JP2012046673A - 光学用接着樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高屈折率と密着性の高さとを両立する光学用途に好適な接着樹脂組成物を提供すること
【解決手段】重合体(A):屈折率が1.50以上であり、かつ、ガラス転移温度(Tg)が25℃以下であり、かつ、ラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基を含有する重合体
開始剤(B):ラジカル重合開始剤及び/またはイオン重合開始剤を含有し、重合体(A)100質量部に対して、開始剤(B)0.1質量部〜5質量部の割合で含有する光学用接着樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学部材の貼り合せに用いられる接着樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、高屈折率のレンズやプリズムを接着する接着樹脂組成物に関する。
光学材料として用いられる各種レンズやプリズムなどを接着する際には、透明性や屈折率、密着力が要求される。近年では接着剤も高屈折率を有することが強く要求されている。
屈折率向上の手法として、例えば、樹脂の分子構造内に芳香族基、フッ素を除くハロゲン基、硫黄原子等の導入が試みられている。
特許文献1には、主鎖骨格に芳香族基を含有するポリカーボネート樹脂組成物が提案されているが、これらはTgが高く、溶解性も低いため、接着剤としての利用が困難である。特許文献2には、ハロゲン含有組成物が提案されているが、これらは耐候性に劣るため、長期使用で着色の懸念がある。また、環境への影響が懸念され、焼却処分時に特別な焼却炉を必要である。特許文献3には、硫黄含有化合物が提案されているが、硫黄含有化合物も長期使用では着色の懸念がある。
特開2002−114841号公報 特開平3−31309号公報 特開2008−208324号公報
本発明の目的は、高屈折率と密着性の高さとを両立する光学用途に好適な接着樹脂組成物を提供することにある。
前記目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討した結果、下記の重合体(A)100質量部に対して、開始剤(B)0.1質量部〜5質量部の割合で含有することを特徴とする組成物を用いることによって、前記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するにいたった。ここで、重合体(A)は、屈折率が1.50以上であり、かつ、ガラス転移温度(Tg)が25℃以下であり、かつ、ラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基を含有する重合体であり、開始剤(B)は、ラジカル重合開始剤及び/またはイオン重合開始剤である。
また、前記の組成物において、重合体(A)が側鎖に芳香環構造を含有することを特徴とする。さらに前記の組成物の含有量が1質量%から50質量%になるように溶剤で希釈することができる。
本発明者等は、レンズに用いられる硬化性樹脂組成物について種々検討したところ、特定の組成を有する硬化性樹脂組成物およびその硬化物が、低粘度であり、高屈折率、高透明性、離型性、型再現性、基材との密着性、耐久性に優れることを見いだし、本発明に到達したものである。
本発明には、片面にレンズ構造を腑型された第1のレンズシートのレンズ構造を有する面の反対面と、片面または両面にレンズ構造を腑型された第2のレンズシートのレンズ構造が腑型された面とが接合されたレンズシートにおいて、第1のレンズシートと第2のレンスシートの間隙に本発明の光学用接着樹脂組成物または該組成物の硬化物が積層された光学部材が含まれる。
接着剤とは被着剤の表面にある空隙に侵入・硬化してくさびのような働きをする「アンカー効果」が大きな影響を持つ。このとき、まず、接着剤と被着剤との「濡れ」が重要で、本発明の組成物はTgが25℃以下の軟らかい構造を持つため被着剤との濡れが良好である。濡れの後に、本発明の組成物が有するラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基を反応させることで、新たに化学結合が生じて接着剤層の強度が向上し、接着力が増大する。本発明の接着樹脂組成物を構成する重合体(A)は、屈折率向上のため芳香環を含有することが好ましいが、重合体の主鎖に芳香環を含有する骨格では、剛直でTgが高い重合体になりやすい。高屈折率と、柔軟でTgが低いことを両立するためには、重合体の側鎖に芳香環を含有することが好ましい。
以下に本発明を詳述する。
<重合体(A)>
本発明の重合体(A)は,屈折率が1.50以上であり、かつ、ガラス転移温度(Tg)が25℃以下であり、かつ、ラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基を含有する重合体である。
<屈折率>
本発明の重合体は屈折率が1.50以上である。好ましい屈折率は1.51以上、より好ましくは1.52以上、さらに好ましくは1.53以上、最も好ましくは1.55以上である。屈折率が低いと、基材との屈折率差によって干渉縞などの不具合が生じる傾向がある。重合体(A)の屈折率は最小偏角法やアッベ屈折法で測定することができる。なお、屈折率1.50以上の共重合体を設計するにあたり、一般に知られているローレンツ−ローレンツ(Lorentz−Lorenz)の式で推算した値を参考にすることができる。重合体(A)は屈折率1.50以上とするとするには、単独重合体の屈折率が1.53以上の単量体を、70質量%以上の割合で共重合することが好ましい。このような単量体としては、芳香環構造を含有した重合性化合物が挙げられる。これらの中で好ましくは、重合性基の側鎖に芳香環構造を含有する重合性化合物であり、具体的には、2−フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、オルトフェニルフェノールエトキシアクリレート、N−ビニルカルバゾールが挙げられる。
<ガラス転移温度>
本発明の重合体(A)のガラス転移温度は25℃以下である。本発明の重合体(A)はガラス転移温度が25℃以下であるため、接着樹脂組成物とした際の基材との濡れ性が向上し、接着力が向上する。ガラス転移温度は好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下、さらに好ましくは0℃以下、最も好ましくは−5℃以下である。ガラス転移温度は示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter)や動的粘弾性測定により損失正接(tanδ)の極大値温度を求めることができる。
ガラス転移温度は重合体を構成する単量体により設計でき、一般に、下記のフォックス(Fox)の式を利用することができる。
1/(Tg+273)=Σ[Wi/(Tgi+273)] :フォックス(Fox)の式
Tg(℃) :計算ガラス転移温度
Wi :各単量体の重量分率
Tgi(℃) :各単量体成分の単独重合体のガラス転移温度
なお、単量体の単独重合体のTgは「POLYMER HANDBOOK THIRD EDITION」(J.BRANDRUP、E.H.IMMERGUT著、1989年、John Wiley & Sons,Inc.発行、ページ:VI/209〜VI/277)や、Beilsteinなどのデータベースで公開されている値を用いることができる。単独重合体のTgが公開されていない単量体については、ガラス転移温度計算ソフト(製品名:「MATERIALS STUDIO」、:バージョン:4.0.0.0、Accelrys Software Inc.製、モジュール:Synthia、条件:重合平均分子量10万で計算)を用いてコンピューターにより求めた値を用いることができる。
単独重合体のTgが25℃以下の単量体としては、各種アクリル酸エステル類、ビニル化合物類が好ましい。
<ラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基>
さらに本発明の重合体(A)はラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基を有する。本発明の重合体(A)はラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基を有するため、後述する開始剤との重合反応により架橋し,硬化するため被接着体の剥離が抑制され、接着力が向上する。本発明ではラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基は重合体の側鎖に導入してもよく、また両末端もしくは方末端に導入してもよいが、好ましくは側鎖に導入することができる。
以下具体的に重合体へのラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基の導入方法について詳述する。
重合体(A)にラジカル重合性不飽和官能基を導入するには、反応性を有する官能基を含有するラジカル重合性化合物と、それ以外のラジカル重合性化合物とをラジカル共重合させた後、その官能基との反応性を有する他の官能基を含有するラジカル重合性化合物を反応させることによって、側鎖にラジカル重合性不飽和基を含有する重合体を得る方法がある。具体的には
(i)カルボン酸や無水カルボン酸を含有するラジカル重合性化合物と、その他のラジカル重合性化合物とをラジカル共重合し、これにオキシラン基やオキセタン基等のイオン重合性基を含有するラジカル重合性化合物を付加する方法、
(ii)オキシラン基やオキセタン基を含有するラジカル重合性化合物と、その他のラジカル重合性化合物とをラジカル共重合させた後、これにカルボン酸や無水カルボン酸を含有するラジカル重合性化合物を付加する方法、
(iii)水酸基を含有する重合性化合物と、その他のラジカル重合性化合物とをラジカル共重合させた後、これにイソシアネート基を含有する重合性化合物を付加する方法、
(iv)イソシアネート基を含有する重合性化合物と、その他のラジカル重合性化合物とをラジカル共重合させた後、これに水酸基を含有する重合性化合物を付加する方法、
(v)水酸基及び/またはカルボン酸を含有するラジカル重合性化合物を重合した後、これにビニルエーテル基を含有する重合性化合物をアセタール化により付加する方法、
等が挙げられるが、公知の他の方法を用いることも可能である。
一方、重合体(A)にイオン重合性反応基を導入するには、1分子中にオキシラン基やオキセタン基等のイオン重合性官能基を含有するラジカル重合性化合物と、それ以外のラジカル重合性化合物とをラジカル共重合することにより、側鎖にイオン重合性反応基を含有する重合体を得る方法がある。
重合体(A)が含有するラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基の量は、好ましくは0.5〜1000mmol/kg、より好ましくは5〜300mmol/kgである。これらの範囲内であれば、屈折率と接着性を両立することができる。
次に具体的な重合体(A)を調製するときに用いる単量体をする。
上記イオン重合性官能基を含有するラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の脂肪族1,2−エポキシド基を有する単量体;3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン等の脂肪族1,3−エポキシド基を有する単量体;(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、ビニルシクロヘキセンオキサイド等の脂環式1,2−エポキシド基を有する単量体が挙げられる。これらの単量体は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
上記カルボン酸や無水カルボン酸を含有するラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸;コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の不飽和基とカルボキシル基との間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸;または、これらの無水物;が挙げられる。これらの単量体は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
上記水酸基を含有するラジカル重合性化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート、エチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名「プラクセル(登録商標)Fシリーズ」)、ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。これらの単量体は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
上記イソシアネート基を含有するラジカル重合性化合物としては、分子中に1つのイソシアネート基を有するモノイソシアネートであることが好ましい。多価イソシアネート化合物を用いると、合成中に分子間での架橋が発生し、ゲル化するおそれがある。具体的には、(メタ)アクリロイルオキシメチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記ビニルエーテル基を含有するラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
<その他の共重合成分>
また上記以外の単量体(以下、「その他の共重合成分」と称する場合がある。)を共重合することも可能である。具体的には、各種(メタ)アクリル酸エステル類、フマル酸エステル類、マレイン酸エステル類、ビニル化合物類、マレイミド類、等が挙げられる。具体的には、2−フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、オルトフェニルフェノールエトキシアクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。これらの単量体は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。その他の共重合成分は全単量体組成中、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下含有することができる。
<重合体(A)の製造方法>
前記単量体成分の重合反応の方法としては、特に制限はなく、従来公知の各種重合方法を採用することができるが、特に、溶液重合法によることが好ましい。なお、重合温度や重合濃度(重合濃度=[単量体成分の全重量/(単量体成分の全重量+溶媒重量)]×100とする)は、使用する単量体成分の種類や比率、目標とするポリマーの分子量によって異なるが、好ましくは、重合温度40〜150℃、重合濃度5〜50%とするのがよく、さらに好ましくは、重合温度60〜130℃、重合濃度10〜40%とするのがよい。
前記単量体成分の重合において溶媒を用いる場合には、溶媒として通常のラジカル重合反応で使用される溶媒を用いるようにすればよいが、単量体とは反応しない不活性なものを適宜選択して用いる。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これら溶媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
前記単量体成分を重合する際には、必要に応じて、通常用いられる重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;が挙げられる。これら重合開始剤は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。なお、開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数十万のポリマーを得ることができる点で、全単量体成分に対して0.1質量%〜10質量%、より好ましくは0.5質量%〜5質量%とするのがよい。
前記単量体成分を重合する際には、分子量調整のために、必要に応じて、通常用いられる連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチル等のメルカプタン系連鎖移動剤、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられるが、好ましくは、連鎖移動効果が高く、残存モノマーを低減でき、入手も容易な、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸がよい。連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数十万のポリマーを得ることができる点で、全単量体成分に対して0.01質量%〜1質量%、より好ましくは0.05質量%〜0.5質量%とするのが好ましい。
また、上述のラジカル重合性不飽和官能基を導入する場合には、共重合体のオキシラン基やオキセタン基と、カルボン酸や無水カルボン酸基とを反応させるには、公知の手法を用いればよく、水酸基とイソシアネート基との反応させるには、公知の手法を用いればよく、またカルボン酸や無水カルボン酸と、ビニルエーテルとを反応させるには、公知の手法を用いればよい。

<開始剤(B)>
本発明の開始剤(B)は、接着樹脂組成物を硬化させるための重合開始剤であり、熱ラジカル開始剤や熱酸発生剤などの熱重合開始剤、光ラジカル開始剤や光酸発生剤などの光重合開始剤を使用することができる。1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。開始剤として熱重合開始剤を用いた場合は加熱硬化型の接着剤となり、光重合開始剤を用いた場合は光硬化型の接着剤となる。本発明では上述の重合体(A)100質量部に対して、開始剤(B)が0.1〜5質量部であることが必要である。開始剤が当該範囲であれば、硬化した後に未硬化部分や黄変がなく、光学用途に適した硬化物が得られる。
熱ラジカル発生剤の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエー卜、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。
熱酸発生剤の具体例としては、ルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ、二塩化ジブチル第二スズ、二臭化ジブチル第二スズ、テトラエチルスズ、テトラブチルスズ、トリエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム等)と電子供与性化合物(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等)との錯体;プロトン酸(例えば、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノエステル類、ホウ酸ジエステル類等)を塩基(例えば、アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン等)により中和した化合物が挙げられる。これらの中でも、各種プロトン酸のアミン錯体が、可使時間の調整が容易であるので好適である。
光ラジカル開始剤の具体例としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類が挙げられる。
光酸発生剤の具体例としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のアリールスルフォニウム塩;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のアリールヨウドニウム塩;フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート等のアリールジアゾニウム塩が挙げられる。

<溶剤>
本発明では接着樹脂組成物に溶剤を含むことが好ましい。接着樹脂組成物は溶剤を含有することで、粘度を調整することが可能である。溶剤は重合体(A)と開始剤(B)を溶解するものであれば何でも良い。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これら溶媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。取り扱いの観点から沸点が80℃〜150℃のものが好ましく、接着樹脂組成物の固形分濃度は1〜50質量%が好ましい。
上記の中でも好ましくは、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。

<その他の成分>
本発明の接着性樹脂組成物には、重合体(A)、開始剤(B)、任意成分である溶剤以外に、必要に応じて他の成分が含有されてもよい。例えば、粘着付与樹脂(タッキファイヤー)、その他の重合性化合物やオリゴマー、ポリマー、重合体(A)を長期間安定に保存するための安定剤などが挙げられる。

<光学部材>
本発明の接着樹脂組成物は下記のように利用することができる。
(1)基材の上に本発明の接着樹脂組成物を塗布して接着層を形成し、その上にレンズ層を積層させる、
(2)基材の片面にレンズを有し、反対面に本発明の接着樹脂組成物を塗布する、
(3)本発明の接着樹脂組成物に微粒子を分散し、これを基材表面に塗布する、
これらの利用法により、高屈折率のレンズシートなどの光学部材を得ることができる。特に好ましくは2枚以上のレンズシートが積層された光学部材であって、片面にレンズ構造を腑型された第1のレンズシートのレンズ構造を有する面の反対面と、片面または両面にレンズ構造を腑型された第2のレンズシートのレンズ構造が腑型された面とが、本発明の光学用接着樹脂組成物または該組成物の硬化物により接合されたレンズシートである。別の観点からは、片面にレンズ構造を腑型された第1のレンズシートのレンズ構造を有する面の反対面と、片面または両面にレンズ構造を腑型された第2のレンズシートのレンズ構造が腑型された面とが接合されたレンズシートにおいて、第1のレンズシートと第2のレンスシートの間隙に請求項1〜3いずれかに記載の光学用接着樹脂組成物または該組成物の硬化物が積層された光学部材といえる。
本発明の接着樹脂組成物が使用される基材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルアミド(PEI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデンなどの樹脂成形物およびフィルム;ガラス;ステンレス、鉄、アルミニウム、銅、合金などの金属類;などが挙げられる。これらの中でも高屈折率であるポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ガラスが好ましい。
本発明の接着樹脂組成物を基材に塗工する方法としては、例えば、スプレーコーティング法、刷毛塗り法、カーテンフローコート法、グラビアコート法、ロールコート法、スピンコート法、バーコート法などをはじめ、基材を本発明の接着樹脂組成物中に浸漬する方法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
また、接着樹脂組成物が溶剤で希釈されている場合、加熱により乾燥することが好ましい。加熱温度および加熱時間は、本発明の接着樹脂組成物の組成や基材の耐熱温度などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、好ましくは80〜150℃、より好ましくは90〜120℃である。
本発明の接着樹脂組成物を基材の表面に塗工し、乾燥させた後の塗膜の厚さは、被着材との密着性を高める観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。
以上のようにして、本発明の接着樹脂組成物をポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートなどの樹脂からなる樹脂フイルムに塗工することによって形成される塗膜は、基材との密着性に優れるとともに屈折率が高いため、レンズシートなどの光学用途に好適に使用することができる。
本発明の接着樹脂組成物を基材に塗工した後、本発明の接着樹脂組成物を硬化させるために加熱および/または光照射を行なう。加熱硬化型の場合、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱などを用いればよい。加熱温度は、基材の種類などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜150℃、より好ましくは80〜120℃の範囲内である。加熱時間は、塗布面積などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは1分間〜24時間、より好ましくは10分間〜12時間、さらに好ましくは30分間〜6時間の範囲内である。また、光硬化型の場合、波長150〜450nmの範囲内の光を含む光源を用いればよい。このような光源としては、例えば、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、フラッシュ型キセノン灯、カーボンアーク灯などが挙げられる。これらの光源と共に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱などによる熱の併用も可能である。照射積算光量は、好ましくは0.1〜100J/cm2、より好ましくは0.2〜50J/cm2、さらに好ましくは0.3〜10J/cm2の範囲内である。
紫外線照射による硬化と共に加熱による硬化を行う場合には、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱などを用いればよい。加熱温度は、基材の種類などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜150℃、より好ましくは80〜120℃の範囲内である。加熱時間は、塗布面積などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは1分間〜24時間、より好ましくは10分間〜12時間、さらに好ましくは30分間〜6時間の範囲内である。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例および比較例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「% 」は「質量% 」を意味するものとする。
実施例および比較例に記載した各接着樹脂組成物の評価方法は下記の通りである。
<ガラス転移温度の評価>
試料10mgを簡易密封容器に詰め、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、製品名:DSC220C)を用いて、窒素気流下、−30℃から120℃まで昇温速度10℃/分で測定した。
<屈折率の評価>
接着樹脂組成物を、バーコーターを用いて厚さ1mmのガラス板に塗布して乾燥し、厚さ50μmの樹脂層を得た。これをUV照射して硬化させ、アタゴ社製アッベ屈折率計DR−M2にて、25℃における屈折率を測定した。
<概観の評価>
接着樹脂組成物を塗布したフィルムの外観を目視により、以下の基準で評価した。
透明:干渉縞が観察されなかったもの
干渉縞:干渉縞が観察されたもの
<接着力の評価>
プリズムシートと接着剤シートを成型し、プリズム層と接着剤層とを貼り合せたときの引っ張り接着強度で評価を行った。
まず、プリズムシートの作成は、2−フェノキシエチルアクリレート10部に対して、ポリエステルアクリレート(CN2254)を20部、オルトフェニルフェノールエトキシアクリレートを70部、シリコン系表面調整剤(BYK−307)を0.3部、イルガキュア184Dを3部加え、60℃で1時間攪拌混合し後脱泡して、プリズム原料となる光硬化性樹脂を得た。この樹脂をプリズム鋳型に入れ、基材となるフィルム(東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4300、厚み100μm)で覆い、UV照射(2J/cm2)して樹脂を硬化し、鋳型から外して頂角度90度、ピッチ100μm、高さ50μmのプリズム形状を含有するプリズムシートを得た。
また、接着剤シートの作成は、基材となるフィルム(東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4300、厚み100μm)に接着樹脂組成物をバーコーターで塗布し、熱風乾燥器にて100℃で2分間乾燥して、厚み5μmの接着剤層を有する接着剤シートを得た。
前記プリズムシートのプリズム層と接着剤シートの接着剤層とを、2kgのローラーで2往復して貼り合せ、接着剤シート側からUV照射(2J/cm2)して硬化させた。硬化後23℃かつ相対湿度60%の環境下に24時間おき、プリズムシート側から幅25mm、長さ150mmで切り取り、90度剥離試験機にサンプルを取り付けた。30mm/分の速度で引っ張り、90度剥離接着強さを測定して、以下の基準で評価した。
◎:500gf/cm2以上
○:200gf/cm2以上で500gf/cm2未満
×:200gf/cm2未満
さらに、80℃かつ相対湿度90%の環境下に100時間おいたサンプルについても同様に90度剥離接着強さを測定した。

<実施例または比較例で使用した化合物>
2−フェノキシエチルアクリレート(共栄社製、商品名:ライトアクリレートPO−A)、グリシジルメタクリレート(日本油脂社製、商品名:ブレンマーG)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート(ダイセル化学社製、商品名:サイクロマーM100)、オキセタン化合物(宇部興産社製、商品名:エタナコールOXMA)、アクリル酸(日本触媒社製)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒社製)、2−エチルヘキシルアクリレート(日本触媒社製)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズMOI)、スチレン(住友化学社製)、オルトフェニルフェノールエトキシアクリレート(ミウォン社製、商品名:ミラマーM1142)、熱ラジカル開始剤(日本ファインケム社製、ABN−E)、光ラジカル開始剤(チバスペシャリティケミカル社製、商品名:イルガキュア184D)、光カチオン開始剤(サンアプロ社製、商品名:CPI−100P)、酢酸n−ブチル(協和発酵ケミカル社製)、ポリエステルアクリレート(サートマー社製、商品名:CN2254)、シリコン系表面調整剤(ビックケミー社製、商品名:BYK−307)、トリエチルアミン(和光純薬社製)、ジブチルすずジラウレート(和光純薬社製)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学工業社社製、商品名:アンテージW400)。
(実施例1)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応槽に、2−フェノキシエチルアクリレート99.5部、グリシジルメタクリレート0.5部、n−ブチル233部を入れて撹拌加熱して80℃にした。ここに、ABN−Eを1部を酢酸n−ブチル30部で希釈した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応したところで昇温して100℃にし、さらに3 時間反応を行った。その後、室温まで冷却して、イオン重合性基を含有する重合体の溶液を得た。
Tg測定するための試料は、得られた反応液の一部を大量のn−へキサンの中に滴下して沈殿させ、沈殿物を充分乾燥し乳鉢で粉砕したものを用いた。
また、接着剤組成物は、重合体の濃度が30%になるように酢酸n−ブチルで希釈し、重合体100部に対してCPI−100Pを3部添加して調製した。
(実施例2)
実施例1において、グリシジルメタクリレートをサイクロマーM100に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
実施例1において、グリシジルメタクリレートをエタナコールOXMAに変更した以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例4)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応槽に、2−フェノキシエチルアクリレート99.0部、アクリル酸を0.5部、n−ブチル233部を入れて撹拌加熱して80℃にした。ここに、ABN−Eを1部を酢酸n−ブチル30部で希釈した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応したところで昇温して110℃にし、さらに3 時間反応を行った。110℃で3時間保持した後、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、グリシジルメタクリレート0.5部、重合禁止剤として2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)を0.01部、触媒としてトリエチルアミンを0.2部を仕込み、そのまま110℃で4時間反応させた。その後、室温まで冷却して、ラジカル重合性基を含有する重合体の溶液を得た。
Tg測定するための試料は、得られた反応液の一部を大量のn−へキサンの中に滴下して沈殿させ、沈殿物を充分乾燥し乳鉢で粉砕したものを用いた。
また、接着剤組成物は、重合体の濃度が30%になるように酢酸n−ブチルで希釈し、重合体100部に対してイルガキュア184Dを3部添加して調製した。
(実施例5)
実施例4において、2−フェノキシエチルアクリレートの量を98.0部とし、アクリル酸の量を1.5部としたこと以外は、実施例4と同様に行った。
(実施例6)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応槽に、2−フェノキシエチルアクリレート99.0部、2−ヒドロキシエチルアクリレートを0.5部、n−ブチル233部を入れて撹拌加熱して80℃にした。ここに、ABN−Eを1部を酢酸n−ブチル30部で希釈した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応したところで昇温して110℃にし、さらに3 時間反応を行った。110℃で3時間保持した後、80℃まで冷却し、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、カレンズMOIを0.5部、重合禁止剤として2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)を0.01部、触媒としてジブチルすずジラウレート0.2部を仕込み、80℃で2時間反応させた。その後、室温まで冷却して、ラジカル重合性基を含有する重合体の溶液を得た。
Tg測定するための試料は、得られた反応液の一部を大量のn−へキサンの中に滴下して沈殿させ、沈殿物を充分乾燥し乳鉢で粉砕したものを用いた。
また、接着剤組成物は、重合体の濃度が30%になるように酢酸n−ブチルで希釈し、重合体100部に対してイルガキュア184Dを3部添加して調製した。
(実施例7)
実施例6において、2−フェノキシエチルアクリレートの量を98.0部とし、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を1.5部としたこと以外は、実施例6と同様に行った。
(比較例1)
実施例1において、2−フェノキシエチルアクリレートをスチレンに変更した以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例2)
実施例4において、2−フェノキシエチルアクリレートをスチレンに変更した以外は、実施例4と同様に行った。
(比較例3)
実施例6において、2−フェノキシエチルアクリレートをスチレンに変更した以外は、実施例6と同様に行った。
(比較例4)
実施例1において、2−フェノキシエチルアクリレートを100部とし、グリシジルメタクリレートを0部とした以外は、実施例1と同様に合成を行った。なお、比較例4では開始剤(B)は添加せずに、接着力の評価を行った。
(比較例5)
実施例1において、2−フェノキシエチルアクリレートを2−エチルヘキシエルアクリレートとした以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例8)
実施例1において、2−フェノキシエチルアクリレート99.5部をオルトフェニルフェノールエトキシアクリレート60.0部と2−エチルヘキシエルアクリレート39.5部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例9)
実施例1で取得した、接着樹脂組成物103部に対して、ジルコニアナノ粒子を25部添加して、攪拌混合を行い、ジルコニアナノ粒子を含有した組成物を得た。
ここで、ジルコニアナノ粒子は、ポリマーで表面被覆され、粒子径が5〜7nmのものを用いた。
表1と表2に、実施例と比較例をまとめた。表中の「重合体(A)の組成」欄には、重合体(A)を構成する成分の化合物名もしくは商品名と、各々の質量部を示した。「重合性基」欄では、重合体(A)が含有するラジカル重合性基またはイオン重合性基の量を示した。「開始剤(B)」欄では、開始剤の商品名と、重合体(A)100質量部に対する添加量を示した。「Tg」、「屈折率」、「外観」、「接着性」欄は、前記の方法で評価した結果を示した。
Figure 2012046673
Figure 2012046673

Claims (5)

  1. 下記の重合体(A)100質量部に対して、開始剤(B)0.1質量部〜5質量部の割合で含有する光学用接着樹脂組成物。
    重合体(A):屈折率が1.50以上であり、かつ、ガラス転移温度(Tg)が25℃以下であり、かつ、ラジカル重合性不飽和基及び/またはイオン重合性反応基を含有する重合体
    開始剤(B):ラジカル重合開始剤及び/またはイオン重合開始剤
  2. 前記重合体(A)が側鎖に芳香環構造を含有する、請求項1に記載の光学用接着樹脂組成物。
  3. 前記組成物の含有量が1質量%から50質量%になるように溶剤で希釈した請求項1または2に記載の光学用接着樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3何れかに記載の光学用接着樹脂組成物を塗布して得られる光学部材。
  5. 片面に腑型されたレンズ構造を有し、他面に請求項1〜3いずれかに記載の光学用接着樹脂組成物を塗布したレンズシートの接着面に、レンズ面を接触させ,他方のレンズシートを接着させた光学部材。
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