JP7369777B2 - 偏光子保護用樹脂組成物および該組成物から形成された保護層を備える偏光板 - Google Patents

偏光子保護用樹脂組成物および該組成物から形成された保護層を備える偏光板 Download PDF

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Description

本発明は、偏光子保護用樹脂組成物および該組成物から形成された保護層を備える偏光板に関する。
偏光子は、代表的には、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムをヨウ素等の二色性物質で染色することにより製造される(例えば、特許文献1および2)。偏光子は湿熱環境下では吸湿により、ヨウ素錯体が破壊され、ヨウ素が溶出することにより、偏光度が低下して透過率が上昇する(色抜けする)ことが知られている。水分は偏光板の端部から侵入するため、偏光子の端部において色抜けが顕著になる傾向がある。
偏光子は、代表的には、偏光子と該偏光子の両側に備えられた保護層とを含む偏光板として用いられる。近年、薄型化の要求から偏光子および保護層の薄型化、および、該偏光子の片側のみに保護層を備えた偏光板が提案されている。このような構成では端部からの水分の吸収がより早くなり、端部の色抜けがより顕著となり得る。また、保護層の厚みが薄い場合、耐久性が低下し、偏光子を適切に保護することができなくなる場合がある。高耐久性の保護層として、エポキシ樹脂を用いた保護層が提案されている(例えば、特許文献3~5)。しかしながら、エポキシ樹脂を単独で保護層として用いる場合、偏光子および粘着剤層との密着性に改善の余地があり、実用化が困難であるという問題がある。
特許第5048120号公報 特開2013-156391号公報 特開2016-085369号公報 特開2016-004205号公報 特許第5454857号公報
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、偏光子との密着性に優れ、端部からの色抜け、および、保護層の白化等の不具合を防止し得る偏光子保護用樹脂組成物、および、該樹脂組成物から形成された保護層を備える偏光板を提供することにある。
本発明の偏光子保護用樹脂組成物は、(A)50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の式(1)で表される単量体とを重合することにより得られる重合体と、(B)エポキシ樹脂と、を含む。この重合体(A)とエポキシ樹脂(B)の含有割合は重量比で95:5~60:40、または、40:60~1:99である:
Figure 0007369777000001
(式中、Xはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロ環基を表し、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい)。
1つの実施形態において、上記エポキシ樹脂(B)は芳香族環を有するエポキシ樹脂である。
1つの実施形態においては、上記重合体(A)、および、エポキシ樹脂(B)の重量平均分子量は20,000以上である。
1つの実施形態においては、上記反応性基は(メタ)アクリル基および(メタ)アクリルアミド基からなる群より選択される少なくとも1種である。
本発明の別の局面においては、偏光板が提供される。この偏光板は、偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の面に、上記偏光子保護用樹脂組成物から形成された保護層と、を備える。
1つの実施形態においては、上記保護層の厚みは0.1μm~8μmである。
1つの実施形態においては、上記偏光子のヨウ素含有量は2重量%~25重量%である。
1つの実施形態においては、上記偏光子の厚みは8μm以下である。
本発明によれば、偏光子との密着性に優れ、端部からの色抜け、および、保護層の白化等の不具合を防止し得る偏光子保護用樹脂組成物、および、該樹脂組成物から形成された保護層を備える偏光板が提供される。本発明の偏光子保護用樹脂組成物から形成された層(保護層)は、偏光子と十分に密着し、浮き、剥がれ等の外観不良の発生を防止し得る。さらに、保護層自体の白化をも防止し得る。また、端部からの水分の侵入を防止し、偏光子の端部からの色抜けを防止し得る。また、上記保護層の上に粘着剤層を形成した場合、粘着剤層の投錨力が向上し得る。その結果、偏光子と保護層との密着性と、保護層上に形成された粘着剤層の優れた投錨力とを両立した偏光板(保護層付偏光板)を得ることができる。
本発明の1つの実施形態による偏光板の概略断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.偏光子保護用樹脂組成物
本発明の偏光子保護用樹脂組成物は、50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の式(1)で表される単量体とを重合することにより得られる重合体(A)(以下、重合体(A)ともいう)と、エポキシ樹脂(B)と、を含む。偏光子保護用樹脂組成物の重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との含有割合は重量比で95:5~60:40、または、40:60~1:99である:
Figure 0007369777000002
(式中、Xはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロ環基を表し、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい)。
偏光子保護用樹脂組成物における重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との含有割合は、重量比で95:5~60:40、または、40:60~1:99である。重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との含有割合が上記範囲であることにより、偏光子との密着性に優れ、偏光子の端部からの色抜けを防止し得る偏光子保護用樹脂組成物が得られる。さらに、重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との含有割合が上記範囲であることにより、保護層の上に粘着剤層を形成した場合に粘着剤層の投錨力が向上し得る。その結果、偏光子と保護層との密着性と、保護層上に形成された粘着剤層の投錨力とを両立した偏光板(保護層付偏光板)を得ることができる。重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との含有割合は、重量比で、好ましくは95:5~80:20、または、20:80~5:95であり、より好ましくは90:10~70:30、または、30:70~10:90である。重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との含有割合が等分(50:50)に近いほど、保護層が白化するおそれがある。
A-1.重合体(A)
重合体(A)は、50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の式(1)で表される単量体とを重合することにより得られる:
Figure 0007369777000003
(式中、Xはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロ環基を表し、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい)。
重合体(A)は、代表的には下記式で表される構造を有する。式(1)で表される単量体とアクリル系単量体成分とを重合することにより、重合体(A)が側鎖にホウ素を含む置換基(例えば、下記式中kの繰り返し単位)を有する。これにより、偏光子と偏光子保護用樹脂組成物を用いて形成される層(保護層)との密着性が向上し得る。このホウ素を含む置換基は、重合体に連続して含まれていてもよく、ランダムに含まれていてもよい。重合体(A)は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007369777000004
(式中、Rは任意の官能基を表し、jおよびkは1以上の整数を表す)。
重合体(A)の重量平均分子量は、好ましくは10,000以上であり、より好ましくは20,000以上であり、さらに好ましくは35,000以上であり、特に好ましくは50,000以上である。また、重合体(A)の重量平均分子量は、好ましくは250,000以下であり、より好ましくは200,000以下であり、さらに好ましくは150,000以下である。重合体(A)の重量平均分子量が上記範囲であることにより、偏光子保護用樹脂組成物を用いて形成される層(保護層)の耐クラック性が向上し得る。重量平均分子量は、例えば、GPC(溶媒:ジメチルホルムアミド(DMF))により測定することができる。
重合体(A)のガラス転移温度は好ましくは50℃以上であり、より好ましくは60℃以上であり、さらに好ましくは80℃以上である。また、重合体(A)のガラス転移温度は、好ましくは300℃以下である。ガラス転移温度が上記範囲であることにより、偏光子保護用樹脂組成物を用いて形成される層(保護層)の耐クラック性が向上し得る。
重合体(A)は、50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の式(1)で表される単量体と、重合開始剤と、任意の他の単量体とを含む単量体組成物を、任意の適切な重合方法により重合することにより得られる。重合方法としては、好ましくは溶液重合が用いられる。溶液重合により、重合体(A)を重合することにより、より高分子量の重合体を得ることができる。
A-1-1.アクリル系単量体
アクリル系単量体としては任意の適切なアクリル系単量体を用いることができる。例えば、直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、および、環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体が挙げられる。本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルをいう。
直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸メチルが用いられる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、ビフェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o-ビフェニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、m-ビフェニルオキシエチルアクリレート、p-ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o-ビフェニルオキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、p-ビフェニルオキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、m-ビフェニルオキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイルオキシエチル-o-ビフェニル=カルバマート、N-(メタ)アクリロイルオキシエチル-p-ビフェニル=カルバマート、N-(メタ)アクリロイルオキシエチル-m-ビフェニル=カルバマート、o-フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート等のビフェニル基含有モノマー、ターフェニル(メタ)アクリレート、o-ターフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルが用いられる。これらの単量体を用いることにより、ガラス転移温度の高い重合体が得られる。これらの単量体は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基をいう。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体に代えて、(メタ)アクリロイル基を有するシルセスキオキサン化合物を用いてもよい。シルセスキオキサン化合物を用いることにより、ガラス転移温度が高いアクリル系重合体が得られる。シルセスキオキサン化合物は、種々の骨格構造、例えば、カゴ型構造、ハシゴ型構造、ランダム構造などの骨格を持つものが知られている。シルセスキオキサン化合物は、これらの構造を1種のみを有するものでもよく、2種以上を有するものでもよい。シルセスキオキサン化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリロイル基を有するシルセスキオキサン化合物として、例えば、東亜合成株式会社SQシリーズのMACグレード、および、ACグレードを用いることができる。MACグレードは、メタクリロイル基を含有するシルセスキオキサン化合物であり、具体的には、例えば、MAC-SQ TM-100、MAC-SQ SI-20、MAC-SQ HDM等が挙げられる。ACグレードは、アクリロイル基を含有するシルセスキオキサン化合物であり、具体的には、例えば、AC-SQ TA-100、AC-SQ SI-20等が挙げられる。
アクリル系単量体は50重量部を超えて用いられる。アクリル系単量体は、後述する単量体との合計が100重量部となるよう用いられる。
A-1-2.単量体
単量体としては、式(1)で表される単量体が用いられる。このような単量体を用いることにより、重合体(A)の側鎖にホウ素を含む置換基が導入される。そのため、代表的にはPVA系樹脂で構成される偏光子と、偏光子保護用樹脂組成物を用いて形成される層(保護層)との密着性が向上し得る。また、偏光子保護用樹脂組成物を用いて形成される層(保護層)自体の耐水性も向上し、偏光子の端部からの色抜けを防止し得る。単量体は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007369777000005
(式中、Xはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロ環基を表し、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい)。
上記脂肪族炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1~20の直鎖または分岐のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3~20の環状アルキル基、炭素数2~20のアルケニル基が挙げられる。上記アリール基としては、置換基を有していてもよい炭素数6~20のフェニル基、置換基を有していてもよい炭素数10~20のナフチル基等が挙げられる。ヘテロ環基としては、置換基を有していてもよい少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員環基または6員環基が挙げられる。なお、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい。RおよびRは、好ましくは水素原子、もしくは、炭素数1~3の直鎖または分岐のアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
上記Xで表される官能基が含む反応性基は、ビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である。好ましくは、反応性基は(メタ)アクリル基および/または(メタ)アクリルアミド基である。これらの反応性基を有することにより、偏光子と偏光子保護用樹脂組成物を用いて形成される層(保護層)との密着性が向上し得る。
1つの実施形態においては、上記Xで表される官能基は、下記式で表される官能基であることが好ましい。
Figure 0007369777000006
(式中、Zはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、Yはフェニレン基またはアルキレン基を表す)。
一般式(1)で表される単量体としては、具体的には以下の化合物を用いることができる。
Figure 0007369777000007
式(1)で表される単量体は、0重量部を超えて50重量部未満の含有量で用いられる。好ましくは0.01重量部以上50重量部未満であり、より好ましくは0.05重量部~20重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~10重量部である。単量体の含有量が50重量部を超えると、端部からの色抜けが生じやすくなり得る。
A-1-3.重合開始剤
重合開始剤としては、任意の適切な重合開始剤を用いることができる。例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t-ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;などが挙げられる。重合開始剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
重合開始剤の含有量は、任意の適切な量を用いることができる。重合開始剤の含有量は、好ましくは0.1重量部~5重量部であり、より好ましくは0.3重量部~2重量部である。
A-1-4.重合方法
上記の通り、重合体(A)は、好ましくはアクリル系単量体および式(1)で表される単量体等の単量体成分を溶液重合することにより得られる。溶液重合で使用する溶媒としては、任意の適切な溶媒を用いることができる。例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n-ヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、有機溶媒と水とを併用してもよい。
重合反応は、任意の適切な温度、および、時間で行うことができる。例えば、50℃~100℃、好ましくは60℃~80℃の範囲で重合反応を行うことができる。また、反応時間は、例えば、1時間~8時間であり、好ましくは3時間~5時間である。
A-2.エポキシ樹脂(B)
エポキシ樹脂(B)としては、任意の適切なエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂(B)としては、好ましくは芳香族環を有するエポキシ樹脂が用いられる。芳香族環を有するエポキシ樹脂をエポキシ樹脂(B)として用いることにより、より偏光子との密着性に優れ、偏光子の端部からの色抜けを防止し得る偏光子保護用樹脂組成物が得ら得る。さらに、保護層上に粘着剤層を形成した場合、粘着剤層の投錨力が向上し得る。芳香族環を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂などのノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノールなどの多官能型のエポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙げられる。好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が用いられる。これらのエポキシ樹脂を用いることにより、偏光子の端部からの色抜けがより防止され得る。エポキシ樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂(B)は、好ましくは重量平均分子量(Mw)が20,000以上であり、より好ましくは30,000以上であり、さらに好ましくは37,000以上である。エポキシ樹脂(B)の重量平均分子量が上記範囲であることにより、偏光子の端部からの色抜けをより防止することができる。重量平均分子量は、例えば、GPCにより測定することができる。
A-3.その他の成分
偏光子保護用樹脂組成物は、上記重合体(A)およびエポキシ樹脂(B)以外に、任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、溶媒、および、添加剤が挙げられる。溶媒としては、上記重合体(A)を溶液重合する際に用いることができる溶媒を用いてもよく、他の溶媒を用いてもよい。他の溶媒としては、好ましくは酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、シクロペンタノンが用いられる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
添加剤としては、任意の適切な添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘着付与剤等が挙げられる。添加剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの添加剤は任意の適切な量で用いることができる。
A-4.偏光子保護用樹脂組成物の調製方法
偏光子保護用樹脂組成物は任意の適切な方法で調製することができる。例えば、重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、および、必要に応じて任意の適切な添加剤を任意の適切な溶媒中で混合することにより調製することができる。また、重合体(A)を溶液重合で重合した場合には、重合体(A)の重合溶液にエポキシ樹脂(B)および任意の適切な添加剤を添加し、混合することにより調製してもよい。
B.偏光板
本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子の少なくとも一方の面に、上記偏光子保護用樹脂組成物から形成された保護層とを備える。上記偏光子保護用樹脂組成物から形成される保護層は、偏光子との密着性に優れる。そのため、偏光子の厚みが薄い場合であっても、保護層の偏光子からの浮き、剥がれ等の外観不良を防止し得る。また、偏光子の端部からの色抜けをも防止し得る。さらに、上記偏光子保護用樹脂組成物から形成される保護層は、保護層の上に粘着剤層を形成した場合に粘着剤層の投錨力が向上し得る。その結果、偏光子と保護層との密着性と、保護層上に形成された粘着剤層の投錨力とを両立した偏光板(保護層付偏光板)を得ることができる。
B-1.偏光板の概要
図1は本発明の1つの実施形態による偏光板の概略断面図である。図示例の偏光板100は、偏光子10と、該偏光子の少なくとも一方の面に形成された保護層20とを備える。この保護層20は上記偏光子保護用樹脂組成物から形成された層である。保護層が上記偏光子保護用樹脂組成物から形成されることにより、保護層と偏光子との密着性が向上する。そのため、偏光板の端部からの水分の侵入を防止し、端部からの色抜けを防止し得る。また、保護層20は、耐クラック性にも優れるため、偏光子10を適切に保護し得る。さらに、この保護層20は、偏光子10の片側のみに形成された場合であっても、端部からの偏光子の色抜けを防止することができる。そのため、偏光板100の薄型化にも寄与し得る。図示例では、偏光子10の一方の面のみに保護層20が形成されているが、偏光子10の両側に保護層20が形成されていてもよい。また、偏光子10の一方の面に保護層20が形成され、偏光子10の他方の面には他の保護層が形成されていてもよい。保護層20は、代表的には、偏光子10に直接(接着剤層または粘着剤層を介さず)形成される。保護層を偏光子に直接形成することにより、偏光板の薄型化に寄与し得る。また、保護層を直接形成することにより、偏光子と保護層との密着性が向上し得る。
偏光板100は目的に応じて、保護層20以外の任意の適切な機能層をさらに含んでいてもよい。機能層としては、位相差層、光拡散層、反射防止層、反射型偏光子等が挙げられる。機能層は偏光子10の側に積層されていてもよく、保護層20の側に積層されていてもよい。また、複数の機能層を含んでいてもよい。
B-2.偏光子
偏光子は、代表的には二色性物質を含む樹脂フィルムである。二色性物質としては、例えば、ヨウ素、有機染料等が挙げられる。二色性物質は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくはヨウ素を含む。
1つの実施形態においては、偏光子10は好ましくはヨウ素含有量が2重量%~25重量%である。本発明の別の実施形態においては、偏光子10は、好ましくはヨウ素含有量が10重量%~25重量%であり、より好ましくは15重量%~25重量%である。ヨウ素含有量が高い偏光子では、湿熱環境下における色抜けがより顕著になり得る。そのため、上記偏光子保護用樹脂組成物を用いて保護層を形成することによる効果がより発揮され得る。本明細書において「ヨウ素含有量」とは、偏光子(PVA系樹脂フィルム)中に含まれるすべてのヨウ素の量を意味する。より具体的には、偏光子中においてヨウ素はヨウ素イオン(I)、ヨウ素分子(I)、ポリヨウ素イオン(I 、I )等の形態で存在するところ、本明細書におけるヨウ素含有量は、これらの形態をすべて包含したヨウ素の量を意味する。ヨウ素含有量は、例えば、蛍光X線分析の検量線法により算出することができる。なお、ポリヨウ素イオンは、偏光子中でPVA-ヨウ素錯体を形成した状態で存在している。このような錯体が形成されることにより、可視光の波長範囲において吸収二色性が発現し得る。具体的には、PVAと三ヨウ化物イオンとの錯体(PVA・I )は470nm付近に吸光ピークを有し、PVAと五ヨウ化物イオンとの錯体(PVA・I )は600nm付近に吸光ピークを有する。結果として、ポリヨウ素イオンは、その形態に応じて可視光の幅広い範囲で光を吸収し得る。一方、ヨウ素イオン(I)は230nm付近に吸光ピークを有し、可視光の吸収には実質的には関与しない。したがって、PVAとの錯体の状態で存在するポリヨウ素イオンが、主として偏光子の吸収性能に関与し得る。
偏光子の厚みは、好ましくは8μm以下であり、より好ましくは0.6μm以上8μm未満である。1つの実施形態においては、偏光子の厚みは、好ましくは5μm以下である。一方、偏光子の厚みは、好ましくは0.6μm以上であり、より好ましくは1.0μm以上である。
偏光子の単体透過率は、例えば、30%以上である。なお、単体透過率の理論上の上限は50%であり、実用的な上限は46%である。また、単体透過率(Ts)は、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値であり、例えば、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製、製品名:V7100)を用いて測定することができる。
また、偏光子の偏光度は、例えば、99.0%以上であり、好ましくは99.5%以上であり、より好ましくは99.9%以上である。上記の通り、本発明の偏光板では、端部からの色抜けを防止し得る。そのため、偏光子の偏光度が高い場合であっても、偏光度を良好に維持することができる。
B-2-1.偏光子の製造方法
偏光子は、任意の適切な方法で製造することができる。例えば、PVA系樹脂フィルムを、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、洗浄工程、乾燥工程に供することにより製造することができる。1つの実施形態においては、PVA系樹脂フィルムは、基材上に形成されたPVA系樹脂層であってもよい。基材と樹脂層との積層体は、例えば、上記PVA系樹脂を含む塗布液を基材に塗布する方法、基材にPVA系樹脂フィルムを積層する方法等により得ることができる。基材としては、任意の適切な樹脂基材を用いることができ、例えば、熱可塑性樹脂基材を用いることができる。
B-2-1-1.PVA系樹脂フィルム
PVA系樹脂フィルムを形成するPVA系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン-ビニルアルコール共重合体は、エチレン-酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上100モル%未満であり、好ましくは95.0モル%~99.99モル%、さらに好ましくは99.0モル%~99.99モル%である。ケン化度は、JIS K 6726-1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子を得ることができる。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択され得る。平均重合度は、通常1000~10000であり、好ましくは1200~4500、さらに好ましくは1500~4300である。なお、平均重合度は、JIS K 6726-1994に準じて求めることができる。
PVA系樹脂フィルムの厚みは、所望の偏光子の厚みに応じて設定され得る。PVA系樹脂フィルムの厚みは、例えば、0.5μm~200μmである。後述する染色溶液を用いることにより、例えば、PVA系樹脂フィルムが10μm未満であっても短時間で十分に染色することができ、偏光子として十分に機能し得る特性を付与することができる。
上記の通り、偏光子は、例えば、PVA系樹脂フィルムを、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、洗浄工程、乾燥工程に供することにより製造することができる。各工程は任意の適切なタイミングで行われる。また、必要に応じて、染色工程以外の任意の工程が省略されていてもよく、また複数の工程を同時に行ってもよく、それぞれの工程を複数回行ってもよい。以下、各工程について説明する。
B-2-1-2.延伸
延伸処理では、代表的には、PVA系樹脂フィルムは、元長に対して3倍~7倍に一軸延伸される。1つの実施形態においては、上記PVA系樹脂フィルムは、乾式延伸に供される。乾式延伸はより広い温度範囲で延伸処理を行うことができることから好ましい。乾式延伸を行う際の温度は、例えば、50℃~200℃、好ましくは80℃~180℃、より好ましくは90℃~160℃である。延伸方向は、フィルムの長手方向(MD方向)であってもよく、フィルムの幅方向(TD方向)であってもよい。なお、延伸方向は、得られる偏光子の吸収軸方向に対応し得る。
B-2-1-3.染色
染色工程は、PVA系樹脂フィルムを二色性物質で染色する工程である。好ましくは二色性物質を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させる方法、PVA系樹脂フィルムに当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂フィルムに噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させる方法である。二色性物質が良好に吸着し得るからである。
上記二色性物質としては、上記の通り、ヨウ素、および、二色性染料が挙げられる。好ましくは、ヨウ素である。二色性物質としてヨウ素を用いる場合、染色液としては、ヨウ素水溶液が好ましく用いられる。ヨウ素水溶液のヨウ素の含有量は、水100重量部に対して、好ましくは0.04重量部~5.0重量部である。1つの実施形態においては、ヨウ素水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部に対して好ましくは0.3重量部以上である。ヨウ素の水に対する溶解度を高めるため、ヨウ素水溶液にヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物としては、ヨウ化カリウムが好ましく用いられる。ヨウ化物の含有量は、水100重量部に対して、好ましくは0.3重量部~15重量部である。
染色溶液の染色時の液温は、任意の適切な値に設定することができる。例えば、20℃~50℃である。染色溶液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させる場合、浸漬時間は、例えば、1秒~1分である。
染色溶液に含まれるヨウ化物の含有量は、溶媒100重量部に対して好ましくは1重量部~40重量部であり、より好ましくは3重量部~30重量部である。ヨウ化物の含有量が上記の範囲であれば、染色溶液中に十分なポリヨウ素イオンを形成することができる。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。好ましくはヨウ化カリウムである。
染色溶液の溶媒としては、任意の適切な溶媒を用いることができ、通常、水が用いられる。
B-2-1-4.膨潤
膨潤工程は、通常、染色工程の前に行われる。1つの実施形態においては、膨潤工程は、同じ浸漬浴の中で染色工程とともに行われてもよい。膨潤工程は、例えば、PVA系樹脂フィルムを膨潤浴に浸漬することにより行われる。膨潤浴としては、任意の適切な液体を用いることができ、例えば、蒸留水、純水等の水が用いられる。膨潤浴は、水以外の任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、アルコール等の溶媒、界面活性剤等の添加剤、ヨウ化物等が挙げられる。ヨウ化物としては、上記で例示したものが挙げられる。好ましくは、ヨウ化カリウムが用いられる。膨潤浴の温度は、例えば、20℃~45℃である。また、浸漬時間は、例えば、10秒~300秒である。
B-2-1-5.架橋
架橋工程においては、通常、架橋剤としてホウ素化合物が用いられる。ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂等が挙げられる。好ましくは、ホウ酸である。架橋工程においては、ホウ素化合物は、通常、水溶液の形態で用いられる。
ホウ酸水溶液を用いる場合、ホウ酸水溶液のホウ酸濃度は、例えば、2重量%~15重量%であり、好ましくは3重量%~13重量%である。ホウ酸水溶液には、ヨウ化カリウム等のヨウ化物、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛化合物をさらに含有させてもよい。
架橋工程は、任意の適切な方法により行うことができる。例えば、ホウ素化合物を含む水溶液にPVA系樹脂フィルムを浸漬する方法、ホウ素化合物を含む水溶液をPVA系樹脂フィルムに塗布する方法、または、ホウ素化合物を含む水溶液をPVA系樹脂フィルムに噴霧する方法が挙げられる。ホウ素化合物を含む水溶液に浸漬することが好ましい。
架橋に用いる溶液の温度は、例えば、25℃以上であり、好ましくは30℃~85℃、さらに好ましくは40℃~70℃である。浸漬時間は、例えば、5秒~800秒であり、好ましくは8秒~500秒である。
B-2-1-6.洗浄
洗浄工程は、水、または、上記ヨウ化物を含む水溶液を用いて行われる。代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させることにより行う。洗浄工程における水溶液の温度は、例えば、5℃~50℃である。浸漬時間は、例えば、1秒~300秒である。
B-2-1-7.乾燥
乾燥工程は、任意の適切な方法により行うことができる。例えば、自然乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥等が挙げられ、加熱乾燥が好ましく用いられる。加熱乾燥を行う場合、加熱温度は、例えば、30℃~100℃である。また、乾燥時間は、例えば、10秒~10分間である。
B-3.保護層
保護層20は、偏光子10の少なくとも一方の面に形成される。保護層20は上記偏光子保護用樹脂組成物を用いて形成される。
保護層20の厚みは偏光子の厚み、および、上記重合体のガラス転移温度に応じて任意の適切な値に設定され得る。1つの実施形態においては、保護層の厚みは好ましくは0.1μm~8μmであり、より好ましくは0.2μm~3μm、さらに好ましくは0.5μm~1μmである。保護層の厚みが上記範囲であることにより、偏光板の薄型化に寄与し得る。上記の通り、保護層20は厚みが薄い場合であっても、偏光子10を適切に保護し、端部からの色抜けを防止し得る。保護層20の厚みが8μmを超えると、偏光子と保護層との密着性が低下する場合がある。
保護層20の断面の弾性率は、好ましくは4GPa~8GPaであり、より好ましくは5GPa~6GPaである。弾性率が上記範囲であることにより、保護層へのクラックの発生を防止し得る。そのため、厚みが薄い場合であっても偏光子を適切に保護し得る。本明細書において、保護層の断面の弾性率は後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
保護層の透湿度は、好ましくは10g/m・24h~2000g/m・24hであり、より好ましくは100g/m・24h~1800g/m・24hであり、さらに好ましくは150g/m・24h~1500g/m・24hである。透湿度が上記範囲であることにより、水分が侵入し、偏光子に色抜けが生じることを防止し得る。
上記保護層は、任意の適切な方法により形成することができる。例えば、上記偏光子に上記偏光子保護用樹脂組成物を塗布することにより形成することができる。塗布方法としては、バーコーター塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、グラビアリバース塗工、リバースロール塗工、リップ塗工、ダイ塗工、ディップ塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷など種々の方法を採用することができる。また、偏光子の偏光子保護用樹脂組成物を塗布する面に任意の適切な表面改質処理を施してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[製造例1]紫外線硬化型接着剤の調製
N-ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)40重量部と、アクリロイルモルホリン(ACMO)60重量部と、光開始剤(BASF社製、商品名:IRGACURE 819)3重量部と、を混合し、紫外線硬化型接着剤を調製した。
[製造例2]偏光子1の作製
熱可塑性樹脂基材として、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名:ゴーセファイマーZ200)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み5μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、テンター延伸機を用いて、140℃で積層体の長手方向と直交する方向に4.5倍空中延伸した(延伸処理)。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、積層体を30℃の染色溶液(水100重量部に対し、ヨウ化カリウム12.0重量部、および、固体ヨウ素1.0重量部を添加した水溶液)に6秒間浸漬させて染色した(染色処理)。
次いで、液温60℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に35秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を液温25℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウム4重量部を配合して得られた水溶液)に10秒間浸漬させた(洗浄処理)。
その後、60℃のオーブンで60秒間乾燥させ、厚み1.2μmのPVA系樹脂層(偏光子)を有する積層体1を得た。
得られた積層体1の偏光子側の面に、上記紫外線硬化型接着剤を硬化後の厚みが1μmとなるように塗布し、該塗布面にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル樹脂フィルムA(厚み40μm)のコロナ処理を施した面を貼り合わせ、紫外線硬化型接着剤を硬化させた。その後、積層体からPETフィルムを剥離し片保護偏光子積層体1(保護層(40μm)/接着剤層(1μm)/偏光子(1.2μm))を得た。
[製造例3]偏光子2の作製
基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名:ゴーセファイマーZ200)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.4倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、積層体を30℃の染色溶液(水100重量部に対し、ヨウ化カリウム7.0重量部、および、固体ヨウ素1.0重量部を添加した水溶液)に、得られる偏光子の透過率が42%以上となるよう浸漬させて染色した(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に35秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度:4.0重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に3秒間浸漬させた(洗浄処理)。
次いで、60℃のオーブンで60秒間乾燥させ、厚み5μmのPVA系樹脂層(偏光子)を有する積層体2を得た。
得られた積層体2を用いた以外は製造例2と同様にして、偏光子積層体2(保護層(40μm)/接着剤層(1μm)/偏光子(5μm))を得た。
[製造例4]重合体(A)-1の調製
メタクリル酸メチル(MMA、富士フイルム和光純薬製、商品名:メタクリル酸メチルモノマー)99.0重量部、一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)1.0重量部、重合開始剤(富士フイルム和光純薬社製、商品名:2,2´-アゾビス(イソブチロニトリル))0.2重量部をトルエン100重量部に溶解した。次いで、窒素雰囲気下で70℃に加熱しながら5時間重合反応を行い、重合体(A)-1(固形分濃度:50重量%)を得た。得られた重合体(A)-1の重量平均分子量は50,000であった。
[製造例5]重合体(A)-2の調製
メタクリル酸メチル(MMA、富士フイルム和光純薬製、商品名:メタクリル酸メチルモノマー)97.0重量部、一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)3.0重量部、重合開始剤(富士フイルム和光純薬社製、商品名:2,2´-アゾビス(イソブチロニトリル))0.2重量部をトルエン200重量部に溶解した。次いで、窒素雰囲気下で70℃に加熱しながら5時間重合反応を行い、重合体(A)-2(固形分濃度:33重量%)を得た。得られた重合体(A)-2の重量平均分子量は85,000であった。
[製造例6]重合体(A)-3の調製
メタクリル酸メチル(MMA、富士フイルム和光純薬製、商品名:メタクリル酸メチルモノマー)90.0重量部、一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)10.0重量部、重合開始剤(富士フイルム和光純薬社製、商品名:2,2´-アゾビス(イソブチロニトリル))0.2重量部をトルエン200重量部に溶解した。次いで、窒素雰囲気下で70℃に加熱しながら5時間重合反応を行い、重合体(A)-3(固形分濃度:33重量%)を得た。得られた重合体(A)-3の重量平均分子量は87,000であった。
[製造例7]重合体(A)-4の調製
一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)に代えて、一般式(1b)で表される単量体を用いた以外は、製造例4と同様にして重合体(A)-4(固形分濃度:50重量%)を得た。得られた重合体(A)-4の重量平均分子量は50,000であった。
[製造例8]重合体(A)-5の調製
一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)に代えて、一般式(1c)で表される単量体を用いた以外は、製造例4と同様にして重合体(A)-5(固形分濃度:50重量%)を得た。得られた重合体(A)-5の重量平均分子量は50,000であった。
[製造例9]重合体(A)-6の調製
一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)に代えて、一般式(1d)で表される単量体を用いた以外は、製造例4と同様にして重合体(A)-6(固形分濃度:50重量%)を得た。得られた重合体(A)-6の重量平均分子量は50,000であった。
[製造例10]重合体(A)-7の調製
一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)に代えて、一般式(1a)で表される単量体を用いた以外は、製造例4と同様にして重合体(A)-7(固形分濃度:50重量%)を得た。得られた重合体(A)-7の重量平均分子量は50,000であった。
[製造例11]重合体(A)-8の調製
一般式(1)で表される単量体(一般式(1e)の単量体)に代えて、一般式(1a)で表される単量体を用いた以外は、製造例5と同様にして重合体(A)-8(固形分濃度:33重量%)を得た。得られた重合体(A)-8の重量平均分子量は85,000であった。
[製造例12]アクリル系粘着剤の調製
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート99重量部、および、アクリル酸4-ヒドロキシブチル1重量部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、上記モノマー混合物(固形分)100重量部に対して、重合開始剤として2,2´-アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに撹拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を60℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、酢酸エチルを加えて固形分濃度を30%に調整した。このようにして、重量平均分子量140万のアクリル系ポリマー(ベースポリマー)の溶液を調製した。
上記アクリル系ポリマーの溶液の固形分100重量部に対して、架橋剤としてトリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学社製、商品名:タケネートD110N)0.095重量部およびジベンゾイルパーオキサイド0.3重量部、シランカップリング剤としてオルガノシラン(綜研化学社製、商品名:A100)0.2重量部およびチオール基含有シランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:X41-1810)0.2重量部、ならびに、酸化防止剤(BASF社製、商品名:Irganox1010)0.3重量部を配合して、アクリル系粘着剤(溶液)を得た。
[実施例1]偏光板1の作製
90重量部の重合体(A)-1と、10重量部のエポキシ樹脂1(三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER(登録商標) 1256B40)とを混合し、偏光子保護用樹脂組成物を調製した。得られた偏光子保護用樹脂組成物を偏光子積層体1の偏光子側表面に乾燥後の厚みが0.7μmとなるよう塗布して保護層を形成し、偏光板1を得た。
[実施例2]偏光板2の作製
70重量部の重合体(A)-1と、30重量部のエポキシ樹脂1とを用いて、偏光子保護用樹脂組成物を調製した以外は実施例1と同様にして、偏光板2を得た。
[実施例3]偏光板3の作製
30重量部の重合体(A)-1と、70重量部のエポキシ樹脂1とを混合した以外は実施例1と同様にして、偏光板3を得た。
[実施例4]偏光板4の作製
10重量部の重合体(A)-1と、90重量部のエポキシ樹脂1とを混合した以外は実施例1と同様にして、偏光板4を得た。
[実施例5]偏光板5の作製
エポキシ樹脂1に代えてエポキシ樹脂2(三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER(登録商標) YX6954BH30)を用いた以外は実施例4と同様にして、偏光板5を得た。
[実施例6]偏光板6の作製
エポキシ樹脂1に代えてエポキシ樹脂3(三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER(登録商標) YX7200B35)を用いた以外は実施例4と同様にして、偏光板6を得た。
[実施例7]偏光板7の作製
重合体(A)-1に代えて重合体(A)-2を用いたこと、および、乾燥後の厚みが0.4μmとなるよう偏光子保護用樹脂組成物を塗布したこと以外は実施例4と同様にして、偏光板7を得た。
[実施例8]偏光板8の作製
重合体(A)-1に代えて重合体(A)-3を用いたこと、および、乾燥後の厚みが0.4μmとなるよう偏光子保護用樹脂組成物を塗布したこと以外は実施例4と同様にして、偏光板8を得た。
[実施例9]偏光板9の作製
偏光子積層体1に代えて偏光子積層体2を用いたこと以外は実施例7と同様にして、偏光板9を得た。
[実施例10]偏光板10の作製
偏光子積層体1に代えて偏光子積層体2を用いたこと、および、偏光子保護用樹脂組成物を乾燥後の厚みが0.7μmとなるよう塗布したこと以外は実施例7と同様にして、偏光板10を得た。
[実施例11]偏光板11の作製
重合体(A)-1に代えて、重合体(A)-4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板11を得た。
[実施例12]偏光板12の作製
重合体(A)-1に代えて、重合体(A)-5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板12を得た。
[実施例13]偏光板13の作製
重合体(A)-1に代えて、重合体(A)-6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板13を得た。
[実施例14]偏光板14の作製
重合体(A)-1に代えて、重合体(A)-7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板14を得た。
[実施例15]偏光板15の作製
重合体(A)-1に代えて、重合体(A)-8を用いたこと以外は実施例10と同様にして、偏光板15を得た。
(比較例1)偏光板C1の作製
60重量部の重合体(A)―1と、40重量部のエポキシ樹脂1とを用いて、偏光子保護用樹脂組成物を調製した以外は実施例1と同様にして、偏光板C1を得た。
(比較例2)偏光板C2の作製
40重量部の重合体(A)-1と、60重量部のエポキシ樹脂1とを用いて、偏光子保護用樹脂組成物を調製した以外は実施例1と同様にして、偏光板C2を得た。
(比較例3)偏光板C3の作製
100重量部の重合体(A)-1を偏光子保護用樹脂組成物として用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板C3を得た。
(比較例4)偏光板C4の作製
100重量部のエポキシ樹脂1を偏光子保護用樹脂組成物として用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板C4を得た。
(比較例5)偏光板C5の作製
100重量部の重合体(A)2を偏光子保護用樹脂組成物として用いた以外は実施例9と同様にして、偏光板C5を得た。
[評価]
(粘着剤層付偏光板の作製)
製造例12で得られたアクリル系粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレーター)の表面にファウンテンコーターで均一に塗工し、次いで、155℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥し、セパレーター表面に厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層を実施例または比較例で得られた偏光板の偏光子保護層表面側に転写し、粘着剤層付偏光板を得た。得られた粘着剤層付偏光板を用いて以下の評価を行った。結果を表1および表2に示す。

1.端部色抜け
上記粘着剤層付偏光板(保護フィルム/接着剤/偏光子/保護層/粘着剤/セパレーター)を(50mm×50mm)に切り出した。次いで、セパレーターを剥離し、粘着剤層を介して無アルカリガラスに貼り合せた。次いで、温度60度、湿度90%の条件に72時間置いた。その後、偏光子の色抜けの有無を光学顕微鏡(Olympus社製、製品名:MX61L)で確認した。偏光子の端部からの色抜けの長さを光学顕微鏡の倍率10倍で撮影した画像から色抜け量を測定した。色抜け部分のうち、長さの最も長いものを偏光子の色抜け部分の長さ(μm)とした。
2.投錨力
上記粘着剤層付偏光フィルムを25mm×150mmの大きさにカットし、粘着剤層面と、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面にインジウム-酸化錫を蒸着させた蒸着フィルムの蒸着面とが接するよう貼り合わせた。その後、PETフィルムの端部を手で剥離し、粘着剤層がPETフィルム側に付着しているのを確認した上で、引っ張り試験機(島津製作所製、製品名:AG-1)を用いて180°方向に300mm/分の速度で剥離した際の応力(N/25mm)を測定(25℃)した。なお、投錨力は偏光板に粘着剤を塗布し、粘着剤層を形成後24時間以内に測定した。
3.PVA密着力
上記投錨力の測定後の各偏光板について、保護層と偏光子との剥離の有無を目視で観察した。保護層と偏光子との間に剥離が見られなかったものをOK、偏光子と保護層とが剥離したものをNGとした。
4.ヘイズ上昇
粘着剤層付偏光フィルムを50mm×50mmのサイズに切断し、ガラスに貼り合せた。ガラスに貼り合わせた状態でヘイズ値を測定した。測定は、ヘイズメーターHM150(村上色彩技術研究所社製)を用いて測定した。
判定はエポキシ樹脂を添加していない比較例3に対してヘイズの上昇値を以下基準で判定した。
最良:保護層形成樹脂組成物を塗工した後のヘイズの上昇が1%未満
良:保護層形成樹脂組成物を塗工した後のヘイズの上昇が1%以上3%未満
可:保護層形成樹脂組成物を塗工した後のヘイズの上昇が3%以上10%未満
不可:保護層形成樹脂組成物を塗工した後のヘイズの上昇が10%以上
5.判定
良:7N/25mm以上
可:5N/25mm以上7N/25mm未満
不可:5N/25mm未満
Figure 0007369777000008
Figure 0007369777000009
実施例1~15で得られた偏光板は保護層の厚みが薄い場合であっても偏光子の端部からの色抜けが防止されていた。また、偏光子と保護層との密着性にも優れており、剥離することなく偏光子の保護を可能とするものであり、保護層上に形成された粘着剤層の投錨力と両立可能なものであった。さらに、保護層の白化も良好に抑制されたものであった。
本発明の偏光子保護用樹脂組成物は偏光子との密着性に優れ、薄型であっても、端部の色抜けが防止された偏光板を提供することができる。本発明の偏光板は、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯ゲーム機、カーナビゲーション、コピー機、プリンター、ファックス、時計、電子レンジ等の液晶パネルに幅広く適用させることができる。
10 偏光子
20 保護層
100 偏光板

Claims (7)

  1. (A)50重量部を超えるアクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の式(1)で表される単量体とを重合することにより得られる重合体と、
    (B)エポキシ樹脂と、を含む偏光子保護用樹脂組成物であって、
    該(A)と(B)の含有割合が重量比で95:5~7030、または、3070~1:99であり、
    該重合体(A)の重量平均分子量が20,000以上250,000以下であり、該エポキシ樹脂(B)の重量平均分子量が20,000以上である、偏光子保護用樹脂組成物:
    Figure 0007369777000010
    (式中、Xはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロ環基を表し、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい)。
  2. 前記エポキシ樹脂(B)が芳香族環を有するエポキシ樹脂である、請求項1に記載の偏光子保護用樹脂組成物。
  3. 前記反応性基が(メタ)アクリル基および(メタ)アクリルアミド基からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の偏光子保護用樹脂組成物。
  4. 偏光子と、
    該偏光子の少なくとも一方の面に、請求項1から3のいずれかに記載の偏光子保護用樹脂組成物から形成された保護層と、を備える、偏光板。
  5. 前記保護層の厚みが0.1μm~8μmである、請求項4に記載の偏光板。
  6. 前記偏光子のヨウ素含有量が2重量%~25重量%である、請求項4または5に記載の偏光板。
  7. 前記偏光子の厚みが8μm以下である、請求項4から6のいずれかに記載の偏光板。
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