JP2004314729A - 車両のフロア構造 - Google Patents
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Abstract
【目的】トンネル部とフロアクロスメンバとの交差部における強度及び剛性を向上すると共に、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行なう。
【構成】トンネル部12の上部全域には車体前後方向に沿ってトンネル閉断面14が車体上下方向に対して直線状に連続して延設されており、フロントフロアクロスメンバ40の車幅方向中央部部40Bはトンネル部12におけるトンネル閉断面14の下部に形成された切欠42において、トンネル部12の下部を貫通している。フロントフロアクロスメンバ40のフロアクロス閉断面46は、車幅方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されており、トンネル閉断面14が上に、フロアクロス閉断面46が下になって重合した状態で、互いに上下に立体交差している。
【選択図】 図1
【構成】トンネル部12の上部全域には車体前後方向に沿ってトンネル閉断面14が車体上下方向に対して直線状に連続して延設されており、フロントフロアクロスメンバ40の車幅方向中央部部40Bはトンネル部12におけるトンネル閉断面14の下部に形成された切欠42において、トンネル部12の下部を貫通している。フロントフロアクロスメンバ40のフロアクロス閉断面46は、車幅方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されており、トンネル閉断面14が上に、フロアクロス閉断面46が下になって重合した状態で、互いに上下に立体交差している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両のフロア構造に係り、特に、自動車等の車両のフロア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両のフロア構造においては、フロアの車幅方向中央部に車体前後方向に沿って配設されたトンネル部の上に、左右のロッカを連結し、上部に閉断面部を有するフロアクロスメンバを交差させた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭64−24686号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この構成では、トンネル部の車体上下方向全域が車体下方に開いた開断面形状になっていると共に、トンネル部におけるフロアクロスメンバとの交差部においては、トンネル部の高さが低くなっている。この結果、トンネル部とフロアクロスメンバとの交差部における強度及び剛性が低い。また、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行えない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、トンネル部とフロアクロスメンバとの交差部における強度及び剛性を向上できると共に、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行える車両のフロア構造を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明における車両のフロア構造は、フロアの車幅方向中央部に車体前後方向に沿って配設され、車体前後方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたトンネル閉断面を有するトンネル部と、
フロアの前後中間部に車幅方向に沿って配設され、車幅方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたフロアクロス閉断面を有するフロアクロスメンバと、
を備え、前記トンネル閉断面と前記フロアクロス閉断面とが上下に重合し立体交差していることを特徴とする。
【0007】
従って、車体前後方向に沿って延設されたトンネル閉断面と車幅方向に沿って延設されたフロアクロス閉断面とを、一方を分断することなく上下に重合し立体交差させることができる。また、トンネル閉断面を車体前後方向に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に配設できると共にフロアクロス閉断面を車幅方向に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に配設できる。この結果、トンネル部とフロアクロスメンバとの交差部における強度及び剛性を向上できると共に、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行える。
【0008】
請求項2記載の本発明は請求項1記載の車両のフロア構造において、前記トンネル閉断面が上に、前記フロアクロス閉断面が下になって重合していることを特徴とする。
【0009】
従って、請求項1記載の内容に加えて、トンネル部における上部にトンネル閉断面を形成し、フロアクロス閉断面が交差するトンネル部における下部を下方に開いた開断面とすることができる。この結果、トンネル部における下部内に、排気管やマフラーを配設できる。
【0010】
請求項3記載の本発明は請求項1、2の何れか1項に記載の車両のフロア構造において、前記フロアクロス閉断面は、排気管の大径部とマフラーとの間の排気管の小径部と交差していることを特徴とする。
【0011】
従って、請求項1、2の何れか1項に記載の内容に加えて、フロアクロス閉断面を、排気管の大径部とマフラーとの間の排気管の小径部と交差させるため、フロアクロス閉断面と排気管との干渉を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る車両のフロア構造の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0013】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を示す。
【0014】
図1に示される如く、本実施形態では、自動車車体のフロアを構成するフロアパネル10の車幅方向中央部に車体前後方向に沿ってトンネル部12が形成されている。
【0015】
図3に示される如く、トンネル部12はアルミ等の軽合金の押出材で構成されており、車体前後方向から見た断面形状は、開口部を車体下方へ向けたハット状とされている。また、トンネル部12の上部全域には、車体前後方向に沿って、トンネル閉断面14が車体上下方向に対して直線状に連続して延設されており、トンネル閉断面14は、車体前後方向に沿って延びる3本の分割閉断面としてのトンネル閉断面16、18、20に車幅方向に分割されている。
【0016】
図1に示される如く、フロアパネル10の前部には、フロアの前部を構成するダッシュクロスメンバ22が車幅方向に沿って配設されており、ダッシュクロスメンバ22の車幅方向両端部22Aは、それぞれ左右のフロントサイドメインバ23に連結されている。
【0017】
図2に示される如く、ダッシュクロスメンバ22は、アルミ等の軽合金の押出材で構成されており、ダッシュクロスメンバ22の下部には、車幅方向に沿ってダッシュクロス閉断面24が延在している。また、ダッシュクロス閉断面24は、車幅方向に沿って延びる3本のダッシュクロス閉断面26、27、28に車体上下方向に分割されており、中間部と下部のダッシュクロス閉断面27、28は、トンネル閉断面14と側面視において同じ高さ、即ち、同一平面上に配設されている。
【0018】
図1に示される如く、フロアパネル10の後部には、リヤクロスメンバ30が車幅方向沿って配設されており、リヤクロスメンバ30の両端部30Aは、それぞれ左右のロッカ32に連結されている。
【0019】
図2に示される如く、リヤクロスメンバ30は、アルミ等の軽合金の押出材で構成されており、車幅方向に沿って延びるリヤクロス閉断面33を有している。
【0020】
図1に示される如く、フロアパネル10の前後中間部には、フロントフロアクロスメンバ40が車幅方向沿って配設されており、フロントフロアクロスメンバ40の車幅方向外側端部40Aは、それぞれロッカ32に連結されている。また、フロントフロアクロスメンバ40の車幅方向中央部部40Bは、トンネル部12におけるトンネル閉断面14の下部に形成された切欠42において、トンネル部12の下部を貫通している。なお、切欠42の縁部とフロントフロアクロスメンバ40とは溶着されている。
【0021】
図2に示される如く、フロントフロアクロスメンバ40は、アルミ等の軽合金の押出材で構成されており、車幅方向に沿ってフロアクロス閉断面46が車体上下方向に対して直線状に連続して延設されている。
【0022】
従って、本実施形態では、トンネル閉断面14が上に、フロアクロス閉断面46が下になって重合した状態で、トンネル閉断面14とフロアクロス閉断面46とが互いに立体交差している。
【0023】
また、フロアクロス閉断面46は、排気管50の大径部である触媒配設部50Aとマフラーとしてのサブマフラー52との間の排気管50の小径部50Bと交差しており、サブマフラー52の上部52Aは、トンネル部12の下部内に配設されている。
【0024】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0025】
本実施形態では、車体前後方向に沿って延設されたトンネル閉断面14と車幅方向に沿って延設されたフロアクロス閉断面46とを、一方を分断することなく上下に重合し立体交差させることができる。また、トンネル閉断面14を車体前後方向に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に配設できると共にフロアクロス閉断面46を車幅方向に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に配設できる。
【0026】
この結果、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40との交差部にトンネル閉断面14またはフロアクロス閉断面46の分断部や接合部が無く、これらの閉断面の分断部や接合部を起点とする変形や座屈が発生し難い。このため、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40との交差部における強度を向上できる。
【0027】
また、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40との交差部にトンネル閉断面14またはフロアクロス閉断面46の分断部や接合部が無いため、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40との交差部における結合剛性が向上する。この結果、トンネル部12やフロントフロアクロスメンバ40の単体及び車体全体での曲げ剛性及びねじり剛性を向上できる。
【0028】
また、車両前突時と車両側突時との両方の荷重を車体の前後に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に通ったトンネル閉断面14と、車体の左右に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に通ったフロアクロス閉断面46とで効率良く受け、直接伝達することができる。この結果、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行えるため、車体後方や車体の反衝突側に荷重を効率的に分散できる。
【0029】
また、本実施形態では、トンネル部12における上部にトンネル閉断面14を形成し、トンネル部12の下部にフロアクロス閉断面46を交差させ、トンネル部12の切欠42の縁部とフロントフロアクロスメンバ40とを溶着したため、トンネル部12における下部の開き剛性が向上する。この結果、別物ブラケットやブレースを設定せずにトンネル部12における下部の開きを抑制できる。このため、部品点数を低減できる。
【0030】
また、本実施形態では、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40とをそれぞれアルミ等の軽合金の押出材で構成したため、この点においても、部品点数を低減できる。
【0031】
また、本実施形態では、トンネル部12における上部にトンネル閉断面14を形成し、フロアクロス閉断面46が交差するトンネル部12における下部を下方に開いた開断面としたため、トンネル部12における下部内に、排気管50やサブマフラー52を配設できる。
【0032】
また、本実施形態では、フロアクロス閉断面46が、排気管50の小径部50Bと交差しているため、フロアクロス閉断面46と排気管50との干渉を防止できる。
【0033】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40とをそれぞれアルミ等の軽合金の押出材で構成したが、これに代えて、図4〜図6に示される如く、トンネル部60を断面ハット形状の鋼鈑等のプレス品で構成し、トンネル部60の上部に断面ハット形状の鋼鈑等のプレス品62を溶接し、車体前後方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたトンネル閉断面64を形成すると共に、フロントフロアクロスメンバ66を断面ハット形状の鋼鈑等のプレス品で構成し、フロントフロアクロスメンバ66の下部に鋼鈑68を溶接し、車幅方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたフロアクロス閉断面70を形成した構成としても良い。なお、この場合には、トンネル部60におけるトンネル閉断面64の下部に形成された切欠42の縁部にフランジ60Aを形成し、これらのフランジ60Aをフロントフロアクロスメンバ66の前壁部66Aと後壁部66Bとに溶着する。
【0034】
また、上記実施形態では、トンネル閉断面14を上に、フロアクロス閉断面46を下にして互いに重合させたがこれに代えて、トンネル閉断面14を下に、フロアクロス閉断面46を上にして互いに重合させた構成としても良い。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明における車両のフロア構造は、フロアの車幅方向中央部に車体前後方向に沿って配設され、車体前後方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたトンネル閉断面を有するトンネル部と、フロアの前後中間部に車幅方向に沿って配設され、車幅方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたフロアクロス閉断面を有するフロアクロスメンバと、を備え、トンネル閉断面とフロアクロス閉断面とが上下に重合し立体交差しているため、トンネル部とフロアクロスメンバとの交差部における強度及び剛性を向上できると共に、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行えるという優れた効果を有する。
【0036】
請求項2記載の本発明は請求項1記載の車両のフロア構造において、トンネル閉断面が上に、フロアクロス閉断面が下になって重合しているため、請求項1記載の効果に加えて、トンネル部における下部内に、排気管やマフラーを配設できるという優れた効果を有する。
【0037】
請求項3記載の本発明は請求項1、2の何れか1項に記載の車両のフロア構造において、フロアクロス閉断面は、排気管の大径部とマフラーとの間の排気管の小径部と交差しているため、請求項1、2の何れか1項に記載の効果に加えて、フロアクロス閉断面と排気管との干渉を防止できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両のフロア構造を示す車体斜め前方から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両のフロア構造を示す側断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る車両のフロア構造を示す車体斜め前方から見た斜視図である。
【図5】図4の5−5線に沿った断面図である。
【図6】図5の6−6線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 フロアパネル
12 トンネル部
14 トンネル閉断面
40 フロントフロアクロスメンバ
46 フロアクロス閉断面
50 排気管
50A 触媒配設部(排気管の大径部)
50B 排気管の小径部
52 サブマフラー(マフラー)
60 トンネル部
64 トンネル閉断面
66 フロントフロアクロスメンバ
70 フロアクロス閉断面
【発明の属する技術分野】
本発明は車両のフロア構造に係り、特に、自動車等の車両のフロア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両のフロア構造においては、フロアの車幅方向中央部に車体前後方向に沿って配設されたトンネル部の上に、左右のロッカを連結し、上部に閉断面部を有するフロアクロスメンバを交差させた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭64−24686号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この構成では、トンネル部の車体上下方向全域が車体下方に開いた開断面形状になっていると共に、トンネル部におけるフロアクロスメンバとの交差部においては、トンネル部の高さが低くなっている。この結果、トンネル部とフロアクロスメンバとの交差部における強度及び剛性が低い。また、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行えない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、トンネル部とフロアクロスメンバとの交差部における強度及び剛性を向上できると共に、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行える車両のフロア構造を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明における車両のフロア構造は、フロアの車幅方向中央部に車体前後方向に沿って配設され、車体前後方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたトンネル閉断面を有するトンネル部と、
フロアの前後中間部に車幅方向に沿って配設され、車幅方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたフロアクロス閉断面を有するフロアクロスメンバと、
を備え、前記トンネル閉断面と前記フロアクロス閉断面とが上下に重合し立体交差していることを特徴とする。
【0007】
従って、車体前後方向に沿って延設されたトンネル閉断面と車幅方向に沿って延設されたフロアクロス閉断面とを、一方を分断することなく上下に重合し立体交差させることができる。また、トンネル閉断面を車体前後方向に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に配設できると共にフロアクロス閉断面を車幅方向に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に配設できる。この結果、トンネル部とフロアクロスメンバとの交差部における強度及び剛性を向上できると共に、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行える。
【0008】
請求項2記載の本発明は請求項1記載の車両のフロア構造において、前記トンネル閉断面が上に、前記フロアクロス閉断面が下になって重合していることを特徴とする。
【0009】
従って、請求項1記載の内容に加えて、トンネル部における上部にトンネル閉断面を形成し、フロアクロス閉断面が交差するトンネル部における下部を下方に開いた開断面とすることができる。この結果、トンネル部における下部内に、排気管やマフラーを配設できる。
【0010】
請求項3記載の本発明は請求項1、2の何れか1項に記載の車両のフロア構造において、前記フロアクロス閉断面は、排気管の大径部とマフラーとの間の排気管の小径部と交差していることを特徴とする。
【0011】
従って、請求項1、2の何れか1項に記載の内容に加えて、フロアクロス閉断面を、排気管の大径部とマフラーとの間の排気管の小径部と交差させるため、フロアクロス閉断面と排気管との干渉を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る車両のフロア構造の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0013】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を示す。
【0014】
図1に示される如く、本実施形態では、自動車車体のフロアを構成するフロアパネル10の車幅方向中央部に車体前後方向に沿ってトンネル部12が形成されている。
【0015】
図3に示される如く、トンネル部12はアルミ等の軽合金の押出材で構成されており、車体前後方向から見た断面形状は、開口部を車体下方へ向けたハット状とされている。また、トンネル部12の上部全域には、車体前後方向に沿って、トンネル閉断面14が車体上下方向に対して直線状に連続して延設されており、トンネル閉断面14は、車体前後方向に沿って延びる3本の分割閉断面としてのトンネル閉断面16、18、20に車幅方向に分割されている。
【0016】
図1に示される如く、フロアパネル10の前部には、フロアの前部を構成するダッシュクロスメンバ22が車幅方向に沿って配設されており、ダッシュクロスメンバ22の車幅方向両端部22Aは、それぞれ左右のフロントサイドメインバ23に連結されている。
【0017】
図2に示される如く、ダッシュクロスメンバ22は、アルミ等の軽合金の押出材で構成されており、ダッシュクロスメンバ22の下部には、車幅方向に沿ってダッシュクロス閉断面24が延在している。また、ダッシュクロス閉断面24は、車幅方向に沿って延びる3本のダッシュクロス閉断面26、27、28に車体上下方向に分割されており、中間部と下部のダッシュクロス閉断面27、28は、トンネル閉断面14と側面視において同じ高さ、即ち、同一平面上に配設されている。
【0018】
図1に示される如く、フロアパネル10の後部には、リヤクロスメンバ30が車幅方向沿って配設されており、リヤクロスメンバ30の両端部30Aは、それぞれ左右のロッカ32に連結されている。
【0019】
図2に示される如く、リヤクロスメンバ30は、アルミ等の軽合金の押出材で構成されており、車幅方向に沿って延びるリヤクロス閉断面33を有している。
【0020】
図1に示される如く、フロアパネル10の前後中間部には、フロントフロアクロスメンバ40が車幅方向沿って配設されており、フロントフロアクロスメンバ40の車幅方向外側端部40Aは、それぞれロッカ32に連結されている。また、フロントフロアクロスメンバ40の車幅方向中央部部40Bは、トンネル部12におけるトンネル閉断面14の下部に形成された切欠42において、トンネル部12の下部を貫通している。なお、切欠42の縁部とフロントフロアクロスメンバ40とは溶着されている。
【0021】
図2に示される如く、フロントフロアクロスメンバ40は、アルミ等の軽合金の押出材で構成されており、車幅方向に沿ってフロアクロス閉断面46が車体上下方向に対して直線状に連続して延設されている。
【0022】
従って、本実施形態では、トンネル閉断面14が上に、フロアクロス閉断面46が下になって重合した状態で、トンネル閉断面14とフロアクロス閉断面46とが互いに立体交差している。
【0023】
また、フロアクロス閉断面46は、排気管50の大径部である触媒配設部50Aとマフラーとしてのサブマフラー52との間の排気管50の小径部50Bと交差しており、サブマフラー52の上部52Aは、トンネル部12の下部内に配設されている。
【0024】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0025】
本実施形態では、車体前後方向に沿って延設されたトンネル閉断面14と車幅方向に沿って延設されたフロアクロス閉断面46とを、一方を分断することなく上下に重合し立体交差させることができる。また、トンネル閉断面14を車体前後方向に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に配設できると共にフロアクロス閉断面46を車幅方向に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に配設できる。
【0026】
この結果、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40との交差部にトンネル閉断面14またはフロアクロス閉断面46の分断部や接合部が無く、これらの閉断面の分断部や接合部を起点とする変形や座屈が発生し難い。このため、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40との交差部における強度を向上できる。
【0027】
また、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40との交差部にトンネル閉断面14またはフロアクロス閉断面46の分断部や接合部が無いため、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40との交差部における結合剛性が向上する。この結果、トンネル部12やフロントフロアクロスメンバ40の単体及び車体全体での曲げ剛性及びねじり剛性を向上できる。
【0028】
また、車両前突時と車両側突時との両方の荷重を車体の前後に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に通ったトンネル閉断面14と、車体の左右に沿って連続して車体上下方向に対して直線状に通ったフロアクロス閉断面46とで効率良く受け、直接伝達することができる。この結果、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行えるため、車体後方や車体の反衝突側に荷重を効率的に分散できる。
【0029】
また、本実施形態では、トンネル部12における上部にトンネル閉断面14を形成し、トンネル部12の下部にフロアクロス閉断面46を交差させ、トンネル部12の切欠42の縁部とフロントフロアクロスメンバ40とを溶着したため、トンネル部12における下部の開き剛性が向上する。この結果、別物ブラケットやブレースを設定せずにトンネル部12における下部の開きを抑制できる。このため、部品点数を低減できる。
【0030】
また、本実施形態では、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40とをそれぞれアルミ等の軽合金の押出材で構成したため、この点においても、部品点数を低減できる。
【0031】
また、本実施形態では、トンネル部12における上部にトンネル閉断面14を形成し、フロアクロス閉断面46が交差するトンネル部12における下部を下方に開いた開断面としたため、トンネル部12における下部内に、排気管50やサブマフラー52を配設できる。
【0032】
また、本実施形態では、フロアクロス閉断面46が、排気管50の小径部50Bと交差しているため、フロアクロス閉断面46と排気管50との干渉を防止できる。
【0033】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、トンネル部12とフロントフロアクロスメンバ40とをそれぞれアルミ等の軽合金の押出材で構成したが、これに代えて、図4〜図6に示される如く、トンネル部60を断面ハット形状の鋼鈑等のプレス品で構成し、トンネル部60の上部に断面ハット形状の鋼鈑等のプレス品62を溶接し、車体前後方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたトンネル閉断面64を形成すると共に、フロントフロアクロスメンバ66を断面ハット形状の鋼鈑等のプレス品で構成し、フロントフロアクロスメンバ66の下部に鋼鈑68を溶接し、車幅方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたフロアクロス閉断面70を形成した構成としても良い。なお、この場合には、トンネル部60におけるトンネル閉断面64の下部に形成された切欠42の縁部にフランジ60Aを形成し、これらのフランジ60Aをフロントフロアクロスメンバ66の前壁部66Aと後壁部66Bとに溶着する。
【0034】
また、上記実施形態では、トンネル閉断面14を上に、フロアクロス閉断面46を下にして互いに重合させたがこれに代えて、トンネル閉断面14を下に、フロアクロス閉断面46を上にして互いに重合させた構成としても良い。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明における車両のフロア構造は、フロアの車幅方向中央部に車体前後方向に沿って配設され、車体前後方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたトンネル閉断面を有するトンネル部と、フロアの前後中間部に車幅方向に沿って配設され、車幅方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたフロアクロス閉断面を有するフロアクロスメンバと、を備え、トンネル閉断面とフロアクロス閉断面とが上下に重合し立体交差しているため、トンネル部とフロアクロスメンバとの交差部における強度及び剛性を向上できると共に、車両前突時及び車両側突時の荷重伝達を効率良く行えるという優れた効果を有する。
【0036】
請求項2記載の本発明は請求項1記載の車両のフロア構造において、トンネル閉断面が上に、フロアクロス閉断面が下になって重合しているため、請求項1記載の効果に加えて、トンネル部における下部内に、排気管やマフラーを配設できるという優れた効果を有する。
【0037】
請求項3記載の本発明は請求項1、2の何れか1項に記載の車両のフロア構造において、フロアクロス閉断面は、排気管の大径部とマフラーとの間の排気管の小径部と交差しているため、請求項1、2の何れか1項に記載の効果に加えて、フロアクロス閉断面と排気管との干渉を防止できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両のフロア構造を示す車体斜め前方から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両のフロア構造を示す側断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る車両のフロア構造を示す車体斜め前方から見た斜視図である。
【図5】図4の5−5線に沿った断面図である。
【図6】図5の6−6線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 フロアパネル
12 トンネル部
14 トンネル閉断面
40 フロントフロアクロスメンバ
46 フロアクロス閉断面
50 排気管
50A 触媒配設部(排気管の大径部)
50B 排気管の小径部
52 サブマフラー(マフラー)
60 トンネル部
64 トンネル閉断面
66 フロントフロアクロスメンバ
70 フロアクロス閉断面
Claims (3)
- フロアの車幅方向中央部に車体前後方向に沿って配設され、車体前後方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたトンネル閉断面を有するトンネル部と、
フロアの前後中間部に車幅方向に沿って配設され、車幅方向に沿って車体上下方向に対して直線状に連続して延設されたフロアクロス閉断面を有するフロアクロスメンバと、
を備え、前記トンネル閉断面と前記フロアクロス閉断面とが上下に重合し立体交差していることを特徴とする車両のフロア構造。 - 前記トンネル閉断面が上に、前記フロアクロス閉断面が下になって重合していることを特徴とする請求項1記載の車両のフロア構造。
- 前記フロアクロス閉断面は、排気管の大径部とマフラーとの間の排気管の小径部と交差していることを特徴とする請求項1、2の何れか1項に記載の車両のフロア構造。
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