JP7369777B2 - 偏光子保護用樹脂組成物および該組成物から形成された保護層を備える偏光板 - Google Patents
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Description
1つの実施形態において、上記エポキシ樹脂(B)は芳香族環を有するエポキシ樹脂である。
1つの実施形態においては、上記重合体(A)、および、エポキシ樹脂(B)の重量平均分子量は20,000以上である。
1つの実施形態においては、上記反応性基は(メタ)アクリル基および(メタ)アクリルアミド基からなる群より選択される少なくとも1種である。
本発明の別の局面においては、偏光板が提供される。この偏光板は、偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の面に、上記偏光子保護用樹脂組成物から形成された保護層と、を備える。
1つの実施形態においては、上記保護層の厚みは0.1μm~8μmである。
1つの実施形態においては、上記偏光子のヨウ素含有量は2重量%~25重量%である。
1つの実施形態においては、上記偏光子の厚みは8μm以下である。
本発明の偏光子保護用樹脂組成物は、50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の式(1)で表される単量体とを重合することにより得られる重合体(A)(以下、重合体(A)ともいう)と、エポキシ樹脂(B)と、を含む。偏光子保護用樹脂組成物の重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との含有割合は重量比で95:5~60:40、または、40:60~1:99である:
重合体(A)は、50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の式(1)で表される単量体とを重合することにより得られる:
アクリル系単量体としては任意の適切なアクリル系単量体を用いることができる。例えば、直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、および、環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体が挙げられる。本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルをいう。
単量体としては、式(1)で表される単量体が用いられる。このような単量体を用いることにより、重合体(A)の側鎖にホウ素を含む置換基が導入される。そのため、代表的にはPVA系樹脂で構成される偏光子と、偏光子保護用樹脂組成物を用いて形成される層(保護層)との密着性が向上し得る。また、偏光子保護用樹脂組成物を用いて形成される層(保護層)自体の耐水性も向上し、偏光子の端部からの色抜けを防止し得る。単量体は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤としては、任意の適切な重合開始剤を用いることができる。例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t-ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;などが挙げられる。重合開始剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記の通り、重合体(A)は、好ましくはアクリル系単量体および式(1)で表される単量体等の単量体成分を溶液重合することにより得られる。溶液重合で使用する溶媒としては、任意の適切な溶媒を用いることができる。例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n-ヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、有機溶媒と水とを併用してもよい。
エポキシ樹脂(B)としては、任意の適切なエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂(B)としては、好ましくは芳香族環を有するエポキシ樹脂が用いられる。芳香族環を有するエポキシ樹脂をエポキシ樹脂(B)として用いることにより、より偏光子との密着性に優れ、偏光子の端部からの色抜けを防止し得る偏光子保護用樹脂組成物が得ら得る。さらに、保護層上に粘着剤層を形成した場合、粘着剤層の投錨力が向上し得る。芳香族環を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂などのノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノールなどの多官能型のエポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙げられる。好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が用いられる。これらのエポキシ樹脂を用いることにより、偏光子の端部からの色抜けがより防止され得る。エポキシ樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
偏光子保護用樹脂組成物は、上記重合体(A)およびエポキシ樹脂(B)以外に、任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、溶媒、および、添加剤が挙げられる。溶媒としては、上記重合体(A)を溶液重合する際に用いることができる溶媒を用いてもよく、他の溶媒を用いてもよい。他の溶媒としては、好ましくは酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、シクロペンタノンが用いられる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
偏光子保護用樹脂組成物は任意の適切な方法で調製することができる。例えば、重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、および、必要に応じて任意の適切な添加剤を任意の適切な溶媒中で混合することにより調製することができる。また、重合体(A)を溶液重合で重合した場合には、重合体(A)の重合溶液にエポキシ樹脂(B)および任意の適切な添加剤を添加し、混合することにより調製してもよい。
本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子の少なくとも一方の面に、上記偏光子保護用樹脂組成物から形成された保護層とを備える。上記偏光子保護用樹脂組成物から形成される保護層は、偏光子との密着性に優れる。そのため、偏光子の厚みが薄い場合であっても、保護層の偏光子からの浮き、剥がれ等の外観不良を防止し得る。また、偏光子の端部からの色抜けをも防止し得る。さらに、上記偏光子保護用樹脂組成物から形成される保護層は、保護層の上に粘着剤層を形成した場合に粘着剤層の投錨力が向上し得る。その結果、偏光子と保護層との密着性と、保護層上に形成された粘着剤層の投錨力とを両立した偏光板(保護層付偏光板)を得ることができる。
図1は本発明の1つの実施形態による偏光板の概略断面図である。図示例の偏光板100は、偏光子10と、該偏光子の少なくとも一方の面に形成された保護層20とを備える。この保護層20は上記偏光子保護用樹脂組成物から形成された層である。保護層が上記偏光子保護用樹脂組成物から形成されることにより、保護層と偏光子との密着性が向上する。そのため、偏光板の端部からの水分の侵入を防止し、端部からの色抜けを防止し得る。また、保護層20は、耐クラック性にも優れるため、偏光子10を適切に保護し得る。さらに、この保護層20は、偏光子10の片側のみに形成された場合であっても、端部からの偏光子の色抜けを防止することができる。そのため、偏光板100の薄型化にも寄与し得る。図示例では、偏光子10の一方の面のみに保護層20が形成されているが、偏光子10の両側に保護層20が形成されていてもよい。また、偏光子10の一方の面に保護層20が形成され、偏光子10の他方の面には他の保護層が形成されていてもよい。保護層20は、代表的には、偏光子10に直接(接着剤層または粘着剤層を介さず)形成される。保護層を偏光子に直接形成することにより、偏光板の薄型化に寄与し得る。また、保護層を直接形成することにより、偏光子と保護層との密着性が向上し得る。
偏光子は、代表的には二色性物質を含む樹脂フィルムである。二色性物質としては、例えば、ヨウ素、有機染料等が挙げられる。二色性物質は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくはヨウ素を含む。
偏光子は、任意の適切な方法で製造することができる。例えば、PVA系樹脂フィルムを、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、洗浄工程、乾燥工程に供することにより製造することができる。1つの実施形態においては、PVA系樹脂フィルムは、基材上に形成されたPVA系樹脂層であってもよい。基材と樹脂層との積層体は、例えば、上記PVA系樹脂を含む塗布液を基材に塗布する方法、基材にPVA系樹脂フィルムを積層する方法等により得ることができる。基材としては、任意の適切な樹脂基材を用いることができ、例えば、熱可塑性樹脂基材を用いることができる。
PVA系樹脂フィルムを形成するPVA系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン-ビニルアルコール共重合体は、エチレン-酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上100モル%未満であり、好ましくは95.0モル%~99.99モル%、さらに好ましくは99.0モル%~99.99モル%である。ケン化度は、JIS K 6726-1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子を得ることができる。
延伸処理では、代表的には、PVA系樹脂フィルムは、元長に対して3倍~7倍に一軸延伸される。1つの実施形態においては、上記PVA系樹脂フィルムは、乾式延伸に供される。乾式延伸はより広い温度範囲で延伸処理を行うことができることから好ましい。乾式延伸を行う際の温度は、例えば、50℃~200℃、好ましくは80℃~180℃、より好ましくは90℃~160℃である。延伸方向は、フィルムの長手方向(MD方向)であってもよく、フィルムの幅方向(TD方向)であってもよい。なお、延伸方向は、得られる偏光子の吸収軸方向に対応し得る。
染色工程は、PVA系樹脂フィルムを二色性物質で染色する工程である。好ましくは二色性物質を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させる方法、PVA系樹脂フィルムに当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂フィルムに噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させる方法である。二色性物質が良好に吸着し得るからである。
膨潤工程は、通常、染色工程の前に行われる。1つの実施形態においては、膨潤工程は、同じ浸漬浴の中で染色工程とともに行われてもよい。膨潤工程は、例えば、PVA系樹脂フィルムを膨潤浴に浸漬することにより行われる。膨潤浴としては、任意の適切な液体を用いることができ、例えば、蒸留水、純水等の水が用いられる。膨潤浴は、水以外の任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、アルコール等の溶媒、界面活性剤等の添加剤、ヨウ化物等が挙げられる。ヨウ化物としては、上記で例示したものが挙げられる。好ましくは、ヨウ化カリウムが用いられる。膨潤浴の温度は、例えば、20℃~45℃である。また、浸漬時間は、例えば、10秒~300秒である。
架橋工程においては、通常、架橋剤としてホウ素化合物が用いられる。ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂等が挙げられる。好ましくは、ホウ酸である。架橋工程においては、ホウ素化合物は、通常、水溶液の形態で用いられる。
洗浄工程は、水、または、上記ヨウ化物を含む水溶液を用いて行われる。代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させることにより行う。洗浄工程における水溶液の温度は、例えば、5℃~50℃である。浸漬時間は、例えば、1秒~300秒である。
乾燥工程は、任意の適切な方法により行うことができる。例えば、自然乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥等が挙げられ、加熱乾燥が好ましく用いられる。加熱乾燥を行う場合、加熱温度は、例えば、30℃~100℃である。また、乾燥時間は、例えば、10秒~10分間である。
保護層20は、偏光子10の少なくとも一方の面に形成される。保護層20は上記偏光子保護用樹脂組成物を用いて形成される。
N-ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)40重量部と、アクリロイルモルホリン(ACMO)60重量部と、光開始剤(BASF社製、商品名:IRGACURE 819)3重量部と、を混合し、紫外線硬化型接着剤を調製した。
熱可塑性樹脂基材として、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名:ゴーセファイマーZ200)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み5μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、テンター延伸機を用いて、140℃で積層体の長手方向と直交する方向に4.5倍空中延伸した(延伸処理)。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、積層体を30℃の染色溶液(水100重量部に対し、ヨウ化カリウム12.0重量部、および、固体ヨウ素1.0重量部を添加した水溶液)に6秒間浸漬させて染色した(染色処理)。
次いで、液温60℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に35秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を液温25℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウム4重量部を配合して得られた水溶液)に10秒間浸漬させた(洗浄処理)。
その後、60℃のオーブンで60秒間乾燥させ、厚み1.2μmのPVA系樹脂層(偏光子)を有する積層体1を得た。
得られた積層体1の偏光子側の面に、上記紫外線硬化型接着剤を硬化後の厚みが1μmとなるように塗布し、該塗布面にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル樹脂フィルムA(厚み40μm)のコロナ処理を施した面を貼り合わせ、紫外線硬化型接着剤を硬化させた。その後、積層体からPETフィルムを剥離し片保護偏光子積層体1(保護層(40μm)/接着剤層(1μm)/偏光子(1.2μm))を得た。
基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名:ゴーセファイマーZ200)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.4倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、積層体を30℃の染色溶液(水100重量部に対し、ヨウ化カリウム7.0重量部、および、固体ヨウ素1.0重量部を添加した水溶液)に、得られる偏光子の透過率が42%以上となるよう浸漬させて染色した(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に35秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度:4.0重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に3秒間浸漬させた(洗浄処理)。
次いで、60℃のオーブンで60秒間乾燥させ、厚み5μmのPVA系樹脂層(偏光子)を有する積層体2を得た。
得られた積層体2を用いた以外は製造例2と同様にして、偏光子積層体2(保護層(40μm)/接着剤層(1μm)/偏光子(5μm))を得た。
メタクリル酸メチル(MMA、富士フイルム和光純薬製、商品名:メタクリル酸メチルモノマー)99.0重量部、一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)1.0重量部、重合開始剤(富士フイルム和光純薬社製、商品名:2,2´-アゾビス(イソブチロニトリル))0.2重量部をトルエン100重量部に溶解した。次いで、窒素雰囲気下で70℃に加熱しながら5時間重合反応を行い、重合体(A)-1(固形分濃度:50重量%)を得た。得られた重合体(A)-1の重量平均分子量は50,000であった。
メタクリル酸メチル(MMA、富士フイルム和光純薬製、商品名:メタクリル酸メチルモノマー)97.0重量部、一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)3.0重量部、重合開始剤(富士フイルム和光純薬社製、商品名:2,2´-アゾビス(イソブチロニトリル))0.2重量部をトルエン200重量部に溶解した。次いで、窒素雰囲気下で70℃に加熱しながら5時間重合反応を行い、重合体(A)-2(固形分濃度:33重量%)を得た。得られた重合体(A)-2の重量平均分子量は85,000であった。
メタクリル酸メチル(MMA、富士フイルム和光純薬製、商品名:メタクリル酸メチルモノマー)90.0重量部、一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)10.0重量部、重合開始剤(富士フイルム和光純薬社製、商品名:2,2´-アゾビス(イソブチロニトリル))0.2重量部をトルエン200重量部に溶解した。次いで、窒素雰囲気下で70℃に加熱しながら5時間重合反応を行い、重合体(A)-3(固形分濃度:33重量%)を得た。得られた重合体(A)-3の重量平均分子量は87,000であった。
一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)に代えて、一般式(1b)で表される単量体を用いた以外は、製造例4と同様にして重合体(A)-4(固形分濃度:50重量%)を得た。得られた重合体(A)-4の重量平均分子量は50,000であった。
一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)に代えて、一般式(1c)で表される単量体を用いた以外は、製造例4と同様にして重合体(A)-5(固形分濃度:50重量%)を得た。得られた重合体(A)-5の重量平均分子量は50,000であった。
一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)に代えて、一般式(1d)で表される単量体を用いた以外は、製造例4と同様にして重合体(A)-6(固形分濃度:50重量%)を得た。得られた重合体(A)-6の重量平均分子量は50,000であった。
一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)に代えて、一般式(1a)で表される単量体を用いた以外は、製造例4と同様にして重合体(A)-7(固形分濃度:50重量%)を得た。得られた重合体(A)-7の重量平均分子量は50,000であった。
一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)に代えて、一般式(1a)で表される単量体を用いた以外は、製造例5と同様にして重合体(A)-8(固形分濃度:33重量%)を得た。得られた重合体(A)-8の重量平均分子量は85,000であった。
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート99重量部、および、アクリル酸4-ヒドロキシブチル1重量部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、上記モノマー混合物(固形分)100重量部に対して、重合開始剤として2,2´-アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに撹拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を60℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、酢酸エチルを加えて固形分濃度を30%に調整した。このようにして、重量平均分子量140万のアクリル系ポリマー(ベースポリマー)の溶液を調製した。
上記アクリル系ポリマーの溶液の固形分100重量部に対して、架橋剤としてトリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学社製、商品名:タケネートD110N)0.095重量部およびジベンゾイルパーオキサイド0.3重量部、シランカップリング剤としてオルガノシラン(綜研化学社製、商品名:A100)0.2重量部およびチオール基含有シランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:X41-1810)0.2重量部、ならびに、酸化防止剤(BASF社製、商品名:Irganox1010)0.3重量部を配合して、アクリル系粘着剤(溶液)を得た。
90重量部の重合体(A)-1と、10重量部のエポキシ樹脂1(三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER(登録商標) 1256B40)とを混合し、偏光子保護用樹脂組成物を調製した。得られた偏光子保護用樹脂組成物を偏光子積層体1の偏光子側表面に乾燥後の厚みが0.7μmとなるよう塗布して保護層を形成し、偏光板1を得た。
70重量部の重合体(A)-1と、30重量部のエポキシ樹脂1とを用いて、偏光子保護用樹脂組成物を調製した以外は実施例1と同様にして、偏光板2を得た。
30重量部の重合体(A)-1と、70重量部のエポキシ樹脂1とを混合した以外は実施例1と同様にして、偏光板3を得た。
10重量部の重合体(A)-1と、90重量部のエポキシ樹脂1とを混合した以外は実施例1と同様にして、偏光板4を得た。
エポキシ樹脂1に代えてエポキシ樹脂2(三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER(登録商標) YX6954BH30)を用いた以外は実施例4と同様にして、偏光板5を得た。
エポキシ樹脂1に代えてエポキシ樹脂3(三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER(登録商標) YX7200B35)を用いた以外は実施例4と同様にして、偏光板6を得た。
重合体(A)-1に代えて重合体(A)-2を用いたこと、および、乾燥後の厚みが0.4μmとなるよう偏光子保護用樹脂組成物を塗布したこと以外は実施例4と同様にして、偏光板7を得た。
重合体(A)-1に代えて重合体(A)-3を用いたこと、および、乾燥後の厚みが0.4μmとなるよう偏光子保護用樹脂組成物を塗布したこと以外は実施例4と同様にして、偏光板8を得た。
偏光子積層体1に代えて偏光子積層体2を用いたこと以外は実施例7と同様にして、偏光板9を得た。
偏光子積層体1に代えて偏光子積層体2を用いたこと、および、偏光子保護用樹脂組成物を乾燥後の厚みが0.7μmとなるよう塗布したこと以外は実施例7と同様にして、偏光板10を得た。
重合体(A)-1に代えて、重合体(A)-4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板11を得た。
重合体(A)-1に代えて、重合体(A)-5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板12を得た。
重合体(A)-1に代えて、重合体(A)-6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板13を得た。
重合体(A)-1に代えて、重合体(A)-7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板14を得た。
重合体(A)-1に代えて、重合体(A)-8を用いたこと以外は実施例10と同様にして、偏光板15を得た。
60重量部の重合体(A)―1と、40重量部のエポキシ樹脂1とを用いて、偏光子保護用樹脂組成物を調製した以外は実施例1と同様にして、偏光板C1を得た。
40重量部の重合体(A)-1と、60重量部のエポキシ樹脂1とを用いて、偏光子保護用樹脂組成物を調製した以外は実施例1と同様にして、偏光板C2を得た。
100重量部の重合体(A)-1を偏光子保護用樹脂組成物として用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板C3を得た。
100重量部のエポキシ樹脂1を偏光子保護用樹脂組成物として用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板C4を得た。
100重量部の重合体(A)2を偏光子保護用樹脂組成物として用いた以外は実施例9と同様にして、偏光板C5を得た。
(粘着剤層付偏光板の作製)
製造例12で得られたアクリル系粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレーター)の表面にファウンテンコーターで均一に塗工し、次いで、155℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥し、セパレーター表面に厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層を実施例または比較例で得られた偏光板の偏光子保護層表面側に転写し、粘着剤層付偏光板を得た。得られた粘着剤層付偏光板を用いて以下の評価を行った。結果を表1および表2に示す。
1.端部色抜け
上記粘着剤層付偏光板(保護フィルム/接着剤/偏光子/保護層/粘着剤/セパレーター)を(50mm×50mm)に切り出した。次いで、セパレーターを剥離し、粘着剤層を介して無アルカリガラスに貼り合せた。次いで、温度60度、湿度90%の条件に72時間置いた。その後、偏光子の色抜けの有無を光学顕微鏡(Olympus社製、製品名:MX61L)で確認した。偏光子の端部からの色抜けの長さを光学顕微鏡の倍率10倍で撮影した画像から色抜け量を測定した。色抜け部分のうち、長さの最も長いものを偏光子の色抜け部分の長さ(μm)とした。
上記粘着剤層付偏光フィルムを25mm×150mmの大きさにカットし、粘着剤層面と、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面にインジウム-酸化錫を蒸着させた蒸着フィルムの蒸着面とが接するよう貼り合わせた。その後、PETフィルムの端部を手で剥離し、粘着剤層がPETフィルム側に付着しているのを確認した上で、引っ張り試験機(島津製作所製、製品名:AG-1)を用いて180°方向に300mm/分の速度で剥離した際の応力(N/25mm)を測定(25℃)した。なお、投錨力は偏光板に粘着剤を塗布し、粘着剤層を形成後24時間以内に測定した。
上記投錨力の測定後の各偏光板について、保護層と偏光子との剥離の有無を目視で観察した。保護層と偏光子との間に剥離が見られなかったものをOK、偏光子と保護層とが剥離したものをNGとした。
粘着剤層付偏光フィルムを50mm×50mmのサイズに切断し、ガラスに貼り合せた。ガラスに貼り合わせた状態でヘイズ値を測定した。測定は、ヘイズメーターHM150(村上色彩技術研究所社製)を用いて測定した。
判定はエポキシ樹脂を添加していない比較例3に対してヘイズの上昇値を以下基準で判定した。
最良:保護層形成樹脂組成物を塗工した後のヘイズの上昇が1%未満
良:保護層形成樹脂組成物を塗工した後のヘイズの上昇が1%以上3%未満
可:保護層形成樹脂組成物を塗工した後のヘイズの上昇が3%以上10%未満
不可:保護層形成樹脂組成物を塗工した後のヘイズの上昇が10%以上
良:7N/25mm以上
可:5N/25mm以上7N/25mm未満
不可:5N/25mm未満
20 保護層
100 偏光板
Claims (7)
- (A)50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の式(1)で表される単量体とを重合することにより得られる重合体と、
(B)エポキシ樹脂と、を含む偏光子保護用樹脂組成物であって、
該(A)と(B)の含有割合が重量比で95:5~70:30、または、30:70~1:99であり、
該重合体(A)の重量平均分子量が20,000以上250,000以下であり、該エポキシ樹脂(B)の重量平均分子量が20,000以上である、偏光子保護用樹脂組成物:
- 前記エポキシ樹脂(B)が芳香族環を有するエポキシ樹脂である、請求項1に記載の偏光子保護用樹脂組成物。
- 前記反応性基が(メタ)アクリル基および(メタ)アクリルアミド基からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の偏光子保護用樹脂組成物。
- 偏光子と、
該偏光子の少なくとも一方の面に、請求項1から3のいずれかに記載の偏光子保護用樹脂組成物から形成された保護層と、を備える、偏光板。 - 前記保護層の厚みが0.1μm~8μmである、請求項4に記載の偏光板。
- 前記偏光子のヨウ素含有量が2重量%~25重量%である、請求項4または5に記載の偏光板。
- 前記偏光子の厚みが8μm以下である、請求項4から6のいずれかに記載の偏光板。
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