JP3030954B2 - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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JP3030954B2
JP3030954B2 JP3201180A JP20118091A JP3030954B2 JP 3030954 B2 JP3030954 B2 JP 3030954B2 JP 3201180 A JP3201180 A JP 3201180A JP 20118091 A JP20118091 A JP 20118091A JP 3030954 B2 JP3030954 B2 JP 3030954B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コーティング用組成物
に関し、さらに詳細にはスレート、セメント、モルタル
およびその他の無機窯業基材、鉄、ステンレスおよびア
ルミニウムなどの金属、さらにはガラス、プラスチック
などの製品の表面に、高硬度で耐水性、耐薬品性、耐汚
染性、耐熱性、耐候性、撥水性および密着性に優れた塗
膜を形成するために好適なコーティング用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、高硬度で耐水性、耐薬品性、耐汚
染性、耐熱性、耐候性、撥水性に優れた塗膜を形成する
ことが可能なコーティング用組成物が求められている。
このような要求の一部を満たすコーティング用組成物と
して、本願出願人は、先に特定分子量のオルガノポリシ
ロキサンとコロイド状アルミナからなる組成物を提案し
た(特開昭63−46272号公報、以下「先行技術」
という)。この先行技術の組成物は、基材にコーティン
グ後、高温で硬化させると高硬度の塗膜が得られるが、
200℃以下の低温で硬化させると硬度が不充分とな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、200℃以下の温度
で硬化させた場合にも、高硬度で耐水性、耐薬品性、耐
汚染性、耐熱性、耐候性、撥水性および密着性に優れた
塗膜を形成させることが可能なコーティング用組成物を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)一般式
RSi(OR′)3 (式中、Rは炭素数1〜8の有機
基、R′は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜
4のアシル基を示す)で表されるオルガノアルコキシシ
ランの縮合物であって、ポリスチレン換算分子量が3,
000〜50,000の範囲にピークトップを有するオ
ルガノポリシロキサンの高分子量体(以下、単に「高分
子量体」という)100重量部に対し、(b)コロイド
状アルミナを固形分換算で5〜50重量部、および
(c)一般式RSi(OR′)3 (式中、RおよびR′
は前記に同じ)で表されるオルガノアルコキシシランの
縮合物であって、そのポリスチレン換算分子量が400
〜2,800の範囲にピークトップを有するオルガノポ
リシロキサンの低分子量体(以下、単に「低分子量体」
という)を100〜1,000重量部含有することを特
徴とするコーティング用組成物を提供するものである。
以下、本発明を構成するコーティング用組成物を構成要
件別に詳述する。
【0005】(a)高分子量体 (a)高分子量体は、(a)′一般式RSi(OR′)
3 で表されるオルガノアルコキシシランを加水分解およ
び重縮合して得られるものであり、本発明で得られる組
成物中においては結合剤としての働きをするものであ
る。
【0006】この(a)′オルガノアルコキシシラン中
のRは、炭素数1〜8の有機基であり、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などの
アルキル基、そのほかγ−クロロプロピル基、ビニル
基、3,3,3−トリフロロプロピル基、γ−グリシド
キシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ
−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキ
シシクロヘキシルエチル基、γ−アミノプロピル基など
が挙げられる。また、オルガノアルコキシシラン中の
R′は、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4
のアシル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル
基、t−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。
【0007】これらの(a)′オルガノアルコキシシラ
ンの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシ
ラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピル
トリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフ
ロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフ
ロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ランなどを挙げることができるが、(a)′オルガノア
ルコキシシランのうち、80モル%以上のRがメチル基
であること、およびR′がメチル基またはエチル基であ
ることが好ましく、特に好ましくはメチルトリメトキシ
シラン、およびメチルトリエトキシシランである。これ
らのオルガノアルコキシシランは、1種単独で使用また
は2種以上を併用することができる。
【0008】なお、この(a)′オルガノアルコキシシ
ランは、酸性の水媒体中で加水分解反応によってアルコ
ールを遊離するとともに、重縮合反応を生起しオルガノ
ポリシロキサンの高分子量体を生成する。また、(a)
高分子量体の生成の際に、ジメチルメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシランなどのジメチルジアルコキシシ
ランを(a)′成分に対して50モル%以内で使用し、
共縮合させることも可能である。
【0009】この(a)高分子量体の分子量は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求
めた分子量分布曲線図でポリスチレン換算分子量が3,
000〜50,000、好ましくは4,000〜30,
000、特に好ましくは5,000〜20,000の範
囲にピークトップを有するものであり、3,000未満
では得られる塗膜の密着性が低下し、一方50,000
を超えると組成物の保存安定性が悪く、ゲル化を生起
し、また得られる組成物をコーティングに供すると塗膜
の密着性が低下することになる。
【0010】なお、本発明の(a)高分子量体の調製
は、例えば前記(a)成分の出発物質となる(a)′オ
ルガノアルコキシシラン、後記(b)コロイド状アルミ
ナ、水〔ただし、(b)成分中に存在することのある水
を含む〕、およびアルコール類1〜40重量部を混合
し、加水分解、重縮合を行い、(a)′オルガノアルコ
キシシランをポリスチレン換算分子量が3,000〜5
0,000の範囲にピークトップを有する(a)高分子
量体となし、次いで前記アルコール類を添加することに
より実施される。なお、分子量の調整は、重縮合条件
(例えば、重縮合温度、重縮合時間)により行うことが
できる。
【0011】(b)コロイド状アルミナ (b)コロイド状アルミナは、(a)′オルガノアルコ
キシシランの加水分解に必要な水を提供するとともに、
本発明の組成物の増粘および必要に応じて別途添加され
る充填材の分散、さらには得られる組成物をコーティン
グに供することによって形成される塗膜の耐熱性、硬度
および密着性の向上、さらに厚膜化を可能にするために
用いられる。この(b)コロイド状アルミナとは、通
常、水を分散媒とするpH2.5〜6の範囲のアルミナ
ゾルであり、アルミナ、擬ベーマイト、ベーマイトなど
を5〜25重量%程度含有し、安定剤として硝酸、塩
酸、酢酸などの酸を使用してなり、通常、その平均粒径
が5〜200nm、好ましくは10〜100nmのもの
である。このアルミナゾルとしては、例えば日産化学工
業(株)製のアルミナゾル−100、アルミナゾル−2
00、アルミナゾル−520などを挙げることができ
る。
【0012】また、(b)コロイド状アルミナとして
は、無水塩化アルミニウムの高温加水分解によって製造
されたもの、あるいは一般式Al(OR″)3(ここ
で、R″は例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基な
どの炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表されるアル
ミニウムアルコキシドを加水分解して得られたもので、
通常、平均粒径が5〜200nm、好ましくは10〜1
00nmの微粒子アルミナを、例えば5〜25重量%、
水75〜95重量%および酢酸、塩酸などの酸を0.0
5〜5重量%からなるコロイド状アルミナも使用するこ
ともできる。
【0013】さらに、(b)コロイド状アルミナの例と
しては、平均粒径が5〜200nm、好ましくは10〜
100nmの微粒子状アルミナをpH2〜6の酸性水性
分散液としたものを用いることもできる。このような微
粒子状アルミナとしては、例えばドイツ、デグサ社製の
アルミニウムオキサイドCなどを挙げることができる。
これらのコロイド状アルミナのうちで、アルミナゾル−
100、およびアルミナゾル−520が好ましい。
【0014】(b)コロイド状アルミナの配合量は、
(a)成分100重量部に対し、固形分換算で、通常、
5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部であり、
5重量部未満では得られる組成物の増粘、さらに必要に
応じて使用される充填材の分散性が充分でなく、また得
られる組成物をコーティングに供すると塗膜の硬度が充
分でなく、しかもクラックが入りやすくなり、一方50
重量部を超えると保存安定性が悪化したり、粘度が高く
なりすぎて均一な塗膜の形成が困難となる場合がある。
【0015】(c)低分子量体 (c)低分子量体は、本発明の組成物において、結合剤
として働き、かつ塗膜の硬度を高めるものである。
(c)成分を構成するオルガノアルコキシシランは、
(a)成分を調製する際に用いられる(a)′オルガノ
アルコキシシランと同様のものであり、特にメチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、およびフ
ェニルトリメトキシシランが好ましい。この(c)低分
子量体の分子量は、GPCにより求めた分子量分布曲線
図でポリスチレン換算分子量が400〜2,800、好
ましくは600〜2,500にピークトップを有するも
のであり、400未満では得られる塗膜の密着性が低下
し、一方2,800を超えると塗膜の硬度が低下する。
【0016】本発明の(c)成分に好適な低分子量体の
調製は、例えば(c)成分の出発物質となるオルガノア
ルコキシシラン1モルに対して、pH1〜6に調整した
水を1.5モル以上、好ましくは2〜15モル添加し
て、加水分解、重縮合を行い、オルガノアルコキシシラ
ンをポリスチレン換算分子量が400〜2,800の
(c)低分子量体とすることによって実施される。ここ
で、pH調整した水は、(c)成分の出発物質となるオ
ルガノアルコキシシランの加水分解に必須の成分であ
り、このpH調整は、従来公知の酸を添加することによ
って行われる。この酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫
酸、リン酸などの無機酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
酸性リン酸エステルなどの有機酸を挙げることができる
が、特に塩酸、および硝酸が好ましい。
【0017】この(c)低分子量体の組成物における割
合は、(a)成分100重量部に対して、通常、100
〜1,000重量部、好ましくは150〜500重量部
であり、100重量部未満では塗膜の硬度が低下し、一
方1,000重量部を超えると厚膜化したときにクラッ
クが入る場合がある。本発明のコーティング用組成物
は、以上のような(a)高分子量体、(b)コロイド状
アルミナ、および(c)低分子量体を主成分とするが、
これらのほか、通常、固形分濃度調整剤、分散、安定性
向上などの役目を果たす(d)アルコール類、(e)
水、さらに必要に応じて(f)充填材などを配合するこ
とができる。
【0018】(d)アルコール類 (d)アルコール類は、前記(a)成分と後記(f)充
填材を均一に混合し、さらに組成物のゲル化を防止する
ためのものであり、オルガノアルコキシシランの加水分
解によって遊離する水も含む。この(d)アルコール類
としては、1価アルコールまたは2価アルコールもしく
はその誘導体を挙げることができる。このうち、1価ア
ルコールとしては、炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコー
ルが好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、i
−プロピルアルコール、n−プロピルアルコール、se
c−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エ
チルヘキシルアルコール、ダイアセトンアルコールなど
が挙げられる。また、2価アルコールおよびその誘導体
としては、エチレングリコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることが
できる。
【0019】これらの(d)アルコール類のうちでは、
メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、n
−プロピルアルコール、およびエチレングリコールモノ
ブチルエーテルが好ましい。(d)アルコール類の組成
物中の割合は、特に限定されないが、(f)充填剤を含
まない本発明の組成物の全固形分濃度を、通常、5〜3
5重量%、好ましくは10〜30重量%になるように添
加する。
【0020】(e)水 (e)水は、(a)成分および(c)成分を生成するた
めにオルガノアルコキシシランの加水分解反応の必須の
成分として使用されるが、この加水分解反応後に組成物
中に残存する場合があり、この残存水を含むものであ
る。この(e)水は、(c)成分、さらに必要に応じ使
用される(f)充填材の分散媒としての役目を果たすも
のである。従って、(e)水は、通常、(a)成分ある
いは(c)成分を調製する際に添加される。この(e)
水は、(b)コロイド状アルミナに水が存在する場合に
は、この水のほかに、蒸留水、イオン交換水などを用い
ることができる。(e)水の組成物における割合は、特
に制限はないが、通常、上記の残存水をそのまま用い
る。
【0021】(f)充填材 (f)充填材は、得られる塗膜の着色、厚膜化、下地へ
の紫外線透過防止、防蝕性の付与、耐熱性などの諸特性
を発現させるために使用されるものである。この(f)
充填材しては、例えば有機顔料、無機顔料などの非水溶
性の顔料または顔料以外の粒子状もしくは繊維状の金属
および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、炭化
物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この(f)充填
材の具体例としては、粒子状もしくは繊維状の鉄、銅、
アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カー
ボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタ
ン、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニ
ウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウ
ム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、
クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト
緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェー
レ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、
紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セル
リアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバ
ルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレッ
ト、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクイエロー、硫化
鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム
黄、チタン黄、リサージ、ピグメントイエロー、亜酸化
銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベ
ンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン
白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン
白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン
白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、
サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィス
カー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。こ
れらの(f)充填材の平均粒径または平均長さは、通
常、0.05〜50μm、好ましくは0.1〜5μmで
ある。
【0022】(f)成分の組成物中の割合は、(a)成
分100重量部に対し、通常、50〜500部、好まし
くは80〜300重量部であり、50重量部未満では、
充填材が組成物に付与する性能を充分に発揮することが
できず、一方500重量部を超えると得られる組成物が
ゲル化することがあり、コーティングに供することによ
り得られる塗膜の硬度が悪化するとともに基材の密着性
が悪化し、作業性も悪くなることがある。
【0023】なお、本発明の組成物は、塗布前の組成物
の保存安定性を保ちながらコーティング後の塗膜の硬化
を促進させるために、そのpHを通常、2.5〜6.
5、好ましくは3〜6に調整することが望ましい。この
pH調整は、(b)コロイド状アルミナによって達成す
ることができるが、場合によってはさらに各種の酸を組
成物中に別途添加することによりpH調整することも可
能である。この酸としては、前記(c)成分の調製の際
に例示されが各種の酸が挙げられる。また、本発明の組
成物には、各種界面活性剤、増粘剤、分散剤、シランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤、またナフテン
酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸な
どのアルカリ金属塩、染料などのその他の添加剤を添加
することもできる。
【0024】さらに、本発明のコーティング用組成物を
比較的低い温度でより速く硬化させるためには、硬化促
進剤を併用する方が効果的である。この硬化促進剤とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p−トルエンス
ルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エチレンジアミ
ン、ヘキサンジアミンなどの脂肪族ジアミン;テトラメ
チルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩;ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミンなどの脂肪族ポリアミン、ピペリジン、ピペ
ラジンなどの脂環式アミン類;m−フェニレンジアミン
などの芳香族アミン類;エタノールアミン類、トリエチ
ルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種
変性アミンなどのアミン化合物;γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ア
ニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系シラ
ンカップリング剤;さらに(C4 9 2 Sn(OCO
11232 、(C4 9 2 Sn(OCOCH=CH
COOCH3 2 、(C4 9 2 Sn(OCOCH=
CHCOOC4 9 2 、(C8 172 Sn(OCO
11232 、(C8 172 Sn(OCOCH=CH
COOCH3 2 、(C8 172 Sn(OCOCH=
CHCOOCH3 2 、(C8 172 Sn(OCOC
H=CHCOOC4 9 2 、(C8 172 Sn(O
COCH=CHCOOC8 172 、Sn(OCOCC
8 172 、(C4 9 2 Sn(SCH2 COO)、
(C4 9 2 Sn(SCH2 COOC8 172
(C8 172 Sn(SCH2 COO)、(C8 17
2 Sn(SCH2 CH2 COO)、(C8 172 Sn
(SCH2 COOCH2 CH2 OCOCH2 S)、(C
8 172 Sn(SCH2 COOCH2 CH2 CH2
2 OCOCH2 S)、(C8 172 Sn(SCH2
COOC8 172 、(C8 172 Sn(SCH2
OO12252 (C4 9 2 SnO、(C8 172 SnO、(C4
9 )SnO、(C8 17)SnO、(C4 9 )Sn
(OCOC11233 、(C4 9 2 Sn(OCOC
11232 、(C4 9 )Sn(SC2 4 COOC8
173 、(C4 9 2 Sn(SC2 4 COOC8
172 などの有機スズ化合物;または有機スズ化合物
とエチルシリケート類とマレイン酸エステルとの反応生
成物;さらにチタニウムテトライソプロポキシド、ジイ
ソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトナート、ジ
ルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラキス
アセチルアセトナート、アルミニウムトリイソプロポキ
シド、アルミニウムトリスエチルアセトナート、トリメ
トキシボランなどの金属アルコキシドなどが使用され
る。
【0025】これらの硬化促進剤の使用割合は、組成物
100重量部に対し、通常、0.1〜15重量部、好ま
しくは0.5〜10重量部用いられる。なお、硬化促進
剤の種類によっては、硬化促進剤を添加することによっ
て本発明の組成物のpHが、中性あるいはアルカリ性サ
イドになる場合もある。
【0026】以上のような本発明のコーティング用組成
物は、前記(a)〜(c)成分を必須の成分として含有
するが、その全固形分濃度は、好ましくは20〜70重
量%、特に好ましくは30〜60重量%であり、20重
量%未満では固形分濃度が薄すぎて得られる組成物をコ
ーティングに供することにより形成される塗膜の耐熱
性、耐水性、耐薬品性、耐候性などの諸特性が発現され
ない場合があり、また形成される塗膜にピンホールが発
生する場合があり、一方70重量%を超えると固形分濃
度が高すぎて組成物の保存安定性が悪化したり、組成物
をコーティングに供しても均一な塗膜の形成が困難とな
るなどの弊害が生起する場合がある。
【0027】本発明のコーティング用組成物の調製方法
としては、例えば以下の〜の方法が挙げられる。 第1段階で、(a)′オルガノアルコキシシランに、
(b)コロイド状アルミナ、(e)水〔ただし、(b)
成分中に存在する水を含む〕、および(d)アルコール
類を混合して加水分解、重縮合を行い、(a)′オルガ
ノアルコキシシランをポリスチレン換算分子量が3,0
00〜30,000の範囲にピークトップを有する縮合
物を生成し、次いで第2段階でさらにオルガノアルコキ
シシラン、および(e)水を該オルガノアルコキシシラ
ンに混合して加水分解、重縮合を行う2段階反応によ
り、GPCにより求めた流出曲線図でポリスチレン換算
分子量が3,000〜50,000に範囲にピークトッ
プを有する高分子量体と、同400〜2,800の範囲
にピークトップを有する低分子量体との混合物を得る方
法。
【0028】第1段階で、(a)′オルガノアルコキ
シシランに、(b)コロイド状アルミナ、(e)水〔た
だし、(b)成分中に存在する水を含む〕、および
(d)アルコール類を混合して加水分解、重縮合を行
い、(a)′オルガノアルコキシシランをポリスチレン
換算分子量が3,000〜50,000の範囲にピーク
トップを有する高分子量体を得る。一方、別途、オルガ
ノアルコキシシラン、(e)水、および必要に応じて酸
などの加水分解触媒を混合して、加水分解、重縮合を行
ない、ポリスチレン換算分子量が400〜2,800の
範囲にピークトップを有する低分子量体を得、これを前
記の高分子量体と混合する方法。
【0029】本発明の組成物は、コンクリート、スレー
ト、セメント、モルタルおよびその他の無機窯業基材;
鉄、ステンレスおよびアルミニウムなどの金属;さらに
はガラス、プラスチックなどの製品の表面に、エナメル
塗膜を形成することが可能であるが、基材への吸い込み
防止、基材中のアルカリ成分の析出防止、防蝕性向上、
密着性向上などを目的として、下塗りにシーラーを併用
することもできる。このシーラーとしては、その要求さ
れる性能から、有機または無機ポリマーをビヒクルとす
る塗料が使用され、例えばアクリルエマルジョン系、非
水アクリルエマルジョン系、アクリル樹脂系、アクリル
ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、シリコン変性アクリ
ル樹脂系、シリコン樹脂系などを挙げることができ、こ
れらの塗料の使用に際しては下地となる基材の材質、表
面状態に応じて適宜選択される。
【0030】本発明のコーティング用組成物は、対象物
である基材の表面または前記シーラーを施した基材の表
面に、刷毛、スプレー、ディッピング、フローコータ
ー、ロールコーターなどの塗装手段により、1回塗りで
厚さ5〜50μm程度の塗膜を形成することができる。
また、塗装後の乾燥、加熱処理条件は、通常、80〜2
50℃で5〜30分間である。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り
重量基準である。また、実施例中における各種の測定方
法は、下記のとおりである。GPCによる測定は、下記
条件において、テトラヒドロフランを溶媒として使用
し、オルガノポリシロキサン(低分子量体および/また
は高分子量体)1gを100ccのテトラヒドロフラン
に溶解して試料とした。また、標準ポリスチレンは、米
国プレッシャーケミカル社製の標準ポリスチレンを使用
した。 装置;米国ウオーターズ社製、高温高速ゲル浸透クロマ
トグラム(モデル150−C ALC/GPC) カラム;昭和電工(株)製、SHODEX KF−80
M(2本)、KF−802(1本)、長さ各30cm 測定温度;40℃ 流速;1cc/分
【0032】密着性は、JIS K5400による碁盤
目テスト後、テープ剥離試験を3回実施し、その平均に
拠った。鉛筆硬度は、JIS K5400による鉛筆硬
度に拠った。クラックの有無は、目視および顕微鏡(4
0倍)観察に拠った。耐候性は、JIS K5400の
サンシャインカーボンアーク灯式に準じ、2,000時
間照射後の状態を観察した。耐熱性は、試料を、電気炉
で400℃×240時間保持し、自然冷却して塗膜の状
態を観察した。保存安定性は、ポリエチレン製ビン中で
密栓保存し、目視によりゲル化の有無を判定した。ゲル
化を生じていないものについては、JIS K5400
による粘度測定を行い、変化率が10%以内のものを変
化なしとした。
【0033】実施例1 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、(a)′メチル
トリメトキシシラン100部、(b)アルミナゾル52
0〔日産化学工業(株)製の酸性水性分散液、固形分濃
度20%)60部、i−プロピルアルコール15部を加
え、60℃に加熱して4時間反応させたのち、25℃に
冷却して第1段階の反応を行った。得られた溶液を、遠
心分離機を用いてアルミナ分を除去し、上澄み液を孔径
0.45μmのフィルターでろ過し、このろ液をGPC
で測定したところ、ピークトップのポリスチレン換算分
子量は12,400であった。
【0034】次いで、この溶液にメチルトリメトキシシ
ラン150部、1/1,000N塩酸水60部を加え、
室温下で2時間攪拌して第2段階の加水分解、重縮合反
応を行ったのち、i−プロピルアルコール160部を加
え、pH3.2、固形分濃度25%の組成物Aを得た。
得られた組成物AをGPCで測定した分子量分布曲線を
図1に示す。図1によれば、ポリスチレン換算分子量が
810にピークトップを有する低分子量体と、15,4
00にピークトップを有する高分子量体との混合物が得
られた。なお、高分子量体および低分子量体の重量は、
図1の分子量分布曲線の面積比から算出した。
【0035】実施例2〜5、比較例1〜4 実施例1と同様の反応器に、各成分を表1に示す割合で
加えて反応を行い、コーティング用組成物B〜Iを得
た。 実施例6 表1の組成物Fを100部と組成物Gを200部混合
し、組成物Jを得た。この組成物のpHは3.3、固形
分濃度24%、低分子量体のピークトップの分子量82
0、高分子量体のピークトップの分子量12,400で
あった。
【0036】試験例 以上のコーティング用組成物A〜Jを、それぞれアセト
ンで洗浄したアルミニウム製板(JIS H4000、
A1050P)上に乾燥膜厚が10μmとなるようにス
プレー塗装し、150℃で30分間加熱して硬化塗膜を
形成させた。これらの硬化塗膜について、密着性、硬
度、膜厚を変えたときのクラックの有無、耐候性、耐熱
性、保存安定性の評価を行った。なお、クラックの有無
は、膜厚を5μm、10μm、20μmとなるようにス
プレー塗装して判定した。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明のコーティング用組成物は、20
0℃以下の温度で硬化させた場合にも、高硬度で耐水
性、耐薬品性、耐汚染性、耐熱性、耐候性、撥水性およ
び密着性に優れた塗膜を形成させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】GPCにより求めた実施例1の組成物の分子量
分布曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−126780(JP,A) 特開 平3−56577(JP,A) 特開 昭63−170476(JP,A) 特開 昭62−32157(JP,A) 特開 昭63−308077(JP,A) 特開 昭63−46272(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式RSi(OR′)3 (式
    中、Rは炭素数1〜8の有機基、R′は炭素数1〜5の
    アルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表
    されるオルガノアルコキシシランの縮合物であって、ポ
    リスチレン換算分子量が3,000〜50,000の範
    囲にピークトップを有するオルガノポリシロキサンの高
    分子量体100重量部に対し、(b)コロイド状アルミ
    を固形分換算で5〜50重量部、および(c)一般式
    RSi(OR′)3 (式中、RおよびR′は前記に同
    じ)で表されるオルガノアルコキシシランの縮合物であ
    って、そのポリスチレン換算分子量が400〜2,80
    0の範囲にピークトップを有するオルガノポリシロキサ
    ンの低分子量体を100〜1,000重量部含有するこ
    とを特徴とするコーティング用組成物。
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