JP2014237812A - 活性エネルギー線硬化性組成物、積層体、及び偏光板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 接着剤として取扱いし易い適度な粘度を有しており、プラスチックフィルム、特にPVAフィルムとの接着性に優れる活性エネルギー線硬化性組成物、及び優れた耐熱性を有する偏光板等の積層体を提供する。【解決手段】 重量平均分子量が2,000〜50,000であるエポキシ基含有ビニル系重合体(A)及びビニル系単量体(B)を含み、前記重合体(A)及び前記単量体(B)の合計に対して、前記重合体(A)の含有量が5〜60質量%、前記単量体(B)の含有量が40〜95質量%である活性エネルギー線硬化性組成物、前記組成物を硬化して得られた接着層を有する積層体、並びに、保護フィルム、前記組成物を硬化して得られた接着層及び偏光子フィルムがこの順に連続して積層した構造を含む偏光板。【選択図】なし
Description
本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物、この組成物を硬化して得られた接着層を有する偏光板等の積層体に関する。
液晶表示装置は、テレビをはじめ、パーソナルコンピュータ用ディスプレイや携帯電話等、幅広く用いられている。液晶表示装置の構成部材の中で、偏光板は液晶化合物の配向を可視化するための重要な部材である。偏光板は、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」という)フィルムよりなる偏光子の両面に、トリアセチルセルロース(以下、「TAC」という)等のプラスチック製の保護フィルムが貼り合わされたものである。
PVAフィルムとTACフィルムとの接着には、PVAを主成分とする水系接着剤が用いられている。しかし、TACフィルムは、光学性能に優れる特徴を有する一方、耐湿熱性に課題を有している。そのため近年は、TACに代えて非晶性ポリオレフィン系樹脂やポリアクリル系樹脂の保護フィルムが用いられることがある。非晶性ポリオレフィン系樹脂やポリアクリル系樹脂は、水系接着剤を用いて偏光子と貼り合わせると、TACと比較し透湿度が低いために水系接着剤に含まれていた水分を揮発により除去することが困難であった。
一方、基材同士を接着剤組成物で接着した積層体を製造する際の生産性の向上のために、水等の希釈剤を揮発する工程を省略することが望まれている。そこで、従来の水系接着剤ではなく、水等の希釈剤を含まない活性エネルギー線硬化型接着剤が提案されている。例えば、特許文献1では、エポキシ樹脂、ラジカル重合性の(メタ)アクリレート及び光酸発生剤を含む紫外線硬化型接着剤が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の接着剤は接着力が不十分であり、また、これを硬化して得られた接着層は耐熱性が不十分という問題があった。
本発明の目的は、接着剤として取扱いし易い適度な粘度を有しており、プラスチックフィルム、特にPVAフィルムとの接着性に優れる活性エネルギー線硬化性組成物を提供することにある。また、本発明の目的は、優れた耐熱性を有する偏光板等の積層体を提供することにある。
本発明の目的は、接着剤として取扱いし易い適度な粘度を有しており、プラスチックフィルム、特にPVAフィルムとの接着性に優れる活性エネルギー線硬化性組成物を提供することにある。また、本発明の目的は、優れた耐熱性を有する偏光板等の積層体を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の重量平均分子量のエポキシ基含有ビニル系重合体及び特定のビニル系単量体を特定の割合で含む活性エネルギー線硬化性組成物が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題は、以下の本発明[1]〜[12]によって解決される。
[1]重量平均分子量が2,000〜50,000であるエポキシ基含有ビニル系重合体(A)及びビニル系単量体(B)を含み、前記重合体(A)及び前記単量体(B)の合計に対して、前記重合体(A)の含有量が5〜60質量%、前記単量体(B)の含有量が40〜95質量%である活性エネルギー線硬化性組成物。
[1]重量平均分子量が2,000〜50,000であるエポキシ基含有ビニル系重合体(A)及びビニル系単量体(B)を含み、前記重合体(A)及び前記単量体(B)の合計に対して、前記重合体(A)の含有量が5〜60質量%、前記単量体(B)の含有量が40〜95質量%である活性エネルギー線硬化性組成物。
[2]前記単量体(B)の溶解性パラメータ値が8.5以上である、[1]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[3]前記重合体(A)のエポキシ基含有ビニル系単量体(a1)単位の含有量が50〜100質量%である、[1]または[2]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[4]前記単量体(B)が、ヒドロキシル基を有するビニル系単量体(b1)及び/又はヘテロ環基を有するビニル系単量体(b2)である、[1]から[3]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[5]さらに有機イソシアネート(C)を含む[1]から[4]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[6]重量平均分子量が2,000〜50,000であるエポキシ基含有ビニル系重合体(A)、並びに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のビニル系単量体を含み、前記重合体(A)及び前記単量体の合計に対して、前記重合体(A)の含有量が5〜60質量%、前記単量体の含有量が40〜95質量%である活性エネルギー線硬化性組成物。
[7]前記重合体(A)のエポキシ基含有ビニル系単量体(a1)単位の含有量が50〜100質量%である、[6]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[8]さらに有機イソシアネート(C)を含む[6]または[7]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[9]さらに光重合開始剤(D)を含む[1]から[8]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[10][1]から[9]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化して得られた接着層。
[11][1]から[9]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化して得られた接着層を有する積層体。
[12]保護フィルム、[1]から[9]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化して得られた接着層及び偏光子フィルムがこの順に連続して積層した構造を含む偏光板。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、接着剤として取扱いし易い適度な粘度を有しており、プラスチックフィルム、特にPVAフィルムとの接着性に優れている。また、本発明の偏光板等の積層体は耐熱性に優れている。
以下、本発明について詳細に説明する。本明細書における「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」を、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及び/又は「メタクリロイル」を、「(メタ)アクリロニトリル」とは「アクリロニトリル」及び/又は「メタクリロニトリル」を意味する。
<エポキシ基含有ビニル系重合体(A)>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物(以下、適宜「本組成物」という)を構成するエポキシ基含有ビニル系重合体(A)は、組成物に基材に対する接着力を付与する成分である。A成分は、エポキシ基含有ビニル系単量体(a1)(以下、適宜「a1原料」という)を単独重合、またはa1原料とa1原料以外のその他の単量体(a2)(以下、適宜「a2原料」という)を含んでなる単量体の混合物を共重合して得ることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物(以下、適宜「本組成物」という)を構成するエポキシ基含有ビニル系重合体(A)は、組成物に基材に対する接着力を付与する成分である。A成分は、エポキシ基含有ビニル系単量体(a1)(以下、適宜「a1原料」という)を単独重合、またはa1原料とa1原料以外のその他の単量体(a2)(以下、適宜「a2原料」という)を含んでなる単量体の混合物を共重合して得ることができる。
a1原料は、重合して得られるA成分にエポキシ基を導入し、接着性を付与する目的で使用される。a1原料としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル及び(メタ)アクリル酸6,7−エポキシへプチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル及びα−エチルアクリル酸6,7−エポキシへプチル等のα置換アクリル酸エステル類;o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル及びp−ビニルベンジルグリシジルエーテル等のビニルベンジルグリシジルエーテル類等が挙げられる。これらの中では、a2原料を用いる場合に、共重合性が良好であるという点から、(メタ)アクリル酸エステル類が好ましく、グリシジルメタクリレートがより好ましい。a1原料としては、1種の単量体を単独で、又は2種以上の単量体を併せて用いることができる。
A成分を製造する際にa2原料を用いることにより、A成分の耐熱性や接着性を調整することができる。a2原料としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式基含有(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等が挙げられる。硬化物の耐熱性の点からメチルメタクリレート及びスチレンが好ましく、接着性の点からエチルアクリレート、n−ブチルアクリレート及びn−ブチルメタクリレートが好ましい。a2原料は、1種の単量体を単独で、又は2種以上の単量体を併せて用いることができる。
A成分の製造に用いるa1原料とa2原料の割合、すなわちa1原料単位とa2原料単位の共重合比は、a1原料とa2原料の合計に対して、a1原料が10〜100質量%及びa2原料が0〜90質量%であることが好ましく、a1原料が20〜100質量%及びa2原料が0〜80質量%であることがより好ましく、a1原料が50〜100質量%及びa2原料が0〜50質量%であることがさらに好ましいい。a1原料の割合が高いほど基材との相互作用が強くなるので、硬化物と基材との接着性が高まる傾向がある。また、a1原料の割合が低いほどa2原料の割合が高くなるので耐熱性または接着性に優れる傾向がある。
A成分は、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合等の既知の重合方法にて製造することができる。この中でも、重合後の水性懸濁液を濾過、洗浄、脱水、乾燥することにより、希釈溶剤等を含まない粒状のA成分を容易に製造することができる点で懸濁重合法が好ましい。
A成分を重合により製造する際に用いる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート及びt−ヘキシルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸ナトリウム及び過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物が挙げられる。これらの中では、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
重合開始剤の使用量は、ビニル系単量体100質量部に対して、0.05〜10質量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。重合開始剤の使用量は多いほど重合速度が速くなるのでA成分の生産性が向上し、少ないほど製造時の温度制御が容易となる。
重合に際しては、必要に応じて連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル類;α−メチルスチレンダイマーが挙げられる。これらの中では、n−ドデシルメルカプタンが好ましい。
A成分を懸濁重合で製造する場合に用いる分散剤としては、例えば、燐酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及び澱粉末シリカ等の水難溶性無機化合物;PVA、ポリエチレンオキサイド及びセルロ−ス誘導体等のノニオン系高分子化合物;ポリ(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸とメチル(メタ)アクリレートの共重合物のアルカリ金属塩、及び(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とメチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸スルホン酸エステルアルカリ金属塩の共重合物等のアニオン系高分子化合物が挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とメチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸スルホン酸エステルアルカリ金属塩の共重合物の共重合物が好ましい。
A成分のガラス転移温度(以下、適宜「計算Tg」という)は、0〜140℃の範囲内が好ましく、10〜120℃がより好ましい。計算Tgは高いほど懸濁重合法で安定に製造できるほか、得られる硬化物の耐熱性が向上するので好ましく、低いほど本組成物を低粘度化することが容易になるので好ましい。本明細書における計算Tgは、Foxの式で求められる。Foxの式とは、共重合体のTg(℃)についての下記の関係式である。
1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))
Wi:単量体iの質量分率
Tgi:単量体iの単独重合体のTg(℃)
尚、単独重合体のTgの数値としては、「ポリマーハンドブック 第4版 John Wiley & Sons著」に記載の数値を用いることができる。
1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))
Wi:単量体iの質量分率
Tgi:単量体iの単独重合体のTg(℃)
尚、単独重合体のTgの数値としては、「ポリマーハンドブック 第4版 John Wiley & Sons著」に記載の数値を用いることができる。
A成分の重量平均分子量(以下、適宜「Mw」という)は、2,000〜50,000であり、4,000〜45,000が好ましい。Mwは大きいほど得られる硬化物の耐熱性が向上し、小さいほどB成分に対する溶解性が向上し、また本組成物が低粘度になる傾向がある。
本組成物において、A成分の含有量は、A成分とB成分の合計に対して5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。A成分の含有量は多いほど本組成物が硬化した時の重合収縮が少なくなるので、硬化物と基材との接着性が高まる傾向がある。また、A成分の含有量は少ないほど得られる本組成物の粘度が低くなる傾向があるので、基材への塗工性が向上し、得られる硬化物層、すなわち接着層の厚み制御が容易になる傾向がある。
本組成物において、A成分として1種の重合体を単独で、又は2種以上の重合体を併せて用いることができる。
<ビニル系単量体(B)>
本組成物を構成するビニル系単量体(B)は、本組成物の粘度を調整し、基材への接着性を付与する成分である。B成分のSP値は8.5以上が好ましく、9.0以上がより好ましい。SP値は大きいほどA成分に対する溶解性に優れ、本組成物の低粘度化が容易になるほか、接着性の点で好ましい。本明細書におけるSP値は、Hoy法に基づく下記の関係式により導かれる値を用いる。Hoyの凝集エネルギー定数としては、「ポリマーハンドブック 第4版 John Wiley & Sons著」に記載の数値を用いることができる。本明細書において、SP値の単位は(cal/cm3)1/2である。
SP値=(dΣG)/M
M:分子量〔単位:g/mol〕
d:密度〔単位:g/cm3〕
G:原子団、基固有のHoyの凝集エネルギー定数〔単位:(cal・cm3)1/2/mol〕
本組成物を構成するビニル系単量体(B)は、本組成物の粘度を調整し、基材への接着性を付与する成分である。B成分のSP値は8.5以上が好ましく、9.0以上がより好ましい。SP値は大きいほどA成分に対する溶解性に優れ、本組成物の低粘度化が容易になるほか、接着性の点で好ましい。本明細書におけるSP値は、Hoy法に基づく下記の関係式により導かれる値を用いる。Hoyの凝集エネルギー定数としては、「ポリマーハンドブック 第4版 John Wiley & Sons著」に記載の数値を用いることができる。本明細書において、SP値の単位は(cal/cm3)1/2である。
SP値=(dΣG)/M
M:分子量〔単位:g/mol〕
d:密度〔単位:g/cm3〕
G:原子団、基固有のHoyの凝集エネルギー定数〔単位:(cal・cm3)1/2/mol〕
B成分としては、分子中に1個のビニル基を有する単量体が好ましい。また、B成分としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、フェニル基、ヘテロ環基及びアルコキシル基等を有するビニル化合物が好ましい。ヒドロキシル基を有するビニル系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等;カルボキシル基を有するビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸等;アミノ基を有するビニル系単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等;アミド基を有するビニル系単量体としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等;フェニル基を有するビニル系単量体としては、フェニル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレート等;ヘテロ環基を有するビニル系単量体としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン及びグリシジル(メタ)アクリレート等;アルコキシル基等を有するビニル化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート及びメトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が具体的な例として挙げられる。その他、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の上記基を有さないビニル系化合物を用いることができる。本組成物の低粘度化が容易で、その硬化物が透明性に優れることから、ヒドロキシル基を有するビニル系単量体(b1)(以下、「b1成分」という)及びヘテロ環基を有するビニル系単量体(b2)(以下、「b2成分」という)が好ましい。b1成分としては2−ヒドロキシエチルアクリレート(SP値11(cal/cm3)1/2)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(SP値9.9(cal/cm3)1/2)及び4−ヒドロキシブチルアクリレート(SP値10(cal/cm3)1/2)が好ましい。b2成分としては、テトラヒドロフルフリルアクリレート(SP値9.4(cal/cm3)1/2)が好ましい。B成分は1種の化合物を単独で、又は2種以上の化合物を併せて用いることができる。特に、b1成分とb2成分とを併せて用いることが好ましい。
本組成物において、B成分の含有量は、A成分とB成分の合計に対して40〜95質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。B成分の含有量は多いほど本組成物の粘度が低くなる傾向があるので、基材への塗工性が向上し、得られる硬化物層の厚み制御が容易になる傾向がある。また、B成分の含有量は少ないほど硬化時の重合収縮が少なくなる傾向があるので、硬化物と基材、特にプラスチック基材との接着性が高まる傾向がある。
<有機イソシアネート(C)>
本組成物には、有機イソシアネート(以下、適宜「C成分」という。)を含めることができる。C成分は、基材との接着性を向上する目的で用いることができる。有機イソシアネートとしては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物が好ましい。有機イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(または6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アクリロイルアルキルイソシアネート等が挙げられる。また、これら有機イソシアネートのトリメチロールプロパン,ペンタエリスリトールなどの多価アルコールと変性してなるアダクト体、イソシアヌレート体、ビウレット体、アロファネート体等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
C成分を用いる場合の含有量は、次式で表されるb1成分とC成分のモル比率Mが0.5以上、1.5未満となるような比率であることが好ましい。
M=(m1)/(m2×2)
m1、m2はそれぞれ、b1成分、D成分のモル量を示す。
本組成物には、有機イソシアネート(以下、適宜「C成分」という。)を含めることができる。C成分は、基材との接着性を向上する目的で用いることができる。有機イソシアネートとしては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物が好ましい。有機イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(または6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アクリロイルアルキルイソシアネート等が挙げられる。また、これら有機イソシアネートのトリメチロールプロパン,ペンタエリスリトールなどの多価アルコールと変性してなるアダクト体、イソシアヌレート体、ビウレット体、アロファネート体等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
C成分を用いる場合の含有量は、次式で表されるb1成分とC成分のモル比率Mが0.5以上、1.5未満となるような比率であることが好ましい。
M=(m1)/(m2×2)
m1、m2はそれぞれ、b1成分、D成分のモル量を示す。
C成分の含有量は多いほど硬化物と基材との接着性が高まり、得られる硬化物の耐熱性が向上する傾向がある。また、C成分の含有量は少ないほど貯蔵安定性に優れる傾向がある。
<光重合開始剤(D)>
本組成物には、光重合開始剤(以下、適宜「D成分」という。)を含めることができる。D成分を用いる場合は、硬化に用いる活性エネルギー線の種類や波長に応じてD成分を適宜選択すればよい。D成分としては光ラジカル重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤等が挙げられる。硬化性の点で光ラジカル重合開始剤が好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系及びアシルホスフィンオキサイド系等の公知の光重合開始剤を使用できる。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、硬化性、及び得られる硬化物の光学性能の点より、アセトフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系が好ましい。好ましいアセトフェノン系の光重合開始剤の具体例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが挙げられる。好ましいアシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。D成分を用いる場合は1種の化合物を単独で、又は2種以上の化合物を併せて用いることができる。
本組成物には、光重合開始剤(以下、適宜「D成分」という。)を含めることができる。D成分を用いる場合は、硬化に用いる活性エネルギー線の種類や波長に応じてD成分を適宜選択すればよい。D成分としては光ラジカル重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤等が挙げられる。硬化性の点で光ラジカル重合開始剤が好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系及びアシルホスフィンオキサイド系等の公知の光重合開始剤を使用できる。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、硬化性、及び得られる硬化物の光学性能の点より、アセトフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系が好ましい。好ましいアセトフェノン系の光重合開始剤の具体例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが挙げられる。好ましいアシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。D成分を用いる場合は1種の化合物を単独で、又は2種以上の化合物を併せて用いることができる。
D成分を用いる場合の含有量は特に限定されないが、A成分とB成分、及び後述するE成分の合計量100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。D成分の含有量は多いほど良好な硬化性を示す傾向があり、少ないほど得られる硬化物の着色が少なくなる傾向がある。
<その他の成分>
本組成物には、A成分、B成分、C成分及びD成分以外にも、例えば、得られる硬化物の接着性、耐熱性及び光学特性等を調節する目的で、B成分以外のビニル系単量体(E)(以下「E成分」という)を含むことができる。E成分としては、例えば、SP値が8.5未満のモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。以下、それらの具体例に列記する。
本組成物には、A成分、B成分、C成分及びD成分以外にも、例えば、得られる硬化物の接着性、耐熱性及び光学特性等を調節する目的で、B成分以外のビニル系単量体(E)(以下「E成分」という)を含むことができる。E成分としては、例えば、SP値が8.5未満のモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。以下、それらの具体例に列記する。
モノ(メタ)アクリレートの具体例としては、炭素数が1〜20の直鎖、分岐、もしくは環構造を有してもよいアルキルモノ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
ジ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート及びジシクロペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等の直鎖、分岐、もしくは環構造を有してもよいアルカンジオールのジ(メタ)アクリレート類、並びにそれらのアルキレンオキサイド付加物;ポリエチレングリコール(繰り返し単位n=2〜15)のジ(メタ)アクリレート等のポリエーテルジオールのジ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びグリセリン等の多価アルコールの(メタ)アクリレート並びにそのアルキレンオキサイド変性物;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの(メタ)アクリレート及びそのアルキレンオキサイド変性物等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させたビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、有機イソシアネート化合物に、1個の(メタ)アクリロイルオキシ基と1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート、必要に応じてアルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリブタジエンジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール及びアミドジオール等のジオール類を反応させたものが挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、フタル酸等の多塩基酸とエチレングリコール等の多価アルコールから得られたポリエステルジオールと、(メタ)アクリル酸とを反応させたものが挙げられる。
E成分は任意成分であるが、用いる場合は1種の化合物を単独で、又は2種以上の化合物を併せて用いることができる。
本組成物には、以上述べた成分以外にも、各種の添加剤、重合体及びカップリング剤等を含むことができる。
添加剤としては、例えば、着色剤、充填剤、顔料分散剤、ゲル化防止剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、垂止め剤、ワックス、熱重合開始剤及び硬化触媒が挙げられる。
重合体としては、例えば、A成分以外のビニル系共重合体及び各種ゴム粒子が挙げられる。重合体は、硬化時の硬化収縮の低減及び得られる硬化物の弾性向上等の目的ために用いることができる。
カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤及びチタンカップリング剤が挙げられる。その中でも、貯蔵安定性や他の成分との相溶性の点からシランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、(メタ)アクリロイルオキシ基やビニル基、エポキシ基及びアミノ基等の官能基を有するものが好ましい。カップリング剤は、基材との接着性を向上する目的で用いることができる。
本組成物は、塗布後や貼り付け後の乾燥工程を省略するために、水や有機溶剤等の揮発性希釈剤を実質的に含まないことが好ましい。但し、塗装方法に応じて希釈剤で希釈することができる。
<本組成物>
本組成物は、上記各成分を混合することによって製造することができる。混合は各成分が均一になるように行うことが好ましい。
本組成物は、上記各成分を混合することによって製造することができる。混合は各成分が均一になるように行うことが好ましい。
本組成物の粘度は、本組成物を塗布する方式等の取扱い方法に応じて適宜調整することができる。薄い接着層を得るためには、粘度は0.1〜170mPa・sが好ましく、0.5〜150mPa・sがより好ましい。粘度は、高いほど基材に塗布した際に液ダレが生じ難くいので、均一な厚みの接着層を得やすくなる傾向があり、低いほどより薄く塗装できるので、より薄い接着層を得やすくなる傾向がある。
本組成物は、ガラスや各種プラスチック製の基材の接着剤として好適である。本組成物の硬化物はPVAとの接着性に優れていることから、本組成物は、偏光板を製造する際のPVA製の偏光子フィルムと保護フィルムとを貼り合せるための接着剤として好適である。このように本組成物を用いて製造された偏光板等の積層体は、本組成物を硬化して得られる接着層(以下、「本接着層」という)を有する。
<偏光板>
本発明の偏光板(以下、「本偏光板」という)は、保護フィルム、本接着層及び偏光子フィルムがこの順に連続して積層した構造を含む偏光板である。本偏光板の構成は使用される用途に応じて適宜選択できるが、具体的な構成例としては、保護フィルム、本接着層、偏光子フィルム、本接着層及び保護フィルムがこの順に連続して積層された構成、並びに保護フィルム、本接着層、偏光子フィルム、本接着層以外の接着層及び保護フィルムがこの順に連続して積層された構成が挙げられる。
本発明の偏光板(以下、「本偏光板」という)は、保護フィルム、本接着層及び偏光子フィルムがこの順に連続して積層した構造を含む偏光板である。本偏光板の構成は使用される用途に応じて適宜選択できるが、具体的な構成例としては、保護フィルム、本接着層、偏光子フィルム、本接着層及び保護フィルムがこの順に連続して積層された構成、並びに保護フィルム、本接着層、偏光子フィルム、本接着層以外の接着層及び保護フィルムがこの順に連続して積層された構成が挙げられる。
前記偏光子フィルムの材質としてはPVAが好ましい。PVA製の偏光子フィルムは、例えば、PVAフィルムにヨウ素を含浸させた後、一軸延伸することによってPVAとヨウ素との錯体を形成させて製造することができる。偏光子フィルムには水分を含んでいてもよい。偏光子フィルムの厚みは、5μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
保護フィルムの素材としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、シクロオレフィン系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂及びポリカーボネート樹脂等の樹脂が挙げられる。保護フィルムの厚みは、用途に応じて選択できるが、20μm〜200μmの範囲であることが好ましい。
これら保護フィルム及び偏光子フィルムは、本組成物を用いて接着する前に、コロナ処理、プラズマ処理、ケン化処理及びプライマー処理等の表面改質処理を行ってもよい。
プライマー処理には、保護フィルム及び偏光子フィルムの種類に応じて、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂を含むプライマーが用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系等のポリオールを、イソシアネート系架橋剤で熱硬化させるウレタン樹脂が挙げられる。イソシアネート系架橋剤としては、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;脂肪族ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;キシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート;及びこれらのビューレット体又はアロハネート体や、それらの3量体等のポリイソシアネート類が用いられる。
プライマー処理では、プライマーを公知の手段により塗装し、乾燥又は乾燥及び硬化させることでプライマー層が得られる。プライマー層の厚みは0.1〜5μmが好ましい。
本組成物を用いて保護フィルムと偏光子フィルムとを接着する方法としては、例えば、保護フィルム上に本組成物を塗布し、その上に偏光子フィルムを重ね合わせた後、活性エネルギー線を照射して本組成物を硬化させる方法、保護フィルム上に本組成物を塗布し、その上に偏光子フィルムを重ね合わせ、その上に本組成物を塗布し、その上に保護フィルムを重ね合わせた後に、活性エネルギー線を照射して2つの本組成物の層を同時に硬化させる方法等が挙げられる。
本接着層の厚みは、本偏光板の用途に応じて選択できるが、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。この厚みは大きいほど接着力が高くなる傾向があり、少ないほど光学性能が良好になる傾向がある。
本組成物を基材に塗布する方法は、特に限定されないが、例えば、カーテンフローコーター法及びダイコーター法等のスリットコーター法、並びにナイフコーター法、ロールコーター法、グラビアコーター法、スプレー法が挙げられる。
本組成物は、活性エネルギー線の照射によって硬化させることで、接着力を発現する。活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線、マイクロ波及び高周波等のことであり、汎用性の観点から紫外線が好ましい。
紫外線の発生源としては、実用性及び経済性の面から、一般的に用いられている紫外線ランプが好ましい。紫外線ランプとしては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ及び無電極UVランプが挙げられる。また、LED光源を用いてもよい。
本組成物の硬化を促進するために、活性エネルギー線の照射後に加熱してもよい。このときの加熱温度は、40〜100℃が好ましい。
本発明の偏光板は、携帯電話等の移動通信端末や液晶テレビ、パソコン、携帯ゲーム機等に用いられる液晶ディスプレイ等の部材に使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において「部」は「質量部」を表す。また、物性測定及び評価は、以下の方法により実施した。
<重量平均分子量(Mw)>
ビニル系重合体のMwは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)[東ソー社製 商品名HLC−8120]を用いて測定した。カラムは、東ソー社製のTSKgel G5000HXLとGMHXL−Lを直列に連結して用いた。検量線は、F288/F80/F40/F10/F4/F1/A5000/A1000/A500(東ソー社製 標準ポリスチレン)及びスチレンモノマーを使用して作成した。測定は、ビニル系重合体を0.4質量%溶解したTHF溶液を調製し、調製したTHF溶液を100μl使用して、40℃で行った。Mwは、標準ポリスチレン換算して算出した。
ビニル系重合体のMwは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)[東ソー社製 商品名HLC−8120]を用いて測定した。カラムは、東ソー社製のTSKgel G5000HXLとGMHXL−Lを直列に連結して用いた。検量線は、F288/F80/F40/F10/F4/F1/A5000/A1000/A500(東ソー社製 標準ポリスチレン)及びスチレンモノマーを使用して作成した。測定は、ビニル系重合体を0.4質量%溶解したTHF溶液を調製し、調製したTHF溶液を100μl使用して、40℃で行った。Mwは、標準ポリスチレン換算して算出した。
<粘度>
組成物の粘度は、JIS K7117に準拠し、25℃でE型粘度計(東機産業社製TVE−20H型粘度計)を用いて測定した。粘度は以下の指標で評価した。
○:170mPa・s以下
×:170mPa・sを上回る
組成物の粘度は、JIS K7117に準拠し、25℃でE型粘度計(東機産業社製TVE−20H型粘度計)を用いて測定した。粘度は以下の指標で評価した。
○:170mPa・s以下
×:170mPa・sを上回る
<接着性>
組成物をバーコーターを用いて基材上に塗装し(目標膜厚:5μm)、次いで易接着処理PETフィルム(東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4100、厚み:125μm)で泡が入らないようにラミネートし、ローラーを用いて均等に加圧した。基材面側からメタルハライド灯を用いて紫外線を照射して、基材、接着層及び易接着処理PETフィルムが積層された積層体を得た。積算光量は5000mJ/cm2とした。次いで、90℃のセーフベンドライヤー中で積層体を15分加温した。こうして得られた積層体のサンプルを100mm×20mmのサイズに切り出し、接着層の基材に対する接着力を、JIS K6854−3に準拠した方法で測定した。接着性は以下の指標で評価した。
◎:基材が破断
○:0.5N/mm以上
△:0.3N/mm以上0.5N/mm未満
×:0.3N/mm未満
尚、用いた基材は、以下の通りである。
PET:易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4100、厚み:125μm
TAC:TACフィルム、厚み:40μm
PMMA:アクリルフィルム、三菱レイヨン社製、商品名:アクリプレンHBS010P、厚み:125μm
PVA:PVAフィルム、アイセロ化学社製、商品名:ソルブロンMA、厚み:40μm
組成物をバーコーターを用いて基材上に塗装し(目標膜厚:5μm)、次いで易接着処理PETフィルム(東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4100、厚み:125μm)で泡が入らないようにラミネートし、ローラーを用いて均等に加圧した。基材面側からメタルハライド灯を用いて紫外線を照射して、基材、接着層及び易接着処理PETフィルムが積層された積層体を得た。積算光量は5000mJ/cm2とした。次いで、90℃のセーフベンドライヤー中で積層体を15分加温した。こうして得られた積層体のサンプルを100mm×20mmのサイズに切り出し、接着層の基材に対する接着力を、JIS K6854−3に準拠した方法で測定した。接着性は以下の指標で評価した。
◎:基材が破断
○:0.5N/mm以上
△:0.3N/mm以上0.5N/mm未満
×:0.3N/mm未満
尚、用いた基材は、以下の通りである。
PET:易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4100、厚み:125μm
TAC:TACフィルム、厚み:40μm
PMMA:アクリルフィルム、三菱レイヨン社製、商品名:アクリプレンHBS010P、厚み:125μm
PVA:PVAフィルム、アイセロ化学社製、商品名:ソルブロンMA、厚み:40μm
<耐熱性>
組成物をバーコーターを用いて未処理PETフィルム(東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4100、厚み:125μm)基材上に塗装し(目標膜厚:50μm)、メタルハライド灯を用いて紫外線を照射し、硬化膜を得た。積算光量は、5000mJ/cm2とした。次いで、90℃のセーフベンドライヤー中で15分加温した。得られた硬化膜のサンプルを、30mm×4mmのサイズに切り出し、110Hzで動的粘弾性測定機(TAインスツルメント社製、商品名:粘弾性アナライザー(固体用)RSAII)を用いて弾性率変化を測定した。その結果から硬化膜のTgを得た。耐熱性は以下の指標で評価した。
◎:Tgが80℃以上で、耐熱性が極めて良好である。
○:Tgが50℃以上80℃未満で、耐熱性が良好である。
×:Tgが50℃未満で、耐熱性が不良である。
組成物をバーコーターを用いて未処理PETフィルム(東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4100、厚み:125μm)基材上に塗装し(目標膜厚:50μm)、メタルハライド灯を用いて紫外線を照射し、硬化膜を得た。積算光量は、5000mJ/cm2とした。次いで、90℃のセーフベンドライヤー中で15分加温した。得られた硬化膜のサンプルを、30mm×4mmのサイズに切り出し、110Hzで動的粘弾性測定機(TAインスツルメント社製、商品名:粘弾性アナライザー(固体用)RSAII)を用いて弾性率変化を測定した。その結果から硬化膜のTgを得た。耐熱性は以下の指標で評価した。
◎:Tgが80℃以上で、耐熱性が極めて良好である。
○:Tgが50℃以上80℃未満で、耐熱性が良好である。
×:Tgが50℃未満で、耐熱性が不良である。
<製造例1 分散剤(1)の調製>
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水900部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム60部、メタクリル酸カリウム10部及びメチルメタクリレート12部を加えて撹拌した。重合装置内を窒素置換しながら50℃に昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.08部を添加し、更に60℃に昇温した。また、重合開始剤の添加と同時に、滴下ポンプを使用して、メチルメタクリレートを0.24部/分の速度で75分間連続的に滴下し、60℃で6時間保持した。その後室温に冷却して、透明なポリマー水溶液である分散剤(1)を得た。
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水900部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム60部、メタクリル酸カリウム10部及びメチルメタクリレート12部を加えて撹拌した。重合装置内を窒素置換しながら50℃に昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.08部を添加し、更に60℃に昇温した。また、重合開始剤の添加と同時に、滴下ポンプを使用して、メチルメタクリレートを0.24部/分の速度で75分間連続的に滴下し、60℃で6時間保持した。その後室温に冷却して、透明なポリマー水溶液である分散剤(1)を得た。
<製造例2 ビニル系重合体(A−1)>
温度計、窒素導入管、還流冷却器及び撹拌装置を備え、加温及び冷却が可能な重合装置中に、脱イオン水200部、製造例で得られた分散剤(1)0.01部を投入し、撹拌した。撹拌を停止してから、グリシジルメタクリレート(GMA)100部を投入した後、攪拌を再開した。重合装置内の気相部を窒素置換した後に、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部及びn−ドデシルメルカプタン2部を添加し、75℃に加温して反応温度を75〜80℃に維持しながら2時間反応させ、次いで95℃に昇温して1時間反応させ、重合体のスラリーを得た。このスラリーを、目開き30μmのメッシュで濾過し、脱水及び乾燥させて、エポキシ基含有ビニル系重合体(A−1)を得た。重合体(A−1)の計算Tgは46℃であり、Mwは17,000であった。
温度計、窒素導入管、還流冷却器及び撹拌装置を備え、加温及び冷却が可能な重合装置中に、脱イオン水200部、製造例で得られた分散剤(1)0.01部を投入し、撹拌した。撹拌を停止してから、グリシジルメタクリレート(GMA)100部を投入した後、攪拌を再開した。重合装置内の気相部を窒素置換した後に、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部及びn−ドデシルメルカプタン2部を添加し、75℃に加温して反応温度を75〜80℃に維持しながら2時間反応させ、次いで95℃に昇温して1時間反応させ、重合体のスラリーを得た。このスラリーを、目開き30μmのメッシュで濾過し、脱水及び乾燥させて、エポキシ基含有ビニル系重合体(A−1)を得た。重合体(A−1)の計算Tgは46℃であり、Mwは17,000であった。
<製造例3 ビニル系重合体(A−2)>
n−ドデシルメルカプタン4.5部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−2)を得た。重合体(A−2)の計算Tgは46℃であり、Mwは7,700であった。
n−ドデシルメルカプタン4.5部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−2)を得た。重合体(A−2)の計算Tgは46℃であり、Mwは7,700であった。
<製造例4 ビニル系重合体(A−3)>
n−ドデシルメルカプタン1.5部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−3)を得た。重合体(A−3)の計算Tgは46℃であり、Mwは25,000であった。
n−ドデシルメルカプタン1.5部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−3)を得た。重合体(A−3)の計算Tgは46℃であり、Mwは25,000であった。
<製造例5 ビニル系重合体(A−4)>
n−ドデシルメルカプタン1部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−4)を得た。重合体(A−4)の計算Tgは46℃であり、Mwは34,000であった。
n−ドデシルメルカプタン1部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−4)を得た。重合体(A−4)の計算Tgは46℃であり、Mwは34,000であった。
<製造例6 ビニル系重合体(A−5)>
n−ドデシルメルカプタン0.8部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−5)を得た。重合体(A−5)の計算Tgは46℃であり、Mwは42,000であった。
n−ドデシルメルカプタン0.8部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−5)を得た。重合体(A−5)の計算Tgは46℃であり、Mwは42,000であった。
<製造例7 ビニル系重合体(A−6)>
GMA75部、メチルメタクリレート(MMA)25部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−6)を得た。重合体(A−6)の計算Tgは59℃であり、Mwは15,000であった。
GMA75部、メチルメタクリレート(MMA)25部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−6)を得た。重合体(A−6)の計算Tgは59℃であり、Mwは15,000であった。
<製造例8 ビニル系重合体(A−7)>
GMA50部、MMA50部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−7)を得た。重合体(A−7)の計算Tgは73℃であり、Mwは14,600であった。
GMA50部、MMA50部を用いること以外は、製造例1と同様にしてエポキシ基含有ビニル系重合体(A−7)を得た。重合体(A−7)の計算Tgは73℃であり、Mwは14,600であった。
<実施例1>
A成分である製造例2で得られたエポキシ基含有ビニル系重合体(A−1)20部に、B成分であるテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#150、SP値9.4(cal/cm3)1/2)50部及び2−ヒドロキシプロピルアクリレート(大阪有機化学工業社製 商品名:HPA、SP値9.9(cal/cm3)1/2)30部、並びに2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名:ルシリンTPO)5部を室温で溶解し、粘度51mPa・sの硬化性接着剤組成物を得た。この組成物について、接着性、耐熱性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
A成分である製造例2で得られたエポキシ基含有ビニル系重合体(A−1)20部に、B成分であるテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#150、SP値9.4(cal/cm3)1/2)50部及び2−ヒドロキシプロピルアクリレート(大阪有機化学工業社製 商品名:HPA、SP値9.9(cal/cm3)1/2)30部、並びに2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名:ルシリンTPO)5部を室温で溶解し、粘度51mPa・sの硬化性接着剤組成物を得た。この組成物について、接着性、耐熱性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例2〜18、比較例1〜5>
硬化性組成物の組成を表1に示す組成とする以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、実施例1と同様に接着性、耐熱性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
硬化性組成物の組成を表1に示す組成とする以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、実施例1と同様に接着性、耐熱性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
表1中の各欄の見方は次の通りである。
「組成物の組成」:上段は成分名、下段は配合量(部)。
「粘度」:上段は粘度〔mPa・s〕、下段は評価指標。
「接着性」:上段は接着力〔N/mm〕又は基材の状態、下段は評価指標。
「耐熱性」:上段はTg〔℃〕、下段は評価指標。
「組成物の組成」:上段は成分名、下段は配合量(部)。
「粘度」:上段は粘度〔mPa・s〕、下段は評価指標。
「接着性」:上段は接着力〔N/mm〕又は基材の状態、下段は評価指標。
「耐熱性」:上段はTg〔℃〕、下段は評価指標。
表1中の符号及び略号は下記の通りである。
A−1:製造例2で製造したビニル系重合体、計算Tg=46℃、分子量=17000。
A−2:製造例3で製造したビニル系重合体、計算Tg=46℃、分子量=7700。
A−3:製造例4で製造したビニル系重合体、計算Tg=46℃、分子量=25000。
A−4:製造例5で製造したビニル系重合体、計算Tg=46℃、分子量=34000。
A−5:製造例6で製造したビニル系重合体、計算Tg=46℃、分子量=42000。
A−6:製造例7で製造したビニル系重合体、計算Tg=59℃、分子量=15000。
A−7:製造例8で製造したビニル系重合体、計算Tg=73℃、分子量=14600。
BGE:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名:jER−828)。
P−1:ポリメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、商品名:ダイヤナールBR−53)、Tg=105℃、分子量=40000。
P−2:ポリグリシジルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、商品名:ダイヤナールMB−7301)、Tg=46、分子量=60000。
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#150)、SP値9.4(cal/cm3)1/2。
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:HEA)、SP値11(cal/cm3)1/2。
HPA:2−ヒドロキシプロピルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:HPA)、SP値9.9(cal/cm3)1/2。
PEA:フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#192)、SP値9.6(cal/cm3)1/2。
BzA:ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#160)、SP値9.3(cal/cm3)1/2。
CHA:シクロヘキシルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#155)、SP値8.6(cal/cm3)1/2。
IBXA:イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:IBXA)、SP値8.4(cal/cm3)1/2。
XDI:1,3−キシリレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:タケネート500)。
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製、商品名:ルシリンTPO)。
A−1:製造例2で製造したビニル系重合体、計算Tg=46℃、分子量=17000。
A−2:製造例3で製造したビニル系重合体、計算Tg=46℃、分子量=7700。
A−3:製造例4で製造したビニル系重合体、計算Tg=46℃、分子量=25000。
A−4:製造例5で製造したビニル系重合体、計算Tg=46℃、分子量=34000。
A−5:製造例6で製造したビニル系重合体、計算Tg=46℃、分子量=42000。
A−6:製造例7で製造したビニル系重合体、計算Tg=59℃、分子量=15000。
A−7:製造例8で製造したビニル系重合体、計算Tg=73℃、分子量=14600。
BGE:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名:jER−828)。
P−1:ポリメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、商品名:ダイヤナールBR−53)、Tg=105℃、分子量=40000。
P−2:ポリグリシジルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、商品名:ダイヤナールMB−7301)、Tg=46、分子量=60000。
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#150)、SP値9.4(cal/cm3)1/2。
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:HEA)、SP値11(cal/cm3)1/2。
HPA:2−ヒドロキシプロピルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:HPA)、SP値9.9(cal/cm3)1/2。
PEA:フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#192)、SP値9.6(cal/cm3)1/2。
BzA:ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#160)、SP値9.3(cal/cm3)1/2。
CHA:シクロヘキシルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#155)、SP値8.6(cal/cm3)1/2。
IBXA:イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:IBXA)、SP値8.4(cal/cm3)1/2。
XDI:1,3−キシリレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:タケネート500)。
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製、商品名:ルシリンTPO)。
上記の実施例及び比較例によれば、A成分及びB成分を含む活性エネルギー線硬化性組成物は各種の基材に対する接着性及び耐熱性が良好であった。また、実施例の組成物は偏光板の偏光子フィルムの素材であるPVAに対しても良好な接着性を有しており、偏光板の製造に好適であることが分かった。一方、A成分を含まない比較例2及び3の組成物は接着性及び耐熱性のいずれも低位であった。また、エポキシ基は有するがビニル系重合体でないビスフェノールA型エポキシ樹脂をA成分の代わりに用いた比較例1の組成物は耐熱性が低位であった。ビニル系重合体であるがエポキシ基を有さないポリメタクリレート樹脂をA成分の代わりに用いた比較例4は接着性が低位であった。重量平均分子量が50,000を超えるエポキシ基含有ビニル系重合体をA成分の代わりに用いた比較例5は粘度が170mPa・sを超えた。
Claims (12)
- 重量平均分子量が2,000〜50,000であるエポキシ基含有ビニル系重合体(A)及びビニル系単量体(B)を含み、前記重合体(A)及び前記単量体(B)の合計に対して、前記重合体(A)の含有量が5〜60質量%、前記単量体(B)の含有量が40〜95質量%である活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記単量体(B)の溶解性パラメータ値が8.5以上である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記重合体(A)のエポキシ基含有ビニル系単量体(a1)単位の含有量が50〜100質量%である、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記単量体(B)が、ヒドロキシル基を有するビニル系単量体(b1)及び/又はヘテロ環基を有するビニル系単量体(b2)である、請求項1から3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- さらに有機イソシアネート(C)を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 重量平均分子量が2,000〜50,000であるエポキシ基含有ビニル系重合体(A)、並びに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のビニル系単量体を含み、前記重合体(A)及び前記単量体の合計に対して、前記重合体(A)の含有量が5〜60質量%、前記単量体の含有量が40〜95質量%である活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記重合体(A)のエポキシ基含有ビニル系単量体(a1)単位の含有量が50〜100質量%である、請求項6に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- さらに有機イソシアネート(C)を含む請求項6または7に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- さらに光重合開始剤(D)を含む請求項1から8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化して得られた接着層。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化して得られた接着層を有する積層体。
- 保護フィルム、請求項1から9のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化して得られた接着層及び偏光子フィルムがこの順に連続して積層した構造を含む偏光板。
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JPWO2016021521A1 (ja) * | 2014-08-08 | 2017-05-18 | 株式会社クラレ | 接着剤、接着体、及び接着体の製造方法 |
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JPWO2021039123A1 (ja) * | 2019-08-29 | 2021-03-04 |
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2014
- 2014-04-25 JP JP2014091458A patent/JP2014237812A/ja active Pending
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JP7369777B2 (ja) | 2019-08-29 | 2023-10-26 | 日東電工株式会社 | 偏光子保護用樹脂組成物および該組成物から形成された保護層を備える偏光板 |
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