JP7324590B2 - レモン風味飲料、及び、風味向上方法 - Google Patents
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この問題点に対して、以下のような技術が提案されている。
しかしながら、本発明者は、pHを所定値以上としたレモン風味飲料の香味について鋭意検討した結果、後味がダラダラと残ってしまうとともに、味がぼやけて不鮮明になることを確認した。
一般的に、レモン風味飲料はレモン特有の爽やかで強い酸味を呈する飲料として消費者に認識される飲料であることから、後味の悪化と味の不鮮明化は、レモン風味飲料としては致命的な問題であり改善すべき事項といえる。
(1)pHが3.40以上であるレモン風味飲料であって、シトラールの含有量をXmg/kgとし、リモネンの含有量をYmg/kgとし、ノナナールの含有量をZmg/kgとした場合に、Xが20~120であり、Y/Xが0.03~0.70であり、Z/Xが0.003~0.070であるレモン風味飲料。
(2)リモネンの含有量が2~35mg/kgである前記1に記載のレモン風味飲料。
(3)ノナナールの含有量が0.15~4mg/kgである前記1又は前記2に記載のレモン風味飲料。
(4)アルコール度数が1~12%である前記1から前記3のいずれか1つに記載のレモン風味飲料。
(5)pHが3.40以上であるレモン風味飲料の後味をよくするとともに味を鮮明にする風味向上方法であって、前記レモン風味飲料のシトラールの含有量をXmg/kgとし、リモネンの含有量をYmg/kgとし、ノナナールの含有量をZmg/kgとした場合に、Xを20~120とし、Y/Xを0.03~0.70とし、Z/Xを0.003~0.070とする風味向上方法。
本実施形態に係るレモン風味飲料は、pHが所定値以上である飲料であって、所定量のシトラールを含有するとともに、シトラールの含有量に対するリモネンの含有量の比率が所定範囲内となるとともに、シトラールの含有量に対するノナナールの含有量の比率が所定範囲内となる飲料である。
ここで、レモン風味飲料とは、特定の種類の飲料に限定されないものの、例えば、アルコールを含有しない場合は、果実飲料、スポーツドリンク、炭酸飲料、レモンティー、フレーバーウォーター(ニアウォーター)、チューハイテイスト飲料などの清涼飲料水が挙げられ、アルコールを含有する場合は、チューハイテイスト飲料が挙げられる。なお、チューハイテイスト飲料には、チューハイやサワーやカクテルのような味わいを楽しめる飲料が含まれる。
そして、レモン風味飲料とは、レモンの風味(香味)を呈する飲料、言い換えると、レモンの風味(香味)を感じられるように香味設計された飲料であり、レモン様飲料やレモン果実様飲料とも呼ばれる。
本実施形態に係るレモン風味飲料は、pHが所定値以上である。
詳細には、pHは、3.40以上が好ましく、3.45以上、3.48以上、3.50以上、3.60以上、3.70以上、3.80以上、3.83以上がより好ましい。pHが所定値以上であることによって、本発明の課題(後味がダラダラと残り、味が不鮮明になる)がより明確となる。
pHの上限は特に限定されないものの、例えば、6.00以下、5.50以下、5.00以下、4.50以下、4.00未満、3.90以下である。
なお、レモン風味飲料のpHは、従来公知のpH測定器によって計測することができる。
シトラール(citral)は、化学式ではC10H16Oで表されるモノテルペンアルデヒドの一種であり、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナールとも表される。なお、シトラールは、ゲラニアールとネラールとの総称である。
そして、シトラールは、レモン風味飲料に所定量含有させるとともに、当該シトラールの存在下において後記するリモネンとノナナールとを所定の比率で含有させることによって、三者の相乗効果として、後味をよくするとともに味を鮮明にすることができる。
シトラールの含有量は、120mg/kg以下が好ましく、110mg/kg以下、100mg/kg以下、80mg/kg以下、70mg/kg以下、60mg/kg以下、55mg/kg以下がより好ましい。シトラールの含有量が所定量以下であることによって、後味の改善と味の鮮明化の効果をしっかりと発揮させることができる。
リモネン(limonene)は、化学式ではC10H16で表される単環式モノテルペンの一種である。
そして、リモネンは、前記したシトラール存在下において所定の比率(又は含有量)となるようにレモン風味飲料に含有させ、さらに、後記するノナナールを所定の比率(又は含有量)となるように含有させることによって、三者の相乗効果として、後味をよくするとともに味を鮮明にすることができる。
リモネンの含有量は、2mg/kg以上が好ましく、2.5mg/kg以上、3mg/kg以上、4.5mg/kg以上、4.8mg/kg以上、5mg/kg以上がより好ましい。リモネンの含有量が所定量以上であることによって、後味の改善と味の鮮明化の効果をより確実に発揮させることができる。
リモネンの含有量は、35mg/kg以下が好ましく、30mg/kg以下、20mg/kg以下、15mg/kg以下、12mg/kg以下、10mg/kg以下、8mg/kg以下、7mg/kg以下がより好ましい。リモネンの含有量が所定量以下であることによって、後味の改善と味の鮮明化の効果をよりしっかりと発揮させることができる。
本実施形態に係るレモン風味飲料のシトラールの含有量をXmg/kgとし、リモネンの含有量をYmg/kgとした場合に、Y/Xが所定範囲となるのが好ましい。
詳細には、Y/Xの値は、0.03以上が好ましく、0.04以上、0.05以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上がより好ましい。Y/Xの値が所定値以上であることによって、後味がよくなるとともに味が鮮明になる。
Y/Xの値は、0.70以下が好ましく、0.60以下、0.50以下、0.30以下、0.20以下、0.15以下、0.12以下がより好ましい。Y/Xの値が所定値以下であることによって、後味の改善と味の鮮明化の効果をしっかりと発揮させることができる。
ノナナール(nonanal)は、化学式ではC9H18Oで表されるアルデヒドの一種であり、ノニルアルデヒドとも呼ばれる。
そして、ノナナールは、前記したシトラール存在下において所定の比率(又は含有量)となるようにレモン風味飲料に含有させ、さらに、前記したリモネンを所定の比率(又は含有量)となるように含有させることによって、三者の相乗効果として、後味をよくするとともに味を鮮明にすることができる。
ノナナールの含有量は、0.15mg/kg以上が好ましく、0.2mg/kg以上、0.3mg/kg以上、0.4mg/kg以上、0.45mg/kg以上、0.5mg/kg以上がより好ましい。ノナナールの含有量が所定量以上であることによって、後味の改善と味の鮮明化の効果をより確実に発揮させることができる。
ノナナールの含有量は、4mg/kg以下が好ましく、3.5mg/kg以下、3mg/kg以下、2mg/kg以下、1.5mg/kg以下、1.2mg/kg以下がより好ましい。ノナナールの含有量が所定量以下であることによって、後味の改善と味の鮮明化の効果をよりしっかりと発揮させることができる。
本実施形態に係るレモン風味飲料のシトラールの含有量をXmg/kgとし、ノナナールの含有量をZmg/kgとした場合に、Z/Xが所定範囲となるのが好ましい。
詳細には、Z/Xの値は、0.003以上が好ましく、0.004以上、0.005以上、0.008以上、0.009以上、0.010以上がより好ましい。Z/Xの値が所定値以上であることによって、後味がよくなるとともに味が鮮明になる。
Z/Xの値は、0.070以下が好ましく、0.060以下、0.050以下、0.030以下、0.020以下、0.015以下、0.012以下がより好ましい。Z/Xの値が所定値以下であることによって、後味の改善と味の鮮明化の効果をしっかりと発揮させることができる。
この溶媒抽出-GC/MS法においては、試料にオクタナール標準液を別途添加して作成した検量線を使用する標準添加法により測定することが好ましい。また、夾雑物質の影響を受ける場合は、カラムの種類や長さ、オーブンの温度プログラムからなる群より選択される1以上の条件を適宜変更すること、及び/又は、GC/MS/MS又は2次元GC-MSを使用することが好ましい。
本実施形態に係るレモン風味飲料はレモン果汁を含有してもよい。
レモン果汁は、レモンを搾った汁である。なお、使用するレモン(Citrus limon)は、ミカン科シトロン類に属する柑橘類であり、産地、品種等は特に限定されない。
また、レモン果汁は、例えば、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)、これらの希釈液、濃縮液、混合液などを用いることができる。
ここで、「濃縮倍率」(ストレート果汁を100%としたときの果汁の相対的濃縮倍率)を算出するにあたり、JAS規格に準ずるものとし、果汁に加えられた糖類、はちみつ等の糖用屈折計示度を除くものとする。
本実施形態に係るレモン風味飲料は、アルコールを含有してもよい。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の所望の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、蒸留酒又は醸造酒であることが好ましい。蒸留酒としては、例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。醸造酒としては、例えば、ビール、発泡酒、果実酒、甘味果実酒などを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
アルコール度数は特に限定されないものの、例えば、1%(v/v%)以上、2%以上、3%以上、4%以上、4.5%以上、5%以上であり、12%以下、10%未満、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5.5%以下である。
なお、アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定することができる。
本実施形態に係るレモン風味飲料は、非発泡性のものでも、発泡性のものでもよい。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧が49kPa以上であることをいい、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が49kPa未満であることをいう。
本実施形態に係るレモン風味飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を含有していてもよい。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトースなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸、フィチン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記したレモン果汁、シトラール、リモネン、ノナナール、アルコール、添加剤等は、一般に市販されているものを使用することができる。
本実施形態に係るレモン風味飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にレモン風味飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
具体的には、別実施形態に係るレモン風味飲料は、pHが所定値以上であり、シトラールの含有量が所定範囲内であり、リモネンの含有量が所定範囲内であり、ノナナールの含有量が所定範囲内となる飲料である。この別実施形態に係るレモン風味飲料に規定する数値範囲は、本実施形態で説明したとおりである。
次に、本実施形態に係るレモン風味飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係るレモン風味飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
この混合工程において、シトラール等の含有量や比率等が前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにおいて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
次に、本実施形態に係る風味向上方法を説明する。
本実施形態に係る風味向上方法は、pHが所定値以上であるレモン果実様飲料の後味をよくするとともに味を鮮明にする風味向上方法であって、シトラールの含有量を所定範囲内とするとともに、シトラールの含有量に対するリモネンの含有量の比率と、シトラールの含有量に対するノナナールの含有量の比率とを、所定範囲内とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「レモン風味飲料」において説明した値と同じである。
濃縮レモン透明果汁(6g)、スクロース(10g)、炭酸ナトリウム(0.34g)、クエン酸三ナトリウム、クエン酸、を水に添加し混合して各サンプル1-1~1-4(各200g)を準備した。
なお、各サンプル1-1~1-4のクエン酸三ナトリウムとクエン酸の添加量のみ、以下のように調整し、pHを表1に示すとおりとした。
サンプル2-1~6-2は、サンプル1-1をベース液として用いた。
そして、表に示す量となるように、ベース液に対して、シトラール、リモネン、ノナナールを適宜混合してサンプル2-1~6-2を準備した。
サンプル6-3のみ、表に記載のアルコール度数となるように前記したベース液に原料用アルコールを所定量添加し(原料用アルコール添加分だけ水の量を減らし)、混合したものをベース液(200g)とし、さらに、表に示す量となるように、当該ベース液に対して、シトラール、リモネン、ノナナールを適宜混合してサンプルを準備した。
なお、各サンプルのpHは、各成分を混合してもベース液から変わらず、3.83であり、各サンプルのレモン果汁の含有量(果汁率換算)は約10%であり、ナトリウム(Na)の含有量は約1000mg/Lであった。
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル3名が下記評価基準に則って「後味」、「味の鮮明さ」について、1点~7点の7段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
また、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
後味の評価については、「後味が非常に悪い」場合を1点、「後味が非常に良い」場合を7点として7段階で評価した。そして、後味の評価については、サンプル1-4(6点)を基準として評価した。なお、後味の評価については、点数が高いほど後味がよく好ましいと判断できる。
ここで、「後味」の評価は、後味がキレておりダラダラと残らない場合、後味がよいと判断(点数を高く評価)し、後味がダラダラと残る場合、後味が悪いと判断(点数を低く評価)した。
味の鮮明さの評価については、「味が非常に不鮮明である」場合を1点、「味が非常に鮮明である」場合を7点として7段階で評価した。そして、味の鮮明さの評価については、サンプル1-4(6点)を基準として評価した。なお、味の鮮明さの評価については、点数が高いほど味が鮮明であり好ましいと判断できる。
ここで、「味の鮮明さ」の評価は、レモン様の味がくっきりと明確に感じられる場合、味が鮮明であると判断(点数を高く評価)し、レモン様の味がぼやけてしまっている場合、味が不鮮明であると判断(点数を低く評価)した。
そして、表に示す「Y/X」は、「リモネンの含有量(mg/kg)/シトラールの含有量(mg/kg)」で算出される値であり、「Z/X」は、「ノナナールの含有量(mg/kg)/シトラールの含有量(mg/kg)」で算出される値である。
なお、表6のサンプル6-3のみアルコールを含有しており、その他の各サンプルはアルコールを含有していない。
そして、サンプル1-1~1-4のpHは、pH測定器(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した値である。
表1は、レモン風味飲料のpHを各サンプル間で変化させた場合の結果である。
表1の結果に基づくと、pHが低い場合は、「後味」、「味の鮮明さ」について特に問題とならなかったものの、pHが高くなるにつれ「後味」、「味の鮮明さ」のいずれについても点数が低くなることが確認できた。
そして、サンプル1-1、1-2の場合(特にサンプル1-1の場合)に、課題が明確化することが確認できた。
表2の結果から明らかなように、シトラール、リモネン、ノナナールを其々単独で含有させても、所望の結果は発揮できないことが確認できた。
表3の結果によると、シトラールの含有量に対するリモネンとノナナールの含有量の比率が所定範囲内となっているだけでなく、シトラールの含有量も所定の範囲内となっている場合にのみ、所望の効果が発揮されることが確認できた。
具体的には、サンプル3-2~3-5について、好ましい結果が得られ、その中でも、サンプル3-3、3-4(特に、サンプル3-4)について、非常に好ましい結果が得られた。
表4の結果によると、シトラール存在下において、当該シトラールの含有量に対するノナナールの含有量の比率が所定範囲内となるとともに、さらに、当該シトラールの含有量に対するリモネンの含有量の比率が所定範囲内となって、はじめて所望の効果が発揮されることが確認できた。
具体的には、サンプル4-2~4-5について好ましい結果が得られ、その中でも、サンプル4-3~4-5について非常に好ましい結果が得られた。
表5の結果によると、シトラール存在下において、当該シトラールの含有量に対するリモネンの含有量の比率が所定範囲内となるとともに、さらに、当該シトラールの含有量に対するノナナールの含有量の比率が所定範囲内となって、はじめて所望の効果が発揮されることが確認できた。
具体的には、サンプル5-2~5-5について好ましい結果が得られ、その中でも、サンプル5-3~5-5(特に、サンプル5-3、5-4)について非常に好ましい結果が得られた。
アルコールを含有するサンプル6-3は、シトラールの含有量が所定範囲内であり、当該シトラールの含有量に対するリモネン及びノナナールの含有量の比率がそれぞれ所定範囲内であったことから、サンプル6-1と比較すると、後味及び味の鮮明さとの両者の点数が大きく上昇していた。
また、アルコールを含有するサンプル6-3は、アルコールを含有しないサンプル6-2と比較して、後味は若干点数が低かったものの、味の鮮明さは同じ点数となった。
これらの結果から、本発明は、アルコールの有無に大きく左右されず、所望の効果が発揮されることが確認できた。
Claims (5)
- pHが3.40以上であるレモン風味飲料であって、
シトラールの含有量をXmg/kgとし、リモネンの含有量をYmg/kgとし、ノナナールの含有量をZmg/kgとした場合に、Xが20~120であり、Y/Xが0.03~0.70であり、Z/Xが0.003~0.070であるレモン風味飲料。 - リモネンの含有量が2~35mg/kgである請求項1に記載のレモン風味飲料。
- ノナナールの含有量が0.15~4mg/kgである請求項1又は請求項2に記載のレモン風味飲料。
- アルコール度数が1~12%である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレモン風味飲料。
- pHが3.40以上であるレモン風味飲料の後味をよくするとともに味を鮮明にする風味向上方法であって、
前記レモン風味飲料のシトラールの含有量をXmg/kgとし、リモネンの含有量をYmg/kgとし、ノナナールの含有量をZmg/kgとした場合に、Xを20~120とし、Y/Xを0.03~0.70とし、Z/Xを0.003~0.070とする風味向上方法。
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