JP4848996B2 - 活性エネルギー線硬化型光学材料用組成物 - Google Patents
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Description
又、本発明の組成物は、プラスチック基板、特にシクロオレフィンポリマーフィルムに対し優れた接着性を有し、かつ透明性及び成形加工性に優れるため、コーティング材として有用であり、コーティングの技術分野にも属する。
利用分野の拡大とその利用目的に対する要求の高性能化が進むにつれ、活性エネルギー線硬化型のコーティング材についても、高性能化要求が強くなっている。例えば、PETフィルムのラミネート用接着剤においては高接着力に加えて高い耐熱性が要求されている。
特許文献1に記載されている組成物は、紫外線等の活性エネルギー線による硬化が可能なため、生産性に優れており、ガラス基板やポリ塩化ビニル等への密着にも優れている。
例えばシクロオレフィンフィルムに光を入射し、さらにコーティング膜を透過した光を取り出そうとした場合には、コーティング層やレンズ層の屈折率がシクロオレフィンポリマーフィルムよりも低いと光の取り出し効率が悪くなるという問題があった。したがって、シクロオレフィンポリマーフィルムに対して密着性が高いというだけではなく、これらよりも屈折率が高いコーティング層やレンズ層を形成し得る組成物が求められていた。
しかしながら、前記した特許文献1記載の組成物を使用した場合、その硬化物はシクロオレフィンポリマーフィルムに対して密着性が十分ではなかった。
組成物全量を100重量部として、(A)成分を2〜30重量部、(B)成分を5〜60重量部、(C)成分を10〜70重量部及び(D)成分を0.5〜30重量部の割合で含む
活性エネルギー線硬化型光学材料用組成物に関する。
(A)成分:重量平均分子量が500〜6,000のポリエーテルジオール、芳香族基を有しないポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートの反応生成物であり、その重量平均分子量が2,000〜10,000のウレタン(メタ)アクリレート
(B)成分:後記一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート、
〔式(1)において、R1及びR3は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、R2及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表わし、R5〜R8は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又は臭素原子を表し、l及びmは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。〕
(C)成分:2個のフェニル骨格を有し1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物
(D)成分:1個のメタクリロイル基を有する化合物
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。
本発明における(A)成分は、ポリエーテルジオール、芳香族基を有しないポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートの反応生成物であり、その重量平均分子量が2,000〜10,000のウレタン(メタ)アクリレートである。
製法1:ジオール化合物、ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法。
製法2:ジオール化合物及びポリイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法。
これらの中でも、製法2で得られたものが、目標とする平均分子量の(A)成分を狭い分子量分布で得られるため好ましい。
これらの具体例としては、ポリエチレングリコール、1,2−ポリプロピレングリコール、1,3−ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、ポリイソブチレングリコール、プロピレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体ジオール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランの共重合体ジオール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体ジオール等が挙げられる。
尚、本発明において、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定した分子量をポリスチレン換算した値を意味する。
ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等ポリイソシアネート化合物が挙げられ、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましい。これらポリイソシアネートは単独でも2種以上を併用してもよい。
一方、芳香族基を有するポリイソシアネートを使用すると、得られる硬化物が黄変してしまい、光学用途に不適当なものとなってしまう。
(A)成分の割合としては、組成物全量を100重量部として2〜30重量部とする必要があり、好ましくは3〜20重量部である。この範囲で配合するのが、組成物の塗工性、硬化後の密着性、加工性、柔軟性、長期信頼性の点で好ましい。
本発明における(B)成分は、下記一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートである。(B)成分を配合すると、硬化膜の強度を高めることが出来、応力存在下や高温化での劣化を防ぐことができる。
l及びmとしては、0〜3のものが、得られる硬化物の屈折率に優れるため好ましい。
(B)成分の割合としては、組成物全量100重量部に対して5〜60重量部とする必要があり、好ましくは10〜30重量部である。この割合が5重量部に満たないと接着力が小さくなる恐れがあり、又硬化膜の屈折率が低くなってしまうことがある。一方、60重量部を超えると、組成物が室温での保管中に結晶化を起こして扱いにくくなったり、プラスチック基材に対して変形を与える恐れがある。
本発明の(C)成分は、2個のフェニル骨格を有し1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。(C)成分を配合することにより、組成物を低粘度とすることができ、さらに硬化膜の屈折率を高くすることができる。
2個のフェニル骨格としては、ビフェニル基及びp−クミルフェニル基が好ましい。
(C)成分としては、アルキレンオキサイド基を有する化合物を使用することができる。アルキレンオキサイド基としては、エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基等が挙げられる。アルキレンオキサイドの付加数としては、1〜4が挙げられる。
(C)成分の具体例としては、例えば、フェニルフェニル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノール(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールのエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート及びp−クミルフェノールのプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
当該(C)成分としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
さらにこれらの中でも、組成物の粘度を低く抑えることができることから、n=0であるo−フェニルフェニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(C)成分割合としては、組成物全量100重量部に対して10〜70重量部とする必要があり、好ましくは20〜60重量部である。この割合が10重量部に満たないと組成物の粘度が高すぎたり、さらには硬化膜の屈折率が低くなってしまうことがある。一方、70重量部を超えると、得られる硬化膜の耐熱性を損なってしまうことがある。
本発明における(D)成分は、1個のメタクリロイル基を有する化合物である。
(D)成分は、組成物の硬化速度を調節し、硬化物中に過度の応力が蓄積されるのを防ぐ目的で使用される。
(D)成分としては、1個のメタクリロイル基を有する化合物であれば種々の化合物が使用できる。
(D)成分としては、1個のフェニル骨格を有するメタクリレートが組成物の屈折率を低下させないため好ましい。フェニル骨格の例としては、フェニル基、ベンジル基、並びにトルイル基及びノニルフェニル基等のアルキルフェニル基等が挙げられる。
(D)成分の具体例としては、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート等のフェノールのアルキレンオキサイド付加物のメタクリレート、及びノニルフェノールのアルキレンオキサイド付加物のメタクリレート等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。アルキレンオキサイドの付加数としては、1〜4が挙げられ、1が屈折率が高くなるため好ましい。
(D)成分の前記以外の例としては、イソボルニルメタクリレート及びシクロヘキシルメタクリレート等の環構造を有するメタクリレートが、Tgが高く良好な硬化膜を与えるため好ましい。
(D)成分の割合としては、組成物全量100重量部に対して0.5〜30重量部とする必要があり、好ましくは5〜20重量部である。この割合が30重量部を超えると、組成物の硬化速度が非常に遅くなるために生産性が悪くなるおそれがある。一方、0.5重量部に満たないと、十分な密着性が得られなくなるおそれがある。
本発明の組成物は、上記(A)〜(D)成分を必須とするものであるが、必要に応じてその他の成分を含有しても良い。
本発明の組成物には、前記(A)〜(D)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物〔以下(E)成分という〕を含んでいても良い。
(E)成分としては、(メタ)アクリレートが好ましい。具体的には、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、カルビトールアクリレート、N−ビニルカプロラクトン、アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、マレイミド基を有するアクリレート及び1,4−ブタンジオールモノアクリレート等のモノアクリレート;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、並びにポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
(F)成分は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
本発明は、前記(A)〜(D)成分を必須とするものである。
本発明の組成物の製造方法としては、前記(A)〜(D)成分、必要に応じてその他の成分を、常法に従い、攪拌・混合して製造することができる。
(A)成分は室温で非常に高粘度であるものも多いため、組成物が室温で扱いづらい場合は、組成物を攪拌・混合した後加熱しても良い。この場合の加熱攪拌温度は50〜100℃が好ましい。
活性エネルギー線の照射量及び照射時間等は、使用する組成物及び用途に応じて、適宜設定すれば良い。
レンズシートとしては、更に詳細には、ビデオプロビェクター、プロジェクションテレビ及び液晶ディスプレイ等用途が挙げられる。
本発明の組成物は、特にこれら光学材料のコーティング剤及びレンズシートとして好ましく使用することができる。
具体的には環状オレフィンの開環重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとのランダム共重合体、又これらを不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。さらには、これらの水素化物があげられる。商品としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン、TICONA社製のトーパス等が挙げられる。これらの屈折率は、おおよそ1.51から1.54である。
比較的膜厚の薄いレンズシートを製造する場合は、本発明の組成物を、目的のレンズの形状を有するスタンパーと称される型枠に塗布し、該組成物の層を設け、その層の上に透明基板を接着させる。
次いで、透明基板側から活性エネルギー線を照射して、組成物を硬化させ、この後、金型枠から剥離させる。
次いで、透明基板側から活性エネルギー線を照射して、組成物を硬化させ、この後、型枠から脱型させる。
前記型枠としては、その材質は特に限定されないが、例えば真鍮及びニッケル等の金属、並びにエポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。型枠の寿命が長い点で、金属製である金型が好ましい。
例えば、本発明の組成物を、少なくとも片面が透明である鏡面研磨した型枠に注入し、活性エネルギー線を照射して硬化させ、離型することにより得る方法等が挙げられる。
この場合の型枠としては、ガラス、プラスチック、又はこれらを組み合わせた2枚の鏡面研磨したモールド型と、可塑化塩化ビニル及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂製のガスケットの他、2枚のモールド型を型締め具等とを組み合わせて構成されたもの等が挙げられる。
この場合の活性エネルギー線の照射は、型枠の片面又は両面に行えば良い。又、活性エネルギー線の照射と加熱とを組み合わせることもできる。
あらかじめ酸素/窒素混合気体を吹き込んでおいた3Lのフラスコに、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIという)533部を仕込み、室温にてさらに1時間酸素/窒素混合気体をバブリングした後に、ジブチル錫ジラウレート(以下DBTLという)2部、ジt−ブチルヒドロキシトルエン0.6部を仕込み、浴温を60℃に昇温開始した後に、滴下漏斗を用いて、ポリテトラメチレングリコール〔重量平均分子量1,000;保土ヶ谷化学(株)製PTG−1000〕1234部を1時間かけてフラスコ中に滴下した。
次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下HEAという)278部を1時間かけてフラスコ内に滴下し、滴下終了後、浴温を80℃に昇温し、さらに3時間反応を行い、IRにてイソシアネートに基づくピークが検出されなくなったため反応を終了した。得られたウレタンアクリレートをUA1という。
UA1の屈折率(25℃)は1.483、粘度(25℃)は123,500mPa・s、GPCより得られた平均分子量は、数平均分子量(以下、Mnという):3,200、重量分子量(以下、Mwという):4,200であった。
あらかじめ酸素/窒素混合気体を吹き込んでおいた1Lのフラスコに、IPDIの26部を仕込み、室温にてさらに1時間酸素/窒素混合気体をバブリングした後に、DBTLの0.3部、ジt−ブチルヒドロキシトルエン0.1部を仕込み、浴温を60℃に昇温開始した後に、滴下漏斗を用いて、ポリプロピレングリコール〔平均分子量:3,000〕234部をフェノキシエチルアクリレート115部で希釈し、1時間かけてフラスコ中に滴下した。
次に、HEAの9部をフラスコ内に滴下し、滴下終了後、浴温を80℃に昇温し、さらに3時間反応を行い、IRにてイソシアネートに基づくピークが検出されなくなったため反応を終了した。反応混合物は、ウレタンアクリレート(以下、UA2という)の83.8重量%とフェノキシエチルアクリレートの16.2重量%を含むものであった。
UA2の屈折率(25℃)は1.489、粘度(25℃)は38,100mPa・s、GPCより得られた平均分子量は、Mn:10,000、Mw:12,200であった。
尚、比較例2では、当該反応混合物の5部を配合した。
2Lのフラスコを使用し、IPDIの70部、DBTLの0.8部、ジt−ブチルヒドロキシトルエンの0.3部を使用し、ハイプレックスHX−2050〔東邦理化(株)製1,6−ヘキサンジオールとo−フタル酸との繰り返しからなるジオール;平均分子量2,000〕500部を使用した以外は、合成例1と同様の方法で反応を行った。
次に、希釈剤としてテトラヒドロフルフリルアクリレート250部とHEA18部との混合物を使用し、浴温を80℃昇温した後、さらに2時間反応する以外は、合成例1と同様の方法で反応を行った。反応混合物は、ウレタンアクリレート(以下、UA3という)の70.2重量%とテトラヒドロフルフリルアクリレートの29.8重量%を含むものであった。
UA3の屈折率(25℃)は1.490、粘度(25℃)は143,300mPa・s、GPCより得られた平均分子量はMn:13,300、Mw:25,700であった。
尚、比較例3では、当該反応混合物の5部を配合した。
表1に示す化合物及びその割合で、常法に従い各化合物を攪拌・混合し、活性エネルギー線硬化型光学部材用組成物を製造した。
得られた組成物を使用し、粘度、硬化物の屈折率、シクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性を下記の方法に従い評価した。それらの結果を、表2に示す。
E型粘度計を用いて、25℃における組成物の粘度を測定した。
組成物を、コンベアを備えた高圧水銀ランプを用いて、365nm付近の照射量が500mJ/cm2となるような条件で硬化させたものを使用した。
組成物から得られた硬化物について、ナトリウムD線における屈折率(25℃)を、(株)アタゴ製アッベ屈折計DR−M2により測定した。
基材としてJSR(株)製アートン(膜厚100μm)を使用した。
基材上に組成物をアプリケーターバーで膜厚30μmとなるように塗布し、屈折率測定用サンプルと同様の硬化条件にて紫外線照射を行い、得られたコーティング膜上に、1mm角の升目を100個作製し、テープ剥離試験後の残目数で評価した。
又、比較のために表面処理を行ったPETフィルムへの密着性を評価した結果も表2にあわせて示す。PETフィルムとしては、東洋紡(株)製コスモシャイン(膜厚50μm)を用いた。
・UA2:合成例2で製造したウレタンアクリレート
・UA3:合成例3で製造したウレタンアクリレート
・TO−2066:ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)スルフィド、東亞合成(株)製アロニックスTO−2066
・M−211B:ビスフェノールAエチレンオキサイド4モル変性ジアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−211B
・TO−2344:o−フェニルフェニルアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスTO−2344
・TO−1463:o−フェニルフェノキシエチルアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスTO−1463
・POA:フェノキシエチルアクリレート
・BzMA:ベンジルメタクリレート
・POMA:フェノキシエチルメタクリレート
・M−309:トリメチロールプロパントリアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−309
・THFA:テトラヒドロキシフルフリルアクリレート
・Ir:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製イルガキュア184
一方、本発明の(A)成分と同じ構造のウレタンアクリレートであっても重量平均分子量が10,000を超えるUA−2を含む組成物(比較例2)の場合には、粘度が高くなってしまう上に、密着性が大きく低下してしまう。又、ジオールの構造が異なるウレタンアクリレートUA−3を含む組成物(比較例3)の場合も同様であった。(B)成分と異なるビスフェノールA骨格を有するジアクリレートを含む組成物(比較例1)の場合には、密着性の低下が著しかった。又、(B)成分、(C)成分を含まない組成物(比較例5)の場合は、(A)成分の重量部を増やすことにより若干のプラスチック密着性はえられるが、屈折率を高くすることができなかった。(C)成分と異なる2個のフェニル骨格を持たない(メタ)アクリレートを含む組成物(比較例4)の場合は、屈折率を高く出来ないため、組成物として所望の屈折率にしようとすると(A)成分、(D)成分、(E)成分を配合することが出来ず、結果として良好な密着性は得られないこととなる。
実施例で得られた組成物を使用し、レンズ形状を有する金型へ流し込み、その上から透明基板として実施例で使用したアートンで挟みこんだ。
透明基板側から、コンベアを備えた紫外線照射装置を用いて、光源として高圧水銀ランプ、UV−A照射量800mJ/cm2で紫外線を照射して組成物を硬化させた。
硬化後の硬化物を金型から剥離したところ、実施例1〜5の組成物は、剥離が容易であり、目的の形状を有するレンズシートを得ることができた。しかも、実施例1〜5の組成物では、上記した通りの光学物性等に優れたレンズシートであった。
Claims (15)
- 下記(A)〜(D)成分を含有する組成物であって、
組成物全量を100重量部として、(A)成分を2〜30重量部、(B)成分を5〜60重量部、(C)成分を10〜70重量部及び(D)成分を0.5〜30重量部の割合で含む
活性エネルギー線硬化型光学材料用組成物。
(A)成分:重量平均分子量が500〜6,000のポリエーテルジオール、芳香族基を有しないポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートの反応生成物であり、その重量平均分子量が2,000〜10,000のウレタン(メタ)アクリレート
(B)成分:下記一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート、
(C)成分:2個のフェニル骨格を有し1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物
(D)成分:1個のメタクリロイル基を有する化合物 - 前記(A)成分において、ポリエーテルジオールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール又は/及び1,6−ヘキサンジオールを構成単位とするものである請求項1記載の活性エネルギー線硬化型光学材料用組成物。
- 前記(A)成分において、ポリエーテルジオールが1,4−ブタンジオールを構成単位とするポリエーテルジオールである請求項2記載の活性エネルギー線硬化型コーティング材用組成物。
- 前記(C)成分が、ビフェニル基又はp−クミルフェニル基を有する(メタ)アクリレートである請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型光学材料用組成物。
- 前記(C)成分において、式(2)の化合物がn=0である請求項5に記載の活性エネルギー線光学材料用組成物。
- 前記(D)成分が、1個のフェニル骨格を有するメタクリレートである請求項1〜6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型光学材料用組成物。
- さらに(A)〜(D)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物を、組成物全量を100重量部として38.1重量部以下の割合で含有する請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
- さらに光重合開始剤を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型光学材料用組成物。
- 組成物中に含まれる(メタ)アクリレートの合計量に対して光重合開始剤を0.05〜10重量部含有する請求項9に記載の活性エネルギー線硬化型光学材料用組成物。
- 組成物から得られる硬化物の25℃における屈折率が1.54以上を有するものである請求項1〜10のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型光学材料用組成物。
- 記請求項1〜11のいずれかに記載の組成物からなる活性エネルギー線硬化型光学材料用コーティング組成物。
- プラスチックフィルム上に、請求項12記載の組成物の硬化物が被覆されてなるコーティング部材。
- プラスチックフィルムがシクロオレフィンポリマーフィルムである請求項13記載のコーティング部材。
- 記請求項1〜11のいずれかに記載の組成物の硬化物からなるレンズシート。
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