JP7160396B2 - 銀製品 - Google Patents
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Description
特に、純銀及び99.9重量%以上の純度を有する銀合金を用いているにもかかわらず、高硬度であって、かつ、金属アレルギーや金属腐食、変色等の発生が少ない銀製品及びその製造方法に関する。
このSV925は、高硬度を付与する観点から、他の金属成分として、所定量の銅等を含むため、銀食器等の銀製品が直接皮膚に触れた際の、金属アレルギーの発生や金属腐食、変色の原因となっていた。
しかしながら、純銀やSV999は、そのビッカース硬度(以下、単に、HVと称する場合がある。)や機械的強度が、製品としては不足しており、加工性が悪いばかりでなく、その形状を長時間にわたって維持することが困難であるといった問題があった。
より具体的には、99.9重量%以上の純度を有する銀(Ag)100重量部と、微小量のアルミニウム(Al)を溶解炉に入れて、鋳造して鋳物とした後、再度溶融して成形することにより、微小量のAlをAgで被覆してなる、ビッカース硬度を50以上とするAg合金の製造方法が提案されている。
また、得られるAg合金のビッカース硬度が50HV以上であって、より具体的には、Alの配合量が0.05重量%において、約63HVであり、Alの配合量が0.09重量%であっても、約83HVであって、それぞれビッカース硬度としては未だ不十分であった。
その上、得られるAg合金においては、0.05重量%や0.09重量%等のAlを含有していることから、体積抵抗率が増加したり、金属腐食が生じたり、さらには、変色が生じたりするなどの問題点が見られた。
すなわち、本発明は、銀製品を所定の結晶構造を有する純銀又は、超高純度の銀合金から形成してあることから、ビッカース硬度を容易に制御することができ、かつ、金属アレルギー、金属腐食の発生や変色発生が少ない銀製品及びそのような銀製品の効率的かつ経済的な製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の銀製品によれば、所定の結晶構造を有する純銀又は銀合金から形成してあることから、メッキ層があっても、なくても、銀製品において高いビッカース硬度を容易に得ることができ、かつ、Al等の配合が実質的に不要であって、使用者における金属アレルギー、金属腐食の発生や変色発生が少なく、長期間にわたって外観性に優れた銀製品とすることができる。
また、加工後の銀製品の導電性をより高めることができ、ひいては、各種導電製品の全体又は一部として、良好な導電性や帯電防止性を発揮することができる。
このように構成することで、例えば、銀製品がプレス処理され、さらに、メッキ処理された銀地金に由来し、所定のバレル処理等を施された場合に、極めて高いビッカース硬度を得ることができる。
したがって、得られた銀製品に好適に使用できるとともに、使用者における金属アレルギーの発生や変色発生を抑制しつつ、より長期間にわたって、銀製品の外観性を保つことができる。
このように構成することにより、銀製品の結晶構造がより好適となって、銀製品のビッカース硬度をより容易かつ、精度良く制御することが出来る。
このように構成することにより、銀製品の結晶構造がさらに好適となって、銀製品のビッカース硬度をさらに容易かつ、精度良く制御することが出来る。
すなわち、本発明の銀製品であれば、所定の結晶構造を有することから、銀製品の硬化性を容易に制御することができ、ひいては加工後において、優れた加工性を維持したまま、さらに金属アレルギーの発生や変色、さらには金属腐食が少ない電極部材や回路部材等を得ることができる。
第1の実施形態は、純銀又は99.9重量%以上の純度を有する銀合金から形成されてなる銀製品であって、銀製品のバレル処理後におけるビッカース硬度を60HV以上とし、かつ、図1(a)~(b)に示すように、銀製品のXRD分析によって得られるX線回折チャートにおける2θ=38°±0.2°のピーク(S1)の高さをh1とし、2θ=44°±0.4°のピーク(S2)の高さをh2としたとき、図2に示すように、h2/h1の値を0.2以上とすることを特徴とする銀製品である。
なお、図1(a)は、実施例1に基づくXRD分析によって得られるX線回折チャートであって、図1(b)に示すのは、比較例1に基づくXRD分析によって得られるX線回折チャートである。
また、図2は、銀製品のビッカース硬度(初期値)と、XRD分析によって得られるX線回折チャートの所定ピークの高さ(h1、h2)の比率(h2/h1)との関係性を示す図である。
第1の実施形態の銀製品は、純銀又は99.9重量%以上の純度を有する銀合金から形成されることを特徴とする。
すなわち、電圧印加等した場合に、金属腐食や変色の発生が少ないことから、純銀又は極めて高純度である99.9重量%以上の銀を含有することを特徴とする。
なお、以下の説明において、純銀とは、銀元素以外の元素について、例えば、グロー放電質量分析装置等によって測定される質量分率で0.001重量%を超えないものを示す。
したがって、銀の純度としては、99.9~100重量%の範囲内の値であり、99.93~100重量%の範囲内の値であることがより好ましく、99.98~100重量%の範囲内の値であることがさらに好ましい。
また、銀製品が上述した銀合金からなる場合の、銀以外の残余成分としては、金(Au)や、白金(Pt)、またはスズ(Sn)等を含むことが好ましい。
但し、従来は、このように極めて高純度の銀の場合、ビッカース硬度の値が相当小さくて、加工性が乏しかったり、使用用途が極めて制限されたりするなどの問題が見られ、実使用された例はなかった。
さらに、銀の純度及び99.9重量%以上の銀合金に含まれる微量成分量は、元素分析法、例えば、蛍光X線分析法(XPS)、原子吸光法(AAS)、ICP発光分光分析法等を用いて行うことができる。
また、第1の実施形態の銀製品の形状や構成等は特に制限されるものではないが、例えば、電極部材、回路部材、伝熱製品、反射材、医療器具、装身具、装飾品、銀粘土等のいずれか1つであることが好ましい。
この理由は、これらの所定形状を有する銀製品であれば、金属アレルギー、金属腐食や変色の発生が少ないという効果をより享受できるためである。
さらに言えば、所定形状の銀製品であれば、硬化性を容易に制御することができ、ひいては加工後において、優れた加工性を維持したまま、金属アレルギー、金属腐食の発生や変色をより少なくすることができる。
すなわち、銀製品の用途を説明するための一例としての示す、図13(a)においては、半導体集積回路33のリードフレーム32、及びTABテープ34のリード31を銀製品として構成することが好ましい。
すなわち、銀製品の用途を説明するための一例としての示す、図13(b)においては、基材37と、絶縁保護部36とに覆われた、導体35を銀製品として構成することも好ましい。
また、反射材や装身具としては、腕時計やバックル、ネクタイピン、カフス、眼鏡、ネイルアート素材、所定形状の再帰性反射シートにおける反射粒子の粒子面の一部に積層する反射部材等が挙げられる。
また、装飾品としては、エンブレム、装飾チェーン、鏡、置物等の少なくとも一つが挙げられ、銀粘土を焼結することによって作製されたものも挙げられる。
さらに、銀食器としては、お皿、ボウル、コップ、ティーカップ、ナイフ、フォーク、スプーン、バターナイフ、マドラー、栓抜き、トング等の少なくとも一つが挙げられる。
(1)初期値
第1の実施形態の銀製品は、バレル処理後におけるビッカース硬度(初期値)を60HV以上の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかるビッカース硬度の値が60HV未満になると、外部からの圧力によって容易に変形したり、あるいは、得られる製品の耐久性も不十分となったりする場合があるためである。
なお、ビッカース硬度が高いほど耐久性の観点から好ましいものの、過度に高い場合には、加工性及び取扱性の観点で好ましくない場合がある。
したがって、銀製品のバレル処理後におけるビッカース硬度を70~200HVの範囲内の値とすることが好ましく、かかるビッカース硬度を80~180HVの範囲内の値とすることがより好ましい。
より具体的に、図3(a)は、横軸に、バレル処理による加工時間を採って示してあり、縦軸に、メッキ処理も、プレス処理を行っていない銀製品のバレル処理後におけるビッカース硬度(初期値)を採って示してある。
そして、図3(a)中の特性曲線から判断して、バレル処理による加工時間を調節し、好適なビッカース硬度(初期値)、すなわち、60HV以上の値とすることができることが理解される。
したがって、図9(b)に示すように、バレル処理のみを施した銀製品について、メッキ処理の単位厚さあたりのビッカース硬度(初期値)を0.8~1.2HVの範囲内の値で高くすることができる。例えば、厚さ30μmメッキ処理を施した場合、100HV以上の値とできることが理解される。
この現象は、バレル処理を施した銀製品の表面状態に倣ってメッキが結晶成長することで結晶配向性が高くなり、メッキ表面に再度バレル処理を施すことなく、ビッカース硬度(初期値)が高くなったものと思われる。
したがって、図4(a)に示すように、その傾向から、メッキ処理、及びプレス処理を施した銀製品であれば、バレル処理後のビッカース硬度(初期値)を140HV以上の値とできることが理解される。よって、銀製品のバレル処理後のビッカース硬度(初期値)を150~200HVの範囲内の値とすることがより好ましく、160~180HVの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、メッキ処理又はプレス処理を施した銀製品に関して、バレル処理後のビッカース硬度といった場合には、バレル処理を施した銀製品に対して、メッキ処理又はプレス処理を行った場合のビッカース硬度を示す。
また、第1の実施形態の銀製品は、バレル処理後、80℃、48時間でエージング処理したのちの、ビッカース硬度を60HV以上の値とすることが好ましい。
この理由は、銀製品の戻り効果等によって、かかるビッカース硬度の値が60HV未満になると、外部からの圧力によって容易に変形したり、あるいは、得られる銀製品の耐久性も不十分となったりする場合があるためである。
したがって、銀製品のバレル処理後、80℃、48時間でエージング処理したのちの、ビッカース硬度を70~200HVの範囲内の値とすることがより好ましく、ビッカース硬度を80~180HVの範囲内の値とすることがより好ましい。
より具体的に、図3(b)は、横軸に、バレル処理による加工時間を採って示してあり、縦軸に、メッキ処理も、プレス処理を行っていない銀製品のバレル処理後におけるビッカース硬度(エージング後)を採って示してある。
そして、図3(b)中の特性曲線から判断して、バレル処理による加工時間を調節し、好適なビッカース硬度(エージング後)、すなわち、少なくとも60HV以上の値とすることができることが理解される。
したがって、その傾向から、メッキ処理、及びプレス処理を施した銀製品であれば、バレル処理後のビッカース硬度(エージング後)を120~200HVの範囲内の値とすることがより好ましく、140~180HVの範囲内の値とすることがさらに好ましいと言える。
また、バレル処理後、100℃で5分間加熱して、アニーリングした銀製品のビッカース硬度を60HV以上の値とすることが好ましい。
この理由は、一度硬化した銀製品が、加熱によって軟化してしまい、かかる硬度が60HV未満の値となると、得られる銀製品の耐久性が不十分となる場合があるためである。
すなわち、一般的に金属は、延伸などの加工(塑性変形)することによって、硬くなる性質があるが、加熱することで軟化して硬度が低下してしまうことがある。
よって、バレル処理後、100℃で10分間、アニーリングした銀製品のビッカース硬度を60HV以上の値とすることがより好ましく、100℃で30分間、アニーリングした銀製品のビッカース硬度を60HV以上の値とすることがさらに好ましい。
ここで、図14に、横軸を100℃でのアニーリングした時間とし、縦軸を銀製品のビッカース硬度として、バレル処理及びメッキ処理を施した銀製品(A)とバレル処理を施した銀製品(B)を100℃で所定時間、加熱した際のビッカース硬度の変化を示す。
これらの結果から、100℃で30分以上加熱した場合であっても、AとBのビッカース硬度を60HV以上の値とすることが理解できる。また、特にAについては、100℃で30分以上加熱した場合であっても、ビッカース硬度を100HV以上の値で維持できることが理解できる。
(1)h2/h1
第1の実施形態の銀製品は、図2に示すように、XRD分析によって得られるX線回折チャートにおける2θ=38°±0.2°のピークの高さをh1とし、2θ=44°±0.4°のピークの高さをh2としたとき、h2/h1の値を0.2以上とすることを特徴とする。
この理由は、かかるピークの高さ(h1、h2)の比(h2/h1)の値を0.2以上とした場合、メッキ層があっても、なくても、銀製品の結晶構造を好適なものとすることができ、高いビッカース硬度を得やすくなるためである。
また、高いビッカース硬度を得た際に、そのビッカース硬度を長時間維持しやすくなるためである。
したがって、h2/h1の値を0.5以上とすることがより好ましく、1.0以上とすることがさらに好ましい。
そして、図9(a)に示すように、バレル処理を施した銀製品に対し、30μmのメッキ処理を施したものについて、XRD分析によって得られるX線回折チャートにおける2θ=38°±0.2°のピーク(S1)の高さをh1とし、2θ=44°±0.4°のピーク(S2)の高さをh2としたとき、h2/h1の値を1.1以上とすることが好ましい。
この理由は、バレル処理に加えて、メッキ処理、及びプレス処理を施した銀製品について、かかるピークの高さの比(h2/h1)の値を1.1未満とした場合、銀製品の結晶構造をより好適なものとすることができない場合があるためである。
よって、より高いビッカース硬度が得られにくい場合やより高くなったビッカース硬度を長時間維持しにくい場合があるためである。
したがって、h2/h1の値を1.3以上とすることがより好ましく、1.5以上の値とすることがさらに好ましい。
すなわち、図2の特性曲線の上部に示すように、これらの処理を行うことで、h2/h1の値が大きく上昇し、銀製品の結晶構造がより好適なものとなり、かつ、ビッカース硬度をさらに高い値に制御することができる。
この理由は、ビッカース硬度と同様に、一度硬化した銀製品が、加熱によって軟化してしまい、得られる銀製品の耐久性が不十分となることを防ぐためである。
すなわち、バレル処理後、100℃で10分間、アニーリングした銀製品のh2/h1の値を1.3以上とすることがより好ましく、1.5以上の値とすることがさらに好ましい。
ここで、図15に、横軸を100℃でのアニーリングした時間とし、縦軸を銀製品のh2/h1の値として、バレル処理及びメッキ処理を施した銀製品を100℃で所定時間、加熱した際のビッカース硬度の変化を示す。
これらの結果から、バレル処理及びメッキ処理を施した銀製品を100℃で30分以上加熱した場合であっても、h2/h1の値を1.5以上の値とすることができることが理解できる。
第1の実施形態の銀製品は、図5(a)~(c)に示すように、メッキ層がなく、プレス処理が行われず、かつ、バレル処理のみの加工において、XRD分析によって得られるX線回折チャートにおける2θ=38°±0.2°のピーク(S1)の半値幅をW1とし、2θ=44°±0.4°のピーク(S2)の半値幅をW2としたとき、図6(a)に示すように、銀製品のビッカース硬度をHVとする場合、HV×W2の値を、18以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるHV×W2の値を、18以上の値とした場合、銀製品の結晶構造をより好適なものとすることができ、高いビッカース硬度を得るのがより容易となるためである。
なお、図5(a)~(c)は、メッキ層がなく、プレス処理が行われず、かつ、バレル処理のみの加工を施された銀製品の、XRD分析によって得られるX線回折チャートにおける2θ=38°±0.2°のピーク(S1)の半値幅をW1とし、2θ=44°±0.4°のピーク(S2)の半値幅をW2としたときの、バレル処理による加工時間と、W1、W2それぞれとの関係性を示す図である。
第1の実施形態の銀製品は、図6(b)に示すように、銀製品のビッカース硬度をHVとし、X線回折チャートにおける2θ=38°±0.2°のピークの半値幅をW1とし、2θ=44°±0.4°のピークの半値幅をW2としたときに、HV×(W1/W2)の値を48以上とすることが好ましい。
この理由は、かかるHV×(W1/W2)の値を、48以上とした場合、銀製品の結晶構造をより好適なものとすることができ、高いビッカース硬度を得るのがより容易となるためである。
また、第1の実施形態の銀製品を構成するにあたり、体積抵抗率を2μΩ・cm以下の値とすることが好ましい。
この理由は、図7に示すように、バレル処理時間等を調整することによって、体積抵抗率を制御することにより、加工後の銀製品の導電性を良好とし、ひいては帯電防止性をより高めることができるためである。
したがって、銀製品の導電性がさらに良好になるとともに、帯電防止性やインピーダンス特性についても良好となることから、銀製品の体積抵抗率を0.001~1.8μΩ・cm範囲内の値とすることがより好ましく、0.01~1.5μΩ・cm範囲内の値とすることがさらに好ましい。
より具体的には、四端子法により測定された、測定長さごとの抵抗を縦軸にとり、横軸に測定長さを採ってグラフ化し、それから得られる直線の傾きから算出することができる。
また、銀製品を構成するにあたり、図8(a)~(c)に示すように、表面にメッキ層を形成することが好ましい。
この理由は、第2の実施形態で詳述するように、所定条件でメッキし、所定厚さのメッキ層を形成することにより、銀製品において、さらに高いビッカース硬度を得ることができるためである。
その上、銀メッキが、表面の凹凸を修復して、研磨処理によって、表面平滑度や光沢度がさらに高い銀製品を得ることができるためである。
この理由は、このような厚さのメッキ層であれば、通常の電解メッキ法や、無電解メッキ法により、短時間で、かつ、安定的に形成することができ、ひいては、ビッカース硬度の向上や、光沢度の上昇、さらには、研磨処理等の容易さが得られるためである。
したがって、銀製品にメッキ層を形成する場合、その平均厚さを0.1~80μmの範囲内の値とすることがより好ましく、1~50μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
このように表面処理を行うことで、セレン等がメッキ層に溶け込むとともに、溶け込んだセレン等が、表面から1~5μmの位置に、グロー放電質量分析装置やICP発行分光分析法等で測定される質量分率で0.001~0.01重量%の層を形成するためである。
一般的に、銀のメッキ液にセレン等を含むことで、ある程度、メッキ層のビッカース硬度を高くできることは知られているが、メッキ液に同じ濃度のセレン等を混ぜて時に比べて、高いビッカース硬度とすることができる。
この理由は、バレル処理を施した銀製品に対して、当該表面処理を行い、結晶配向性の高いメッキ層を形成することで、セレン等が分散せずに層を形成し、ビッカース硬度を高めることに有効に働いたものと考えられる。
よって、当該方法で表面処理を行うことで、メッキ層を形成した場合のビッカース硬度をさらに高くすることができる。
また、銀製品を構成するにあたり、表面に多角形状模様(亀甲模様と称する場合がある。)を有することが好ましい。
すなわち、図10(b)に示すように、表面が単に平滑であった銀製品の表面に、図10(a)に示すように、多角形状模様を有する銀製品の表面とすることが好ましい。
この理由は、このように多角形状模様をマーカーとして、バレル研磨の程度や、加工後の銀製品のビッカース硬度を推認することができ、ひいては、ビッカース硬度が所定範囲にあることを確認することができるためである。
したがって、加工後の銀製品の硬化性を安定的に維持しつつも、加工後の銀製品の経時安定性を確実に向上させることを視覚にて推認できるためである。
なお、銀製品の表面に多角形状模様を有することは、光学顕微鏡を用いて、容易に確認することができる。
従来、銀製品において、付属の銀付属品等がある場合に、銀製品の本体に対して、付属の銀付属品等を、銀ロウを用いて固定している場合が多かった。
この点、これらの銀製品の全体量における銀ロウの使用量は極めて少ないことから、金属アレルギー、金属腐食の発生や変色発生は、相当少ないことが判明している。
しかしながら、金属腐食の発生や変色発生が事実上、見られないという観点において、銀ロウに含まれる銀以外の金属、例えば、Ni、Cu、Zn、Al等の含有量を0.1ppm以下とすることが好ましく、0.01ppm以下とすることが好ましく、0.001ppm以下とすることがさらに好ましい。
より具体的には、図11(a)に製造工程の一部を示すが、一例として、円筒形の穴22と、針状の銀部材23を、かしめ構造とすることが好ましい。
また、針状の銀部材23の代わりに、その頭部26aが、プレス機等によって軸とは垂直な方向に平らに広げられて、バレル処理によって硬化された、釘状の銀部材26を用いることが好ましい。
このような構造であれば、図11(b)に示すように、あらかじめ銀製品の本体24に、頭部26aを囲うように、円形に2~8個、好ましくは、3~6個の爪25を配置し、頭部26aが円の中心にくるようにして爪25を折り込んで、容易かつ強固に固定できるためである。
第2の実施形態は、純銀又は99.9重量%以上の純度を有する銀合金から形成されてなる銀製品の製造方法であって、下記工程(1)~(2)を含むことを特徴とする銀製品の製造方法である。
(1)所定形状の銀製品を準備する工程
(2)所定形状の銀製品を磁気バレルで表面処理して加工硬化させて、所定形状の銀製品のビッカース硬度を60HV以上とし、かつ、所定形状の銀製品のXRD分析によって得られるX線回折チャートにおける2θ=38°±0.2°のピークの高さをh1とし、2θ=44°±0.4°のピークの高さをh2としたとき、h2/h1の値を0.2以上とする工程
純銀又は99.9重量%以上の純度を有する銀合金を準備し、それを加熱し、溶解させて、鋳型等を用いて所定形状の銀製品を準備する工程である。
また、例えば、バネ端子のように、平板状の本体と細いバネのような付属品がある場合は、鋳型等を用いて所定形状とした本体に対して、それを結合させて、所定形状の銀製品を準備することが好ましい。
なお、上述したように、メッキ処理、及びプレス処理を施した銀製品であれば、バレル処理によって、ビッカース硬度が相当高い値になることが判明している。
したがって、メッキ層を有し、かつ、プレス処理を施した銀製品であれば、バレル処理後に、高いビッカース硬度が得られることから、そのような銀製品を準備することが好ましい。
(1)バレル装置
図12に、所定形状の銀製品を表面研磨等するためのバレル装置10の一例を示す。
すなわち、例えば、処理する銀製品を含むバレル液2を収容するバレル槽1、バレル材3(3a、3b)、回転磁石4、磁石ケース5、モータ6、回転軸7、外装8と、からバレル装置10が構成してあることが好ましい。
そして、図12中の矢印Aに示されるように、モータ6に連結した回転軸7が回転し、それに伴い、回転磁石4も回転して、バレル液2中の、被処理物(図示せず)及びバレル材3(3a、3b)が衝突しながら回転移動し、表面処理としてのバレル処理を行うものである。
所定形状の銀製品に対するバレル装置による攪拌処理時間は、適宜変更することができるが、通常、1~120分の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、攪拌処理時間が過度に短く、1分未満になると、加工硬化が生じずに、所望の結晶構造とするのが困難な場合があるためである。
一方、攪拌処理時間が過度に長く、120分を超えると、一旦形成された所望の結晶構造が変化して、やはり加工硬化の効果が生じない場合があるためである。
したがって、バレル装置による攪拌処理時間を5~60分の範囲内の値とすることがより好ましく、10~30分の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
所定形状の銀製品に対するバレル装置による攪拌速度についても、適宜変更することができるが、通常、回転数にとらえて、1~120rpmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、攪拌速度が過度に短く、1rpm未満になると、銀製品と、バレル材との表面衝突の割合が言い著しく低下し、加工硬化が生じずに、所望の結晶構造とするのが困難な場合があるためである。
一方、攪拌速度が過度に長く、120rpmを超えると、処理液が過度に泡立ったり、あるいは、一旦形成された所望の結晶構造が変化して、やはり加工硬化の効果が生じない場合があるためである。
したがって、バレル装置による攪拌速度を10~80rpmの範囲内の値とすることがより好ましく、20~60rpmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
所定形状の銀製品に対する表面研磨等のために、バレル装置に用いるバレル材(メディアと称する場合もある。)についても、適宜変更することができるが、通常、ステンレス(SUS304、403等)製の球状物や針状物を用いることが好ましい。
より具体的には、一例であるが、通常、直径0.1~5mmの、ステンレスの球状バレル材と、直径0.5~5mm、直径0.005~5mmの針状の、ステンレスの針状バレル材とを、重量比で10:90~90:10の範囲で混合使用することが好ましく、20:80~80:20の範囲で混合使用することがより好ましい。
そして、球状や針状等のバレル材は、磁気バレル装置との関係で、それぞれ衝突エネルギーを増加させやすいことから、バレル材料は、上述したステンレスであっても、それが磁化されてなる磁化材料から構成されていることが好ましい。
また、バレル装置においてバレル処理を実施するに際して、バレル液と呼ばれる溶液状態で行うことが好ましい。
そして、その場合、バレル液とするのに水道水であって良いが、安全かつ安心に加工処理するため、蒸留水を使用することがより好ましい。
さらに、例えば、バレル液の温度を20~50℃、バレル液のpHを6~8の間に管理するとともに、バレル液中の不可避的な銅、鉄、アルミニウムの含有量を、それぞれ0.1ppm以下の値とすることが好ましく、0.05ppm以下の値とすることがより好ましく、0.01ppm以下の値とすることがさらに好ましい。
(1)種類
所定形状の銀製品の表面にメッキする場合、そのメッキの種類としては、銀を主体とすることが好ましいが、その他、金や白金等のメッキであっても好ましい。
メッキが、銀、金、白金等であっても、ビッカース硬度の向上や、光沢度の上昇、さらには、研磨処理等の容易さが得られるためである。
また、メッキ処理条件としては、公知の処理条件が採用され、典型的には、無電解メッキや電解メッキ等が好適である。
無電解メッキであれば、得られるメッキの厚膜化が、比較的時間がかかるという問題があるが、メッキ液への電界を形成する電源装置等が必要であるものの、バラツキが少なく、比較的均一な厚さを有するメッキを得ることができる。
したがって、電解メッキのメッキ条件として、メッキ槽にメッキ液を収容したのち、銀製品を一方の電極として、通常、電流値を10~200mA/cm2、電流印加時間30秒~30分の範囲内とすることが好ましい。
例えば、第1段階で、図8(a)に示すように、無電解メッキ12によって、銀製品の表面に対して、1μm以下の厚さt1の薄膜メッキ層を直接的かつ部分的に形成し、概ね平滑化しておくことが好ましい。
次いで、第2段階で、図8(b)~(c)に示すように、t1に対して1~10%研磨して、厚さt2に平滑化された無電解メッキ12上に、電解メッキ13を行うによって、銀製品の表面に対して、1μm越え、より好ましくは、10μm以上の厚さt3のメッキ層を間接的に形成することが好ましい。
そして、t3に対して1~10%の研磨処理を行うことで、厚さt4に平滑化した電解メッキ13とし、効果的に銀製品の表面全体を平滑化することが好ましい。
銀製品の製造工程においては、所定形状を得るために、プレス処理されてなることも好ましい。
この理由は、プレス処理による加工を行うことで、銀製品の材料内部まで力が加わり、より高いビッカース硬度を得やすくなるためである。
また、プレス処理による成形を行う場合、量産が容易であって、製造コストを削減できる場合があるためである。
なお、プレス処理及びメッキ処理を行う場合には、先にプレス処理を行い、それからメッキ処理を行うことが好ましい。
プレス処理において、表面が荒れたような場合でも、メッキ処理により、平坦化することができるためである。
なお、プレス処理工程においては、公知の方法を用いることができ、ローラープレスや、フリクションプレス等を適宜使用することが出来る。
また、プレス処理工程においては、ローラーの線圧として、印加する圧力を2~100N/cmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる圧力が2N/cm未満となると、銀製品としての好適な硬度が得られない場合があるためである。
一方、かかる圧力が100N/cmを超えると、ロール装置に対する負荷が過剰に高くなったり、あるいは、得られる硬度のばらつきが大きくなったりする場合があるためである。
したがって、プレス処理工程においては、ローラーの線圧として、印加する圧力を10~80N/cmの範囲内の値とすることがより好ましく、20~50N/cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
1.所定形状の銀製品の準備工程
100重量%の純度を有する銀を準備し、金属蒸着装置を用いて、厚さ0.5mmの強化ガラス基板上に、真空蒸着し、厚さ1μmの銀薄膜を形成した。
準備した強化ガラス基板上の銀薄膜につき、図8に概要を示す、磁気式バレル装置、プリティックM((株)プライオイティ製)を用いて、バレル処理を行った。
すなわち、当該バレル装置内部の攪拌層に、水1000g、所定形状の銀製品100g、直径1mmの球状のSUS(SUS304)を磁化させた磁性材料からなるバレル材100g、光沢剤1gを投入した。
次いで、バレル装置を駆動させ、バレル処理を60rpmの回転速度で、攪拌層を水平方向/縦方向に回転させながら、バレル処理時間10分として、バレル処理を実施した。
(1)ピークの高さの比(h2/h1)(評価1)
バレル処理によって得られた所定形状の銀製品につき、XRD分析を行った。
次いで、得られたX線回折チャートにおける、2θ=38°±0.2°のピークの高さ(h1)と、2θ=44°±0.4°のピークの高さ(h2)を求め、ピークの高さの比(h2/h1)を算出した。
バレル処理によって得られた所定形状の銀製品のみを、攪拌槽からすぐに取り出し、それらの表面を乾いた布で乾かした後、所定形状の銀製品の表面のJIS B2244:2009(以下、同様である。)に基づくビッカース硬度(初期値)を、ビッカース硬度計を用いて少なくとも3点測定し、それから平均値を算出した。
◎:80HV以上である。
〇:70HV以上である。
△:60HV以上である。
×:60HV未満である。
バレル処理によって得られた所定形状の銀製品のうち、HV硬度を測定したサンプルを、80℃に保持されたオーブン中に、48時間保管した後、それらを取出した。
室温に戻した後、所定形状の銀製品の表面のビッカース硬度(エージング後)を、ビッカース硬度計を用いて少なくとも3点測定し、それから平均値を算出した。
◎:80HV以上である。
〇:70HV以上である。
△:60HV以上である。
×:60HV未満である。
バレル処理によって得られた所定形状の銀製品につき、XRD分析を行った。
次いで、得られたX線回折チャートにおける、2θ=44°±0.4°のピークの半値幅(W2)を求め、ビッカース硬度の初期値をHVとしてHV×W2の値を算出し、下記基準に沿って評価した。
◎:HV×W2≧30である。
〇:HV×W2≧25である。
△:HV×W2≧18である。
×:HV×W2<18である。
バレル処理によって得られた所定形状の銀製品につき、XRD分析を行った。
次いで、得られたX線回折チャートにおける、2θ=38°±0.2°のピークの半値幅(W1)を求め、ビッカース硬度の初期値をHVとしてHV×(W1/W2)の値を算出し、下記基準に沿って評価した。
◎:HV×(W1/W2)≧60である。
〇:HV×(W1/W2)≧48である。
△:HV×(W1/W2)≧40である。
×:HV×(W1/W2)<40である。
得られた強化ガラス基板上の銀薄膜につき、フォトエッチング処理して、巾1.0mm、スペース0.2mmの複数のライン状の銀薄膜とした。
次いで、四端子法を用いて、ライン状の銀薄膜の抵抗値を1cm間隔で、4点測定し、横軸に長さ、縦軸に抵抗値を採ってグラフ化した。
次いで、そのグラフにおける特性直線の傾きをもって、銀薄膜の体積抵抗率(μΩ・cm)を測定し、下記基準に沿って評価した。
◎:1.5μΩ・cm以下である。
〇:1.8μΩ・cm以下である。
△:2.0μΩ・cm以下である。
×:2.0μΩ・cm超である。
体積抵抗率を測定したのと同様のサンプルを作成し、隣接する導体間(スペース0.2mm)に25Vの電圧を、48時間連続印加し、金属腐食が発生するか、否かを目視検討し、以下の基準に沿って評価した。
◎:金属腐食の発生が全く観察されなかった。
〇:金属腐食の発生がわずかに観察された。
△:金属腐食の発生が少々観察された。
×:金属腐食の顕著な発生が観察された。
体積抵抗率を測定したのと同様のサンプルを作成し、500リットルの容器内に収容した200gの硫化水素水に、浸漬した。
次いで、500リットルの容器内で銀薄膜に発生した変色を、以下の基準に沿って評価した。
◎:168時間経過しても、顕著な変色はない。
〇:168時間経過後に、わずかな変色が観察された。
△:168時間経過後に、顕著な変色が観察された。
×:168時間未満に、顕著な変色が観察された。
実施例2においては、バレル処理時間を30分と長くした以外は、実施例1と同様に、銀製品を得て、ビッカース硬度等を評価した。
実施例3においては、バレル処理時間を45分とより長くした以外は、実施例1と同様に、銀製品を得て、ビッカース硬度等を評価した。
実施例4においては、バレル処理時間を60分とさらに長くした以外は、実施例1と同様に、銀製品を得て、ビッカース硬度等を評価した。
実施例5においては、バレル処理時間を5分と短くした以外は、実施例1と同様に、銀製品を得て、ビッカース硬度等を評価した。
参考例6においては、実施例1の銀薄膜のかわりに、厚さ10μmの銀層を形成し、その上に、電解メッキを行い厚さ20μmの銀メッキ層を形成し、それをバレル研磨処理し、表面を平滑化したほかは、実施例1と同様に、銀製品を得て、ビッカース硬度等を評価した。
参考例7においては、実施例1の銀薄膜のかわりに、厚さ10μmの銀層を形成し、その上に、30μm厚さの電解メッキを行った後、それをバレル研磨処理したほかは、実施例4と同様に、銀製品を得て、ビッカース硬度等を評価した。
参考例8においては、実施例1の銀薄膜のかわりに、厚さ10μmの銀層を形成し、その上に、電解メッキを行い厚さ10μmの銀メッキ層を形成し、それをバレル研磨処理し、表面を平滑化したほかは、実施例4と同様に、銀製品を得て、ビッカース硬度等を評価した。
実施例9~13及び参考例14~16においては、実施例1~5及び参考例6~8の銀製品に対して、それぞれバレル処理前等に、金属プレスロール装置を用いて、線圧が50N/cmの条件でプレス処理を行ったほかは、実施例1~5及び参考例6~8と同様に、銀製品を得て、ビッカース硬度等を評価した。
その結果、それぞれの金属アレルギー性は、良好な結果を維持しながら、100HV以上の高いビッカース硬度が得られることが確認された。
比較例1においては、バレル処理を全く行わなかったほかは、実施例1と同様に、銀薄膜を得て、ビッカース硬度等を評価した。
比較例2においては、電解メッキを行い、20μm厚さの銀メッキ層を形成したほかは、比較例1と同様に、銀製品を得て、ビッカース硬度等を評価した。
その上、所定のバレル処理をされた銀製品に由来し、プレス処理され、さらに、メッキ処理されたものとすることで、極めて高いビッカース硬度を得ることができるようになった。
そのため、例えば、骨折等の手術の後、一時的に骨を正常な位置で固定するためのボルトや金具に使用することで、長期間使用してもアレルギー等の発症リスクが低く、被使用者に影響の少ない銀製品とすることが期待できる。また、遠隔からの操作で、手術を行うことのできる手術ロボットのハンド部分に使用することで、安全で衛生的な運用が期待できる。そして、歯の詰め物や被せ物に使用することで、食事によって溶け出る等のリスクが低減されることが期待できる。
しかも、本発明の銀製品及び銀製品の製造方法によれば、銀の塑性変形が大きく、所定条件(80℃、48時間)でエージングしても、結晶構造が元に戻って、ビッカース硬度が低下するなどの現象も特にみられなかった。
したがって、本発明に由来した銀製品を構成する銀自体であれば、発熱特性が小さい導電材料の用途への使用も期待される。
Claims (5)
- 純銀又は99.9重量%以上の純度を有する銀合金からなる銀製品(但し、銀宝飾品、及び、純銀又は99.9重量%以上の純度を有する銀合金からなる銀メッキを有する銀製品をそれぞれ除く。)であって、
前記銀製品のバレル処理後におけるビッカース硬度を60HV以上(但し、断面減少率としての加工率を95%以上としたときのビッカース硬度が90~100HVである場合を除く。)とし、かつ、
前記銀製品の、XRD分析によって得られるX線回折チャートにおける2θ=38°±0.2°のピークの高さをh1とし、2θ=44°±0.4°のピークの高さをh2としたとき、h2/h1の値を0.2以上とし、
体積抵抗率を2μΩ・cm以下とすることを特徴とする銀製品。 - 前記銀製品のビッカース硬度を100HV以上とし、かつ、
前記銀製品の、XRD分析によって得られるX線回折チャートにおける2θ=38°±0.2°のピークの高さをh1とし、2θ=44°±0.4°のピークの高さをh2としたとき、h2/h1の値を1.0以上とすることを特徴とする請求項1に記載の銀製品。 - 前記銀製品のビッカース硬度をHVとし、前記銀製品のXRD分析によって得られるX線回折チャートにおける2θ=44°±0.4°のピークの半値幅をW2としたときに、HV×W2の値を18以上の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の銀製品。
- 前記銀製品のビッカース硬度をHVとし、前記銀製品のXRD分析によって得られるX線回折チャートにおける2θ=38°±0.2°のピークの半値幅をW1とし、2θ=44°±0.4°のピークの半値幅をW2としたときに、HV×(W1/W2)の値を48以上とすることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の銀製品。
- 前記銀製品が電極部材、伝熱製品、回路部材、半田代替材、医療器具、反射材、銀粘土、又は銀食器、のいずれか1つであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の銀製品。
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