JP6256518B2 - 車両の側部車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両におけるヒンジピラーとサイドシルとの接続部及びその周辺部の側部車体構造に関し、車両の車体構造の技術分野に属する。
一般に、車両の前方衝突時には、車両の車体前部において車体前後方向に延びるように設けられた左右一対のフロントサイドフレームが潰れることで衝撃荷重が吸収されると共に、該フロントサイドフレームを経由して車体各部へ衝撃荷重が分散されることで、車室の変形が抑制される。
一方、車体幅方向において、車両におけるフロントサイドフレームよりも外側の領域と衝突物がオーバラップする所謂スモールオーバラップ衝突が起こった場合、当該オーバラップ領域に配置された前輪が車体に対して相対的に後退して、該前輪からヒンジピラーに衝撃荷重が入力されることがある。
このようにしてヒンジピラーに入力された衝撃荷重は、ヒンジピラーの下端部から車体後方側へ延びるサイドシル、ヒンジピラーの上端部から後上方に延びるフロントピラー、及び、フロントドアのインパクトバー等を経由して、車体後方側へ分散される。このようにしてヒンジピラーから車体後方側の各部へ荷重分散されることにより、ヒンジピラー及びダッシュパネルを後退させるような車室の変形が抑制される。
一般に、ヒンジピラーは、例えば前後一対のフランジ同士の溶接によって相互に接合された内外一対のヒンジピラー部材を備えている。内外のヒンジピラー部材間には、車体上下方向に連続する閉断面が形成されており、これにより、ヒンジピラーの下端側から上端側に向かう荷重伝達又は上端側から下端側に向かう荷重伝達が良好に果たされる。
また、サイドシルは、例えば上下一対のフランジ同士の溶接によって相互に接合された内外一対のサイドシル部材を備えている。内外のサイドシル部材間には、車体前後方向に連続する閉断面が形成されており、これにより、上記のようなサイドシルによる車体後方側への荷重伝達が良好に果たされる。
外側サイドシル部材の前端部は、ヒンジピラーの後縁よりも車体前方側に突出して、ヒンジピラーとサイドシルとの接続部の内部に配設されることがある。この場合、外側サイドシル部材におけるヒンジピラーの後縁よりも車体前方側への突出部分は、該外側サイドシル部材の上側フランジへの溶接作業が困難になるという事情などからサイドシルの閉断面を形成することができず、ヒンジピラーよりも車体後方側でのみサイドシルの閉断面が形成されることがある。
この種の側部車体構造を有する車両において、上記のようなスモールオーバラップ衝突が生じた場合、車体前方側から衝撃荷重が入力された外側サイドシル部材は、閉断面を形成していない前端部において座屈しやすく、これにより、サイドシルを経由した車体後方側への荷重分散を効果的に果たせない問題がある。
この問題に対しては、特許文献1に開示されているように、ヒンジピラーの下端部とサイドシルの前端部との接続部の内部に、車体前後方向に延びる内側補強部材を配設して、該内側補強部材と前記接続部の内壁部との間に、サイドシル自体の閉断面よりも小さな第2の閉断面を車体前後方向に連続させるように形成することが考えられる。
このようにヒンジピラーの後縁よりも車体前方側において第2の閉断面が形成されることにより、車体前方側からヒンジピラーに入力された衝撃荷重を、第2の閉断面を経由させて、ヒンジピラーよりも車体後方側に形成されたサイドシルの閉断面に伝達させることが可能になる。
特開2013−159290号公報
しかしながら、サイドシルの閉断面がヒンジピラーよりも車体後方側に形成された車体構造においては、より安定的な車体後方側への荷重分散を図る上で更なる改善の余地がある。
そこで、本発明は、車体前方側からヒンジピラーに入力された衝撃荷重を車体後方側へより安定的に分散させることで、ヒンジピラー及びダッシュパネルの後退、ひいては車室の変形を効果的に抑制することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両の側部車体構造は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
車体の側部で車体上下方向に連続する閉断面を形成するヒンジピラー部材を有するヒンジピラーと、
車体の側部において前記ヒンジピラーよりも車体後方側で車体前後方向に連続する閉断面を形成するサイドシル部材を有するサイドシルと、
前記ヒンジピラーの下端部と前記サイドシルの前端部との接続部において、車体前後方向に連続すると共に後端側において前記サイドシルの前記閉断面に繋がる閉断面を形成する閉断面構成部と、を備えている車両の側部車体構造であって、
前記閉断面構成部の前端部は、車体前方側に開口しており、
前記閉断面構成部の閉断面の車体上下方向寸法は、車体前方側に向かうに従って大きくなっていることを特徴とする。

本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記閉断面構成部の前端部の少なくとも上端は、車体上下方向において前記サイドシル部材の上面部よりも上側に位置していることを特徴とする。
本願の請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記ヒンジピラーの閉断面は、前記閉断面構成部の一部を構成する内側ヒンジピラー部材と、該内側ヒンジピラー部材に接合された外側ヒンジピラー部材との間に形成されており、
前記内側ヒンジピラー部材には、車体前方側から前記ヒンジピラーに入力された衝撃荷重に対する応力の集中によって車体幅方向外側に突出するような屈曲変形が促進される屈曲促進部が、車体上下方向に連続的又は断続的に延びるように設けられており、
前記屈曲促進部は、前記閉断面構成部の前端部の車体前方側に隣接して配置されていることを特徴とする。
本願の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記屈曲促進部は、車体上下方向に延びるように前記内側ヒンジピラー部材に形成された縦ビード部を含むことを特徴とする。
本願の請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の発明において、
前記屈曲促進部は、車体前後方向に延びるように前記内側ヒンジピラー部材に形成された横ビード部の一端部を含むことを特徴とする。
本願の請求項6に記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の発明において、
前記屈曲促進部は、前記内側ヒンジピラー部材の凹部又は凸部の周縁において車体上下方向に延びる稜線を形成するコーナ部を含むことを特徴とする。
本願の請求項7に記載の発明は、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の発明において、
前記屈曲促進部は、前記内側ヒンジピラー部材に設けられた所定の高剛性部と、前記内側ヒンジピラー部材における前記高剛性部よりも剛性が低い部分からなる低剛性部との境界部を含むことを特徴とする。
本願の請求項8に記載の発明は、請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の発明において、
前記屈曲促進部は、車体側面視において前記閉断面構成部の前端部に沿って配置されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ヒンジピラーとサイドシルとの接続部における閉断面構成部によって形成された閉断面の前端部において、車体前方側からの衝撃荷重を車体上下方向に広い範囲で受けることができる。そのため、車体前方側からの衝撃荷重に対して、閉断面構成部の前端部にかかる応力が分散されることで、閉断面の形状を良好に維持することができ、これにより、該閉断面を経由してサイドシルの閉断面へ効果的に衝撃荷重を伝達できる。したがって、サイドシルを経由した車体後方側への荷重分散を効果的に行うことができ、これにより、ヒンジピラー及びダッシュパネルの後退が抑制されることで、車室の変形を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、サイドシル部材の上面部よりも車体上方側に入力された車体前方側からの衝撃荷重を閉断面構成部で受けて、該閉断面構成部を経由してサイドシルへ伝達することができる。そのため、サイドシル部材の上面部よりも車体上方側の高さ位置においてヒンジピラーに衝撃荷重が入力されたときに、ヒンジピラーを車体後方側へ倒す方向に作用するモーメントの発生を抑制することができ、これにより、車室の変形を効果的に抑制できる。
請求項3に記載の発明によれば、車体前方側からヒンジピラーに衝撃荷重が入力されたときに、内側ヒンジピラー部材に設けられた屈曲促進部が車体幅方向外側に突出するように屈曲変形することで、該屈曲促進部の車体後方側に隣接して配置された閉断面構成部の前端側が車体幅方向外側に変位する。そのため、車体幅方向外側の斜め車体前方側からヒンジピラーに衝撃荷重が入力された場合に、該衝撃荷重を閉断面構成部に入力させやすくすることができ、これにより、閉断面構成部を経由したサイドシルへの荷重伝達を効果的に行うことができる。
請求項4に記載の発明を請求項3に記載の発明に適用すれば、車体前方側からヒンジピラーに衝撃荷重が入力されたときに、内側ヒンジピラー部材に形成された縦ビード部に応力が集中することで、該縦ビード部を含む屈曲促進部における上述の屈曲変形を効果的に促進させることができる。
請求項5に記載の発明を請求項3又は請求項4に記載の発明に適用すれば、車体前方側からヒンジピラーに衝撃荷重が入力されたときに、内側ヒンジピラー部材に形成された横ビード部の一端部に応力が集中することで、該部分を含む屈曲促進部における上述の屈曲変形を効果的に促進させることができる。
請求項6に記載の発明を請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の発明に適用すれば、車体前方側からヒンジピラーに衝撃荷重が入力されたときに、内側ヒンジピラー部材の凹部又は凸部の周縁において車体上下方向に延びる稜線を形成するコーナ部に応力が集中することで、該コーナ部を含む屈曲促進部における上述の屈曲変形を効果的に促進させることができる。
請求項7に記載の発明を請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の発明に適用すれば、車体前方側からヒンジピラーに衝撃荷重が入力されたときに、内側ヒンジピラー部材の高剛性部と低剛性部との境界部に応力が集中することで、該境界部を含む屈曲促進部における上述の屈曲変形を効果的に促進させることができる。
請求項8に記載の発明を請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の発明に適用すれば、車体側面視において閉断面構成部の前端部に沿って屈曲促進部が配置されているため、屈曲促進部が車体幅方向外側に突出するように屈曲変形したときに、閉断面構成部の前端部全体を車体幅方向外側へ均一に変位させることができる。そのため、車体幅方向外側の斜め車体前方側からの衝撃荷重を、閉断面構成部の前端部全体に均一に入力させることができ、これにより、閉断面構成部の閉断面の形状を良好に維持して、閉断面構成部を経由したサイドシルへの荷重伝達を効果的に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る車両の側部車体構造を示す斜視図である。 ヒンジピラー及びサイドシルのインナ側の内部構造を示す斜視図である。 ヒンジピラー及びサイドシルのアウタ側の内部構造を示す斜視図である。 ヒンジピラー及びその内部を車体幅方向内側の斜め前方側から見た一部破断斜視図である。 ヒンジピラーの内部を車体前方側から見た断面図である。 ヒンジピラー及びサイドシルのインナ側の内部構造を示す側面図である。 第1インナレインフォースメントを示す斜視図である。 第2インナレインフォースメントを示す斜視図である。 第3インナレインフォースメントを示す斜視図である。 第1〜第3インナレインフォースメント及びその周辺部を車体前方側から見た図9のA−A線、B−B線、C−C線断面図である。 第1〜第3インナレインフォースメント及びその周辺部を車体前方側から見た図9のD−D線、E−E線、F−F線断面図である。 車体左側のヒンジピラー及びその周辺部を車室内側から見た斜視図である。 図12に示すガセット及びその周辺部を車体上方側から見た断面図である。 車体右側のヒンジピラー及びその周辺部を車室内側から見た斜視図である。 ヒンジピラーの下端部とサイドシルの前端部との接続部分を車体上方側から見た図1のG−G線断面図である。 車体前方側からの衝撃荷重の入力によって変形した状態における車体左側のヒンジピラー及びその周辺部を車室内側から見た斜視図である。 車体前方側からヒンジピラーに衝撃荷重が入力されたときにおけるヒンジピラーの下端部とサイドシルの前端部との接続部の状態の一例を車体上方側から見た断面図である。 同状態の接続部を車体前方側から見た図17のH−H線断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る車両の側部車体構造の詳細を実施形態毎に説明する。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」等の方向を示す用語は、特段の説明がある場合を除いて、車両の前進走行時の進行方向を「前」とした場合における車体の各方向を指すものとする。また、添付図面では、車体幅方向に符号「X」、車体前後方向に符号「Y」、車体上下方向に符号「Z」を付している。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る側部車体構造を有する自動車1の車体左側の側部を示す斜視図である。なお、図1では、車体側部の表面を構成するキャブサイドアウタ48(図4等参照)の図示が省略されている。
図1に示すように、自動車1は、車体前後方向Yに延びるサイドシル4、及び、車体上下方向Zに延びるヒンジピラー20を備えている。ヒンジピラー20は、その下端部においてサイドシル4の前端部に接続されている。
サイドシル4は、車体の左右両側の側部にそれぞれ設けられており、左右のサイドシル4間にフロアパネル2(図13参照)が架設されている。ヒンジピラー20も、車体の左右両側の側部にそれぞれ設けられており、左右のヒンジピラー20間に亘って、車体幅方向Xに延びるダッシュパネル10(図12〜図14参照)が架設されている。なお、左右のヒンジピラー20の下端部間には、フロアパネル2の上面とダッシュパネル10の後面とに跨がるトーボード3(図13及び図16参照)が配設されている。
また、図1に示すように、自動車1は、ヒンジピラー20の上端部から斜め後上方に延びるフロントピラー30、該フロントピラー30の上端部から車体後方側に延びるルーフレール36、及び、サイドシル4とルーフレール36とに跨がって車体上下方向に延びるセンタピラー38を備えている。
自動車1の車体側部には、サイドシル4の上縁部、ヒンジピラー20の後縁部、フロントピラー30の後縁部、ルーフレール36の下縁部及びセンタピラー38の前縁部で囲まれたドア開口40が形成されている。ドア開口40の周縁において、ヒンジピラー20の後縁部の下端部とサイドシル4の上縁部の前端部との間には、湾曲コーナ部42が形成されている。
[ヒンジピラー]
ヒンジピラー20は、図3に示すように車体幅方向X内側に開放した断面ハット状のヒンジピラーアウタ21と、図2に示すように車体幅方向X外側に開放した断面ハット状のヒンジピラーインナロア22及びヒンジピラーインナアッパ23とを備えている。
図2に示すように、ヒンジピラーインナロア22とヒンジピラーインナアッパ23は、車体上下方向に連なるように配設されており、ヒンジピラーインナロア22の上端部とヒンジピラーインナアッパ23の下端部は相互に接合されている。
ヒンジピラーインナロア22及びヒンジピラーインナアッパ23は、それぞれ、ヒンジピラー20の車体幅方向X内側の面を構成する側面部22a,23a、ヒンジピラー20の車体前方側の面を構成する前面部22b,23b、ヒンジピラー20の車体後方側の面を構成する後面部22c,23c、前面部22b,23bの車体幅方向X外側の縁部に設けられた第1フランジ部22d,23d、及び、後面部22c,23cの車体幅方向X外側の縁部に設けられた第2フランジ部22e,23eを備えている。
ヒンジピラーインナロア22は、車体上下方向Zに延設されてヒンジピラー20の下端側部分を構成するピラー部22Aに加えて、該ピラー部22Aの下端部から湾曲しながら後下方へ延びる湾曲部22Bと、該湾曲部22Bの後端部から車体後方側へ延びる後方延長部22Cとを備えている。湾曲部22Bは、ヒンジピラー20の下端部とサイドシル4の前端部との接続部を構成しており、後方延長部22Cは、サイドシル4の一部を構成している。後方延長部22Cの後端部は、後述のサイドシルインナ6の前端部に接合されている。
ヒンジピラーインナロア22のピラー部22A、湾曲部22B及び後方延長部22Cは一体に連なっている。ヒンジピラーインナロア22を構成する側面部22a、前面部22b、後面部22c、第1フランジ部22d及び第2フランジ部22eは、ピラー部22Aだけでなく、湾曲部22B及び後方延長部22Cにおいてもそれぞれ連続して形成されている。湾曲部22B及び後方延長部22Cにおいて、前面部22bは下面部を構成し、後面部22cは上面部を構成している。
図3に示すように、ヒンジピラーアウタ21は、ヒンジピラー20の車体幅方向X外側の面を構成する側面部21a、ヒンジピラー20の車体前方側の面を構成する前面部21b、ヒンジピラー20の車体後方側の面を構成する後面部21c、前面部21bの車体幅方向X内側の縁部に設けられた第1フランジ部21d、及び、後面部21cの車体幅方向X内側の縁部に設けられた第2フランジ部21eを備えている。
図4に示すように、ヒンジピラーアウタ21は、ヒンジピラーインナロア22及びヒンジピラーインナアッパ23の車体幅方向X外側に対向配置されており、ヒンジピラーアウタ21と、ヒンジピラーインナロア22及びヒンジピラーインナアッパ23とは、第1フランジ部21d,22d,23d同士の接合及び第2フランジ部21e,22e,23e同士の接合(図15参照)によって、相互に接合されている。
なお、第1フランジ部21d,22d,23d及び第2フランジ部21e,22e,23eの車体幅方向X外側には、キャブサイドアウタ48のフランジ部48d,48eが更に接合されている(図15参照)。
これにより、ヒンジピラーアウタ21とヒンジピラーインナロア22及びヒンジピラーインナアッパ23との間には、車体上下方向Zに連続する閉断面S1(図15参照)が形成されている。以下、当該閉断面を「ヒンジピラー20の閉断面S1」という。
図3〜図5に示すように、ヒンジピラーアウタ21とヒンジピラーインナロア22及びヒンジピラーインナアッパ23とで囲まれてなるヒンジピラー20の内部空間には、ヒンジレインフォースメント(以下、「ヒンジレイン」という)50が配設されている。ヒンジレイン50は、ヒンジピラー20の高さ方向中央よりも上側に配置されている。
ヒンジレイン50は、ヒンジピラーアウタ21の側面部21aに沿って配置される側面部51と、該側面部51の上縁から車体幅方向X内側に延びる上面部52と、側面部51の下縁から車体幅方向X内側に延びる下面部53とを備えており、全体として車体前後方向Yから見てコ字状に形成されている。
ヒンジレイン50の側面部51は、キャブサイドアウタ48及びフロントドア用のヒンジ部材120(図5参照)と共に、例えばボルトによってヒンジピラーアウタ21の側面部21aに接合されている。ヒンジレイン50の上面部52及び下面部53は、それぞれの車体幅方向X内側の縁部において、例えばボルトによってヒンジピラーインナアッパ23に接合されている。ヒンジレイン50は、ヒンジピラーアウタ21及びヒンジピラーインナアッパ23よりも高い剛性を有する。
図3及び図4に示すように、ヒンジピラー20の内部空間において、ヒンジレイン50よりも車体下方側には、ヒンジピラー20の長さ方向に延びる第1外側補強パネル26及び第2外側補強パネル28が配設されている。第1及び第2外側補強パネル26,28は、ヒンジピラーアウタ21に接合されている。第1及び第2外側補強パネル26,28は、ヒンジピラーアウタ21よりも高い剛性を有する。
第1外側補強パネル26は、ヒンジピラーアウタ21の側面部21aの内側の面に沿って配設された側面補強部26aと、ヒンジピラーアウタ21の前面部21bの内側の面(後面)に沿って配設された前面補強部26bとを備えている。前面補強部26bは、側面補強部26aの前縁から車体幅方向X内側に延設されている。これにより、第1外側補強パネル26は、その長さ方向から見て断面L字状に形成されている。
第1外側補強パネル26の側面補強部26aは、ヒンジピラーアウタ21の側面部21aに例えばスポット溶接によって接合されている。側面補強部26aの下端部は、後述するサイドシルアウタ5に接合され、側面補強部26aの上端部には、ヒンジレイン50の側面部51に車体前方側から係合される係合部(図示せず)が設けられている。第1外側補強パネル26の前面補強部26bは、ヒンジピラーアウタ21の前面部21bに例えばスポット溶接によって接合されている。
第2外側補強パネル28は、全体的に第1外側補強パネル26よりも車体後方側に配置されている。第2外側補強パネル28は、断面L字状とされており、ヒンジピラーアウタ21の側面部21aと後面部21cに接合されている。第2外側補強パネル28は、第1外側補強パネル26よりも短尺とされており、第2外側補強パネル28の上端は、ヒンジピラーインナロア22の上端と同程度の高さ位置に配置されている。
図1に示すように、第2外側補強パネル28の下端部は、ヒンジピラーアウタ21の下端よりも車体下方側に突出して設けられており、後述のサイドシルアウタ5に接合されている。
図4に示すように、ヒンジピラー20の内部空間には、ヒンジピラーインナロア22及びヒンジピラーインナアッパ23とヒンジピラーアウタ21とに跨がる補強部材29が配設されている。該補強部材29は、車体前後方向Yから見てクランク状に形成されており、その車体幅方向X内側の縁部においてヒンジピラーインナアッパ23の下端部に接合され、車体幅方向X外側の縁部において第1及び第2外側補強パネル26,28を介してヒンジピラーアウタ21に接合されている。なお、図3においては、補強部材29の図示が省略されている。
[サイドシル]
サイドシル4は、図3に示すように車体幅方向X内側に開放した断面ハット状のサイドシルアウタ5と、図2に示すように車体幅方向X外側に開放した断面ハット状のサイドシルインナ6を備えている。
図2及び図4に示すように、サイドシルインナ6は、サイドシル4の車体幅方向X内側の面を構成する側面部6a、該側面部6aの上縁から車体幅方向X外側に延びてサイドシル4の上面を構成する上面部6b、側面部6aの下縁から車体幅方向X外側に延びてサイドシル4の下面を構成する下面部6c、上面部6bの車体幅方向X外側の縁部から車体上方側に延びる上側フランジ部6d、及び、下面部6cの車体幅方向X外側の縁部から車体下方側に延びる下側フランジ部6eを備えている。
図3に示すように、サイドシルアウタ5は、サイドシル4の車体幅方向X外側の面を構成する側面部5a、該側面部5aの上縁から車体幅方向X内側に延びてサイドシル4の上面を構成する上面部5b、側面部5aの下縁から車体幅方向X内側に延びてサイドシル4の下面を構成する下面部5c、上面部5bの車体幅方向X内側の縁部から車体上方側に延びる上側フランジ部5d、及び下面部5cの車体幅方向X内側の縁部から車体下方側に延びる下側フランジ部5eを備えている。
サイドシルアウタ5は、サイドシルインナ6の車体幅方向X外側に対向配置されており、サイドシルアウタ5とサイドシルインナ6とは、例えばスポット溶接による上側フランジ部5d,6d同士の接合及び下側フランジ部5e,6e同士の接合によって、相互に接合されている。
これにより、サイドシルアウタ5とサイドシルインナ6との間には、車体前後方向Yに連続する閉断面S2(図11(a)参照)が形成されている。以下、当該閉断面を「サイドシル4の閉断面S2」という。
なお、図示は省略するが、サイドシルアウタ5とサイドシルインナ6とで囲まれてなるサイドシル4の内部空間には、サイドシルアウタ5とサイドシルインナ6とに跨がる複数の補強部材が車体前後方向Yに間隔を空けて配設されている。
サイドシルアウタ5は、サイドシルインナ6よりも車体前方側に突出して配置されている。サイドシルアウタ5の前端部は、ヒンジピラー20の後縁部よりも車体前方側、より具体的には、車体前後方向Yにおいてヒンジピラーアウタ21の前面部21bと後面部21cとの間に位置している。すなわち、サイドシルアウタ5の前端部は、ヒンジピラー20とサイドシル4との接続部に配置されている。
サイドシルアウタ5の前端部では、上面部5b及び上側フランジ部5dの前端が、下面部5c及び下側フランジ部5eの前端よりも車体前方側に配置されている。サイドシルアウタ5の上面部5bの前端部と、下面部5cの前端部とは、車体上下方向に延びる補強部材9を介して相互に連結されている。
図4に示すように、サイドシルアウタ5の前端部は、車体幅方向Xにおいてヒンジピラーアウタ21の側面部21aよりも内側且つヒンジピラーインナロア22の側面部22aよりも外側に位置している。すなわち、サイドシルアウタ5の前端部は、ヒンジピラー20の内部空間の下方に配置されている。サイドシルアウタ5の側面部5aの前端部の外側には、ヒンジピラーアウタ21の側面部21aが接合されている。
図4及び図10(c)に示すように、ヒンジピラー20の後縁部よりも車体前方側において、サイドシルアウタ5の下側フランジ部5eは、ヒンジピラーインナロア22の第1フランジ部22dに例えばスポット溶接によって接合されているが、サイドシルアウタ5の上側フランジ部5dは、いずれの部材にも接合されていない。すなわち、サイドシルアウタ5は、ヒンジピラー20の後縁部よりも車体前方側においては閉断面を形成しておらず、サイドシル4の閉断面S2は、ヒンジピラー20よりも車体後方側でのみ形成されている。
図3に示すように、サイドシルアウタ5の内面には、車体前後方向Yに延びるサイドシルアウタ補強部材8が接合されている。サイドシルアウタ補強部材8は、サイドシルアウタ5の側面部5aに接合される側面補強部8aと、サイドシルアウタ5の上面部5bに接合される上面補強部8bと、サイドシルアウタ5の下面部5cに接合される下面補強部8cとを備えており、全体として車体前後方向Yから見て断面コ字状に形成されている。
サイドシルアウタ補強部材8の側面補強部8a及び下面補強部8cの前端は、車体前後方向Yにおいて、サイドシルアウタ5の前端よりも後方側で且つヒンジピラーアウタ21の後面部21cと略同じ位置に配置されている。
サイドシルアウタ補強部材8の上面補強部8bの前端は、車体前後方向Yにおいて、側面補強部8a及び下面補強部8cの前端よりも前方側で且つサイドシルアウタ5の前端よりも後方側に配置されている。
サイドシルアウタ補強部材8の上面補強部8bの前端側部分には、その車体幅方向X内側の縁部から上方に延びるフランジ部8dが設けられている。該フランジ部8dは、サイドシルアウタ5の上側フランジ部5dに接合されている。
サイドシルアウタ補強部材8のフランジ部8dは、車体前後方向Yに延びるように設けられている。フランジ部8dの前端は、車体前後方向Yにおいてサイドシルアウタ5の上側フランジ部5dの前端よりも後方側で且つヒンジピラーアウタ21の後面部21cよりも前方側に配置されている。フランジ部8dの後端は、車体前後方向Yにおいて、ヒンジピラーアウタ21の第2フランジ部21eの前端よりも後方側で且つ該第2フランジ部21eの後端よりも前方側に配置されている。
図4に示すように、サイドシルアウタ5の側面部5aの外側の面には、ヒンジピラーアウタ21の側面部21aの下端部が接合されている。また、サイドシルアウタ5の側面部5aとヒンジピラーアウタ21の側面部21aとの間には、第1外側補強パネル26及び第2外側補強パネル28の下端部が介在している。
図1に示すように、車体側部の外側には、車体前後方向Yに延びる補強部材7がドア開口40の湾曲コーナ部42の近傍に配設されている。補強部材7の前端側部分は、湾曲コーナ部42に沿って前上方に延びるように湾曲している。補強部材7は、ヒンジピラーアウタ21とサイドシルアウタ5とに跨がって接合されている。
[ヒンジピラーとサイドシルとの接続部]
図6の側面図に示されるように、ヒンジピラー20の下端部とサイドシル4の前端部との接続部には、車体前後方向Yに延びる第1インナレインフォースメント(以下、「第1インナレイン」という)60、第2インナレインフォースメント(以下、「第2インナレイン」という)70及び第3インナレインフォースメント(以下、「第3インナレイン」という)80が配設されている。
第1、第2、第3インナレイン60,70,80は、ヒンジピラーインナロア22及びサイドシルインナ6に接合されており、これらの部材6,22,60,70,80によって構成される閉断面構成部において、後述する閉断面S3,S4,S5(図10及び図11参照)が形成されている。
第1、第2、第3インナレイン60,70,80は、ヒンジピラーインナロア22及びサイドシルインナ6よりも高い剛性を有する。第1インナレイン60は、第2インナレイン70及び第3インナレイン80よりも高い剛性を有する。
図6と併せて、図7〜図11を参照しながら、第1、第2、第3インナレイン60,70,80に関する構成について具体的に説明する。
図7は第1インナレイン60を示す斜視図、図8は第2インナレイン70を示す斜視図、図9は第3インナレイン80を示す斜視図である。また、図10(a)は図6のA−A線断面図、図10(b)は図6のB−B線断面図、図10(c)は図6のC−C線断面図、図11(a)は図6のD−D線断面図、図11(b)は図6のE−E線断面図、図11(c)は図6のF−F線断面図である。
図6、図7及び図10(a)に示すように、第1インナレイン60は、ヒンジピラーインナロア22の側面部22aの内面(車体幅方向X外側の面)に接合された断面ハット状の部材である。
図6及び図7に示すように、第1インナレイン60は、ヒンジピラーインナロア22の側面部22aの車体幅方向X外側に対向する第1側面部61と、第1側面部61の上縁から車体幅方向X内側に延びる上面部62と、第1側面部61の下縁から車体幅方向X内側に延びる下面部63と、上面部62の車体幅方向X内側の縁部から上方に延びる上側フランジ部64と、下面部63の車体幅方向X内側の縁部から下方に延びる下側フランジ部65とを備えている。
図6に示すように、第1側面部61は、その車体上下方向Z寸法が車体前方側に向かうに従って大きくなるような車体側面視ラッパ状に形成されている。第1側面部61は、その前端の下端部が後端の上端部よりも車体上方側に位置するように傾けて配置されている。
第1側面部61の前縁は、その下端よりも上端が車体後方側に位置するように傾いた直線状に形成されており、第1側面部61の後縁も、その下端よりも上端が車体後方側に位置するように傾いた直線状に形成されている。車体上下方向Zに対する第1側面部61の後縁の傾きは、第1側面部61の前縁の傾きよりも大きい。
第1側面部61の前端部は、車体上下方向Zにおいてサイドシルインナ6の上面部6bよりも上方側に位置している。本実施形態では、第1側面部61の前端部全体がサイドシルインナ6の上面部6bよりも車体上方側に位置している。ただし、第1側面部61の前端部は、その上端側の一部がサイドシルインナ6の上面部6bよりも車体上方側に位置するように配置されてもよい。
上側フランジ部64は、上面部62の前端から中央部にかけて設けられており、ヒンジピラーインナロア22の側面部22aに接合されている。上側フランジ部64は、車体前後方向Yにおいてヒンジピラーインナロア22のピラー部22Aの後面部22cよりも前方側に配置されており、車体上下方向Zにおいてヒンジピラーインナロア22の上面部22cにおける後方延長部22Cを構成する部分よりも上側且つ該上面部22cにおける湾曲部22Bを構成する部分とオーバラップする高さ位置に配置されている。
下側フランジ部65は、第2インナレイン70の後述するフランジ部73を介してヒンジピラーインナロア22の側面部22aに接合されている。下側フランジ部65の後端部は、車体前後方向Yにおいてヒンジピラーインナロア22の上面部22cにおける湾曲部22Bを構成する部分とオーバラップする位置に配置されている。また、下側フランジ部65は、車体上下方向Zにおいてヒンジピラーインナロア22の上面部22cにおける湾曲部22Bを構成する部分とオーバラップする位置に配置されている。
図6及び図8に示すように、第2インナレイン70は、ヒンジピラーインナロア22の側面部22aの車体幅方向X外側に対向する第2側面部71と、第2側面部71の上縁から車体幅方向X内側に延びる上面部72と、上面部72の車体幅方向X内側の縁部から上方に延びるフランジ部73とを備えている。
第2側面部71は、全体的には車体前後方向Yに延びるように配置されており、第2側面部71の中央部から前端に亘る部分は、車体前方側に向かって僅かに上方へ傾斜して配置されていると共に、車体前方側に向かうに従って車体上下方向Z寸法が小さくなっている。第2側面部71は、第1側面部61と略同一面上に配置されている(図10参照)。
第2インナレイン70の上面部72の後端は、車体前後方向Yにおいて、ヒンジピラーインナロア22の上面部22cにおける湾曲部22Bを構成する部分よりも車体後方側に配置されている。第2インナレイン70のフランジ部73は、上面部72の前端から中央部にかけて設けられており、第1インナレイン60の下側フランジ部65と共に、ヒンジピラーインナロア22の側面部22aに接合されている。
図6及び図9に示すように、第3インナレイン80は、ヒンジピラーインナロア22の側面部22aの車体幅方向X外側に対向する第3側面部81と、第3側面部81の下縁から車体幅方向X内側に延びる下面部82と、下面部82の車体幅方向X内側の縁部から下方に延びる下側フランジ部83と、第3側面部81の上縁から車体幅方向X外側に延びる上側フランジ部84とを備えている。
第3側面部81は、第2側面部71に沿って車体前後方向Yに延びるベース部81aと、ベース部81aにおける前端よりも車体後方側部分から上方に延びる上方延長部81bとを有する。ベース部81aは、第2側面部71の例えば外側の面に接合されており、上方延長部81bは、第1側面部61の例えば外側の面に接合されている。
ベース部81aは、第2側面部71の後端よりも車体後方側に突出して配置されており、ベース部81aの後端は、サイドシルインナ6の前端よりも車体後方側に配置されている。上方延長部81bは、第1側面部61における車体前後方向Yの中央よりも車体後方側部分に接合されている。
第3インナレイン80の下面部82は、第2インナレイン70の上面部72の車体下方側に対向配置されている。また、下面部82は、第2インナレイン70の後端よりも車体後方側において、ヒンジピラーインナロア22の後方延長部22Cにおける上面部22cとサイドシルインナ6の上面部6bとの車体下方側に対向配置されている。
第3インナレイン80の下側フランジ部83は、その前端側部分においてヒンジピラーインナロア22の側面部22aに接合され、後端側部分においてサイドシルインナ6の側面部6aに接合されている。
第3インナレイン80の上側フランジ部84は、ヒンジピラーインナロア22の後方延長部22Cにおける上面部22cとサイドシルインナ6の上面部6bとの内面(車体下方側の面)に沿って配置されており、これらの面に接合されている。
図10(a)及び図10(b)に示すように、以上のように構成された閉断面構成部には、第1閉断面S3及び第2閉断面S4が車体前後方向Yに連続するように形成されており、車体前方側からヒンジピラー20に入力された衝撃荷重を、第1閉断面S3及び第2閉断面S4によって車体後方側へ伝達可能となっている。第1閉断面S3と第2閉断面S4は、車体上下方向Zに並ぶように形成されている。
第1閉断面S3は、ヒンジピラーインナロア22と第1インナレイン60との間に形成されている。第1閉断面S3は、ヒンジピラーインナロア22に断面ハット状の第1インナレイン60を接合するだけで容易に形成され得る。
第1閉断面S3は、互いに対向するヒンジピラーインナロア22の側面部22a及び第1インナレイン60の第1側面部61からなる一対の側壁部と、該一対の側壁部の上端間を繋ぐ第1インナレイン60の上面部62からなる上壁部と、前記一対の側壁部の下端間を繋ぐ第1インナレイン60の下面部63からなる下壁部とを有する(図6及び図7参照)。
第1閉断面S3の車体上下方向Z寸法は、車体前方側に向かうに従って大きくなっている。第1閉断面S3の車体幅方向X寸法は概ね一定とされており、第1閉断面S3の断面積は、車体前方側に向かうに従って大きくなっている。
車体上下方向Z寸法が最大とされた第1閉断面S3の前端部では、車体前方側からの衝撃荷重を車体上下方向に広い範囲で受けることができる。そのため、車体前方側からの衝撃荷重に対して、第1インナレイン60の前端部にかかる応力が分散されることで、第1閉断面S3の形状を良好に維持することができ、第1閉断面S3を経由した車体後方側への荷重伝達を効果的に実現できる。
第1インナレイン60の側面部61と上面部62との間に形成される第1閉断面S3のコーナ部C1は、図6に示すように車体後方側に向かって斜め下方に概ね直線状に延びる稜線L1を形成している。
図6に示すように、この稜線L1と、車体側面視においてヒンジピラーインナロア22の後方延長部22Cにおける上面部22cとサイドシルインナ6の上面部6bとによって形成される直線状のラインL2とは、ヒンジピラーインナロア22の上面部22cにおける湾曲部22Bを構成する部分によって形成される湾曲したラインL3を介して、車体前後方向Yにおいて相互に連続するように配置されている。
図10(a)及び図10(b)に示すように、第2閉断面S4は、第1閉断面S3の車体下方側に間隔を空けて配置されている。第2閉断面S4は、ヒンジピラーインナロア22と、第2インナレイン70及び第3インナレイン80との間に形成されている。第2閉断面S4は、簡素に構成された第2、第3インナレイン70,80の第2、第3側面部71,81を相互に接合すると共に、第2、第3インナレイン70,80をヒンジピラーインナロア22に接合するだけで容易に形成され得る。
第2閉断面S4は、互いに対向するヒンジピラーインナロア22の側面部22aと第2インナレイン70の第2側面部71及び第3インナレイン80の第3側面部81とからなる一対の側壁部と、該一対の側壁部の上端間を繋ぐ第2インナレイン70の上面部72からなる上壁部と、前記一対の側壁部の下端間を繋ぐ第3インナレイン80の下面部82からなる下壁部とを有する(図6、図8及び図9参照)。
第2閉断面S4の車体上下方向Z寸法、車体幅方向X寸法及び断面積は、車体前後方向Yの全長に亘って概ね一定とされている。したがって、第1閉断面S3及び第2閉断面S4の合計の車体上下方向Z寸法、及び合計の断面積は、車体前方側に向かうに従って大きくなっている。
図10(c)に示すように、第3インナレイン80の第3側面部81は、第1閉断面S3の外側において第1インナレイン60の第1側面部61に接合され且つ第2閉断面S4の外側において第2インナレイン70の第2側面部71に接合されている。そのため、第1閉断面S3及び第2閉断面S4の後端よりも車体後方側では、ヒンジピラーインナロア22と第3インナレイン80との間に、1つの集束閉断面S5が形成される。このようにして、第1閉断面S3及び第2閉断面S4は、これらの後端側において、1つの集束閉断面S5に集束されている。
この集束閉断面S5は、第1閉断面S3を構成する第1側面部61の外側と、第2閉断面S4を構成する第2側面部71の外側とに接合された第3側面部81を利用して形成されているため、該集束閉断面S5に、第1閉断面S3及び第2閉断面S4の後端側を容易に集束させることができる。
また、第1側面部61及び第2側面部71と、第3側面部81との各接合部では、車体前方側からの衝撃荷重がせん断方向に作用するため、各接合部の接合強度を高めることができ、これにより、第1閉断面S3及び第2閉断面S4から集束閉断面S5への良好な荷重伝達を実現できる。
図11(a)〜図11(c)に示すように、集束閉断面S5は車体前後方向Yに連続するように形成されている。集束閉断面S5の前端部は、車体前後方向Yにおいて、ヒンジピラーインナロア22の上面部22cにおける湾曲部22Bを構成する部分とオーバラップする位置に配置されている(図6のC−C線参照)。集束閉断面S5の後端部は、サイドシルインナ6の前端部よりも車体後方側に配置されている(図6のF−F線参照)。
図6及び図11(a)〜図11(c)に示すように、集束閉断面S5は、ヒンジピラーインナロア22の側面部22a又はサイドシルインナ6の側面部6aとこれに対向する第3インナレイン80の第3側面部81とからなる一対の側壁部と、該一対の側壁部の上端間を繋ぐ部分、すなわち、ヒンジピラーインナロア22の上面部22cにおける湾曲部22B若しくは後方延長部22Cを構成する部分又はサイドシルインナ6の上面部6bと、前記一対の側壁部の下端間を繋ぐ第3インナレイン80の下面部82とを備えている。
このように、集束閉断面S5を形成する集束閉断面構成部は、第3インナレイン80の第3側面部81及び下面部82、ヒンジピラーインナロア22の側面部22a及び上面部22c、並びに、サイドシルインナ6の側面部6a及び上面部6bによって構成されている。
ヒンジピラーインナロア22の側面部22a及び上面部22c、並びに、サイドシルインナ6の側面部6a及び上面部6bは、集束閉断面S5だけでなく、サイドシル4の閉断面S2も構成している。このように、集束閉断面S5の後端側部分が、サイドシル4の閉断面S2と共通の部材を用いて構成されていることにより、集束閉断面S5の後端側がサイドシル4の閉断面S2に繋がっている。
[ヒンジピラーとダッシュパネルとの連結部]
図12及び図13に示すように、ヒンジピラー20とダッシュパネル10は、ガセット部材12を介して連結されている。
ガセット部材12は、例えば一対のボルトによってダッシュパネル10に接合される第1接合面部13と、例えば一対のボルトによってヒンジピラーインナロア22の側面部22aに接合される第2接合面部14と、第1接合面部13及び第2接合面部14間を連絡する連絡面部15とを備えている。ガセット部材12は、ダッシュパネル10及びヒンジピラーインナロア22よりも高い剛性を有する。
図13に示すように、車体平面視において、第1接合面部13はダッシュパネル10に沿って車体幅方向Xに延びるように配置され、第2接合面部14はヒンジピラーインナロア22の側面部22aに沿って車体前後方向Yに延びるように配置されている。連絡面部15は、第1接合面部13の車体幅方向X外側の縁部から車体幅方向X外側に向かって斜め車体後方側へ延びるように配置されており、連絡面部15の後端は第2接合面部14の前端に連なっている。
このように構成されたガセット部材12によって、ダッシュパネル10の車体後方側の面とヒンジピラーインナロア22の側面部22aの車体幅方向X内側の面とが筋交い状に連結されている。
図12及び図13に示されるガセット部材12は、車体左側のヒンジピラー20とダッシュパネル10とを連結するものであるが、図14に示すように、車体右側のヒンジピラー20も、同様のガセット部材12を介してダッシュパネル10に連結されている。
図12及び図14に示すように、左右のヒンジピラー20の各ヒンジピラーインナロア22の側面部22aにおいて、ガセット部材12の第2接合面部14の車体後方側に隣接する位置には、車体上下方向Zに断続的に延びる屈曲促進部90,91が形成されている。
図6及び図12に示すように、車体左側のヒンジピラーインナロア22の側面部22aには、車体幅方向X外側に膨出した膨出部22f、車体前後方向Yに延びる横ビード部22g、車体上下方向Zに延びる第1縦ビード部22h及び第2縦ビード部22iが形成されている。
膨出部22fは、サイドシルインナ6の上面部6b(図6参照)よりも車体上方側に配置されている。膨出部22fの後端部は、車体側面視において第1インナレイン60の第1側面部61(図6参照)とオーバラップして配置されている。膨出部22fの前端部は、ガセット部材12の第2接合面部14(図12参照)とオーバラップして配置されている。
横ビード部22gは、側面部22aから車体幅方向X外側に膨出して形成されている。横ビード部22gは、膨出部22f及びガセット部材12の第2接合面部14(図12参照)よりも車体上方側に配置されている。横ビード部22gの後端は、第1インナレイン60の第1側面部61(図6参照)よりも車体上方側に配置され、第1インナレイン60の上側フランジ部64(図6参照)の前端の前上方に隣接して配置されている。
第1縦ビード部22hは、側面部22aから車体幅方向X外側に膨出して形成されている。第1縦ビード部22hは、横ビード部22gの後端の車体下方側に間隔を空けて配置されている。第1縦ビード部22hは、横ビード部22gの後端よりも僅かに車体前方側にずれて配置されている。第1縦ビード部22hは、膨出部22fの上縁部に形成されている。第1縦ビード部22hは、第1インナレイン60の第1側面部61(図6参照)の前端における上端部の車体前方側に隣接して配置されている。第1縦ビード部22hは、ガセット部材12の第2接合面部14(図12参照)の車体後方側に隣接して配置されている。
第2縦ビード部22iは、側面部22aから車体幅方向X外側に膨出して形成されている。第2縦ビード部22iは、第1縦ビード部22hの下端の車体下方側に間隔を空けて配置されている。第2縦ビード部22iは、第1縦ビード部22hよりも僅かに車体前方側にずれて配置されている。第2縦ビード部22iは、膨出部22fの下縁部に形成されている。第2縦ビード部22iは、第1インナレイン60の第1側面部61(図6参照)の前端における下端部の車体前方側に隣接して配置されている。第2縦ビード部22iは、ガセット部材12の第2接合面部14(図12参照)の車体下方側に隣接して配置されている。
ヒンジピラーインナロア22の側面部22aにおいて、横ビード部22g、第1縦ビード部22h及び第2縦ビード部22iは、それぞれの周囲に比べて高い剛性を有する部分である。すなわち、横ビード部22g、第1縦ビード部22h及び第2縦ビード部22iの各周縁部は、高剛性部である各ビード部22g,22h,22iと低剛性部である周辺部との境界部となっており、該境界部は、ヒンジピラーインナロア22に入力される衝撃荷重に対する応力が集中しやすい応力集中部とされている。
そして、車体左側のヒンジピラーインナロア22における屈曲促進部90は、横ビード部22gの後端、第1縦ビード部22hの上端及び下端、並びに、第2縦ビード部22iの上端及び下端を結びながら車体上下方向Zに断続的に延びるように形成されている。
図14に示すように、車体右側のヒンジピラーインナロア22の側面部22aには、車体幅方向X外側に膨出した第1膨出部22j、第1膨出部22jから更に車体幅方向X外側に膨出した第2膨出部22k、車体前後方向Yに延びる横ビード部22l、車体上下方向Zに延びる縦ビード部22mが形成されている。
第1膨出部22jの前端部は、車体側面視においてガセット部材12の第2接合面部14(図12参照)とオーバラップして配置されている。第2膨出部22kは、第1膨出部22jの車体下方側に連ねて配置されている。第2膨出部22kの前縁には、車体上下方向Zに延びる稜線を形成するコーナ部22nが設けられている。
横ビード部22lは、側面部22aから車体幅方向X外側に膨出して形成されている。横ビード部22lは、第1膨出部22j及びガセット部材12の第2接合面部14よりも車体上方側に配置されている。
縦ビード部22mは、側面部22aから車体幅方向X外側に膨出して形成されている。縦ビード部22mは、横ビード部22lの後端の車体下方側に間隔を空けて配置されている。縦ビード部22mは、横ビード部22lの後端よりも僅かに車体前方側にずれて配置されている。縦ビード部22mは、第1膨出部22jの上縁部に形成されている。縦ビード部22mは、ガセット部材12の第2接合面部14の車体後方側に隣接して配置されている。縦ビード部22mは、横ビード部22gの後端と第2膨出部22kの前縁のコーナ部22nとの間に配置されている。
車体右側のヒンジピラーインナロア22の側面部22aにおいて、横ビード部22l、縦ビード部22m及び第2膨出部22kのコーナ部22nは、それぞれの周囲に比べて高い剛性を有する部分である。
そして、車体右側のヒンジピラーインナロア22における屈曲促進部91は、横ビード部22lの後端、縦ビード部22mの上端及び下端、並びに、第2膨出部22kのコーナ部22nを結びながら車体上下方向Zに断続的に延びるように形成されている。
以上のように左右のヒンジピラーインナロア22に形成された屈曲促進部90,91には、車体前方側からヒンジピラーインナロア22に衝撃荷重が入力されたときに応力が集中しやすくなっている。これにより、ヒンジピラーインナロア22において、例えば図16に示すように屈曲促進部90,91が車体幅方向X外側に突出するような屈曲変形が促進される。
なお、図16は、車体左側のヒンジピラーインナロア22の屈曲変形の一例を示すものであるが、車体右側のヒンジピラーインナロア22においても同様の屈曲変形が生じ得る。
また、図12及び図14に示すように、左右のヒンジピラーインナロア22に形成された屈曲促進部90,91は、ガセット部材12の第2接合面部14の車体後方側に隣接して配置されている。
スモールオーバラップ衝突等によって車体前方からヒンジピラー20に衝撃荷重が入力されたとき、ヒンジピラーインナロア22の側面部22aには、ヒンジピラー20における荷重入力部分からの直接的な伝達ルートに加えて、ヒンジピラー20から一旦ダッシュパネル10及びガセット部材12を経由した間接的な伝達ルートからも衝撃荷重が伝達される。
このようにガセット部材12を経由してヒンジピラーインナロア22の側面部22aに伝達される衝撃荷重に対する応力は、ガセット部材12の第2接合面部14の車体後方側に隣接した屈曲促進部90,91に集中しやすくなるため、上述した屈曲変形がより効果的に促進される。
[各部材の位置関係]
図15は、ヒンジピラー20の下端部とサイドシル4の前端部との接続部分を車体上方側から見た図1のG−G線断面図である。
図15には、ヒンジピラー20の内部空間の下方に配置されたサイドシルアウタ5の前端部が示されている。サイドシルアウタ5の上面部5bの前端5fは、ヒンジピラーアウタ21の前面部21bの車体後方側に隣接して配置されている。なお、サイドシルアウタ5の前端5fとヒンジピラーアウタ21の前面部21bとの間には、第1外側補強パネル26が介在されている。サイドシルアウタ5の上面部5bの前端部における車体幅方向X外側のコーナ部には切欠5gが形成されている。
サイドシルアウタ5の内面に接合されたサイドシルアウタ補強部材8の上面補強部8bの前端8fは、サイドシルアウタ5の前端5fよりも車体後方側に配置されている。サイドシルアウタ補強部材8の上面補強部8bの前端部における車体幅方向X外側のコーナ部にも切欠8gが形成されている。該切欠8gは、サイドシルアウタ5の切欠5gの車体後方側に隣接して配置されている。
第1インナレイン60並びにその車体下方側に位置する第2インナレイン70及び第3インナレイン80(図6及び図10(a)参照)は、サイドシルアウタ5の車体幅方向X内側に間隔を空けて配置されている。
第1インナレイン60の前端は、サイドシルアウタ5の前端5fよりも車体後方側に配置されており、サイドシルアウタ補強部材8の前端8fと略同じ車体前後方向Y位置に配置されている。第1インナレイン60の車体下方側に位置する第2インナレイン70及び第3インナレイン80の前端も、第1インナレイン60の前端と略同じ車体前後方向Y位置に配置されている(図6参照)。
図10(a)に示すように、第2インナレイン70の第2側面部71及び第3インナレイン80の第3側面部81は、車体上下方向Zにおいてサイドシルアウタ5の上側フランジ部5dとオーバラップする高さ位置に配置されており、該上側フランジ部5dは、第2側面部71及び第3側面部81の車体幅方向X外側に対向配置されている。
すなわち、第1インナレイン60、第2インナレイン70及び第3インナレイン80は、車体幅方向X外側の斜め車体前方側から衝撃荷重が入力されたときに第1、第2、第3インナレイン60,70,80の車体前方側にヒンジピラーアウタ21の前面部21bが入り込むと共に(図17参照)第2、第3インナレイン70,80の第2、第3側面部71,81にサイドシルアウタ5の上側フランジ部5dが当接するように(図18参照)配設されている。
図6に示すように、上述のようにヒンジピラーインナロア22の側面部22aに形成された屈曲促進部90は、第1インナレイン60の前端部の車体前方側に隣接して配置されている。また、屈曲促進部90は、車体側面視において第1インナレイン60の前端部に沿って配置されている。
なお、図6は、車体左側のヒンジピラー20における屈曲促進部90と第1インナレイン60との位置関係が示されているが、車体右側のヒンジピラー20における屈曲促進部91と第1インナレイン60との位置関係も同様である。
このような屈曲促進部90,91の配置により、車体前方側からヒンジピラー20に衝撃荷重が入力されたときに、上述のように屈曲促進部90,91が車体幅方向X外側に突出するように屈曲変形することで、車体前後方向Yにおいて屈曲促進部90,91の後方側に隣接した第1、第2、第3インナレイン60,70,80の前端側部分も車体幅方向X外側に変位する(図17及び図18参照)。これにより、車体幅方向X外側の斜め車体前方側からヒンジピラー20に衝撃荷重が入力された場合に、該衝撃荷重が第1閉断面S3及び第2閉断面S4に入力されやすくなる。
また、このとき、車体側面視で屈曲促進部90,91に沿って配置された第1インナレイン60の前端部全体が車体幅方向X外側へ均一に変位するため、車体幅方向X外側の斜め車体前方側からの衝撃荷重が、第1インナレイン60の前端部全体に均一に入力されやすくなる。
[作用効果]
図17及び図18は、スモールオーバラップ衝突によって車体に対して前輪が斜め外側に後退してヒンジピラー20に当接して、ヒンジピラー20と衝突物100との間に挟まれた前輪のタイヤがパンクした後、倒れた姿勢で斜め外側への後退を続ける前輪側のサスペンション部材98がヒンジピラー20に当接することで、サスペンション部材98を介した衝突物100とヒンジピラー20との衝突が更に生じるような衝突形態の一例を示すものである。
具体的に、図17は、上記の衝突形態におけるヒンジピラー20の下端部とサイドシル4の前端部との接続部を車体上方側から見た断面図であり、図18は、同接続部を車体前方側から見た図17のH−H線断面図である。
図17に衝突形態では、サスペンション部材98によって車体幅方向X内側に向かって斜め車体後方側へ押し込まれたキャブサイドアウタ48の一部、ヒンジピラーアウタ21の前面部21bの一部、及び、第1外側補強パネル26の一部が、上述のように屈曲促進部90,91によって車体幅方向X外側に変位した第1、第2、第3インナレイン60,70,80の車体前方側に入り込んで引っ掛かる。
このとき、ヒンジピラーアウタ21の前面部21bには、車体幅方向X内側に突出する屈曲変形部21fが生じており、該屈曲変形部21f及びその周辺部が第1、第2、第3インナレイン60,70,80の前端部に引っ掛かる。
また、サイドシルアウタ5の前端部に形成された切欠5gに、第1外側補強パネル26の後端部及び第2外側補強パネル28の前端部が引っ掛かる。
この状態において、サイドシルアウタ5及び第1、第2、第3インナレイン60,70,80には、いずれも第1外側補強パネル26、ヒンジピラーアウタ21及びキャブサイドアウタ48を介して、サスペンション部材98からの衝撃荷重が入力される。そのため、第1、第2、第3インナレイン60,70,80がサイドシルアウタ5と共に後退することが促され、これにより、第1、第2、第3インナレイン60,70,80に対する相対的なサイドシルアウタ5の後退が抑制される。
また、このとき、図18に示すように、第2、第3インナレイン70,80の第2、第3側面部71,81にサイドシルアウタ5の上側フランジ部5dが車体幅方向X外側から当接する。これにより、ヒンジピラーインナロア22、第3インナレイン80及びサイドシルアウタ5の間に、車体前後方向Yに連続する第3閉断面S6が新たに形成される。
上記のように第2、第3インナレイン70,80に対する相対的なサイドシルアウタ5の後退が抑制されていることにより、新たに形成された第3閉断面S6において、車体後方側への荷重伝達を効果的に果たすことができる。
第1閉断面S3は、サイドシル4よりも車体上方側の高さ位置において第1インナレイン60の前端側から入力された衝撃荷重を車体後方側へ伝達する。第2閉断面S4は、サイドシル4の上端部と略同じ高さ位置において第2、第3インナレイン70,80の前端側又は上記の第3閉断面S6側から入力された衝撃荷重を車体後方側へ伝達する。
このように、ヒンジピラーインナロア22と第1、第2、第3インナレイン60,70,80との間に複数の閉断面S3,S4が形成されていることにより、仮に閉断面が1つのみ形成される場合に比べて、車体前方側からの衝撃荷重によって第1、第2、第3インナレイン60,70,80にかかる応力が分散されるため、車体前方側からの衝撃荷重に対する第1、第2、第3インナレイン60,70,80の耐力を高めることができる。
第1閉断面S3及び第2閉断面S4の後端側は、ドア開口40の湾曲コーナ部42(図1及び図4参照)とオーバラップする車体前後方向Y位置において、上述の集束閉断面S5(図11参照)に集束されている。しかも、図6に示すように、上述した第1閉断面S3のコーナ部C1(図10(a)参照)によって形成される稜線L1(図6参照)と、車体側面視においてヒンジピラーインナロア22の上面部22cとサイドシルインナ6の上面部6bとによって形成されるラインL2とは、車体前後方向Yにおいて相互に連続するように配置されている。
そのため、ドア開口40の湾曲コーナ部42への応力集中を回避しつつ、第1閉断面S3及び第2閉断面S4によって車体後方側へ伝達される衝撃荷重をスムーズに集束閉断面S5に伝達することができる。そのため、サイドシル4よりも車体上方側の高さ位置を含む部分においてヒンジピラー20に入力された衝撃荷重を車体後方側へ効果的に分散しつつ、ヒンジピラー20を車体後方側へ倒す方向に作用するモーメントの発生を抑制することができる。
また、上述したように、集束閉断面S5の後端側はサイドシル4の閉断面S2(図11(c)参照)に繋がっている。そのため、第1閉断面S3及び第2閉断面S4から集束閉断面S5を経由したサイドシル4の閉断面S2へのスムーズな荷重伝達を実現できる。したがって、サイドシル4を経由した車体後方側への荷重分散を効果的に行うことができ、これにより、ヒンジピラー20及びダッシュパネル10の後退が抑制されることで、車室の変形を抑制することができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、外側ヒンジピラー部材が1つのヒンジピラーアウタ21で構成され、内側ヒンジピラー部材がヒンジピラーインナロア22及びヒンジピラーインナアッパ23で構成される例を説明したが、本発明では、外側ヒンジピラー部材が複数の部材で構成されたり、内側ヒンジピラー部材が1つ又は3つ以上の部材で構成されたりしてもよい。
また、上述の実施形態では、閉断面構成部の一部が内側ヒンジピラー部材で構成される例を説明したが、本発明は、閉断面構成部の一部が外側ヒンジピラー部材で構成される場合にも適用可能である。
さらに、上述の実施形態では、屈曲促進部が断続的に延びるように形成される例を説明したが、本発明において、屈曲促進部は、連続的に延びるように形成されてもよい。
以上のように、本発明によれば、車体前方側からヒンジピラーに入力された衝撃荷重を車体後方側へ効果的に分散させることで、ヒンジピラー及びダッシュパネルの後退、ひいては車室の変形を効果的に抑制することが可能となるから、ヒンジピラーとサイドシルを備えた自動車の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 自動車
2 フロアパネル
3 トーボード
4 サイドシル
5 サイドシルアウタ
6 サイドシルインナ
10 ダッシュパネル
20 ヒンジピラー
21 ヒンジピラーアウタ
22 ヒンジピラーインナロア
22g 横ビード部
22h 第1縦ビード部
22i 第2縦ビード部
22l 横ビード部
22m 縦ビード部
22n コーナ部
22A ピラー部
22B 湾曲部
22C 後方延長部
23 ヒンジピラーインナアッパ
26 第1外側補強パネル
28 第2外側補強パネル
30 フロントピラー
36 ルーフレール
38 センタピラー
40 ドア開口
42 湾曲コーナ部
48 キャブサイドアウタ
50 ヒンジレインフォースメント
60 第1インナレインフォースメント
70 第2インナレインフォースメント
80 第3インナレインフォースメント
90,91 屈曲促進部
98 サスペンション部材
100 衝突物
S1 ヒンジピラーの閉断面
S2 サイドシルの閉断面
S3 第1閉断面
S4 第2閉断面
S5 集束閉断面
S6 第3閉断面

Claims (8)

  1. 車体の側部で車体上下方向に連続する閉断面を形成するヒンジピラー部材を有するヒンジピラーと、
    車体の側部において前記ヒンジピラーよりも車体後方側で車体前後方向に連続する閉断面を形成するサイドシル部材を有するサイドシルと、
    前記ヒンジピラーの下端部と前記サイドシルの前端部との接続部において、車体前後方向に連続すると共に後端側において前記サイドシルの前記閉断面に繋がる閉断面を形成する閉断面構成部と、を備えている車両の側部車体構造であって、
    前記閉断面構成部の前端部は、車体前方側に開口しており、
    前記閉断面構成部の閉断面の車体上下方向寸法は、車体前方側に向かうに従って大きくなっていることを特徴とする車両の側部車体構造。
  2. 前記閉断面構成部の前端部の少なくとも上端は、車体上下方向において前記サイドシル部材の上面部よりも上側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の車両の側部車体構造。
  3. 前記ヒンジピラーの閉断面は、前記閉断面構成部の一部を構成する内側ヒンジピラー部材と、該内側ヒンジピラー部材に接合された外側ヒンジピラー部材との間に形成されており、
    前記内側ヒンジピラー部材には、車体前方側から前記ヒンジピラーに入力された衝撃荷重に対する応力の集中によって車体幅方向外側に突出するような屈曲変形が促進される屈曲促進部が、車体上下方向に連続的又は断続的に延びるように設けられており、
    前記屈曲促進部は、前記閉断面構成部の前端部の車体前方側に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の側部車体構造。
  4. 前記屈曲促進部は、車体上下方向に延びるように前記内側ヒンジピラー部材に形成された縦ビード部を含むことを特徴とする請求項3に記載の車両の側部車体構造。
  5. 前記屈曲促進部は、車体前後方向に延びるように前記内側ヒンジピラー部材に形成された横ビード部の一端部を含むことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車両の側部車体構造。
  6. 前記屈曲促進部は、前記内側ヒンジピラー部材の凹部又は凸部の周縁において車体上下方向に延びる稜線を形成するコーナ部を含むことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造。
  7. 前記屈曲促進部は、前記内側ヒンジピラー部材に設けられた所定の高剛性部と、前記内側ヒンジピラー部材における前記高剛性部よりも剛性が低い部分からなる低剛性部との境界部を含むことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造。
  8. 前記屈曲促進部は、車体側面視において前記閉断面構成部の前端部に沿って配置されていることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造。
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