JP2023097972A - アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エナジードリンク感が増強されたアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、エナジードリンク感を増強するアルコール飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るアルコール飲料は、サリチル酸メチルの含有量が0.05ppm以上である。本発明に係るアルコール飲料は、糖酸比が5.00~20.00であるのが好ましい。本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、サリチル酸メチルの含有量を0.05ppm以上とする工程を含む。本発明に係るアルコール飲料の香味向上方法は、エナジードリンク感を増強させるアルコール飲料の香味向上方法であって、サリチル酸メチルの含有量を0.05ppm以上とする工程を含む。【選択図】なし
Description
本発明は、アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法に関する。
アルコールを含有するアルコール飲料については、これまでにも、香味に着目した様々な発明が創出されている。
例えば、特許文献1には、アセスルファムカリウムを含有するアルコール飲料又はアルコールテイスト飲料であって、デンプン、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、大豆多糖類、グアーガム、アラビアガム、寒天、カラギナン、ポリデキストロース、及び難消化性デキストリンからなる群から選択される少なくとも一種の多糖類を含有し、アセスルファムカリウムの含有量(A)が0.005~0.60g/Lであり、そして当該多糖類の含有量の合計(B)が0.001~0.8g/Lである飲料が開示されている。
特許文献1に係る発明は、飲料の甘味の質を改善し、優れた甘味の嗜好性を有する飲料とすることを課題とした発明であり、特許文献1では、アセスルファムカリウムを含有しつつ多糖類を所定量含有させたアルコール飲料が提案されている。
一方、本発明者は、エナジードリンクに対する需要の増加を考慮し、アルコール飲料について、エナジードリンク感を付与し増強させることができれば、これまでに存在しなかったような特徴のある香味の商品を創出できるのではないかと考えた。
そこで、本発明は、エナジードリンク感が増強されたアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、エナジードリンク感を増強するアルコール飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)サリチル酸メチルの含有量が0.05ppm以上であるアルコール飲料。
(2)糖酸比が5.00~20.00である前記1に記載のアルコール飲料。
(3)酢酸イソアミルの含有量が0.10ppm以上である前記1又は前記2に記載のアルコール飲料。
(4)ペリルアルデヒドの含有量が1.00ppm以上である前記1から前記3のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
(5)アルコール度数が1v/v%以上12v/v%未満である前記1から前記4のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
(6)サリチル酸メチルの含有量を0.05ppm以上とする工程を含むアルコール飲料の製造方法。
(7)エナジードリンク感を増強させるアルコール飲料の香味向上方法であって、サリチル酸メチルの含有量を0.05ppm以上とする工程を含むアルコール飲料の香味向上方法。
(1)サリチル酸メチルの含有量が0.05ppm以上であるアルコール飲料。
(2)糖酸比が5.00~20.00である前記1に記載のアルコール飲料。
(3)酢酸イソアミルの含有量が0.10ppm以上である前記1又は前記2に記載のアルコール飲料。
(4)ペリルアルデヒドの含有量が1.00ppm以上である前記1から前記3のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
(5)アルコール度数が1v/v%以上12v/v%未満である前記1から前記4のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
(6)サリチル酸メチルの含有量を0.05ppm以上とする工程を含むアルコール飲料の製造方法。
(7)エナジードリンク感を増強させるアルコール飲料の香味向上方法であって、サリチル酸メチルの含有量を0.05ppm以上とする工程を含むアルコール飲料の香味向上方法。
本発明に係るアルコール飲料は、エナジードリンク感が増強している。
本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、エナジードリンク感が増強したアルコール飲料を製造することができる。
本発明に係るアルコール飲料の香味向上方法は、エナジードリンク感を増強することができる。
本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、エナジードリンク感が増強したアルコール飲料を製造することができる。
本発明に係るアルコール飲料の香味向上方法は、エナジードリンク感を増強することができる。
以下、本発明に係るアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[アルコール飲料]
本実施形態に係るアルコール飲料は、サリチル酸メチルを含有する飲料であって、さらに酢酸イソアミルやペリルアルデヒドを含有してもよい。
ここで、アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料であり、特定の種類の飲料に限定されないものの、例えば、チューハイテイスト飲料が挙げられる。そして、チューハイテイスト飲料とは、チューハイのような味わいを呈する飲料、つまり、チューハイの香味が感じられるように香味設計された飲料である。なお、チューハイの香味には、サワーやカクテルといった香味も含まれる。ただ、本実施形態に係るアルコール飲料は、所定の甘味と酸味とのバランスを呈する飲料、つまり、糖酸比が所定範囲内となる飲料であるのが好ましい。
そして、本実施形態に係るアルコール飲料は、後記するようにサリチル酸メチルなどを含有することによってエナジードリンク感が増強されていることから、エナジードリンクテイストのアルコール飲料(エナジードリンクテイストが感じられるように香味設計された飲料)に適用するのが好ましい。また、例えば、本実施形態に係るアルコール飲料に梅果汁などを含有させる場合は、梅テイスト(梅干テイストを含む)のアルコール飲料(梅テイストが感じられるように香味設計された飲料)となる。
以下、本実施形態に係るアルコール飲料を構成する各要素について説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料は、サリチル酸メチルを含有する飲料であって、さらに酢酸イソアミルやペリルアルデヒドを含有してもよい。
ここで、アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料であり、特定の種類の飲料に限定されないものの、例えば、チューハイテイスト飲料が挙げられる。そして、チューハイテイスト飲料とは、チューハイのような味わいを呈する飲料、つまり、チューハイの香味が感じられるように香味設計された飲料である。なお、チューハイの香味には、サワーやカクテルといった香味も含まれる。ただ、本実施形態に係るアルコール飲料は、所定の甘味と酸味とのバランスを呈する飲料、つまり、糖酸比が所定範囲内となる飲料であるのが好ましい。
そして、本実施形態に係るアルコール飲料は、後記するようにサリチル酸メチルなどを含有することによってエナジードリンク感が増強されていることから、エナジードリンクテイストのアルコール飲料(エナジードリンクテイストが感じられるように香味設計された飲料)に適用するのが好ましい。また、例えば、本実施形態に係るアルコール飲料に梅果汁などを含有させる場合は、梅テイスト(梅干テイストを含む)のアルコール飲料(梅テイストが感じられるように香味設計された飲料)となる。
以下、本実施形態に係るアルコール飲料を構成する各要素について説明する。
(サリチル酸メチル)
サリチル酸メチル(methyl salicylate)とは、化学式C8H8O3で表されるサリチル酸のメチルエステルである。
そして、本発明者は、アルコール飲料にサリチル酸メチルを含有させることによって、エナジードリンク感を増強させることを見出した。
また、本発明者は、アルコール飲料にサリチル酸メチルを含有させることによって、カラメル様の甘さを増強させることも見出した。
サリチル酸メチル(methyl salicylate)とは、化学式C8H8O3で表されるサリチル酸のメチルエステルである。
そして、本発明者は、アルコール飲料にサリチル酸メチルを含有させることによって、エナジードリンク感を増強させることを見出した。
また、本発明者は、アルコール飲料にサリチル酸メチルを含有させることによって、カラメル様の甘さを増強させることも見出した。
サリチル酸メチルの含有量は、0.05ppm以上が好ましく、0.08ppm以上、0.10ppm以上、0.20ppm以上、0.30ppm以上、0.40ppm以上、0.50ppm以上がより好ましい。サリチル酸メチルの含有量が所定値以上であることによって、エナジードリンク感とカラメル様の甘さとを増強させることができる。
サリチル酸メチルの含有量は、3.00ppm以下が好ましく、2.00ppm以下、1.50ppm以下、1.20ppm以下、1.00ppm以下、0.80ppm以下、0.60ppm以下がより好ましい。サリチル酸メチルの含有量が所定値以下であることによって、所望の効果(エナジードリンク感の増強、カラメル様の甘さの増強)を発揮させつつ、総合評価が低下してしまうといった事態を回避することができる。
なお、本明細書において、「ppm」という単位は「mg/L」と同義である。
サリチル酸メチルの含有量は、3.00ppm以下が好ましく、2.00ppm以下、1.50ppm以下、1.20ppm以下、1.00ppm以下、0.80ppm以下、0.60ppm以下がより好ましい。サリチル酸メチルの含有量が所定値以下であることによって、所望の効果(エナジードリンク感の増強、カラメル様の甘さの増強)を発揮させつつ、総合評価が低下してしまうといった事態を回避することができる。
なお、本明細書において、「ppm」という単位は「mg/L」と同義である。
アルコール飲料のサリチル酸メチルの含有量は、例えば、サンプルを適宜希釈し、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法によって測定することができる。
(酢酸イソアミル)
酢酸イソアミル(isoamyl acetate)とは、化学式C7H14O2で表されるカルボン酸エステルの一種である。
そして、本発明者は、サリチル酸メチルを含有するアルコール飲料に酢酸イソアミルを含有させることによって、サリチル酸メチルによって増強されたエナジードリンク感を更に強くできることを見出した。
また、本発明者は、サリチル酸メチルを含有するアルコール飲料に酢酸イソアミルを含有させることによって、カラメル様の甘さとトロピカル感のある甘さと爽快感のある酸味とを増強させることも見出した。
酢酸イソアミル(isoamyl acetate)とは、化学式C7H14O2で表されるカルボン酸エステルの一種である。
そして、本発明者は、サリチル酸メチルを含有するアルコール飲料に酢酸イソアミルを含有させることによって、サリチル酸メチルによって増強されたエナジードリンク感を更に強くできることを見出した。
また、本発明者は、サリチル酸メチルを含有するアルコール飲料に酢酸イソアミルを含有させることによって、カラメル様の甘さとトロピカル感のある甘さと爽快感のある酸味とを増強させることも見出した。
酢酸イソアミルの含有量は、0.10ppm以上が好ましく、0.20ppm以上、0.50ppm以上、0.80ppm以上、1.00ppm以上、1.30ppm以上、1.50ppm以上、1.80ppm以上、2.00ppm以上がより好ましい。酢酸イソアミルの含有量が所定値以上であることによって、エナジードリンク感を更に増強させるとともに、カラメル様の甘さとトロピカル感のある甘さと爽快感のある酸味とを増強させることができる。
酢酸イソアミルの含有量は、5.00ppm以下が好ましく、4.00ppm以下、3.50ppm以下、3.20ppm以下、3.00ppm以下、2.50ppm以下がより好ましい。酢酸イソアミルの含有量が所定値以下であることによって、所望の効果(エナジードリンク感の増強、カラメル様の甘さの増強、トロピカル感のある甘さの増強、爽快感のある酸味の増強)を発揮させつつ、総合評価が低下してしまうといった事態を回避することができる。
酢酸イソアミルの含有量は、5.00ppm以下が好ましく、4.00ppm以下、3.50ppm以下、3.20ppm以下、3.00ppm以下、2.50ppm以下がより好ましい。酢酸イソアミルの含有量が所定値以下であることによって、所望の効果(エナジードリンク感の増強、カラメル様の甘さの増強、トロピカル感のある甘さの増強、爽快感のある酸味の増強)を発揮させつつ、総合評価が低下してしまうといった事態を回避することができる。
アルコール飲料の酢酸イソアミルの含有量は、例えば、サンプルを適宜希釈し、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法によって測定することができる。
(ペリルアルデヒド)
ペリルアルデヒド(perillaldehyde)とは、化学式C10H14Oで表されるモノテルペンの一種である。
そして、本発明者は、サリチル酸メチルを含有するアルコール飲料にペリルアルデヒドを含有させることによって、爽快感のある酸味を大幅に増強でき、総合評価を非常に好ましいものにできることを見出した。
ペリルアルデヒド(perillaldehyde)とは、化学式C10H14Oで表されるモノテルペンの一種である。
そして、本発明者は、サリチル酸メチルを含有するアルコール飲料にペリルアルデヒドを含有させることによって、爽快感のある酸味を大幅に増強でき、総合評価を非常に好ましいものにできることを見出した。
ペリルアルデヒドの含有量は、1.00ppm以上が好ましく、3.00ppm以上、5.00ppm以上、8.00ppm以上、9.00ppm以上、10.00ppm以上がより好ましい。ペリルアルデヒドの含有量が所定値以上であることによって、爽快感のある酸味を大幅に増強することができる。
ペリルアルデヒドの含有量は、15.00ppm以下が好ましく、13.00ppm以下、12.00ppm以下、11.00ppm以下がより好ましい。ペリルアルデヒドの含有量が所定値以下であることによって、爽快感のある酸味の増強という効果を発揮させつつ、エナジードリンク感が大きく低減してしまうといった事態を回避することができる。
ペリルアルデヒドの含有量は、15.00ppm以下が好ましく、13.00ppm以下、12.00ppm以下、11.00ppm以下がより好ましい。ペリルアルデヒドの含有量が所定値以下であることによって、爽快感のある酸味の増強という効果を発揮させつつ、エナジードリンク感が大きく低減してしまうといった事態を回避することができる。
アルコール飲料のペリルアルデヒドの含有量は、例えば、サンプルを適宜希釈し、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法によって測定することができる。
(糖酸比)
本実施形態に係るアルコール飲料の糖酸比は、飲料の香味全体のバランスの指標となり、エナジードリンク感を増強させる対象となるアルコール飲料の香味を特定する指標となる。
糖酸比は、5.00以上が好ましく、8.00以上、10.00以上、11.00以上、12.00以上、13.00以上、13.42以上がより好ましい。そして、糖酸比は、20.00以下、18.00以下、16.00以下、15.00以下がより好ましい。糖酸比が所定範囲内となることによって、エナジードリンク感を増強させる対象となるアルコール飲料の香味が如何なるものか明確となる。そして、所定の糖酸比のアルコール飲料に前記したサリチル酸メチルなどを含有させることでエナジードリンク感の増強などの効果をより確実に発揮させることができる。
なお、本明細書において「糖酸比」とは、「エキス分(w/v%)/酸度(w/v%)」で算出される値である。
本実施形態に係るアルコール飲料の糖酸比は、飲料の香味全体のバランスの指標となり、エナジードリンク感を増強させる対象となるアルコール飲料の香味を特定する指標となる。
糖酸比は、5.00以上が好ましく、8.00以上、10.00以上、11.00以上、12.00以上、13.00以上、13.42以上がより好ましい。そして、糖酸比は、20.00以下、18.00以下、16.00以下、15.00以下がより好ましい。糖酸比が所定範囲内となることによって、エナジードリンク感を増強させる対象となるアルコール飲料の香味が如何なるものか明確となる。そして、所定の糖酸比のアルコール飲料に前記したサリチル酸メチルなどを含有させることでエナジードリンク感の増強などの効果をより確実に発揮させることができる。
なお、本明細書において「糖酸比」とは、「エキス分(w/v%)/酸度(w/v%)」で算出される値である。
(酸度)
本実施形態に係るアルコール飲料の酸度(クエン酸換算の酸度)は、前記の糖酸比が所定範囲内となっていればよいが、例えば、以下のとおりである。
酸度は、0.10w/v%以上が好ましく、0.30w/v%以上、0.35w/v%以上、0.40w/v%以上、0.45w/v%以上がより好ましい。また、酸度は、2.00w/v%以下が好ましく、1.50w/v%以下、1.00w/v%以下、0.70w/v%以下、0.60w/v%以下、0.50w/v%以下がより好ましい。
本実施形態に係るアルコール飲料の酸度(クエン酸換算の酸度)は、前記の糖酸比が所定範囲内となっていればよいが、例えば、以下のとおりである。
酸度は、0.10w/v%以上が好ましく、0.30w/v%以上、0.35w/v%以上、0.40w/v%以上、0.45w/v%以上がより好ましい。また、酸度は、2.00w/v%以下が好ましく、1.50w/v%以下、1.00w/v%以下、0.70w/v%以下、0.60w/v%以下、0.50w/v%以下がより好ましい。
なお、本明細書における酸度(クエン酸換算の酸度:クエン酸相当量として換算した酸度の値)は、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)に定められた方法で求めることができる。具体的には、飲料を水酸化ナトリウム溶液(0.1mol/L)で中和滴定し、中和滴定において必要となった水酸化ナトリウム溶液の「滴定量(ml)」、滴定に使用した飲料の「重量(g)」、「0.0064」(0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液1mLに相当するクエン酸の重量(g))という定数などを用いて算出すればよい。
また、酸度は、後記する酸味料によって調整することができる。
また、酸度は、後記する酸味料によって調整することができる。
(エキス)
本実施形態に係るアルコール飲料のエキス分(エキスの含有量)は、前記の糖酸比が所定範囲内となっていればよいが、例えば、以下のとおりである。
エキス分は、1.00w/v%以上が好ましく、2.00w/v%以上、3.00w/v%以上、4.00w/v%以上、5.00w/v%以上、6.00w/v%以上がより好ましい。また、エキス分は、10.00w/v%以下が好ましく、9.50w/v%以下、9.00w/v%以下、8.00w/v%以下がより好ましい。
本実施形態に係るアルコール飲料のエキス分(エキスの含有量)は、前記の糖酸比が所定範囲内となっていればよいが、例えば、以下のとおりである。
エキス分は、1.00w/v%以上が好ましく、2.00w/v%以上、3.00w/v%以上、4.00w/v%以上、5.00w/v%以上、6.00w/v%以上がより好ましい。また、エキス分は、10.00w/v%以下が好ましく、9.50w/v%以下、9.00w/v%以下、8.00w/v%以下がより好ましい。
なお、エキスとは、飲料中に含まれる不揮発性成分であり、エキス分とは、温度15度の時において原容量百立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数である(酒税法第三条)。そして、アルコール飲料のエキス分は、例えば、日本国の国税庁所定分析法に準拠して比重(日本酒度)及びアルコール度を測定して算出することができる。
(アルコール)
本実施形態に係るアルコール飲料は、アルコールを含有している。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ類(例えばジン、ウォッカ、ラム等のスピリッツ、及び、原料用アルコール等)、リキュール類、焼酎等、さらには清酒、果実酒、ビール等の醸造酒を使用することができる。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
本実施形態に係るアルコール飲料は、アルコールを含有している。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ類(例えばジン、ウォッカ、ラム等のスピリッツ、及び、原料用アルコール等)、リキュール類、焼酎等、さらには清酒、果実酒、ビール等の醸造酒を使用することができる。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
(アルコール度数)
本実施形態に係るアルコール飲料のアルコール度数の下限は特に限定されないものの、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、3v/v%以上、5v/v%以上である。また、アルコール度数の上限も特に限定されないものの、例えば、12v/v%以下、10v/v%以下、8v/v%以下、6v/v%以下である。
なお、アルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計・ガスクロマトグラフ分析法)に基づいて測定することができる。
本実施形態に係るアルコール飲料のアルコール度数の下限は特に限定されないものの、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、3v/v%以上、5v/v%以上である。また、アルコール度数の上限も特に限定されないものの、例えば、12v/v%以下、10v/v%以下、8v/v%以下、6v/v%以下である。
なお、アルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計・ガスクロマトグラフ分析法)に基づいて測定することができる。
(発泡性)
本実施形態に係るアルコール飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性のもの、つまり、炭酸飲料であるのが好ましい。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧(全圧)が0.5kg/cm2以上であることをいい、1.0kg/cm2以上が好ましく、1.5kg/cm2以上、2.0kg/cm2以上、2.5kg/cm2以上がより好ましく、また、5.0kg/cm2以下が好ましく、4.0kg/cm2以下、3.5kg/cm2以下、3.0kg/cm2以下がより好ましい。
なお、ガス圧は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)8-3ガス圧に基づいて測定することができる。
本実施形態に係るアルコール飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性のもの、つまり、炭酸飲料であるのが好ましい。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧(全圧)が0.5kg/cm2以上であることをいい、1.0kg/cm2以上が好ましく、1.5kg/cm2以上、2.0kg/cm2以上、2.5kg/cm2以上がより好ましく、また、5.0kg/cm2以下が好ましく、4.0kg/cm2以下、3.5kg/cm2以下、3.0kg/cm2以下がより好ましい。
なお、ガス圧は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)8-3ガス圧に基づいて測定することができる。
(その他)
本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を含有していてもよいし、当然、含有しなくてもよい。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトースなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。香料としては、例えば、各種フルーツフレーバーを用いることができる。酸味料としては、例えば、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を含有していてもよいし、当然、含有しなくてもよい。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトースなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。香料としては、例えば、各種フルーツフレーバーを用いることができる。酸味料としては、例えば、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
(果汁)
本実施形態に係るアルコール飲料は、果汁(果実を搾った汁)を含有してもよい。そして、果汁の由来となる果実は、従来公知の果実であれば特に限定されないが、梅テイスト飲料とする場合は、当然、梅が好ましい。
果汁の含有量(果汁率換算)については特に限定されないものの、例えば、1%以上、3%以上、5%以上であり、10%以下、8%以下、6%以下である。
本実施形態に係るアルコール飲料は、果汁(果実を搾った汁)を含有してもよい。そして、果汁の由来となる果実は、従来公知の果実であれば特に限定されないが、梅テイスト飲料とする場合は、当然、梅が好ましい。
果汁の含有量(果汁率換算)については特に限定されないものの、例えば、1%以上、3%以上、5%以上であり、10%以下、8%以下、6%以下である。
なお、果汁の含有量は、「含有量(果汁率換算)%(詳細には、w/w%)」=「飲料100g中への果汁配合量(g)」×「濃縮倍率」/100g×100により算出することができる。ここで、「濃縮倍率」(ストレート果汁を100%としたときの果汁の相対的濃縮倍率)を算出するにあたり、JAS規格に準ずるものとし、例えば、酸度が7%の梅果汁を用いた場合、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)の別表4によると梅の基準酸度は3.5%であるから、この梅果汁は、2倍濃縮の梅果汁となる。
(容器詰めアルコール飲料)
本実施形態に係るアルコール飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にアルコール飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
本実施形態に係るアルコール飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にアルコール飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料は、エナジードリンク感が増強している。
また、本実施形態に係るアルコール飲料は、カラメル様の甘さと、トロピカル感のある甘さと、爽快感のある酸味と、が増強し、総合評価も良好なものとなっている。
また、本実施形態に係るアルコール飲料は、カラメル様の甘さと、トロピカル感のある甘さと、爽快感のある酸味と、が増強し、総合評価も良好なものとなっている。
[アルコール飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
混合工程では、混合タンクに、水、サリチル酸メチル、酢酸イソアミル、ペリルアルデヒド、アルコール、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、サリチル酸メチルの含有量や酢酸イソアミルの含有量やペリルアルデヒドの含有量などが前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
この混合工程において、サリチル酸メチルの含有量や酢酸イソアミルの含有量やペリルアルデヒドの含有量などが前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにおいて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにおいて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、RTD飲料などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法によると、エナジードリンク感が増強しているアルコール飲料を製造することができる。
また、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法によると、カラメル様の甘さと、トロピカル感のある甘さと、爽快感のある酸味と、が増強し、総合評価も良好なアルコール飲料を製造することができる。
また、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法によると、カラメル様の甘さと、トロピカル感のある甘さと、爽快感のある酸味と、が増強し、総合評価も良好なアルコール飲料を製造することができる。
[アルコール飲料の香味向上方法]
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法は、エナジードリンク感を増強させる香味向上方法であって、アルコール飲料にサリチル酸メチルなどを含有させる方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「アルコール飲料」において説明した値と同じである。
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法は、エナジードリンク感を増強させる香味向上方法であって、アルコール飲料にサリチル酸メチルなどを含有させる方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「アルコール飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法によると、エナジードリンク感を増強させることができる。
また、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法によると、カラメル様の甘さと、トロピカル感のある甘さと、爽快感のある酸味と、を増強させ、総合評価も良好なものとすることができる。
また、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法によると、カラメル様の甘さと、トロピカル感のある甘さと、爽快感のある酸味と、を増強させ、総合評価も良好なものとすることができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
表1の各サンプルは、表に示す量となるように、ウォッカ、濃縮梅果汁、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、L-アスコルビン酸、サリチル酸メチル、酢酸イソアミル、ペリルアルデヒド、炭酸水、純水を適宜配合してサンプル(チューハイテイスト飲料)を準備した。
なお、表1の各サンプルの20℃におけるガス圧(全圧)は2.1kg/cm2であった。
表1の各サンプルは、表に示す量となるように、ウォッカ、濃縮梅果汁、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、L-アスコルビン酸、サリチル酸メチル、酢酸イソアミル、ペリルアルデヒド、炭酸水、純水を適宜配合してサンプル(チューハイテイスト飲料)を準備した。
なお、表1の各サンプルの20℃におけるガス圧(全圧)は2.1kg/cm2であった。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル4名が下記評価基準に則って「カラメル様の甘さ」、「トロピカル感のある甘さ」、「薬品感」、「爽快感のある酸味」、「エナジードリンク感」については、1~9点の9段階評価で各パネルが点数付けし、その平均値を算出し、「総合評価」については、1~5点の5段階評価で各パネルが点数付けし、その平均値を算出した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル4名が下記評価基準に則って「カラメル様の甘さ」、「トロピカル感のある甘さ」、「薬品感」、「爽快感のある酸味」、「エナジードリンク感」については、1~9点の9段階評価で各パネルが点数付けし、その平均値を算出し、「総合評価」については、1~5点の5段階評価で各パネルが点数付けし、その平均値を算出した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
(カラメル様の甘さ:評価基準)
カラメル様の甘さ(表では「カラメルを想起させる若干苦味を持つ甘さ」と示す)の評価は、サンプル1-0の5点を基準とし、「カラメル様の甘さが弱い」場合を1点、「カラメル様の甘さが強い」場合を9点と評価した。そして、カラメル様の甘さについては、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
カラメル様の甘さ(表では「カラメルを想起させる若干苦味を持つ甘さ」と示す)の評価は、サンプル1-0の5点を基準とし、「カラメル様の甘さが弱い」場合を1点、「カラメル様の甘さが強い」場合を9点と評価した。そして、カラメル様の甘さについては、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「カラメル様の甘さ」とは、表に示すように、若干苦味を持つ甘さであってカラメルを想起させる甘さである。
(トロピカル感のある甘さ:評価基準)
トロピカル感のある甘さの評価は、サンプル1-0の5点を基準とし、「トロピカル感のある甘さが弱い」場合を1点、「トロピカル感のある甘さが強い」場合を9点と評価した。そして、トロピカル感のある甘さについては、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
トロピカル感のある甘さの評価は、サンプル1-0の5点を基準とし、「トロピカル感のある甘さが弱い」場合を1点、「トロピカル感のある甘さが強い」場合を9点と評価した。そして、トロピカル感のある甘さについては、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「トロピカル感のある甘さ」とは、トロピカルフルーツ(マンゴーやパイナップルなど)のような甘さを感じられる香味である。
(薬品感:評価基準)
薬品感(表では「薬品感、ケミカル感」と示す)の評価は、サンプル1-0の5点を基準とし、「薬品感が弱い」場合を1点、「薬品感が強い」場合を9点と評価した。なお、薬品感については、強弱の確認を行ったものの、優劣の判断は行わなかった。
薬品感(表では「薬品感、ケミカル感」と示す)の評価は、サンプル1-0の5点を基準とし、「薬品感が弱い」場合を1点、「薬品感が強い」場合を9点と評価した。なお、薬品感については、強弱の確認を行ったものの、優劣の判断は行わなかった。
ここで、「薬品感」が強いとは、薬品を想起させる刺激のある香りが感じられるということである。
(爽快感のある酸味:評価基準)
爽快感のある酸味の評価は、サンプル1-0の5点を基準とし、「爽快感のある酸味が弱い」場合を1点、「爽快感のある酸味が強い」場合を9点と評価した。そして、爽快感のある酸味については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
爽快感のある酸味の評価は、サンプル1-0の5点を基準とし、「爽快感のある酸味が弱い」場合を1点、「爽快感のある酸味が強い」場合を9点と評価した。そして、爽快感のある酸味については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「爽快感のある酸味」とは、具体的には、果実のもつ爽快感を感じられる酸味である。
(エナジードリンク感:評価基準)
エナジードリンク感の評価は、サンプル1-0の5点を基準とし、「エナジードリンク感が弱い」場合を1点、「エナジードリンク感が強い」場合を9点と評価した。そして、エナジードリンク感については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
エナジードリンク感の評価は、サンプル1-0の5点を基準とし、「エナジードリンク感が弱い」場合を1点、「エナジードリンク感が強い」場合を9点と評価した。そして、エナジードリンク感については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「エナジードリンク感」とは、一般的なエナジードリンクを飲んで感じるような香味であって、詳細には、甘味と酸味とが強くかつバランスよく感じられ、トロピカル感を感じるような甘い香りと若干の薬品感が特徴である(飲みはじめに感じる香味の立ち上がりが迅速であり、飲み終わりに感じる香味の消失も迅速である)。
(総合評価:評価基準)
総合評価については、基準点を設けず、「アルコール飲料としての総合評価が不良である」場合を1点、「アルコール飲料としての総合評価が良好である」場合を5点と評価した。
総合評価については、基準点を設けず、「アルコール飲料としての総合評価が不良である」場合を1点、「アルコール飲料としての総合評価が良好である」場合を5点と評価した。
ここで、「総合評価」とは、アルコール飲料としての香味のバランスの評価であり、例えば、特定成分に基づく香味が強く感じられることで香味のバランスが崩れている場合は、悪いとの評価となる。
表に、各サンプルの含有量等を示すとともに、各評価の結果を示す。なお、表に示す各成分の数値および指標は、最終製品における含有量および指標である。そして、表の梅果汁の含有量は、果汁率換算値である。
(結果の検討)
表1のサンプル1-0~1-3は、サリチル酸メチルの含有量を変化させた結果を示す。
表1のサンプル1-0~1-3の結果から、サリチル酸メチルの含有量が所定値以上となることによって、「エナジードリンク感」の点数が上昇することが確認できた。また、サリチル酸メチルの含有量が所定値以上となることによって、「カラメル様の甘さ」の点数、「総合評価」の点数が、それぞれ上昇することも確認できた。
しかしながら、サリチル酸メチルの含有量が多過ぎると、「爽快感のある酸味」の点数が低下し、「総合評価」の点数も若干低下することも確認できた。
表1のサンプル1-0~1-3は、サリチル酸メチルの含有量を変化させた結果を示す。
表1のサンプル1-0~1-3の結果から、サリチル酸メチルの含有量が所定値以上となることによって、「エナジードリンク感」の点数が上昇することが確認できた。また、サリチル酸メチルの含有量が所定値以上となることによって、「カラメル様の甘さ」の点数、「総合評価」の点数が、それぞれ上昇することも確認できた。
しかしながら、サリチル酸メチルの含有量が多過ぎると、「爽快感のある酸味」の点数が低下し、「総合評価」の点数も若干低下することも確認できた。
表1のサンプル1-4~1-8は、酢酸イソアミルを含有させた結果を示す。
表1のサンプル1-4~1-8の結果から、サリチル酸メチルを含有するアルコール飲料に酢酸イソアミルを含有させることによって、「エナジードリンク感」の点数がさらに上昇するだけでなく、「トロピカル感のある甘さ」の点数が大きく上昇することが確認できた。
特に、サンプル1-5、1-6、及び、サンプル1-2(サリチル酸メチルの含有量が同じサンプル)を比較すると明らかなように、酢酸イソアミルの含有量が多くなるに従って、「エナジードリンク感」の点数と「トロピカル感のある甘さ」の点数だけでなく、「カラメル様の甘さ」の点数と「爽快感のある酸味」の点数も上昇しているのが確認できた。
表1のサンプル1-4~1-8の結果から、サリチル酸メチルを含有するアルコール飲料に酢酸イソアミルを含有させることによって、「エナジードリンク感」の点数がさらに上昇するだけでなく、「トロピカル感のある甘さ」の点数が大きく上昇することが確認できた。
特に、サンプル1-5、1-6、及び、サンプル1-2(サリチル酸メチルの含有量が同じサンプル)を比較すると明らかなように、酢酸イソアミルの含有量が多くなるに従って、「エナジードリンク感」の点数と「トロピカル感のある甘さ」の点数だけでなく、「カラメル様の甘さ」の点数と「爽快感のある酸味」の点数も上昇しているのが確認できた。
表1のサンプル1-9~1-10は、ペリルアルデヒドを含有させた結果を示す。
表1のサンプル1-9~1-10の結果から、サリチル酸メチル(及び、酢酸イソアミル)を含有するアルコール飲料にペリルアルデヒドを含有させることによって、「爽快感のある酸味」の点数が大幅に上昇し、「総合評価」の点数も大きく上昇することが確認できた。
ただ、ペリルアルデヒドを含有させると、「エナジードリンク感」が若干低下することも確認できた。
表1のサンプル1-9~1-10の結果から、サリチル酸メチル(及び、酢酸イソアミル)を含有するアルコール飲料にペリルアルデヒドを含有させることによって、「爽快感のある酸味」の点数が大幅に上昇し、「総合評価」の点数も大きく上昇することが確認できた。
ただ、ペリルアルデヒドを含有させると、「エナジードリンク感」が若干低下することも確認できた。
Claims (7)
- サリチル酸メチルの含有量が0.05ppm以上であるアルコール飲料。
- 糖酸比が5.00~20.00である請求項1に記載のアルコール飲料。
- 酢酸イソアミルの含有量が0.10ppm以上である請求項1又は請求項2に記載のアルコール飲料。
- ペリルアルデヒドの含有量が1.00ppm以上である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
- アルコール度数が1v/v%以上12v/v%未満である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
- サリチル酸メチルの含有量を0.05ppm以上とする工程を含むアルコール飲料の製造方法。
- エナジードリンク感を増強させるアルコール飲料の香味向上方法であって、
サリチル酸メチルの含有量を0.05ppm以上とする工程を含むアルコール飲料の香味向上方法。
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