JP2002317118A - 硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物

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JP2002317118A
JP2002317118A JP2001124213A JP2001124213A JP2002317118A JP 2002317118 A JP2002317118 A JP 2002317118A JP 2001124213 A JP2001124213 A JP 2001124213A JP 2001124213 A JP2001124213 A JP 2001124213A JP 2002317118 A JP2002317118 A JP 2002317118A
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Shinichi Kudo
伸一 工藤
Masahiro Miyake
正浩 三宅
Masataka Ooka
正隆 大岡
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック基材に対する付着性、光沢保持
性等の耐久性、及び耐曝露汚染性に優れる硬化物を形成
可能な硬化性樹脂組成物、それを用いた塗料、及び該塗
料を塗装して得られる塗装物を提供すること。 【解決手段】 珪素原子に結合した水酸基及び/又は珪
素原子に結合した加水分解性基を有するポリシロキサン
セグメント(A)とポリシロキサン以外の重合体セグメ
ント(B)より構成される複合樹脂(C)と、アミノ基
を有する重合体(D)と、一分子中にエポキシ基を少な
くとも2個有する化合物及び一分子中にエポキシ基と珪
素原子に結合した加水分解性基とを併有する化合物より
なる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ基含有化
合物(E)とを含有する硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る硬化性樹脂組成物と、該硬化性組成物を必須成分とし
て含有してなる塗料と、該塗料を塗装せしめてなる塗装
物に関する。詳しくは、特定のポリシロキサンセグメン
トとポリシロキサン以外の重合体セグメントより構成さ
れる複合樹脂と、アミノ基を有する重合体と、特定のエ
ポキシ基含有化合物とを、必須成分して含有してなる硬
化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物を必須成分として
含有してなる塗料、並びに、該塗料を塗装せしめてなる
塗装物に関するものである。
【0002】さらに詳細には、プラスチック基材に対す
る付着性に優れ、且つ、光沢保持性に代表される耐久性
や耐曝露汚染性に優れる硬化物を形成することができ
る、硬化性樹脂組成物、該硬化性組成物を必須成分とし
て含有する塗料、並びに、該塗料を塗装せしめて得られ
る塗装物にも関する。
【0003】
【従来の技術】これまでにも、珪素原子に結合した水酸
基および/または珪素原子に結合した加水分解性基を含
有するポリシロキサンセグメントとポリシロキサン以外
の重合体セグメントからなる複合樹脂を必須成分として
含有する硬化性樹脂組成物(特公昭63−2310号公
報、特開平9−25455号公報および特開平9−15
7396号公報等)が、光沢保持率に代表される耐久性
や耐曝露汚染性に優れる硬化物を形成することができる
硬化性樹脂組成物ことから、幅広く、利用されている。
しかし、このような複合樹脂を主成分とする硬化性樹脂
組成物は、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル
樹脂、ABS樹脂またはノリル樹脂等に代表されるプラ
スチック基材に対する付着性が低いという問題点があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに本発明者ら
は、上述したような従来型技術における種々の問題点を
悉く解消するべく、鋭意研究を開始した。したがって、
本発明が解決しようとする課題は、プラスチック基材に
対する付着性に優れ、且つ、光沢保持性に代表される耐
久性や耐曝露汚染性に優れる硬化物を形成することが可
能な硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物を必須成分
として含有する塗料、並びに、該塗料を塗装せしめて得
られる塗装物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述の課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、珪素
原子に結合した水酸基および/または珪素原子に結合し
た加水分解性基を有するポリシロキサンセグメントとポ
リシロキサン以外の重合体セグメントより構成される複
合樹脂と、アミノ基を有する重合体と、一分子中にエポ
キシ基を少なくとも2個有する化合物および一分子中に
エポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基を併有す
る化合物よりなる群より選ばれる少なくとも1種のエポ
キシ基含有化合物とを、必須成分として含有してなる硬
化性樹脂組成物が、ポリスチレン、ポリカーボネート、
アクリル樹脂、ABS樹脂またはノリル樹脂等に代表さ
れるプラスチック基材に対して優れた付着性を有するこ
と見いだすとともに、該硬化性樹脂組成物が、光沢保持
性に代表される耐久性や耐曝露汚染性に優れる硬化物を
形成することを見いだし、本発明を完成させるに到っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、珪素原子に結合した
水酸基および/または珪素原子に結合した加水分解性基
を有するポリシロキサンセグメント(A)とポリシロキ
サン以外の重合体セグメント(B)より構成される複合
樹脂(C)と、アミノ基を有する重合体(D)と、一分
子中にエポキシ基を少なくとも2個有する化合物および
一分子中にエポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性
基を併有する化合物よりなる群から選ばれる少なくとも
1種のエポキシ基含有化合物(E)とを、必須成分とし
て含有する硬化性樹脂組成物、さらには、上述した硬化
性樹脂組成物を必須成分として含有してなる塗料、さら
にまた、該塗料を塗装せしめてなる塗装物を提供するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、さらに一層、
詳細に、説明することにする。本発明の硬化性樹脂組成
物は、珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原
子に結合した加水分解性基を有するポリシロキサンセグ
メント(A)とポリシロキサン以外の重合体セグメント
(B)より構成される複合樹脂(C)と、アミノ基を有
する重合体(D)と、一分子中にエポキシ基を少なくと
も2個有する化合物および一分子中にエポキシ基と珪素
原子に結合した加水分解性基とを併有する化合物よりな
る群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ基含有化合
物(E)とを、必須成分として含有してなるものであ
る。
【0008】本発明の硬化性樹脂組成物の必須成分の一
つである、前記した複合樹脂(C)とは、前記したポリ
シロキサンセグメント(A)が、前記した重合体セグメ
ント(B)の側鎖および/または末端に、化学的に結合
したグラフト構造および/またはブロック構造を有する
樹脂を指称する。
【0009】そして、かかる複合樹脂(C)における、
ポリシロキサンゼグメント(A)と重合体セグメント
(B)の結合様式としては、下記の構造式(S−1)
【0010】
【化3】
【0011】〔ただし、式中、炭素原子は、重合体セグ
メント(B)の一部分を構成し、2個の珪素原子は、ポ
リシロキサンセグメント(A)またはポリシロキサンセ
グメント(A)の一部分を構成するものとする。〕 あるいは下記の構造式(S−3)
【0012】
【化4】
【0013】〔ただし、式中、炭素原子は、重合体セグ
メント(B)の一部分を構成し、珪素原子は、ポリシロ
キサンセグメント(A)の一部分を構成するものとす
る。〕の結合様式を採用することできるが、高度の耐久
性を達成する観点からは、特に、構造式(S−1)の結
合様式を採用することが好ましい。
【0014】ここで、かかる複合樹脂(C)の構成成分
の一つである、前記したポリシロキサンセグメント
(A)は、一般的にシラノール基と呼称される珪素原子
に結合した水酸基および/または珪素原子に結合した加
水分解性基を有するものである。
【0015】ここにおいて、珪素原子に結合した加水分
解性基とは、珪素原子に結合した、それぞれ、ハロゲン
原子、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アシロキシ
基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド
基、アミノオキシ基、イミノオキシ基またはアルケニル
オキシ基の如き、加水分解されて、シラノール基を生成
する基を指称する。
【0016】また、かかるポリシロキサンセグメント
(A)の代表的ものとしては、下記の一般式(S−2)
【化5】
【0017】(ただし、式中のR1 は、それぞれ、置換
基を有していても有していなくてもよい、アルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはア
ルケニル基なる1価の有機基を、R2はハロゲン原子、
アルコキシ基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェ
ノキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノ
オキシ基、イミノオキシ基またはアルケニルオキシ基を
表わすものとし、また、aは1また は2なる整数であ
るものとする。)で示されるシラン化合物を必須成分と
する珪素化合物類の加水分解縮合物もしくは部分加水分
解縮合物に由来するセグメントなどがある。
【0018】そして、一般式(S−2)で示されるシラ
ン化合物として特に代表的なもののみを例示するなら
ば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、is
o−ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランもしく
は3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキ
シシランの如き、各種のオルガノトリアルコキシシラン
類;
【0019】ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエ
チルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
メチルシクロヘキシルジメトキシシランもしくはメチル
フェニルジメトキシシランの如き、各種のジオルガノジ
アルコキシシラン類;メチルトリクロロシラン、エチル
トリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニル
トリクロロシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジ
エチルジクロロシランもしくはジフェニルジクロロシラ
ンの如き、各種のクロロシラン類などがある。
【0020】これらの加水分解性基を有するシラン化合
物のうちで特に好ましいものは、オルガノトリアルコキ
シシランまたはジオルガノジアルコキシシランである。
【0021】また、上述した各種のシラン化合物に加え
て、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランもし
くはテトラn−プロポキシシランなどの4官能アルコキ
シシラン、あるいは該4官能アルコキシシランの部分加
水分解縮合物を、本発明の効果を損なわないような範囲
で、例えば、ポリシロキサンセグメント(A)を構成す
る全珪素原子のうち、該4官能アルコキシシラン由来の
珪素原子が、20モル%を越えないような範囲で、併用
することができる。
【0022】そして、本発明の硬化性樹脂組成物より形
成される硬化物の耐久性および耐曝露汚染性の点から、
複合樹脂(C)に占めるポリシロキサンセグメント
(A)の重量割合が、5〜95重量%程度になるよう
に、好ましくは、10〜90重量%になるように、さら
に好ましくは、15〜85重量%になるように設定する
のが適切である。
【0023】複合樹脂(C)のもう一方の構成成分であ
る、重合体セグメント(B)の代表的なものとしては、
アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、ビニ
ルエステル系重合体、芳香族ビニル系重合体、ポリオレ
フィン系重合体の如き、各種のビニル系重合体に基づく
セグメントや、ポリウレタン系重合体、ポリエステル系
重合体の如き、ビニル系重合体以外の重合体に基づくセ
グメント等が挙げられる。
【0024】これらのうちでも特に好ましいものとして
は、ビニル系重合体セグメントが挙げられ、そのうち、
特に好ましいものとしては、アクリル系重合体セグメン
トが挙げられる。
【0025】前記した複合樹脂(C)の中で、ポリシロ
キサンセグメント(A)と重合体セグメント(B)と
が、前記した構造式(S−1)で示される結合により結
合しているものの製造法としては、各種の公知慣用の方
法を適用することができる。その中でも、調製の容易さ
の点から、加水分解性基が結合した珪素原子を有し、且
つ、ポリシロキサン以外のセグメントより構成される重
合体(b)と、前記した一般式(S−2)で示されるよ
うなシラン化合物を加水分解縮合反応せしめて得られる
よりポリシロキサン(a−1)とを縮合反応せしめる方
法が、特に好適である。
【0026】かかるポリシロキサン(a−1)を調製す
る際に使用される、前記した一般式(S−2)で示され
るシラン化合物としては、オルガノトリアルコキシシラ
ンまたはジオルガノジアルコキシランを必須成分として
含有するアルコキシシラン類が、特に好適である。
【0027】上述したオルガノトリアルコキシシランま
たはジオルガノジアルコキシランを必須成分として含有
するアルコキシシラン類を使用したポリシロキサン(a
−1)の調製法としては、公知慣用の各種の方法を適用
できる。そして、それらのうちの簡便な一つの方法とし
ては、例えば、特開平9−25455号公報に記載され
ているような、上記したアルコキシシラン類に水と触媒
を添加して加水分解縮合反応を行う方法がある。
【0028】上述の方法において使用する触媒として
は、公知慣用の種々の触媒のいずれをも使用することが
出来るし、しかも、それらは単独使用でも、2種類以上
の併用でもよいことは、勿論である。
【0029】かかる触媒として特に代表的なものを例示
すれば、塩酸、硫酸、燐酸の如き、無機酸類;p−トル
エンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸の如き、
有機酸類;水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの如
き、無機塩基類;テトライソプロピルチタネート、テト
ラブチルチタネートの如き、チタン酸エステル類;
【0030】1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザ
ビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ
−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエ
タノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾー
ルの如き、各種の塩基性窒素原子を含有する化合物類;
テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウ
ム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩の如き各種の
4級アンモニウム塩類であって、対アニオンとして、ク
ロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイ
ドロオキサイドなどを有する4級アンモニウム塩類;ジ
ブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジ
ブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナ
ート、オクチル酸錫またはステアリン酸錫などの如き、
錫カルボン酸塩などがある。
【0031】上記の製造法で使用される、前記した重合
体(b)の具体的なものとしては、アクリル系重合体、
フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合
体、芳香族ビニル系重合体、ポリオレフィン系重合体の
如き、各種のビニル系重合体や、ポリウレタン系重合
体、ポリエステル系重合体の如き、ビニル系重合体以外
の重合体等が挙げられるが、これらのうちでも特に、ビ
ニル系重合体が好適であり、そのうちでも、アクリル系
重合体が、特に好適である。
【0032】また、かかる重合体(b)に導入される、
加水分解性基が結合した珪素原子の具体例としては、例
えば、下記の一般式(S−4)
【0033】
【化6】
【0034】(ただし、式中のR3 はアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基の如き1価の有機基を、R4
はハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、フェノ
キシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アミノ基、
アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基またはアル
ケニルオキシ基を表わすものとし、また bは0あるい
は1または2なる整数であるものとする。)
【0035】で示される加水分解性シリル基である。そ
して、当該加水分解性シリル基は、炭素原子との共有結
合により、重合体(b)と結合しているものであること
が特に好ましい。
【0036】そして、重合体(b)中に導入されるべき
加水分解性シリル基量としては、複合樹脂(C)を調製
する際の著しい粘度の上昇やゲル化を防ぐという点、且
つ、本発明の硬化性樹脂組成物より形成される硬化物の
耐久性の点から、重合体(b)の1,000グラム当た
りの加水分解性シリル基のモル数として、約0.01〜
約2モルなる範囲内が適切であり、好ましくは、0.0
1〜1.5モルなる範囲内が適切であるし、さらに一層
好ましくは、0.05〜1モルなる範囲内が適切であ
る。
【0037】上述の重合体(b)のうち、ビニル系重合
体(b−1)を調製するには、公知慣用の各種の方法を
適用できる。そして、それらのうちの簡便な一つの方法
としては、加水分解性シリル基を有するビニル系単量体
(m−1)と、これと共重合可能なるその他のビニル系
単量体(m−2)からなるビニル系単量体類を使用し
た、例えば、特開平9−25455号公報に記載されて
いるような、溶液ラジカル重合法が挙げられる。
【0038】前記したビニル系重合体(b−1)を調製
する際に用いられる、加水分解性シリル基含有ビニル系
単量体(m−1)とは、前掲したような一般式(S−
4)で示される、加水分解性シリル基を有する単量体を
指称するものであって、かかる単量体として特に代表的
なもののみを例示すれば、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
エトキシシランもしくは3−(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルメチルジメトキシシランなどがある。
【0039】また、前記したビニル系単量体(m−1)
と共重合可能なるその他のビニル系単量体(m−2)と
して特に代表的なもののみを例示すれば、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ter
t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート
の如き、C1 〜C22なるアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸エステル類;ベンジル(メタ)アクリレート、
2−フェニルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種
のアラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレ
ートの如き、各種のシクロアルキル(メタ)アクリレー
ト類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−
メトキシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種のω
−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0040】スチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き、各種
の芳香族ビニル系単量体類;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニルの如き、各
種のカルボン酸ビニルエステル類;クロトン酸メチル、
クロトン酸エチルの如き、各種のクロトン酸のアルキル
エステル類;ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレー
ト、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネートの如
き、各種の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;エ
チレン、プロピレンの如き、各種のα−オレフィン類;
フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレンの如
き、フルオロオレフィン類;エチルビニルエーテル、n
−ブチルビニルエーテルの如き、各種のアルキルビニル
エーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘ
キシルビニルエーテルの如き、各種のシクロアルキルビ
ニルエーテル類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メ
タ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルピロリドンの
如き、3級アミド基含有単量体類;
【0041】(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチ
ル(メタ)アクリレート、クロトン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸の如き、各種の不飽和カルボン酸
類;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノ−n−ブチ
ル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノ−n−ブチ
ル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノ−n−ブチルの
如き、飽和ジカルボン酸類と、飽和1価アルコール類と
の各種のモノエステル類(ハーフエステル類);アジピ
ン酸モノビニル、コハク酸モノビニルの如き、各種の飽
和ジカルボン酸のモノビニルエステル類;無水コハク
酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット
酸の如き、各種の飽和ポリカルボン酸の無水物類と、後
掲するような各種の炭素原子に結合した水酸基を含有す
るビニル系単量体類との付加反応生成物;前掲したよう
な各種のカルボキシル基含有単量体類と、ラクトン類と
を付加反応せしめて得られるような各種の単量体類;
【0042】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの如き、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキ
シエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニル
エーテルの如き水酸基含有ビニルエーテル類;2−ヒド
ロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシブチルア
リルエーテルの如き、水酸基含有アリルエーテル類;前
掲したような各種の水酸基含有単量体類と、ε−カプロ
ラクトンなどで代表されるような、種々のラクトン類と
の付加物等がある。
【0043】前記した溶液ラジカル重合法において使用
する、ラジカル重合開始剤としては、公知慣用の種々の
化合物が使用できるけれども、それらのうちでも特に代
表的なもののみを例示すれば、2,2’−アゾビス(イ
ソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)もしくは2,2’−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)の如き、各種のアゾ化合
物類;tert−ブチルパーオキシピバレート、ter
t−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエートもしくはジ−t
ert−ブチルパーオキサイドの如き、各種の過酸化物
類などがある。
【0044】また、前記したラジカル重合法を適用する
際に使用できる有機溶剤としては、公知慣用の有機溶剤
のいずれをも使用することができるし、しかも、それら
は単独でも2種類以上の併用でも良いことは、勿論であ
る。
【0045】それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタンの如
き、脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類;
【0046】トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如
き、芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、
酢酸n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルア
セテートの如き、各種のエステル類;
【0047】メタノール、エタノール、iso−プロパ
ノール、n−ブタノール、iso−−ブタノール、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル
の如き、各種のアルコール類;
【0048】アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキ
サノンの如き、各種のケトン類;ジメトキシエタン、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンの如き、エーテル類;さ
らには、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミ
ド、ジメチルアセトアミドまたはエチレンカーボネート
などである。
【0049】以上に掲げたような、単量体類、重合開始
剤類および有機溶剤類を使用して、公知慣用の溶液ラジ
カル重合法を適用することによって、目的とする、ビニ
ル系重合体(b−1)を調製することができるが、得ら
れるビニル系重合体(b−1)の数平均分子量として
は、本発明の硬化性樹脂組成物より形成される硬化物の
耐久性の点、且つ、複合樹脂(C)の調製時の増粘やゲ
ル化を防止する点から、500〜200,000なる範
囲内が、好ましくは、700〜100,000なる範囲
内が適切であるし、一層好ましくは、1,000〜5
0,000なる範囲内が適切である。
【0050】上述した方法により得られる、ポリシロキ
サン(a−1)および加水分解性シリル基含有ビニル系
重合体(b−1)を使用して、複合樹脂(C)を調製す
る方法の、より具体的な方法としては、例えば、特開平
9−25455号公報等に記載のように、ビニル系重合
体(b−1)と、ポリシロキサン(a−1)とを、水お
よび触媒の存在下に、複合化せしめる方法が、特に好適
である。
【0051】複合樹脂(C)の調製にあたり、上述した
製造法の具体例で使用される触媒としては、ポリシロキ
サン(a−1)を調製する際に使用できるものとして既
に記述した各種のものが挙げられる。
【0052】一方、複合樹脂(C)のうち、特に、常温
における優れた硬化性と長期にわたる保存安定性を兼備
したものを調製する方法としては、以下に示す方法が、
特に好適である。
【0053】先ず、下記のおよび/またはのような
珪素原子を有するポリシロキサンセグメント(p−1)
と、ポリシロキサン以外の重合体セグメント(B)とで
構成される重合体(M)を調製する。 加水分解性基及び/又は水酸基と総炭素原子数が4個
以上の有機基とが共に結合した珪素原子。 加水分解性基または水酸基の1個とメチル基及び/又
はエチル基の2個が共に結合した珪素原子。
【0054】次いで、上述の重合体(M)と、下記の一
般式(S−5)
【0055】
【化7】
【0056】〔ただし、式中、R5は炭素原子数3以下
のアルキル基を、R6は炭素原子数4以下のアルキル基を
表すものとし、またcは0または1なる整数であるもの
とする。〕で示されるアルコキシシランを必須成分とし
て含有するアルコキシシラン類の加水分解縮合物および
/または該アルコキシシラン類の部分加水分解縮合物で
あるポリシロキサン(a−2)とを加水分解縮合反応せ
しめ、複合化せしめる。
【0057】上述の方法で調製される複合樹脂(C)に
おいて、ポリシロキサンセグメント(A)は、ポリシロ
キサン(a−2)に由来するセグメントとポリシロキサ
ンセグメント(p−1)より構成される。そして、かか
るポリシロキサンセグメント(p−1)に含有される、
加水分解性基または水酸基が結合した珪素原子上に、総
炭素原子数が4個以上なる有機基を導入したり、当該珪
素原子上にメチル基および/またはエチル基の2個を導
入することにより、当該珪素原子上の加水分解性基や水
酸基の反応性が立体効果によって低下する。これによっ
て、当該複合樹脂(C)に優れた保存安定性を付与する
ことが可能となる。
【0058】ポリシロキサンセグメント(p−1)中に
含まれる、珪素原子に結合した総炭素原子数が4個以上
の有機基の代表的なものとしては、3個以上の炭素原子
を有する置換基が結合したメチル基、2個以上の炭素原
子を有する置換基が結合したエチル基、炭素原子数が4
以上なるアルキル基、置換基が結合した炭素原子数が4
以上なるアルキル基、シクロアルキル基、置換基が結合
したシクロアルキル基、シクロアルキル基が置換したア
ルキル基、アリール基、置換アリール基、およびアラル
キル基もしくは置換基が結合したアラルキル基等が挙げ
られる。
【0059】かかる総炭素原子数が4個以上の有機基に
おける炭素原子数の上限としては、実用性の面から18
個程度である。
【0060】かかる総炭素原子数が4個以上の有機基の
いっそう具体的なものとしては、シクロペンチルメチル
基もしくはシクロヘキシルメチル基の如きシクロアルキ
ル基が置換したメチル基;2−エトキシエチル基の如き
アルコキシ基が置換したエチル基;2−シクロペンチル
エチル基、2−シクロヘキシルエチル基もしくはβ−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基の如きシ
クロアルキル基が置換したエチル基;3−メトキシ−n
−プロピル基もしくは3−エトキシ−n−プロピル基の
如きアルコキシ基が置換したn−プロピル基;3−シク
ロペンチル−n−プロピル基、3−シクロヘキシル−n
−プロピル基もしくはβ−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)−n−プロピル基の如きシクロアルキル基が置
換したn−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、n−オクチル基、n−ドデシル基もしくはn−オ
クタデシル基の如き炭素数が4以上のアルキル基;3−
グリシドキシプロピル基、3−ウレイドプロピル基、3
−グリシドキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル
基もしくは3−メタアクリロキシプロピル基の如き置換
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基もし
くはシクロオクチル基の如きシクロアルキル基、フェニ
ル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基の如きア
リール基もしくは置換アリール基;さらにはベンジル基
もしくは2−フェニルエチル基の如きアラルキル基等が
挙げられる。
【0061】上述した各種の有機基のうちで特に好まし
いものは、炭素原子数が4〜18なるアルキル基、シク
ロアルキル基およびアリール基である。そして、炭素原
子数が4〜18なるアルキル基のうちでも特に好ましい
ものは、iso−ブチル基であり、シクロアルキル基の
うちで特に好ましいものはシクロヘキシル基であり、さ
らにアリール基のうちで特に好ましいものはフェニル基
である。
【0062】また、上述のポリシロキサン(a−2)の
調製法としては、ポリシロキサン(a−1)の調製法と
して前掲した如き方法に従えばよい。
【0063】さらには、優れた常温硬化性と長期保存安
定性を兼備する複合樹脂(C)を調製するという観点か
ら、複合樹脂(C)を構成するポリシロキサンセグメン
ト(A)うち、(a−2)由来のセグメントが占める重
量割合が、5〜95重量%になるように設定するのが適
切であり、なかでも10〜90重量%に設定するのが好
ましく、さらには20〜80重量%になるように設定す
るのが、特に好適である。
【0064】上記した、重合体(M)とポリシロキサン
(a−2)から複合樹脂(C)を調製する、具体的方法
の一例としては、特開平9−157369号公報等に記
載のように、加水分解性シリル基含有ビニル系重合体
(b−1)と水と触媒の存在下に、総炭素原子数が4個
以上なる有機基を有するオルガノトリアルコキシシラン
および/またはジオルガノジアルコキシシランの加水分
解縮合反応を行って得られる重合体と、ポリシロキサン
(a−2)とを、水と触媒の存在下に、加水分解縮合反
応せしめ、複合化せしめる方法が挙げられる。
【0065】上記の具体例で使用される触媒としては、
ポリシロキサン(a−1)を調製する際に使用される各
種のものが挙げられる。
【0066】本発明の硬化性樹脂組成物の必須の構成成
分である、アミノ基を有する重合体(D)としては、1
級アミノ基、2級アミノ基および3級アミノ基よりなる
群から選ばれる、少なくとも1種のアミノ基を、一分子
に少なくとも2個有する重合体が、特に好適である。
【0067】かかる重合体(D)に導入される、アミノ
基としては、耐久性に優れ、且つ、紫外線による黄変等
が起こらない硬化物が得られる点から、特に、3級アミ
ノ基が好ましい。
【0068】また、かかる重合体(D)中に導入される
アミノ基の量としては、本発明の硬化性樹脂組成物より
形成される硬化物の耐久性の点から、重合体(D)1,
000グラム当たり、0.1〜7モルなる範囲内が、好
ましくは、0.2〜6モルなる範囲内が適切であるし、
一層好ましくは、0.3〜4モルなる範囲内が適切であ
る。
【0069】そして、かかる重合体(D)として特に代
表的なもののみを例示するならば、アクリル系重合体、
フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合
体、芳香族ビニル系重合体またはポリオレフィン系重合
体の如き、各種のビニル系重合体、ポリウレタン系重合
体またはポリエステル系重合体などの如き、ビニル系重
合体以外の各種の重合体がある。
【0070】これらのうちでも好ましいものは、ビニル
系重合体であり、そのうち、特に好ましいものは、アク
リル系重合体である。
【0071】そして、かかる重合体(D)のうち、3級
アミノ基を有するビニル系重合体の調製方法としては、
公知慣用なる種々の方法を適用することができるが、調
製の容易さの点から、3級アミノ基含有ビニル系単量体
(m−3)を使用して、上述したビニル系重合体(b−
1)を調製する場合と同様の溶液ラジカル重合法によ
り、単量体(m−3)を単独重合せしめたり、また、
(m−3)と共重合可能なる他のビニル系単量体とを共
重合せしめる方法が、特に好適である。
【0072】また、上述の溶液ラジカル重合法で使用さ
れる、(m−3)と共重合可能なる他のビニル系単量体
の代表的なものとしては、ビニル系重合体(b−1)の
調製時に使用できる単量体(m−2)の代表的なものと
して、既に例示した各種のものを挙げることができる
し、さらには、上述の方法で使用される、ラジカル重合
開始剤または有機溶剤の代表的なものとしては、(b−
1)調製時に使用できる代表的なものとして、既に例示
した各種のものを挙げることができる。
【0073】3級アミノ基含有ビニル系単量体(m−
3)として、特に代表的なものを例示すれば、2−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジ−n−プロ
ピルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリレート、4−ジメチルア
ミノブチル(メタ)アクリレート、N−[2−(メタ)
アクリロイルオキシ]エチルモルホリンの如き、各種の
3級アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0074】ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルキノリンの如き、各種の3級アミノ基含
有芳香族ビニル系単量体類;N−(2−ジメチルアミ
ノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチ
ルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−
ジ−n−プロピルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミ
ドの如き、各種の3級アミノ基含有(メタ)アクリルア
ミド類;N−(2−ジメチルアミノ)エチルクロトン酸
アミド、N−(4−ジメチルアミノ)ブチルクロトン酸
アミドの如き、各種の3級アミノ基含有クロトン酸アミ
ド類;
【0075】あるいは2−ジメチルアミノエチルビニル
エーテル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、
4−ジメチルアミノブチルビニルエーテルの如き、各種
の3級アミノ基含有ビニルエーテル類などがある。
【0076】以上に掲げたような、単量体類、重合開始
剤類および有機溶剤類を使用して、公知慣用の溶液ラジ
カル重合法を適用することによって、アミノ基含有重合
体(D)のうち、3級アミノ基含有を有するビニル系重
合体を調製することができるが、3級アミノ基含有ビニ
ル系単量体(m−3)の代わりに、1級アミノ基または
2級アミノ基を有するビニル系単量体を使用すれば、1
級アミノ基または2級アミノ基を含有するビニル系重合
体が調製できることは勿論である。そして、かかるアミ
ノ基含有ビニル系重合体の数平均分子量としては、本発
明の硬化性樹脂組成物より形成される硬化物の耐久性の
点、且つ、本発明の塗料の塗装作業性の点より、500
〜100,000なる範囲内が、好ましくは、700〜
70,000なる範囲内が適切であるし、一層好ましく
は、1,000〜50,000なる範囲内が適切であ
る。
【0077】本発明の硬化性樹脂組成物を構成するもう
一つの必須成分である、一分子中に少なくとも2個のエ
ポキシを有する化合物および一分子中にエポキシ基と珪
素原子に結合した加水分解性基を併有する化合物よりな
る群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ基含有化合
物(E)のうち、一分子中に少なくとも2個のエポキシ
基を有する化合物としては、低分子量のポリエポキシ化
合物、エポキシ樹脂、エポキシ基を含有する各種の重合
体等、公知慣用の各種の化合物を使用することができ
る。
【0078】一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を
有する化合物のうち、特に代表的なものを例示すれば、
エチレングリコール、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチル
グリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ソルビトール、水添ビスフェノールAの如き、
各種の脂肪族ないしは脂環式ポリオールのポリグリシジ
ルエーテル類;ビスフェノールA、ビスフェノールS、
ビスフェノールFの如き、各種の芳香族系ジオールのポ
リグリシジルエーテル類;
【0079】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコールの如き、各
種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル
類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト
のポリグリシジルエーテル類;アジピン酸、ブタンテト
ラカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸の如き、各種の
脂肪族ないしは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジル
エステル類;
【0080】シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセ
ンの如き、各種の炭化水素系ジエン類のビスエポキシド
類;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ア
ジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートの如
き、各種の脂環式ポリエポキシ化合物;さらには、エポ
キシ基を含有する、各種のビニル系共重合体類などがあ
る。
【0081】一方、かかるエポキシ基含有化合物(E)
のうち、一分子中にエポキシ基と珪素原子に結合した加
水分解性基を併有する化合物として特に代表的なものを
例示すれば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランもしく
はβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシランの如き、エポキシ基を含有するシラン化
合物;これらのシラン化合物を部分加水分解縮合させる
ことによって得られる部分加水分解縮合物;これらのシ
ラン化合物の2種以上の部分加水分解縮合によって得ら
れる部分共加水分解縮合物;または、エポキシ基と前掲
した如き加水分解性シリル基を併有するビニル系共重合
体類などがある。
【0082】かくして得られる複合樹脂(C)、アミノ
基含有重合体(D)およびエポキシ基含有化合物(E)
を、公知慣用の各種の方法によって混合することによ
り、目的とする、本発明の硬化性樹脂組成物を調製する
ことができる。そして、この際の(C)と(D)の使用
比率は、本発明の硬化性樹脂組成物より形成される硬化
物の耐久性の点より、(C):(D)なる重量比率で、
10〜99:90〜10に設定するのが適当であり、好
ましくは、20〜98:80〜2なる範囲内に設定する
のが好適である。そして、エポキシ基含有化合物(E)
は、重合体(D)に含有されるアミノ基の1当量に対し
て、当該(E)の有するエポキシ基量が、約0.2〜約
5.0当量の範囲内、好ましくは、0.5〜3.0当量
の範囲内、一層好ましくは、0.7〜2当量の範囲内と
なるように配合するのが、適切である。
【0083】上述のような本発明の硬化性樹脂組成物
は、重合体(D)が有するアミノ基と、化合物(E)が
有するエポキシ基の反応、および、複合樹脂(C)が有
する珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原子
に結合した加水分解性基の縮合反応なる2つの反応によ
り硬化して、硬化物を与える。
【0084】また、本発明の硬化性樹脂組成物は、クリ
ヤー組成物として使用できるし、公知慣用の各種の顔料
を添加して着色した組成物として使用することもでき
る。着色硬化性樹脂組成物として使用する場合には、幅
広い種類の顔料を安定的に分散できる点、且つ、得られ
る加工顔料の保存安定性の点から、前記したアミノ基含
有重合体(D)に顔料(F)を分散せしめて加工顔料を
調製し、該加工顔料を使用して着色された硬化性樹脂組
成物を調製するのが、特に好適である。
【0085】かかる加工顔料の調製に使用される、顔料
(F)としては、公知慣例の各種の顔料を使用すること
が出来るけれども、そのうちで特に代表的なものを例示
するとどめれば、カーボン・ブラック、フタロシアニン
・ブルー、フタロシアニン・グリーンまたはキナクリド
ン・レッドの如き、各種の有機系顔料;酸化チタン、酸
化鉄、チタンイエローもしくは銅クロムブラックの如き
各種の金属酸化物系の無機系顔料;炭酸カルシウム、ク
レー、タルクもしくは硫酸バリウムの如き体質顔料;さ
らには、アルミニウムフレークもしくはパールマイカの
如き無機系のフレーク状の顔料等が挙げられる。
【0086】そして、かかる加工顔料の調製は、適当な
分散装置を使用して、重合体(D)と顔料(F)を混合
せしめることにより得られる。分散装置としては、ボー
ルミール、ロールミル、ホモミキサー、サンドミル、縦
型ビーズミル、横型ビーズミル、アトライターもしくは
ペイントコンディショナーの如き、公知慣用の各種の装
置を使用することが可能であるが、使用する樹脂組成物
や顔料の特性に合わせて選択されるものである。
【0087】また、かかる加工顔料の調製には、有機溶
剤を使用してもよいし、使用しなくてもよいが、顔料の
分散をスムーズに行うために、ビニル系重合体(b−
1)を調製する際に使用できるものとして、すでに掲げ
て来たような、有機溶剤類を使用することが望ましい。
【0088】そして、着色された本発明の硬化性樹脂組
成物に占める顔料(F)の使用割合は、顔料の種類や要
求される着色の程度等に依存し、広範囲で変えることが
可能であるが、該硬化性樹脂組成物のプラスチック基材
に対する付着性の点、且つ、本発明の硬化性樹脂組成物
より得られる硬化物の耐久性の点から、複合樹脂
(C)、重合体(D)および化合物(E)の合計100
重量部に対する顔料(F)の重量割合として、0.5〜
500重量%になるように、好ましくは、1〜300重
量%になるように設定するのが適切である。
【0089】本発明の硬化性樹脂組成物には、その目的
に応じて、硬化触媒、流動調整剤、レベリング剤、レオ
ロジーコントロール剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤または可塑剤などのような、公知慣用の種々
の添加剤類などをも配合せしめることもできる。
【0090】前記した添加剤類のうち、硬化触媒の代表
的なものとしては、前記したような複合樹脂(C)の調
製に使用されるものとして、すでに、前掲しているよう
な各種の触媒類が挙げられるし、これらの諸化合物に加
えて、テトラメチルホスホニウム塩、テトラエチルホス
ホニウム塩、テトラブチルホスホニウム塩またはトリフ
ェニルホスホニウム塩類などであって、対アニオンとし
て、たとえば、フルオライド、クロライド、ブロマイド
またはカルボキシレートの如き、各種のアニオンを有す
る種々の化合物も挙げることができる。
【0091】本発明の硬化性樹脂組成物に、硬化触媒を
添加する場合には、かかる硬化触媒の添加量を、複合樹
脂(C)、重合体(D)および化合物(E)の合計10
0重量部に対して、0.01〜15重量部の範囲に、好
ましくは0.05〜10重量部の範囲に、特に好ましく
は0.1〜5重量部の範囲に、設定するのが適切であ
る。
【0092】かくして得られる、本発明にかかる硬化性
樹脂組成物は、これを構成する、複合樹脂(C)、重合
体(D)および化合物(E)の種類により、あるいは硬
化触媒等を配合した場合には、その種類と量とにより、
最適なる硬化条件は異なるけれども、常温で、1〜10
日間程度乾燥せしめるか、あるいは約40〜約250℃
程度の温度範囲で、約30秒間〜約2時間程度加熱をせ
しめることによって、実用性の高い硬化物を与えるもの
である。
【0093】そして、本発明の硬化性樹脂組成物は、特
に、プラスチック基材に対して、優れた付着性を有する
が、かかるプラスチック基材のうち、特に代表的なもの
を例示すれば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ
メチルメタクリレート、ABS樹脂、ポリフェニレンオ
キサイド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートの如
き、種々の熱可塑性樹脂の成形品;さらには、不飽和ポ
リエステル樹脂、フェノール樹脂、架橋型ポリウレタ
ン、架橋型のアクリル樹脂、架橋型の飽和ポリエステル
樹脂の如き、各種の熱硬化性樹脂の成形品等が挙げられ
る。
【0094】上述した本発明の硬化性樹脂組成物は、塗
料、接着剤、シーリング剤等の各種の用途に利用できる
が、当該組成物を必須成分として含有する塗料としての
利用は、特に有用なものの一つである。かかる塗料は下
塗り塗膜あるいは上塗り塗膜等各種の硬化塗膜の形成に
使用することが出来るが、得られる硬化塗膜の特徴であ
る優れた耐久性と耐曝露汚染性を活かすことができると
いう点から、上塗り塗膜の形成に特に適している。
【0095】本発明の塗料が塗装される基材としては、
公知慣用の種々のものが使用され得るが、それらのうち
でも特に代表的なものとしては、既に例示した各種のプ
ラスチック基材の他に、各種の金属基材、無機質基材、
紙もしくは木質系基材等が挙げられる。
【0096】かかる金属基材のうち、特に代表的なもの
のみを例示すれば、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅ま
たは鉛あるいは其の他の種々の金属類や、ステンレスス
チールの如き、これらの各種金属の合金類、さらには、
前掲したような各種の金属類であって、メッキや化成処
理などが施された各種の表面処理金属類が挙げられる。
【0097】また、無機質基材として、特に代表的なも
のを例示すれば、セメント系、珪酸カルシウム等の珪酸
塩系、石膏系、石綿系もしくはセラミックス系等で代表
される無機質の材料を主とするものであり、その具体的
なものとしては、現場施工(湿式)基材として、打放し
コンクリート、セメントモルタル、石膏プラスター、ド
ロマイトプラスターもしくは漆喰等が挙げられ、また、
現場生産品(乾式)基材としては、軽量気泡コンクリー
ト(ALC)、石綿セメント、ガラス繊維強化の珪酸カ
ルシウム、石膏ボード、タイルの如き各種の粘土の焼成
物もしくはガラスなどの各種のものが挙げられる。
【0098】上述したような種々の基材上に、本発明の
塗料を、上塗り塗料として、直接、塗装し、硬化せしめ
ることによって、本発明の塗装物を得ることができる
し、また、予め、種々の基材上に、下塗り塗料を塗装せ
しめてから、本発明の塗料を、上塗り塗料として塗装
し、硬化せしめることによっても、本発明の塗装物を得
ることもできる。
【0099】前者のように、種々の基材上に、本発明の
塗料を、上塗り塗料として、直接塗装し、硬化せしめる
方法〔以下、方法(イ)と略記する〕で、本発明の塗装
物を得るには、前掲したような種々の基材上に、上塗り
用の本発明の塗料を、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレ
ー塗装、浸漬塗装、フロー・コーター塗装、ロール・コ
ーター塗装もしくは電着塗装などといった、公知慣用の
種々の塗装方法によって塗装せしめたのちに、硬化せし
めるようにすればよい。
【0100】そして、方法(イ)における、上塗り塗料
の硬化条件は、使用する塗料の種類や、基材の種類など
に応じて、適宜、選択されるが、例えば、常温において
1〜10日間程度乾燥せしめる条件、あるいは、約40
〜約250℃の温度範囲で約30秒間〜2時間程度加熱
せしめる条件等が挙げられる。
【0101】また、予め下塗り塗料が塗装された基材
に、本発明の塗料を、上塗り塗料として塗装し、硬化せ
しめる方法〔以下、方法(ロ)と略記する〕で、本発明
の塗装物を得る場合に使用する、下塗り塗料としては、
公知慣用の種々のものを使用することが出来る。
【0102】かかる下塗り塗料の代表的なものとして
は、水性の溶液型、分散型またはエマルジョン型塗料;
有機溶剤系の溶液型、分散型塗料;粉体塗料さらには無
溶剤型液状塗料等が挙げられる。
【0103】そして、かかる下塗り塗料のうち、水性の
溶液型、分散型またはエマルジョン型塗料の代表的なも
のとしては、アクリル樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系
塗料、アルキド樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、脂肪
酸変性エポキシ樹脂系塗料、シリコーン樹脂系塗料、ポ
リウレタン樹脂系塗料、フルオロオレフィン系塗料、ア
ミン変性エポキ樹脂塗料等が挙げられる。
【0104】かかるの水性の下塗り塗料は、硬化剤や硬
化触媒などを含有しない非架橋型塗料として使用するこ
とができるし、さらには、ポリイソシアネート、ブロッ
ク化ポリイソシアネート、ポリエポキシ化合物、ポリオ
キサゾリン化合物、加水分解性シリル基・エポキシ基併
有化合物の如き、各種の架橋剤、あるいは架橋剤として
機能する化合物や、公知慣用の種々の硬化触媒類が配合
された、架橋型塗料としても使用することもできる。
【0105】下塗り塗料として用いられる、有機溶剤系
の溶液型あるいは分散型塗料の代表的なものとしては、
塩素化ポリオレフィン樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗
料、シリコン含有アクリル樹脂系塗料、ポリエステル樹
脂系塗料、アルキド樹脂系塗料、繊維素系ポリマー含有
塗料、エポキシ樹脂系塗料、脂肪酸変性エポキシ樹脂系
塗料またはシリコーン樹脂系塗料等が挙げられる。
【0106】かかる有機溶剤系の下塗り塗料は、硬化剤
や硬化触媒などを含有しない非架橋型塗料として使用す
ることができるし、さらには、水性の下塗り塗料に使用
できる架橋剤の代表的なものとして、既に例示した各種
の架橋剤、あるいは架橋剤として機能する化合物や、公
知慣用の種々の硬化触媒類が配合された、架橋型塗料と
しても使用することもできる。
【0107】また、かかる有機溶剤系の下塗り塗料とし
て、エネルギー線硬化型のアクリル二重結合や、ビニル
エーテル基や、脂環式エポキシ基などを有する樹脂ある
いは化合物などを含む塗料等を挙げることができる。
【0108】さらに、かかる下塗り塗料として用いられ
る粉体塗料の代表的なものとしては、エポキシ樹脂系塗
料、ポリエステル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料等が
挙げられる。そして、かかる粉体塗料は、それぞれの樹
脂中に含有される、反応性の官能基の種類に応じて、酸
無水物、ジシアンジアミド、多価カルボン酸、ブロック
化ポリイソシアネートまたはポリエポキシ化合物など
の、各種の架橋剤が配合された、熱硬化性塗料として使
用される。
【0109】下塗り塗料として用いられる、無溶剤液状
塗料の代表的なものとしては、ラジカル硬化型の不飽和
ポリエステル樹脂系塗料、ポリイソシアネート硬化型の
ポリウレタン樹脂系塗料、エネルギー線硬化型のアクリ
ル系二重結合含有樹脂を含む塗料、エネルギー線硬化型
のビニルエーテル基および/または脂環式エポキシ基を
有する化合物を含む塗料等が挙げられる。
【0110】また、方法(ロ)で用いられる、上記した
ような各種の下塗り用塗料は、顔料を含まないクリヤー
塗料であってもよいし、上述したような各種の顔料を含
むエナメル系塗料あるいはアルミニウムフレーク等を含
有するメタリック塗料であってもよい。したがって、方
法(ロ)により得られる塗装物は、下塗り塗料と、上塗
り塗料との組み合わせに応じて、下塗りクリヤー塗膜
と上塗り着色塗膜、下塗り着色塗膜と上塗り着色塗
膜、下塗り着色塗膜と上塗クリヤー塗膜等のような複
層塗膜が基材上に形成せしめてなるものである。そし
て、こうした複層塗膜における、下塗りと、上塗りとの
組み合わせは、塗装物の用途に応じて、適宜、選択され
る。
【0111】方法(ロ)における、下塗り塗料および上
塗り塗料の塗装方法としては、方法(イ)で塗装する場
合に適用できるものとして例示した各種の塗装方法を適
用できる。
【0112】また、方法(ロ)における、下塗り塗料お
よび上塗り塗料の硬化条件は、使用する塗料の種類や、
基材の種類などに応じて、適宜、選択される。そして、
かかる条件の一例としては、下塗り塗料を塗装せしめ、
これを硬化せしめたのち、その上に、上塗り塗料を塗装
し、硬化せしめる方法が挙げられるし、
【0113】さらには、下塗り塗料を塗装したのち、下
塗り塗料が乾燥する前に上塗り塗料を塗装せしめる、塗
装仕上げ方法(wet−on−wet法)を適用し、上
塗り塗料と下塗り塗料を同時に硬化せしめる方法も挙げ
ることができる。
【0114】また、使用される下塗り塗料は、1種類の
みであってもよいし、2種類以上の塗料を使用して、複
層の下塗り塗膜を形成させてもよい。
【0115】そして、方法(ロ)における、上塗り塗料
の硬化条件としては、上述した方法(イ)と同様の条件
を適用することができるが、wet−on−wet法を
適用する場合には、下塗り塗料に適した条件に設定する
必要もある。
【0116】このようにして、とりわけ、プラスチック
基材に対する付着性に優れ、且つ、優れた耐久性と耐曝
露汚染性を兼備する硬化塗膜で被覆された、本発明の塗
装物が調製されるが、かかる塗装物のより具体的なもの
としては、それぞれ、基材として、プラスチック基材あ
るいは金属基材等が使用された、テレビ、ラジオ、冷蔵
庫、洗濯機、クーラー、クーラー室外機またはコンピュ
ータあるいは其の他の家電製品類と、それらの諸々の部
品;プラスチック基材あるいは金属基材等が使用され
た、自動車、自動二輪車、電車、自転車、船舶または飛
行機あるいは其の他の輸送関連機器類と、それらの諸々
の部品;
【0117】各種の無機質系の瓦、金属製の屋根材、無
機質系外壁材、着色されたガラス製品、着色されたガラ
ス瓶、金属製の壁材、金属製の窓枠、金属製あるいは木
製のドアまたは内壁材の如き、種々の建材類;道路、道
路標識、ガードレール、橋梁、タンク、煙突またはビル
ディングの如き、各種の屋外構築物;さらには、ポリエ
ステル樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルムあるいはフ
ッ素樹脂フィルム等の各種の有機フィルムに塗装した各
種の被覆フィルムなどが挙げられるが、本発明の塗装物
は、こうした用途に有効に利用することができるもので
ある。
【0118】
【実施例】次に、本発明を、参考例、実施例および比較
例により、一層、具体的に説明をするが、本発明は、決
して、これらの例のみに限定されるものではない。な
お、以下において、部および%は、特に断りの無い限
り、すべて、重量基準である。
【0119】参考例1〔ポリシロキサン(a−1)の調
製例〕 温度計、環流冷却管、撹拌機および滴下漏斗を備えた反
応容器に、メチルトリエトキシシラン(MTES)の
1,000部、フェニルトリメトキシシラン(PTM
S)の85部、ジメチルジメトキシシラン(DMDM
S)の126部、キシレンの416部およびn−ブタノ
ールの178を仕込んで、60℃まで昇温した。次い
で、同温度で、「A−3」[堺化学(株)製のiso−
プロピルアシッドホスフェート「Phoslex A−
3」]の0.034部と、脱イオン水の380部との混
合物を、5分間を要して滴下した。次いで、80℃まで
昇温し、同温度で4時間のあいだ撹拌を行うことによ
り、数平均分子量が1,100で、反応液中の有効成分
[使用したアルコキシシラン類が完全に加水分解し、さ
らに完全に縮合した場合の固形分]が22.8%なる、
目的とするポリシロキサンを得た。以下、これをポリシ
ロキサン(a−1−1)と略記する。
【0120】核磁気共鳴分析(1H−NMR)により、
(a−1−1)の分析を行ったところ、使用したMTE
S、PTMSおよびDMDMSの加水分解が、100%
進行していることが判明した。したがって、得られた
(a−1−1)は、MTES、PTMSおよびDMDM
Sの完全共加水分解縮合物であり、且つ、珪素原子に結
合した水酸基を有するポリシロキサンであることが確認
された。
【0121】参考例2〔ポリシロキサン(a−2)の調
製例〕 参考例1と同様の反応容器に、メチルトリメトキシシラ
ン(MTMS)の1,000部を仕込んで、60℃まで
昇温した。次いで、同温で、「A−3」の0.12部
と、脱イオン水の146部との混合物を、5分間を要し
て滴下した。次いで、80℃まで昇温し、同温度で4時
間のあいだ撹拌を行なった。引き続き、10〜300m
mHgの減圧下に、40〜60℃で、4時間を要して、
減圧蒸留を行って生成するメタノールおよび水を除去す
ることよって、数平均分子量が1,000で、反応液中
の有効成分が72.0%なる、目的とするポリシロキサ
ンを得た。以下、これをポリシロキサン(a−2−1)
と略記する。
【0122】1H−NMRによる分析を行ったところ、
(a−2−1)は、珪素原子に結合した水酸基と珪素原
子に結合したメトキシキ基の両方を有するポリシロキサ
ンであることが確認された。
【0123】参考例3〔重合体(b−1)の調製例〕 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下漏斗および窒素導入
管を備えた反応容器に、キシレンの350部とn−ブタ
ノールの150部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、8
0℃に昇温した。次いで、同温度で、メチルメタクリレ
ート(MMA)の400部、n−ブチルメタクリレート
(BMA)の392部、n−ブチルアクリレート(B
A)の198部、3−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン(MPTMS)の30部およびアクリ
ル酸(AA)の10部からなる混合物と、キシレンの2
50部、n−ブタノールの107部およびtert−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPO
EH)の50部とからなる混合物とを、別々に、4時間
かけて滴下した。滴下終了後も、同温度で、16時間の
あいだ撹拌することによって、不揮発分が54.4%
で、かつ、数平均分子量が12,000なる、トリメト
キシシリル基を有する目的重合体の溶液を得た。以下、
これを重合体(b−1−1)と略記する。
【0124】参考例4〔複合樹脂(C)の調製例〕 本例は、複合樹脂(C)を調製するための一つの例を示
すものである。
【0125】参考例3と同様の反応容器に、参考例3で
得られた重合体(b−1−1)の500部と、参考例1
で得られたポリシロキサン(a−1−1)の1,190
部を仕込んで、80℃まで昇温し、同温度で4時間のあ
いだ撹拌を行うことによって、重合体(b−1−1)に
含まれるトリメトキシシリル基の加水分解反応および重
合体(b−1−1)とポリシロキサン(a−1−1)と
のあいだの縮合反応を行った。反応溶液を、1H−NM
R で分析したところ、重合体(b−1−1)中に含ま
れていたトリメトキシシリル基の加水分解が、100%
進行していることが判明した。
【0126】引き続き、10〜300mmHgの減圧下
に、40〜60℃で、4時間を要して、減圧蒸留を行っ
て生成するメタノール、エタノールおよび水を除去する
ことによって、不揮発分が60.0%なる目的の複合樹
脂を得た。以下、これを複合樹脂(C−1)と略記す
る。
【0127】参考例5(同上) 参考例3と同様の反応容器に、n−ブタノールの415
部と、PTMSの74.4部と、DMDMSの45.1
部とを仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃まで昇温
した。次いで、同温度で、撹拌しながら、MMAの31
3.4部、BMAの307.3部、BAの131.6
部、AAの7.8部およびMPTMSの23.5部の混
合物と、n−ブタノールの39.2部およびTBPOE
Hの39.2部からなる混合物とを、それぞれ、別々
に、4時間をかけて滴下した。
【0128】滴下終了後、同温度で、2時間のあいだ攪
拌を行ったのち、「A−3」の0.012部と脱イオン
水の33.8部の混合物を、約5分間をかけて滴下し、
さらに、1時間のあいだ攪拌を続行することによって、
PTMS、DMDMSおよびアクリル系重合体の共加水
分解縮合反応を行った。反応溶液を、1H−NMR で分
析したところ、アクリル系重合体、PTMSおよびDM
DMS中に含まれていたメトキシ基の加水分解が、10
0%進行していることが判明した。
【0129】引き続き、この反応溶液中に、参考例2で
得られたポリシロキサン(a−2−1)の356.5部
を撹拌しながら素早く投入し、さらに脱イオン水の11
4.1部を、約5分間かけて滴下したのち、80゜Cで4
時間あいだ撹拌を行った。最後に、10〜300mmH
gの減圧下に、40〜60℃で、4時間を要して、減圧
蒸留を行って生成するメタノールと水を除去し、キシレ
ンの455部で希釈することにより、不揮発分が55.
0%なる目的の複合樹脂を得た。以下、これを複合樹脂
(C−2)と略記する。
【0130】参考例6(同上) 参考例3と同様の反応容器に、n−ブタノールの73
7.5部と、PTMSの128.6部と、DMDMSの
78.0部とを仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃
まで昇温した。次いで、同温度で、撹拌しながら、MM
Aの387.8部、BMAの380.1部、BAの16
2.9部、AAの9.7部およびMPTMSの29.1
部の混合物と、n−ブタノールの48部およびTBPO
EHの48部からなる混合物とを、それぞれ、別々に、
4時間をかけて滴下した。
【0131】滴下終了後、同温度で、2時間のあいだ攪
拌を行ったのち、「A−3」の0.021部と脱イオン
水の58.5部の混合物を、約5分間をかけて滴下し、
さらに、1時間のあいだ攪拌を続行することによって、
PTMS、DMDMSおよびアクリル系重合体の共加水
分解縮合反応を行った。反応溶液を、1H−NMR で分
析したところ、アクリル系重合体、PTMSおよびDM
DMS中に含まれていたメトキシ基の加水分解が、10
0%進行していることが判明した。
【0132】引き続き、この反応溶液中に、参考例2で
得られたポリシロキサン(a−2−1)の1,149部
を撹拌しながら素早く投入し、さらに脱イオン水の39
3部を、約5分間かけて滴下したのち、80゜Cで4時間
あいだ撹拌を行った。最後に、10〜300mmHgの
減圧下に、40〜60℃で、4時間を要して、減圧蒸留
を行って生成するメタノールと水を除去し、キシレンの
785部で希釈することにより、不揮発分が55.0%
なる目的の複合樹脂を得た。以下、これを複合樹脂(C
−3)と略記する。
【0133】参考例7(同上) 参考例3と同様の反応容器に、n−ブタノールの776
部と、PTMSの424.3部と、DMDMSの77
1.4部とを仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃ま
で昇温した。次いで、同温度で、撹拌しながら、MMA
の192部、BMAの188部、BAの80.8部、A
Aの4.8部およびMPTMSの14.4部の混合物
と、n−ブタノールの24部およびTBPOEHの24
部からなる混合物とを、それぞれ、別々に、4時間をか
けて滴下した。
【0134】滴下終了後、同温度で、2時間のあいだ攪
拌を行ったのち、「A−3」の0.14部と脱イオン水
の347部の混合物を、約5分間をかけて滴下し、さら
に、1時間のあいだ攪拌を続行することによって、PT
MS、DMDMSおよびアクリル系重合体の共加水分解
縮合反応を行った。反応溶液を、1H−NMR で分析し
たところ、アクリル系重合体、PTMSおよびDMDM
S中に含まれていたメトキシ基の加水分解が、100%
進行していることが判明した。
【0135】引き続き、この反応溶液中に、参考例2で
得られたポリシロキサン(a−2−1)の1595部を
撹拌しながら素早く投入し、さらに脱イオン水の413
部を、約5分間かけて滴下したのち、80゜Cで4時間あ
いだ撹拌を行った。最後に、10〜300mmHgの減
圧下に、40〜60℃で、4時間を要して、減圧蒸留を
行って生成するメタノールと水を除去し、キシレンの8
00部で希釈することにより、不揮発分が60.0%な
る目的の複合樹脂を得た。以下、これを複合樹脂(C−
4)と略記する。
【0136】参考例8〔アミノ基含有重合体(D)の調
製例〕 参考例3と同様の反応容器に、トルエンの750部およ
びiso−ブタノールの200部を仕込んで、窒素ガス
の通気下に、80℃に昇温した。次いで、同温度で、M
MAの400部、BMAの300部、BAの200部お
よび2−ジメチルアミノエチルメタクリレートの100
部からなる混合物と、トルエンの50部と2,2’−ア
ゾビス−(2−メチルブチロニトリル)の20部からな
る混合物を、それぞれ、別々に、6時間かけて滴下し
た。滴下終了後も、同温度で、16時間のあいだ撹拌す
ることによって、不揮発分が50.0%で、かつ、数平
均分子量が16,000なる、目的の3級アミノ基含有
ビニル系重合体の溶液を得た。以下、これを重合体(D
−1)と略記する。
【0137】実施例1〜6 参考例8で得られた重合体(D−1)と、「CR−9
7」〔石原産業(株)製の酸化チタン系白色顔料「タイ
ペーク CR−97」〕との混合物を、サンドミルで3
0分間混合することにより、加工顔料を調製した。次い
で、この加工顔料と、参考例4〜7で得られた複合樹脂
(C−1)〜(C−4)と、エポキシ基含有化合物であ
る「EX−612」〔ナガセ化成工業(株)製のポリエ
ポキシ化合物「デナコール EX−612」〕または3
−グルシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTM
S)と、硬化触媒であるジブチル錫ジアセテート(DB
TDAc)とを混合することによって、PWCが35%
なる、各種の白色塗料を調製した。各種白色塗料の調製
に使用した原料の種類並びに使用量は、第1表(1)〜
(2)に示す通りである。
【0138】比較例1 参考例8で得られたアミノ基含有重合体(D−1)の一
部と、顔料である「CR−97」との混合物を、サンド
ミルで30分間混合することにより加工顔料を調製し
た。次いで、この加工顔料と、重合体(D−1)の残り
全部と、「EX−612」とを混合することによって、
PWCが35%なる、白色塗料を調製した。白色塗料の
調製に使用した原料の種類並びに使用量は、第1表
(2)に示す通りである。
【0139】比較例2 参考例6で得られた複合樹脂(C−3)の一部と、「C
R−97」との混合物を、サンドミルで30分間混合す
ることにより加工顔料を調製した。次いで、この加工顔
料と、複合樹脂(C−3)の残り全部と、DBTDAc
とを混合することによって、PWCが35%なる、白色
塗料を調製した。白色塗料の調製に使用した原料の種類
並びに使用量は、第1表(2)に示す通りである。
【0140】
【表1】
【0141】《第1表の脚注》 ・原料類の使用割合を示す各数値は、いずれも、重量部
数である。
【0142】
【表2】
【0143】《第1表の脚注》 ・原料類の使用割合を示す各数値は、いずれも、重量部
数である。
【0144】試験例1〜6および比較試験例1〜2 実施例1〜6および比較例1〜2で得られた各種の白色
塗料を、各種のプラスチック基材上に、エアースプレー
により、乾燥膜厚が30μmとなるように塗装せしめ、
室温にて1週間、乾燥硬化せしめたのち、付着性の評価
を実施した。その結果を、第2表(1)〜(2)にまと
めて示す。
【0145】また、クロメート処理されたアルミニウム
基材上に、アクリル−ウレタン系のクリヤー塗料(ベー
ス樹脂:「ACRYDIC A−801」、硬化剤:
「バーノック DN−980」)を、エアースプレーに
て、乾燥膜厚が50μmとなるように塗装せしめ、14
0℃で30分間焼き付けを行い、さらに水研ぎ処理を施
した。
【0146】・「ACRYDIC A−801」・・・大
日本インキ化学(株)製のアクリル・ポリオール;不揮
発分=50%、水酸基価=50mgKOH/g。 ・「バーノック DN−980」・・・・・大日本インキ化
学(株)製のポリイソシアネート;不揮発分=75%、
イソシアネート基含有率=15.5%。
【0147】次いで、上述のような処理を施した基材上
に、実施例1〜6および比較例1〜2で得られた各種白
色塗料を、エアースプレーにより、乾燥膜厚が30μm
となるように塗装せしめ、室温にて1週間、乾燥硬化せ
しめた。しかるのち、得られた硬化塗膜に対して、サン
シャイン・ウェザオメータによる促進耐候性評価、1年
に及ぶ屋外曝露を行ったのちの耐汚染性の評価を実施し
た。その結果を、第2表(1)〜(2)にまとめて示
す。
【0148】
【表3】
【0149】《第2表の脚注》 ・「付着性」は、各種プラスチック基材に塗装して得た
塗装物を40℃の温水に10日間浸漬し、次いで温水か
ら取り出して室温にて1時間乾燥させのち、カッターナ
イフで塗膜表面に2mm間隔で縦と横、それぞれ6本の
切り込みを入れて25個の碁盤目を作成し、その上に粘
着テープを貼り付けたのち、それを勢い良く剥がしたと
きの基材に付着して残っている塗膜を碁盤目の数で表示
したものである。「25」なる値は、100%密着して
いることを示している。
【0150】・「促進耐候性」は、サンシャイン・ウェ
ザオメータによる、4,000時間に及ぶ曝露を行なっ
たのちの塗膜の60度鏡面反射率(%)を、未曝露時の
塗膜の60度鏡面反射率で除して、それを100倍した
値(光沢保持率:%)を表示したものである。この値が
大きいほど、耐候性が良好であることを示す。
【0151】・「耐汚染性」は、屋外において、2ヵ月
間に及ぶ曝露を行なったのちの未洗浄の塗膜と、未曝露
時の塗膜との色差(△L)を表示したものである。この
値が、ゼロに近いほど、耐汚染性が良好であることを示
す。
【0152】
【表4】
【0153】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、プラスチ
ック基材に対して優れた付着性を有し、且つ、光沢保持
性に代表される耐久性や耐曝露汚染性に優れる硬化物を
形成することができる、極めて実用性の高いものであ
る。また、本発明の硬化性樹脂組成物を必須成分として
含有してなる塗料は、プラスチック基材に対して優れた
付着性を有し、且つ、光沢保持性に代表される耐久性や
耐曝露汚染性に優れる硬化塗膜を形成することができ
る、極めて実用性の高いものである。さらに、本発明の
塗料を各種基材上に塗装せしめてなる塗装物は、基材の
種類や下塗り用塗料の種類に関わらず、光沢保持性に代
表される耐久性や耐曝露汚染性に優れる上塗り塗膜を有
する、極めて実用性の高いものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 39/04 C08L 39/04 63/00 63/00 A 101/02 101/02 C09D 163/00 C09D 163/00 183/10 183/10 (72)発明者 三宅 正浩 大阪府高石市千代田2−3−6−502 (72)発明者 大岡 正隆 奈良県奈良市登美ヶ丘6−11−4 Fターム(参考) 4F100 AA21 AB10 AH03B AK03B AK24 AK51 AK52B AK53B AL01B AT00A BA02 BA07 CA02B EH46 EH61 GB07 GB32 GB90 JL00 JL06 JL11 YY00B 4J002 BE04X BG07X BG12X BJ00X CD00Y CD01Y CD02Y CD05Y CD08Y CD10Y CD11Y CD14Y CP17W EX066 FD09 FD15 GH01 4J038 CG141 CG142 DL131 GA03 GA09 GA15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素原子に結合した水酸基および/また
    は珪素原子に結合した加水分解性基を有するポリシロキ
    サンセグメント(A)とポリシロキサン以外の重合体セ
    グメント(B)より構成される複合樹脂(C)と、アミ
    ノ基を有する重合体(D)と、一分子中にエポキシ基を
    少なくとも2個有する化合物および一分子中にエポキシ
    基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併有する化合
    物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ基
    含有化合物(E)とを、必須成分として含有する硬化性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記した複合樹脂(C)を構成する、前
    記した、それぞれ、ポリシロキサンセグメント(A)と
    重合体セグメント(B)とが、下記の構造式(S−1) 【化1】 〔ただし、式中、炭素原子は、重合体セグメント(B)
    の一部分を構成し、2個の珪素原子は、ポリシロキサン
    セグメント(A)またはポリシロキサンセグメント
    (A)の一部分を構成するものとする。〕で示される結
    合により結合していることを特徴とする、請求項1に記
    載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記したポリシロキサンセグメント
    (A)が、下記の一般式(S−2) 【化2】 (ただし、式中のR1 は、それぞれ、置換基を有してい
    ても有していなくてもよい、アルキル基、シクロアルキ
    ル基、アリール基、アラルキル基またはアルケニル基な
    る1価の有機基を、R2はハロゲン原子、アルコキシ
    基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、
    メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、
    イミノオキシ基またはアルケニルオキシ基を表わすもの
    とし、また、aは1また は2なる整数であるものとす
    る。)で示されるシラン化合物を必須成分とする珪素化
    合物類の加水分解縮合物もしくは部分加水分解縮合物に
    由来するセグメントであることを特徴とする、請求項1
    又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記したシラン化合物が、オルガノトリ
    アルコキシシランおよびジオルガノジアルコキシシラン
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシ
    ランである、請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記した重合体セグメント(B)が、ビ
    ニル系重合体に由来するセグメントであることを特徴と
    する、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記したアミノ基を有する重合体(D)
    がビニル系重合体である、請求項1〜5のいずれかに記
    載の硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性
    樹脂組成物を必須成分として含有してなる塗料。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の塗料を塗装せしめてな
    る塗装物。
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