JP7152183B2 - 硬化性組成物及び硬化物 - Google Patents
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このプロセスは、生産性の面で優位であるため、光学部材(プラスチックレンズ、プリズム及び光ファイバー等)、電気・電子部材(フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等)、シーリング材、接着剤並びに紙及びプラスチック等のコーティング剤等幅広い分野で使用されている。
即ち、本発明は、一般式(1)で表されるモノマー(A1)と、ウレタン(メタ)アクリレート(B)と、ラジカル重合開始剤(C)と、金型離型剤(F)とを含有する硬化性組成物であって、前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)が、ポリオール(p)と、ポリイソシアネート(q)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)とを構成原料として含み、前記(A)~(C)の合計重量に基づいて、前記モノマー(A)の重量割合が58~90重量%である硬化性組成物(D)である。
本発明におけるモノマー(A)としては、一般式(1)で表されるモノマー(A1)及び一般式(2)で表されるモノマー(A2)が挙げられる。
後述の硬化性組成物(D)は、モノマー(A)を含有することにより、プラスチック基材との密着性を向上させることができる。
また、上記式(1)及び式(2)中、R2及びR3 は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数が1~3のアルキル基を表す。
炭素数が1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基及びiso-プロピル基等が挙げられる。
炭素数が2~3のアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、1,2-プロピレンオキシ基及び1,3-プロピレンオキシ基等が挙げられる。
また、式(2)中、nは1~3の整数である。
これらの内、プラスチック基材との密着性の観点から、好ましいのはN,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、更に好ましいのはN,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドである。
これらの内、プラスチック基材との密着性の観点から好ましいのは、N-ヒドロキシエチルアクリルアミドである。
なお、モノマー(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート(B)は、ポリオール(p)と、ポリイソシアネート(q)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)を構成原料として含む。そして、該(B)は、例えば、前記(p)、(q)、(r)を付加反応(ウレタン化反応)、好ましくは前記(p)と(q)との重付加物に、(r)を付加反応させることにより得られる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート(B)は、少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基とウレタン基を有する単量体(モノマー)である。
なお、直鎖の脂肪族ジオールのアルキレンオキサイド付加物及び分岐の脂肪族ジオールのアルキレンオキサイド付加物は、ポリオキシアルキレングリコールとも言う。
なお、ポリオール(p)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、(p)の数平均分子量(Mn)は、金型離型性の観点から、好ましくは100~5,000、更に好ましくは200~2,000である。
脂環式ポリイソシアネート(q2)の内、金型離型性の観点から好ましいのは、IPDI及びMDIHである。
芳香環を有するポリイソシアネート(q3)の内、金型離型性の観点から好ましいのは、XDI、TMXDI、MDI及びTDIである。
なお、ポリイソシアネート(q)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(r1)、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(r2)及びアルキロール(メタ)アクリルアミド(r3)等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、ウレタン(メタ)アクリレート(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、(q)が有するイソシアネート基と、ポリオール(p)が有する水酸基とのモル比[イソシアネート基/水酸基]は、好ましくは1.2/1~2/1、さらに好ましくはは1.3/1~1/2である。
500以上であると硬化物の靭性が優れるため金型離型性が良好となり、50,000以下であると硬化物の微細構造の再現性が良好となる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート(B)が有する(メタ)アクリロイル基は、好ましくは2~3個、さらに好ましくは2個である。
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
「HLC-8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel
Multipore HXL-M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:標準ポリスチレン
(TSKstandard POLYSTYRENE)、
東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
中でも、(p)と(q)とを重付加反応させた、イソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーに、(r)を付加化反応させて製造することが好ましい。
上記の重付加反応及び付加反応においては、ウレタン化触媒を用いても良い。
ウレタン化触媒としては、金属化合物(有機ビスマス化合物、有機スズ化合物及び有機チタン化合物等)及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明におけるラジカル重合開始剤(C)としては、光重合開始剤(C1)及び熱重合開始剤(C2)等が挙げられる。
光重合開始剤(C1)としては、ベンゾイン化合物(C1-1)、アルキルフェノン化合物(C1-2)、アントラキノン化合物(C1-3)、チオキサントン化合物(C1-4)、ケタール化合物(C1-5)、ベンゾフェノン化合物(C1-6)、ホスフィンオキシド(C1-7)及びオキシムエステル系化合物(C1-8)等が挙げられる。
光重合開始剤(C1)のうち、硬化物が黄変しにくいという耐光性の観点から好ましいのは、アルキルフェノン化合物(C1-2)及びホスフィンオキシド(C1-7)であり、更に好ましいのは、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド及びビス-(2、6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、特に好ましいのは、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドである。
ラジカル重合開始剤(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
本発明の硬化性組成物(D)は、前記一般式(1)又は上記一般式(2)で表されるモノマー(A)と、ウレタン(メタ)アクリレート(B)と、ラジカル重合開始剤(C)とを含有する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」の表記は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」の表記は、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル基」の表記は、アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を意味する。
このような(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート及びアクリロイルモルホリン等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA EO1~30モル付加物ジアクリレート、ポリプロピレングリコール(PO2~20モル)ジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
添加剤としては、金型離型剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、着色剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、充填剤、界面活性剤、可塑剤、分散剤及びチクソトロピー性付与剤(増粘剤)等が挙げられる。
また、金型離型剤(F)としては、特開2011-202106に記載の塩、即ち、リン酸エステルと、3級アミン(3級脂肪族アミン、1級脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物及び2級脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物等)との塩等を好ましく用いることができる。
中でも、2-エチルヘキシルアルコールのリン酸エステルとN,N-ジメチルステアリルアミンとの塩及びトリデカノールEO10モル付加物のリン酸エステルとN,N-ジメチルステアリルアミンとの塩が好ましい。
また、金型離型剤を構成するリン酸エステルと3級アミンの当量比は、0.5/1~3/1が好ましく、更に好ましくは0.8/1~2/1であり、特に好ましくは1:1である。
溶剤としては、他の成分との相溶性、分散性の観点から、有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びオクタノール等);
ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)
エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等);
エーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテル等);
芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン及びキシレン等);
アミド(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等)等が挙げられる。
これらの内、硬化性組成物(D)との相溶性の観点から好ましいのは、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、トルエン及びキシレンである。
前記の溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化物は、前記硬化性組成物(D)を硬化した硬化物である。硬化方法は、例えば、熱、活性エネルギー線が挙げられる。
また、本発明の硬化性組成物(D)は、硬化させることで、好適には光学部品として使用可能な成形体を製造することができるため、光学部品用として好ましい。
光学部品としては、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、プリズム、光ファイバー及び感光性光導波路等があげられる。
本発明の硬化性組成物(D)を用いた成形体の製造方法は、特に限定されないが、成形体が微細な凹凸構造を有する三次元形状のプラスチックレンズ等である場合には、例えば微細な凹凸構造を有する平らな金型を用いて硬化性組成物(D)を光硬化させ金型から離型することにより得ることができる。
本発明の硬化性組成物(D)を予め20~50℃に温調し、成形体形状(例えば光学レンズ形状)が得られる上述の金型(型温は20~50℃、好ましくは25~40℃)にディスペンサー等を用いて、硬化後の厚みが20~150μmとなるように塗工(又は充填)し、塗膜上からプラスチック基材(透明フィルムを含む)を空気が入らないように加圧積層する。
そして、該プラスチック基材上から活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させる。なお、ラジカル重合開始剤(C)として、熱重合開始剤(C2)を含有する場合は、50~250℃に加熱することによっても該塗膜を硬化させることができる。
その後、硬化物を型から離型し、成形体(例えばレンズシート)を得る。
これらのプラスチック基材の内、本発明の硬化性組成物(D)との密着性の観点から好ましいのは、ポリイミド及びトリアセチルセルロース等の樹脂を用いて構成されるものである。
また、プラスチック基材は、後述の活性光線を用いて硬化させる場合、透明であることが好ましい。
本発明の組成物を活性エネルギー線により硬化させる場合は、種々の活性エネルギー線照射装置[活性エネルギー線として活性光線を用いる場合は、フュージョンUVシステムズ(株)製、活性エネルギー線照射装置(型番:VPS/I600)]が使用できる。
使用するランプとしては、高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から、好ましくは10~10,000mJ/cm2、更に好ましくは100~5,000mJ/cm2である。
また、本発明の硬化物を用いた光学部品は、プラスチック基材との密着性及び金型離型性が優れているため、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等として有用である。
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
「HLC-8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel
Multipore HXL-M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:標準ポリスチレン
(TSKstandard POLYSTYRENE)、
東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
また、製造例1~4において、イソシアネート含有量は、試料に残存するイソシアネート基の重量を試料の重量に対する重量割合で表したものであり、JIS K 1603-1に記載のイソシアネート基含有率(%)の測定方法に準拠して測定した。
撹拌装置及び温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、ポリテトラメチレングリコール[商品名:PTMG-1000、三菱化学(株)製、以降、PTMGと略記する]65.0部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート[商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン(株)製、以降、MDIHと略記する]26.6部、触媒としてビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)の2-エチルヘキサン酸50%溶液[商品名:ネオスタンU-600、日東化成(株)製]を0.5部仕込み、攪拌して均一溶液とした後、80℃に昇温した。容器内の温度を80℃に温度調整しながら、1段目のウレタン化反応を6時間行った。
イソシアネート含有量が5.65%以下になったのを確認した後、重合禁止の目的で酸素濃度を8体積%に調整した窒素と酸素の混合気体を液中に通気しながら、2-ヒドロキシエチルアクリレート(以降、HEAと略記する)を8.4部加え、75℃で2段目のウレタン化反応を2時間行った。イソシアネート含有量が0.01%以下になったのを確認した後、60℃に冷却し、ウレタン(メタ)アクリレート(B-1)を得た。(B-1)のMnは3,100であった。
製造例1において、PTMGに代えてビスフェノールAのPO2モル付加物[商品名:ニューポールBP-2P、三洋化成工業(株)製、以降、BP-2Pと略記する]51.0部を、MDIHに代えてキシリレンジイソシアナート[商品名:タケネ-ト 500、武田薬品工業(株)社製、以降、XDIと略記する]37.1部を用い、HEAの添加量を8.4部から11.8部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート(B-2)を得た。(B-2)のMnは3,000であった。
製造例1において、MDIHに代えて3-イソシアナートメチル-3,3,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[商品名:VESTANAT IPDI、エボニックジャパン(株)製、以降、IPDIと略記する]26.6部を用い、PTMGの添加量を65.0部から62.4部に変更し、HEAの添加量を8.4部から12.1部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート(B-3)を得た。(B-3)のMnは1,900であった。
製造例1において、PTMGに代えてBP-2P40.0部を、MDIHに代えてIPDI50.0部を用い、HEAの添加量を8.4部から26.0部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート(B-4)を得た。(B-4)のMnは1,000であった。
撹拌装置及び温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、2-エチルヘキシルアルコールのリン酸エステル[商品名「AP-8」、大八化学(株)製]55.6部を仕込んだ。ここにN,N-ジメチルステアリルアミン[商品名「ファーミンDM8098」、花王(株)製]44.4部を投入し50℃で2時間攪拌し、2-エチルヘキシルアルコールのリン酸エステルとN,N-ジメチルステアリルアミンの塩(F-1)を得た。
製造例5において、2-エチルヘキシルアルコールのリン酸エステルに代えて、トリデカノールEO10モル付加物のリン酸エステル[商品名「イオネット1310R」、三洋化成工業(株)製]55.6部を用いた以外は、製造例5と同様の操作でトリデカノールEO10モル付加物のリン酸エステルとN,N-ジメチルステアリルアミンの塩(F-2)を得た。
混合用容器に、N,N-ジメチルアクリルアミド(A-1)[商品名「DMAA」、(株)KJケミカルス製]を65.0部、ウレタン(メタ)アクリレート(B-1)を35.0部、パーブチルD(C-1)を3.0部加え、25℃で混合し、実施例1の硬化性組成物(D-1)を得た。
表1に示す配合組成(重量部)で、各原料を80℃で混合して、硬化性組成物(D-2)~(D-8)及び比較用の硬化性組成物(D’-1)~(D’-3)を得た。
(A1-1):N,N’-ジメチルアクリルアミド[商品名「ジメチルアクリルアミドDMAA」、KJケミカルズ(株)製、官能基数1]
(A1-2):N,N’-ジエチルアクリルアミド[商品名「ジエチルアクリルアミドDEAA」、KJケミカルズ(株)製、官能基数1]
(A2-1):N-ヒドロキシエチルアクリルアミド[商品名「ヒドロキシエチルアクリルアミドHEAA」、KJケミカルズ(株)製、官能基数1]
(C1-2-1):1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF社製]
(C1-7-1):2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュアTPO」、BASF社製]
(C1-7-2):ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュア819」、BASF社製]
(C1-2-2):2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]
(E1-2):フェノキシエチルアクリレート[商品名「ビスコート#192,PEA」、大阪有機化学工業(株)製、官能基数1]
(E1-3):アクリロイルモルホリン[商品名「ACMO」、KJケミカルズ(株)製、官能基数1]
(E2-1):ビスフェノールA EO4モル付加物のジアクリレート[商品名:ネオマーBA-641、三洋化成工業(株)製、官能基数2]
(E2-2):ビスフェノールA EO20モル付加物のジアクリレート[商品名「NKエステル A-BPE-20」、新中村化学(株)製、官能基数2]
(E2-3):トリプロピレングリコールジアクリレート[商品名「ネオマーPA-305」、三洋化成工業(株)製、官能基数2]
(E2-4):ポリプロピレングリコール(PO12モル)ジアクリレート[商品名「NKエステルAPG-700」、新中村化学(株)製、官能基数2]
(E3-1):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[商品名「ネオマーDA-600」、三洋化成工業(株)製、官能基数6]
(1)板ガラスの表面に、厚さが30μmになるように硬化性組成物を塗工した。
(2)縦100mm×横100mm×厚さ80μmの平坦なポリイミド樹脂製の基材フィルムとして、ネオプリムS-100[三菱ガス化学(株)製]を塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3-1):硬化性組成物(D-1)の場合
100℃で10分加熱し、硬化性組成物を硬化させ、硬化膜を作成した。基材フィルムと密着した硬化膜を板ガラスから剥離した。
(3-2):硬化性組成物(D-1)以外の硬化性組成物の場合
基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を1,000mJ/cm2照射して、硬化性組成物を硬化させ、硬化膜を作成した。基材フィルムと密着した硬化膜を板ガラスから剥離した。
(4)板ガラスから剥離した硬化物をJIS K 5600-5-6に準拠し、25個(5個×5個)のマスができるよう2mm幅にカッターナイフで切込みを入れ、25個のマスにセロテープ(登録商標)を接触させ、引きはがした。その後、25マス中、剥離せず密着しているマス目の個数を数えた。
(5)JIS K 5600-5-6に準拠し、(4)でセロテープ(登録商標)を引きはがした試験片に、再度、セロテープ(登録商標)を接触させ、引きはがした。その後、25マス中、剥離せず密着しているマス目の個数を数え以下の判定基準で評価した。
◎:(4)の試験後も、(5)の試験後もフィルム上にマス目25個全部が残っている。
○:(4)の試験後にフィルム上にマス目25個全部が残っているが、(5)の試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
×:(4)の試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
(1)溝の深さ22μm、ピッチ幅50μmで平行に線を刻んで、微細に凹凸処理を施したSUS製の金型の表面に、厚さが50μmになるように硬化性組成物を塗工した。
(2)基材である厚さ80μmの上記記載のポリイミド樹脂製の基材フィルムを塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3-1):硬化性組成物(D-1)の場合
100℃で10分加熱し、硬化性組成物を硬化させ、硬化膜を作成した。
(3-2):硬化性組成物(D-1)以外の硬化性組成物の場合
基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、活性エネルギー線を1,000mJ/cm2照射して、硬化性組成物を硬化させ、硬化膜を作成した。
(4)フィルムと密着した硬化膜を金型から剥離し、凹凸の転写が再現されているかをレーザー顕微鏡で確認し、以下の判定基準で評価した。
◎:金型から剥離する際の力が5.0N/cmより小さく、剥離が容易で、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
○:金型から剥離する際の力が5.0N/cm以上だが、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
×:金型に樹脂残りがある又は凹凸の転写が再現できていない。
なお、ポリイミド樹脂製の基材フィルムに密着しなかった比較例1、比較例2については評価できなかった。
なお、金型から剥離する際の力は、以下の方法で測定した。
ポリイミド樹脂製の基材フィルムをたわみ性被着材とみなし、金型を剛性被着剤とみなして、JIS K6854-1に記載のはく離接着強さ試験方法に準拠して、平均剥離力(N)を算出した。
算出した平均剥離力を、ポリイミド樹脂製基材フィルムの幅[つかみ移動方向と垂直方向の長さ(cm)]で除した値を、本発明における金型から剥離する際の力(N/cm)とした。
一方、モノマー(A)を含まない比較用の硬化性組成物(D’-1)及び(D’-2)は金型離形性が悪く、プラスチック基材との密着性も悪い。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)を含まない比較用の硬化性組成物(D’-3)は、金型離型性が悪い。
また、本発明の硬化物を用いた光学部品も、プラスチック基材との密着性及び金型離型性が優れているため、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路として有用である。
Claims (7)
- 前記モノマー(A1)が、N,N-ジメチルアクリルアミド及び/又はN,N-ジエチルアクリルアミドである請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記ポリオール(p)が、ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物及びポリオキシアルキレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であって、前記ポリイソシアネート(q)が、脂環式ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種であって、水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)が水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートである請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
- 前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)の数平均分子量が、500~50,000である請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 前記金型離型剤(F)が、2-エチルヘキシルアルコールのリン酸エステルとN,N-ジメチルステアリルアミンとの塩及び/又はトリデカノールEO10モル付加物のリン酸エステルとN,N-ジメチルステアリルアミンとの塩である請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 光学部品用である請求項1~5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の硬化性組成物(D)を硬化した硬化物。
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