JP2619241B2 - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

Info

Publication number
JP2619241B2
JP2619241B2 JP61189490A JP18949086A JP2619241B2 JP 2619241 B2 JP2619241 B2 JP 2619241B2 JP 61189490 A JP61189490 A JP 61189490A JP 18949086 A JP18949086 A JP 18949086A JP 2619241 B2 JP2619241 B2 JP 2619241B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
composition
parts
film
resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61189490A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6346272A (ja
Inventor
欣司 山田
正樹 永田
秀行 花岡
淑則 吉田
Original Assignee
日本合成ゴム株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本合成ゴム株式会社 filed Critical 日本合成ゴム株式会社
Priority to JP61189490A priority Critical patent/JP2619241B2/ja
Publication of JPS6346272A publication Critical patent/JPS6346272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2619241B2 publication Critical patent/JP2619241B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、コーティング用組成物およびその製造方法
に関し、さらに詳細にはステンレス、アルミニウム、セ
ラミックス、セメント、繊維、紙、ガラス、プラスチッ
クなどの表面に、耐熱性、耐水性、耐海水性、耐有機薬
品性、耐酸性、耐アルカリ性、耐蝕性、熱および光の吸
収放射性、耐摩耗性、耐候性、耐湿性、密着性、保存安
定性などに優れた防蝕膜、電気絶縁膜、化粧膜、吸収放
射膜、防錆膜、導電膜、半導体膜、難燃化膜、断熱膜、
硬化膜、保護膜、機能膜などを製造するために好適なコ
ーティング用組成物およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、耐熱性、耐水性、耐海水性、耐有機薬品性、耐
酸性、耐アルカリ性、耐蝕性、熱および光の吸収放射
性、耐摩耗性、耐候性、耐湿性、密着性、保存安定性な
どに優れ、硬度の高い塗膜を形成させることのできるコ
ーティング用組成物が求められている。
このような要求の一部を満たすコーティング用組成物
として、シラノールの部分的縮合物とコロイド状シリカ
を含有する酸性の水性組成物が提案されている(特公昭
52−39691号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前記特公昭52−39691号公報に記載さ
れているコーティング用組成物は、得られる組成物を常
温で熟成するために含有されるトリシラノールの縮合が
充分に進行せず、この組成物を使用して塗膜を形成させ
ても該塗膜の基材に対する密着性が充分ではなく、また
かかる組成物は、保存安定性が劣り、組成物を長期間保
存しておくとコーティング用組成物としての使用に耐え
られなくなる。
本発明は、前記従来の技術的課題を背景になされたも
ので、耐熱性、耐水性、耐海水性、耐有機薬品性、耐酸
性、耐アルカリ性、熱および光の吸収放射性、耐摩耗
性、耐候性、耐湿性、密着性、保存安定性などに優れ、
かつ硬度の高い塗膜を形成させることのできるコーティ
ング用組成物およびその製造方法を提供することを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、 (a)一般式RSi(OR′)(式中、Rは炭素数1〜8
の有機基、R′は炭素数1〜5のアルキル基または炭素
数1〜4のアシル基を示す。)で表されるオルガノアル
コキシシランの縮合物であって、そのポリスチレン換算
重量平均分子量が3,000〜50,000のオルガノポリシロキ
サンをオルガノアルコキシシラン換算で100重量部、 (b)コロイド状アルミナを固形分換算で5〜50重量
部、 (c)水10〜80重量部(ただし、(b)成分中に存在す
ることがある水を含む。)、および (d)アルコール類120重量部以上、 を含有することを特徴とするコーティング用組成物を提
供するものである。
まず、本発明の組成物を構成要件別に詳述する。
(a)オルガノポリシロキサン (a)オルガノポリシロキサンは、(a)′一般式RS
i(OR′)で表されるオルガノアルコキシシランを加
水分解および重縮合して得られるものであり、本発明で
得られる組成物中においては結合剤としての働きをする
ものである。
かかるオルガノアルコキシシラン中のRは、炭素数1
〜8の有機基であり、例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、その他
γ−クロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフロロ
プロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタク
リルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フ
ェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ
−アミノプロピル基などが挙げられる。
また、オルガノアルコキシシラン中のR′は、炭素数
1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基であ
り、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、アセチル基などが挙げられる。
これらのオルガノアルコキシシランの具体例として
は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラ
ン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキ
シシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
トリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエ
チルトリエトキシシランなどを挙げることができるが、
好ましくはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシランである。
これらのオルガノアルコキシシランは、1種単独で使
用または2種以上を併用することができる。
また、(a)′一般式RSi(OR′)で表されるオル
ガノアルコキシシランのうち、80モル%以上が、CH3Si
(OR′)である場合が好ましい。
なお、かかるオルガノアルコキシシランは、酸性水媒
体中で加水分解反応によってアルコールを遊離するとと
もに、重縮合反応を生起しオルガノポリシロキサンを生
成する。
かかるオルガノポリシロキサンのポリスチレン換算重
量平均分子量は、3,000〜50,000、好ましくは4,000〜2
0,000であり、3,000未満では得られる塗膜の密着性が低
下し、一方50,000を超えると組成物の保存安定性が悪
く、ゲル化を生起し、また得られる組成物をコーティン
グに供すると塗膜の密着性が低下することになる。
(b)コロイド状アルミナ (b)コロイド状アルミナは、本発明の組成物のゲル
化防止、増粘および必要に応じて使用されるその他の充
填剤の分散ならびに得られる組成物をコーティングに供
することによって形成される塗膜の耐熱性、硬度および
密着性の向上、さらに静電防止、その他加水分解に必要
な水を提供することを目的に使用するものである。
かかる(b)コロイド状アルミナとは、通常、水を分
散媒とするpH2.5〜6の範囲のアルミナゾルであり、ア
ルミナ、擬ベーマイト、メーマイトなどを5〜25重量%
程度含有し、安定剤として硝酸、塩酸、酢酸などの酸を
使用してなり、通常、その平均粒径が5〜200mμ、好ま
しくは10〜100mμのものである。
このアルミナゾルとしては、例えば日産化学工業
(株)製のアルミナゾル−100、アルミナゾル−200、ア
ルミナゾル−520などを挙げることができる。
また、(b)コロイド状アルミナとしては、無水塩化
アルミニウムの高温加水分解によって製造されたもの、
あるいは一般式Al(OR″)(ここで、R″は炭素数1
〜4のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−ブ
チル基など、nは1〜4の整数を示す。)で表されるア
ルミニウムアルコキシドを加水分解して得られもので、
通常、平均粒径が5〜200mμ、好ましくは10〜100mμの
微粒子アルミナを、例えば5〜25重量%、水75〜95重量
%および酢酸、塩酸などの酸を0.05〜5重量%からなる
コロイド状アルミナも使用することもできる。
かかる(b)コロイド状アルミナは、本発明の組成物
中の他の固体成分とは対照的に強く正に帯電する。この
ため、このコロイド状アルミナは、本発明の組成物の溶
液中において必要に応じて使用されるその他の充填剤と
安定した凝集物を形成する。
さらに、(b)コロイド状アルミナの例としては、平
均粒径が5〜200mμ、好ましくは10〜100mμの微粒子状
アルミナをpH2〜6の酸性水性分散液としたものを用い
ることもできる。
このような微粒子状アルミナとしては、例えば西独デ
グサ社製のアルミニウムオキサイドCなどを挙げること
ができる。
以上の(b)コロイド状アルミナの組成物中における
割合は、(a)成分100重量部に対して、固形分換算で
5〜50重量部、好ましくは8〜40重量部であり、5重量
部未満では本発明の組成物のゲル化防止、増粘、さらに
必要に応じて使用されるその他の充填剤の分散性が充分
でなく、また得られる組成物をコーティングに供すると
塗膜の硬度が充分でなく、しかもクラックが入り易くな
り、一方50重量部を越えると相対的にその他の成分量が
少なくなり、増粘し過ぎたり、塗膜の密着性が低下す
る。
(c)水 (c)水は、(a)′成分で使用されるオルガノアル
コキシシランの加水分解反応に必須の成分であるととも
に、前記(b)成分の分散媒としての役目を果たすもの
である。
かかる(c)水は、(b)成分中に水が存在する場合
には、この水のほかに、別途、一般水道水、蒸留水、ま
たはイオン交換水を用いることができる。
特に、本発明の組成物を高純度にする場合には、蒸留
水またはイオン交換水が好ましい。(c)水の組成物中
における割合は、(a)成分100重量部に対して10〜80
重量部、好ましく15〜60重量部であり、10重量部未満で
は得られる組成物を用いてコーティングしても塗膜が充
分に硬化しない場合があり、一方80重量部を超えると組
成物の保存安定性が低下し好ましくない。
(d)アルコール類 (d)アルコール類は、必要に応じて使用されるその
他の充填剤の分散媒であるとともに、主として(a)′
成分と(b)成分に存在する水とを均一に混合させ、前
記(a)′オルガノアルコキシシランが水によって加水
分解される際にゲル化することを防止するためのもので
ある。
かかる(d)アルコール類としては、1価アルコール
または2価アルコールを挙げることができ、このうち1
価アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコ
ールが好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、se
c−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなど
を、また2価アルコールとしてはエチレングリコールな
どを挙げることができる。
これらの(d)アルコール類としては、好ましくはi
−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコールであ
る。これらの(d)アルコール類は、1種で使用または
2種以上を併用することができる。
また、前記(d)アルコール類には、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノ
エチルエーテルなどのエチレングリコール誘導体を添加
することもできる。
(d)アルコール類の組成物中の割合は、(a)成分
100重量部に対して120重量部以上、好ましくは120〜400
重量部であり、120重量部未満では(a)オルガノポリ
シロサンおよび必要に応じて使用されるその他充填剤の
分散性が悪くなり、また得られる組成物の粘度が高くな
りすぎて均質な塗膜が得られず、一方400重量部を超え
ると相対的に他の成分が少なくなり、得られる組成物を
コーティングに供することにより形成される塗膜の密着
性が低下したり、薄膜すぎて目的とする塗膜を得ること
ができなくなる場合がある。
なお、(d)成分/(c)成分の重量比は、好ましく
は2以上、特に好ましくは4以上とすることが、得られ
る組成物の保存安定性の観点から望ましい。
以上のように本発明のコーティング用組成物は、前記
(a)〜(d)成分を含有してなるが、その全固形分濃
度は、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15〜35
重量%であり、10重量%未満では固形分濃度が薄すぎて
得られる組成物をコーティングに供することにより形成
される塗膜の耐熱性、耐水性、耐薬品性、耐候性などの
諸特性が発現されない場合があり、また形成される塗膜
にピンホールが発生する場合があり、一方50重量%を超
えると固形分濃度が高すぎて組成物の保存安定性が悪化
したり、組成物をコーティングに供しても均一な塗膜の
形成が困難となるなどの弊害が生起する場合がある。
なお、本発明の組成物には、必要に応じて前述のよう
にその他の充填剤を添加することも可能である。
かかる充填剤は、得られる組成物をコーティングに供
することによって形成される塗膜のピンホールを無く
し、あるいは耐熱性などの諸特性を発現するために使用
されるものであり、水に不溶性のものである。
かかる充填剤としては、例えば有機顔料もしくは無機
顔料などの顔料または顔料以外の粒子状もしくは繊維状
の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、
炭化物、窒化物、硫化物の1種または2種以上のもので
あり、具体的には鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、
銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス
鋼、二酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化
クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸
化コバルト、合成ムライト、ジルコン(珪酸ジルコニ
ア)、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化珪素、窒化
珪素、窒化硼素、二流化モリブデンなどを挙げることが
できるが、これらに限定されるものではない。
これらの粒子状もしくは繊維状の充填剤の平均粒径ま
たは平均長さは、通常、0.0.5〜50μm、好ましくは0.1
〜5μmであることが必要であり、0.05μm未満では組
成物の粘度が上昇したり、目的とする膜厚が達成できな
い場合があり、一方50μmを越えると得られる組成物の
分散性が悪化する。
必要に応じて使用されるその他の充填剤の組成物中の
割合は、(a)成分100重量部に対して、通常、50〜500
重量部、好ましくは80〜300重量部であり、50重量部未
満であると充填剤が組成物に付与する性能を充分に発揮
することができず、また薄膜しかできないため防蝕膜、
化粧膜などの目的を達成することができず、一方500重
量部を越えると得られる組成物がゲル化することがあ
り、コーティングに供することにより得られる塗膜の硬
度が悪化するとともに基材への密着性が悪化し、作業性
も悪くなる。
なお、必要に応じて使用されるその他の充填剤の選択
は、得られる塗膜の目的によって、例えば下記選択に基
づいて行う。
防蝕膜を作るための充填剤としては、二酸化珪素、酸
化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化ジルコ
ニウム、合成ムライト、ジルコン、炭化珪素、窒化珪素
などの耐蝕性に優れたものを使用する。
電気絶縁膜を作るための充填剤としては、アルカリ金
属を含まない電気絶縁性の金属酸化物、炭化物、窒化物
を使用する。
化粧膜を作るための充填剤としては、酸化鉄、二酸化
チタン、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸
化アルミニウムなどの1種または2種以上の酸化物を使
用する。
熱放射膜を作るための充填剤としては、酸化鉄、酸化
銅、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化クロム、二酸化
珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、ジルコンなどの
1種または2種以上の酸化物を使用する。
導電膜および半導体膜を作るための充填剤としては、
銅、アルミニウム、ニッケル、銀、カーボンブラック、
酸化錫などを使用する。
断熱膜を作るための充填剤としては、熱伝導率を小さ
い金属酸化物、水酸化物、窒化物などを使用する。
防錆膜を作るための充填剤としては、亜鉛、鉛、クロ
ムなどを使用する。
その他、各種充填剤の持つ特性を活かした塗膜を作る
ためには、前記例示の充填剤を2種以上を併用すること
ができる。
また、本発明の組成物は、塗布前の組成物の保存安定
性を保ちながらコーティング後の塗膜の硬化を促進させ
るために、そのpHを通常、2.5〜6.5、好ましくは3〜6
に調整するこのが望ましい。かかるpH調整は、通常、前
記(b)成分により達成することができるが、場合によ
ってはさらに各種の酸を組成物中に別途添加することに
よりpH調整することも可能である。
かかる酸としては、例えば硝酸、塩酸などの無機酸、
または酢酸、蟻酸、プロピオン酸、マレイン酸、クロロ
酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、グルタ
ル酸、グリコール酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、
蓚散などの有機酸を挙げることができるが、特に酢酸が
好ましい。
さらに、本発明の組成物には、各種界面活性剤、シラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤、またナフテ
ン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸
などのアルカリ金属塩、染料などの従来公知のその他の
添加剤を添加するこもできる。
以上のような(a)〜(d)成分を含有する本発明の
組成物は、まず(イ)前記(a)成分の出発物質となる
(a)′オルガノアルコキシシラン100重量部に対し
て、(b)コロイド状アルミナを固形分換算で5〜50重
量部、(c)水10〜80重量部(ただし、(b)成分中に
存在することがある水を含む。)、および(d)アルコ
ール類1〜40重量部を混合して加水分解および重縮合を
行い、(a)′オルガノアルコキシシランをポリスチレ
ン換算重量平均分子量が3,000〜50,000の(a)オルガ
ノポリシロキサンとなし、(ロ)次いで前記(d)アル
コール類を添加することにより、(d)成分の総量を12
0重量部以上となすことにより製造することができる。
ここで、(イ)程度における(d)成分の添加量は、
(a)′成分100重量部に対して1〜4重量部、好まし
くは2〜25重量部であり、1重量部未満では(a)′オ
ルガノアルコキシシランの加水分解および重縮合反応が
速くなりすぎて所定のポリスチレン換算重量平均分子量
に調整することが困難で、ゲル化物が折出する場合があ
り、一方40重量部を超えるとオルガノアルコキシシラン
の加水分解および重縮合反応が遅くなり、反応に長時間
を要し好ましくない。
なお、(イ)工程における(c)成分/(a)成分の
モル比は、1.5〜6とすることが好ましく、1.5未満では
加水分解および重縮合反応が進み難く、一方6を超える
と組成物の保存安定性が低下する場合がある。
また、この(イ)工程における(d)成分の添加量
は、(c)成分の10〜40重量%となるように調整するこ
とが好ましく、10重量%未満では相対的に(c)成分で
ある水の量が多くなりすぎて加水分解および重縮合反応
が速くなりすぎ、また組成物の保存安定性が悪化し、一
方40重量%を超えると相対的に水の量が少なすぎて加水
分解および重縮合反応が遅くなり、反応に長時間を要す
る場合がある。
この(イ)工程は、通常、前記(a)′〜(d)成分
を混合して撹拌下において、温度40〜90℃、好ましくは
50〜80℃、反応時間1〜10時間、好ましくは2〜8時間
程度の条件で実施され、前記のようにポリスチレン換算
重量平均分子量が3,000〜50,000の(a)オルガノポリ
シロキサンを含有する組成物が得られる。
本発明の組成物の製造方法によれば、次いで(ロ)工
程としてさらに(d)成分を追加添加する。
すなわち、(ロ)工程は、(イ)工程の加水分解およ
び重縮合反応終了後に、生成した(a)オルガノポリシ
ロキサンが保存中にさらに加水分解および重縮合を行
い、高分子量化することを抑制するとともに、組成物全
体の固形分濃度を調整する希釈剤としての作用をなすも
のである。
この(ロ)工程における(d)成分の添加量は、
(a)′オルガノアルコキシシラン100重量部に対して1
20重量部以上、好ましくは120〜400重量部となるように
添加するものである。
(d)成分の追加添加量が前記範囲の下限未満である
と、得られる組成物において(d)成分の総量が(a)
成分100重量部に対して120重量部未満となり、得られる
組成物の保存安定性が低下する。
なお、本発明の組成物の製造方法において、前記必要
に応じて用いられるその他の充填剤をさらに配合する場
合には、前記製造方法に準じて、次のような製造方法を
採用すればよい。
すなわち、前記(a)′〜(d)成分を混合して、前
記(イ)工程を行い、次いで(ロ)工程を行う。
また、充填剤は、前記(ロ)工程の際に、または
(ロ)工程後に添加することができる。
本発明のコーティング用組成物は、対象物である基材
の表面に刷毛、スプレー、ディッピングなどの塗装手段
により、1回塗りで厚さ5〜50μm程度の塗膜を形成す
ることができ、2〜3回の塗装で厚さ10〜150μm程度
の膜厚にし、80〜300℃程度の温度で10〜120分程度加
熱、乾燥することにより充填剤として絶縁性のものを使
用した場合、市販の放電式ピンホールテスターで1,000
ボルト以上の放電テストに合格するピンホールの無い塗
膜を形成することが可能である。
本発明の組成物がコーティングされる基材としては、
例えばステンレス、アルミニウム、セラミックス、セメ
ント、繊維、紙、ガラス、プラスチックなどが挙げられ
る。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明す
るが、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重
量基準である。
また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)法によるポリスチレン換算重量平均分子量の測定お
よび実施例中における各種の測定は、下記のとおりであ
る。
GPC法による測定は、下記条件において、テトラヒド
ロフランを溶媒として使用し、オルガノポリシロキサン
1gを100ccのテトラヒドロフランに溶解して試料とし
た。また、標準ポリスチレンは、米国プレッシャーケミ
カル社製の標準ポリスチレンを使用した。
装置;米国ウオーターズ社製、高温高速ゲル浸透クロマ
トグラム(モデル150−C ALC/GPC) カラム;昭和電工(株)製、SHODEX A−8M、長さ50cm 測定温度;40℃ 流速;1cc/分 密着性は、JIS K5400による碁盤目テスト後、テープ
剥離試験を3回実施し、その平均に拠った。
硬度は、JIS K5400による鉛筆硬度に拠った。
耐熱性は、電気炉で400℃×240時間保持し、自然放冷
し、塗膜の状態を観察した。
冷熱サイクル性は、200℃で30分間加熱と、−20℃で3
0分間冷却の繰り返しを100回行い、塗膜の状態を観察し
た。
保存安定性は、ポリビン中で密栓保存し、目視により
ゲル化の有無を判定した。ゲル化を生じていないものに
ついては、JIS K5400による粘度測定を行い、変化率が
10%以内のものを変化なしとした。
ピンホールテストは、放電式ピンホールテスター(サ
ンコー電子研究所(株)製、PRD)を用いて2,000ボルト
で放電し、ピンホールの有無を調べた。
耐沸騰水性は、水道水で8時間煮沸し、塗膜の状態を
観察した。
耐水性は、水道水に60日間浸漬し、塗膜の状態を観察
した。
耐酸性は、濃度20%の塩酸を塗膜上に1ml滴下し、
蓋付きシャーレ中で1日静置後、水洗し、塗膜の状態を
観察した。
耐酸性は、濃度20%の硫酸を塗膜上に1ml滴下し、
蓋付きシャーレ中で1日静置後、水洗し、塗膜の状態を
観察した。
耐アルカリ性は、濃度1%水酸化ナトリウム水溶液を
塗膜上に1ml滴下し、蓋付きシャーレ中で1日静置後、
水洗し、塗膜の状態を観察した。
耐候性は、JIS K5400により、ウエザーメーター2,00
0時間照射試験を実施し、塗膜の状態を観察した。
実施例1〜5および比較例1〜4 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、(a)′メチ
ルトリメトキシシラン100部、(b)アルミナゾル(日
産化学工業(株)製の水性分散液、固形分濃度20%)50
部、(d)i−プロピルアルコール15部を加え、60℃に
加熱して4時間反応させ、組成物を得た。得られた組成
物を遠心分離機を用いてアルミナ分を除去した上澄み液
を孔径0.45μmのフィルターで濾過し、この濾液をGPC
法により測定したところ、ポリスチレン換算重量平均分
子量は7,300であった。
次に、前記組成物に(d)i−プロピルアルコールを
さらに100部添加し(以下、単に「追加i−プロピルア
ルコール」と称する)、室温まで冷却してコーティング
用組成物Aを得た。得られた組成物AのpHは3.6、固形
分濃度は22.3%であった。
前記と同様にして(a)′オルガノアルコキシシラ
ン、(b)コロイド状アルミナ、および(d)アルコー
ル類の種類と量を第1表に示したように変えてコーティ
ング用組成物B〜EならびにF〜Iを得た。
次いで、得られた組成物A〜Iをそれぞれアセトンで
洗浄したアルミニウム製板(JIS K4000、A10SOP)上に
スプレー塗装し、150℃で30分間加熱して硬化塗膜を形
成させた。これらの硬化塗膜について密着性、硬度、耐
熱性、および冷熱サイクル性を試験した。また、各組成
物の保存安定性を評価した。結果を第1表に示す。
実施例6〜10および比較例5〜7 第1表に示した前記組成物A〜EおよびF、H〜Iそ
れぞれをバインダーとし、これに第2表に示す各種の充
填剤および(d)成分を添加して、それぞれボールミル
にて5時間分散させ、第2表に示すコーティング用組成
物a〜eおよびf、h〜iを得た。
次に、100×100×2mmサイズのアルミニウム製板(JIS
H4000、A10SOP)をアルミニウム用脱脂剤(晃栄工業
(株)製、PS−500A)で脱脂後、水洗乾燥したものを用
意し、これに下記の要領でa〜eおよびf、h〜iの塗
装を行い、試験片を作製した。
すなわち、エアースプレーを用いて、乾燥時の膜厚が
約25μmになるように塗布し、150℃で10分間乾燥し
た。室温まで冷却後、さらにエアスプレーを用いて乾燥
時の膜厚換算で約25μm塗布し、150℃で30分間乾燥し
た。
得られた各種の試験片を用いて、各種の試験を行い、
結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の組成物をコーティングに供することにより得
られる塗膜は、耐熱性および密着性に優れ、ピンホ
ールが無く、ステンレス、アルミニウム、セラミック
ス、セメント、繊維、紙、ガラス、プラスチック(ただ
し、テフロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの官
能基を有しないものを除く。)など、ほとんど全ての材
料に対する使用が可能であり、80〜300℃で10〜120分
間の加熱により硬化させることができ、また用途によっ
ては1〜7日間の常温乾燥のみでも硬化させることがで
き、水を含んだ加水分解型の組成物であるにもかかわ
らず、長期間ゲル化せずに安定性を保持することができ
るため、3ケ月以上の保存安定性を確保することができ
る。
また、本発明の組成物は、必要に応じて添加される
充填剤を変えることにより、耐熱性、耐水性、耐海水
性、耐有機薬品性、耐酸性、耐アルカリ性、熱および光
の吸収放射性、耐摩耗性、耐候性、耐湿性、密着性、保
存安定性などに優れた防蝕膜、電気絶縁膜、化粧膜、吸
収放射膜、防錆膜、導電膜、半導体膜、難燃化膜、断熱
膜、硬化膜、保護膜、機能膜などを作ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花岡 秀行 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 吉田 淑則 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−136363(JP,A) 特開 昭62−57470(JP,A) 特開 昭62−32157(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式RSi(OR′)(式中、Rは
    炭素数1〜8の有機基、R′は炭素数1〜5のアルキル
    基または炭素数1〜4のアシル基を示す。)で表される
    オルガノアルコキシシランの縮合物であって、そのポリ
    スチレン換算重量平均分子量が3,000〜50,000のオルガ
    ノポリシロキサンをオルガノアルコキシシラン換算で10
    0重量部、 (b)コロイド状アルミナを固形分換算で5〜50重量
    部、 (c)水10〜80重量部(ただし、(b)成分中に存在す
    ることがある水を含む。)、 および (d)アルコール類120重量部以上、 を含有することを特徴とするコーティング用組成物。
JP61189490A 1986-08-14 1986-08-14 コーティング用組成物 Expired - Lifetime JP2619241B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61189490A JP2619241B2 (ja) 1986-08-14 1986-08-14 コーティング用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61189490A JP2619241B2 (ja) 1986-08-14 1986-08-14 コーティング用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6346272A JPS6346272A (ja) 1988-02-27
JP2619241B2 true JP2619241B2 (ja) 1997-06-11

Family

ID=16242137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61189490A Expired - Lifetime JP2619241B2 (ja) 1986-08-14 1986-08-14 コーティング用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2619241B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005347516A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Jsr Corp 発光装置

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2618287B2 (ja) * 1990-11-06 1997-06-11 日本ゼオン株式会社 光反応性有害物質除去剤及びこれを用いる有害物質除去方法
KR100374172B1 (ko) * 1999-12-22 2003-03-03 김정하 착색투명 무기도료 조성물과 제조방법 및 조성물 코팅방법
JP6726469B2 (ja) * 2016-01-22 2020-07-22 中国塗料株式会社 2液型一次防錆塗料、一次防錆塗料組成物の製造方法および基材の防錆方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4450255A (en) * 1983-01-10 1984-05-22 Dow Corning Corporation Alumina-containing organosilicon resins
JPS6257470A (ja) * 1985-06-05 1987-03-13 Yoshio Ichikawa 耐熱・耐久性に優れた防食・電気絶縁膜を作るコ−テイング用組成物
JPS6232157A (ja) * 1985-08-02 1987-02-12 Yoshio Ichikawa コ−テイング用組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005347516A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Jsr Corp 発光装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6346272A (ja) 1988-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS63308077A (ja) コーティング用組成物
EP0555879A1 (en) Coating composition and process for manufacturing the same
JPH0533275B2 (ja)
JPH05163463A (ja) コーティング用組成物の製造方法
JPH0832853B2 (ja) コ−テイング用組成物
JP3120617B2 (ja) コーティング用組成物
JP2792231B2 (ja) 金属表面処理用組成物
JP2619241B2 (ja) コーティング用組成物
US4830672A (en) Zirconia-based coating composition
JP2612692B2 (ja) コーテイング用組成物
JP4996832B2 (ja) シリカ系コーティング剤、それを用いたシリカ系薄膜および構造体
JP2924018B2 (ja) コーティング用組成物
JPH09255910A (ja) コーテイング用組成物
JP3279015B2 (ja) コーティング用組成物
JPH07116408B2 (ja) コ−テイング用組成物
JPH09291251A (ja) コーティング用組成物
JPS6279274A (ja) コ−テイング用組成物
JP2805942B2 (ja) コーティング用材料
JP4141447B2 (ja) コロイド状シリカ結合ポリシロキサン含有塗料組成物
JP3292158B2 (ja) コーティング用組成物
JPH0812943A (ja) コーティング用組成物
JP3242442B2 (ja) コーティング用組成物
JP3030954B2 (ja) コーティング用組成物
JPH066669B2 (ja) ジルコニウム含有オルガノポリシロキサン組成物
JP2822544B2 (ja) オルガノポリシロキサン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term