔質体の凝集効果が最大限に発揮できなくなるためである。含油廃水のpHは、広域で使用可能であるが、高pHの場合は、pH9未満に調整することが好ましい。その場合、硫酸、塩酸やポリ塩化アルミニウム等を添加して調整する。好ましくはpH3以上で9未満の範囲である。
凝集処理に関しては、公知の処理方法を適用する。即ち、対象とする含油廃水に本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子を添加し、混合し凝集させた後、固液分離する処理方法であるが、廃水の懸濁物質の種類によって凝集沈殿処理あるいは凝集浮上処理が可能である。廃水のSS濃度(懸濁物質濃度)3000ppm以下の場合、より効率的に処理できるので好適である。SS濃度200ppmより低いと凝集効果が低くなるので、200ppm以上が好ましい。尚、これら分析値はJIS K 0102法に従い測定されたものである。
本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子は、製品のままの状態で添加しても良いし、任意の濃度に水で溶解、希釈して廃水に添加しても良い。溶解する場合は、一般的に溶解濃度0.05~0.3質量%を適用する。又、廃水に対する添加率は、通常10~1000ppm、好ましくは50~500ppmである。無機多孔質体は、任意に水溶液として用い、0.1~10質量%溶液が好ましい範囲である。添加率は、廃水に対して50~10000ppm、好ましくは100~5000ppmである。アニオン性高分子凝集剤を添加する場合は、溶解濃度0.05~0.3質量%を適用し、廃水に対する添加率は、1~100ppmの範囲で添加する。又、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸バンド等の無機系凝集剤と併用しても差し支えない。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
本発明における、アミノ化度10~100モル%、還元粘度1.0~12.0dL/gの範囲であるポリビニルアミン系水溶性高分子試料A~Fを常法により調製し準備した。これらの組成、物性を表1に示す。無機多孔質体としてベントナイト((株)ボルクレイ・ジャパン品、主成分Na-モンモリロナイト)、カオリン(関東化学(株)品)を用意した。又、一般的な廃水処理用の水溶性高分子試料1~7、高分子凝集剤用試料8を用意した。これらの組成、物性を表2に示す。
(表1)
Figure 0007166536000001
(表2)
Figure 0007166536000002
(予備試験例)
先ず、予備試験として、自動車部品製造廃水(pH6.4、SS分718mg/L、COD1020mg/L、n-ヘキサン抽出物量1540mg/L、濁度1900NTU、色相;灰色)を用い、ジャーテスト試験を実施した。廃水200mLをビーカーに採取しジャーテスターにセット、表1の本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子試料Dの0.2質量%溶解液を対廃水120ppm添加、100rpm60秒攪拌して凝集させ、フロック径を測定、処理水の色相を目視で測定した。同様な操作を表1の本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子試料E、F及び表2の水溶性高分子試料についても実施した。これらの結果を表3に示す。尚、原水の色相は灰色であり、凝集処理により油分が除去され、灰色→白色→黄色と変化する。
(表3)
Figure 0007166536000003
本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子を添加した場合には、廃水の色相が灰色から黄色に変化しており、油分が除去されていることが分かる。その他の高分子凝集剤を添加しても油分は除去できず、処理水の改善は得られなかった。試料1~3添加時ではフロックは形成しなかった。試料4や試料6、7添加時では、フロック径が比較的大きく、油分が凝集フロック内に除去されているように見えるが、実際には処理水は白色であり油分は除去されていないことが分かった。本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子が含油廃水において一般的な水溶性高分子試料に比べて有効であることが分かった。
(実施例1)
潤滑油製造廃水(pH9.2、SS分1438mg/L、COD46300mg/L、BOD188000mg/L、n-ヘキサン抽出物量23205mg/L、色相;灰色)についてジャーテスト試験を実施した。廃水200mLをビーカーに採取しジャーテスターにセット、硫酸を対廃水5000ppm添加、表1の本発明における試料Aの0.2質量%溶解液を対廃水100ppm添加、150rpm60秒撹拌後、ベントナイトの5質量%溶液を対廃水2000ppm添加、150rpm60秒撹拌後、高分子凝集剤用試料8の0.2質量%溶解液を対廃水5ppm添加、150rpm30秒、80rpm30秒、40rpm30秒攪拌した。撹拌停止後、処理水のCOD(化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)及びn-Hx抽出物量(n-ヘキサン抽出物量)をJIS K 0102法に則り測定した。又、処理水の色相を目視で測定した。これらの結果を表4に示す。尚、原水の色相は灰色であり、凝集処理により油分が除去され、灰色→白色と変化し、更に油水分離が進行するとほぼ透明~透明となる。
(実施例2~6、9、参考例7、8
実施例1と同じ廃水を対象に同様な試験を表1のポリビニルアミン系水溶性高分子、無機多孔質体の種類、量を変化させて実施した。結果を表4に示す。
(比較例1~17)実施例1と同じ廃水を対象に同様な試験を表1の本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子及び無機多孔質体併用以外の処方において実施した。これらの結果を表4に示す。
表4
Figure 0007166536000004
本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子及び無機多孔質体を併用した実施例では、廃水の原水の色相が灰色からほぼ透明あるいは透明になり、油分が除去されていることが分かる。又、処理水のCOD、BOD値が低下、特にn-Hx抽出物量が低下を示した。本発明におけるポリビニルアミン系水溶性高分子及び無機多孔質体を併用以外の処方では、廃水は灰色又は白色であり、処理水についても実施例に比べて大きな改善は認められず、実施例の様に油分が効率的に除去されていないことが判明した。
(表4)に記載のジャーテスト試験後の処理水。左から、比較例14、実施例4、実施例3の順。比較例14に比べて実施例4、実施例3では油水分離が進行し、色相は、ほぼ透明あるいは透明であった。

Claims (5)

  1. 含油廃水に、1mol/L濃度の食塩水溶液中での25℃における還元粘度が6.0~12.0dL/gであり、アミノ化度が10~50モル%の範囲であるポリビニルアミン系水溶性高分子を添加、撹拌した後、無機多孔質体を添加し凝集処理することを特徴とする含油廃水の処理方法。
  2. 前記含油廃水のn-ヘキサン抽出物量が、1000~100000mg/Lの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の含油廃水の処理方法。
  3. 前記含油廃水のSS濃度が、200~3000mg/Lの範囲であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の含油廃水の処理方法。
  4. 前記無機多孔質体が、ベントナイト、カオリン、タルク、シリカゲル、珪藻土から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の含油廃水の処理方法。
  5. 前記含油廃水のpHを9未満に調整することを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の含油廃水の処理方法。
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