JP7124649B2

JP7124649B2 - 車両の下部車体構造

Info

Publication number: JP7124649B2
Application number: JP2018210339A
Authority: JP
Inventors: 義仁富澤
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 2018-11-08
Filing date: 2018-11-08
Publication date: 2022-08-24
Anticipated expiration: 2038-11-08
Also published as: JP2020075625A; US20200148266A1; CN111152850A; DE102019128889A1; US11325647B2; DE102019128889B4

Description

本発明は車両の下部車体構造に関し、特にフロアに設けられ、互いに交差する骨格部材の結合に関する。

車両の下部車体構造において、乗員室の床部分を形成するフロア上には、骨格部材が設けられている。骨格部材は、例えばフロアの中央部を車両前後方向に延びるフロアセンタメンバと、車両左右方向に延びフロアセンタメンバに交差するフロアクロスメンバが挙げられる。

下記特許文献１には、車両の下部車体構造の骨格部材として、フロアパネル（３）の中央部を車両前後方向に延びるフロアセンタメンバ（センタトンネル９）と、フロアセンタメンバ（９）を貫通して車両左右方向に延びる第１クロスメンバ（１９）と、第１クロスメンバ（１９）の後方に位置し、車両左右方向に延びる第２クロスメンバ（３１）とが示されている。なお、上記の（）内の部材名および符号は、下記特許文献１で用いられている符号であり、本願の実施形態の説明で用いられる部材名および符号とは関連しない。

特開２０１８－３０５１３号公報

フロアクロスメンバがフロアセンタメンバを貫通する構造において、フロアセンタメンバは、前面衝突による衝突荷重に対してフロアクロスメンバに支持される部分と、支持されない部分を有する。衝突荷重を受けたとき、これら２つの部分の変形に大きな差があると、衝突荷重を十分に吸収できず、フロアが大きく変形する場合がある。

本発明は、車両の下部車体構造の骨格部材同士が交差する部分の変形を抑制するのに有利である。

本発明に係る車両の下部車体構造は、車両のフロアに設けられ、フロアの中央部を車両前後方向に延びるフロアセンタメンバと、車両のフロアに設けられ、フロアセンタメンバの側面に形成された側面開口を通ってフロアセンタメンバを貫通して車両左右方向に延びる第１フロアクロスメンバと、第１フロアクロスメンバの上方に位置し、車両前後方向に延びる補強メンバと、第１フロアクロスメンバよりも前方に位置するダッシュパネルと、車両のフロアに設けられ、車両左右方向に延び、第１フロアクロスメンバよりも後方に位置する第２フロアクロスメンバとを備える。補強メンバは、フロアセンタメンバの上部の内壁面または外壁面に接合され、補強メンバの前端はダッシュパネルから離れており、補強メンバの後端は第２フロアクロスメンバから離れている。
また、補強メンバは、車両のフロアを平面視したとき、車両前後方向において、補強メンバの大部分が、第１フロアクロスメンバと重なるように配置されてよい。

補強メンバにより、フロアセンタメンバの脆弱な部分を強化することができる。

また、補強メンバは、フロアセンタメンバ上部の車両前後方向に延びる稜線を形成する２つの壁に接合されるものとすることができる。補強メンバにより稜線部分を強化することができる。

また、補強メンバは、稜線を形成する２つの壁と共に閉断面構造を形成するものとすることができる。閉断面構造を形成することにより稜線周囲を強化することができる。

また、フロアセンタメンバの上面には、左右それぞれの辺縁に沿って突条を設けることができ、補強メンバは突条の内部に位置するようにできる。突条を設けることにより、稜線を増やしてフロアセンタメンバの上部の強度を高めることができる。

また、フロアセンタメンバの後端は、第２フロアクロスメンバに結合することができる。前面衝突時の衝突荷重を第２フロアクロスメンバに伝えることができる。

フロアセンタメンバの、第１フロアクロスメンバが貫通することによって脆弱となった部分を補強メンバによって強化することができる。

車両の下部車体構造の概略構成を示す斜視図である。フロアセンタメンバと第１フロアクロスメンバの交差部分の拡大斜視図である。図２に示す交差部分の一部を破断して示す斜視図である。図２に示す交差部分の横断面図である。

以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。以下の説明において、特段の断りがない限り、前後左右上下等の方向および向きを表す語句は、車両に関する方向および向きを表す。各図において、矢印ＦＲの向きが前方、矢印ＵＰの向きが上方、矢印ＬＨの向きが左方である。

図１は、車両の下部車体構造１０の概略構成を示す斜視図である。下部車体構造１０は、車両の乗員室の床を規定するフロア１２を含む。フロア１２は、主に、ブレス成形により形成された複数の板金部材を溶接等の手法により接合して形成されている。フロア１２は、フロア１２の底面を規定するフロアパネル１４と、フロアパネル１４上に配置され、前後または左右に延びるフロア骨格部材を有する。フロア骨格部材は、フロア１２の左右の側縁に沿って前後方向に延びるロッカー１６，１８と、フロア１２の中央部を前後方向に延びるフロアセンタメンバ２０と、ロッカー１６，１８をつなぐように左右方向に延びるフロアクロスメンバ２２，２４を含む。２つのフロアクロスメンバ２２，２４の内、前方に位置するものを第１フロアクロスメンバ２２と記し、後方に位置するものを第２フロアクロスメンバ２４と記す。第１フロアクロスメンバ２２と第２フロアクロスメンバ２４の断面形状は、下方に開いたコの字形であり、フロアパネル１４に接合されることにより、フロアパネル１４と共に四角形、例えば長方形の閉断面形状を形成する。

フロアセンタメンバ２０は、フロアパネル１４から隆起するように設けられ、左右の側壁２０ｂと、これらの側壁２０ｂを上部でつなぐ上壁２０ａを有し、下方に開いたコの字形の断面形状を有する。フロアセンタメンバ２０は、ダッシュパネル２８から後方に向けて第２フロアクロスメンバ２４まで延び、その上面は後方に向けて下るように傾斜している。フロアセンタメンバ２０と第１フロアクロスメンバ２２は交差しており、第１フロアクロスメンバ２２がフロアセンタメンバ２０を貫通している。フロアセンタメンバ２０の下部分は第１フロアクロスメンバ２２で分断されているのに対し、上部分は第１フロアクロスメンバ２２を越えて後方に延びている。

図２はフロアセンタメンバ２０と第１フロアクロスメンバ２２の交差部分およびフロアセンタメンバ２０と第２フロアクロスメンバ２４の結合部分の拡大斜視図である。また、図３は、フロアセンタメンバ２０と第１フロアクロスメンバ２２の交差部分の一部を破断して示す斜視図、図４は同交差部分の横断面図である。

前述のように、第１フロアクロスメンバ２２はフロアセンタメンバ２０を貫通しており、フロアセンタメンバ２０の側面には、第１フロアクロスメンバ２２を通すための側面開口３０が形成されている。側面開口３０は、下方に開いたコの字形状を有している。側面開口３０の周縁には、周縁補強パッチ３２が溶接などの手法により接合され、フロアセンタメンバ２０の一部となっている。フロアセンタメンバ２０の側面開口３０の上辺縁には、第１フロアクロスメンバ２２の上面に対向する結合フランジ３４が周縁補強パッチ３２の一部として設けられている。結合フランジ３４は、溶接等の手法により、第１フロアクロスメンバ２２の上面に接合されている。

第１フロアクロスメンバ２２は、フロアセンタメンバ２０の下部分を貫通している。前面衝突時においてフロアセンタメンバ２０を伝わる衝突荷重は、下部分においては貫通する第１フロアクロスメンバ２２に支持されるが、第１フロアクロスメンバ２２の上方を通って延びる上部分においては、衝突荷重を十分に支持できない。このため、衝突荷重が過大であると、フロアセンタメンバ２０の上部は、第１フロアクロスメンバ２２と交差する部分において屈曲し、例えば側方視でＺ字形に変形する場合がある。このようになると、フロアセンタメンバ２０は、衝突荷重をフロア１２の広い範囲に分散して伝えることができず、フロア１２、特にその前部に大きな変形が生じる。

フロアセンタメンバ２０の上面は、車両左右方向において中央に、前後方向に延びる溝４０が形成され、溝４０の両側が突条４２となっている。溝４０と突条４２は、少なくとも、フロアセンタメンバ２０の前端、つまりダッシュパネル２８との接合部分から、第１フロアクロスメンバ２２を越えて後方に延びている。また、突条４２は、フロアセンタメンバ２０の左右の側縁上に位置している。溝４０と突条４２による凹凸形状により稜線の数が増加し、フロアセンタメンバ２０の強度が向上する。また、上面の凹凸形状により、フロアセンタメンバ２０を高くすることなく、強度を高めることができる。

さらに、この下部車体構造１０においては、フロアセンタメンバ２０の上部を強化するために、フロアセンタメンバ２０の内部、特に突条４２の内部に補強メンバ４４が設けられ、フロアセンタメンバ２０の内壁面に接合されている。補強メンバ４４は、板金製とすることができる。補強メンバ４４は、第１フロアクロスメンバ２２の上方に位置し、前後方向に延びて設けられている。また、補強メンバ４４は、フロアセンタメンバ２０の上部の前後方向に延びる稜線４６に対応して設けられている。特に、補強メンバ４４は、フロアセンタメンバ２０上面の左右の端縁の稜線４６に対応して設けられてよい。補強メンバ４４は、補強メンバ４４が対応する稜線４６を形成する２つの壁（上壁２０ａ、側壁２０ｂ）に接合され、これら２つの壁２０ａ，２０ｂと共に閉断面の断面形状を形成する。補強メンバ４４の形状が図示するように略Ｌ字形であれば、上壁２０ａおよび側壁２０ｂと共に形成する閉断面の形状は四角形である。また、補強メンバ４４の形状が平板状であれば、閉断面の形状は三角形になる。補強メンバ４４の前後方向に延びる端縁には、補強メンバフランジ４８が形成されており、この補強メンバフランジ４８とフロアセンタメンバ２０の壁２０ａ，２０ｂとが溶接等の手法により接合される。また、接合方法は、ボルトとナットによる締結、リベット止めとすることもできる。

フロアセンタメンバ２０は、第２フロアクロスメンバ２４に達し、後端が第２フロアクロスメンバ２４に溶接等の手法により結合されている。前面衝突時の衝突荷重をフロアセンタメンバ２０の上部分を介して第２フロアクロスメンバ２４に伝えることで、フロア１２のより広い範囲で衝突荷重を分担することができる。

フロアセンタメンバの上面は、溝と突条による凹凸形状を形成せずに平坦な形状とすることができる。また、補強メンバは、フロアセンタメンバの外側に配置し、フロアセンタメンバの外壁面に接合するようにすることもできる。また、補強メンバは、板金製に限らず、アルミニウム合金等の鋳物、押出材などとすることもできる。

１０下部車体構造、１２フロア、１４フロアパネル、１６，１８ロッカー、２０フロアセンタメンバ、２２第１フロアクロスメンバ、２４第２フロアクロスメンバ、２８ダッシュパネル、３０側面開口、３２周縁補強パッチ、３４結合フランジ、４０溝、４２突条、４４補強メンバ、４６稜線、４８補強メンバフランジ。

Claims

車両のフロアに設けられ、前記フロアの中央部を車両前後方向に延びるフロアセンタメンバと、
前記車両の前記フロアに設けられ、前記フロアセンタメンバの側面に形成された側面開口を通って前記フロアセンタメンバを貫通して車両左右方向に延びる第１フロアクロスメンバと、
前記第１フロアクロスメンバの上方に位置し、車両前後方向に延びる補強メンバであって、前記フロアセンタメンバの上部の内壁面または外壁面に接合された補強メンバと、
前記第１フロアクロスメンバよりも前方に位置するダッシュパネルと、
前記車両の前記フロアに設けられ、車両左右方向に延び、前記第１フロアクロスメンバよりも後方に位置する第２フロアクロスメンバと、
を備え、
前記補強メンバの前端は前記ダッシュパネルから離れており、前記補強メンバの後端は前記第２フロアクロスメンバから離れている、
車両の下部車体構造。
請求項１に記載の車両の下部車体構造であって、前記車両の前記フロアを平面視したとき、車両前後方向において、前記補強メンバの大部分が、前記第１フロアクロスメンバと重なっている、車両の下部車体構造。
請求項１または２に記載の車両の下部車体構造であって、前記補強メンバは、前記フロアセンタメンバの上部の車両前後方向に延びる稜線を形成する２つの壁面に接合されている、車両の下部車体構造。
請求項３に記載の車両の下部車体構造であって、前記補強メンバは、前記２つの壁面と共に閉断面構造を形成する、車両の下部車体構造。
請求項１から４のいずれか１項に記載の車両の下部車体構造であって、前記フロアセンタメンバの上面には、左右それぞれの辺縁に沿って突条が設けられ、前記補強メンバは前記突条の内部に位置している、車両の下部車体構造。
請求項１から５のいずれか１項に記載の車両の下部車体構造であって、前記フロアセンタメンバの後端は、前記第２フロアクロスメンバに結合されている、車両の下部車体構造。