JP7117994B2 - 収穫機 - Google Patents
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Description
図1及び図2に収穫機の一例としての普通型コンバインが示されている。
この普通型コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1で走行する自走機体Aを備えている。この自走機体Aに対して、その前部位置に運転部Bと、刈取前処理装置Cとが備えられている。そして自走機体Aの後部位置には、刈取前処理装置Cで刈り取られた穀稈が送り込まれる全稈投入型の脱穀装置Dと、脱穀装置Dから供給される穀粒を貯留するグレンタンクE(「貯留部」の一例)と、グレンタンクEに貯留された穀粒を機外に排出するための穀粒排出装置Fとが備えられている。また、自走機体Aの後端部でグレンタンクEと脱穀装置Dとの間に相当する箇所の機体フレーム10上に燃料タンク40が備えられている。
運転部Bの運転座席2の下方位置には、機体フレーム10上に搭載されたエンジン3が配置され、自走機体Aの前部の中央位置にはエンジン3からの駆動力を左右のクローラ走行装置1に伝えるミッションケース4が、機体フレーム10の上下にわたって備えられている。このミッションケース4にはエンジン3からの駆動力を無段階に変速する無段変速装置(図示せず)が備えられると共に、左右のクローラ走行装置1に伝える駆動力の断続を行う操向クラッチ(図示せず)が内蔵されている。
運転座席2の前方には操縦塔12が立設され、操縦塔12の上面側に、自走機体Aの操向制御を行う操作具と、刈取前処理装置Cの昇降制御を行う操作具とを兼ねる操作レバー13が、前後及び左右に揺動自在に設けられている。
図1及び図2に示すように、運転座席2の左側部には、操縦塔12の左横端部位置から後方側へ向けて延設されたサイドパネル14が設けられている。このサイドパネル14の前端部の上面14Aには、自走機体Aの走行速度を制御する変速操作具15として、主変速レバー15Aと副変速レバー15Bとが設けられている。
刈取前処理装置Cは、植立穀稈の穂先側を掻き込みリール5の回転作動により掻き起こし、その穀稈の株元をカッター6で切断するように構成されている。刈り取られた穀稈(刈取穀稈)は、横送りオーガ7によって横送りされてフィーダ8の入り口近くに寄せ集められる。その全稈がフィーダ8により後方送りされて脱穀装置Dに送り込まれるように構成されている。
また、刈取前処理装置Cは、フィーダ8の後端部側の横軸心(図外)周りで上下揺動自在に構成されている。フィーダ8の上下揺動は、機体フレーム10とフィーダ8の下部とにわたって設けられた油圧シリンダ等のアクチュエータ18によって行われる。このアクチュエータ18の作動による揺動量の設定により穀稈の刈高さの調節が可能に構成されている。
脱穀装置Dは、扱室に供給された刈取穀稈の扱き処理を行うように自走機体Aの前後方向に沿う姿勢の軸心周りに駆動回転する軸流型の扱胴100、及び扱き処理によって得られた処理物から穀粒を揺動選別する揺動選別装置(図示せず)を備えている。揺動選別装置は、上面視で矩形状に形成された枠状のシーブケース110を備えている。シーブケース110は、偏心カム式の駆動部(図示せず)により揺動駆動される。
この揺動選別装置においては、選別された穀粒のうち、一番物は揚穀装置9によってグレンタンクEに供給し、二番物は二番還元装置19によって扱胴100が旋回する扱室(図示せず)に戻され、穀粒以外の藁屑等は、揺動選別装置の後部から自走機体Aの後方に落下放出される。
グレンタンクEは、揚穀装置9から供給される穀粒を貯留するためのタンク本体20を備えている。
このタンク本体20は、自走機体Aへの収納姿勢で、機体前方側に向く前壁20aと、機体後方側に向く後壁20bと、機体内方側である左側方へ向く左横壁20cと、機体外方側である右側方へ向く右横壁20dとを備えて、ほぼ矩形箱状に形成されている。また、タンク本体20は、自走機体Aの後部位置の縦向き姿勢の上下軸心Y周りでの旋回により自走機体Aに収納される作業姿勢(図2において実線で示す姿勢)と、自走機体Aから横方向に張り出す点検姿勢(図2において仮想線で示される姿勢)とに、姿勢切換自在に支持されている。
このグレンタンクEの旋回中心となる前記上下軸心Yは、タンク本体20の後面側に設けた穀粒排出装置Fが備える縦搬送筒31の筒軸心と合致するように構成されている。
タンク本体20の底壁20Aの大部分は、タンク本体20が自走機体Aに収納された作業姿勢において、揚穀装置9から供給される穀粒がタンク本体20の左右方向での底部中央側へ集められるように、左右方向で中央側ほど低位となる先細り形状の傾斜面に形成されている。このような構造であるため、底スクリュー21は、タンク本体20の左右方向でのほぼ中央位置に配設されている。
底壁20Aの傾斜面は、底スクリュー21に向けて穀粒が自重で滑落し得る程度の傾斜角度に設定されている。このような傾斜面に形成された底壁20Aを備える部位が、グレンタンクEの下部で下窄まりの傾斜部に相当する。この傾斜部に後述する凹入部22が形成されている。
タンク本体20の後壁20bには、底スクリュー21から送られる穀粒を穀粒排出装置Fに送る排出用筒部23が後方向きに突出する状態で設けられている。排出用筒部23は、後端部が上向きに屈曲形成され、その上向きの端面に穀粒排出装置Fの縦搬送筒31の下端側が接続されている。
縦搬送筒31の内部に設けられた縦スクリュー軸31Aの下端部のベベルギヤ31Aaに対して、底スクリュー21のスクリュー軸21Aの後端部に備えたベベルギヤ21Aaを噛合させて動力を伝達するように構成されている。これによって、底スクリュー21から穀粒排出装置Fの縦搬送筒31側へ穀粒が搬出される状態となる。
穀粒排出装置Fは、上向きに立設された直管状の縦搬送筒31と、その縦搬送筒31の上端部に接続された横搬送筒32とを備えて構成されている。横搬送筒32は、縦搬送筒31とともに前記上下軸心Y回りで左右揺動可能に、かつ、水平横軸心X回りで起伏揺動可能に構成されている。
縦搬送筒31は、内部に前記縦スクリュー軸31Aを内装していて、底スクリュー21の後端部から送り出される穀粒を上昇搬送する上向きの縦搬送経路を構成している。縦搬送筒31の上端部に接続された横搬送筒32は、内部に横スクリュー軸32Aを内装していて、縦搬送筒31の上端部から受け継いだ穀粒を、水平方向などの機体外方側へ向けて搬送する横向きの横搬送経路を構成している。
旋回駆動機構30は、図3乃至図6に示すように、縦搬送筒31の下端部外周に備えた旋回用ギヤ部31aと、その旋回用ギヤ部31aに噛合するピニオンギヤ33a、及びピニオンギヤ33aを駆動する電動モータ33等を備えて構成されている。
前記電動モータ33は、機体フレーム10から立設された支持フレーム50に、駆動支持部54を介して支持されており、その電動モータ33の出力軸に備えたピニオンギヤ33aが前記旋回用ギヤ部31aに噛合するように組み付けられている。これにより、電動モータ33の正転もしくは逆転にともなって、穀粒排出装置Fの横搬送筒32が、上下軸心Yまわりで時計回り、もしくは反時計回りに旋回作動可能に構成されている。
また、横搬送筒32の水平横軸心X回りでの起伏揺動は、縦搬送筒31の上部との間にわたって設けられた油圧シリンダ34の伸縮作動によって行われるように構成されている。
図2乃至図6に示すように、燃料タンク40は、自走機体Aの後端部の機体フレーム10上で、グレンタンクEと脱穀装置Dとの間に配置されている。燃料タンク40は、タンク本体41と、給油部42とを備えている。タンク本体41は、取付バンド43によって機体フレーム10に固定されている。給油部42は円筒形状であって、タンク本体41の後端部に設けられており、タンク本体41の上面41cから真上に延びている。給油部42の中心軸42aは、図5に示されるように脱穀装置Dの後端部よりも後側に位置しており、図4に示されるようにグレンタンクEの左横壁20cよりも右側に位置している。
グレンタンクEの凹入部22は、図4乃至図7に示されるように形成されている。
図4に示されるように、グレンタンクEのタンク本体20は、下窄まり形状の下窄まり部20fを備えている。そして、下窄まり部20fにおける燃料タンク40に対向する側の底壁20Aの下部に、グレンタンクEの内側へ凹入する凹入部22が設けられている。
グレンタンクE及び穀粒排出装置Fを支持するための支持構造について説明する。
図3乃至図6、及び図8に示すように、支持構造は機体フレーム10に立設された支持フレーム50を備えている。
この支持フレーム50は、角筒材によって矩形柱状に形成された縦柱状部51と、下端側に備えた機体フレーム10への取付座板52と、縦柱状部51の上端部に設けられた穀粒排出装置連結部53及び脱穀連結部56と、縦柱状部51の上下方向での中途位置に設けられた駆動支持部54とを備えている。このように構成された支持フレーム50は、下端の取付座板52を機体フレーム10にボルト連結することによって、縦柱状部51が起立姿勢で機体フレーム10に固定される。
また、縦柱状部51の上端部近くの右側では、穀粒排出装置連結部53を介して穀粒排出装置Fが支持されている。穀粒排出装置連結部53は、図3,4及び図8に示すように、縦柱状部51の右側から後方側に向けて延出された状態で溶接固定された第1取付片53Aと、その第1取付片53Aに対して右側に対向し、第1取付片53Aとの間に縦搬送筒31を挟み込む第2取付片53Bとを備えている。
したがって、電動モータ33のピニオンギヤ33aが縦搬送筒31の旋回用ギヤ部31aに噛合するように、搭載台54Bに対して旋回駆動機構30を組み付けることにより、電動モータ33の駆動によって穀粒排出装置Fを上下軸心Yまわりで旋回駆動し得る状態に配備することができる。
縦柱状部51の中途位置には、図3乃至図6、及び図8に示すように、駆動支持部54よりも上方位置に、載置部60が取り付けられている。この載置部60は、図3に示されるように、燃料タンク40への給油時に給油用容器120を載置可能に構成されている。
この遮蔽体38は、上下方向長さがサイドカバー体35の上下方向長さよりも少し短く形成され、載置部60よりも下側に位置している。そして、図5に示されるように、グレンタンクEが作業姿勢に位置している状態では、縦搬送筒31が存在する箇所の右横外方側でサイドカバー体35の右端側の開放箇所を覆うように配設されている。
そして、グレンタンクEが上下軸心Yまわりで前端側を横外方に向けた点検姿勢に姿勢切換された状態では、遮蔽体38が縦搬送筒31の外周とサイドカバー体35の内側との間で、載置部60の下側に潜り込む状態に姿勢変更される。したがって、グレンタンクEの姿勢変更にかかわらず、遮蔽体38がサイドカバー体35とともに旋回駆動機構30の周辺を覆う状態に位置する。
〔1〕グレンタンクEの右側面の下部を覆うカバーの他の形態について説明する。図9に示されるように、グレンタンクEの右側面に、グレンタンクEの右側面の下部を右から覆うカバー70が配置されている。カバー70は樹脂製であり、軽量化が実現されている。カバー70の上面部70aは、機体右側から視て右下がり、すなわち機体後方側よりも機体前方側が下がる形状に形成されている。
30 :旋回駆動機構
31 :縦搬送筒
35 :サイドカバー体
40 :燃料タンク
41 :タンク本体
42 :給油部
50 :支持フレーム
54 :駆動支持部
57 :ステー
60 :載置部
120 :給油用容器
D :脱穀装置
E :グレンタンク(貯留部)
F :穀粒排出装置
Claims (5)
- 収穫された作物を脱穀処理する脱穀装置と、
前記脱穀装置と機体左右方向に並んで配置され、前記脱穀装置により得られた穀粒を貯留する貯留部と、
タンク本体と給油部とを有し、且つ、前記脱穀装置と前記貯留部との間に、後端部が前記貯留部の後端部よりも後方へ突出する状態で配置された燃料タンクと、
前記貯留部の後端部に連結され、前記貯留部に貯留された穀粒を上昇搬送する穀粒排出装置と、
前記燃料タンクへの給油時に給油用容器を載置可能な載置部と、を備え、
前記燃料タンクは、前記後端部が前記穀粒排出装置の後端部及び前記脱穀装置の後端部よりも後側へ突出する状態で配置され、
前記載置部は、前記穀粒排出装置の外周部から前記燃料タンクの側へ張り出すと共に、前記穀粒排出装置の外周部から後方へ張り出しており、
前記給油部は、前記給油部の中心軸が前記脱穀装置の後端部よりも後方に位置する状態で前記タンク本体の後上部に立設されている収穫機。 - 前記載置部は、前記タンク本体の上端部よりも下側に位置し、且つ、前記タンク本体の上下中央部よりも上側に位置する請求項1に記載の収穫機。
- 前記載置部を支持する支持フレームと、
前記支持フレームに支持され、前記穀粒排出装置の縦搬送筒を当該縦搬送筒の軸心回りで旋回駆動する旋回駆動機構と、
前記支持フレームに支持され、前記旋回駆動機構を覆うサイドカバー体と、を備え、
前記載置部は、前記サイドカバー体の上端部の形状に沿った形状であり、且つ、前記サイドカバー体の上端部に支持されている請求項1又は2に記載の収穫機。 - 前記支持フレームは、前記穀粒排出装置と前記燃料タンクとの間に配置されており、
前記載置部が、前記支持フレームから突出するステーに下方から支持されている請求項3に記載の収穫機。 - 前記支持フレームは、前記旋回駆動機構を支持する駆動支持部を備え、
前記サイドカバー体の下端部が前記駆動支持部に支持されている請求項3又は4に記載の収穫機。
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