JP7281333B2 - アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法 - Google Patents

アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法に関する。
アルコール飲料については、飲用者の多様な嗜好に応えるべく、多くの種類のアルコール飲料やその製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、アルコール飲料又はアルコールテイスト飲料であって、アセスルファムカリウムの含有量(A)が0.005~0.60g/Lであり、そして、単糖類、二糖類及びオリゴ糖の含有量の合計(B)が0.01~32g/Lである飲料が記載されている。
特開2017-216991号公報
現在、特許文献1に記載されているアルコール飲料のように、アセスルファムカリウム等の高甘味度甘味料を含有させた飲料が提供されている。
しかしながら、高甘味度甘味料をアルコール飲料に用いると、後味において舌にべたつくように甘味が残るとともに、飲み口(飲みはじめ)において甘味がもたついてしまいスムースさに欠けてしまう。つまり、高甘味度甘味料を用いたアルコール飲料は、甘味の質について問題を抱えていた。
また、アルコール飲料については、アルコールの香味が刺激と感じる消費者が存在するとともに、アルコールに起因したエグ味(苦味様に感じるエグ味や雑味)に敏感な消費者も存在する。
そこで、本発明は、甘味の質が向上しているとともに、アルコール特有の刺激とエグ味とが低減したアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)エチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有するアルコール飲料。
(2)前記エチルマルトールの含有量が15~100ppmである前記1に記載のアルコール飲料。
(3)前記シンナムアルデヒドの含有量が0.15~0.5ppmである前記1又は前記2に記載のアルコール飲料。
(4)エキス分が2w/v%未満である前記1から前記3のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
(5)高甘味度甘味料を含有しない前記1から前記4のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
(6)エチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有させる工程を含むアルコール飲料の製造方法。
(7)アルコール飲料の甘味の質を向上させるとともに、アルコール特有の刺激とエグ味とを低減させる香味向上方法であって、前記アルコール飲料にエチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有させるアルコール飲料の香味向上方法。
本発明に係るアルコール飲料は、甘味の質が向上しているとともに、アルコール特有の刺激とエグ味とが低減している。
本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、甘味の質が向上しているとともに、アルコール特有の刺激とエグ味とが低減しているアルコール飲料を製造することができる。
本発明に係るアルコール飲料の香味向上方法は、アルコール飲料の甘味の質を向上させるとともに、アルコール特有の刺激とエグ味とを低減させることができる。
以下、本発明に係るアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[本実施形態に係るアルコール飲料]
本実施形態に係るアルコール飲料は、エチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有する飲料である。
ここで、アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料であり、特定の種類の飲料に限定されないものの、甘味の質が良いという特徴やアルコール特有の刺激とエグ味とが低減されているという特徴を生かすことができる飲料、例えば、チューハイテイスト飲料(特に、高アルコールのチューハイテイスト飲料)が挙げられる。なお、チューハイテイスト飲料とは、チューハイの香味を奏するように設計された飲料であって、チューハイやサワーやカクテルのような味わいを奏する飲料が含まれる。
(エチルマルトール)
エチルマルトール(Ethyl maltol)とは、化学式Cで表されるケトン類の一つであり、2-エチル-3-ヒドロキシ-4-ピロンとも呼ばれる。
そして、エチルマルトールは、アルコール飲料にシンナムアルデヒドと一緒に含有させることによって、アルコール存在下において甘味の質を向上させる(後味において甘味が残らず、かつ、飲み口において甘味がもたつかずスムースとなる)だけでなく、アルコール特有の刺激やエグ味を低減させることができる。
なお、エチルマルトールを単独でアルコール飲料に含有させた場合(シンナムアルデヒドを含有させなかった場合)、本発明の所望の効果を十分には発揮させることはできないことを確認している。つまり、本発明の所望の効果は、エチルマルトールとシンナムアルデヒドとが相乗的に作用して発揮されるものであると推察する。
エチルマルトールの含有量は、15ppm(mg/L)以上が好ましく、18ppm以上、20ppm以上、23ppm以上、25ppm以上、28ppm以上、30ppm以上がより好ましい。エチルマルトールの含有量が所定値以上であることによって、本発明の所望の効果(甘味の質の向上、アルコール特有の刺激やエグ味の低減)を発揮させることができる。
エチルマルトールの含有量は、100ppm以下が好ましく、90ppm以下、80ppm以下、70ppm以下、60ppm以下、50ppm以下、40ppm以下、35ppm以下がより好ましい。エチルマルトールの含有量が所定値以下であることによって、本発明の所望の効果(甘味の質の向上、アルコール特有の刺激やエグ味の低減)をしっかりと発揮させることができる。
(シンナムアルデヒド)
シンナムアルデヒド(Cinnamaldehyde)とは、化学式COで表される芳香族アルデヒドの一つであり、ニッケイアルデヒドとも呼ばれる。
そして、シンナムアルデヒドは、アルコール飲料にエチルマルトールと一緒に含有させることによって、アルコール存在下において甘味の質を向上させる(後味において甘味が残らず、かつ、飲み口において甘味がもたつかずスムースとなる)だけでなく、アルコール特有の刺激やエグ味を低減させることができる。
シンナムアルデヒドの含有量は、0.15ppm(mg/L)以上が好ましく、0.17ppm以上、0.18ppm以上、0.19ppm以上、0.2ppm以上がより好ましい。シンナムアルデヒドの含有量が所定値以上であることによって、本発明の所望の効果(甘味の質の向上、アルコール特有の刺激やエグ味の低減)を発揮させることができる。
シンナムアルデヒドの含有量は、0.5ppm以下が好ましく、0.4ppm以下、0.35ppm以下、0.32ppm以下、0.3ppm以下、0.25ppm以下、0.23ppm以下がより好ましい。シンナムアルデヒドの含有量が所定値以下であることによって、本発明の所望の効果(甘味の質の向上、アルコール特有の刺激やエグ味の低減)をしっかりと発揮させることができる。
なお、アルコール飲料中のエチルマルトールとシンナムアルデヒドの含有量は、例えば、固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(SPME-GC-MS法)により測定によって測定することができる。
(エキス分)
エキス分とは、飲料中に含まれる不揮発性成分である。そして、エキス分とは、温度15度の時において原容量百立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数である(酒税法第三条)。
エキス分は、2w/v%未満が好ましく、1.8w/v%以下、1.5w/v%以下、1.2w/v%以下、1.0w/v%以下がより好ましい。従来、エキス分の低いアルコール飲料を開発する際、甘味を付与する必要のある場合は、エキス分の大幅な上昇を回避できる高甘味度甘味料が専ら用いられているが、前記のとおり、高甘味度甘味料は甘味の質の低下を招くおそれがある。したがって、エキス分が所定値未満(又は所定値以下)であることによって、本発明の課題がより明確化する状況(甘味付与のために、甘味の質の低下を招く高甘味度甘味料を使用せざるを得ないような状況)となる。
一方、エキス分の下限は特に限定されないものの、例えば、0.1w/v%以上、0.3w/v%以上、0.6w/v%以上、0.8w/v%以上、0.9w/v%以上、1.0w/v%以上である。
なお、エキス分は、例えば、日本国の国税庁所定分析法に準拠して比重(日本酒度)及びアルコール度を測定して算出することができる。
(アルコール)
本実施形態に係るアルコール飲料は、アルコールを含有する。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の所望の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、蒸留酒又は醸造酒であることが好ましい。蒸留酒としては、例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。醸造酒としては、例えば、ビール、発泡酒、果実酒、甘味果実酒などを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
アルコール度数の下限は特に限定されないものの、3.0%(v/v%)以上が好ましく、5%以上、7%以上、8%以上、8.5%以上、9%以上がより好ましい。アルコール度数が所定値以上であることによって、本発明の課題(アルコール特有の刺激とエグ味)がより明確化することとなる。
一方、アルコール度数の上限も特に限定されないものの、例えば、23%以下、20%以下、15%以下、12%以下、10%以下である。
なお、アルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定することができる。
(高甘味度甘味料)
高甘味度甘味料とは、砂糖と比較して非常に高い甘味度を示す甘味料であり、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、ネオテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、アスパルテーム、ソーマチン、ラカンカが挙げられる。
そして、甘味の質を可能な限り低下させないという観点に基づくと、本実施形態に係るアルコール飲料は、高甘味度甘味料を含有しないのが好ましい。
(発泡性)
本実施形態に係るアルコール飲料は、非発泡性のものでも、発泡性のものでもよい。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm以上であることをいい、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm未満であることをいう。
(その他)
本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を含有させることもできる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で果汁を含有させることもできる。そして、果汁としては、例えば、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)、これらの希釈液、濃縮液、混合液などを用いることができる。
また、果汁に使用する果実は特に限定されず、例えば、レモン、ライム、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、イヨカン、ウンシュウミカン、カボス、キシュウミカン、キノット、コウジ、サンボウカン、シトロン、ジャバラ、スダチ、ダイダイ、タチバナ、タンゴール、ナツミカン、ハッサク、ハナユズ、ヒュウガナツ、ヒラミレモン(シークヮーサー)、ブンタン、ポンカン(マンダリンオレンジ)、スウィーティー等の柑橘類、ぶどう、プラム、ざくろ、ブルーベリー、カシス、クランベリー、マキベリー、いちご、アップル、ピーチ、マンゴー、パイナップル、キウイ、梨等が挙げられる。
(容器詰めアルコール飲料)
本実施形態に係るアルコール飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にアルコール飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料は、エチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有することから、甘味の質が向上しているとともに、アルコール特有の刺激とエグ味とが低減している。
[本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
混合工程では、混合タンクに、水、エチルマルトール、シンナムアルデヒド、飲用アルコール、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、各成分の含有量、アルコール度数等が前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、RTD飲料などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、エチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有させる工程を含むことから、甘味の質が向上しているとともに、アルコール特有の刺激とエグ味とが低減しているアルコール飲料を製造することができる。
[本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法]
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法は、アルコール飲料の甘味の質を向上させるとともに、アルコール特有の刺激とエグ味とを低減させる香味向上方法であって、アルコール飲料にエチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有させる方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「本実施形態に係るアルコール飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法は、アルコール飲料にエチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有させることから、アルコール飲料の甘味の質を向上させるとともに、アルコール特有の刺激とエグ味とを低減させることができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
(サンプル1-1、1-2、2-1~2-3、3-1~3-3、4-1~4-4)
表1~4に示す値となるように、ウォッカ、アセスルファムカリウム、エチルマルトール、シンナムアルデヒド、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、水、炭酸水を適宜配合してサンプルを準備した。
なお、各サンプルのクエン酸(無水)とクエン酸三ナトリウムの含有量は、各サンプル間において一定量に揃えた。また、サンプル4-1~4-4については、果糖ぶどう糖液糖の含有量を変化させてエキス分の値を変化させたが、その他のサンプルの果糖ぶどう糖液糖の含有量は、各サンプル間において略一定量に揃えた。
そして、各サンプルの20℃におけるガス圧は約2.3kg/cmであった。
(サンプル5-1)
表5に示す値となるように、ウォッカ、エチルマルトール、シンナムアルデヒド、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、濃縮アップル果汁、香料、水、炭酸水を適宜配合してサンプルを準備した。
なお、サンプルの20℃におけるガス圧は約2.3kg/cmであった。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル3名が下記評価基準に則って「エグ味」、「甘味の質」、「アルコール特有の刺激」について、1点~5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、この評価は、サンプルを飲んで評価した。
(エグ味:評価基準)
エグ味の評価については、「エグ味を強く感じる(サンプル1-1と同程度である)」場合を5点、「エグ味をほとんど感じない(サンプル2-3と同程度である)」場合を1点として5段階で評価した。そして、エグ味の評価は、点数が低いほど好ましいと判断できる。
なお、エグ味は、前記のとおり、サンプル1-1(5点)とサンプル2-3(1点)との2つを基準として評価した。
ここで、「エグ味」とは、アルコールに由来した苦味様のエグ味や雑味(苦味を想起させるエグ味や雑味)である。
(甘味の質:評価基準)
甘味の質の評価については、「甘味の質が非常に良い(サンプル2-2と同程度である)」場合を5点、「甘味の質が非常に悪い(サンプル1-1と同程度である)」場合を1点として5段階で評価した。そして、甘味の質の評価は、点数が高いほど好ましいと判断できる。
なお、甘味の質は、前記のとおり、サンプル2-2(5点)とサンプル1-1(1点)との2つを基準として評価した。
ここで、「甘味の質が良い」とは、後味において甘味が残らずキレがあるとともに、飲み口(飲みはじめ)において甘味がもたつかずにスムースである感覚を示し、一方、「甘味の質が悪い」とは、後味において舌にべたつくように甘味が残るとともに、飲み口において甘味がもたついてしまいスムースさに欠けてしまう感覚を示す。
(アルコール特有の刺激:評価基準)
アルコール特有の刺激の評価については、「アルコール特有の刺激を強く感じる(サンプル1-1と同程度である)」場合を5点、「アルコール特有の刺激をほとんど感じない(サンプル2-3と同程度である)」場合を1点として5段階で評価した。そして、アルコール特有の刺激の評価は、点数が低いほど好ましいと判断できる。
なお、アルコール特有の刺激は、前記のとおり、サンプル1-1(5点)とサンプル2-3(1点)との2つを基準として評価した。
ここで、「アルコール特有の刺激」とは、アルコールに由来した刺激感であり、喉を通る時の痛みとして感じるものである。
以下の表に示す各成分の含有量や指標は、最終製品における含有量や指標である。
なお、表に示す「酸度」は、酸度測定装置(アドバンテック東洋株式会社製電位差自動滴定装置 AT-710S)によって測定した値である。
Figure 0007281333000001
Figure 0007281333000002
Figure 0007281333000003
Figure 0007281333000004
Figure 0007281333000005
(結果の検討)
サンプル1-1の結果によると、高甘味度甘味料(アセスルファムカリウム)を使用した場合、甘味の質が悪いとともに、エグ味やアルコール特有の刺激が全く抑制されていないことが確認できた。
一方、サンプル1-2の結果によると、エチルマルトールを含有させることによって、甘味の質が向上し、エグ味やアルコール特有の刺激が抑制されることが確認できたが、十分に各効果が発揮されているとは判断できなかった。
サンプル2-1~2-3は、シンナムアルデヒドの含有量を一定としつつ、エチルマルトールの含有量を変化させた結果である。
サンプル2-1~2-3の結果によると、エチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有することによって各効果が発揮されることが確認でき、これらのサンプルの中でも、特に、サンプル2-2、2-3について、非常に好ましい結果が得られた。
サンプル3-1~3-3は、エチルマルトールの含有量を一定としつつ、シンナムアルデヒドの含有量を変化させた結果である。
サンプル3-1~3-3の結果によると、エチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有することによって各効果が発揮されることが確認でき、これらのサンプルの中でも、特に、サンプル3-2、3-3について、非常に好ましい結果が得られた。
サンプル4-1~4-4は、エキス分を変化させた結果である。
サンプル4-1~4-4の結果によると、エキス分が所定値未満であれば、各効果がより明確に発揮されることが確認できた。
サンプル5-1は、実際のチューハイテイスト飲料の製品を想定したサンプルであるが、このサンプルの結果から、実際の製品に本発明を適用した場合であっても、各効果が発揮されることが確認できた。

Claims (7)

  1. エチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有するアルコール飲料。
  2. 前記エチルマルトールの含有量が15~100ppmである請求項1に記載のアルコール飲料。
  3. 前記シンナムアルデヒドの含有量が0.15~0.5ppmである請求項1又は請求項2に記載のアルコール飲料。
  4. エキス分が2w/v%未満である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  5. 高甘味度甘味料を含有しない請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  6. エチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有させる工程を含むアルコール飲料の製造方法。
  7. アルコール飲料の甘味の質を向上させるとともに、アルコール特有の刺激とエグ味とを低減させる香味向上方法であって、
    前記アルコール飲料にエチルマルトールとシンナムアルデヒドとを含有させるアルコール飲料の香味向上方法。
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