JP7308020B2 - 果実風味アルコール飲料、果実風味アルコール飲料の製造方法、及び、カド低減方法 - Google Patents

果実風味アルコール飲料、果実風味アルコール飲料の製造方法、及び、カド低減方法 Download PDF

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Description

本発明は、果実風味アルコール飲料、果実風味アルコール飲料の製造方法、及び、カド低減方法に関する。
アルコール飲料については、飲用者の多様な嗜好に応えるべく、多くの種類のアルコール飲料やその製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、酢酸を含有するアルコール飲料において、当該飲料のpHが、7>P>1.6304×log(a×b)+3.15のPを満たすように調整されてなることを特徴とする酢酸含有アルコール飲料が記載されている。
なお、特許文献1には、当該式中、Pは酢酸含有アルコール飲料のpHを示し、aは当該飲料における酢酸濃度(重量/容量%)を示し、bは当該飲料におけるアルコール濃度(容量/容量%)を示すと記載されている。
特開2006-174754号公報
本発明者は、特許文献1のような酢酸を含有するアルコール飲料の香味について詳細に検討した結果、アルコールの香味に酢酸の香味が作用し、飲料の香味に強い「カド」が生じることを確認した。
酢酸を含有するアルコール飲料の強い「カド」について、これまでに提案されたことのない新しい手法によって低減することができれば、当該飲料の価値を大きく向上させることができるのではないかと考えた。
そこで、本発明は、カドが低減された果実風味アルコール飲料、果実風味アルコール飲料の製造方法、カド低減方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)果実フレーバーと塩化マグネシウムとを含有する果実風味アルコール飲料であって、酢酸の含有量が0.010~0.080%であり、マグネシウムの含有量が0.1~10.0ppmである果実風味アルコール飲料。
(2)前記マグネシウムの含有量をAppmとし、前記酢酸の含有量をB%とした場合、/Bは、4.80~143である請求項1に記載の果実風味アルコール飲料。
果実フレーバーと塩化マグネシウムとを含有させるとともに、酢酸の含有量を0.010~0.080%とし、マグネシウムの含有量を0.1~10.0ppmとする工程を含む果実風味アルコール飲料の製造方法。
)酢酸と果実フレーバーと塩化マグネシウムとを含有する果実風味アルコール飲料のカドを低減させるとともに飲みやすさを増強させる方法であって、前記果実風味アルコール飲料の前記酢酸の含有量を0.010~0.080%とし、マグネシウムの含有量を0.1~10.0ppmとするカド低減方法。
本発明に係る果実風味アルコール飲料は、酢酸とマグネシウムとを含有することから、カドを低減することができる。
本発明に係る果実風味アルコール飲料の製造方法は、酢酸とマグネシウムとを含有させる工程を含むことから、カドが低減された果実風味アルコール飲料を製造することができる。
本発明に係るカド低減方法は、果実風味アルコール飲料に酢酸とマグネシウムとを含有させることから、アルコール飲料のカドを低減することができる。
以下、本発明に係るアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、カド低減方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[アルコール飲料]
本実施形態に係るアルコール飲料は、酢酸とマグネシウムとを含有する飲料である。
ここで、アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料であり、特定の種類の飲料に限定されないものの、酢酸が奏する酸味を果実様または野菜様の香味として生かすことのできる果実風味アルコール飲料または野菜風味アルコール飲料であるのが好ましく、果実風味アルコール飲料であるのが特に好ましい。なお、果実風味アルコール飲料とは、果実の風味(香味)を飲用者に与える飲料であり、野菜風味アルコール飲料とは、野菜の風味(香味)を飲用者に与える飲料であり、例えば、チューハイテイスト飲料、カクテルテイスト飲料、サワーテイスト飲料等が挙げられる。
(酢酸)
酢酸は、カルボン酸の一種であり、エタン酸(ethanoic acid)とも呼ばれる。
そして、酢酸は、独特なツンとした香味によってアルコール飲料に酸味を付与するが、アルコールの香味と作用することによって、飲料に強い「カド」を生じさせる。
また、この酢酸は、後記するマグネシウムの味と作用することによって(マグネシウムの喉に引っ掛かるような塩味やぬめりを抑制することによって)、アルコール飲料の「飲みやすさ」を増強させることができる。
酢酸の含有量は、0.010%(w/v%)以上が好ましく、0.020%以上、0.025%以上、0.030%以上、0.040%以上がより好ましい。酢酸の含有量が所定値以上であることによって、本発明の課題(強いカド)が明確となる。また、酢酸の含有量が所定値以上であることによって、飲みやすさを増強させることができる。
酢酸の含有量は、0.150%以下が好ましく、0.130%以下、0.110%以下、0.080%以下、0.060%以下がより好ましい。酢酸の含有量が所定値以下であることによって、カドの低減効果をしっかりと発揮させることができる。また、酢酸の含有量が所定値以下であることによって、飲みやすさの増強効果をしっかりと発揮させることもできる。
アルコール飲料に含まれる酢酸の由来は特に限定されず、例えば、後記する果実フレーバー、果実フレーバーの説明で列挙している各種果実(果実を搾って得られる果汁)、当該各種果実を醸造して製造される果実酢等であってもよい。
アルコール飲料の酢酸の含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定することができる。
(マグネシウム)
マグネシウムは、ミネラル成分の1種である。
そして、マグネシウムは、驚くべきことに、酢酸を含有するアルコール飲料に添加することによって、アルコールの香味と酢酸の香味とが作用して生じる強い「カド」を低減させる。
また、マグネシウムは、前記した酢酸の酸味と作用することによって(酢酸の喉に引っ掛かるような酸味を抑制することによって)、アルコール飲料の「飲みやすさ」を増強させることができる。
マグネシウムの含有量は、0.1ppm(mg/L)以上が好ましく、0.4ppm以上、0.5ppm以上、0.7ppm以上、1.1ppm以上がより好ましい。マグネシウムの含有量が所定値以上であることによって、アルコール飲料のカドの低減効果をより確実に発揮させることができる。また、マグネシウムの含有量が所定値以上であることによって、飲みやすさを増強させることができる。
マグネシウムの含有量は、10.0ppm以下が好ましく、7.2ppm以下、4.8ppm以下、3.6ppm以下、2.4ppm以下、1.8ppm以下がより好ましい。マグネシウムの含有量が所定値以下であることによって、アルコール飲料のカドの低減効果をしっかりと発揮させることができる。また、マグネシウムの含有量が所定値以下であることによって、飲みやすさの増強効果をしっかりと発揮させることもできる。
(マグネシウムの含有量/酢酸の含有量)
本実施形態に係るアルコール飲料について、酢酸の含有量に対するマグネシウムの含有量を更に適正な量とするため、マグネシウムの含有量をAppm(mg/L)とし、酢酸の含有量をB%(w/v%)とした場合、A/Bが所定範囲となるのが好ましい。
詳細には、A/Bは、4.80以上が好ましく、5.90以上、9.50以上、18.00以上がより好ましい。A/Bが所定値以上となることによって、アルコール飲料のカドの低減効果をより確実に発揮させることができる。また、A/Bが所定値以上であることによって、飲みやすさをより増強させることができる。
A/Bは、143以下が好ましく、120以下、95以下、60以下、36以下、30以下、25以下がより好ましい。A/Bが所定値以下となることによって、アルコール飲料のカドの低減効果をよりしっかりと発揮させることができる。また、A/Bが所定値以下であることによって、飲みやすさの増強効果をよりしっかりと発揮させることもできる。
なお、マグネシウムは、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム等の各種塩の状態で含有させることができ、一例として、マグネシウムを塩化マグネシウムとして含有させる場合の「塩化マグネシウムの含有量」と「塩化マグネシウムの含有量/酢酸の含有量」とを以下に説明する。
(塩化マグネシウムの含有量)
塩化マグネシウムの含有量は、0.001%(w/v%)以上が好ましく、0.003%以上、0.004%以上、0.006%以上、0.009%以上がより好ましい。塩化マグネシウムの含有量が所定値以上であることによって、アルコール飲料のカドの低減効果をより確実に発揮させることができる。また、塩化マグネシウムの含有量が所定値以上であることによって、飲みやすさを増強させることができる。
塩化マグネシウムの含有量は、0.080%以下が好ましく、0.060%以下、0.040%以下、0.030%以下、0.020%以下、0.015%以下がより好ましい。塩化マグネシウムの含有量が所定値以下であることによって、アルコール飲料のカドの低減効果をしっかりと発揮させることができる。また、塩化マグネシウムの含有量が所定値以下であることによって、飲みやすさの増強効果をしっかりと発揮させることもできる。
(塩化マグネシウムの含有量/酢酸の含有量)
本実施形態に係るアルコール飲料について、酢酸の含有量に対する塩化マグネシウムの含有量を更に適正な量とするため、塩化マグネシウムの含有量をC%(w/v%)とし、酢酸の含有量をB%(w/v%)とした場合、C/Bが所定範囲となるのが好ましい。
詳細には、C/Bは、0.04以上が好ましく、0.05以上、0.08以上、0.15以上がより好ましい。C/Bが所定値以上となることによって、アルコール飲料のカドの低減効果をより確実に発揮させることができる。また、C/Bが所定値以上であることによって、飲みやすさをより増強させることができる。
C/Bは、1.80以下が好ましく、1.20以下、1.00以下、0.80以下、0.50以下、0.30以下、0.25以下がより好ましい。C/Bが所定値以下となることによって、アルコール飲料のカドの低減効果をよりしっかりと発揮させることができる。また、C/Bが所定値以下であることによって、飲みやすさの増強効果をよりしっかりと発揮させることもできる。
アルコール飲料のマグネシウムの含有量は、例えば、ICP分析(InductivelyCoupled Plasma)によって測定することができる。
(アルコール)
本実施形態に係るアルコール飲料は、アルコールを含有する。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の所望の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、蒸留酒又は醸造酒であることが好ましい。蒸留酒としては、例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。醸造酒としては、例えば、ビール、発泡酒、果実酒、甘味果実酒などを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
(アルコール度数)
アルコール度数は特に限定されないものの、例えば、6%(v/v%)以上、7%以上、7.5%以上、8%以上であり、12%以下、11%以下、10%以下、10%未満、9.5%以下である。
本実施形態に係るアルコール飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定することができる。
(発泡性)
本実施形態に係るアルコール飲料は、非発泡性のものでも、発泡性のものでもよい。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm以上であることをいい、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm未満であることをいう。
(果汁、果実フレーバー、野菜フレーバー)
本実施形態に係るアルコール飲料は、前記した果実風味アルコール飲料または野菜風味アルコール飲料とするために、果汁を含んでいてもよいが、果実フレーバーまたは野菜フレーバーによって飲料の香味のタイプが果実様または野菜様となるように調製されていれば、無果汁又は低果汁であってもよい。
ここで「無果汁」とは、果汁を全く含有しないことを示し、「低果汁」とは、果汁の含有量が果汁率換算で10.0%未満であることを示す。
果汁の含有量(果汁率換算)は、「含有量(果汁率換算)%(詳細には、w/w%)」=「果汁配合量(g)」×「濃縮倍率」/100g×100により算出することができる。なお、「濃縮倍率」(ストレート果汁を100%としたときの果汁の相対的濃縮倍率)を算出するにあたり、JAS規格に準ずるものとし、各果実に特有の糖用屈折指示度の基準(Bx)又は酸度の基準(%)に基づいて換算できる。
また、「果実フレーバー」とは、果実様の香味を飲料に付加する香料であり、例えば、柑橘フレーバー(レモン、ライム、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、イヨカン、ウンシュウミカン、カボス、キシュウミカン、キノット、コウジ、サンボウカン、シトロン、ジャバラ、スダチ、ダイダイ、タチバナ、タンゴール、ナツミカン、ハッサク、ハナユズ、ヒュウガナツ、ヒラミレモン(シークヮーサー)、ブンタン、ポンカン(マンダリンオレンジ)等の柑橘類のフレーバー)、ぶどうフレーバー、りんごフレーバー、ピーチフレーバー、マンゴーフレーバー等が挙げられる。
また、「野菜フレーバー」とは、野菜様の香味を飲料に付加する香料であり、例えば、トマト、ニンジン、ピーマン、サツマイモ、ショウガ等のフレーバーが挙げられる。
(ミネラル成分)
本実施形態に係るアルコール飲料は、ミネラル成分に富む飲料とすべく、前記したマグネシウム以外に、ナトリウム、カリウム、カルシウムを更に含んでいてもよい。
なお、前記した各ミネラル成分は、塩化物等の各種塩の状態で含有させてもよい。
(その他)
本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した酢酸、マグネシウム、アルコール、添加剤等は、一般に市販されているものを使用することができる。
(容器詰めアルコール飲料)
本実施形態に係るアルコール飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にアルコール飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料は、酢酸とマグネシウムとを含有することから、カドを低減することができる。また、本実施形態に係るアルコール飲料は、飲みやすさが増強している。
[アルコール飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
混合工程では、混合タンクに、水、酢酸、マグネシウム、飲用アルコール、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、酢酸の含有量、マグネシウムの含有量等が前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、RTD飲料などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、酢酸とマグネシウムとを含有させる工程を含むことから、カドが低減されたアルコール飲料を製造することができる。また、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、飲みやすさが増強したアルコール飲料を製造することができる。
[カド低減方法]
次に、本実施形態に係るカド低減方法を説明する。
本実施形態に係るカド低減方法は、アルコール飲料に酢酸とマグネシウムとを含有させる方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「アルコール飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係るカド低減方法は、アルコール飲料に酢酸とマグネシウムとを含有させることから、アルコール飲料のカドを低減することができる。また、本実施形態に係るカド低減方法は、アルコール飲料の飲みやすさを増強することができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
表に示す量となるように、酢酸、塩化マグネシウム、飲用アルコール、グレープフルーツフレーバー、りんごフレーバー、ぶどうフレーバー、炭酸水を混合してサンプルを準備した。
なお、サンプルの20℃におけるガス圧は約2.1kg/cmであった。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル8名が下記評価基準に則って「飲みやすさ」、「酢酸とアルコールによるカド」について、-2点~0点~2点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
また、「飲みやすさ」の評価は、サンプル1-1(-1点)を基準とし、「酢酸とアルコールによるカド」の評価は、サンプル1-1(1点)を基準として評価した。
(飲みやすさ:評価基準)
飲みやすさの評価については、「ごくごく飲みやすい」場合を2点、「ごくごく飲み難い」場合を-2点として5段階で評価した。そして、飲みやすさの評価については、点数が高いほど飲みやすく、好ましいと判断できる。
なお、「飲みやすい」とは、喉に引っ掛かるような塩味および酸味とともにぬめりがなく、ごくごく飲むことができる状態を示している。
(酢酸とアルコールによるカド:評価基準)
酢酸とアルコールによるカドの評価については、「カドを非常に強く感じる」場合を2点、「カドを全く感じない」場合を-2点として5段階で評価した。そして、酢酸とアルコールによるカドの評価については、点数が低いほどカドが低減しており好ましいと判断できる。
なお、この「カド」とは、飲料を飲んだ際に感じる酢酸由来による酸味とアルコール由来による苦味とにより生じる尖った香味である。
表1~4に、各サンプルの配合を示すとともに、各評価の結果を示す。なお、表に示す「アルコール度数」、「酢酸」、「塩化マグネシウム」、各種「フレーバー」は、最終製品の指標や含有量である。そして、表に示す「マグネシウム」は、「塩化マグネシウム」の含有量から算出した最終製品中のマグネシウムの含有量(算出値)であり、表に示す「塩化マグネシウム/酢酸」と「マグネシウム/酢酸」は、最終製品中の酢酸の含有量に対する塩化マグネシウム(又はマグネシウム)の含有量の比率(算出値)である。
Figure 0007308020000001
Figure 0007308020000002
Figure 0007308020000003
Figure 0007308020000004
(結果の検討)
サンプル1-1、1-2の結果を比較すると明らかなように、酢酸を含有するアルコール飲料にマグネシウムを含有させることによって、飲料の「カド」が大幅に低減することが確認できた。また、酢酸を含有するアルコール飲料にマグネシウムを含有させることによって、「飲みやすさ」も増強することが確認できた。
サンプル2-1~2-4の結果から、酢酸の含有量が所定範囲の場合に、飲料の「カド」が確実に低減することが確認できた。また、酢酸の含有量が所定範囲の場合に、「飲みやすさ」が確実に増強することが確認できた。そして、これらのサンプルの中でも、サンプル2-1、2-2について特に好ましい結果が得られた。
サンプル3-1~3-5の結果から、マグネシウムの含有量が所定範囲の場合に、飲料の「カド」が確実に低減することが確認できた。また、マグネシウムの含有量が所定範囲の場合に、「飲みやすさ」が確実に増強することが確認できた。そして、これらのサンプルの中でも、サンプル3-2、3-3について特に好ましい結果が得られた。
サンプル4-1~4-3の結果から、アルコール飲料をグレープフルーツテイスト、りんごテイスト、ぶどうテイストとした場合であっても、所望の効果(カドの低減、飲みやすさの増強)が発揮できることが確認できた。

Claims (4)

  1. 果実フレーバーと塩化マグネシウムとを含有する果実風味アルコール飲料であって、
    酢酸の含有量が0.010~0.080%であり、マグネシウムの含有量が0.1~10.0ppmである果実風味アルコール飲料。
  2. 記マグネシウムの含有量をAppmとし、前記酢酸の含有量をB%とした場合、/Bは、4.80~143である請求項1に記載の果実風味アルコール飲料。
  3. 果実フレーバーと塩化マグネシウムとを含有させるとともに、酢酸の含有量を0.010~0.080%とし、マグネシウムの含有量を0.1~10.0ppmとする工程を含む果実風味アルコール飲料の製造方法。
  4. 酢酸と果実フレーバーと塩化マグネシウムとを含有する果実風味アルコール飲料のカドを低減させるとともに飲みやすさを増強させる方法であって、
    前記果実風味アルコール飲料の前記酢酸の含有量を0.010~0.080%とし、マグネシウムの含有量を0.1~10.0ppmとするカド低減方法。
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