JP7145656B2 - 発泡性梅飲料、発泡性梅飲料の製造方法、及び、発泡性梅飲料の香味向上方法 - Google Patents

発泡性梅飲料、発泡性梅飲料の製造方法、及び、発泡性梅飲料の香味向上方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性梅飲料、発泡性梅飲料の製造方法、及び、発泡性梅飲料の香味向上方法に関する。
梅の香味を呈する梅飲料は、飲用者に爽やかな酸味を感じさせることができる飲料であるとともに、身体への良い効能が知られている飲料であることから、古くから広く親しまれてきた。
そして、この梅飲料に関して、例えば、以下に示すような技術が開示されている。
特許文献1には、酸度が0.2~0.65であり、酸度に対するナトリウム含有量の比率(ナトリウム量/酸度)が90.0~145.0であり、果汁として梅果汁のみを含有し、透明であることを特徴とする容器詰果汁含有非アルコール性飲料であって、ナトリウム含有量が1.0~91.0mg/100gであり、Brixが10.0以下であり、pHが2.0~4.0であることを特徴とする容器詰非アルコール性清涼飲料が記載されている。
特許第5721784号公報
果実の香味を呈する果実飲料は、例えば、リンゴ、ブドウ、モモ、みかん等、果実の種類の分だけ存在する。そして、このような果実飲料は、基本的には、果実の香味に近ければ近いほど果実本来の香味を感じることができ、好ましい香味であるとの評価が得られる。よって、果実飲料の製品を開発する際は、できる限り、対象となる果実の香味に近づけることを前提として香味の設計が行われる場合が多い。
ところが、生梅は果物として好んで食される香味ではないことから、梅飲料の香味は、生梅の香味に近づければよいというものではない。よって、梅飲料は、前記したような果実飲料と比べて、基準とすべき香味がはっきりとしないため、香味の設計が非常に難しい。このような状況の下、梅飲料について、香味に関する検討が十分に行われているとはいえなかった。
そこで、本発明者らは梅飲料の香味を調査した結果、梅飲料を飲んだ際、「本格感」という感覚を強く得られた風香味のものが、好ましい風香味であると確認できた。
そこで、本発明は、本格感が増強された発泡性梅飲料、発泡性梅飲料の製造方法、及び、発泡性梅飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
[1]甘味度をX%とし、酸度をY%とした場合に、以下の全ての関係式:(1a)Y≧0.03X-0.01、(2a)Y≦-0.015X+1.36、(3a)Y≧0.41、(4a)X≧7.5、(6a)Y≦-0.01X +0.76、を満たす発泡性梅飲料。
]糖質の含有量をX%とし、酸度をY%とした場合に、以下の全ての関係式:(1b)Y≧0.03X-0.01、(2b)Y≦-0.015X+1.36、(3b)Y≧0.41、(4b)X≧7.5、(6b)Y≦-0.01X +0.76、を満たし、高甘味度甘味料を含有しない発泡性梅飲料。
]甘味度をX%とし、酸度をY%とした場合に、以下の全ての関係式:(1a)Y≧0.03X-0.01、(2a)Y≦-0.015X+1.36、(3a)Y≧0.41、(4a)X≧7.5、(6a)Y≦-0.01X +0.76、を満たすようにする工程を含む発泡性梅飲料の製造方法。
]発泡性梅飲料の本格感を増強させる香味向上方法であって、甘味度をX%とし、酸度をY%とした場合に、以下の全ての関係式:(1a)Y≧0.03X-0.01、(2a)Y≦-0.015X+1.36、(3a)Y≧0.41、(4a)X≧7.5、(6a)Y≦-0.01X +0.76、を満たすようにする発泡性梅飲料の香味向上方法。
本発明に係る発泡性梅飲料によると、本格感が増強している。
本発明に係る発泡性梅飲料の製造方法によると、本格感が増強した発泡性梅飲料を製造することができる。
本発明に係る発泡性梅飲料の香味向上方法によると、発泡性梅飲料の本格感を増強することができる。
甘味度(又は、糖質の含有量)と酸度とを変化させた場合における「本格感」の結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る発泡性梅飲料、発泡性梅飲料の製造方法、及び、発泡性梅飲料の香味向上方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[発泡性梅飲料]
本実施形態に係る発泡性梅飲料は、甘味度と酸度とに基づく所定の関係式(a群の関係式)を満たす、又は、糖質の含有量と酸度とに基づく所定の関係式(b群の関係式)を満たす飲料である。
なお、本実施形態に係る発泡性梅飲料は、梅様の香味を呈する飲料であれば特に限定されないが、例えば、アルコールを含む飲料であれば、梅様の香味を呈するチューハイ飲料(梅チューハイテイスト飲料)や、アルコールを含まない飲料であれば、梅様の香味を呈する炭酸飲料(梅テイスト炭酸飲料)等が挙げられる。
まずは、甘味度と酸度とに基づく所定の関係式(a群の関係式)を説明した後、糖質の含有量と酸度とに基づく所定の関係式(b群の関係式)を説明するが、b群の関係式は、a群の関係式の「甘味度」を「糖質の含有量」に置き換えたものであって、両群の関係式は、略同じ技術的思想に基づくものである。
(a群の関係式の要素X:甘味度)
甘味度は、甘味の強さを示す指標である。そして、本実施形態に係る発泡性梅飲料は、この甘味度と後記する酸度とが所定の関係式を満たすことによって、「本格感」を増強させることができる。
なお、本実施形態に係る発泡性梅飲料の甘味度は、後記の関係式を満たせばよいが、次のような範囲とするのが好適である。
甘味度は、7.5%(w/v%)以上が好ましく、8.0%以上、8.5%以上、9.0%以上、9.5%以上がより好ましい。甘味度が所定値以上となることによって、本格感の増強効果をより確実に発揮させることができるとともに、オフタイム(休憩時等)に合うマッタリとした甘味のある飲料とすることができる。
甘味度は、35.0%以下が好ましく、30.0%以下、25.0%以下、23.0%以下、21.0%以下がより好ましい。甘味度が所定値以下となることによって、本格感の増強効果をしっかりと発揮させるとともに、甘味が強くなり過ぎるといった事態を回避することができる。
この「甘味度(w/v%)」は、「飲料100mL中の所定甘味物質の含有量(g/100mL)」×「所定甘味物質の相対甘味度」によって算出することができる。
ここで、「所定甘味物質の相対甘味度」とは、20℃でのショ糖(スクロース)の甘味度を1とした場合における所定甘味物質の相対的な甘味の強さである。
本実施形態に係る発泡性梅飲料に含有される甘味物質としては、特に限定されないものの、例えば、相対甘味度が0.05以上の物質であり、具体的には、以下の物質が挙げられる。なお、以下の各甘味物質の名称後の括弧内の数値は、各甘味物質の相対甘味度である。
甘味物質として、例えば、スクロース(1)、グルコース(0.69)、フラクトース(1.30)、ガラクトース(0.32)、ラクトース(0.2)、イソマルトース(0.4)、ソルビトール(0.6)、マルチトール(0.8)、キシリトール(0.83)、マンニトール(0.5)、アスパルテーム(200)、ネオテーム(10000)、サッカリンNa(500)、アセスルファムK(200)、スクラロース(600)、ステビオシド(150)、アリテーム(2000)、ソーマチン(2000)、モネリン(3000)が挙げられる。
なお、甘味物質とは、飲料中に含有される全ての甘味物質を示すことから、当然、果汁等に由来するものも含まれる。また、飲料中に含有される甘味物質は1種類でも2種類以上でもよい。
そして、発泡性梅飲料中の甘味物質の含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフ(HPLC)や、高速液体クロマトグラフ-質量分析装置(HPLC-MS)を用いて測定することができる。
(a、b群の関係式の要素Y:酸度)
酸度は、酸味の強さを示す指標である。そして、本実施形態に係る発泡性梅飲料は、この酸味度と前記した甘味度(又は、後記する糖質の含有量)とが所定の関係式を満たすことによって、「本格感」を増強させることができる。
なお、本実施形態に係る発泡性梅飲料の酸度は、後記の関係式を満たせばよいが、次のような範囲とするのが好適である。
酸度は、0.41%(w/v%)以上が好ましく、0.43%以上、0.45%以上、0.48%以上がより好ましい。酸度が所定値以上となることによって、本格感の増強効果をより確実に発揮させることができるとともに、オンタイム(仕事中等)に合うスッキリとした酸味のある飲料とすることができる。
酸度は、1.20%以下が好ましく、1.10%以下、1.05%以下、0.90%以下、0.80%以下がより好ましい。酸度が所定値以下となることによって、本格感の増強効果をしっかりと発揮させるとともに、酸味が強くなり過ぎるといった事態を回避することができる。
酸度(クエン酸換算値)は、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)に定められた方法、つまり、中和滴定法によって測定し算出することができる。
(a群の関係式:甘味度と酸度とに基づく関係式)
本実施形態に係る発泡性梅飲料は、甘味度をX%とし、酸度をY%とした場合に、(1a)Y≧0.03X-0.01、(2a)Y≦-0.015X+1.36、(3a)Y≧0.41、(4a)X≧7.5を満たす。
また、本実施形態に係る発泡性梅飲料は、更に(5a)Y≦0.04X+0.55を満たすのが好ましく、(6a)Y≦-0.01X+0.76を満たすのがより好ましい。
図1は、発泡性梅飲料の甘味度と酸度とが本格感に与える影響を説明するための図であり、図1の「◎」と「〇」と「△」は、本格感が増強している結果(好ましい結果は「〇」、より好ましい結果は「◎」)を示しており、「×」は本格感が十分には増強されていない結果を示している。なお、図1の式1等が示す直線は、関係式(1a)の等号付き不等号を等号に代えた直線である。
この図1の結果から確認できるように、関係式(1a)、(2a)、(3a)、(4a)を満たす場合に、発泡性梅飲料の本格感が増強し、更に関係式(5a)を満たす場合に、本格感がより増強し、更に関係式(6a)を満たす場合に、本格感が一層増強することがわかる。
なお、これらの関係式は、発泡性梅飲料の「本格感」が甘味度(又は、後記する糖質の含有量)と酸度から大きな影響を受けていることに着目して作成したものであり、各関係式の定数は、多くの実験結果から導き出したものである。
(b群の関係式の要素X:糖質の含有量)
糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものであり、詳細には、発泡性梅飲料全体の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分、及び、水分の量を控除することにより算定することができる(栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号))。そして、本実施形態に係る発泡性梅飲料は、この糖質の含有量と前記した酸度とが所定の関係式を満たすことによって、「本格感」を増強させることができる。
なお、本実施形態に係る発泡性梅飲料の糖質の含有量は、後記の関係式を満たせばよいが、次のような範囲とするのが好適である。
糖質の含有量は、7.5%(w/v%)以上が好ましく、8.0%以上、8.5%以上、9.0%以上、9.5%以上がより好ましい。糖質の含有量が所定値以上となることによって、本格感の増強効果をより確実に発揮させることができるとともに、オフタイム(休憩時等)に合うマッタリとした甘味のある飲料とすることができる。
糖質の含有量は、35.0%以下が好ましく、30.0%以下、25.0%以下、23.0%以下、21.0%以下がより好ましい。糖質の含有証が所定値以下となることによって、本格感の増強効果をしっかりと発揮させるとともに、甘味が強くなり過ぎるといった事態を回避することができる。
なお、この糖質は、前記した甘味物質や果汁等に由来するものであるが、由来は特に限定されない。
(b群の関係式:糖質の含有量と酸度とに基づく関係式)
本実施形態に係る発泡性梅飲料は、糖質の含有量をX%とし、酸度をY%とした場合に、(1b)Y≧0.03X-0.01、(2b)Y≦-0.015X+1.36、(3b)Y≧0.41、(4b)X≧7.5を満たす。
また、本実施形態に係る発泡性梅飲料は、更に(5b)Y≦0.04X+0.55を満たすのが好ましく、(6)Y≦-0.01X+0.76を満たすのがより好ましい。
前記のとおり図1は、発泡性梅飲料の甘味度と酸度とが本格感に与える影響を説明するための図であるが、「甘味度」を「糖質の含有量」に代えても、そのまま適用できる。
この図1の結果から確認できるように、関係式(1b)、(2b)、(3b)、(4b)を満たす場合に、発泡性梅飲料の本格感が増強し、更に関係式(5b)を満たす場合に、本格感がより増強し、更に関係式(6b)を満たす場合に、本格感が一層増強することがわかる。
ただし、発泡性梅飲料が「高甘味度甘味料」(本明細書では、スクロースの100倍以上の甘味度を示す甘味料)を含有する場合、b群の関係式を満たしていても、十分に効果を発揮しないケースが含まれてしまう虞がある。よって、b群の関係式は、発泡性梅飲料が高甘味度甘味料を含まない場合に適用するのが好ましい。
なお、別実施形態として、b群の関係式の「糖質の含有量(%):X」を「糖類の含有量(%):X」(単糖類、二糖類の合計の含有量)に置き換えることも可能であるし、「アルコールの影響を除いたBrix(%):X」に置き換えることも可能である。
この「アルコールの影響を除いたBrix(%)」の「Brix」とは、屈折率計で測定した屈折率を、国際砂糖分析法統一委員会(ICUMSA)で定められた換算式により、ショ糖液100g中に含まれるショ糖のグラム数に換算した値である。そして、「アルコールの影響を除いたBrix」とは、「アルコールを同量の水に置き換えた場合のBrix」ということもできる。
(発泡性)
本実施形態に係る発泡性梅飲料は、発泡性である。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm以上であることをいう。
(アルコール)
本実施形態に係る発泡性梅飲料は、アルコールを含有してもよい。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ類(例えばジン、ウォッカ、ラム等のスピリッツ、及び、原料用アルコール等)、リキュール類、焼酎等、さらには清酒、甘味果実酒、ビール等の醸造酒を使用することができ、これらの中でも、ウォッカ、原料用アルコールのうちの1種以上が好ましい。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
(アルコール度数)
本実施形態に係る発泡性梅飲料のアルコール度数は特に限定されず、例えば、1v/v%以上、3v/v%以上、5v/v%以上、7v/v%以上であり、15v/v%以下、13v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下である。
(梅果汁等)
本実施形態に係る発泡性梅飲料は、梅果汁(梅の果実を搾った汁)、梅香料(梅様の香りを付与するフレーバー)、梅酒香料(梅酒様の香りを付与するフレーバー)等を含有させてもよい。
本発明において、発泡性梅飲料が梅様の香味を呈する飲料であれば、前記した関係式を満たす場合に本格感の増強という効果は発揮され、梅様の香味の強弱によって、本格感の増強という効果が消失してしまうといったことはないと考えることから、梅果汁等の含有量は特に限定されない。なお、梅香料、梅酒香料の含有量は、例えば、0.001%(v/v%)以上、0.005%以上であり、1.0%以下、0.5%以下である。
(その他)
本実施形態に係る発泡性梅飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、前記した以外の果汁や香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
なお、発泡性梅飲料の香味のバランスの観点から、発泡性梅飲料のナトリウム量については、80mg/100ml以下が好ましく、50mg/100ml以下がより好ましく、40mg/100ml以下がさらに好ましい。
前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る発泡性梅飲料は、甘味度と酸度とに基づく所定の関係式を満たすことから、本格感が増強している。
また、本実施形態に係る発泡性梅飲料は、糖質の含有量と酸度とに基づく所定の関係式を満たすことから、本格感が増強している。
[容器詰め発泡性梅飲料]
本実施形態に係る発泡性梅飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器に発泡性梅飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
[発泡性梅飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係る発泡性梅飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係る発泡性梅飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
混合工程では、混合タンクに、水、甘味物質、梅果汁、梅香料、原料用アルコール等のアルコール、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、甘味度と酸度とに基づく所定の関係式、糖質の含有量と酸度とに基づく関係式等を満たすように各原料を混合し、調製すればよい。
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、チューブ式殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、RTD飲料などを製造するために一般的に用いられている設備を用いて行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る発泡性梅飲料の製造方法は、甘味度と酸度とに基づく所定の関係式を満たすようにする工程を含むことから、本格感が増強した発泡性梅飲料を製造することができる。
また、本実施形態に係る発泡性梅飲料の製造方法は、糖質の含有量と酸度とに基づく所定の関係式を満たすようにする工程を含むことから、本格感が増強した発泡性梅飲料を製造することができる。
(発泡性梅飲料の香味向上方法)
次に、本実施形態に係る発泡性梅飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係る発泡性梅飲料の香味向上方法は、発泡性梅飲料について、本格感を増強させる方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「発泡性梅飲料」において説明した内容と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係る発泡性梅飲料の香味向上方法は、甘味度と酸度とに基づく所定の関係式を満たすようにすることから、発泡性梅飲料の本格感を増強させることができる。
また、本実施形態に係る発泡性梅飲料の香味向上方法は、糖質の含有量と酸度とに基づく所定の関係式を満たすようにすることから、発泡性梅飲料の本格感を増強させることができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
表に示す配合値・含有量(理論値)となるように、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸、梅酒香料、水、アセスルファムK、スクラロース、原料用アルコール、炭酸水を混合してサンプルを準備した。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル5名が下記評価基準に則って「本格感」について、1~5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
(本格感:評価基準)
本格感の評価については、「梅飲料として非常に本格感があると感じる」場合を5点、「梅飲料として全く本格感を感じない」場合を1点として5段階で評価した。そして、本格感については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
なお、「本格感」については、飲んだ時に、糖に漬けこんだ梅(梅シロップ)を想起する印象を強く感じる場合を本格感があると判断した(すなわち、「本格感」は、梅様の風香味が存在することを前提にし、特に飲料の「梅様の味の方向性(ベクトル)」に着目した評価指標である)。
表1に、各サンプルの配合値、理論値を示すとともに、各評価の結果を示す。なお、表中の配合値とは、実際に配合した各原料の量であり、理論値とは、配合値から算出した各成分の最終製品中の含有量(又は指標)である。
なお、各サンプルのナトリウム量は、0mg/100mlである。
Figure 0007145656000001
(結果の検討)
縦軸を酸度(%)、横軸を甘味度(%)又は糖質の含有量(%)とし、サンプル1~12の「本格感」に関する結果を図1に示した。
なお、図1中の「◎」は、「本格感」が4.2点以上を示し、「〇」は4.2点未満3.0点以上を示し、「△」は3.0点未満2.5点以上を示し、「×」は2.5点未満を示している。
この図1の結果から明らかなように、甘味度(又は糖質の含有量)と酸味とに基づく所定の関係式を満たすサンプルは、本格感が増強していることが確認できた。
なお、サンプル13は、高甘味度甘味料を使用したサンプルであるが、サンプル13の「甘味度」と「酸度」との値を図1にプロットすると、甘味度と酸味とに基づく所定の関係式を満たすことがわかり、その結果、本格感が増強していることも確認できた。
また、サンプル14は、アルコールを含有させたサンプルであるが、サンプル14の「甘味度」(又は糖質の含有量)と「酸度」との値を図1にプロットすると、甘味度(又は糖質の含有量)と酸味とに基づく所定の関係式を満たすことがわかり、その結果、本格感が増強していることも確認できた。
[参考例]
表2には、高甘味度甘味料を含有しない発泡性梅飲料(市販品)の「糖質の含有量」と「酸度」を示す。
なお、表2の「糖質の含有量」は販売者の栄養成分表示に基づく値であり、「酸度」は前記「(a、b群の関係式の要素Y:酸度)」の項目に記載の方法で測定した値である。
Figure 0007145656000002
表2の結果からわかるように、本発明に規定する所定の関係式を満たす市販品は存在しなかった。この結果から、本発明における風香味を有する市販品がないことが裏付けられた。

Claims (4)

  1. 甘味度をX%とし、酸度をY%とした場合に、以下の全ての関係式:
    (1a)Y≧0.03X-0.01、
    (2a)Y≦-0.015X+1.36、
    (3a)Y≧0.41、
    (4a)X≧7.5、
    (6a)Y≦-0.01X +0.76
    を満たす発泡性梅飲料。
  2. 糖質の含有量をX%とし、酸度をY%とした場合に、以下の全ての関係式:
    (1b)Y≧0.03X-0.01、
    (2b)Y≦-0.015X+1.36、
    (3b)Y≧0.41、
    (4b)X≧7.5、
    (6b)Y≦-0.01X +0.76
    を満たし、高甘味度甘味料を含有しない発泡性梅飲料。
  3. 甘味度をX%とし、酸度をY%とした場合に、以下の全ての関係式:
    (1a)Y≧0.03X-0.01、
    (2a)Y≦-0.015X+1.36、
    (3a)Y≧0.41、
    (4a)X≧7.5、
    (6a)Y≦-0.01X +0.76
    を満たすようにする工程を含む発泡性梅飲料の製造方法。
  4. 発泡性梅飲料の本格感を増強させる香味向上方法であって、
    甘味度をX%とし、酸度をY%とした場合に、以下の全ての関係式:
    (1a)Y≧0.03X-0.01、
    (2a)Y≦-0.015X+1.36、
    (3a)Y≧0.41、
    (4a)X≧7.5、
    (6a)Y≦-0.01X +0.76
    を満たすようにする発泡性梅飲料の香味向上方法。
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