JP7022033B2 - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
このプロセスは、生産性の面で優位であるため、光学部材(プラスチックレンズ、プリズム及び光ファイバー等)、電気・電子部材(フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等)、シーリング材、接着剤並びに紙及びプラスチック等のコーティング剤等幅広い分野で使用されている。
即ち、本発明は、
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A)と、
ウレタン結合を有さない3~6官能の(メタ)アクリレート(B)と、
下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート(C)と、
ホモポリマーのガラス転移温度が40~300℃であるウレタン結合を有さない単官能(メタ)アクリレート(D)と、
前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外のウレタン結合を有さないSP値が8.5~12(cal/cm3)1/2である単官能又は2官能(メタ)アクリレート(E)と、
オキシアルキレン基を有するポリシロキサン(F)と、
ラジカル重合開始剤(G)とを含有する硬化性組成物(H)であって、前記(メタ)アクリレート(A)が、ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物及びポリオキシアルキレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールと、脂環式ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートとの重付加物であるイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーに、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートを付加してなるウレタン(メタ)アクリレートを含有する硬化性組成物であり、前記硬化性組成物の硬化物である。
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A)と、
ウレタン結合を有さない3~6官能の(メタ)アクリレート(B)と、
下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート(C)と、
ホモポリマーのガラス転移温度が40~300℃であるウレタン結合を有さない単官能(メタ)アクリレート(D)と、
前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外のウレタン結合を有さないSP値が8.5~12(cal/cm3)1/2である単官能又は2官能(メタ)アクリレート(E)と、
オキシアルキレン基を有するポリシロキサン(F)と、
ラジカル重合開始剤(G)
とを含有する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」の表記は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」の表記は、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル基」の表記は、アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を意味する。
本発明の硬化性組成物(H)は、前記の(メタ)アクリレート(A)を含有することにより、硬化物に靭性を付与することができるため、金型離型性が良好な硬化物の作成が可能となる。
なお、直鎖の脂肪族ジオールのアルキレンオキサイド付加物及び分岐の脂肪族ジオールのアルキレンオキサイド付加物は、ポリオキシアルキレングリコールとも言う。
ポリオール(p)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート(q)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(r1)、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(r2)及びアルキロール(メタ)アクリルアミド(r3)等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリレート(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
500以上であると硬化物の靭性が優れるため金型離型性が良好となり、50,000以下であると硬化性組成物の粘度が適正となり硬化物の微細構造の再現性が良好となる。
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC-8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel Multipore HXL-M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)、東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
中でも、(p)と(q)とを重付加反応させて、イソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーを製造した後に、(r)を付加化反応させて製造することが好ましい。
上記の重付加反応及び付加反応においては、ウレタン化触媒を用いても良い。
ウレタン化触媒としては、金属化合物(有機ビスマス化合物、有機スズ化合物及び有機チタン化合物等)及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。
具体的には、トリ(メタ)アクリレート(B1)、テトラ(メタ)アクリレート(B2)、ペンタ(メタ)アクリレート(B3)及びヘキサ(メタ)アクリレート(B4)等が挙げられる。
(メタ)アクリレート(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ここで、2つのR1がメチル基の場合は、ビスフェノールA骨格を有する(メタ)アクリレートであり、2つのR1が水素原子の場合はビスフェノールF骨格を有する(メタ)アクリレートである。
ここで、R2がエチレン基である場合、OR2は、オキシエチレン基を表し、エチレンオキサイドの付加に相当する。また、R2がプロピレン基である場合、OR2は、オキシプロピレン基を表し、プロピレンオキサイドの付加に相当する。
m及びnの数は、金型離型性の観点から好ましくは2~20である。
(メタ)アクリレート(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
開始剤として、例えば1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF社製]を、(メタ)アクリレート(D)に対して3重量%添加した後、紫外線照射装置により、紫外線を1,000mJ/cm2照射して、硬化させ、縦幅40mm、横幅5mm、厚み1mmのテストピースを作成する。
このテストピースを用いて、動的粘弾性測定装置(例えば、Rheogel-E4000、UBM社製)により、周波数:10Hz、昇温速度:4℃/分の条件で測定する。
これらの内、プラスチックとの密着性の観点から好ましいのは、イソボルニル(メタ)アクリレートである。
これらの内、金型離型性の観点から好ましいのは、イソボルニルアクリレート、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン及びN-ビニルピロリドンである。
(メタ)アクリレート(D)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、前記の(メタ)アクリレート(E)は、後記するポリシロキサン(F)以外のものである。
SP=(ΔH/V)1/2
但し、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal/モル)、Vはモル体積(cm3/モル)を表す。また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,February,1974,Vol.14,No.2,Robert F. Fedors.(147~154頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱(△ei)の合計(ΔH)と、モル体積(△vi)の合計(V)を用いることができる。
なお、(メタ)アクリレート(E)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート(E11)としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、o-、m-又はp-フェニルフェノールのモノ(メタ)アクリレート、3,3’-ジフェニル-4,4’-ジヒドロキシビフェニルのモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び2.5モルのスチレンがフェノールに付加したスチレン化フェノールのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記の芳香環を有する2官能の(メタ)アクリレート(E12)としては、9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
前記の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート(E21)としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記の水酸基を有する2官能の(メタ)アクリレート(E22)としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールブロックポリマーのジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリル酸付加物等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート(E3)の内、基材への密着性の観点から好ましいのは、1,4-ブタンジオールジアクリレートである。
前記の単官能のその他の(メタ)アクリレート(E41)としては、テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられる。
前記の2官能のその他の(メタ)アクリレート(E42)としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オキシアルキレン基を2個以上含有するポリシロキサンは、硬化性組成物を構成する他の原料との相溶性が良好であり、オキシアルキレン基が100個以下のポリシロキサンは、金型離型性が良好になり、好ましい。
ポリシロキサン(F)のオキシアルキレン基の数は、1H-NMRを測定することによって得られる積分比を計算することで求められる。
なお、前記のポリジアルキルシロキサン(F1)及びポリジアルキルシロキサン(F2)は、更に(メタ)アクリロイル変性されたものであってもよい。
ポリシロキサン(F)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
好ましいものとして、具体的には、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン、アルキレンオキサイド及びアクリロイル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。更に好ましくものとしては、これらの「アルキレンオキサイド」がポリエチレンオキサイド及び/又はポリプロピレンオキサイドであるものである。
前記の光重合開始剤(G1)としては、ベンゾイン化合物(G1-1)、アルキルフェノン化合物(G1-2)、アントラキノン化合物(G1-3)、チオキサントン化合物(G1-4)、ケタール化合物(G1-5)、ベンゾフェノン化合物(G1-6)、ホスフィンオキシド(G1-7)及びオキシムエステル化合物(G1-8)等が挙げられる。
光重合開始剤(G1)のうち、硬化物が黄変しにくいという耐光性の観点から好ましいのは、アルキルフェノン化合物(G1-2)及びホスフィンオキシド(G1-7)であり、更に好ましいのは、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド及びビス-(2、6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、特に好ましいのは、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドである。
ラジカル重合開始剤(G)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
添加剤としては、金型離型剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、着色剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、充填剤、界面活性剤、可塑剤、分散剤及びチクソトロピー性付与剤(増粘剤)等が挙げられる。
中でも、2-エチルヘキシルアルコールのリン酸エステルとN,N-ジメチルステアリルアミンとの塩及びトリデカノールEO10モル付加物のリン酸エステルとN,N-ジメチルステアリルアミンとの塩が好ましい。
また、前記の塩(C)を構成するリン酸エステルと3級アミンのモル比は、好ましくは0.5/1~3/1であり、更に好ましくは0.8/1~2/1であり、特に好ましくは1:1である。
ラジカル重合開始剤(G)の重量割合が小さい場合、硬化が不十分となり金型から離型することができない。また、ラジカル重合開始剤(G)の重量割合が大きい場合、未反応のラジカル重合開始剤Gが多くなり硬化物中の不純物となり硬化物が脆くなり金型から離型する際のひび割れの原因になる。
溶剤としては、他の成分との相溶性、分散性の観点から、有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びオクタノール等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等)、エーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテル等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン及びキシレン等)及びアミド(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等)等が挙げられる。
これらの内、硬化性組成物との相溶性の観点から好ましいのは、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、トルエン及びキシレンである。
前記の溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
以下に、本発明の硬化性組成物(H)を硬化させて、成形体を製造する方法について説明する。
本発明の硬化性組成物を用いた成形体の製造方法は、特に限定されないが、微細な凹凸構造を有する三次元形状のプラスチックレンズは、例えば微細な凹凸構造を有する平らな金型を用いて硬化性組成物を光硬化させ金型から離型することにより得ることができる。
本発明の硬化性組成物を予め20~50℃に温調し、成形体形状(例えば光学レンズ形状)が得られる上述の金型(型温は20~50℃、好ましくは25~40℃)にディスペンサー等を用いて、硬化後の厚みが20~150μmとなるように塗工(又は充填)し、塗膜上からプラスチック基材(透明フィルムを含む)を空気が入らないように加圧積層する。
そして、該プラスチック基材上から活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させる。なお、ラジカル重合開始剤(G)として、熱重合開始剤(G2)を含有する場合は、50~250℃に加熱することによっても該塗膜を硬化させることができる。
その後、硬化物を型から離型し、成形体(例えばレンズシート)を得る。
また、プラスチック基材は、後述の活性光線を用いて硬化させる場合、透明であることが好ましい。
本発明において、活性光線とは250nm~830nmの波長を有する紫外線を意味する。
本発明の組成物を活性エネルギー線により硬化させる場合は、種々の活性エネルギー線照射装置[活性エネルギー線として活性光線を用いる場合は、フュージョンUVシステムズ(株)製、活性エネルギー線照射装置(型番:VPS/I600)]が使用できる。
使用するランプとしては、高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10~10,000mJ/cm2、更に好ましくは100~5,000mJ/cm2である。
また、本発明の硬化物を用いた光学部品も、プラスチック基材との密着性、硬化物の低反り性及び金型離型性が優れているため、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路として有用である。
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー 「HLC-8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel Multipore HXL-M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:標準ポリスチレン (TSKstandard POLYSTYRENE)、東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
撹拌装置及び温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、ポリテトラメチレングリコール[商品名:PTMG-1000、三菱化学(株)製、以降、PTMGと略記する]65.0重量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート[商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン(株)製、以降、MDIHと略記する]26.6重量部、触媒としてビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)の2-エチルヘキサン酸50重量%溶液[商品名:ネオスタンU-600、日東化成(株)製]を0.5重量部仕込み、攪拌して均一溶液とした後、80℃に昇温した。容器内の温度を80℃に温度調整しながら、1段目のウレタン化反応を6時間行った。
イソシアネート含有量が5.65重量%以下になったのを確認した後、重合禁止の目的で酸素濃度を8体積%に調整した窒素と酸素の混合気体を液中に通気しながら、2-ヒドロキシエチルアクリレート(以降、HEAと略記する)を8.4重量部加え、75℃で2段目のウレタン化反応を2時間行った。イソシアネート含有量が0.01重量%以下になったのを確認した後、60℃に冷却し、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A-1)を得た。(A-1)のMnは3,100であった。
製造例1において、PTMGに代えてビスフェノールAのPO2モル付加物[商品名:ニューポールBP2P、三洋化成工業(株)製、以降、BP2Pと略記する]54.0重量部を、MDIHに代えて3-イソシアナートメチル-3,3,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[商品名:VESTANAT IPDI、エボニックジャパン(株)製、以降、IPDIと略記する]を41.3部重量を用い、HEAの添加量を8.4重量部から4.5重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A-2)を得た。(A-2)のMnは4,600であった。
製造例1において、MDIHに代えてヘキサメチレンジイソシアネート[商品名:デュラネート50M、旭化成(株)製、以降、HDIと略記する]を20.7重量部を用い、PTMGの添加量を65.0重量部から46.2重量部に変更し、HEAの添加量を8.4重量部から16.9重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A-3)を得た。(A-3)のMnは1,600であった。
製造例1において、PTMGに代えてニューポールBP2Pを 36.1重量部を、MDIHに代えてキシリレンジイソシアナート[商品名:タケネ-ト 500、三井化学(株)製、以降、XDIと略記する]39.5重量部を用い、HEAの添加量を8.4重量部から24.4重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A-4)を得た。(A-4)のMnは4,400であった。
混合用容器にて、表1に示す配合組成(重量部)で、各原料を25℃で混合して、実施例1の硬化性組成物(H-1)及び比較例1の比較用の硬化性組成物(R-1)を得た。
混合用容器にて、表1に示す配合組成(重量部)で、各原料を80℃で混合して、硬化性組成物(H-2)~(H-9)及び比較用の硬化性組成物(R-2)~(R-6)を得た。
(B-2):ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)アクリレート[商品名「ネオマーEA-300」、三洋化成工業(株)製、官能基数3の化合物と官能基数4の化合物との混合物]
(C-2):ビスフェノールAのEO17モル付加物のジアクリレート[商品名「NKエステル A-BPE-20」、新中村化学(株)製、官能基数2]
(D-2):N,N’-ジメチルアクリルアミド[商品名「ジメチルアクリルアミドDMAA」、KJケミカルズ(株)製、官能基数1、ホモポリマーのTg:119℃]
(D-3):N-ビニルピロリドン[商品名「NVP」、日本触媒(株)製、官能基数1、ホモポリマーのTg:80℃]
(D-4):アクリロイルモルホリン[商品名「ACMO」、KJケミカルズ(株)製、官能基数1、ホモポリマーのTg:145℃]
(E-2):フェノキシエチルアクリレート[商品名「ビスコート#192,PEA」、大阪有機化学工業(株)製、官能基数1、SP値:10.1(cal/cm3)1/2、ホモポリマーのTg:2℃]
(E-3):1,4-ブタンジオールジアクリレート[商品名「ビスコート#195」、大阪有機化学工業(株)製、官能基数2、SP値:9.7(cal/cm3)1/2]
(E-4):ポリプロピレングリコールジアクリレート[商品名「ネオマー PA-305」、三洋化成工業(株)製、官能基数2、SP値:9.6(cal/cm3)1/2]
(E-5):2-エチルヘキシルアクリレート[商品名「AEH」、(株)日本触媒製、官能基数1、SP値:8.6(cal/cm3)1/2、ホモポリマーのTg:-15℃]
(F-2):アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン[商品名「BYK-333」、ビックケミー・ジャパン(株)製、オキシアルキレン基数:85]
(F-3):アルキレンオキサイド及びアクリロイル変性ポリジメチルシロキサン[商品名「BYK-UV3500」、ビックケミー・ジャパン(株)製、オキシアルキレン基数:61]
(G1-2-1):1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF社製]
(G1-7-1):2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュアTPO」、BASF社製]
(G1-7-2):ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュア819」、BASF社製]
(G1-2-2):2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]
(1)板ガラスの表面に、厚さが30μmになるように硬化性組成物を塗工した(塗工面積が、後に貼り合わせる基材フィルムの面積以上になるように塗工)。
(2)縦100mm×横100mm×厚さ100μmの平坦なPET脂製の基材フィルムとして、PET A4300[東洋紡(株)製]を塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3-1):硬化性組成物(H-1)及び(R-1)の場合
硬化性樹脂を塗工した基材フィルムを100℃で10分加熱し、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。基材フィルムと密着した硬化物を板ガラスから剥離し、評価用のフィルムを得た。なお、硬化性の厚さは30μmであった。
(3-2):硬化性組成物(H-1)及び(R-1)以外の硬化性組成物の場合
基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を室温で、照度:1,600mW/cm2、1秒、露光量:1,000mJ/cm2照射して、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。基材フィルムと密着した硬化物を板ガラスから剥離し、評価用のフィルム(フィルムと密着した硬化物)を得た。なお、硬化性の厚さは30μmであった。
(4)板ガラスから剥離した硬化物をJIS K 5600-5-6に準拠し、25個(5個×5個)のマスができるよう2mm幅にカッターナイフで切込みを入れ、25個のマスに付着テープを接触させ、引きはがした。その後、25マス中、剥離せず密着しているマス目の個数を数えた。
(5)JIS K 5600-5-6に準拠し、(4)で付着テープを引きはがした試験片に、再度、付着テープを接触させ、引きはがした。その後、25マス中、剥離せず密着しているマス目の個数を数え以下の判定基準で評価した。
◎:(4)の試験後も、(5)の試験後もフィルム上にマス目25個全部が残っている。
○:(4)の試験後にフィルム上にマス目25個全部が残っているが、(5)の試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
×:(4)の試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
上記の密着性評価の硬化フィルムの作製において、PET脂製の基材フィルムの大きさを、縦100mm×横100mmから、縦150mm×横150mmに変更した以外は同様の操作で、反り性評価用のフィルムを作製した。
作成した硬化フィルムを縦100mm×横100mmの正方形に切断し(切断前の縦150mm×横150mmの正方形の中心と、切断後の縦100mm×横100mmの正方形の中心とが同一になるように切断)、室温で1時間温調した。
この後、隙間(厚み)ゲージを用い、硬化物の四隅の反りを測定し、それによって、反り特性について試験サンプルを評価した
○:4隅の反りのうち、4つすべてが30mm以下。
×:4隅の反りのうち、1つでも30mmより大きいのがあるもの。
(1)溝の深さ22μm、ピッチ幅50μmで平行に線を刻んで、微細に凹凸処理を施したSUS製の金型の表面に、金型の凹部分からの厚さが50μmになるように硬化性組成物を塗工した(塗工面積が、後に貼り合わせる基材フィルムの面積以上になるように塗工)。
(2)基材である厚さ80μmの上記記載のPET樹脂製の基材フィルムを塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3-1):硬化性組成物(H-1)及び(R-1)の場合
硬化性樹脂を塗工した基材フィルムを100℃で10分加熱し、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。
(3-2):硬化性組成物(H-1)及び(R-1)以外の硬化性組成物の場合
基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、活性エネルギー線を室温で、照度:1,600mW/cm2、1秒、露光量:1,000mJ/cm2照射して、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。
(4)フィルムと密着した硬化物を金型から剥離し、凹凸の転写が再現されているかをレーザー顕微鏡で確認し、以下の判定基準で評価した。
◎:金型から剥離する際の力が5.0N/cmより小さく、剥離が容易で、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
○:金型から剥離する際の力が5.0N/cm以上だが、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
×:金型に樹脂残りがある又は凹凸の転写が再現できていない。
なお、PET樹脂製の基材フィルムに密着しなかった比較例5については評価できなかった。
なお、金型から剥離する際の力は、以下の方法で測定した。
PET樹脂製の基材フィルムをたわみ性被着材とみなし、金型を剛性被着剤とみなして、JIS K6854-1に記載のはく離接着強さ試験方法に準拠して、平均剥離力(N)を算出した。
算出した平均剥離力を、PET樹脂製基材フィルムの幅[つかみ移動方向と垂直方向の長さ(cm)]で除した値を、本発明における金型から剥離する際の力(N/cm)とした。
一方、(メタ)アクリレート(A)を含まない比較用の硬化性組成物(R-1)は、金型離形性、反り性、プラスチック基材との密着性の全てが悪い。
(メタ)アクリレート(B)を含まない比較用の硬化性組成物(R-2)は、金型離型性が悪い。
(メタ)アクリレート(C)を含まない比較用の硬化性組成物(R-3)は、反り性と金型離型性が悪い。
(メタ)アクリレート(D)を含まない比較用の硬化性組成物(R-4)は、反り性と金型離型性が悪い。
(メタ)アクリレート(E)を含まない比較用の硬化性組成物(R-5)は、プラスチック基材との密着性が悪い。
ポリシロキサン(F)を含まない比較用の硬化性組成物(R-6)は、金型離型性が悪い。
具体的には、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路として有用である。
Claims (4)
- ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A)と、
ウレタン結合を有さない3~6官能の(メタ)アクリレート(B)と、
下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート(C)と、
ホモポリマーのガラス転移温度が40~300℃であるウレタン結合を有さない単官能(メタ)アクリレート(D)と、
前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外のウレタン結合を有さないSP値が8.5~12(cal/cm3)1/2である単官能又は2官能(メタ)アクリレート(E)と、
オキシアルキレン基を有するポリシロキサン(F)と、
ラジカル重合開始剤(G)とを含有する硬化性組成物であって、
前記(メタ)アクリレート(A)が、ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物及びポリオキシアルキレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールと、脂環式ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートとの重付加物であるイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーに、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートを付加してなるウレタン(メタ)アクリレートを含有する硬化性組成物(H)。
- 前記モノマー(E)が、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート及び1,4-ブタンジオールジアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーである請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記(A)~(E)の合計重量に基づいて、前記(メタ)アクリレート(A)の重量割合が5~50重量%であり、前記(メタ)アクリレート(B)の重量割合が1~40重量%であり、前記(メタ)アクリレート(C)の重量割合が5~40重量%であり、前記(メタ)アクリレート(D)の重量割合が5~40重量%であり、前記(メタ)アクリレート(E)の重量割合が5~40重量%である請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化物。
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