JP7118544B2 - シーラー塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、シーラー塗料組成物に関する。
住宅の外壁には、サイディング、セメント、モルタル、スレート、タイル、レンガ、繊維強化プラスチック(FRP)、塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン(カイナーフッソ)等の種々の材質の基材がある。また、該基材は表面処理がされて親水性や疎水性など種々の表面性状のものが存在する。
一方、上記基材は中塗り塗料や上塗り塗料が塗装されることによって意匠性、防汚性、耐水性等の機能を施されるが、その際、基材と中塗りや上塗り塗料との付着性を確保するためにシーラー塗料を塗装してシーラー層を形成することが一般的である。そこで基材の種類を問わず、付着性を確保できるシーラー塗料が求められている。
特許文献1には、親水化処理された窯業基材の表面を被覆する塗膜を形成するために用いられる、シーラー塗料組成物であって、エポキシ樹脂(A)と、ポリアミン(B)と、シランカップリング剤(C)と、を含み、前記エポキシ樹脂(A)は、一分子中に平均炭素数が5以上である複数のアルキル基を有する弱溶剤可溶型の変性エポキシ樹脂であり且つ一分子中にエポキシ基を2個以上有しエポキシ当量が150~1500であり、前記ポリアミン(B)は、脂肪族ポリアミン及びその変性物の少なくとも一方であり、前記シランカップリング剤(C)は、エポキシ基又はアミノ基を有するアルコキシシランであり、前記エポキシ樹脂(A)及び前記ポリアミン(B)の合計質量に対する前記シランカップリング剤(C)の質量は、3~10質量%であり、前記シーラー塗料組成物の全質量における、エポキシ樹脂(A)及びポリアミン(B)の合計固形分含有量は、10~70質量%であるシーラー塗料組成物が開示されている。
特開2016-3243号公報
しかしながら、特許文献1で得られるシーラー塗料組成物は、窯業基材の種類によっては十分に高い付着性を発現できない場合がある。特に、疎水性表面処理が施された窯業基材には付着性が十分ではない。
このように、どのような種類の基材に対しても十分に高い付着性を有するシーラー層を形成することができるシーラー塗料組成物は得られていないのが現状である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基材の表面に付着性が良好なシーラー層を形成することができるシーラー塗料組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
樹脂(A)、硬化剤(B)及びシランオリゴマー(C)を含むシーラー塗料組成物であって、
前記樹脂(A)が、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するエポキシ樹脂(a)と、カルボキシル基含有アクリル樹脂(b-1)又は重合性不飽和モノマー(b-2)と、二塩基酸(c)とを反応させて得られる、二塩基酸で変性されたアクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)であり、
上記シランオリゴマー(C)が、重量平均分子量が350以上であり、加水分解性シリル基を含む化合物である、シーラー塗料組成物。
項2.
前記樹脂(A)及び前記硬化剤(B)の合計固形分含有量が、前記シーラー塗料組成物の全固形分質量を基準として10~70質量%である項1に記載のシーラー塗料組成物。
項3.
前記硬化剤(B)がケチミン化合物である項1又は2に記載のシーラー塗料組成物。
項4.
前記シランオリゴマー(C)が加水分解性シリル基と加水分解性シリル基以外の有機基とを含む項1~3のいずれか1項記載のコーティング組成物。
項5.
前記有機基が、エポキシ基、アミノ基及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1種の有機基である項に記載のシーラー塗料組成物。
項6.
前記シランオリゴマー(C)が、下記一般式(I)で表される加水分解性シランの加水分解縮合物(a1)、及び/又は、該加水分解性シランと下記一般式(II)で表される加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)である項1~のいずれか1項に記載のコーティング組成物
Figure 0007118544000001
[式(I)中、R1はエポキシ基、アミノ基、及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1つを有する有機基であり、Xは同一又は異なっても良い加水分解性基、aは1~3の整数を示す]、
Figure 0007118544000002
[式(II)中、R2はエポキシ基、アミノ基、及びメルカプト基を有さない有機基であり、Xは同一又は異なっても良い加水分解性基、aは0~3の整数を示す]。
項7.
顔料(D)をさらに含む項1~のいずれか1項に記載のシーラー塗料組成物。
項8.
基材に項1~のいずれか1項に記載のシーラー塗料組成物を塗装する段階を含んでなる塗装方法。
項9.
前記基材が窯業基材である項に記載の塗装方法。
項10.
前記窯業基材が無機コーティングによって表面処理された窯業基材である項に記載の塗装方法。
項11.
前記無機コーティングが光触媒系の無機コーティングである項10に記載の塗装方法。
Figure 0007118544000003

[式(I)中、R1はエポキシ基、アミノ基、及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1つの有機基であり、Xは同一又は異なっても良い加水分解性基、aは1~3の整数を示す]、
Figure 0007118544000004

[式(II)中、R2はエポキシ基、アミノ基、及びメルカプト基を有さない有機基であり、Xは同一又は異なっても良い加水分解性基、aは0~3の整数を示す]。
項11.
顔料(D)をさらに含む請求項1~10のいずれか1項に記載のシーラー塗料組成物。
項12.
基材に項1~11のいずれか1項に記載のシーラー塗料組成物を塗装する段階を含んでなる塗装方法。
項13.
前記基材が窯業基材である項12に記載の塗装方法。
項14.
前記窯業基材が無機コーティングによって表面処理された窯業基材である項13に記載の塗装方法。
項15.
前記無機コーティングが親水性あるいは疎水性の無機コーティング、及び光触媒系の無機コーティングである項14に記載の塗装方法。
本発明のシーラー塗料組成物によれば基材の表面に付着性が良好なシーラー層を形成することができる。
以下、本発明のシーラー塗料組成物についてさらに詳細に説明する。
本発明のシーラー塗料組成物は、樹脂(A)、硬化剤(B)及び特定のシランオリゴマー(C)を含むものである。
樹脂(A)
本発明において使用される樹脂(A)は、従来既知のものを適宜使用できるが、なかでも、付着性の観点から、樹脂(A)としてはエポキシ樹脂(A1)を使用することが好ましい。
エポキシ樹脂(A1)としては、1分子中にエポキシ基を少なくとも1個好ましくは2個有するエポキシ樹脂が挙げられ、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、その他のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂;これらのエポキシ樹脂を、種々の変性剤によって変性してなる変性エポキシ樹脂もエポキシ樹脂(A1)に包含される。
上記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、例えば、多価アルコール、多価フェノールなどとエピハロヒドリン又はアルキレンオキシドとを反応させて得ることができるグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂である。上記多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトールなどを挙げることができる。また、上記多価フェノールの例としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2-ビス(2-ヒドロキシフェニル)プロパン、2-(2-ヒドロキシフェニル)2-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ハロゲン化ビスフェノールA、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、トリス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、テトラヒドロキシフェニルエタン、1,2,3-トリス(2,3-エポキシプロポキシ)プロパン、4-t-ブチルカテコール、4-メチルカテコール、2-メチルカテコール、ノボラック型多価フェノール、クレゾール型多価フェノールなどを挙げることができる。
前記グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどを挙げることができる。
前記その他のグリシジル型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
前記脂環族エポキシ樹脂としては、(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル)メチル-3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、エポリードGT300(ダイセル化学工業(株)製、商品名、3官能脂環式エポキシ樹脂)、エポリードGT400(ダイセル化学工業(株)製、商品名、4官能脂環式エポキシ樹脂)、EHPE(ダイセル化学工業(株)製、商品名、多官能脂環式エポキシ樹脂)などを挙げることができる。
前記エポキシ樹脂(A1)として、例えば、DER-331J(商品名、ダウケミカル社製)、JER828、834、806(以上商品名、ジャパンエポキシレジン社製)、GY#260(商品名、旭チバ社製)、エポミックR#140P(商品名、三井石油化学工業社製)、エポトートYD128(商品名、東都化成社製)、EPICLON HP-820(商品名、DIC株式会社製)、ハリポールEP-450(商品名、ハリマ化成グループ社製)などの市販品を使用することもできる。
更に、エポキシ樹脂(A1)は、脆弱な旧塗膜への適性の観点から、弱溶剤可溶であることが好ましい。
ここで、「弱溶剤」は、一般的には溶解力の弱い溶剤を意味し、厳密に区別されるものではなく、例えば、脂肪族炭化水素系溶剤および芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる沸点が148℃以上の炭化水素系溶剤が包含される。弱溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン、イソパラフィン、ソルベント灯油、芳香族ナフサ、VM&Pナフサ、ソルベントナフサなどが挙げられ、これらの市販品としては、例えば、「ソルベッソ100」、「ソルベッソ150」、「ソルベッソ200」、「エッソナフサNo.6」(以上商品名、エッソ石油社製);「スワゾール1000」、「スワゾール1500」(以上商品名、コスモ石油社製);「イプゾール100」(商品名、出光興産社製);「HAWS」、「LAWS」(以上商品名、シェルケミカルズジャパン株式会社製);「Aソルベント」(商品名、日本石油社製)などが挙げられる。
本発明では弱溶剤可溶性を有するためにはエポキシ樹脂(A1)が、エポキシ基を有し、アクリル樹脂、アルキルフェノール、アルキルフェノールノボラック樹脂、及び脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の変性剤を構成成分とする樹脂
であることが適している。
特に、多種多様な基材に対する付着性の観点からエポキシ樹脂(A1)が、アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)であることが好ましい。
本発明において使用されるアクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)には、エポキシ樹脂をアクリル変性することによって得られる樹脂が包含され、それ自体既知のものを制限なく使用することができる。 アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)としては、例えば、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するエポキシ樹脂(a)にカルボキシル基含有アクリル樹脂(b-1)を反応させることにより得られる変性エポキシ樹脂;エポキシ樹脂(a)に、重合開始剤の存在下、重合性不飽和モノマー(b-2)を重合させることにより得られる変性エポキシ樹脂などを挙げられる。このアクリル変性により、変性エポキシ樹脂の弱溶剤溶解性や形成塗膜の指触乾燥性を改善することができる。
アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)の製造原料としてのエポキシ樹脂(a)としては、一般に約150~約1,000、好ましくは約150~約500の範囲内のエポキシ当量および一般に300~3000、好ましくは350~1500の範囲内の数平均分子量を有するものが適している。具体的には、例えば、エポキシ樹脂(A1)に関して前記で例示した如き化合物を挙げることができ、これらの化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
中でも、弱溶剤に対する溶解性の観点から、4-t-ブチルカテコールなどの水酸基を有するアルキルフェノール類とエピクロルヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂が好適である。
エポキシ樹脂(a)をアクリル変性するのに用いられるカルボキシル基含有アクリル樹脂(b-1)は、調製されるシーラー塗料組成物の塗装作業性などの観点から、通常3,000~50,000、特に5,000~20,000の範囲内の重量平均分子量および通常3~300mgKOH/g、特に10~100mgKOH/gの範囲内の樹脂酸価を有することが好ましい。
カルボキシル基含有アクリル樹脂(b-1)は、例えば、カルボキシル基を有するビニルモノマーおよびその他のビニルモノマーを常法により共重合させることによって得ることができる。該カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2-カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5-カルボキシペンチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。また、その他のビニルモノマーとしては、例えば、水酸基を有するビニルモノマー;(メタ)アクリル酸エステル;オレフィン系化合物およびジエン化合物;炭化水素環含有不飽和モノマー;窒素含有不飽和モノマー;加水分解性アルコキシシリル基含有モノマー;エポキシ基含有モノマーなどを挙げることができる。
上記水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC2~8ヒドロキシアルキルエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸とのモノエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルポリオールと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有不飽和モノマーとのモノエーテル;無水マレイン酸や無水イタコン酸のような酸無水基含有不飽和化合物とエチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類とのモノエステル化物又はジエステル化物;ヒドロキシエチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビニルエーテル類;アリルアルコールなど;α,β-不飽和カルボン酸とカージュラE10(シェル石油化学社製、商品名)やα-オレフィンエポキシドのようなモノエポキシ化合物との付加物;グリシジル(メタ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸、p-tert-ブチル安息香酸、脂肪酸類のような一塩基酸との付加物;上記の如き水酸基含有不飽和モノマーとラクトン類(例えば、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトン)との付加物などを挙げることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸のC1~24アルキルエステル又はシクロアルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどの(メタ)アクリル酸のC2~18アルコキシアルキルエステルなどが挙げられる。
上記オレフィン系化合物およびジエン化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。
上記炭化水素環含有不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記含窒素不飽和モノマーとしては、例えば、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミドなどの重合性アミド類;2-ビニルピリジン、1-ビニル-2-ピロリドン、4-ビニルピリジンなどの芳香族含窒素モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの重合性ニトリル;アリルアミンなどが挙げられる。
上記加水分解性アルコキシシリル基含有モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
上記エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらのカルボキシル基を有するビニルモノマーおよびその他のビニルモノマーの共重合法としては、一般的なビニルモノマーの重合法を用いることができるが、汎用性やコストなどの観点から、有機溶剤中における溶液型ラジカル重合法が最も適している。
エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b-1)の反応は、例えば、エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b-1)を混合し、必要に応じてエポキシ基/カルボキシル基反応触媒の存在下で、通常約120~約150℃の温度において1~10時間程度加熱することにより行なうことができ、これによりアクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)が得られる。
エポキシ基/カルボキシル基反応触媒としては、テトラエチルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム塩触媒やアミン触媒などを使用することができる。
また、アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)は、重合開始剤の存在下で、重合性不飽和モノマー(b-2)を、エポキシ樹脂(a)にグラフト重合又は共重合反応することによってアクリル鎖を形成し得た樹脂であってもよい。かかるグラフト重合又は共重合反応させるための重合性不飽和モノマー(b-2)としては、例えば、カルボキシル基含有アクリル樹脂(b-1)に関して前記で例示した如き、カルボキシル基を有するビニルモノマー;水酸基を有するビニルモノマー;(メタ)アクリル酸エステル;オレフィン系化合物およびジエン化合物;炭化水素環含有不飽和モノマー;含窒素不飽和モノマー;加水分解性アルコキシシリル基含有モノマー;エポキシ基含有モノマーなどから適宜選択して使用することができる。これらのうち、カルボキシル基含有ビニルモノマーを重合性不飽和モノマーとして含む場合には、これに由来するカルボキシル基がエポキシ樹脂(a)中のエポキシ基と反応する。
エポキシ樹脂(a)に対する重合性不飽和モノマー(b-2)のグラフト重合又は共重合は、例えば、アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)を得るには、エポキシ樹脂(a)100質量部に対して重合性不飽和モノマー(b-2)を通常10~2,000質量部、好ましくは15~500質量部、さらに好ましくは30~200質量部の範囲内となる割合で混合し、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドなどの重合開始剤、好ましくはグラフト化を効率良く進行させるためにベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤の存在下に、通常約60~約150℃の温度で1~10時間程度加熱することにより行なうことができ、この製法でもアクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)を得ることができる。
上記アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)は、さらに、二塩基酸(c)で変性されたものであることが望ましい。該二塩基酸は、アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)中のエポキシ樹脂(a)成分に重付加反応し、エポキシ樹脂を鎖伸長するものである。これによって得られるアクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)が高分子量化し、その結果、本発明の塗料組成物から形成される塗膜の応力が適度に緩和され、長期間にわたって優れた付着性を発揮させることができる。二塩基酸による変性は、アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)の製造の過程で反応系に二塩基酸(c)を加えることにより行うこともできるし、或いは生成するアクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)に更に二塩基酸(c)を反応させることにより行なうことができる。
上記アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)の製造の過程で反応系に二塩基酸(c)を加える方法としては、具体的には、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するエポキシ樹脂(a)、カルボキシル基含有アクリル樹脂(b-1)及び二塩基酸(c)を反応させて得る方法と、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するエポキシ樹脂(a)、重合性不飽和モノマー(b-2)及び二塩基酸(c)を反応させて得る方法とが挙げられる。
該二塩基酸(c)としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールA、水素添加ダイマー酸、水素添加ナフタレンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、ダイマー酸などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)は、また、初期乾燥性などの観点から、フェノール性水酸基を有するものであることが好ましい。アクリル変性エポキシ樹脂へのフェノール性水酸基の導入は、通常、アクリル変性エポキシ樹脂中のエポキシ基とカルボキシル基含有フェノールのカルボキシル基との反応により行うことができる。該カルボキシル基含有フェノールとしては、例えば、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシメチル安息香酸などが挙げられる。該フェノール性水酸基の導入によって、アクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)の硬化の程度を高めることができ、しかも、本発明のシーラー塗料組成物による塗膜が長期にわたって多種多様な基材に対する付着性を発揮する効果を与えることができる。
上記のごとくして得られるアクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)は、分子中にエポキシ基を有しており、一般に450~1500、好ましくは500~1350、さらに好ましくは600~1200の範囲内の固形分あたりのエポキシ当量および一般に600~50000、好ましくは800~40000、さらに好ましくは1000~30000の範囲内の重量平均分子量を有することができる。
本発明のシーラー塗料組成物における樹脂(A)の配合割合は、付着性及び上塗りの仕上がり性などの観点から、樹脂(A)及び硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、固形分として50~99質量部、好ましくは70~95質量部の範囲内にあることが好適である。
本発明のシーラー塗料組成物におけるアクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)の配合割合は、付着性及び上塗りの仕上がり性などの観点から、樹脂(A)及び硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、固形分として50~99質量部、好ましくは70~95質量部の範囲内にあることが好適である。
本明細書において、「エポキシ当量」は、エポキシ基1グラム当量あたりの樹脂(固形分)の質量(g)であり、JISK7236(1995)に準拠して次のようにして測定することができる:
試料をクロロホルムおよび酢酸で溶解し、その溶解液に、臭化テトラエチルアンモニウム100gを酢酸400mlに溶解した溶液を10ml加え、クリスタルバイオレットを指示薬として過塩素酸酢酸溶液で滴定し、下記式により算出する。
エポキシ当量(g/eq)=1000×m/(C×V)
m:試料固形分質量(g)、
C:滴定液の過塩素酸酢酸の濃度、
V:滴定量。
硬化剤(B)
本発明において使用される硬化剤(B)は、前記樹脂(A)と反応し硬化する化合物であれば特に制限なく使用することができる。
前記樹脂(A)がエポキシ樹脂(A1)である場合、硬化剤(B)はポリアミン化合物であることが好ましい。
上記ポリアミン化合物は、脂肪族系、脂環族系及び芳香族系のいずれのものであってもよい。また、第1級アミノ基を有する限り、ポリアミド類であってもよい。該ポリアミン化合物は、エポキシ樹脂と硬化反応を行なう第1級アミノ基を有することが必要であるが、一般に約2,000以下、好ましくは約30~約1,000の範囲内の活性水素当量を持つことが有利である。
ここで、本明細書中において活性水素当量とは、活性水素1当量あたりの分子量を意味する。
該ポリアミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミンなどの脂肪族ポリアミン類;メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン類;イソホロンジアミン、シクロヘキシルプロピルアミン、ノルボルネンジアミンなどの脂環族ポリアミン類;分子末端に第1級アミノ基を有するポリアミド類等が挙げられる。
前記ポリアミン化合物はケチミン化されたものであってもよい。ケチミン化するために使用し得るカルボニル化合物としては、通常用いられる任意のケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルt-ブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。また、ポリアミン化合物をアルジミン化するために使用するカルボニル化合物として、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどのアルデヒドを使用することができる。
ポリアミン化合物とカルボニル化合物との反応は、それ自体公知の方法によって行なうことができ、その際存在する第1級アミノ基の実質的にすべてがカルボニル化合物と反応するような量的割合及び反応条件を用いることが望ましい。該反応は、脱水反応であり、これを容易に進行させるためには、カルボニル化合物として、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンのような水溶性に乏しく且つ立体障害の小さいケトン類を使用することが一般に有利である。
本発明におけるシーラー塗料組成物における硬化剤(B)の固形分含有量は、シーラー塗料組成物の全固形分質量を基準として、1~50質量%、好ましくは2~30質量%の範囲内にあることが付着性の観点から好ましい。
シランオリゴマー(C)
本発明において使用されるシランオリゴマー(C)は、シロキサン結合(-OSiO-)を1分子内に2個以上有する化合物であり、重量平均分子量が350以上、好ましくは500~30000、好ましくは650~20000の範囲内であり、加水分解性シリル基を含む化合物である。
上記シランオリゴマー(C)は、特に、加水分解性シリル基と、加水分解性シリル基以外の有機基とを含む化合物であることが好ましい。
上記有機基は、エポキシ基、アミノ基、及びメルカプト基から選ばれる、好ましくはエポキシ基及びアミノ基から選ばれる、少なくとも1つの有機基であることが好ましい。
本発明ではシーラー塗料組成物がかかるシランオリゴマー(C)を含むことによって、低温の環境下においても多種多様な基材に対する付着性に優れるという効果がある。
かかるシランオリゴマー(C)は、例えば、下記一般式(I)で表される加水分解性シランの加水分解縮合物(a1)、及び/又は、該加水分解性シランと下記一般式(II)で表される加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)である。
Figure 0007118544000005

[式(I)中、Rはエポキシ基、アミノ基及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1つの有機基であり、Xは同一又は異なっても良い加水分解性基、aは1~3の整数を示す]、
Figure 0007118544000006

[式(II)中、Rはエポキシ基、アミノ基及びメルカプト基を有さない有機基であり、Xは同一又は異なっても良い加水分解性基、aは0~3の整数を示す]。
前記Rが表すエポキシ基を含有する有機基としては、具体的には、グリシドキシプロピル基等のグリシドキシ基、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル基、(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基等の3,4-エポキシシクロヘキシルアルキル基等を挙げることができる。
前記Rが表すアミノ基を含有する有機基としては、具体的には、アミノプロピル基等のアミノアルキル基、N-フェニルアミノプロピル基等のN-フェニルアミノアルキル基、等を挙げることができる。
前記Rが表すメルカプト基を含有する有機基としては、具体的には、メルカプトプロピル基等のメルカプトアルキル基等を挙げることができる。
前記Xは加水分解性基であり、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、アミノキシ基、ハロゲン原子などが挙げられるが、入手しやすい炭素数1~6のアルコキシ基が好ましく、加水分解縮合の反応速度の点から、メトキシ基が好ましい。
前記一般式(I)で表される加水分解性シランとしては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルジメトキシシランなどのエポキシ基含有加水分解性シラン;
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩などのアミノ基含有加水分解性シラン;3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有加水分解性シラン;が挙げられる。
前記Rが表すエポキシ基、アミノ基、及びメルカプト基を有さない有機基としては、耐擦り傷性の点から、炭素数1~18の1価の有機基が好ましく、直鎖でも分岐していてもよく、ウレタン結合、エステル結合、エーテル結合等を有していても良く、フッ素などのハロゲン等により置換されていても良い。
前記一般式(II)で表される加水分解性シランとして具体的には、例えば、前記aが0~3の整数であり、単官能性、2官能性、3官能性又は4官能性の加水分解性シランである。
a=3である単官能性の加水分解性シランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルイソプロピルプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどを挙げることができる。
a=2である2官能性の加水分解性シランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルジメトキシシラン;ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等のオルガノハロシランなどを挙げることができる。
a=1である3官能性の加水分解性シランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名「KC-89S」、信越化学工業製)、p-スチリルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン;メトキシPEG-10プロピルトリメトキシシラン等のポリアルキレングリコール変性トリメトキシシランなどを挙げることができる。
a=0である4官能性の加水分解性シランとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラフェノキシシランなどのテトラアルコキシシラン;テトラクロロシランなどのテトラハロシランを挙げることができる。
前記一般式(II)で表される加水分解性シランとしては、なかでも、付着性の観点からa=0である4官能性の加水分解性シランであることが好ましく、特にテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランであることが好ましい。
単官能性、2官能性、3官能性又は4官能性の加水分解性シランは、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC-8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G3000HXL」、「TSKgel G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
前記シランオリゴマー(C)がエポキシ基を有する場合、のエポキシ当量は、付着性と硬化性の点から、150~1,000(g/eq)、好ましくは200~800(g/eq)の範囲内が好適である。
シランオリゴマー(C)は、一般的なオルガノシランオリゴマーの製造に用いられている製造方法と従来公知の化学反応とを組み合わせることにより得ることができる。例えば、以下の製造方法を用いて製造することができる。
具体的には例えば、出発物質に前記式(I)で表される加水分解性シランと、必要に応じて前記式(II)で表される加水分解性シランとを、水及び触媒の存在下で加水分解縮合反応を行う方法が挙げられる。
シランオリゴマー(C)は、特に付着性の点から、前記一般式(I)で表される有機基含有加水分解性シランの加水分解縮合物(C1)、及び/又は、該有機基含有加水分解性シランと前記一般式(II)で表される有機基を有さない加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(C2)が好ましく、特に前記一般式(I)で表される加水分解性シランと前記一般式(II)で表される加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(C2)が好ましい。
上記のうち、シランオリゴマー(C)が、前記加水分解化合物(C2)である場合には、前記式(I)で表される加水分解性シランと前記式(II)で表される加水分解性シランとの割合はモル比で99/1~20/80、好ましくは85/15~30/70の範囲内で調整されることが望ましい。
前記シランオリゴマー(C)は、前記加水分解縮合物(C1)と前記加水分解縮合物(C2)を併用してもよい。
本発明に使用するシランオリゴマー(C)の製造方法においては、前記触媒の存在下で、pH1~7.5、好ましくはpH2~7の範囲内に調整されることが好適である。上記pH領域で反応させることで合成中にゲル化や、凝集物が発生したりすることを抑制できる。
触媒としては、前記pH領域に調整できるものであれば、その種類は特に制限はなく、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、安息香酸、マロン酸、グルタール酸、トルエンスルホン酸などの有機酸類もしくはフッ化水素、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸類、又は表面にカルボン酸基やスルホン酸基を有する陽イオン交換樹脂等の固体酸触媒等が挙げられる。
前記触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、多すぎるとコスト高になる、合成中や貯蔵中にゲル化する等の問題があり、少ないと反応が遅くなる場合がある。
そのため、出発物質として配合される加水分解性シラン100質量部に対して0.1~20質量部、好ましくは0.5~15質量部の範囲が適当である。
前記加水分解縮合反応において、有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒を用いることは、ゲル化を防止する点及び製造時の粘度を調節できる点から好ましい。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類を使用することができる。
加水分解縮合時の反応温度としては、通常0~200℃、好ましくは10~190℃、さらに好ましくは10~120℃である。また、この反応は圧力によらず実施できるが、0.02~0.2MPaの圧力範囲が好ましく、特に0.08~0.15MPaの圧力範囲が好ましい。当該反応は、通常、1~15時間程度で終了する。
加水分解縮合後の混合液からは、反応で生成したアルコール、溶媒及び触媒を公知の手法で除去してもよい。尚、得られた生成物は、その目的に応じて、洗浄、カラム分離、固体吸着剤による吸着等の各種の精製法によって触媒を除去し、さらに精製してもよい。効率の点から水洗により反応で生成したアルコール及び触媒を除去することが好ましい。
ここで、前記加水分解縮合反応において前記加水分解性シランの加水分解性基の縮合割合によりシランオリゴマーの構造が変化するが、本製造方法により得られる生成物には、Si-OH基が100%縮合した、完全籠型構造、Si-OH基が残存した直鎖状、分岐状、ラダー構造、不完全籠型構造及び/又はランダム縮合体のシランオリゴマーが含まれる場合がある。本製造方法により得られるシランオリゴマー(C)は、それら完全籠型構造、直鎖状、分岐状、ラダー構造、不完全籠型構造及び/又はランダム縮合体のいずれであってもよい。
前記シランオリゴマー(C)の含有量は、本発明のシーラー塗料組成物中の樹脂(A)及び硬化剤(B)の合計固形分100質量部に対して、付着性の点から、2~20質量部、好ましくは3~10質量部の範囲内が好適である。
顔料(D)
本発明のシーラー塗料組成物は、下地隠蔽性の点から、前記成分(A)~(C)に加えてさらに顔料(D)を含んでも良い。
顔料(D)としては、着色顔料、体質顔料、金属粉等を挙げることができる。これらは、単独でもしくは二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記着色顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄、黄鉛、等の無機着色顔料、フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機着色顔料を挙げることができる。また、体質顔料としては、石英粉、タルク、酸化アルミナ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、マイカ等を挙げることができる。金属粉としては、ステンレス粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母粉等を、それぞれ挙げることができる。
特に光触媒系コーティングによる旧塗膜に対しても付着性が良好である点から、顔料として無機顔料及び体質顔料を使用することが適している。
顔料(D)を含有する場合、その場合の含有量は、本発明のシーラー塗料中の樹脂(A)及び硬化剤(B)の固形分100質量部に対して、多種多様な基材及び上塗り塗膜に対する付着性が良好である点から、0.1~400質量部、好ましくは30~100質量部の範囲内が好適である。
シーラー塗料組成物
本発明のシーラー塗料組成物は、1液型組成物としても2液型組成物としてもよく、2液型組成物とする場合には、一般に成分(A)及び(C)を含有する主剤と、成分(B)を含有する硬化剤とを、塗装直前に混合して使用に供される。また、本発明の上記組成によって、塗装時の固形分を15~70%、好ましくは20~65%とすることが可能である。
本発明のシーラー塗料組成物を1液型組成物とする場合には、脱水剤を配合することが好ましい。脱水剤としては、それ自体既知の脱水剤を使用することができ、例えば、オルソギ酸メチル、オルソギ酸エチル、オルソ酢酸メチル、オルソ酢酸エチル、ジメトキシプロパンなどが挙げられる。
本発明のシーラー塗料組成物が2液型組成物の場合、エポキシ/アミンの反応を促進するため硬化触媒を含有してもよい。該硬化触媒としては例えば第3級アミンが挙げられ、含有量としては樹脂固形分100質量部に対して1~5質量部程度である。第3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどが挙げられ、特に2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールが好適である。該硬化触媒を配合することで、成膜後の硬化反応を促進させ、上塗り塗装後のツヤビケなどの不具合を防止することができる。
本発明のシーラー塗料組成物には、さらに増粘剤、消泡剤、可塑剤、充填剤及び分散剤等の添加剤、ならびに有機溶剤を適宜配合することができる。
<塗装方法>
本発明のシーラー塗料組成物を塗装すべき被塗面としては、特に制限されるものではなく、所望により下地処理された金属素材(鉄板、亜鉛めっき、ステンレス、アルミニウム等)、アルカリ性を有する基材(コンクリート、石材、モルタル、スレート、スレート瓦)等、窯業系基材、プラスチック、木材等、並びにそれら基材面上の旧塗膜面を挙げることができる。
上記窯業基材は無機コーティングによって表面処理された窯業基材であることが好ましい。
該無機コーティングは、親水性あるいは疎水性の無機コーティング、及び光触媒系の無機コーティングであることが好ましい。
本発明のシーラー塗料組成物は、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗り等の公知の手段で塗装することができる。
本発明のシーラー塗料組成物の塗布量は用途によって適宜調整でき、特に制限されるものではないが、一般には、70~300g/m、80~150g/mの範囲内が適当である。
本発明のシーラー塗料組成物は常温乾燥の条件でも容易に架橋することができ、耐食性、種々の基材及びその上に設けられる上塗り塗膜に対する密着性に優れた塗膜が得られるものであるが、必要に応じて強制乾燥又は加熱乾燥をしてもよい。
また、本発明のシーラー塗料組成物を塗装、必要に応じて乾燥させた塗膜の上に、上塗り塗料を塗装することができる。この上塗り塗料としては特に制限はなく、例えば、アルキド樹脂系、塩化ゴム系、エポキシ樹脂系、シリコンアルキド樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、シリコンアクリル樹脂系、フッ素樹脂系などの有機溶剤系又は水系の上塗り塗料を使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。
アクリル変性エポキシ樹脂の調整
製造例1
ミネラルスピリット100部および「エピクロンHP-820」(商品名、DIC社製、4-t-ブチルカテコールとエピクロルヒドリンとの誘導体、エポキシ当量225、重量平均分子量450)588部を窒素気流下で135℃に加熱し、下記のビニルモノマーおよび重合開始剤の混合物を2時間で滴下し、滴下後1時間熟成した。
アクリル酸 12部
2-エチルヘキシルアクリレート 72部
スチレン 336部
t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート 13部、
次いでミネラルスピリット100部、「ハリダイマー200」(商品名、ハリマ化成社製、ダイマー酸、酸価192)168部およびテトラブチルアンモニウムブロマイド1.2部を仕込み135℃に加熱し、約1時間反応を行った。さらにサリチル酸24部を仕込み、約1時間反応を行い、樹脂酸価が1mgKOH/g以下になったところでミネラルスピリット587部を添加し、アクリル変性エポキシ樹脂溶液(A-1)を得た。該樹脂溶液は、加熱残分60%、固形分当たりのエポキシ当量は690、重量平均分子量は25,000であった。
製造例2
「スワゾール310」(商品名、コスモ石油株式会社製、沸点149~177℃)87部、「jER828」(商品名、ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量185のビスフェノールA型エポキシ樹脂)210部および「ハリダイマー200」90部を窒素気流下で135℃に加熱し、下記のビニルモノマーおよび重合開始剤の混合物を2時間で滴下し、滴下後1時間熟成した。
アクリル酸 6部
2-エチルヘキシルアクリレート 45部
2-エチルヘキシルメタクリレート 45部
スチレン 204部
t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート 18部、
次いでテトラブチルアンモニウムブロマイド0.6部を仕込み、約2時間反応を行った。さらにサリチル酸12部を仕込み、約1時間反応を行い、樹脂酸価が1mgKOH/g以下になったところで「スワゾール310」303部を添加し、アクリル変性エポキシ樹脂溶液(A-2)を得た。該樹脂溶液は、加熱残分60%、固形分当たりのエポキシ当量は940、重量平均分子量は30,000であった。
製造例3
反応容器に、「jER828」112.5部、「バーサダイム216」(商品名、ヘンケル白水(株)製品、ダイマー酸、酸価195)37.5部およびテトラエチルアンモニウムブロマイド0.03部を仕込み、窒素気流下で130℃に加熱し、約3時間反応を行ないエポキシエステル樹脂を得た。得られたエポキシエステル樹脂のエポキシ当量は323であった。次いで、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液(*注)250部およびテトラエチルアンモニウムブロマイド0.06部を仕込み、120℃に加熱して約2時間反応を行ない、樹脂酸価が0.3mgKOH/g以下になったところでミネラルスピリット100部を添加し、アクリル変性エポキシ樹脂溶液(A-3)を得た。得られたアクリル変性エポキシ樹脂溶液(A-3)の加熱残分は61%、固形分あたりのエポキシ当量は803、重量平均分子量は20,000であった。
(*注)カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液
加熱装置、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入装置および滴下ロートを備えた4ツ口フラスコにミネラルスピリット704部を仕込み、窒素ガスを導入しながら加熱撹拌し、130℃になったところで下記組成の混合物を3時間にわたって均一に滴下し、滴下後2時間熟成後得た樹脂溶液。
アクリル酸 60部、スチレン 60部、エチルアクリレート 60部、イソブチルメタクリレート 720部、2-エチルヘキシルメタクリレート 300部、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート 96部。加熱残分:61%、重量平均分子量:約10,000、樹脂酸価:39mgKOH/g。
シランオリゴマー(C)の調整
製造例4
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、「KBM-403」(商品名、信越化学工業社製、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、分子量236.34)236部(1.0mol)、「KBE-04」(商品名、信越化学工業株式会社、テトラエトキシシラン、分子量208)364部(1.75mol)及びメタノール32部(1.0mol)を入れ、室温下混合撹拌した。次に撹拌しながら0.05N塩酸水10部を30分かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて75℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら2時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、エポキシ基を有するシランオリゴマー(C-1)を作成した。生成物(C-1)について120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は72%であった。また、重量平均分子量は1000、エポキシ当量は560g/eqであった。
製造例5
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、「KBM-403」236部(1.0mol)とメタノール32部(1.0mol)を入れ、室温下混合撹拌した。次に撹拌しながら0.05N塩酸水10部を30分かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて75℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら2時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、エポキシ基を有するシランオリゴマー(C-2)を作成した。生成物(C-2)について120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は80%であった。また、重量平均分子量は1,100、エポキシ当量は200g/eqであった。
製造例6
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、「KBM-403」236部(1.0mol)、「KBM-13」(商品名、信越化学工業株式会社、メチルトリメトキシシラン、分子量136.22)27部(0.2mol)及びメタノール32部(1.0mol)を入れ、室温下混合撹拌した。次に撹拌しながら0.05N塩酸水10部を30分かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて75℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら2時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、エポキシ基を有するシランオリゴマー(C-3)を作成した。生成物(C-3)について120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は72%であった。また、重量平均分子量は1,000、エポキシ当量は230g/eqであった。
製造例7
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、「KBE-402」(商品名、信越化学工業社製、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、分子量248)248部(1.0mol)、「KBE-04」354部(1.7mol)及びメタノール32部(1.0mol)を入れ、室温下混合撹拌した。次に撹拌しながら0.05N塩酸水10部を30分かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて75℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら2時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、エポキシ基を有するシランオリゴマー(C-4)を作成した。生成物(C-4)について120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は72%であった。また、重量平均分子量は1000、エポキシ当量は560g/eqであった。
製造例8
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、「KBE-903」(商品名、信越化学工業株式会社、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、分子量221)221部(1.0mol)、「KBE-04」390部(1.88mol)及びメタノール32部(1.0mol)を入れ、室温下混合撹拌した。次に撹拌しながら0.05N塩酸水10部を30分かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて75℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら2時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、アミノ基を有するシランオリゴマー(C-5)を作成した。生成物(C-5)について120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は72%であった。また、重量平均分子量は1000、活性水素当量は280g/eqであった。
シランオリゴマー(C-6)として、「ES40」(商品名、コルコート社製、テトラエトキシシランの平均5量体、分子量745.2)を使用した。
シーラー塗料組成物の調整
実施例1
攪拌混合容器に、樹脂(A-1)を90部(固形分)、アルコキシシラン縮合物(C-1)を6部(固形分)、酸化チタンを30部(固形分)、炭酸カルシウム36部(固形分)、ミネラルスピリッツを20部、「スワゾール1000」(商品名、コスモ石油社製、芳香族炭化水素系溶剤)を17部となるように添加して攪拌混合し、主剤を得た。該主剤に、硬化剤(B-1)10部を使用直前に混合し、シーラー塗料組成物を得た。
硬化剤(B-1):ノルボルネンジアミンのメチルイソブチルケトンによるケチミン化物、活性水素当量83。
実施例2~15、比較例1~4
実施例1において、表1の配合組成とする以外は実施例1と同様の操作で各シーラー塗料組成物を得た。
表1中の数値は、溶剤については液体の量、その他については固形分量を記載している。
なお、表1における各成分は以下の通りである。
ハリポールEP-450:アルキルフェノール変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の固形分60%有機溶剤溶液、商品名、ハリマ化成グループ社製、エポキシ当量:700、
硬化剤(B-2):「ラッカマイドB2201-70ES」商品名、DIC社製、ポリアミド系ポリアミン、活性水素当量:126、
硬化剤(B-3):「ガスカミン240」商品名、三菱ガス化学社製、メタキシリレンジアミンとスチレンの反応性生物、活性水素当量:103、
硬化剤(B-4):「SUNMIDE CX-105」商品名、エアープロダクツジャパン社製、フェナルカミン、活性水素当量:130。
Figure 0007118544000007
Figure 0007118544000008
被塗物の調整
被塗物1
疎水性無機サイディングとして、「エクセレージセラ15サンドフェスタ」(商品名、KMEW社製)を用いた。
被塗物2
親水性無機サイディングとして、「エクセレージ光セラ16プレーンストライプ」(商品名、KMEW社製、サイディング材に無機塗料組成物及び光触媒コーティング材を塗布して得られた複層塗膜を最表面に有する窯業基材)を用いた。
被塗物3
汎用サイディングとして、「グランスペック60」(商品名、ニチハ製、サイディング材に有機塗料組成物を塗布して得られた塗膜を最表面に有する窯業基材)を用いた。
被塗物4
磁器タイルとして、「SGR-100」(商品名、DANTO社製)を用いた。
被塗物5
FRPとして、「ガラス繊維強化プラスチックシート」(商品名、パルテック社製、ガラス繊維強化プラスチックテストパネル)を用いた。
被塗物6
スレートとして「スレートボード」(商品名、パルテック社製、スレートテストパネル)を用いた。
被塗物7
カイナーフッソとして、アルミ基材に「フッカロン」(商品名、関西ペイント社製、フッ化ビニリデンタイプフッ素樹脂塗料)を塗布して得られた塗膜を最表面に有する窯業基材を用いた。
被塗物8
旧塗膜として、以下の試験片を用いた。
「ボンデ鋼板」(商品名、パルテック社製、電気亜鉛めっき鋼板)上に、「スーパーザウルスIIグレー」(商品名、関西ペイント社製、建築用ターペン可溶変性エポキシ樹脂系下塗塗料)を、刷毛を用いて塗布量が100g/mとなるように塗装し、室温にて24時間乾燥させることで塗膜を形成した。次いで、「セラMレタン白」(商品名、関西ペイント社製、低汚染形セラミック変性ターペン可溶ウレタン樹脂塗料)を、刷毛を用いて、塗布量が100g/mとなるように塗装し、室温にて4時間乾燥させた後、同製品を、刷毛を用いて、塗布量が100g/mとなるように塗装し、塗り重ね、室温にて7日間乾燥することで塗膜を得た。この塗膜をJIS K 5600-7-7に規定するキセノンランプ法の方法1、サイクルAにより300時間照射したもの。
試験板の作成
被塗物1~8上に、前記実施例で得たシーラー塗料組成物を、温度5℃、相対湿度50%の条件下で刷毛を用いて、塗布量が100g/mとなるように塗装し、24時間放置し、シーラー塗膜を形成した。次いで、「セラMレタン白」を、刷毛を用いて、塗布量が100g/mとなるように塗装し、温度5℃、湿度50%にて24時間乾燥させた後、同製品を、刷毛を用いて、塗布量が100g/mとなるように塗装し、温度5℃、相対湿度50%にて7日間乾燥することで評価用試験板を得た。
塗膜評価
上記のようにして得られた各試験板について塗膜の性能を評価し、表1にその結果を示した。
付着性
各試験板を23℃の水に7日間浸漬して引き上げた。2時間経過後にナイフを用いて試験板の素地に達するようにクロスカット傷を入れ、粘着テープを貼り付けて、急激に剥離し、付着性を下記基準で評価した。
◎:剥離がない
○:剥離率5%未満
△:剥離率5%以上15%未満
×:剥離率15%以上35%未満1:剥離率35%以上。
以上、本発明の実施形態及び実施例について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。

Claims (11)

  1. 樹脂(A)、硬化剤(B)及びシランオリゴマー(C)を含むシーラー塗料組成物であって、
    前記樹脂(A)が、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するエポキシ樹脂(a)と、カルボキシル基含有アクリル樹脂(b-1)又は重合性不飽和モノマー(b-2)と、二塩基酸(c)とを反応させて得られる、二塩基酸で変性されたアクリル変性エポキシ樹脂(A1-1)であり、
    上記シランオリゴマー(C)が、重量平均分子量が350以上であり、加水分解性シリル基を含む化合物である、シーラー塗料組成物。
  2. 前記樹脂(A)及び前記硬化剤(B)の合計固形分含有量が、前記シーラー塗料組成物の全固形分質量を基準として10~70質量%である請求項1に記載のシーラー塗料組成物。
  3. 前記硬化剤(B)がケチミン化合物である請求項1又は2に記載のシーラー塗料組成物。
  4. 前記シランオリゴマー(C)が加水分解性シリル基と加水分解性シリル基以外の有機基とを含む請求項1~3のいずれか1項記載のコーティング組成物。
  5. 前記有機基が、エポキシ基、アミノ基及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1種の有機基である請求項に記載のシーラー塗料組成物。
  6. 前記シランオリゴマー(C)が、下記一般式(I)で表される加水分解性シランの加水分解縮合物(a1)、及び/又は、該加水分解性シランと下記一般式(II)で表される加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)である請求項1~のいずれか1項に記載のコーティング組成物
    Figure 0007118544000009
    [式(I)中、R1はエポキシ基、アミノ基、及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1つを有する有機基であり、Xは同一又は異なっても良い加水分解性基、aは1~3の整数を示す]、
    Figure 0007118544000010
    [式(II)中、R2はエポキシ基、アミノ基、及びメルカプト基を有さない有機基であり、Xは同一又は異なっても良い加水分解性基、aは0~3の整数を示す]。
  7. 顔料(D)をさらに含む請求項1~のいずれか1項に記載のシーラー塗料組成物。
  8. 基材に請求項1~のいずれか1項に記載のシーラー塗料組成物を塗装する段階を含んでなる塗装方法。
  9. 前記基材が窯業基材である請求項に記載の塗装方法。
  10. 前記窯業基材が無機コーティングによって表面処理された窯業基材である請求項に記載の塗装方法。
  11. 前記無機コーティングが光触媒系の無機コーティングである請求項10に記載の塗装方法。
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