JP2003327912A - 船舶用プライマー防汚塗料組成物、船舶用複合防汚塗膜、該複合防汚塗膜の形成方法、該複合防汚塗膜で被覆された船舶および船舶外板の防汚方法 - Google Patents
船舶用プライマー防汚塗料組成物、船舶用複合防汚塗膜、該複合防汚塗膜の形成方法、該複合防汚塗膜で被覆された船舶および船舶外板の防汚方法Info
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Abstract
(A)樹脂成分と(B)反応性官能基含有シランカップリン
グ剤とを含有するものであり、上記樹脂成分(A)が、
(A1)ビニール系重合体からなる幹ポリマーと、該幹ポ
リマーにグラフトされた枝ポリマーとからなるグラフト
共重合体であって、さらに、上記枝ポリマーが、(a1-1)
オルガノポリシロキサンからなるグラフトポリマー、ま
たは、(a1-2)オルガノポリシロキサンからなるグラフト
ポリマーおよびポリオキシアルキレンからなるグラフト
ポリマー、を含むグラフト共重合体を含有することを特
徴としている。 【効果】 本発明によれば、塗膜強度に優れ、船舶への
一般的な水棲生物の通年の付着防止に有効な防汚塗膜を
形成でき、さらに密着性に優れた複合塗膜を形成でき、
しかも防汚性能の持続性に優れた船舶用複合防汚塗膜を
提供することができる。
Description
料組成物、船舶用複合防汚塗膜、該複合防汚塗膜の形成
方法、該複合防汚塗膜で被覆された船舶および船舶外板
の防汚方法に関し、さらに詳しくは、一般的な水棲生物
の通年の付着防止が有効に発現し得るような船舶用複合
防汚塗膜、船舶用複合防汚塗膜の船舶用プライマー防汚
塗膜を形成する船舶用プライマー防汚塗料組成物、船舶
用プライマー防汚塗膜の表面に船舶用防汚塗膜を形成さ
れてなる船舶用複合防汚塗膜の形成方法、該複合防汚塗
膜で被覆された船舶および船舶外板の防汚方法に関す
る。
汚剤として有機スズ等の有機化合物が従来用いられてい
たが、近年では生体系への安全性の観点から、このよう
な防汚剤の使用が再検討されている。これに代わる船舶
用防汚剤として、最近では有機錫不含の各種防汚塗料が
提案されている。
は、ビニル系ポリマーからなる幹ポリマーと、該幹ポリ
マーにグラフトされたオルガノポリシロキサンからなる
枝ポリマーおよびポリオキシアルキレンからなる枝ポリ
マーとからなるグラフト共重合体および該グラフト共重
合体を主成分とする被覆組成物が開示され、該組成物は
海中生物付着防止塗料として使用可能であり、該組成物
からなる被膜は、耐候性、撥水性、防汚性、離型性、潤
滑性等が良好である旨記載されている。
からなる被膜を、特に夏場の海中に浸漬した場合には、
短期間にその表面にフジツボ等が付着し、生物汚損防汚
塗膜としては充分でなく、また、塗膜の上に該被覆組成
物を塗付して形成された複合被膜を浸漬した場合、短期
間に下塗り塗膜と上塗り塗膜とが剥離を生じるとの問題
点があった。
側鎖にポリジメチルシロキサン基、および/またはトリ
メチルシリル基を有する重合体を含む水中防汚塗膜の上
に上塗り塗膜を設けることが記載され、特公平7−10
8958号公報には、防食塗膜(コールタール/塩化ビ
ニル系樹脂をベースとした塗料組成物から形成され
る。)の上に、シリコーン含有アクリル単量体と、該単
量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体との共
重合体よりなる非架橋型シリコーン含有アクリル樹脂を
含む撥水型防汚塗料組成物を塗布することが記載されて
いるが、いずれの防汚塗膜も上塗り塗膜または下塗り塗
膜との密着性が充分でなく、剥離を生じるなどの問題点
が依然として存在していた。
は、ビニル樹脂塗料組成物を塗装して下塗り塗膜を形成
し、その上に、シリコーングラフトアクリル樹脂系防汚
塗料組成物を塗装して上塗り塗膜を形成する複合防汚塗
膜の記載があるが、海中に長期間浸漬していると、上塗
り塗膜が下塗り塗膜から部分的に剥離を生じるとの問題
点が存在しており、改良の余地があった。
には、a)オルガノポリシロキサン系グラフト共重合体エ
マルション、b)アミノファンクショナルシラン、c)コロ
イダルシリカ、d)硬化用触媒、e)無機充填剤を必須成分
とする難燃性塗材を基材に塗布する旨記載され、特開
平10―88066号公報には、a)メタクリル酸エステ
ル単量体単位を主成分とし、かつ水酸基を有するビニル
重合体からなる幹ポリマーと、ビニル重合体からなる枝
ポリマーおよびシリコーンからなる枝ポリマーを有する
グラフト共重合体、b)架橋剤からなる被覆用組成物が記
載されているが、耐汚染性および耐候性を付与すること
をその目的としている。また、特開平10―1400
75号公報には、a)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート単量体単位、b)アクリル酸を幹ポリマーとする単量
体単位を必須構成単位とする被覆用組成物が記載され、
耐汚染性および耐候性を付与することをその目的として
いる。特開平11―158232号公報には、ケイ素
原子結合水素原子をシロキサン鎖の末端のみに有するシ
リコーン含有ビニル系重合体が記載され、特開平11
―279241号公報には、末端にケイ素原子結合水素
原子を有するシロキサン鎖がグラフト結合したシロキサ
ングラフト型ビニルポリマーが記載されている。
してみても、反応性官能基含有シランカップリング剤が
配合された船舶用プライマー防汚塗料組成物、さらに該
組成物から形成された船舶用プライマー防汚塗膜を有す
る複合防汚塗膜を船舶表面に設けるとの技術的思想につ
いては何ら記載も示唆もされていない。
問題点を解決しようとするものであって、塗膜強度に優
れ、船舶への一般的な水棲生物の通年の付着防止に有効
な防汚塗膜を形成でき、さらに基材と下塗り塗膜との密
着性、および下塗り塗膜と上塗り塗膜との密着性に優
れ、かつ防汚性能の持続性に優れた複合塗膜を形成する
ことのできる船舶用プライマー防汚塗料組成物、および
船舶用複合防汚塗膜、さらに、その船舶用複合防汚塗膜
の形成方法、該複合防汚塗膜で被覆された船舶および船
舶外板の防汚方法を提供することを目的としている。
組成物は、(A)樹脂成分と(B)反応性官能基含有シラン
カップリング剤とを含有し、上記樹脂成分(A)が、(A
1)ビニール系重合体からなる幹ポリマーと、該幹ポリ
マーにグラフトされた枝ポリマーとからなるグラフト共
重合体であって、上記枝ポリマーとして、(a1-1)オルガ
ノポリシロキサン、または、(a1-2)オルガノポリシロキ
サンおよびポリオキシアルキレン、を含むグラフト共重
合体を含有することを特徴としている。
剤(B)が、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキ
シ基またはグリシジル基から選ばれる1種または2種以
上の反応性官能基を含有するシランカップリング剤であ
ることが好ましい。本発明の船舶用プライマー防汚塗料
組成物が、さらに塩化ビニル共重合体を含有することも
好ましい。
が、さらにエポキシ樹脂を含有することが望ましい。本
発明に係る船舶用複合防汚塗膜が、船舶用プライマー防
汚塗膜の表面上に、船舶用防汚塗膜が形成された船舶用
複合防汚塗膜であって、上記船舶用プライマー防汚塗膜
が、上記船舶用プライマー防汚塗料組成物から形成さ
れ、上記船舶用防汚塗膜が、(C)樹脂成分として、下記
グラフト共重合体(C1)および/またはオルガノポリ
シロキサンチオブロックビニール共重合体(C2)を含
有する船舶用防汚塗料組成物から形成されていることを
特徴としている:(C1)ビニール系重合体からなる幹ポ
リマーと、該幹ポリマーにグラフトされた枝ポリマーと
からなるグラフト共重合体であって、上記枝ポリマーと
して、(c1-1)オルガノポリシロキサン、または、(c1-2)
オルガノポリシロキサンおよびポリオキシアルキレン、
を含むグラフト共重合体。
ビニル共重合体ブロックと、(c2-2)オルガノポリシロキ
サンチオブロックとから形成されるオルガノポリシロキ
サンチオブロックビニール共重合体。上記樹脂成分(C)
中の、グラフト共重合体(C1)および/またはオルガノ
ポリシロキサンチオブロックビニール共重合体(C2)
が、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアネート
基、エポキシ基、グリシジル基またはアルコキシシリル
基から選ばれる1種または2種以上の反応性官能基を有
する架橋型モノマー単位を含むことが好ましい。
用防汚塗料組成物が、さらにポリシロキサン(D)を含有
し、該ポリシロキサン(D)が、アミノ基、カルボキシル
基、ヒドロキシ基、エポキシ基またはグリシジル基から
選ばれる1種または2種以上の反応性官能基を有するこ
とも好ましい。上記ポリシロキサン(D)が、 平均組成式:RXSiZyO(4-x-y)/2・・・[1] {式[1]中、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアル
キル基、アリール基、アルコキシ基、またはアラルキル
基を示す。Zは、炭素数1〜10のアルキル基、また
は、R1−OR2[R1は、炭素数1〜10の2価脂肪族
炭化水素基を示し、該2価脂肪族炭化水素基は、隣接す
るSi原子および/またはOR2に直接結合していても
よく、エーテル基、エステル基、または−NH−を介し
てSi原子および/またはOR2に結合していてもよ
く、また該2価脂肪族炭化水素基中の炭素−炭素結合間
にエーテル基、エステル基、または−NH−が介在して
いてもよく、R2は、炭素数1〜6の低級アルキル基を
示す。]、R1−R3[R1は、上記と同様であり、R
3は、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、エポ
キシ基またはグリシジル基を示す。]を示す。xおよび
yは、それぞれ0.01≦x<4.0、0.01≦y<
4.0でかつ0.02≦x+y<4である。}で表さ
れ、数平均分子量が250〜30000の範囲にあり、
かつ、その分子末端に少なくとも1つのアルコキシ基を
有するポリシロキサンであることが望ましい。
記樹脂成分(C)を10〜99重量%、および、前記ポリ
シロキサン(D)を1〜90重量%(ただし、樹脂成分
(C)+ポリシロキサン(D)=100重量%)の量で含有
する船舶用防汚塗料組成物から形成された船舶用防汚塗
膜であることも望ましい。
法が、上記船舶用複合防汚塗膜を形成する方法であっ
て、船舶外板の表面上に、上記の船舶用プライマー防汚
塗料組成物から形成される船舶用プライマー防汚塗膜を
形成し、さらに、その表面上に、上記の船舶用防汚塗料
組成物から形成される船舶用防汚塗膜を形成することを
特徴としている。
は、船舶外板の表面上に、予め防食塗膜を形成すること
が好ましい。本発明に係る船舶は、船舶外板の表面に、
上記の船舶用複合防汚塗膜の形成方法により船舶用複合
防汚塗膜が形成されたことを特徴としている。本発明に
係る船舶外板の防汚方法は、船舶外板の表面に、上記の
船舶用複合防汚塗膜の形成方法により、船舶用複合防汚
塗膜を形成することを特徴としている。
マー防汚塗料組成物、船舶用複合防汚塗膜、該複合防汚
塗膜の形成方法、該複合防汚塗膜で被覆された船舶およ
び船舶外板の防汚方法について説明する。なお、本発明
に係る船舶用複合防汚塗膜(層)は、船舶用プライマー防
汚塗料組成物から形成される船舶用プライマー防汚塗膜
(層)の表面上に、船舶用防汚塗料組成物から形成される
船舶用防汚塗膜(層)が形成されてなるものであり、まず
本発明に係る船舶用プライマー防汚塗料組成物、次に船
舶用防汚塗料組成物について説明し、さらに、本発明に
係る船舶用複合防汚塗膜(層)について以下に具体的に説
明する。
明に係る船舶用プライマー防汚塗料組成物の樹脂固形分
は、(A)樹脂成分と(B)反応性官能基含有シランカップ
リング剤とを含有している。樹脂固形分中に上記樹脂成
分(A)は、船舶用プライマー防汚塗料組成物の樹脂固形
分100重量%に対して、3〜98重量%、好ましくは
10〜80重量%、さらに好ましくは40〜60重量%
の量で添加されることが望ましく、反応性官能基含有シ
ランカップリング剤(B)は船舶用プライマー防汚塗料組
成物の樹脂固形分100重量%に対して、0.01〜2
0重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ま
しくは0.5〜5重量%の量で添加されることが望まし
い。
ップリング剤(B)が、上記船舶用プライマー防汚塗料組
成物に上記の量で添加されていることにより、船舶用プ
ライマー防汚塗膜と船舶用防汚塗膜との親和性に優れる
こととなり、接着性が向上し、さらに、船舶用プライマ
ー防汚塗膜の塗膜強度を付与することができる。このよ
うな船舶用プライマー防汚塗料組成物は、従来より公知
の方法を適宜利用することにより製造することができ、
例えば、上記樹脂成分(A)と、反応性官能基含有シラン
カップリング剤(B)と、塩化ビニル共重合体および/ま
たはエポキシ樹脂、さらに必要により用いられる下記の
任意成分、例えば、タレ止め・沈降防止剤、顔料、充填
剤、撥水剤、溶剤などを所定の割合で一度にあるいは任
意の順序でそれぞれの成分を一度にあるいは少しずつ加
えて攪拌・混合し、溶媒に分散あるいは溶解すればよ
い。
含まれる樹脂成分(A)について説明する。<樹脂成分(A)> 本発明に用いられる樹脂成分(A)は、
上記したように、反応性官能基含有シランカップリング
剤(B)と共に船舶用プライマー防汚塗料組成物に含有さ
れるが、そのような樹脂成分(A)としては、(A1)ビニ
ール系重合体からなる幹ポリマーと、該幹ポリマーにグ
ラフトされた枝ポリマーとからなるグラフト共重合体で
あって、上記枝ポリマーとして、(a1-1)オルガノポリシ
ロキサン、または、(a1-2)オルガノポリシロキサンおよ
びポリオキシアルキレンを含むグラフト共重合体が挙げ
られる。
成物が、上記グラフト共重合体(A1)を含有することに
より、船舶用プライマー防汚塗料組成物から形成される
船舶用プライマー防汚塗膜と、その表面上に形成される
船舶用防汚塗膜との親和性が増し、接着性が向上する。
また、上記船舶用プライマー防汚塗料組成物は、上記樹
脂成分(A)として、さらに、塩化ビニル共重合体および
/またはエポキシ樹脂を含有することができ、好ましく
はエポキシ樹脂を含有することが望ましい。
ル共重合体を含む場合、樹脂成分(A)の樹脂固形分10
0重量%中に、塩化ビニル共重合体固形分を1〜99重
量%、好ましくは30〜95重量%の量で含むことが望
ましい。上記樹脂成分(A)として、さらにエポキシ樹脂
を含む場合、樹脂成分(A)の樹脂固形分100重量%中
に、エポキシ樹脂固形分を1〜100重量%、好ましく
は30〜95重量%の量で含んでいることが望ましい。
化ビニル共重合体およびエポキシ樹脂の両者を含む場
合、樹脂成分(A)の樹脂固形分100重量%中に、該
(A)成分を5〜90重量%、好ましくは15〜70重量
%の量で、塩化ビニル共重合体を5〜90重量%、好ま
しくは15〜70重量%の量で、エポキシ樹脂を5〜9
0重量%、好ましくは15〜70重量%の量で含んでい
ることが望ましい。船舶用プライマー防汚塗料組成物
が、塩化ビニル共重合体および/またはエポキシ樹脂を
上記量で含む樹脂成分(A)を含有することにより、該組
成物から形成される船舶用プライマー防汚塗膜の塗膜強
度を付与することができる。
含有されるグラフト共重合体(A1)について説明する。<グラフト共重合体(A1)> 本発明に用いられるグラフ
ト共重合体(A1)は、上述のように、ビニール系重合体
からなる幹ポリマーと、該幹ポリマーにグラフトされた
枝ポリマーとからなるグラフト共重合体であって、上記
枝ポリマーとして、(a1-1)オルガノポリシロキサン、ま
たは、(a1-2)オルガノポリシロキサンおよびポリオキシ
アルキレンを含むグラフト共重合体である。
ロキサンである場合、このようなオルガノポリシロキサ
ンからなる枝ポリマーを含む構成単位は、例えば、下記
式[2]
示し、aは、平均重合度を表し、0〜5000の数であ
り、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は、酸
素原子を介して結合していてもよい炭素原子数1〜11
の2価の炭化水素基を示し、R3はmが1のときR4また
はR5のいずれかを示し、R3はmが2のとき、2つのR3
はそれぞれR4およびR5のいずれか一方を示し、R3は
mが3のとき、3つのR3はそれぞれR4、R5およびR8
を示し、R4〜R8はいずれもアルキル基(炭素数1〜1
0)、アルコキシル基(炭素数1〜10)、フェニル
基、置換フェニル基、フェノキシル基または置換フェノ
キシル基の中から選ばれた基であって、互いに同一の基
であっても異なる基であってもよい。上記置換基として
は、ハロゲン、アルキル基(炭素数1〜5)、アルコキ
シル基(炭素数1〜5)、アシル基(炭素数1〜5)な
どが挙げられる。]で表される。
位としては、具体的に、例えば、下記式[3]
1、R2、R4〜R8は、式[2]と同様である。]で表さ
れる。また、枝ポリマーは、(a1-1)オルガノポリシロキ
サンであり、そのようなオルガノポリシロキサンとして
は、例えば、ジメチルポリシロキサン、炭素数2〜10
のジアルキルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロ
キサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルトリクロロ
プロピルポリシロキサン等が好ましく、これらの中では
ジメチルポリシロキサンが望ましい。オルガノポリシロ
キサンが上記のものである場合、上記式[2]で表され
るオルガノポリシロキサンからなる枝ポリマーを含む構
成単位は、具体的には、下記式[4]
チル基を示し、R2は、酸素原子を介して結合していて
もよい炭素原子数1〜11の2価の炭化水素基を示し、
mは、0〜3の整数を示し、nは平均重合度を表し、0
〜200の数である。]で表される。本発明において、
オルガノポリシロキサンからなる枝ポリマーを含む構成
単位としては、上記式[3]または[4]で表される構
成単位が用いられ、好ましくは上記式[4]で表される
構成単位を用いられるのが望ましい。
ポリシロキサンおよびポリオキシアルキレンである場
合、オルガノポリシロキサンからなる枝ポリマーを含む
構成単位は、上記式[4]のように表される。また、ポ
リオキシアルキレンとしては、例えば、エチレンオキサ
イドの単独重合体、エチレンオキサイドとプロピレンオ
キサイドとの共重合体等が挙げられ、このようなポリオ
キシアルキレンからなる枝ポリマーを含む構成単位は、
例えば、下記式[5]
チル基を示し、R4は、水素原子、炭素数1〜4の1価
の炭化水素基またはアセチル基を示し、vは2≦v<3
の数を示し、wは、平均重合度を表し、2〜50の数で
ある。]で表される。枝ポリマーを含まない構成単位
は、枝ポリマーを有しないラジカル重合性モノマーを共
重合した際に生ずるものであり、このような枝ポリマー
を有しないラジカル重合性モノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸の各種誘導体;ス
チレンまたはその誘導体;フマル酸、マレイン酸または
これらの誘導体;ラジカル重合性珪素化合物;その他、
アクリルニトリル、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビ
ニルアルキルエーテル等が挙げられる。
り具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等
のような、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチ
ル等のような、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキル
エステル類;アクリルアミド等の酸アミド類;(メタ)ア
クリル酸パーフロロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パ
ーフロロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸パーフロロ
オクチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフロロデシルエ
チル等のような、(メタ)アクリル酸のパーフロロアルキ
ルエステル類;等が挙げられる。
体的には、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これ
らのラジカル重合性モノマーは、1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。ラジカル重合性モノマ
ーとして、上記(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキル
エステル類を用いる場合には、得られるグラフト共重合
体(A1)は、ヒドロキシ基を含有し、架橋剤の多官能イ
ソシアネート化合物と反応、硬化するので、このような
ヒドロキシ基含有グラフト共重合体(A1)からは耐溶剤
性に優れた塗膜を得ることができる。
ロキサンである場合、このような枝ポリマーを有するグ
ラフト共重合体(A1)は、枝ポリマーを有しない構成
単位を含まずに、式[3]または式[4]で表される枝
ポリマーを有する構成単位、好ましくは式[4]で表さ
れる枝ポリマーを有する構成単位のみから構成されても
よい。該共重合体(A1)中の上記構成単位の比率は、得
られる樹脂組成物の用途、機能などによって異なり、一
概には決定されないが、通常構成単位[3]または
[4]が10〜80重量%、好ましくは40〜60重量
%の量である(但し、全構成単位量は100重量%)。
ロキサンおよびポリオキシアルキレンである場合、この
グラフト共重合体(A1)は、枝ポリマーを有しない構成
単位を含まずに、上記式[4]で表される枝ポリマーを
有する構成単位および上記式[5]で表される枝ポリマ
ーを有する構成単位から構成されてもよい。該共重合体
(A1)中の上記式[4]で表される構成単位および上記
式[5]で表される構成単位の比率は、得られる樹脂組
成物の用途、機能などによって異なり、一概には決定さ
れないが、通常、上記式[4]で表される構成単位
[4]が5〜60重量%の量で、上記式[5]で表され
る構成単位[5]が2〜50重量%の量であることが好
ましく、さらには上記式[4]で表される構成単位
[4]が10〜50重量%の量で、上記式[5]で表さ
れる構成単位が5〜30重量%の量であることが好まし
い(但し、共重合体中の全構成単位量は100重量%)。
単位が上記のような量で含まれていると、得られる塗膜
は耐候性、撥水性、防汚性などに優れ、しかも防汚塗料
組成物は造膜性にも優れる傾向がある。また、上記式
[5]で表される構成単位が上記の量で含まれている
と、親水成分と撥水成分からなる適度のミクロ相分離を
有する塗膜表面が得られる傾向にある。
5−230161号公報に記載されているように、ラジ
カル重合性基含有オルガノポリシロキサン化合物および
これらと共重合可能な前記のラジカル重合性モノマー、
または、ラジカル重合性基含有オルガノポリシロキサン
化合物とラジカル重合性基含有ポリオキシアルキレン化
合物およびこれらと共重合可能な前記のラジカル重合性
モノマーを所定量配合して共重合することにより得られ
る。
サン化合物中のラジカル重合性基としては、例えば、ア
クリル基;メタクリル基;ビニル基;アリル基等のアル
ケニル基;スチリル基等が挙げられる。ラジカル重合性
基含有オルガノポリシロキサン化合物としては、好まし
くは、式[6];
記式[4]と同様である。]で表される化合物が挙げら
れる。上記式[6]で表される化合物は、例えば、式
[7];
[4]と同様である。]で表されるアクリレートまたは
メタクリレート置換クロロシラン化合物と、式[8];
ある。]で表される末端水酸基置換ジメチルポリシロキ
サンとを、常法に従い脱塩酸反応させることにより得る
ことができる。上記式[6]で表される化合物として
は、具体的には、例えば式[6]中、R1、R2、m、n
がそれぞれ以下に示すものが挙げられる。 (1)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:2、n:6 (2)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:2、n:12 (3)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:2、n:25 (4)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:2、n:50 (5)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:2、n:100 (6)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:2、n:200 (7)R1:H、R2:(CH2)3、m:2、n:25 (8)R1:H、R2:(CH2)3、m:2、n:100 (9)R1:CH3、R2:(CH2)2O(CH2)3、m:2、
n:50 (10)R1:CH3、R2:CH2、m:2、n:12 (11)R1:CH3、R2:(CH2)11、m:2、n:25 (12)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:1、n:3 (13)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:1、n:25 (14)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:1、n:100 (15)R1:H、R2:(CH2)3、m:1、n:6 (16)R1:H、R2:(CH2)3、m:1、n:50 (17)R1:H、R2:(CH2)2O(CH2)3、m:1、n:
12 (18)R1:CH3、R2:CH2、m:1、n:50 (19)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:0、n:3 (20)R1:CH3、R2:(CH2)3、m:0、n:25 (21)R1:H、R2:(CH2)3、m:0、n:6 (22)R1:CH3、R2:CH2、m:0、n:25 (23)R1:CH3、R2:(CH2)2O(CH2)3、m:0、
n:50 (24)R1:CH3、R2:(CH2)11、m:0、n:25 (25)R1:H、R2:(CH2)3、m:0、n:100 前記ラジカル重合性基含有ポリオキシアルキレン化合物
中に含まれるラジカル重合性基としては、例えば、アク
リル基;メタクリル基;ビニル基;アリル基等のアルケ
ニル基;スチリル基等が挙げられる。
ン化合物としては、好ましくは、式[9];
記式[5]と同様である。]で表される化合物である。
上記式[9]で表される化合物としては、具体的には、
例えば上記式[9]において、R3、v、wおよびR4が
それぞれ以下に示すものが挙げられる。 (1)R3:CH3、v:2、w:2、R4:H (2)R3:H、v:2、w:2、R4:H (3)R3:CH3、v:2、w:8、R4:H (4)R3:CH3、v:2、w:8、R4:CH3 (5)R3:CH3、v:2.5、w:10、R4:H (6)R3:CH3、v:2.5、w:10、R4:C(=O)
CH3 (7)R3:H、v:2、w:20、R4:C4H9 (8)R3:CH3、v:2、w:20、R4:H (9)R3:CH3、v:2.8、w:30、R4:H (10)R3:H、v:2、w:50、R4:CH3 (11)R3:CH3、v:2、w:50、R4:H (12)R3:CH3、v:2.5、w:50、R4:C(=
O)CH3 上記グラフト共重合体(A1)は、前述のようにラジカル
重合性基含有オルガノポリシロキサン化合物とラジカル
重合性基含有ポリオキシアルキレン化合物およびこれら
と共重合可能な前記のラジカル重合性モノマーを所定量
配合して共重合することにより得られるが、この共重合
反応は、通常、ラジカル重合開始剤の存在下に行われ
る。
ンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の
過酸化物類;アゾビスイソブチロニトリル等アゾ系化合
物類;等が挙げられる。このような共重合反応には、溶
液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法の何れ
の方法を適用してもよく、なかでも、溶液重合法は得ら
れる共重合物の分子量を最適範囲に調整することが容易
であり、特に好ましい。溶液重合法で用いられる溶剤と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエス
テル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、
ブタノール等のアルコール類;等が挙げられる。これら
溶剤は、一種または二種以上組み合わせて用いられる。
またこの溶液重合法での共重合反応は、通常50〜18
0℃、好ましくは60〜120℃の温度で、通常5〜1
0時間程度行えばよい。
としては、上市されているものでは、例えば、X−22
−8009、X−22−8031、X−22−810
1、X−24−798A(以上何れも信越化学工業
(株)製、商品名)等が挙げられる。なお、防汚塗料組
成物中に含まれる上記グラフト共重合体(A1)がヒドロ
キシアルキルエステル類をその合成時の共重合成分とし
て含み、該共重合体中にヒドロキシ基を有する場合に
は、このようなグラフト共重合体用の硬化剤として、多
官能イソシアネート化合物を使用し、さらに必要により
架橋促進剤を併用することにより、常温硬化型の防汚塗
料組成物を得ることができる。
官能以上であれば特に限定されず使用可能であり、例え
ば、ジイソシアネート類;ポリイソシアネート類が挙げ
られ、より具体的には、ジイソシアネート類としては、
例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)、トリジンジイソシ
アネート(TODI)、ナフタリンジイソシアネート(N
DI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)等が挙げられる。また、ポリイソ
シアネート類としては、トリメチロールプロパン(TM
P)、変性TDI、イソシアヌレート結合TDI、TM
P変性HDI、イソシアヌレート結合HDI、ビューレ
ット結合HDI、TMP変性IPDI、イソシアヌレー
ト結合IPDI等が挙げられる。
は、グラフト共重合体中の水酸基1当量に対して、0.
5〜2.0当量、好ましくは0.8〜1.5当量の量で
用いられる。また、必要により上記多官能イソシアネー
ト化合物と併用される上記架橋促進剤としては、例え
ば、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート
等の有機錫化合物が挙げられるまた、本発明に用いられ
る樹脂成分(A)としては、(A1)オルガノポリシロキサ
ン分枝および/またはポリオキシアルキレン分枝を有す
るグラフト共重合体、または、このグラフト共重合体
(A1)の他に、塩化ビニル系共重合体および/またはエ
ポキシ樹脂を含有することも好ましい。以下に、本発明
に用いられる塩化ビニル系共重合、エポキシ樹脂につい
て説明する。
共重合は、例えば、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合、塩
化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合、塩化
ビニル・ビニルi−ブチルエーテル共重合、塩化ビニル
・プロピオン酸ビニル共重合、エチレン・酢酸ビニル共
重合体の塩素化物が挙げられ、好ましくは塩化ビニル・
酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合を用いることが望
ましい。
系共重合は、1種または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。<エポキシ樹脂> また、上記エポキシ樹脂は、例えば、
エピクロルヒドリン−ビスフェノールAエポキシ樹脂;
エピクロルヒドリンとビスフェノールF(4,4’-メ
チレンビスフェノール)とが反応した構造のエポキシノ
ボラック樹脂;3,4-エポキシフェノキシ-3’,4’
-エポキシフェニルカルボキシメタン等の脂環式エポキ
シ樹脂;エピクロルヒドリン−ビスフェノールAエポキ
シ樹脂中のベンゼン環に結合している水素原子の少なく
とも1部が臭素置換された構造の臭素化エポキシ樹脂;
エピクロルヒドリンと脂肪族2価アルコールとが反応し
た構造の脂肪族エポキシ樹脂;エピクロルヒドリンとト
リ(ヒドロキシフェニル)メタンとが反応した構造の多
官能性エポキシ樹脂などが挙げられ、好ましくはエピク
ロルヒドリン−ビスフェノールAエポキシ樹脂、エピク
ロルヒドリンとビスフェノールF(4,4’-メチレン
ビスフェノール)とが反応した構造のエポキシノボラッ
ク樹脂を用いることが望ましい。本発明においては、こ
のようなエポキシ樹脂は、1種または2種以上組み合わ
せて用いることができる。
(B)>船舶用プライマー防汚塗料組成物中に、上記樹脂
成分(A)と共に含まれる反応性官能基含有シランカップ
リング剤(B)は、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、
エポキシ基およびグリシジル基からなる群から選ばれた
少なくとも1種の反応性官能基を含有してなり、好まし
くはアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基を含有し、
さらに好ましくはアミノ基を含有することが望ましい。
る船舶用プライマー防汚塗料組成物から形成される船舶
用プライマー防汚塗膜の表面上に、下記の船舶用防汚塗
膜を形成した場合、船舶外板と船舶用プライマー防汚塗
膜、さらに船舶用プライマー防汚塗膜と船舶用防汚塗膜
相互の接着性が向上し、長期間海水中に浸漬しても防汚
塗膜の剥離が全く無く実用に耐えうる接着性が得られ
る。
上に、船舶用防汚塗膜が形成された船舶用複合防汚塗膜
において、船舶用プライマー防汚塗膜を形成する船舶用
プライマー防汚塗料組成物にシランカップリング剤(B)
を添加することにより著しく防汚性能の持続性が向上
し、これらの効果は、アミノ基を含有するシランカップ
リング剤を添加した場合に顕著に表れる。
は、シランカップリング剤(B)を有する船舶用プライマ
ー防汚塗膜の表面上に、反応性官能基含有ポリシロキサ
ン(D)を含有する船舶用防汚塗膜が形成された船舶用複
合防汚塗膜であることが望ましい。この場合、反応性官
能基含有ポリシロキサン(D)が、後述の官能基を有する
ことにより、船舶用防汚塗膜の防汚性能の持続性が向上
する。
リング剤(B)としては、具体的には、例えば、下記表1
に示される、(1)〜(24)の化合物が挙げられ、これら
のうちでは、好ましくは13〜17、21,22が用い
られる。
イマー防汚塗料組成物には、樹脂成分(A)、反応性官能
基含有シランカップリング剤(B)以外に配合可能なその
他の成分として、以下に述べるような、例えば、溶出助
剤、塩素化パラフィン等の可塑剤、脱水剤(安定剤)、
顔料、タレ止め・沈降防止剤、充填剤、撥水剤、溶剤な
ど、通常防汚塗料に配合されるような各種成分が挙げら
れる。
るような、各種化合物を使用できる。例えばロジン、ナ
フテン酸等の一塩基酸、各種ポリアルキレン変性物等を
必要により用いることができる。可塑剤 可塑剤としては、塗膜に可撓性を付与し、耐ワレ性や密
着性を向上するために正リン酸エステル、塩素化パラフ
ィン、フタル酸エステル、アジピン酸エステル等、通
常、塗料用に用いられる可塑剤を使用しても良い。
成物においては、これら可塑剤は、必要に応じ、上記船
舶用プライマー防汚塗料組成物100重量部に対して、
0〜50重量部の量で含まれていても良い。脱水剤(安定剤) 脱水剤(安定剤)としては、具体的には、例えば無水石
膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商品名:
モレキュラーシーブ等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢
酸メチル等のオルソエステル類、オルソホウ酸エステ
ル、シリケート類やイソシアネート類(商品名:アディ
ティブTI)等が挙げられる。
成物においては、この脱水剤は、必要に応じ、上記船舶
用プライマー防汚塗料組成物100重量部に対して0.
1〜10重量部の量で含まれていても良い。顔料 顔料としては、従来公知の有機系、無機系の各種顔料を
用いることができる。
フタロシアニンブルー、紺青等が挙げられる。無機系顔
料としては、例えば、チタン白、ベンガラ、バライト
粉、白亜、マイカ、アルミ等のように中性で非反応性の
もの;亜鉛華(ZnO、酸化亜鉛)、鉛白、鉛丹、亜鉛
末、亜酸化鉛粉等のように塩基性で塗料中の酸性物質と
反応性のもの(活性顔料)等が挙げられる。なお、染料等
の各種着色剤も含まれていてもよい。このような各種顔
料は、船舶用プライマー防汚塗料組成物中に、例えば、
合計で0.5〜80重量%程度の量で配合される。
a、Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキルスル
ホン酸塩などの塩類、ポリエチレンワックス、アミドワ
ックス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワック
ス系および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエ
チレン系ワックス等が挙げられ、好ましくは、ポリアマ
イドワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワ
ックス、有機粘度系が用いられる。このようなタレ止め
・沈降防止剤としては、楠本化成(株)製の「ディスパ
ロン305」、「ディスパロン4200-20」等の他、「ディス
パロンA630-20X」等の商品名で上市されているものが挙
げられる。
用プライマー防汚塗料組成物中に、例えば、2〜10重
量%の量で配合される。充填剤 充填剤としては、従来より公知の有機系、無機系充填剤
を挙げることができ、無機系充填剤としては、例えば、
シリカ、アルミナ、ガラス粉、クレー、タルク、炭酸カ
ルシウム、マイカ粉、二酸化チタン、ウォラストナイ
ト、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル基変性オイ
ル、フロロアルキル基変性シリコーンオイル等のシリコ
ーンオイルや、塩素化パラフィン、固形パラフィン、流
動パラフィン、ワセリンが挙げられる。
ような各種成分は、溶剤に溶解若しくは分散している。
ここで使用される溶剤としては、例えば、脂肪族系、芳
香族系、ケトン系、エステル系、エーテル系、塩素系、
アルコール系など、通常、防汚塗料に配合されるような
各種溶剤が用いられる。上記脂肪族系溶剤としては、n
−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン等が挙げられ、
芳香族系溶剤としては、例えば、ベンゼン、キシレン、
トルエン等が挙げられ、ケトン系溶剤としては、例え
ば、メイルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサ
ンノン等が挙げられ、エステル系溶剤としては、例え
ば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、エーテル系
溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート(PMAC)等が挙げられ、塩素系溶剤として
は、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素
等が挙げられ、アルコール系溶剤としては、例えば、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール
等が挙げられる。これらの溶剤は、1種または2種以上
組み合わせて用いられる。
れる船舶用防汚塗料組成物は、好ましくは、船舶用複合
防汚塗膜(層)に用いられる。この船舶用複合防汚塗膜
(層)は、上記船舶用プライマー防汚塗膜(層)の表面上に
船舶用防汚塗膜(層)が形成されてなっている。また、船
舶用防汚塗膜(層)は、以下に説明する船舶用防汚塗料組
成物から形成される。本発明に用いられる船舶用防汚塗
料組成物は、樹脂成分(C)を含有してなり、本発明の好
ましい態様においては、さらにポリシロキサン(D)を含
有することが望ましい。
は、樹脂成分(C)を含んでいるので、上述したような船
舶用プライマー防汚塗料組成物から形成される船舶用プ
ライマー防汚塗膜と、下記の船舶用防汚塗料組成物から
形成される船舶用防汚塗膜とが親和性に優れることとな
り、接着性を向上させることができる。また、上記船舶
用防汚塗料組成物が樹脂成分(C)と、さらにポリシロキ
サン(D)を含有することにより、船舶用防汚塗膜の防汚
性能を付与することができる。
が、上記樹脂成分(C)を含有してなる場合は、樹脂成分
(C)は船舶用防汚塗料組成物100重量%に対して、2
0〜95重量%、好ましくは30〜90重量%、さらに
好ましくは40〜70重量%の量で含有されることが望
ましい。一方、本発明に用いられる船舶用防汚塗料組成
物が、樹脂成分(C)とポリシロキサン(D)とを含有して
いる場合、(樹脂成分(C)+ポリシロキサン(D)=10
0重量%)、樹脂成分(C)を10〜99重量%の量で、
好ましくは20〜70重量%の量で、ポリシロキサン
(D)を1〜90重量%の量で、好ましくは30〜80重
量%の量で含むことが望ましい。
リシロキサン(D)が、上記船舶用防汚塗料組成物に上記
の量で添加されていることにより、船舶用プライマー防
汚塗膜と船舶用防汚塗膜との接着性が向上し、さらに、
船舶用防汚塗膜の塗膜強度を付与することができる。こ
のような本発明に用いられる船舶用防汚塗料組成物は、
前述の船舶用プライマー防汚塗料組成物と同様の方法に
より、同様の任意成分を必要により添加して、製造する
ことができる。
樹脂成分(C)についてまず説明する。<樹脂成分(C)> 本発明に用いられる樹脂成分(C)は、
下記グラフト共重合体(C1)および/またはオルガノ
ポリシロキサンチオブロックビニール共重合体(C2)
を含有している。
ビニール系重合体からなる幹ポリマーと、該幹ポリマー
にグラフトされた枝ポリマーとからなるグラフト共重合
体であって、上記枝ポリマーとして、(c1-1)オルガノポ
リシロキサン、または、(c1-2)オルガノポリシロキサン
およびポリオキシアルキレン、を含むグラフト共重合体
である。
クビニール共重合体(C2)は、(c2-1)ポリオキシアル
キレン基含有ビニル共重合体ブロックと、(c2-2)オルガ
ノポリシロキサンチオブロックとから形成されるオルガ
ノポリシロキサンチオブロックビニール共重合体であ
る。また、本発明においては、上記グラフト共重合体
(C1)および/またはオルガノポリシロキサンチオブロ
ックビニール共重合体(C2)が、架橋型モノマー単位を
含有することが好ましい。
(C)は、 非架橋型のグラフト共重合体(C1)、 架橋型のグラフト共重合体(C1)、 架橋型のオルガノポリシロキサンチオブロックビニー
ル共重合体(C2)、 上記および、 上記および、のいずれかを含有してなる。
0重量%)が上記、すなわち、非架橋型のグラフト
共重合体(C1)と、架橋型のオルガノポリシロキサン
チオブロックビニール共重合体(C2)とからなるとき、
ととは任意の割合で混合することができるが、は
10〜40重量%の量(ただし、+=100重量
%)であることが好ましい。
なわち、架橋型のグラフト共重合体(C1)と、架橋
型のオルガノポリシロキサンチオブロックビニール共重
合体(C2)とからなるとき、ととは任意の割合で混
合することができるが、は10〜40重量%の量(た
だし、+=100重量%)であることが好ましい。
が、上記組成で樹脂成分を含有することにより、船舶用
プライマー防汚塗料組成物から形成される船舶用プライ
マー防汚塗膜と、該組成物から形成される船舶用防汚塗
膜とが親和性に優れることとなり、接着性を向上させる
ことができる。このように、樹脂成分(C)は、グラフト
共重合体(C1)またはオルガノポリシロキサンチオブロ
ックビニール共重合体(C2)を1種または2種以上含有
してなるものである。
以下に説明する。<グラフト共重合体(C1)> 本発明に用いられるグラフ
ト共重合体(C1)は、上述のようのグラフト共重合体
(A1)と同様のものを用いることができる。<オルガノポリシロキサンチオブロックビニール共重合
体(C2)> 次に、上記樹脂成分(C)に含まれるオルガノ
ポリシロキサンチオブロックビニール共重合体(C2)に
ついて説明する。
ンチオブロックビニール共重合体(C2)は、ポリオキシ
アルキレン基含有ビニル共重合体ブロック(c2-1)と、オ
ルガノポリシロキサンチオブロック(c2-2)とから形成さ
れ、GPCで測定された重量平均分子量(Mw)が1,0
00〜200,000、好ましくは、2,000〜10
0,000であることが望ましい。重量平均分子量(M
w)が上記範囲にあると、得られる共重合体は、溶液ま
たは防汚塗料組成物として適当な濃度において、ハンド
リングに適した粘度となり、該共重合体を含む防汚塗料
組成物は、塗装に適した粘度となり、得られる塗膜(特
に防汚塗膜)は適度な強度を有し、防汚持続性に優れる
傾向がある。
クビニール共重合体(C2)を形成するポリオキシアルキ
レン基含有ビニル共重合体ブロック(c2-1)、オルガノポ
リシロキサンチオブロック(c2-2)について説明する。<ポリオキシアルキレン基含有ビニル共重合体ブロック
(c2-1)> 上記ポリオキシアルキレン基含有ビニル共重合
体ブロック(c2-1)は、(ア)下記式[10]で表され、ポ
リオキシアルキレン化合物が少なくともその片末端で重
合性不飽和カルボン酸とエステルを形成してなるポリオ
キシアルキレン重合性不飽和カルボキシレートから誘導
される成分単位(以下、「ポリオキシアルキレン重合性
不飽和カルボキシレート成分単位」とも言う。)と、(イ)
上記(ア)成分以外の少なくとも1種の非架橋型重合性不
飽和カルボン酸またはそのエステルから誘導される成分
単位(非架橋型重合性不飽和カルボン酸系成分単位)と、
(ウ)架橋型重合性不飽和単量体から誘導される成分単位
(架橋型重合性不飽和成分単位)と、(エ)必要に応じて、
その他の重合性不飽和単量体から誘導される成分単位と
から形成されている。
飽和カルボキシレート成分単位(ア)について説明する。ポリオキシアルキレン重合性不飽和カルボキシレート成
分単位(ア) 上記ポリオキシアルキレン重合性不飽和カル
ボキシレート成分単位(ア)は、下記式[10]で表され
るポリオキシアルキレン重合性不飽和カルボキシレート
から誘導される成分単位である。
いてもよい2価の炭化水素基を示し、脂肪族系、脂環族
系、芳香族系が挙げられ、脂肪族系が好ましく、具体的
には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基
(トリメチレン:−(CH2)3−、メチルジメチレン:−
CH2CH(CH3)−)、ブチレン基(テトラメチレン)な
ど、炭素数1〜10,好ましくは1〜5のポリ(メチレ
ン)基が挙げられる。
示し、例えば、ビニル基(CH2=CH−)、CH2=C
(CH3)−、CH3−CH=CH−、CH3−CH=C(C
H3)−、HOCOCH=CH−、CH3OCOCH=C
H−など、総炭素数が2〜15,好ましくは2〜10で
あって、置換基を有していてもよい不飽和炭化水素基含
有基が挙げられる。
重合性不飽和カルボン酸残基を示し、R3COO−とし
ては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基[CH2=
C(HまたはCH3)COO−]の他、2塩基性重合性不
飽和カルボン酸から誘導されたマレイノイルオキシ基
(HOOCCH=CHCOO−,sis)、フマロイルオキシ
基(HOOCCH=CHCOO−,trans)等の基、及びそ
れらのエステルなど、その総炭素数が2〜16,好まし
くは2〜11であって、置換基(例:−COOH)を有し
ていてもよい重合性不飽和カルボン酸残基(重合性不飽
和基含有カルボニルオキシ基)が挙げられる。
していてもよい1価の炭化水素基、重合性不飽和結合を
有していてもよい有機カルボン酸残基「R5CO−(R5
は、重合性不飽和結合を含有していてもよい有機基を示
す。)」を示す。この有機カルボン酸残基は、1塩基性
であっても2塩基性であってもよい。R4が、重合性不
飽和結合を有していてもよい1価の炭化水素基である場
合、このような炭化水素基としては、例えば、前記R3
と同様な基である、CH2=CH−、CH2=C(CH3)
−、CH3−CH=CH−、CH3−CH=C(CH3)−
などの他に、CH3−、C2H5−、C2H7−、C4H9−
などの炭素数1〜10,好ましくは1〜5のアルキル
基;置換基を有していても良い炭素数6〜20のアリー
ル基;CH3CO−、C2H5CO−、C2H7CO−、C4
H9CO−などの炭素数1〜10,好ましくは1〜5の
アルキルカルボニル基;などが挙げられ、これらのうち
では、水素原子、上記アルキル基が好ましい。
ル基等に含まれるはアルキル基は、直鎖状、分岐状、脂
環状などの何れでもよい。上記式[10]中、mおよびn
は正数を示し、好ましくは、それぞれ1〜50の数であ
る。このようなポリオキシアルキレン重合性不飽和カル
ボキシレート成分単位(ア)を誘導しうるポリオキシアル
キレン重合性不飽和カルボキシレート[10]としては、
特開平9−216922号公報[0009]段に記載の
ものなどを用いることができ、具体的には、例えば、ポ
リエチレングリコールモノメタクリレート(例:日本油
脂(株)製ブレンマーPEシリーズ、PE−90 、PE−200、
PE−350)、メトキシポリエチレングリコールモノメタク
リレート(例:日本油脂(株)製ブレンマーPMEシリー
ズ、PME−100 、PME−200 、PME−400)、ポリプロピレ
ングリコールモノメタクリレート(例:日本油脂(株)
製ブレンマーPPシリーズ、PP−1000 、PP−500、PP−80
0)、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール
モノメタクリレート(例:日本油脂(株)製ブレンマーP
EP シリーズ、70PEP−370B)、ポリエチレングリコール
ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート
(例:日本油脂(株)製ブレンマー55PET−800 )、ポリ
プロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモ
ノメタクリレート(例:日本油脂(株)製ブレンマーNKH
−5050)、ポリプロピレングリコールモノアクリレート
(例:日本油脂(株)製ブレンマーAP−400)、ポリエチ
レングリコールモノアクリレート(例:日本油脂(株)
製ブレンマーAE−350)、さらには、メトキシポリエチレ
ングリコールモノアクリレート:[H3C−(OC2H4)
m+n−OCO(CH)=CH2 ]、エトキシポリエチレン
グリコールモノメタクリレート:[H5C2−(OC2H4)
m+n−OCOC(CH3)=CH2 ]、メチルカルボキシポ
リエチレングリコールモノメタクリレート:[H3C−
CO−(OC2H4)m+n−OCOC(CH3)=CH2 ]、メ
チルカルボキシポリプロピレングリコールモノメタクリ
レート:[H3C−CO−(OC2H6)m+n−OCORC
(CH3)=CH2 ]、メトキシポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールモノメタクリレート:[H3
C−(OC2H4)m(OC2H6)n−OCORC(CH3)=C
H2 ]、カルボキシメチレンカルボキシポリエチレング
リコールモノメタクリレート:[HOCO−CH2−C
O(OC2H4)m+n−OCOC(CH3)=CH2 ]、ヒドロ
キシマレイオイルポリエチレングリコールモノメタクリ
レート:[HOOCCH=CHCO(OC2H4)m+n−O
COC(CH3)=CH2 ]、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート:[CH2=CHCO−(OC2H4)m+n−
OCOC(CH3)=CH2 ]、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート:[CH2=C(CH3)CO−(OC2H
4)m+n−OCOC(CH3)=CH2 ]、フェノキシポリエ
チレングリコールモノメタクリレート:
種以上組み合わせて用いられる。これらのポリオキシア
ルキレン重合性不飽和カルボキシレート[10]のうち
では、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート類[オ
キシアルキレン基の炭素数:1〜10]が好ましく、さ
らには、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート[エチレングリコールの繰り返し数:2〜1
00]が望ましい。
位(イ) 上記非架橋型重合性不飽和カルボン酸系成分単位(イ)
は、上記成分ポリオキシアルキレン重合性不飽和カルボ
キシレート成分単位(ア)以外の、「少なくとも1種の非
架橋型(非架橋性とも言う。)の重合性不飽和カルボン酸
またはそのエステル」から誘導される成分単位である。
ボン酸またはそのエステルとしては、特許293930
9号第13頁右欄後段〜14頁左欄上段、あるいは、特
開平9−100445号公報第3頁左欄〜右欄[000
7]段に記載の重合性ビニル単量体などを使用でき、具
体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸
等のα,β−不飽和カルボン酸およびその酸無水物;メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキ
サデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アク
リレート、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、メトキシエチル(メタ)アクリレート等の炭素数が1
〜30程度で、脂肪族、脂環族あるいは芳香族系の(メ
タ)アクリル酸エステル;ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のア
ミノ基含有不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリロ
キシプロピルポリジメチルシロキサンなどのケイ素含有
不飽和カルボン酸エステル;2,2,2−トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフル
オロデシル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有不飽和
カルボン酸エステル;等が挙げられる。
物および重合性不飽和カルボン酸エステルは、1種また
は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの
重合性不飽和カルボン酸、酸無水物および重合性不飽和
カルボン酸エステルのうちでは、上記(メタ)アクリル酸
およびそのエステルが好ましく、さらには、炭素数1〜
30の脂肪族、脂環族系の上記(メタ)アクリル酸および
そのアルキルエステルが望ましい。
(ア)、(イ)以外の、架橋型重合性不飽和単量体から誘導さ
れる成分単位が挙げられる。このような架橋型基(架橋
性基とも言う。)を有する重合性不飽和成分単位(ウ)を誘
導しうる架橋型重合性不飽和単量体としては、例えば必
要により用いられる架橋剤と反応可能なヒドロキシ基を
有する重合性不飽和単量体として、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)
カプロラクトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なカルボキシル基を有する重合性不飽和単量体として
(メタ)アクリル酸、マレイン酸及びその誘導体、イタコ
ン酸及びその誘導体等が挙げられる。自己架橋可能な又
は必要に応じて用いられる架橋剤と反応可能なイソシア
ネート基を有する重合性不飽和単量体として(メタ)アク
ロイルイソシアネート、2−(メタ)アクリロキシエチル
イソシアネート等が挙げられる。
なエポキシ基を有する重合性不飽和単量体として、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。必要に応じて用いられる架橋剤と反応可
能なグリシジル基を有する重合性不飽和単量体として、
グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられ
る。
シシリル基含有重合性不飽和単量体として、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロキシプロピルメトキシエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、p−トリメトキシシ
リルスチレン、p−トリエトキシシリルスチレン、p−
トリメトキシシリル−α−メチルスチレン、p−トリエ
トキシシリル−α−メチルスチレン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β(N−ビ
ニルベンジルアミノエチル−γ−アミノプロピル)トリ
メトキシシラン・塩酸塩等が挙げられる。
導される成分単位(ウ)は必要に応じて、ラジカル重合等
による架橋型基である(メタ)アクリロキシ基やビニル基
を有する成分単位(ウ)への誘導が可能であり、更に他の
架橋系であるシラノール基やアミノ基を有する成分単位
(ウ)への誘導も可能である。これらの「架橋型重合性不
飽和単量体」のうちでは、得られるオルガノポリシロキ
サンチオブロックビニル共重合体の造膜性、塗膜強度、
耐熱性、耐油性などの観点からみて、該共重合体を含む
塗料などから得られる塗膜中において、該共重合体が架
橋構造を形成していることが望ましく、「架橋型重合性
不飽和単量体」としては、ヒドロキシル基、カルボキシ
ル基、イソシアネート基、エポキシ基、グリシジル基、
アルコキシシリル基、アリーロキシシリル基、(メタ)ア
クリロキシ基、ビニル基、シラノール基、アミノ基等の
うちの何れか1種以上の官能基、好ましくはヒドロキシ
基、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、
グリシジル基、アルコキシシリル基のうちの何れか1種
以上の官能基を有する架橋型重合性不飽和単量体を用い
ることが望ましい。
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3(又は
2)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4(又は2)
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、グ
リシジル(メタ)アクリレートを用いることが特に望まし
い。
は、1種または2種以上組み合わせて用いることができ
る。その他の重合性不飽和成分単位(エ) その他の重合性不飽和成分単位(エ)としては、上記(ア)、
(イ)、(ウ)以外の必要により用いられる重合性不飽和単量
体から誘導される成分単位が挙げられる。
性不飽和単量体としては、ビニル共重合体ブロック成分
を形成しうるラジカル重合性不飽和単量体であれば公知
のいずれをも使用することができる。例えばスチレン、
α−メチルスチレンなどのスチレン類;酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;N,N−ジメ
チルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルア
ミドなどのアクリルアミド類;エチルビニルエーテル、
イソブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;イ
タコン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸など
のニ塩基性重合性単量体やそれらのエステル類;アクリ
ロニトリル等を挙げることができる。
は必要に応じ、1種または2種以上組み合わせて用いる
ことができる。本発明においては、ポリオキシアルキレ
ン基含有ビニル共重合体ブロック(c2-1)(100重量%)
中に、上記ポリオキシアルキレン重合性不飽和カルボキ
シレート成分単位(ア)は通常、0.1〜50重量%、好
ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20
重量%の量で、上記重合性不飽和カルボン酸系成分単位
(イ)は、通常、1〜99.9重量%、好ましくは5〜9
9.5重量%、特に好ましくは20〜99.0重量%の
量で、上記架橋型重合性不飽和成分単位(ウ)は、通常、
0.1〜80重量%、好ましくは1〜70重量%、特に
好ましくは3〜40重量%の量で含まれていることが望
ましい。
は、通常0〜80重量%、好ましくは0〜70重量%、
特に好ましくは0〜50重量%の量で含まれていても良
い。このような量で各成分単位(ア)と(イ)と(ウ)と(エ)とが
ポリオキシアルキレン基含有ビニル共重合体ブロック(c
2-1)中に含まれていると、得られるオルガノポリシロキ
サンチオブロックビニル共重合体(C2)(シリコーン
ブロックビニル共重合体とも言う。)は、適度な造膜性
を有し、塗膜強度が良好で防汚性に優れる傾向がある。
ニル共重合体ブロック(c2-1)あるいは対応するポリオキ
シアルキレン基含有ビニル共重合体のTgは、通常、−
75℃以上、好ましくは−30℃以上であることが造膜
性の点で望ましい。またオルガノポリシロキサンチオブ
ロックビニル共重合体100重量部中に含まれるポリオ
キシアルキレン基含有ビニル共重合体ブロック(c2-1)1
00重量部に対して、オルガノポリシロキサンチオブロ
ック(c2-2)は通常、0.01〜900重量部、好ましく
は0.1〜700重量部の量で存在していることが望ま
しい。
とがオルガノポリシロキサンチオブロックビニル共重合
体(C2)中に含まれていると、該オルガノポリシロキ
サンチオブロックビニル共重合体(C2)は、難接着面
を形成し防汚性が良好となる傾向がある。なお、ポリオ
キシアルキレン基含有ビニル共重合体ブロック(c2-1)中
においては、上記モノマー(ポリオキシアルキレン重合
性不飽和カルボキシレート[10])中の重合性不飽和結
合(炭素−炭素二重結合)が開裂してなる成分単位(ア)
と、同様に対応するモノマー中に含まれる重合性不飽和
結合がそれぞれ開裂してなる成分単位(イ)と、成分単位
(ウ)と、必要に応じて用いられる成分単位(エ)とが、ラン
ダムにあるいはブロックに配列して連結して共重合体ブ
ロックを形成しているものと思われる。
2-2)>上記ポリオキシアルキレン基含有ビニル共重合体
ブロック(c2-1)と一緒になってオルガノポリシロキサン
チオブロックビニル共重合体(C2)を形成するオルガ
ノポリシロキサンチオブロック(c2-2)は、下記式[11]
で表される。一般式[11]:
〜10の炭化水素基を示し、R6としては、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜10,好
ましくは1〜5、特に1〜3のアルキル基;フェニル
基;フルオロアルキル基等が挙げられ、好ましくは上記
アルキル基、特にメチル基が望ましい。R7、R8およびR9
は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜10の2価の有
機基を示し、好ましくは該炭素数の2価チオ有機基
(例:チオ炭化水素基)または前記R 6と同様の基を示
し、さらに好ましくは上記2価のチオ有機基が望まし
い。
(X:置換基を有していてもよい2価有機基)で示され
る。該チオ有機基としては、特許第2863562号公
報第3頁に示されるような、チオメチレン基(−S−C
H2−)、チオジメチレン基(−S−(CH2)2−)、チオト
リメチレン基(−S−(CH2)3−)、チオプロピレン基
「−S−CH(CH3)CH2−」、チオブチレン基「−S
−CH2CH(CH3)CH2−」、チオジメチルメチレン
基「−S−C(CH3)2−」、チオジメチルエチレン基
「−S−CH2C(CH3)2−」、チオオクタメチレン基
「−S−(CH2)8−」等のように、分岐を有することの
ある、炭素数が1〜10で鎖状の2価炭化水素基を有す
るチオ炭化水素基;チオフェニレン基「−S−C6H
4−」、チオフェニレンエチレン基「−S−C 6H4−(C
H2)2−」等のように、芳香族系2価炭化水素基を有す
るチオ炭化水素基;また、特開平9−100445号公
報に記載のような末端に、エポキシ基を有するポリジメ
チルシロキサン化合物に、HS−CH2COOH、HS
−CH2CH 2COOHを付加して得られるような構造に
由来する2価有機基を有するチオ有機基;等が挙げられ
る。
は、チオトリメチレン基等の炭素数1〜5の鎖状の2価
炭化水素基(X)を有するチオ炭化水素基が好ましい。上
記mは、繰り返し単位[SiO(R6)2]の総数(正の数)
を示し、nもこれと同様に、繰り返し単位[SiO
(R6)(R9−)]の総数(正の数)を示し、各繰り返し単位
[SiO(R6)2]と、[SiO(R6)(R9−)]とは、任
意の順序で結合して各繰り返し単位の総個数がそれぞれ
m、nとなっていてもよい。例えば、各繰り返し単位が
1個づつ交互に配列して結合していてもよく、それぞれ
が任意個数のブロックを形成して配列し、各繰り返し単
位の総個数がそれぞれm、nとなっていてもよい。
ロック(c2-2)には、式[11]中のR 7、R8、R9の種類
により、下記(1)〜(4)の4つのタイプがある。(これら
式[11−1]〜[11−4a]中、R10は、炭素数1〜1
0,好ましくは1〜5の二価有機基を示す。R6は、式
[11]中のものと同じ。) (1) 式[11]中、オルガノポリシロキサンの片末端基
R7またはR8が、2価のチオ有機基を示し、かつR8お
よびR9が、前記R6と同様の基を示すもの(片末端型):
ロック[11−1]を誘導しうるメルカプト変性ポリオル
ガノシロキサン[11−1a]としては、例えば、下記の
ようなものが挙げられる。
プロピレン基「−CH(CH3)CH2−」あるいはトリメ
チレン基「−(CH2)3−」、R6はメチル基、フェニル
基、フルオロアルキル基を示す。m+n=2〜1,50
0の数。) このようなメルカプト変性ポリオルガノシロキサン[1
1−1a]として、より具体的には、α−メルカプトプ
ロピルポリジメチルシロキサン、エポキシ基含有ポリジ
メチルシロキサン(品名:「サイラプレーンFM−0511、F
M−0521、FM−0525」、チッソ(株)製)への3−メルカ
プトプロピオン酸付加物などが挙げられる。 (2)式[11]中、R7および R8が、何れも2価のチオ炭
化水素基を示し、かつR 9が、前記R6と同様の基を示す
もの(両末端型):
ロック[11−2]を誘導しうるメルカプト変性ポリオル
ガノシロキサン[11−2a]としては、例えば、下記の
ようなものが挙げられる。
ロピレン基「−CH(CH3)CH2−」あるいはトリメチ
レン基「−(CH2)3−」、R6はメチル基、フェニル
基、フルオロアルキル基を示す。m+n=2〜1500
の数。) このようなメルカプト変性ポリオルガノシロキサン[1
1−2a]としてより具体的には、信越化学工業(株)製
「X−22−167B」などが挙げられる。 (3)式[11]中、R7およびR8の両者が、前記R6と同様
の基を示し、複数(n個)のR9のうちの少なくとも1個
(n−p個)が2価のチオ炭化水素基を示し、かつ残りの
R9(p個)が、前記R6と同様の基を示すか、または複数
のR9の全て(p=0、n個)が、2価のチオ炭化水素基
を示すもの(側鎖型):
ロック[11−3]を誘導しうるメルカプト変性ポリオル
ガノシロキサン[11−3a]としては、例えば、下記の
ようなものが挙げられる。
ロピレン基「−CH(CH3)CH2−」あるいはトリメチ
レン基「−(CH2)3−」、R6はメチル基を示す。m=
1〜1500の数、n=1〜100の数、0≦p≦n
(p:整数)。) このようなメルカプト変性ポリオルガノシロキサン[1
1−3a]としてより具体的には、信越化学工業(株)
製、商品名「KF−2001、KF−2004、KP−
358」などが挙げられる。 (4) 式[11]中、R7およびR8の両者が、2価のチオ
炭化水素基を示し、R9のうちの少なくとも1個(n−p
個)が、2価のチオ炭化水素基を示し、かつその残り(p
個)のR9が、前記R6と同様の基を示すか、またはR9の
全て(p=0、n個)が2価のチオ炭化水素基を示すもの
(側鎖両末端型):
10は、炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価炭化水
素基を示す。R6は、式[11]中のものと同じ。) このようなオルガノポリシロキサンチオブロック[11
−4]を誘導しうるメルカプト変性ポリオルガノシロキ
サン[11−4a]としては、例えば下記のようなものが
挙げられる。
ロピレン基「−CH(CH3)CH2−」あるいはトリメチ
レン基「−(CH2)3−」、R6はメチル基を示す。m=
1〜1500の数、n=1〜100の数、0≦p≦n
(p:整数)。) このような種々のオルガノポリシロキサンチオブロック
(c2-2)中におけるチオエーテル基「−S−」あるいは対
応するメルカプト変性ポリオルガノシロキサン中におけ
るメルカプト基(−SH基)の個数は、例えば、特開平9
−216922号公報(昭和電工(株))5頁[001
5]欄にも示されるように、通常、1 ブロック(あるい
は1分子)当たり、平均して1.0〜100個、好まし
くは1.0〜50、さらに好ましくは1.0〜30が望
ましい。
ロック(c2-2)あるいは対応するメルカプト変性ポリオル
ガノシロキサンの数平均分子量(Mn)は、300〜10
0,000、好ましくは500〜50,000であるこ
とが望ましい。なお、オルガノポリシロキサンチオブロ
ックビニル共重合体(C2)中のオルガノポリシロキサ
ンチオブロック(c2-2)が、ポリオルガノシロキサンの分
子片末端にメルカプト基1個を有するメルカプト変性ポ
リオルガノシロキサン[11−1a]より誘導された上
記片末端型[11−1]である場合には、ポリオキシアル
キレン基含有ビニル共重合体ブロック(c2-1)の片末端
に、オルガノポリシロキサンチオブロック(c2-2)が付加
(末端封止)したブロック共重合体((c2-1)・(c2-2)型)と
なり、またオルガノポリシロキサンチオブロック(c2-2)
が上記両末端型[11−2]である場合には、ポリオキシ
アルキレン基含有ビニル共重合体ブロック(c2-1)が、オ
ルガノポリシロキサンチオブロック(c2-2)の両末端に付
加したブロック共重合体((c2-1)・(c2-2)・(c2-1)型な
ど)となり、またオルガノポリシロキサンチオブロック
(c2-2)が上記側鎖型[11−3]である場合には、ポリオ
キシアルキレン基含有ビニル共重合体ブロック(c2-1)
が、オルガノポリシロキサンチオブロック(c2-2)の側鎖
に付加したグラフト共重合体(櫛型共重合体)となり、ま
た上記オルガノポリシロキサンチオブロック(c2-2)が上
記側鎖両末端型[11−4]である場合には、ポリオキシ
アルキレン基含有ビニル共重合体ブロックが、オルガノ
ポリシロキサンチオブロック(c2-2)の両末端および側鎖
に付加したスター型共重合体となると考えられる。但
し、これらの反応はラジカルの複雑な停止反応により、
この他のブロック構造の存在も推定し得る。
ビニル共重合体(C2)(固形分)中に含まれる全成分単
位の合計100重量%中に、ポリオキシアルキレン基含
有ビニル共重合体ブロック(c2-1)を構成する前記ポリオ
キシアルキレン重合性不飽和カルボキシレート成分単位
(ア)は、通常、0.01〜40重量%、好ましくは0.
1〜25重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%の
量で、前記重合性不飽和カルボン酸系成分単位(イ)は、
通常、0.5〜95重量%、好ましくは1〜90重量
%、特に好ましくは5〜80重量%の量で、前記架橋型
重合性不飽和成分単位(ウ)は、通常、0.05〜70重
量%、好ましくは0.5〜60重量%、特に好ましくは
1〜50重量%の量で含まれ、前記その他の重合性不飽
和成分単位(エ)は、通常0〜70%、好ましくは0〜6
0%、特に好ましくは0〜40%の量で含まれていても
良い。
ク(c2-2)は、通常、0.01〜90重量%、好ましくは
0.1〜70重量%、特に好ましくは1〜50重量%の
量で含まれていることが望ましい。(なお、ブロック(c2
-1)含有量(重量%) =100−ブロック(c2-2)(重量
%)=(ア)〜(エ)の合計(重量%)) このような量でポリオキシアルキレン基含有ビニル共重
合体ブロック(c2-1)を構成する各成分単位(ア)と(イ)と
(ウ)と(エ)と、オルガノポリシロキサンチオブロック(c2-
2)とがオルガノポリシロキサンチオブロックビニル共重
合体(C2)(シリコーンブロックビニル共重合体(C2)
とも言う。)中に含まれていると、得られるオルガノポ
リシロキサンチオブロックビニル共重合体(C2)は、造
膜性、塗膜強度、防汚性に優れる傾向がある。
ロックビニル共重合体(C2)は、例えば、防汚塗料に配
合すれば、環境への負荷や人体への影響が少なく、しか
も防汚性およびその持続性に優れ、機械的強度に優れた
防汚塗膜を形成可能である。特に、上記オルガノポリシ
ロキサンチオブロックビニル共重合体(C2)ととも
に、シリコーンオイルや、パラフィン成分などが配合さ
れていても上記機械的強度等の特性に優れた塗膜が形成
でき、しかも、塗膜の脆弱化が効果的に抑制できる塗膜
を形成できる防汚塗料等の塗料、離型剤などを調製可能
である。
ル共重合体(C2)の製造 このようなオルガノポリシロキサンチオブロックビニル
共重合体(C2)を製造するには、例えば、上記(ア)ポリ
オキシアルキレン重合性不飽和カルボキシレート[10]
(例:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート、式[10]中、m+n=2〜100)と、(イ)上記
(ア)以外の少なくとも1種の非架橋型重合性不飽和カル
ボン酸またはそのエステル(例:メチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト)と、(ウ)架橋型基含有重合性不飽和単量体(例:α−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、4−ヒド
ロキシブチルアクリレート)と、(エ)必要に応じて用いら
れるその他の重合性不飽和単量体(例:スチレン、酢酸
ビニル、アクリロニトリル)と、上記メルカプト変性ポ
リオルガノシロキサン[11](例:商品名「KF−200
1、KP−358」、信越化学(株)製、メルカプト変性シリ
コーン)とを、必要によりラジカル重合開始剤等のラジ
カル発生源の存在下に、通常の反応条件に従って、熱ま
たは光で重合させればよい。
マー(マクロモノマーを含む)は、前記オルガノポリシロ
キサンチオブロックビニル共重合体(C2)中における
各成分単位量に対応する量で用いればよく、具体的に
は、上記各モノマー(ア)、(イ)および(ウ)および(エ)の合計
((ア)+(イ)+(ウ)+(エ))100重量部に対して、メルカプ
ト変性ポリオルガノシロキサンモノマー[11]は、通
常、0.01〜900重量部、好ましくは0.1〜70
0重量部の量で用いられる。
ニル共重合体ブロック(c2-1)形成用モノマーの合計((ア)
+(イ)+(ウ)+(エ))100重量部に対して、上記モノマー
(ア)は、通常、0.1〜50重量部、好ましくは0.5
〜30重量部の量で、上記モノマー(イ)は、通常、1〜
99.9重量部、好ましくは5〜99.5重量部の量
で、上記モノマー(ウ)は、通常、0.1〜80重量部、
好ましくは1〜70重量部の量で、上記モノマー(エ)
は、通常0〜80重量部、好ましくは0〜70重量部の
量で用いられる。
と、得られるオルガノポリシロキサンチオブロックビニ
ル共重合体(C2)は、造膜性、塗膜強度、防汚性に優れ
る傾向がある。この重合は、塊状重合、溶液重合、乳化
重合、懸濁重合など種々の重合方法で行うことができ
る。
記(ア)〜(エ)の不飽和単量体(モノマー)の合計100重量
部に対して、このラジカル重合開始剤は、通常、0.0
05〜20重量部の量で使用される。このようなラジカ
ル重合開始剤としては、一般にラジカル重合反応開始剤
として使用されているものを広く使用でき、具体的に
は、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)、2,2'−アゾビスイソバレロニトリル、2,
2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名
「ABN−E」、日本ヒドラジン製、アゾ化合物)、ポ
リジメチルシロキサン系高分子アゾ重合開始剤(商品名
「VPS−0501、VPS−1001」、和光純薬工
業(株)製、アゾ化合物)等のアゾ化合物;過酸化ベン
ゾイル(BPO)、ヒドロパーオキシド、t−ブチルパー
オキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオ
キシ2−エチルヘキサエート(商品名「カヤエステル
O」、化薬アクゾ(株)製)等のペルオキシド;などが
挙げられる。これらラジカル重合開始剤は、1種または
2種以上組み合わせて用いてもよい。
し、用いられるモノマー(マクロモノマーを含む)および
得られたオルガノポリシロキサンチオブロックビニル共
重合体(C2)を溶解させうるものであれば特に制限はな
いが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;ジエチル
エーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチ
ル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、アセトン等のケトン類;ジクロロメタン、
トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロホル
ム等の塩素化炭化水素;メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノール、イソブタノール等のアルコ
ール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグ
リコール誘導体系溶媒;等が挙げられる。これら溶媒
(溶剤)は1種または2種以上適宜組合せて用いることが
できる。
クロモノマー)(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)およびメルカプト変
性ポリオルガノシロキサン[11]の合計100重量部
に対して、任意量で使用できるが、例えば、10〜10
00重量部、好ましくは20〜500重量部の量で用い
られる。本発明においては、重合方法として溶液重合を
採用する場合には、重合反応によって得られたオルガノ
ポリシロキサンチオブロックビニル共重合体(C2)を分
別、精製することなく溶媒希釈のまま使用することも可
能であり、好ましい。
キサンチオブロックビニル共重合体(C2)は、GPCで
測定された重量平均分子量(Mw)は、通常、1,000
〜200,000、好ましくは2,000〜100,00
0であり、粘度(cps/25℃)は、通常、50%溶液
において50〜10万、好ましくは100〜2万であ
り、外観は、通常、透明もしくは白濁の溶液である。
本発明で用いられる反応性官能基含有ポリシロキサン
(D)は、上記樹脂成分(C)と共に船舶用防汚塗料組成
物に含有される。そのような、反応性官能基含有ポリシ
ロキサン(D)は、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキ
シ基、エポキシ基およびグリシジル基からなる群から選
ばれた少なくとも1種の反応性官能基、好ましくはアミ
ノ基、エポキシ基、さらに好ましくは、エポキシ基を有
することが望ましい。
が、上記官能基を有することにより、船舶用防汚塗膜の
防汚性能の持続性が向上する。その理由は、船舶用プラ
イマー防汚塗膜に含まれる反応性官能基含有シランカッ
プリング剤(B)と船舶用防汚塗膜に含まれる応性官能基
含有ポリシロキサン(D)が反応することにより、該ポリ
シロキサン(D)の (海水中または防汚塗膜表面への)ブ
リードアウト速度が調整されるためと考えられる。
ン(D)は、 平均組成式:RXSiZyO(4-x-y)/2・・・[1] {式[1]中、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアル
キル基、アリール基、アルコキシ基、またはアラルキル
基を示す。Zは、炭素数1〜10のアルキル基、また
は、R1−OR2[R1は、炭素数1〜10の2価脂肪族
炭化水素基を示し、該2価脂肪族炭化水素基は、隣接す
るSi原子および/またはOR2に直接結合していても
よく、エーテル基、エステル基、または−NH−を介し
てSi原子および/またはOR2に結合していてもよ
く、また該2価脂肪族炭化水素基中の炭素−炭素結合間
にエーテル基、エステル基、または−NH−が介在して
いてもよく、R2は、炭素数1〜6の低級アルキル基を
示す。]、R1−R3[R1は、上記と同様であり、R
3は、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、エポ
キシ基またはグリシジル基を示す。]を示す。xおよび
yは、それぞれ0.01≦x<4.0、0.01≦y<
4.0でかつ0.02≦x+y<4である。}で表さ
れ、数平均分子量が250〜30000、好ましくは
1,000〜20,000の範囲にあり、その分子末端に
少なくとも1つのアルコキシ基をを有することが望まし
い。
(D)は、数平均分子量が上記範囲にあると、乾燥性、防
汚性共に優れた塗膜が得られるため好ましい。また、こ
のような式[1]で表されるポリシロキサン(D)は、シ
リコーンの一部にアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキ
シ基、エポキシ基またはグリシジル基を含有しており、
アミノ基を一部にもつ該ポリシロキサン(D)としては、
X−22−3939A(信越化学工業(株)製、商品
名)、BY16−893(東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン(株)製、商品名)等が挙げられ、カルボキシル基
を一部にもつ該ポリシロキサン(D)としては、BY16
−874(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製、商品名)等が挙げられ、エポキシ基を一部にもつ該
ポリシロキサン(D)としては、X−22−3667(信
越化学工業(株)製、商品名)、SF8421(東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製、商品名)およびY
−7499(日本ユニカー(株)製、商品名):
位数を示し、R1はアルキレン基、R2はアルキル基を示
し、R3はメチル基または下記式のいずれかを示す。)等
が挙げられる。
R1と同一でもよく異なっていてもよい。) これらのうちでは、X−22−3939A、X−22−
3667(以上は何れも信越化学工業(株)製、商品名)
が好ましく用いられる。これらの反応性官能基含有ポリ
シロキサン(D)は、上記樹脂成分(C)(オルガノポリシ
ロキサン(C1)、グラフト共重合体(C2)、または、オ
ルガノポリシロキサンチオブロックビニール共重合体
(C2)から選ばれる1種または2種以上の樹脂成分)が
10〜99重量%、好ましくは20〜70重量%の量に
対して、該ポリシロキサン(D)は1〜90重量%、好ま
しくは30〜80重量%の量(但し、上記樹脂成分(C)
+ポリシロキサン(D)=100重量%)で配合され、得
られた船舶用防汚塗料組成物を室温硬化、加熱硬化また
はエネルギー線照射等によって硬化させた塗膜は、塗膜
強度が高いため船舶防汚用として使用可能であり、補修
時の塗膜の除去の簡便性と、防汚塗膜表面への重ね塗り
時の密着性とに優れる。
のような範囲で含まれている防汚塗料組成物からなる塗
膜は、このように防汚性に優れ、しかも造膜性に優れ、
耐久性、特に水中での耐久性に優れるため好ましい。<その他の成分> 本発明に用いられる船舶用防汚塗料組
成物に配合可能なその他の成分としては、これらの成分
以外に上記船舶用プライマー防汚塗料組成物に添加され
る、溶出助剤、塩素化パラフィン等の可塑剤、脱水剤
(安定剤)、顔料、タレ止め・沈降防止剤、充填剤、撥
水剤、溶剤など、通常防汚塗料に配合されるような各種
成分などが挙げられ、さらにグラフト共重合体以外の塗
膜形成成分が挙げられる。また、架橋のための硬化剤や
硬化触媒を塗料の使用時あるいは塗料調製時に配合する
ことが可能である。以下、グラフト共重合体以外の塗膜
形成成分、硬化剤・硬化触媒について説明する。
以外の樹脂が造膜性向上、耐水性向上等の点から、本発
明の目的に反しない範囲で含まれていてもよく、このよ
うな「その他の塗膜形成成分」としては、例えば、フェ
ノール樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
アクリルシリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリブテン樹脂、シリコーンゴム、ウレタン
樹脂(ゴム)、ポリアミド樹脂、塩化ビニル系共重合樹
脂、塩化ゴム(樹脂)、塩素化オレフィン樹脂、スチレン
・ブタジエン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂、塩化ビニル樹脂、アルキッド樹脂、クマロン樹
脂、トリアルキルシリルアクリレート(共)重合体(シリ
ル系樹脂)、石油樹脂等の難あるいは非水溶性樹脂(以
下、難/非水溶性樹脂ともいう)が挙げられる。
成分単位(ウ)中の架橋型官能基を架橋させて、上記オ
ルガノポリシロキサンチオブロックビニル共重合体(C
2)あるいは該共重合体を含む塗料組成物を塗布してな
る塗膜を硬化させ、あるいは、自己架橋を含む架橋反応
を促進させて上記オルガノポリシロキサンチオブロック
ビニル共重合体(C2)あるいは該共重合体を含む塗料
組成物を塗布してなる塗膜を硬化させるために、公知の
硬化剤、硬化触媒を適宜使用することができる。
キシル基を含有する場合には、市販のイソシアネート系
硬化剤やメラミン系硬化剤を使用することができ、また
上記(ウ)中にアルコキシシリル基やアリーロキシシリ
ル基やシラノール基を含む場合には、アルキルシリケー
ト類を硬化剤として使用することもでき、更に自己架橋
を促進し、また硬化剤を用いた架橋反応を促進するため
に錫、アルミ、チタン系等の硬化触媒を用いることがで
き、また上記(ウ)中にエポキシ基を含む場合には、市
販の種種のアミン類、チオール類、カチオン系開始剤、
エポキシ硬化剤を用いることができ、また上記(ウ)中
にイソシアネート基を含む場合には、アクリルポリオー
ル等のポリオール成分やポリアミノ化合物を硬化剤とし
て使用することもでき、更に湿気硬化などの自己架橋を
促進し、また硬化剤を用いた架橋反応を促進するために
錫、アルミ、チタン系等の硬化触媒を用いることがで
き、また上記(ウ)中にカルボキシル基を含む場合に
は、ポリグリシジル系化合物や多価金属及びその塩等を
硬化剤として用いることができ、また上記(ウ)中に
(メタ)アクリロキシ基やビニル基を含む場合には、ラ
ジカル発生剤を硬化触媒として使用したり、ポリアミ
ン、ポリメルカプト化合物を硬化剤として使用すること
ができる。
係る船舶用複合防汚塗膜(層)について詳説するが、船舶
外板の表面上に形成される防汚塗膜(層)としては、上記
船舶用プライマー防汚塗料組成物から形成された船舶用
プライマー防汚塗膜(層)単層であってもよいが、本発明
においては、上記船舶用プライマー防汚塗料組成物から
形成された船舶用プライマー防汚塗膜(層)の表面上に、
上記船舶用防汚塗料組成物から形成される船舶用防汚塗
膜(層)が形成されてなる船舶用複合防汚塗膜(層)が望ま
しい。
塗膜(層)の乾燥膜厚は特に限定されるものではないが、
50〜800μm、好ましくは100〜400μmであ
ることが望ましい。また、船舶用複合防汚塗膜(層)の膜
厚構成は、船舶用プライマー防汚塗膜(層)の膜厚が、5
〜200μm、好ましくは20〜100μmで、船舶用
防汚塗膜(層)の膜厚が、40〜800μm、好ましくは
70〜500μmであることが望ましい。
り、かつ船舶用プライマー防汚塗膜と船舶用防汚塗膜が
上記比率で構成されることにより、船舶への一般的な水
棲生物の通年の付着防止に有効な防汚塗膜を形成でき、
さらに密着性に優れた複合防汚塗膜を形成でき、しかも
防汚性能の持続性に優れた船舶用複合防汚塗膜を提供す
ることができる。
に係る船舶用複合防汚塗膜の形成方法は、船舶外板の表
面上に、船舶用プライマー防汚塗膜(層)を形成し、さら
に、その表面上に船舶用防汚塗膜(層)を形成するもので
あり、具体的には、船舶外板の表面上に、エアスプレ
ー、エアレススプレー、はけまたはローラーなどによ
り、上記船舶用プライマー防汚塗料組成物を塗装し、該
組成物が乾燥固化した後(船舶用プライマー防汚塗膜が
形成した後)、さらに、その表面上に、上述と同様の方
法で船舶用防汚塗膜を形成することにより船舶用複合防
汚塗膜を形成する。
膜との間に、防食塗膜を形成することも好ましい。上記
防食塗膜を形成することにより、船舶用プライマー防汚
塗膜が船舶外板を腐食するのを防止し、また、錆の発生
を防止するという効果が得られる。また、本発明に係る
船舶用複合防汚塗膜で被覆された船舶によれば、一般的
な水棲生物が付着し難く、かつ防汚塗膜が剥離し難いの
で、船舶に形成された防汚塗膜の修復作業等を軽減する
ことが可能となる。
への一般的な水棲生物の通年の付着防止に有効な防汚塗
膜を形成でき、さらに基材と下塗り塗膜との密着性、お
よび下塗り塗膜と上塗り塗膜との密着性に優れ、かつ防
汚性能の持続性に優れた複合塗膜を形成することのでき
る船舶用プライマー防汚塗料組成物、および船舶用複合
防汚塗膜、さらに、その船舶用複合防汚塗膜の形成方
法、該複合防汚塗膜で被覆された船舶および船舶外板の
防汚方法を提供することができる。
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。プライマー塗料組成物の製造方法 表1に示すA−1からA−17の配合成分の内、主剤成
分(表2に示すNo.1〜17までの材料)を、所定の
分散用タンクに仕込み、ガラスビーズをメディアとした
ペイントシェーカー(製品名;ペイントシェーカーP
C、浅田鉄工社製)で2時間振盪した後、100メッシ
ュのフィルターでろ過して所望のプライマー塗料組成物
の主剤を得た。
A−8からA−16のプライマー塗料組成物の配合は、
硬化剤成分(表1に示すNo.18〜23までの材料)
を、所定の容器に仕込み、ハイスピードディスパー(製
品名;TKホモディスパー、特殊機化工業(株)製)で
上層と下層が対流する回転数で15分程度、攪拌・混合
後、100メッシュのフィルターでろ過して所望のプラ
イマー塗料組成物を得た。
法) 市販のサンドブラストした100mm×300mm×
3.2mmの冷間圧延鋼板に、JIS K5552ジン
クリッチプライマー2種に規定される品質の、エピコン
ジンクリッチプライマーB−2(中国塗料(株)製造、
商品名)を乾燥膜厚が15μmになるようエアースプレ
ーで塗装し、1週間以上室内で乾燥させる。
HBを、乾燥膜厚が200μmになるように、上記と
同様にしてエアースプレーで塗装し、1週間以上室内で
乾燥させる。なお、基材は一般的に広く用いられるエポ
キシ樹脂系塗膜を用いたが、エポキシ樹脂系塗膜に限定
されるものではなく、タールエポキシ系、ウレタン系、
ビニルエステル系などでも良い。
を望まない場合は、鋼板に直接プライマー組成物を塗布
しても良い。 (2)プライマー塗料組成物の塗装方法 硬化剤を必要とするプライマー塗料組成物A−3、A−
4、A−8からA−16においては、塗装直前に主剤成
分に、硬化剤成分を表2に示す割合で配合・混合して用
いた。また、硬化剤を使用しない組成A−1、A−2、
A−5からA−7、A−17は主剤のみで用いた。
行った試験片を水平に置き、乾燥膜厚が150μmにな
るように、上記と同様にしてエアースプレーで塗装し、
3日間室内で乾燥させる。防汚塗料組成物の製造方法 表2に示すB−1からB−9の配合成分のうちジブチル
錫ジラウレートを除く材料を、所定の容器に仕込み、上
記ハイスピードディスパーで上層と下層が対流する回転
数で5分程度、攪拌・混合後、100メッシュのフィル
ターでろ過して所望の防汚塗料組成物を得た。
まま用い、防汚塗料組成物B−1、B−7からB−9
は、塗装直前にジブチル錫ジラウレートを除く材料を前
記のように攪拌混合した液に、表3の組成になるようジ
ブチル錫ジラウレートを計量・配合・混合し用いた。な
お、表3に記載の共重合体イ、ロ(オルガノポリシロキ
サンチオブロックビニル共重合体)の製造方法、および
物性を表4に示した。
を塗装した試験片を水平に置き、乾燥膜厚が150μm
になるように、上記と同様にしてエアースプレーで塗装
し、1週間室内で乾燥させ試験片とした。
成物A−1からA−17と、上記防汚塗料組成物B−1
からB−9とを、表5に示す組み合わせで上記塗装方法
に従って塗り重ね、試験片を作成し、以下の評価方法に
従い評価した。評価結果を表6に示す。評価方法 試験片を、広島湾宮島沖に設置された筏より水深1mの
位置に浸漬し、浸漬開始より20ヶ月後のフジツボ類、
カンザシゴカイ類、コケムシ類などの大型海凄生物の付
着防止効果の評価と、塗膜の剥離防止について評価し
た。
の付着防止効果の評価基準は、海生生物の付着状況を観
察し、下記の評価基準に従い評価した。 5点・・・・海中生物の付着面積が0%。 4点・・・・海中生物の付着面積が0%を超え5%以
下。 3点・・・・海中生物の付着面積が5%を超え10%以
下。 2点・・・・海中生物の付着面積が10%を超え25%
以下。 1点・・・・海中生物の付着面積が25%を超え50%
以下。 0点・・・・海中生物の付着面積が50%を超える。 <塗膜の剥離防止の評価基準>塗膜の剥離防止の評価基
準は、防汚塗膜の剥離状況を観察し、下記の評価基準に
従い評価した。
が観察できない試験片については付着した海凄生物を手
とナイフで静かに取り除き、剥離状況を観察・評価し
た。 5点・・・・剥離面積が0%。 4点・・・・剥離面積が0%を超え5%以下。 3点・・・・剥離面積が5%を超え10%以下。 2点・・・・剥離面積が10%を超え25%以下。 1点・・・・剥離面積が25%を超え50%以下。 0点・・・・剥離面積が50%を超える。
離した個所には海生生物が付着するので、ある程度の防
汚効果がある防汚塗料組成物を塗布した場合、海生生物
の付着防止効果と剥離防止効果の評価は一致する。
Claims (13)
- 【請求項1】(A)樹脂成分と(B)反応性官能基含有シラ
ンカップリング剤とを含有する船舶用プライマー防汚塗
料組成物であって、 上記樹脂成分(A)が、(A1)ビニール系重合体からなる
幹ポリマーと、該幹ポリマーにグラフトされた枝ポリマ
ーとからなるグラフト共重合体であって、上記枝ポリマ
ーとして、(a1-1)オルガノポリシロキサン、または、(a
1-2)オルガノポリシロキサンおよびポリオキシアルキレ
ン、を含むグラフト共重合体を含有することを特徴とす
る船舶用プライマー防汚塗料組成物。 - 【請求項2】前記反応性官能基含有シランカップリング
剤(B)が、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキ
シ基またはグリシジル基から選ばれる1種または2種以
上の反応性官能基を含有するシランカップリング剤であ
ることを特徴とする請求項1に記載の船舶用プライマー
防汚塗料組成物。 - 【請求項3】前記船舶用プライマー防汚塗料組成物が、
さらに塩化ビニル共重合体を含有することを特徴とする
請求項1または2に記載の船舶用プライマー防汚塗料組
成物。 - 【請求項4】前記船舶用プライマー防汚塗料組成物が、
さらにエポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項
1〜3のいずれかに記載の船舶用プライマー防汚塗料組
成物。 - 【請求項5】船舶用プライマー防汚塗膜の表面上に、船
舶用防汚塗膜が形成された船舶用複合防汚塗膜であっ
て、上記船舶用プライマー防汚塗膜が、請求項1〜4の
いずれかに記載の船舶用プライマー防汚塗料組成物から
形成され、上記船舶用防汚塗膜が、(C)樹脂成分とし
て、下記グラフト共重合体(C1)および/またはオル
ガノポリシロキサンチオブロックビニール共重合体(C
2)を含有する船舶用防汚塗料組成物から形成されてい
ることを特徴とする船舶用複合防汚塗膜: (C1)ビニール系重合体からなる幹ポリマーと、該幹ポ
リマーにグラフトされた枝ポリマーとからなるグラフト
共重合体であって、 上記枝ポリマーとして、 (c1-1)オルガノポリシロキサン、または、 (c1-2)オルガノポリシロキサンおよびポリオキシアルキ
レン、 を含むグラフト共重合体。 (C2)(c2-1)ポリオキシアルキレン基含有ビニル共重合
体ブロックと、 (c2-2)オルガノポリシロキサンチオブロックとから形成
されるオルガノポリシロキサンチオブロックビニール共
重合体。 - 【請求項6】請求項5に記載の樹脂成分(C)中の、グラ
フト共重合体(C1)および/またはオルガノポリシロキ
サンチオブロックビニール共重合体(C2)が、 ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、エ
ポキシ基、グリシジル基またはアルコキシシリル基から
選ばれる1種または2種以上の反応性官能基を有する架
橋型モノマー単位を含むことを特徴とする請求項5に記
載の船舶用複合防汚塗膜。 - 【請求項7】前記船舶用防汚塗膜を形成する船舶用防汚
塗料組成物が、さらにポリシロキサン(D)を含有し、該
ポリシロキサン(D)が、アミノ基、カルボキシル基、ヒ
ドロキシ基、エポキシ基またはグリシジル基から選ばれ
た1種または2種以上の反応性官能基を有することを特
徴とする請求項5または6に記載の船舶用複合防汚塗
膜。 - 【請求項8】前記ポリシロキサン(D)が、 平均組成式:RXSiZyO(4-x-y)/2・・・[1] {式[1]中、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアル
キル基、アリール基、アルコキシ基、またはアラルキル
基を示す。Zは、炭素数1〜10のアルキル基、また
は、R1−OR2[R1は、炭素数1〜10の2価脂肪族
炭化水素基を示し、該2価脂肪族炭化水素基は、隣接す
るSi原子および/またはOR2に直接結合していても
よく、エーテル基、エステル基、または−NH−を介し
てSi原子および/またはOR2に結合していてもよ
く、また該2価脂肪族炭化水素基中の炭素−炭素結合間
にエーテル基、エステル基、または−NH−が介在して
いてもよく、R2は、炭素数1〜6の低級アルキル基を
示す。]、R1−R3[R1は、上記と同様であり、R
3は、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、エポ
キシ基またはグリシジル基を示す。]を示す。xおよび
yは、それぞれ0.01≦x<4.0、0.01≦y<
4.0でかつ0.02≦x+y<4である。}で表さ
れ、 数平均分子量が250〜30000の範囲にあり、か
つ、その分子末端に少なくとも1つのアルコキシ基を有
するポリシロキサンであることを特徴とする請求項7に
記載の船舶用複合防汚塗膜。 - 【請求項9】前記船舶用防汚塗膜が、前記樹脂成分(C)
を10〜99重量%、および、前記ポリシロキサン(D)
を1〜90重量%(ただし、樹脂成分(C)+ポリシロキ
サン(D)=100重量%)の量で含有する船舶用防汚塗
料組成物から形成された船舶用防汚塗膜であることを特
徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の船舶用複合防
汚塗膜。 - 【請求項10】請求項5〜9のいずれかに記載の船舶用
複合防汚塗膜を形成する方法であって、船舶外板の表面
上に、請求項1〜4のいずれかに記載の船舶用プライマ
ー防汚塗料組成物から形成される船舶用プライマー防汚
塗膜を形成し、さらに、その表面上に、請求項5〜9の
いずれかに記載の船舶用防汚塗料組成物から形成される
船舶用防汚塗膜を形成することを特徴とする船舶用複合
防汚塗膜の形成方法。 - 【請求項11】船舶外板の表面上に、予め防食塗膜を形
成することを特徴とする請求項10に記載の船舶用複合
防汚塗膜の形成方法。 - 【請求項12】船舶外板の表面に、請求項10または1
1に記載の船舶用複合防汚塗膜の形成方法により船舶用
複合防汚塗膜が形成されたことを特徴とする船舶。 - 【請求項13】船舶外板の表面に、請求項10または1
1に記載の方法により、船舶用複合防汚塗膜を形成する
ことを特徴とする船舶外板の防汚方法。
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