JP2022138476A - 飲料、飲料の製造方法、飲料の香味向上方法、及び、飲料ベース - Google Patents

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Abstract

【課題】コクを感じさせる苦味が増強した飲料、飲料の製造方法、飲料の香味向上方法、及び、飲料ベースを提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る飲料は、ペリリルアセテートの含有量が10ppb以上である。また、本発明に係る飲料の製造方法は、ペリリルアセテートの含有量を10ppb以上とする工程を含む。また、本発明に係る飲料の香味向上方法は、コクを感じさせる苦味を増強する飲料の香味向上方法であって、前記飲料のペリリルアセテートの含有量を10ppb以上とする工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、飲料、飲料の製造方法、飲料の香味向上方法、及び、飲料ベースに関する。
飲料については、消費者のニーズに合致した商品を創出するために、様々な研究開発が進められている。
例えば、特許文献1には、高甘味度甘味料と、糖アルコールとを含有し、前記糖アルコールの飲料における含有割合が飲料あたり0.1~2.0質量%であり、飲料に含まれる前記糖アルコールの浸透度が99未満である飲料が開示されている。
特開2019-30264号公報
特許文献1では、後味におけるべったり感を抑える技術が開示されている。
一方、本発明者は、多様化した消費者の嗜好に適合する飲料を提供するために、飲料の香味について鋭意検討を行った。
そして、本発明者は、飲料に「コクを感じさせる苦味」を付与すれば、特徴のある新しい香味の飲料を提供できると考えた。
そこで、本発明は、コクを感じさせる苦味が増強した飲料、飲料の製造方法、飲料の香味向上方法、及び、飲料ベースを提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)ペリリルアセテートの含有量が10ppb以上である飲料。
(2)前記ペリリルアセテートの含有量が50~3000ppbである前記1に記載の飲料。
(3)ペリルアルデヒドを含有する前記1又は前記2に記載の飲料。
(4)アルコール飲料である前記1から前記3のいずれか1つに記載の飲料。
(5)ペリリルアセテートの含有量を10ppb以上とする工程を含む飲料の製造方法。
(6)コクを感じさせる苦味を増強する飲料の香味向上方法であって、前記飲料のペリリルアセテートの含有量を10ppb以上とする工程を含む飲料の香味向上方法。
(7)ペリリルアセテートを含有する飲料ベースであって、前記ペリリルアセテートの含有量をXppbとし、希釈倍率をD倍とした場合に、X/Dが10以上である飲料ベース。
本発明に係る飲料は、コクを感じさせる苦味が増強している。
本発明に係る飲料の製造方法は、コクを感じさせる苦味が増強した飲料を製造することができる。
本発明に係る飲料の香味向上方法は、飲料について、コクを感じさせる苦味を増強させることができる。
本発明に係る飲料ベースは、希釈後の飲料について、コクを感じさせる苦味が増強している。
以下、本発明に係る飲料、飲料の製造方法、飲料の香味向上方法、及び、飲料ベースを実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[飲料]
本実施形態に係る飲料は、ペリリルアセテートを含有する飲料であって、ペリリルアセテートの含有量が所定値以上の飲料である。
そして、本実施形態に係る飲料の一つとして、アルコールを含有するアルコール飲料が挙げられるが、このアルコール飲料については、特定の種類の飲料に限定されないものの、例えば、チューハイテイスト飲料が挙げられる。そして、このチューハイテイスト飲料とは、チューハイのような味わいを呈する飲料、つまり、チューハイの香味が感じられるように香味設計された飲料である。なお、チューハイの香味には、サワーやカクテルといった香味も含まれる。
また、本発明者らはペリリルアセテートが酸味を抑える効果を発揮することを確認していることから、ペリリルアセテートを含有する本実施形態に係る飲料は、酸味の強い梅テイスト飲料(梅干しテイスト飲料も含み、梅又は梅干しのような香味となるように香味設計された飲料)に適用するのが好ましい。そして、梅テイスト飲料がアルコールを含有する場合、梅テイストアルコール飲料となる。
以下、本実施形態に係る飲料を構成する各要素について説明する。
(ペリリルアセテート)
ペリリルアセテート(perillyl acetate)とは、分子式C1218で表されるエステル類の一種である。
そして、本発明者は、ペリリルアセテートを飲料に含有させると、コクを感じさせる苦味が増強することを見出した。
また、本発明者は、ペリリルアセテートを飲料に含有させると、飲み応えが増強するとともに、余韻が長くなることも見出した。
ペリリルアセテートの含有量は、10ppb以上が好ましく、20ppb以上、30ppb以上、50ppb以上、80ppb以上、100ppb以上、300ppb以上、500ppb以上、800ppb以上、1000ppb以上がより好ましい。ぺリリルアセテートの含有量が所定値以上であることによって、コクを感じさせる苦味が増強するとともに、飲み応えも増強し、余韻も長くすることができる。
ぺリリルアセテートの含有量は、3000ppb以下が好ましく、2500ppb以下、2300ppb以下、2100ppb以下、2000ppb以下がより好ましい。ペリリルアセテートの含有量が所定値以下であることによって、本発明の効果(コクを感じさせる苦味の増強効果、飲み応えの増強効果、余韻の長期化効果)をより確実に発揮させることができる。
なお、本明細書において「ppb」という単位は「μg/L」と同義である。
(ペリルアルデヒド)
ペリルアルデヒド(perillaldehyde)とは、分子式C1014Oで表されるモノテルペンアルデヒドの一種であり、ペリリルアルデヒドとも呼ばれる。
そして、本発明者は、ペリリルアセテートを含有する飲料にペリルアルデヒドを更に含有させると、本発明の効果(コクを感じさせる苦味の増強効果、飲み応えの増強効果、余韻の長期化効果)がより強化されるとともに、飲料としての全体のバランスも向上することを見出した。
加えて、本発明者は、ペリリルアセテートを含有する飲料にペリルアルデヒドを更に含有させると、ペリリルアセテートに由来すると想定されるネガティブな渋味を低減できることも見出した。
ペリルアルデヒドの含有量は、1ppm以上が好ましく、5ppm以上、8ppm以上、10ppm以上、15ppm以上がより好ましい。ペリルアルデヒドの含有量が所定値以上であることによって、本発明の効果がしっかりと強化されるとともに、飲料としての全体のバランスもより良くなる。
ペリルアルデヒドの含有量は、100ppm以下が好ましく、80ppm以下、50ppm以下、30ppm以下、20ppm以下がより好ましい。ペリルアルデヒドの含有量が所定値以下であることによって、本発明の効果をより確実に強化させることができる。
なお、本明細書において「ppm」という単位は「mg/L」と同義である。
飲料におけるペリリルアセテートとペリルアルデヒドの含有量は、例えば、サンプルを適宜希釈し、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法によって測定することができる。
(アルコール)
本実施形態に係る飲料は、アルコールを含有しても含有しなくてもよいが、コクを感じさせる苦味を増強できることから、アルコール飲料に適している。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ類(例えばジン、ウォッカ、ラム等のスピリッツ、及び、原料用アルコール等)、リキュール類、焼酎等、さらには清酒、果実酒、ビール等の醸造酒を使用することができ、これらの中でも、特に、蒸留酒であるウォッカ、原料用アルコールのうちの1種以上が好ましい。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
(アルコール度数)
本実施形態に係る飲料がアルコールを含有する場合、アルコール度数は、1v/v%以上であるのが好ましく、2v/v%以上、2.5v/v%以上、3v/v%以上、5v/v%以上であるのがより好ましい。また、アルコール度数は、15v/v%以下であるのが好ましく、13v/v%以下、12.5v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、7v/v%以下、6v/v%以下であるのがより好ましい。
また、本実施形態に係る飲料がアルコールを含有しない場合、アルコール度数は、例えば、0.7v/v%以下、0.5v/v%以下、0.3v/v%以下、0.1v/v%以下である。
なお、飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計・ガスクロマトグラフ分析法)に基づいて測定することができる。
(エキス分)
本実施形態に係る飲料のエキス分(エキスの含有量)は特に限定されないものの、例えば、以下のとおりである。
エキス分は、1.00w/v%以上が好ましく、2.00w/v%以上、3.00w/v%以上、4.00w/v%以上が好ましい。また、エキス分は、10.00w/v%以下が好ましく、9.00w/v%以下、8.00w/v%以下、7.00w/v%以下、6.50w/v%以下がより好ましい。
ここで、エキス分とは、温度15度の時において原容量百立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数である(酒税法第三条)。そして、エキス分は、主に後記する甘味料の含有量が反映される数値であり、甘味料の含有量が多いと当該数値は高くなり、甘味料の含有量が少ないと当該数値は低くなる。
なお、飲料のエキス分は、例えば、日本国の国税庁所定分析法に準拠して比重(日本酒度)及びアルコール度を測定して算出することができる。
(酸度)
本実施形態に係る飲料の酸度(クエン酸換算の酸度)は特に限定されないものの、例えば、以下のとおりである。
酸度は、0.10g/100mL以上が好ましく、0.20g/100mL以上、0.28g/100mL以上がより好ましい。また、酸度は、2.00g/100mL以下が好ましく、1.50g/100mL以下、1.00g/100mL以下、0.90g/100mL以下、0.50g/100mL以下、0.40g/100mL以下がより好ましい。
なお、本明細書における酸度(クエン酸換算の酸度:クエン酸相当量として換算した酸度の値)は、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)に定められた方法で求めることができる。具体的には、飲料を水酸化ナトリウム溶液(0.1mol/L)で中和滴定し、中和滴定において必要となった水酸化ナトリウム溶液の「滴定量(ml)」、滴定に使用した飲料の「重量(g)」、「0.0064」(0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液1mLに相当するクエン酸の重量(g))という定数などを用いて算出すればよい。
(発泡性)
本実施形態に係る飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性のもの、つまり、炭酸飲料であるのが好ましい。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧(全圧)が0.5kg/cm以上であることをいい、1.0kg/cm以上が好ましく、1.5kg/cm以上、1.6kg/cm以上がより好ましい。また、20℃におけるガス圧(全圧)は、5.0kg/cm以下が好ましく、4.0kg/cm以下、3.5kg/cm以下、3.0kg/cm以下がより好ましい。
なお、本実施形態に係る飲料の20℃におけるガス圧(全圧)は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)「8-3ガス圧」に基づいて測定することができる。
(その他)
本実施形態に係る飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を含有していてもよい。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトースなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
(果汁)
本実施形態に係る飲料は、果汁を含有してもよい。
ここで、果汁とは、果実を搾った汁であり、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)、これらの希釈液、濃縮液、混合液なども含む。また、果汁は、1種類の果実を原料としてもよいし、2種類以上の果実を原料としてもよい。
果汁の含有量は、果汁率換算で0%でもよいものの、例えば、1%以上、3%以上、5%以上であり、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下である。
本実施形態に係る飲料の果汁の含有量(果汁率換算)は、「含有量(果汁率換算)%(詳細には、w/v%)」=「飲料100mL中への果汁配合量(g)」×「濃縮倍率」/100mL×100により算出することとする。ここで、「濃縮倍率」(ストレート果汁を100%としたときの果汁の相対的濃縮倍率)を算出するにあたり、JAS規格に準ずるものとする。詳細には、JAS規格の糖用屈折計示度の基準(°Bx)又は酸度の基準(%)に基づいて算出することができ、例えば、酸度が7%の梅果汁を用いた場合、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)の別表4によると梅の基準酸度は3.5%であるから、この梅果汁は、2倍濃縮の梅果汁となる。
なお、果汁の由来となる果実は、飲料を梅の香味とするために梅が好ましいが、本発明の所望の効果が阻害されない範囲において、食用のものであれば、いずれの果実も使用できる。例えば、果汁の由来となる果実としては、前記した梅の他に、柑橘類果実である、レモン、ライム、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、シークワーサー等や、バラ科果実である、リンゴ、イチゴ、桃等、これら以外にも、ぶどう、プラム、ざくろ、ブルーベリー、カシス、クランベリー、マキベリー、いちご、アップル、ピーチ、マンゴー、パイナップル、キウイ、梨等といった従来公知の果実も挙げることができる。
本実施形態に係る飲料は、仮に、チューハイテイスト飲料とする場合、前記した果汁以外にも、フルーツフレーバー(フルーツ様の香りを付与するフレーバー)、果実エキス(果実又は果汁から水やアルコールなどを用いて当該果実の有効成分を抽出した抽出物)を含有させることもできる。そして、果実フレーバーや果実エキスの果実種は、前記した果汁の果実種と同様である。
なお、本発明の効果(特に、コクを感じさせる苦味の増強効果)は、フレーバー・果実エキスの香味タイプや香味の強弱に基づいて、当該効果が完全に消失してしまうといったことはないと考えることから、フレーバーなどによる香味タイプは多様であってもよく、含有量についても特に限定されない。
以上説明したように、本実施形態に係る飲料は、コクを感じさせる苦味が増強しているとともに、飲み応えも増強し、余韻も長くなっている。
[飲料ベース]
本実施形態に係る飲料ベースは、後記する割り材で希釈されることにより前記の飲料とすることができる。
なお、本実施形態に係る飲料ベースは、消費者や飲食店などに提供されるに際して、飲料ベースの状態(RTS:Ready To Serve)で提供された後に割り材で希釈されてもよいし、飲料ベースを割り材で希釈した後に飲料の状態(RTD:Ready To Drink)で提供されてもよい。
以下、本実施形態に係る飲料ベースを説明するに際して、前記の飲料と共通する構成については説明を省略し、相違する構成(特に含有量等)を中心に説明する。
(ペリリルアセテート)
飲料ベースのペリリルアセテートの含有量をXppbとし、希釈倍率をD倍とした場合、X/Dは、10以上が好ましく、20以上、30以上、50以上、80以上、100以上、300以上、500以上、800以上、1000以上がより好ましい。また、X/Dは、3000以下が好ましく、2500以下、2300以下、2100以下、2000以下がより好ましい。
(ペリルアルデヒド)
飲料ベースのペリルアルデヒドの含有量をYppmとし、希釈倍率をD倍とした場合、Y/Dは、1以上が好ましく、5以上、8以上、10以上、15以上がより好ましい。また、Y/Dは、100以下が好ましく、80以下、50以下、30以下、20以下がより好ましい。
(アルコール度数)
飲料ベースのアルコール度数をAv/v%とし、希釈倍率をD倍とした場合、A/Dは、1以上が好ましく、2以上、2.5以上、3以上、5以上がより好ましい。また、A/Dは、15以下が好ましく、13以下、12.5以下、10以下、9以下、7以下、6以下がより好ましい。
なお、飲料ベースがアルコールを含有しない場合、A/Dは、例えば、0.7以下、0.5以下、0.3以下、0.1以下である。
(エキス分)
飲料ベースのエキス分をEw/v%とし、希釈倍率をD倍とした場合、E/Dは、1.00以上が好ましく、2.00以上、3.00以上、4.00以上がより好ましい。また、E/Dは、10.00以下が好ましく、9.00以下、8.00以下、7.00以下、6.50以下がより好ましい。
(酸度)
飲料ベースの酸度をACg/100mLとし、希釈倍率をD倍とした場合、AC/Dは、0.10以上が好ましく、0.20以上、0.28以上がより好ましい。また、AC/Dは、2.00以下が好ましく、1.50以下、1.00以下、0.90以下、0.50以下、0.40以下がより好ましい。
(割り材)
割り材とは、本実施形態に係る飲料ベースの希釈に用いるものである。
割り材としては、例えば、水、炭酸水、お湯、氷、果汁、果汁入り飲料、茶等を挙げることができ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、割り材を用いた希釈は、本実施形態に係る飲料ベースが1.2~20倍、好ましくは1.5~10倍、さらに好ましくは2~5倍となるように実施すればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る飲料ベース(希釈倍率:D倍用)は、X/Dが所定範囲内となっている、言い換えると、希釈後(飲用時)の飲料のペリリルアセテートの含有量が所定範囲内となっている。その結果、希釈後(飲用時)の飲料は、コクを感じさせる苦味が増強しているとともに、飲み応えも増強し、余韻も長くなっている。
[容器詰め飲料、及び、容器詰め飲料ベース]
本実施形態に係る飲料、及び、飲料ベースは、各種容器に入れて提供することができる。各種容器に飲料又は飲料ベースを詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
また、各種容器に飲料ベースを詰める場合は、その容器に、前記した割り材等によって希釈して飲んでもよい旨の表示(例えば、希釈倍率等)を付してもよい。
[飲料、及び、飲料ベースの製造方法]
次に、本実施形態に係る飲料、及び、飲料ベースの製造方法を説明する。
本実施形態に係る飲料、及び、飲料ベースの製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
混合工程では、混合タンクに、水、ペリリルアセテート、ペリルアルデヒド、アルコール、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、ペリリルアセテートの含有量、ペリルアルデヒドの含有量、X/D、Y/Dなどが前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにおいて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、RTD飲料、RTS飲料などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る飲料の製造方法によると、コクを感じさせる苦味が増強し、飲み応えも増強し、余韻が長くなる飲料を製造することができる。
また、本実施形態に係る飲料ベースの製造方法によると、希釈後の飲料について、コクを感じさせる苦味が増強し、飲み応えも増強し、余韻が長くなる飲料ベースを製造することができる。
[飲料の香味向上方法]
次に、本実施形態に係る飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係る飲料の香味向上方法は、コクを感じさせる苦味を増強する飲料の香味向上方法であって、ペリリルアセテートの含有量を所定値以上とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係る飲料の香味向上方法によると、コクを感じさせる苦味を増強し、飲み応えも増強し、余韻を長くすることができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
表の各サンプルは、表に示す量となるように、ペリリルアセテート、ペリルアルデヒド、ウォッカ、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、炭酸水を適宜配合してサンプル(アルコール飲料であってチューハイテイスト飲料)を準備した。
なお、表の各サンプルは、20℃におけるガス圧(全圧)が約1.6kg/cm、アルコール度数が約5v/v%、エキス分が約4.13w/v%、酸度が約0.28g/100mL、となるように調製した。そして、表の各サンプルは、ペリリルアセテートとペリルアルデヒド以外の成分はサンプル間で略同じとした。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル5名が下記評価基準に則って「飲み応え」、「余韻の長さ」、「ネガティブな渋味」、「コクを感じさせる苦味」、「飲料としての全体のバランス」について、1~5点の5段階評価で各々点数付けし、その平均値を算出した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
(飲み応え:評価基準)
飲み応えの評価は、サンプル1の1点を基準とし、「飲み応えがない」場合を1点、「飲み応えがある」場合を5点と評価した。
そして、「飲み応え」については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「飲み応え」とは、舌触り(舌がザラつくような感覚)を感じることによって増強された飲み応えである。
(余韻の長さ:評価基準)
余韻の長さの評価は、サンプル1の1点を基準とし、「余韻の長さがない」場合を1点、「余韻の長さがある」場合を5点と評価した。
そして、「余韻の長さ」については、点数が高いほど長期化されており、好ましいと判断できる。
ここで、「余韻の長さ」とは、舌触り(舌がザラつくような感覚)を感じることによってサンプルを飲み込んだ後に残る余韻(味わい)の長さである。
(ネガティブな渋味:評価基準)
ネガティブな渋味の評価は、サンプル1の1点を基準とし、「ネガティブな渋味がない」場合を1点、「ネガティブな渋味がある」場合を5点と評価した。
そして、「ネガティブな渋味」については、点数が低いほど低減(抑制)されており、好ましいと判断できる。
ここで、「ネガティブな渋味」とは、飲料の香味を不快に感じさせる渋味である。
(コクを感じさせる苦味:評価基準)
コクを感じさせる苦味の評価は、サンプル1の1点を基準とし、「コクを感じさせる苦味がない」場合を1点、「コクを感じさせる苦味がある」場合を5点と評価した。
そして、「コクを感じさせる苦味」については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「コクを感じさせる苦味」とは、飲料を濃厚に感じさせるような苦味であって、飲料の香味に特徴を付与するようなポジティブな苦味(具体的には、グレープフルーツ様の苦味)である。
(飲料としての全体のバランス:評価基準)
飲料としての全体のバランスの評価は、基準を設けず、「飲料としての全体のバランスが悪い」場合を1点、「飲料としての全体のバランスが良い」場合を5点と評価した。
そして、「飲料としての全体のバランス」については、点数が高いほど好ましいと判断できる。
ここで、「飲料としての全体のバランス」とは、飲料としての香味全体のバランスであり、例えば、特定成分に基づく香味が強く感じられることで香味のバランスが崩れている場合は、悪いとの評価となる。
表に、各サンプルの含有量等を示すとともに、各評価の結果を示す。なお、表に示す各成分の数値および指標は、最終製品における含有量および指標である。
そして、各サンプルのアルコール度数は、迅速アルコール測定システム(京都電子工業株式会社)によって測定した値である。また、各サンプルの酸度は、添加したクエン酸(無水)の量から算出した値である。また、各サンプルのエキス分は、添加した果糖ぶどう糖液糖の量から算出した値である。
Figure 2022138476000001
(結果の検討)
表1のサンプル1~7の結果から、飲料にペリリルアセテートを所定量以上含有させると、コクを感じさせる苦味を増強できることが確認できた。また、飲料にペリリルアセテートを所定量以上含有させると、飲み応えを増強でき、余韻を長くすることができ、飲料としての全体のバランスも良くなることが確認できた。
なお、全ての評価を考慮すると、サンプル1~7の中でも、サンプル2~7(特に、サンプル4~6)について非常に好ましい結果が得られた。
表1のサンプル6、8の結果を比較すると、ペリリルアセテートを含有する飲料にペリルアルデヒドを含有させると、ペリリルアセテートが奏する効果(コクを感じさせる苦味の増強効果、飲み応えの増強効果、余韻の長期化効果)を強くできることが確認できた。
また、ペリリルアセテートを含有する飲料にペリルアルデヒドを含有させると、飲料としての全体のバランスも更によくなるとともに、ネガティブな渋味を低減できることも確認できた。

Claims (7)

  1. ペリリルアセテートの含有量が10ppb以上である飲料。
  2. 前記ペリリルアセテートの含有量が50~3000ppbである請求項1に記載の飲料。
  3. ペリルアルデヒドを含有する請求項1又は請求項2に記載の飲料。
  4. アルコール飲料である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の飲料。
  5. ペリリルアセテートの含有量を10ppb以上とする工程を含む飲料の製造方法。
  6. コクを感じさせる苦味を増強する飲料の香味向上方法であって、
    前記飲料のペリリルアセテートの含有量を10ppb以上とする工程を含む飲料の香味向上方法。
  7. ペリリルアセテートを含有する飲料ベースであって、
    前記ペリリルアセテートの含有量をXppbとし、希釈倍率をD倍とした場合に、X/Dが10以上である飲料ベース。
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