JP7115542B2 - 光触媒、ガスセンサデバイス、ガスセンサ及び測定方法 - Google Patents

光触媒、ガスセンサデバイス、ガスセンサ及び測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、光触媒、ガスセンサデバイス、ガスセンサ及び測定方法に関する。
現在、ガスセンサは、様々な電気製品やシステム内に搭載されていて、極めて重要なデバイスとなっている。
その用途も様々で、例えば周辺環境のガス濃度測定、ガス警報器などとしても使われている。
ガスセンサは、検出方法の違いによっていくつかの種類があるが、酸化物半導体を感応膜としたガスセンサ、特に酸化すずを感応膜材料としたガスセンサが最も広く使われている(例えば図46参照)。
また、光触媒性を持つ材料としては、酸化チタン(TiO)やカルシウムヒドロキシアパタイトをベースとしたチタンアパタイトが知られている。
特開2000-327315号公報 特開2005-193231号公報 特開2001-302220号公報 特開2003-175338号公報 特開2003-334883号公報 特開2005-029671号公報 特開2005-200302号公報 特開2005-219053号公報 特開2005-220016号公報 特開2006-50992号公報 特開2006-197837号公報 特開2006-204397号公報 特開2006-212928号公報 特開2006-239514号公報 特開2006-265581号公報 特開2007-167784号公報 特開2007-252983号公報 特開2007-260587号公報 特開2007-263486号公報 特開2008-36465号公報 特開2008-50275号公報 特開平8-245208号公報 特開2007-144304号公報
ところで、ガスセンサを使って、例えば周辺の空気中に含まれる対象ガスの濃度を測定する場合、対象ガスが含まれていないときのセンサ抵抗と対象ガスが含まれているときのセンサ抵抗とに基づいて対象ガスの濃度を求めることになる。
例えば、対象ガスの濃度を繰り返し測定する場合には、対象ガスが含まれていないときのセンサ抵抗と対象ガスが含まれているときのセンサ抵抗とを繰り返し取得することになる。
しかしながら、対象ガスが含まれているときのセンサ抵抗を取得した後、対象ガスが含まれていないときのセンサ抵抗を取得しようとすると、ガスセンサデバイスの表面のガス分子を脱離させるのに多くの時間がかかってしまい、測定時間が長くなってしまうという課題がある。
なお、ここでは、ガスセンサにおいて、ガスセンサデバイスの表面のガス分子を脱離させるのに、即ち、分解対象物を分解するのに、多くの時間がかかってしまうことを課題として説明しているが、これに限られるものではない。
例えば、浄水器、汚水浄化、空気清浄機、空調装置、排ガス浄化装置などの他の装置においても、同様に、分解対象物を分解するのに多くの時間がかかってしまうという課題がある。
本発明は、分解対象物を分解するのに要する時間を短くすることを目的とする。
1つの態様では、光触媒は、1価の銅と1価の臭素とから構成されるイオン結晶で(111)配向した成分を少なくとも含む多結晶体である臭化第一銅からなり、臭化第一銅が光の照射で臭化第一銅に接する物質を分解する光触媒性を示す。
1つの態様では、ガスセンサデバイスは、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極とを接続する感応膜とを備え、感応膜は、上述した光触媒からなる
1つの態様では、ガスセンサは、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極とを接続する感応膜とを備えるガスセンサデバイスと、感応膜に光を照射する光源とを備え、感応膜は、上述した光触媒からなる
1つの態様では、測定方法は、制御部が、上述した光触媒からなる感応膜を備えるガスセンサデバイスに、測定対象ガスを供給する制御を行ない、制御部が、ガスセンサデバイスによって検出される値に基づいて測定対象ガスの濃度を測定し、制御部が、測定対象ガスの供給を停止する制御を行なうとともに、感応膜に光を照射するように光源に対する制御を行なう。
また、1つの態様では、ガスセンサは、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極とを接続する感応膜とを備えるガスセンサデバイスと、感応膜に光を照射する光源と、測定対象ガスを供給した場合にガスセンサデバイスによって検出される値に基づいて測定対象ガスの濃度を測定するとともに、光源に対する制御も行なう制御部とを備え、感応膜は、臭化第一銅からなり、臭化第一銅が光源から照射される光で臭化第一銅に接する物質を分解する光触媒性を示し、制御部は、測定対象ガスを供給するガス供給タイミング及びガス供給時間を制御するとともに、感応膜に光源から光を照射する光照射タイミング及び光照射時間を制御し、測定対象ガスの供給を停止したタイミングで感応膜に光を照射するように光源に対する制御を行ない、測定対象ガスの供給開始時に検出したガスセンサデバイスからの抵抗値に戻るまで感応膜に光を照射するように光源に対する制御を行なう。
1つの側面として、分解対象物を分解するのに要する時間を短くすることができるという効果を有する。
本実施形態にかかる光触媒を構成する臭化第一銅(CuBr)膜を示す模式図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかる光触媒を構成するCuBr膜についてJIS R 1701-2試験による光触媒性の確認を行なった結果を示す図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかる光触媒を構成するCuBr膜について近紫外光を照射していない場合と照射した場合の表面のXPS分析を行なった結果を示す図である。 本実施形態にかかる光触媒を構成するCuBrによるNHの分解の例を示す図である。 光源を備えない従来のガスセンサにおけるガス応答時及び回復時のセンサ抵抗の変化の一例を示す図である。 ガスセンサにおけるガス応答時及び回復時における感応膜に対するガス分子の吸着、脱離を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサの構成を示す模式図である。 本実施形態にかかるガスセンサにおけるガス応答時及び回復時のセンサ抵抗の変化の一例を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサを用いて実際にガス濃度の測定を行なった結果を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサにおいてCuBrからなる感応膜に紫外線を照射することで応答特性が回復することを示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサの構成を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスを示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスにおける処理を説明するためのフローチャートである。 本実施形態にかかるガスセンサにおけるガス濃度の測定及び回復時の制御を説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサにおいてガス濃度測定シーケンスに沿ってガス濃度を測定した場合のセンサ抵抗の時間的変化の一例を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサの構成を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサの構成を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサの構成を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサの構成を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスを説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスにおいて間欠動作による測定を行なう場合について説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる始動シーケンスを説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる始動シーケンスにおける処理を説明するためのフローチャートである。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを説明するための図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスにおけるパターンの組み合せの一例を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスにおけるUV照射タイミングを規定する方法を説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスにおけるガス導入タイミングを規定する方法を説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するAグループに含まれる複数の測定パターンA-1~A-8を説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するAグループに含まれる複数の測定パターンA-1~A-8におけるセンサ応答を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するBグループに含まれる複数の測定パターンB-1~B-8を説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するBグループに含まれる複数の測定パターンB-1~B-8におけるセンサ応答を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するCグループに含まれる複数の測定パターンC-1~C-8を説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するCグループに含まれる複数の測定パターンC-1~C-8におけるセンサ応答を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するDグループに含まれる複数の測定パターンD-1~D-8を説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するDグループに含まれる複数の測定パターンD-1~D-8におけるセンサ応答を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するEグループに含まれる複数の測定パターンE-1~E-8を説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するEグループに含まれる複数の測定パターンE-1~E-8におけるセンサ応答を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するFグループに含まれる複数の測定パターンF-1~F-8を説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するFグループに含まれる複数の測定パターンF-1~F-8におけるセンサ応答を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するGグループに含まれる複数の測定パターンG-1~G-8を説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスを構成するGグループに含まれる複数の測定パターンG-1~G-8におけるセンサ応答を示す図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスにおける濃度測定方法Iを説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる測定シーケンスにおける濃度測定方法II、IIIを説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる停止シーケンスを説明するための図である。 本実施形態にかかるガスセンサのガス濃度測定シーケンスに含まれる停止シーケンスにおける処理を説明するためのフローチャートである。 従来のガスセンサを示す模式図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる光触媒、ガスセンサデバイス、ガスセンサ及び測定方法について、図1~図45を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光触媒は、臭化第一銅(CuBr)からなり、CuBrが光の照射でCuBrに接する物質を分解する光触媒性を示す光触媒1である(図1参照)。この場合、光触媒材料はCuBrである。
ここで、CuBrは、1価の銅と1価の臭素とから構成されるイオン結晶で主に(111)配向した成分を少なくとも含む多結晶体である。
これは、以下に説明するように、CuBrが光触媒性を有することを発見したことに基づくものであり、CuBrからなる光触媒1は新しい光触媒であり、CuBrは新しい光触媒材料である。
光触媒性発現のメカニズムは、次のように考えられる。
価電子帯と伝導帯のバンドギャップに相当する波長の光エネルギをそれが吸収すると、励起によって価電子帯の電子が伝導帯に移り、価電子帯に正孔が発生する。
伝導帯では物質の表面になんらかの物質(例えば有機物)が吸着しているとして、それに移ってきた電子が表面の有機物に移動して、それを還元し、また、価電子帯では、そこに発生した正孔が電子を奪い取り、有機物の酸化を行なう。
特に、酸化チタンは価電子帯の正孔が非常に強い酸化力を有するため、有機物を最終的に水と二酸化炭素にまで分解する。
つまり、照射する光(例えば紫外光)のエネルギに相当するバンドギャップを持ち、生成した電子・正孔の寿命が長く、かつ、強い酸化還元力を持った材料が光触媒材料となる。
本発明者は、以下のようにして、CuBrが光触媒性を持つことを確認した。
本発明者は、CuBrの光触媒性を、他の実験中に紫外線照射時のみセンサ抵抗が下降することから発見した。
そこで、あらためて以下の方法で光触媒活性の評価を行ない、CuBrが光触媒性を持つことを確認した。
まず、光触媒性を発現させるための光(紫外光)の波長を次のように求めた。
CuBrのバンドギャップはEg=3.1eVであるため(例えばK.V. Rajani, S.Daniels, M.Rahman, A.Cowley, P.J. McNally, “Deposition of earth-abundant p-type CuBr films with high hole conductivity and realization of p-CuBr/n-Si heterojunction solar cell”, Materials Letter, 111, (2013), 63-66参照)、これを、以下の式(1)に代入して、波長を求めると、λ=405nmとなる。
Figure 0007115542000001
このため、CuBrは、405nmの波長を含む光(紫外光;近紫外光)を照射することで、光触媒性を発現することができる。
このことから、以下の評価では、波長405nmの成分を含む光源を使用すれば良いことがわかった。
まず、JIS R 1701-2による評価、即ち、JIS R 1701-2試験による光触媒性の確認を行なった。
密封デシケータ内に、図1に示すように、SiO膜を有するSi基板2上に、CuBr結晶粒3からなるCuBr膜(CuBr薄膜)4を蒸着した試料を設置した後、アセトアルデヒド(CHCHO)蒸気を気相濃度が約10000ppmになるまで導入し、約1時間程度放置した。
この間、デシケータ内に外光が入らないように遮蔽している。
次いで、デシケータの上方から、図1に示すように、光量約3mW/cm、中心波長約360nmの紫外光を約4時間にわたって照射(UV照射)し、デシケータ中におけるアセトアルデヒドガス及びその分解によって発生した炭酸ガス(CO)の濃度をガスクロマトグラフィによって測定した。
ここで、図2(A)、図2(B)は、これらの結果を示している。
図2(A)に示すように、紫外光照射開始後、アセトアルデヒドガスの濃度が急激に減少し、約4時間後には1/4程度になっていることが分かる。
一方、図2(B)に示すように、二酸化炭素は紫外線照射と同時に急激に増加していることが分かる。
これは、密閉デシケータ内に充填したアセトアルデヒドが分解して二酸化炭素になっていることを示している。
これにより、確かにCuBrは光触媒性を持っていることを確認することができた。
なお、UV照射前のdark期間中にアセトアルデヒドガス濃度が若干減少しているのは、チャンバ内壁に吸着したことによるものと考えられる。
次に、表面分析による評価、即ち、近紫外光を照射していない場合と照射した場合のCuBr膜4の表面のXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)分析を行なった。
触媒性を保証するには、反応の前後でその材料自身は変化しないということが必要である。
つまり、光触媒性を確認するには、紫外光照射前と照射後とを比較して、CuBr膜4の組成が変化しないことを確認する必要がある。
紫外光照射(近紫外光照射)によるCuBr膜4の表面の変化を確認するため、CuBr薄膜4にLED紫外光(中心波長405nm)を約10sec×11回照射したサンプル(#75C3)と照射していないサンプル(#75D3)の表面を、それぞれ、XPSによって分析し、組成を比較した。
ここで、図3(A)、図3(B)は、その結果を示している。
なお、図3(A)、図3(B)中、右上に定量分析結果を示している。
図3(A)、図3(B)に示すように、紫外光を照射したサンプルと照射していないサンプルにおいて検出された元素はC、N、O、Cu、Brでこれ以外の元素は検出されなかった。それぞれの組成比は紫外光照射前と後とでは違いはなかった。
このため、紫外光照射前後でCuBr膜4の表面の組成は変化していないものと考えられ、確かにCuBrは触媒としての働きをしていることを確認することができた。
このように、上述の2種類の評価によって、CuBrは光触媒性を持つことを確認することができた。
CuBrの光触媒活性の発現に必要な光は、約410nm以下の波長を含む光であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
つまり、紫外線を含む光(紫外光)を照射することで、好ましくは近紫外線を含む光(近紫外光)を照射することで、CuBrの光触媒性を発現させることができる。
ここでは、紫外線は、約10nm~約410nmの波長を持つ光であり、近紫外線は、約320nm~約410nmの波長を持つ光である。
光源のコスト等を考慮すると、約380nm~約410nmの波長の近紫外線を照射するのが好ましい。
例えばUV-LEDを用いることで、小型、軽量、安価、安全、取り扱い容易などの利点が得られる。
また、光触媒性によってCuBrが分解対象とするものは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、その成分としては、タンパク質、アミノ酸、脂質、糖質などの有機物以外に、特定の無機物、例えばNHを分解することも報告されている(例えば図4参照;例えばH.Mozzanega et al., “NH3 Oxidation over UV-Irradiated TiO2 at Room Temperature”, The Journal of Physical Chemistry, Vol. 83, No. 17, 1979, pp. 2251-2255参照)。
なお、分解対象物としては、これらを1種単独で含んでいても良いし、2種以上を含んでいても良い。
また、分解対象物の具体例としては、一般に、人間の皮膚に由来する汚れ成分、ゴミ、埃、汚泥、不要成分、廃液成分、土壌中乃至空気中の有害成分、微生物、ウイルスなどが挙げられる。
ここで、有害成分としては、例えば、アセトアルデヒドガスなどが挙げられる。
微生物としては、特に制限はなく、原核生物及び真核生物のいずれであっても良いし、原生動物も含まれ、原核生物としては、例えば、大腸菌、黄色ブドウ球菌等の細菌などが挙げられ、真核生物としては、例えば、酵母菌類、カビ、放線菌等の糸状菌類などが挙げられる。
ウイルスとしては、例えば、DNAウイルス、RNAウイルスなどが挙げられ、具体的には、インフルエンザウイルスなどが挙げられる。
また、分解対象物は、固体状、液体状、及び気体状のいずれの態様の中に存在していても良い。
例えば、液体状の態様の中に存在する場合としては、例えば、廃液、栄養液、循環液などの液体状のものの中に分解対象物が存在する場合がある。
この場合、このような液体状のものの中に、上述の光触媒性を有するCuBr、即ち、CuBrからなる光触媒を入れ、光(紫外光)を照射することで、これらの中に含まれる分解対象物を分解することができ、さらに分解対象物を分解するのに要する時間を短くすることができる。
つまり、上述の光触媒性を有するCuBr、即ち、CuBrからなる光触媒は、例えば、浄水器や汚水浄化などに適用することができ、これに光(紫外光)を照射することで、例えば廃液や循環液などの中に含まれる分解対象物を分解することができ、さらに分解対象物を分解するのに要する時間を短くすることができる。
また、気体状の態様の中に存在する場合としては、例えば、空気、排ガス、循環ガス、などの気体状のものの中に分解対象物が存在する場合がある。
この場合、このような気体状のものの中に、上述の光触媒性を有するCuBr、即ち、CuBrからなる光触媒を入れ、光(紫外光)を照射することで、これらの中に含まれる分解対象物を分解することができ、さらに分解対象物を分解するのに要する時間を短くすることができる。
つまり、上述の光触媒性を有するCuBr、即ち、CuBrからなる光触媒は、例えば、空気清浄機、空調装置、排ガス浄化装置などに適用することができ、これに光(紫外光)を照射することで、例えば空気、排ガス、循環ガスなどの中に含まれる分解対象物を分解することができ、さらに分解対象物を分解するのに要する時間を短くすることができる。
このように、上述の光触媒性を有するCuBr、即ち、CuBrからなる光触媒を備えるものとして、例えば浄水器、汚水浄化、空気清浄機、空調装置、排ガス浄化装置などの装置を構成することができる。
この場合は、例えば浄水器、汚水浄化、空気清浄機、空調装置、排ガス浄化装置などの装置は、CuBrからなり、CuBrが光の照射でCuBrに接する物質を分解する光触媒性を示す光触媒と、光触媒に光を照射する光源とを備えるものとすれば良い。
ここで、光源は、CuBrが光触媒活性となる波長を含む光源であれば良く、約410nm以下の波長の光を含む光を照射しうる光源であれば良い。例えばUV-LEDなどを用いれば良い。
例えば、空気清浄機を、CuBrからなり、CuBrが光の照射でCuBrに接する物質を分解する光触媒性を示す光触媒と、この光触媒の機能を発現させるのに必要な波長の光を光触媒に照射する機構を備えるものとすれば良い。
また、例えば、浄水器を、CuBrからなり、CuBrが光の照射でCuBrに接する物質を分解する光触媒性を示す光触媒と、この光触媒の機能を発現させるのに必要な波長の光を光触媒に照射する機構を備えるものとすれば良い。
ところで、CuBrは、上述のように、光触媒性を持っている一方、アンモニアガスに対して、高感度、高選択比といった特性を持つガスセンサの感応膜となる感ガス性も持っている(例えば、丑込道雄,柄澤一明,百瀬悟,高須良三,壷井修、「呼気中のアンモニア成分を短時間で測定する携帯型呼気センサーの開発」、電気学会第33回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム予稿集、25am2-PS-079、(2016)参照)。
この2つの性質を利用して、上述の光触媒性を持つCuBrを用いてアンモニアガスセンサを構成することで、測定時間(測定に要する時間;ここでは主に回復時間)を短縮したガスセンサを実現することができる。
なお、これに限られるものではなく、上述の光触媒性を持つCuBrはアンモニアガスセンサ以外のガスセンサに用いることもできる。
例えば、ヒトや動物などの体や排泄物から放出される生体ガス(例えば呼気、体臭、尿、屁、便)の成分を特定するガスセンサ(医療・ヘルスケア向けガスセンサ)として用いることも可能である。
この場合、図7に示すように、ガスセンサ5に備えられるガスセンサデバイス6は、第1電極7と、第2電極8と、第1電極7と第2電極8とを接続する感応膜9とを備え、感応膜9は、CuBrからなり、CuBrが光の照射でCuBrに接する物質を分解する光触媒性を示すものとすれば良い。
この場合、感応膜9はCuBr膜である。また、ガスセンサデバイス6をCuBrセンサデバイスともいう。また、第1電極7及び第2電極8は、例えばAu電極である。
そして、ガスセンサ5は、このように構成されるガスセンサデバイス6と、ガスセンサデバイス6の感応膜9に光を照射する光源10とを備えるものとすれば良い。
ここで、光源10は、紫外光領域(近紫外光領域)の波長成分を含む光を照射する光源であれば良く、例えばUV-LEDを用いれば良い。
例えば、光の照射でそれに接する物質を分解する光触媒性を示すCuBrからなる薄膜(CuBr膜;CuBr薄膜)9を、Si熱酸化膜を有する基板11上に形成された2つのAu電極(第1電極7及び第2電極8)をまたぐようにして形成し、これをアンモニアガスに対する感応膜9としたガスセンサデバイス6とすれば良い。
そして、ガスセンサ5は、このように構成されるガスセンサデバイス6と、光触媒機能を発現させるのに必要な波長の光を感応膜面に照射する光照射機構(ここでは紫外光照射機構;光源10;例えばUV-LED)を備えるものとすれば良い。
例えばUV-LEDのような光源10を備えず、CuBrセンサデバイス6を備える従来のガスセンサでは、測定対象ガスにガスセンサデバイス6を曝して、ガス濃度を測定した後、次の測定の準備として清浄空気に切り替えて、高くなったガスセンサデバイス6の抵抗(センサ抵抗)を元に戻して初期化を行なう。
つまり、測定対象ガスにガスセンサデバイス6を曝すと、ガスセンサデバイス6の感応膜(CuBr膜)9の表面にガス分子が吸着するため、この状態でガス濃度を測定した後、清浄空気(パージガス)を導入することで、感応膜9の表面からガス分子を脱離させて元の状態に戻す(例えば図6参照)。
ここで、図5は、例えばUV-LEDのような光源10を備えず、CuBrセンサデバイス6を備える従来のガスセンサにおけるセンサ抵抗の変化の一例である。
図5に示すように、アンモニアガスの測定時間(アンモニアガス暴露時間)は約60secであるのに対して、清浄空気(Air)を導入して初期抵抗に回復するまでの回復時間は約290secであり、回復時間は測定時間(アンモニアガス暴露時間)に対して約5倍程度も要する。
これに対し、上述のように、ガスセンサデバイス6の感応膜9の直上に紫外光照射機構(光源10;ここではUV-LED)を設置して(例えば図7参照)、ガスを測定した後の回復時間にUVを照射すると、センサ抵抗の変化は、一例として、図8に示すようになる。
図8に示すように、回復時間は約290secから約40secとほぼ1/7となり、アンモニアガスの測定時間(アンモニアガス暴露時間;ここでは約60sec)よりも短い時間で回復できるようになる。
また、清浄空気を導入することによってガスセンサデバイス6の感応膜9(感ガス材からなる膜;ここではCuBr膜)の表面に付着(吸着)したガス分子を自発的に脱離させて、初期化していた。
これに対し、本実施形態では、紫外線を照射することによって強制的にガス分子を分解、脱離させるため、フィルタを用いるなどして清浄空気を導入しなくても良く、例えばフィルタを用いないで外気を導入するだけでも良い。
なお、紫外線の照射によってガス分子を脱離させることができるが、再吸着しないようにするために清浄空気や外気を導入するのが好ましい。
ここで、図9は、実際に3回連続してアンモニアガスの濃度測定を行なった例を示している。
上述のように構成し、回復時間にUV照射を行なうことで、回復時間を短くすることができるため、図9に示すように、連続してアンモニアガスの濃度測定を行なうことが可能となった。
以上は、紫外光照射(好ましくは近紫外光照射)をガスセンサの回復時間を短縮させるのに用いているが、これに限られるものではなく、紫外光照射(好ましくは近紫外光照射)は、感応膜9の表面が汚染されて、感度が低下したガスセンサデバイス6の感度回復にも使用することができる。
これにより、ガスセンサ5(ガスセンサデバイス6)の長寿命化を実現することも可能である。
ここで、図10は、約2年以上前に作製し、アンモニアガスに対して応答が低下しているガスセンサデバイス6に対して紫外光照射を行なってアンモニアガスに対する応答を確認した結果を示す図である。
図10に示すように、紫外光照射前に対して紫外光照射後のアンモニアガスに対する応答は約2倍になっていることが分かる。
CuBr膜9の表面に長い時間蓄積された、有機物やアミン系の物質が紫外線照射によって分解、揮発して、感度をある程度回復させたものと考えられる。
ここで、図11は、近紫外光源としてUV-LED10を使用したガスセンサ5の一例を示している。
なお、ガスセンサ5を、ガスセンサシステム又は測定装置ともいう。また、図11中、実線はガス配管経路を示しており、破線は電気信号経路を示している。
図11に示すように、ガスセンサ5は、上述のように構成されるガスセンサデバイス6と、UV-LED(光源)10と、ガス供給側配管12と、ガス供給側配管12に設けられた電磁弁13と、ガス供給側配管12に設けられたフィルタ14と、排気側配管15と、排気側配管15に設けられたポンプ16と、制御部17とを備える。
ここでは、ガスセンサデバイス6は、センサチャンバ18内に設けられている。
このガスセンサ5では、ガスセンサデバイス6の近傍に外気をポンプ16で引き込む構造になっている。
また、引き込み口(導入口)からの経路としては、例えば活性炭などのフィルタ14を介した経路とこのようなフィルタ14を介さない経路があり、これらを電磁弁(ここでは3方電磁弁)13によって切り替える構造になっている。
なお、ここでは、電磁弁13を用いているが、これらの経路を切り替えるための弁は電気式に限るものではなく、気体の流路を切り替えることが可能なものであれば手動でも良い。
また、ガスセンサデバイス6の直上には、紫外光源(近紫外光源)10としてUV-LED(UV-LEDユニット)が設置されている。
なお、光源10は、ガスセンサデバイス6の感応膜9(ここではCuBr膜)が光触媒活性となる波長を含む光源であれば良く、UV-LEDに限られるものではない。例えば、感応膜9がCuBr膜である場合、約410nm以下の波長の光を含む光を照射しうる光源であれば良い。
また、これらのポンプ16、電磁弁13、UV-LED10は、すべて制御部17に接続されており、制御部17によって、プログラムされたシーケンスにしたがって、制御されるようになっている。
また、制御部17によって、測定対象ガスを供給した場合にガスセンサデバイス6によって検出される値に基づいて測定対象ガスの濃度が測定されるようになっている。
このため、例えば測定対象、測定環境、目的に応じて、シーケンスを変えることで、フレキシブルなガスセンサ5を実現することも可能である。
ここで、図12は、自動で連続的にガス濃度測定が可能なガスセンサのシーケンス(ガス濃度測定シーケンス)の例を示している。
図12に示すように、ポンプ16を始動して、測定対象ガスを、上述のように構成されるガスセンサデバイス6まで取り込む。
まず、ガス測定プロセスでは、ポンプ16を稼動させて、一定時間のガスセンサデバイス6の抵抗(センサ抵抗)の変化量を検出して、その変化に対応するガス濃度を算出する。
なお、このようにして算出したガス濃度(データ)、設定値、検出値を表示部27に表示するようにしても良いし、通信部28によって例えば端末やサーバなどへ送信するようにしても良い(例えば図19参照)。
また、事前にガス濃度に対するガスセンサデバイス6の応答の対応関係データを取得しておき、それを制御部17内のメモリに記憶しておく。
次に、リフレッシュ(回復)プロセスで、ポンプ16は稼動させたまま、電磁弁13でフィルタ14側に経路を切り替えて、清浄空気を取り込むと同時にUV照射を行なう。
なお、ここでは、フィルタ14を介して清浄空気を取り込むようにしているが、これに限られるものではなく、フィルタ14を介さずに外気を取り込むようにしても良い。
この清浄空気導入及びUV照射は、ガスセンサデバイス6が回復するまでの時間行なう。
ここで、ガスセンサデバイス6が回復するまでの時間は、ガスセンサデバイス6の応答の大きさが関係しているため、一定時間ではなく、ガス濃度の測定後もセンサ抵抗をモニタして、ガス濃度測定直前のセンサ抵抗に戻るまでの時間とすれば良い(例えば図14参照)。
そして、ガス濃度測定直前のセンサ抵抗に戻った時点で、リフレッシュプロセスを停止(UV照射停止)して、ポンプ16は稼働させたまま、待機する。
続けて、次の測定がある場合は、また測定を繰り返す。
すぐに測定が無い場合は、ポンプ16も停止して待機する(スリープ)。
ここで、図13は、このようなガス濃度測定シーケンスを、ガスセンサ5に備えられる制御部17がプログラムを実行することによって実現する場合の処理(測定方法)を示すフローチャートである。
図13に示すように、まず、制御部17は、ポンプ16を制御して、ポンプ16を始動させる(ステップS1)。
次に、制御部17は、測定対象ガスを導入すべく、電磁弁13を制御して、ガス供給側配管12の経路を、フィルタ14を介さない経路に切り替える(ステップS2)。
これにより、測定対象ガスが、上述のように構成されるガスセンサデバイス6が設けられているセンサチャンバ18内に供給される。
次に、制御部17は、ガスセンサデバイス6によって検出される値に基づいて測定対象ガスの濃度を測定する(ステップS3)。
ここでは、制御部17は、所定時間(一定時間;例えば60sec)のガスセンサデバイス6の抵抗(センサ抵抗)の変化量を検出して、その変化に対応するガス濃度を算出することによって、測定対象ガスの濃度を測定する。
例えば、ガスセンサデバイス6が測定対象ガスに暴露される直前の時点のガスセンサデバイス6からの抵抗値を初期値として記憶しておき、測定対象ガスを一定時間導入した時点のガスセンサデバイス6からの抵抗値の初期値からの変化に基づいて、ガス濃度を算出すれば良い。
具体的には、測定対象ガスに暴露される直前の測定開始時点を0secとしたとき、このときのセンサ抵抗値をR0、tmeassec後のセンサ抵抗値をRsとしたとき、抵抗値の変化率|R0-Rs|/R0-1を算出し、これから制御部17内のメモリ等に保持しているガス濃度変換式によってガス濃度を導出すれば良い。
このようにして、制御部17は、測定対象ガスの供給開始時に検出したガスセンサデバイス6からの抵抗値と測定対象ガスを所定時間供給した時に検出したガスセンサデバイス6からの抵抗値とに基づいて測定対象ガスの濃度を測定する。
次に、制御部17は、ポンプ16を稼動させたまま、測定対象ガスに代えて清浄空気を導入すべく、電磁弁13を制御して、ガス供給側配管12の経路を、フィルタ14を介した経路に切り替える(ステップS4)。
これにより、清浄空気が、ガスセンサデバイス6が設けられているセンサチャンバ18内に供給される。
なお、清浄空気をパージガスともいう。また、このようにして測定対象ガスに代えてパージガスを供給する機構をパージガス供給機構ともいう。ここでは、パージガス供給機構は、電磁弁13及びフィルタ14によって構成される。
次に、制御部17は、光触媒機能を発現させるのに必要な波長の光を照射すべく、UV-LED(光源10;紫外光照射機構)を制御して、ガスセンサデバイス6の感応膜(ここではCuBr膜;図7参照)9に対するUV照射を行なう(ステップS5)。
このように、測定対象ガスの濃度を測定した後、清浄空気を導入してガスセンサデバイス6の感応膜9の表面に吸着したガス分離を脱離させてガスセンサデバイス6をリフレッシュ(回復)させる回復時間に、ガスセンサデバイス6の感応膜9の表面にUV照射を行なう(例えば図14参照)。
つまり、測定対象ガスの濃度測定の直後のセンサ抵抗の回復時に、ガスセンサデバイス6の感応膜9の表面にUV照射を行なう。
この場合、ガスセンサデバイス6に清浄空気を供給しながら、ガスセンサデバイス6の感応膜9の表面にUV照射を行なうことになる。
次に、制御部17は、ガスセンサデバイス6が回復したか否かを判定する(ステップS6)。
ここでは、制御部17は、ガス濃度測定後もセンサ抵抗をモニタし、ガス濃度測定直前のセンサ抵抗(はじめに記憶しておいた初期値)に戻ったか否かによって、ガスセンサデバイス6が回復したか否かを判定する(例えば図14参照)。
この判定の結果、ガスセンサデバイス6が回復していないと判定した場合には、NOルートへ進み、ステップS5へ戻って、UV照射を継続する。
これにより、測定対象ガスからパージガスに切り替えるのと同時にUV照射を開始し、センサ抵抗が測定対象ガスを導入する直前のセンサ抵抗以下に回復するまでUV照射を継続する(例えば図14参照)。
そして、制御部17は、ガスセンサデバイス6が回復したと判定した場合、YESルートへ進み、UV照射を停止する(ステップS7)。
ここでは、パージガスの導入とともにUV照射を行なっているため、UV照射を行なわない場合と比較して、回復時間(tradi)が短縮される。回復時間は、例えば約290secから約40secとほぼ1/7となる(例えば図8参照)。
これにより、リフレッシュプロセスが終了する。但し、この時点ではポンプ16は停止させないため、清浄空気は流したままの待機状態となる。このとき、センサ抵抗は初期値に戻った状態で安定した状態となる。
次に、制御部17は、設定回数の測定を行なったか否かを判定する(ステップS8)。
この判定の結果、設定回数の測定を行なっていないと判定した場合は、NOルートへ進み、ステップS2へ戻って、測定を繰り返す。
そして、制御部17は、設定回数の測定を行なったと判定した場合は、YESルートへ進み、制御部17は、ポンプ16を制御して、ポンプ16を停止させ(ステップS9)、処理を終了する。
なお、ここでは、一回の測定が終了した後、ポンプ16を稼動させたまま待機し、次の測定を行なう場合を例に挙げて説明しているが、次の測定を開始するまでの時間が長い場合などには、ポンプ16を停止して待機するスリープを含むようにしても良い。
また、例えば、UV照射時間よりも十分長い時間(例えばUV照射時間の約3倍程度の時間)が経過したら、ポンプ16を停止するようにしても良い。
ところで、上述のような処理が行なわれる場合、制御部17は、測定対象ガスを供給した場合にガスセンサデバイス6によって検出される値に基づいて測定対象ガスの濃度を測定するとともに、光源に対する制御も行なうことになる。
また、制御部17は、測定対象ガスを供給するガス供給タイミング及びガス供給時間を制御するとともに、感応膜9に光源10から光を照射する光照射タイミング及び光照射時間を制御することになる。
また、制御部17は、測定対象ガスの供給を停止したタイミングで感応膜9に光を照射するように光源10に対する制御を行なうことになる。
また、制御部17は、測定対象ガスの供給開始時に検出したガスセンサデバイス6からの抵抗値に戻るまで感応膜9に光を照射するように光源10に対する制御を行なうことになる。
また、制御部17は、パージガスを供給するパージガス供給タイミング及びパージガス供給時間を制御することになる。
また、測定方法としては、制御部17が、上述のように構成されるガスセンサデバイス6、即ち、臭化第一銅からなり、臭化第一銅が光の照射で臭化第一銅に接する物質を分解する光触媒性を示す感応膜9を備えるガスセンサデバイス6に、測定対象ガスを供給する制御を行なうことになる。また、制御部17が、ガスセンサデバイス6によって検出される値に基づいて測定対象ガスの濃度を測定することになる。また、制御部17が、測定対象ガスの供給を停止する制御を行なうとともに、感応膜9に光を照射するように光源10に対する制御を行なうことになる。
また、制御部17が、測定対象ガスの供給開始時に検出したガスセンサデバイス6からの抵抗値に戻るまで感応膜9に光を照射するように光源10に対する制御を行なうことになる。
ここで、図15は、上述のようにしてガス濃度を測定した場合のセンサ抵抗の時間的変化の一例を示している。
従来は、回復するために比較的長い時間を要したため、連続的に濃度を測定することは難しかったのに対し、UV照射を行なうことによって、回復時間が短くなり、短い時間間隔でガス濃度測定が可能となる。
このように、上述のように構成されるガスセンサ5に、ガスセンサデバイス6に光を照射してガスセンサデバイス6をリフレッシュ(回復)させるためのリフレッシュ機構として紫外光照射機構(紫外光照射光学系;光源10)を持たせることで、回復時間(リフレッシュ時間)を短くすることができ、短い時間間隔でガス濃度測定が可能となる。
ところで、上述のようにしているのは、以下の理由による。
ガスセンサを使って、周辺の空気中含まれるガスの濃度を測定する場合、対象ガスが含まれていないときのセンサ応答を基準として考えなくてはならない。
つまり、対象ガスが含まれていないときのセンサ抵抗をベースラインの抵抗R0とし、対象ガスに応答したときのセンサ抵抗をRsとしたとき、ガスに対するセンサの応答の大きさをRs/R0で表し、この応答の大きさに濃度を対応させて対象ガスの濃度とする。
このように、ガス濃度測定ではベースラインを決めることが最も重要なことである。
対象ガスの濃度を繰り返し測定するには、ベースラインとガスに対するセンサの応答を繰り返し取得すれば良いのであるが、ベースラインを求めるためには、センサ周辺の空気を、対象ガスを含まない気体で換気して、上昇したセンサ抵抗をガス暴露前の値まで戻す必要がある。これにはポンプ等で清浄な空気をセンサ周辺に供給し、表面に残留しているガス分子を脱離させる必要がある。
しかしながら、この方法では、センサ抵抗がベースラインまで回復して、次の測定が可能となるのに、約10分程度の時間が必要で、1回の測定に要する時間はこの回復時間がほとんどであった。
そこで、上述のような光触媒性を持つCuBr膜をガスセンサデバイス(アンモニアガスセンサデバイス)6の感応膜9として使用し、光触媒性を発現する波長の光を膜面に向かって照射することができる機構(ここでは光源10)を設置し、ガスセンサデバイス6の回復時に光を照射することで、回復が早く、繰り返し濃度測定が可能なガスセンサ5を実現している。
したがって、本実施形態にかかる光触媒、ガスセンサデバイス、ガスセンサ及び測定方法は、分解対象物を分解するのに要する時間、即ち、対象ガスのガス分子を脱離させるのに要する時間を短くし、測定時間を短縮することができるという効果を有する。
なお、ガスセンサ5の構成は、上述の実施形態のもの(例えば図11参照)に限られるものではなく、他の構成であっても良い。
例えば、図16に示すように、ガスセンサ5(ガスセンサシステム)を、センサ部19と、制御部17と、ガス導入機構部20と、ガス流路切り替え装置21と、ガスフィルタ(ガスフィルタ機構部)22とを備えるものとして構成しても良い。これを第1変形例という。
なお、図16中、実線はガス流路を示しており、破線は制御信号を示しており、一点鎖線はセンサ信号を示している。
この場合、センサ部19は、上述のように構成されるガスセンサデバイス6と、ガスセンサデバイス6を内部に備えるガスセンサチャンバ18と、ガスセンサデバイス6の感応膜9(例えば図7参照)に光を照射する光源(照射光源)10とを備えるものとすれば良い。
また、制御部17は、ガスセンサデバイス6からの抵抗(センサ抵抗)を測定する測定部23と、例えばメモリなどの記憶部24と、MPU(microprocessor unit)25とを備えるものとすれば良い。
ここで、光源10は、例えばUV-LEDなどである。
また、ガス導入機構部20は、例えばポンプ16などである。
また、ガス流路切り替え装置21は、例えば3方電磁弁などの電磁弁13などである。
また、例えば、図17に示すように、ガスセンサ5(ガスセンサシステム)を、上述の第1変形例の構成において、ガス導入機構部20をガス供給側配管12に設けるようにしても良い。これを第2変形例という。
つまり、上述の実施形態のもの(例えば図11参照)や上述の第1変形例のもの(例えば図16参照)が、ポンプ16を排気側配管15に設けていたのに代えて、例えばポンプ16などのガス導入機構部20をガス供給側配管12に設けるようにしても良い。
なお、図17中、実線はガス流路を示しており、破線は制御信号を示しており、一点鎖線はセンサ信号を示している。
また、例えば、図18に示すように、ガスセンサ5(ガスセンサシステム)を、上述の第2変形例の構成(例えば図17参照)において、さらに、ガスセンサチャンバ18内に不揮発性メモリ(不揮発性メモリ素子)26を備えるものとしても良い。これを第3変形例という。
なお、図18中、実線はガス流路を示しており、破線は制御信号を示しており、一点鎖線はセンサ信号を示している。
例えば、ガスセンサチャンバ18内に設けられるガスセンサデバイス6を構成する基板上に、ガスセンサデバイス6の特性が記録されている不揮発性メモリ素子26を搭載し、これを制御部17に接続するようにしても良い。
この場合、例えば、不揮発性メモリ素子26に、例えば、ガスセンサデバイス6の基本特性、ガスセンサデバイス6の応答の大きさをガス濃度に変換するための変換式、ガス濃度測定シーケンスなどの情報を格納しておき、ガスセンサデバイス6を交換するたびに、これらを読み出して、制御部17における設定を再設定するようにしても良い。
また、例えば、不揮発性メモリ素子26に、例えばガスセンサ5の使用回数が記録されるようにすることで、交換時期などを判断するのに用いても良い。例えば、ガスセンサ5の使用回数に応じて交換時期を通知するようにすることで、利便性を向上させることができる。
また、例えば、図19に示すように、ガスセンサ5(ガスセンサシステム)を、上述の第2変形例の構成(例えば図17参照)において、さらに、表示部27と、通信部(伝送部)28とを備えるものとしても良い。これを第4変形例という。
なお、図19中、実線はガス流路を示しており、破線は制御信号を示しており、一点鎖線はセンサ信号を示している。
この場合、表示部27には、制御部17によって算出されたガス濃度(データ)、設定値、検出値などを表示させるようにすれば良い。また、通信部28によって、例えばガス濃度、設定値、検出値などのデータを、例えば他の端末やサーバなどへ送信するようにすれば良い。
ところで、上述の実施形態や各変形例のガスセンサ5において、連続で自動測定を行なうためのガス濃度測定シーケンスを設定しても良い。
例えば、上述の実施形態及び各変形例のように構成される場合、制御部17に備えられる記憶部24に記憶されているガス濃度測定シーケンスに基づいて、測定対象ガス導入制御、パージガス導入制御、光照射制御(UV照射制御)を行ない、センサ部19に備えられるガスセンサデバイス6の応答(センサ応答)をもとにガス濃度を測定するようにすれば良い。
この場合、ガス濃度測定シーケンスを、始動シーケンス、測定シーケンス、停止シーケンスに分け、各シーケンス内での測定対象ガス導入制御、パージガス導入制御、光照射制御(UV照射制御)のタイミングをあらかじめ別々に設定したシーケンスによって構成すれば良い。
例えば、図20に示すように、ガスセンサシステム5の始動から、時間経過に沿って、始動シーケンス、測定シーケンス、測定シーケンス、・・・、停止シーケンスが実行されて、停止するようにすれば良い。
なお、測定シーケンスは、後述のAグループ~Gグループに含まれる複数の測定パターンの中から選択することによって構成されるようにすれば良い。
また、例えば、測定の間隔が長い場合は、図21に示すように、上述の一連のシーケンスを1サイクルとして、各サイクルの間にスリープを設定して、間欠動作による測定が行なわれるようにしても良い。
なお、測定する対象や測定の種類によって、始動シーケンス、測定シーケンス、停止シーケンスを設定又は選択すれば良い。
ここで、始動シーケンスは、試運転動作、即ち、測定開始前に、センサチャンバ18内を密閉したまま、ガスセンサ5の動作確認(ガスセンサデバイス6の動作確認及びUV光源10の動作確認)を行なうためのシーケンスである。
この始動シーケンスの事前設定パラメータは、全時間、UV照射タイミング及び時間、ポンプ動作タイミング及び時間、電磁弁切替タイミング及び時間などである。
始動シーケンスでは、図22に示すように、まず、UV照射のみを行なってセンサ応答を確認する(第1の動作確認;図22中、(1)で示す)。
例えば、UV照射を一定時間行なった後にガスセンサデバイス6からの抵抗値がどの程度変化するかを確認すれば良い。
この確認を行なうことで、ガスセンサデバイス6の感応膜9(例えば図7参照)の表面に付いている汚れ等を脱離させることもできる。
次に、UV照射と同時に測定対象ガスを導入してセンサ応答を確認する(第2の動作確認;図22中、(2)で示す)。
例えば、UV照射、及び、フィルタ14(22)を介さない経路に電磁弁13(21)を切り替えた状態でのポンプ16(20)の稼動を一定時間行なった後にガスセンサデバイス6からの抵抗値がどの程度変化するかを確認すれば良い。
この場合、測定対象ガスを導入するものの、同時にUV照射も行なっているため、測定対象ガスのガス分子はガスセンサデバイス6の感応膜9の表面にとどまらず、センサ応答は少ないが、センサ応答が確認できれば良い。
これにより、ガスセンサデバイス6の感応膜9の表面を汚染することなく、センサ応答を確認することができる。
なお、ここでは、第1の動作確認と第2の動作確認をこの順番で行なうようにしているが、これに限られるものではなく、いずれか一方の動作確認のみを行なうようにしても良いし、順番を逆にしても良い。
また、始動シーケンスを省略して、後述の測定シーケンスから始動するようにしても良い。
ここで、図23は、このような始動シーケンスを、ガスセンサ5に備えられる制御部17がプログラムを実行することによって実現する場合の処理を示すフローチャートである。
まず、ガスセンサ(ガスセンサシステム)5がオンになると、制御部17が、オンとなり(ステップA1)、タイマをスタートさせる(ステップA2)。なお、タイマのカウント開始はT=0である。
この時点で、制御部17は、センサ抵抗、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値R S0を測定する(ステップA3)。
次に、制御部17は、光源(ここではUV-LED)10をオンにして、ガスセンサデバイス6の感応膜9に光(ここではUV)を照射する(ステップA4)。
このようにしてUV照射を行なっている状態で、制御部17は、タイマのカウントTがTよりも大きいか否かを判定し(ステップA5)、TがTよりも大きいと判定しなかった場合は、NOルートへ進み、この判定を繰り返す。ここで、Tは、UV照射時間、即ち、UV照射を行なう一定時間であり、あらかじめ設定しておく。
その後、TがTよりも大きいと判定した場合は、YESルートへ進み、センサ抵抗、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値Rを測定する(ステップA6)。
そして、制御部17は、光源(ここではUV-LED)10をオフにして、ガスセンサデバイス6の感応膜9に対する光の照射(ここではUV照射)を終了する(ステップA7)。
次に、制御部17は、上述のようにして測定したセンサ抵抗の変化、即ち、ΔR=R -RS0を算出する(ステップA8)。
次に、制御部17は、このようにして算出したセンサ抵抗の変化、即ち、ΔRがRよりも小さいか否かを判定する(ステップA9)。ここで、は、センサ動作確認抵抗値であり、あらかじめ設定しておく。
この判定の結果、ΔRがRよりも小さいと判定しなかった場合は、NOルートへ進み、制御部17は、レッドREDを点灯させて(ステップA10)、オフとなり、ガスセンサ(ガスセンサシステム)5がオフとなる(ステップA11)。
このようにして、制御部17は、UV照射を一定時間行なった後にガスセンサデバイス6からの抵抗値がどの程度変化するか、即ち、UV照射を一定時間行なった場合のセンサ応答を確認し、センサ応答が良くない場合は、警報として、レッドREDを点灯させ、電源をオフにする。
一方、ΔRがRよりも小さいと判定した場合は、YSEルートへ進み、制御部17は、グリーンREDを点灯させ(ステップA12)、ポンプ16をオンにし(ステップA13)、光源(ここではUV-LED)10をオンにする(ステップA14)。
これにより、フィルタ14(22)を介さない経路に電磁弁13(21)を切り替えた状態でポンプ16(20)が稼動して、測定対象ガスが導入されるとともに、ガスセンサデバイス6の感応膜9に光(ここではUV)が照射され、これらが一定時間行なわれる。
その後、上述と同様にタイマによってカウントするなどして、一定時間が経過したら、制御部17は、光源(ここではUV-LED)10をオフにし(ステップA15)、ポンプ16をオフにする(ステップA16)。
この場合、制御部17は、上述と同様に、UV照射及び測定対象ガスの導入の前後のセンサ抵抗を測定し、その変化を算出し、それが所定値よりも大きいか否かを判定することなどによって、UV照射及び測定対象ガスの導入を一定時間行なった後にガスセンサデバイス6からの抵抗値がどの程度変化するか、即ち、UV照射と同時に測定対象ガスを導入した場合のセンサ応答を確認する。そして、センサ応答が良くない場合には、上述と同様に、警報として、レッドREDを点灯させ、電源をオフにすれば良い。
そして、センサ応答が良かった場合には、ステップA17は進み、制御部17は、測定を開始するか否かを判定し、測定を開始すると判定した場合は、YESルートは進み、後述の測定シーケンスを実行する。一方、測定を開始すると判定しなかった場合は、NOルートへ進み、終了シーケンスへと進む。
上述のような制御を行なう場合、ガスセンサ5に備えられる制御部17は、測定開始前の始動時に、ガスセンサデバイス6の感応膜9に光を照射するように光源10に対する制御を行なうか、測定対象ガスを供給しながら感応膜9に光を照射するように光源10に対する制御を行なうか、又は、感応膜9に光を照射するように光源10に対する制御及び測定対象ガスを供給しながら感応膜9に光を照射するように光源10に対する制御を行なうことになる。
次に、測定シーケンスは、ガス濃度を測定するためのシーケンスである。
ここでは、図24に示すように、1つの測定シーケンスを3つの領域[領域(1)、領域(2)、領域(3)]に分け、領域(2)でのセンサ応答からガス濃度を測定するものとし、測定対象ガス導入制御、パージガス導入制御、光照射制御(UV照射制御)のタイミングは、あらかじめ制御部17に備えられる記憶部24に記憶されている複数の測定パターン(ここでは後述のAグループ~Gグループに含まれる複数の測定パターン)の中からパターンを指定することによって、測定シーケンスを容易に実行できるようにしている。
例えば、図25(A)に示すように、始動シーケンス、複数回の測定シーケンス、停止シーケンスを順に実行する場合に、測定パターンとして、後述のAグループ~Gグループに含まれる複数の測定パターンの中からC-3というパターンを指定することによって、複数回の測定シーケンスの全てを実行するようにすれば良い。
また、例えば、図25(B)に示すように、始動シーケンス、複数回の測定シーケンス、停止シーケンスを順に実行する場合に、測定パターンとして、後述のAグループ~Gグループに含まれる複数の測定パターンの中からC-3、B-1、D-1などのパターンを指定することによって、複数回の測定シーケンスを実行するようにしても良い。
この場合、ガスセンサ5に備えられる制御部17は、測定対象ガスの濃度を測定する測定シーケンスを第1領域、第2領域及び第3領域に分けて実行し、第1領域、第2領域及び第3領域で、測定対象ガス供給制御、パージガス供給制御及び光照射制御を組み合わせた複数のパターンの中から指定されたパターンを実行し、第2領域で、ガスセンサデバイス6によって検出される値に基づいて測定対象ガスの濃度を測定することになる。
この測定シーケンスの事前設定パラメータは、測定パターン(ここでは後述のAグループ~Gグループに含まれる複数の測定パターン)、測定シーケンスの領域(1)、領域(2)、領域(3)のそれぞれの領域の時間、UV照射時間(領域全体の時間に対する割合)などである。
ここで、測定パターンは、UV照射タイミング、測定対象ガスやパージガスのガス導入タイミングを規定したパターンである。つまり、測定パターンは、ポンプ動作タイミング及び時間、電磁弁切替タイミング及び時間、UV照射タイミング及び時間を規定したパターンである。なお、測定パターンをシーケンスパターングループともいう。
ここでは、UV照射タイミングとして、図26に示すように、Aグループ~Gグループの各グループで、測定シーケンスの3つの領域である領域(1)、領域(2)、領域(3)のどの領域でUV照射を行なうかを規定する。なお、図26では、UV照射を行なう場合に丸印を付けている。
また、ガス導入タイミングとして、図27に示すように、1~8の各グループで、測定シーケンスの3つの領域である領域(1)、領域(2)、領域(3)のどの領域で、測定対象ガス又はパージガスを導入するかを規定する。なお、図27では、測定対象ガスを導入する場合に濃い領域として表示している。
そして、これらのUV照射タイミングとガス導入タイミングとを組み合わせて、図28、図30、図32、図34、図36、図38、図40に示すように、測定パターンとして、Aグループ~Gグループに含まれる複数の測定パターンを規定する。
つまり、Aグループに含まれる複数の測定パターンとして、図28に示すように、A-1~A-8のパターンを規定する。
なお、図28では、UV照射を行なう場合に丸印を付け、測定対象ガスを導入する場合に濃い領域として表示している。
そして、測定パターンとしてA-1~A-8が指定された場合、A-1~A-8のパターンのそれぞれにおいて、センサ応答、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値の変化は、図29に示すようになる。
また、Bグループに含まれる複数の測定パターンとして、図30に示すように、B-1~B-8のパターンを規定する。
なお、図30では、UV照射を行なう場合に丸印を付け、測定対象ガスを導入する場合に濃い領域として表示している。
そして、測定パターンとしてB-1~B-8が指定された場合、B-1~B-8のパターンのそれぞれにおいて、センサ応答、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値の変化は、図31に示すようになる。
また、Cグループに含まれる複数の測定パターンとして、図32に示すように、C-1~C-8のパターンを規定する。
なお、図32では、UV照射を行なう場合に丸印を付け、測定対象ガスを導入する場合に濃い領域として表示している。
そして、測定パターンとしてC-1~C-8が指定された場合、C-1~C-8のパターンのそれぞれにおいて、センサ応答、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値の変化は、図33に示すようになる。
また、Dグループに含まれる複数の測定パターンとして、図34に示すように、D-1~D-8のパターンを規定する。
なお、図34では、UV照射を行なう場合に丸印を付け、測定対象ガスを導入する場合に濃い領域として表示している。
そして、測定パターンとしてD-1~D-8が指定された場合、D-1~D-8のパターンのそれぞれにおいて、センサ応答、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値の変化は、図35に示すようになる。
また、Eグループに含まれる複数の測定パターンとして、図36に示すように、E-1~E-8のパターンを規定する。
なお、図36では、UV照射を行なう場合に丸印を付け、測定対象ガスを導入する場合に濃い領域として表示している。
そして、測定パターンとしてE-1~E-8が指定された場合、E-1~E-8のパターンのそれぞれにおいて、センサ応答、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値の変化は、図37に示すようになる。
また、Fグループに含まれる複数の測定パターンとして、図38に示すように、F-1~F-8のパターンを規定する。
なお、図38では、UV照射を行なう場合に丸印を付け、測定対象ガスを導入する場合に濃い領域として表示している。
そして、測定パターンとしてF-1~F-8が指定された場合、F-1~F-8のパターンのそれぞれにおいて、センサ応答、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値の変化は、図39に示すようになる。
また、Gグループに含まれる複数の測定パターンとして、図40に示すように、G-1~G-8のパターンを規定する。
なお、図40では、UV照射を行なう場合に丸印を付け、測定対象ガスを導入する場合に濃い領域として表示している。
そして、測定パターンとしてG-1~G-8が指定された場合、G-1~G-8のパターンのそれぞれにおいて、センサ応答、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値の変化は、図41に示すようになる。
ところで、上述のようにして測定シーケンスを実行する場合、各測定パターンにおいて、ガス濃度の測定は、以下の濃度測定方法I~IIIのいずれかによって行なわれることになる。
まず、濃度測定方法Iは、図42に示すように、パージガスから測定対象ガスに切り替えたときのセンサ抵抗の立ち上がりの大きさを、ガス濃度に対応させて、ガス濃度を測定する方法である。
例えば、この濃度測定方法Iでは、パージガスから測定対象ガスに切り替えた時点(図42中、符号Xで示す箇所参照)のガスセンサデバイス6からの抵抗値(センサ抵抗)を測定して、これを基準値とすれば良い。
そして、測定対象ガスの供給開始から所定時間(一定時間;例えば60sec)経過後(図42中、符号Yで示す箇所参照)のガスセンサデバイス6からの抵抗値を測定し、これが基準値に対してどの程度変化したか、即ち、センサ応答の大きさを求め、それをガス濃度に対応させてガス濃度を測定すれば良い。
次に、濃度測定方法IIは、図43に示すように、UV照射したときのセンサ抵抗の立下り、即ち、測定対象ガスからパージガスに切り替えるとともにUV照射を行なったときのセンサ抵抗の立下りの大きさを、ガス濃度に対応させて、ガス濃度を測定する方法である。
例えば、この濃度測定方法IIでは、測定対象ガスからパージガスに切り替えるとともにUV照射を開始した時点(図43中、符号Xで示す箇所参照)のガスセンサデバイス6からの抵抗値(センサ抵抗)を測定して、これを基準値とすれば良い。
そして、パージガスの供給及びUV照射の開始から所定時間(一定時間;例えば60sec)経過後(図43中、符号Yで示す箇所参照)のガスセンサデバイス6からの抵抗値を測定し、これが基準値に対してどの程度変化したか、即ち、センサ応答の大きさを求め、それをガス濃度に対応させてガス濃度を測定すれば良い。
次に、濃度測定方法IIIは、図43に示すように、UV照射後のセンサ抵抗の立ち上がり、即ち、パージガスの供給及びUV照射から測定対象ガスの供給及びUV非照射に切り替えたときのセンサ抵抗の立ち上がりの大きさを、ガス濃度に対応させて、ガス濃度を測定する方法である。
例えば、この濃度測定方法IIIでは、パージガスから測定対象ガスに切り替えるとともにUV照射をUV非照射に切り替えた時点(図43中、符号Yで示す箇所参照)のガスセンサデバイス6からの抵抗値(センサ抵抗)を測定して、これを基準値とすれば良い。
そして、パージガスから測定対象ガスに切り替えるとともにUV照射をUV非照射に切り替えた時点から所定時間(一定時間;例えば60sec)経過後(図43中、符号Zで示す箇所参照)のガスセンサデバイス6からの抵抗値を測定し、これが基準値に対してどの程度変化したか、即ち、センサ応答の大きさを求め、それをガス濃度に対応させてガス濃度を測定すれば良い。
上述の濃度測定方法II、IIIでは、ガスセンサデバイス6の感応膜9(例えば図7参照)を、測定対象ガスに暴露した状態から所定時間だけUV照射を行なうことになる。
この場合、ガスセンサ5に備えられる制御部17は、ガスセンサデバイス6の感応膜9に所定時間(第1所定時間)だけ光を照射するように光源10(ここではUV光源)に対する制御を行なうことになる。
そして、上述の濃度測定方法IIでは、ガスセンサ5に備えられる制御部17は、測定対象ガスの供給停止時に検出したガスセンサデバイス6からの抵抗値と感応膜9に対する光照射終了時に検出したガスセンサデバイス6からの抵抗値とに基づいて測定対象ガスの濃度を測定することになる。
また、上述の濃度測定方法IIIでは、ガスセンサ5に備えられる制御部17は、ガスセンサデバイス6の感応膜9に対する光照射終了時に検出したガスセンサデバイス6からの抵抗値と感応膜9に対する光照射終了時から所定時間(第2所定時間)後に検出したガスセンサデバイス6からの抵抗値とに基づいて測定対象ガスの濃度を測定することになる。
なお、上述の濃度測定方法I~IIIによってガス濃度の測定を行なう場合、基準値とする抵抗値は、例えば制御部17に備えられる記憶部24に記憶しておくことになる。また、上述の濃度測定方法I~IIIのそれぞれにおいてセンサ応答の大きさからガス濃度に変換する式を、例えば制御部17に備えられる記憶部24にあらかじめ記憶しておき、その式に基づいてガス濃度を算出するようにすれば良い。また、ガスセンサ5を上述の不揮発性メモリ26(例えば図18参照)を備えるものとする場合は、この不揮発性メモリ26にガス濃度の計算式を格納しておき、それに基づいて、制御部17に備えられるMPU25がガス濃度を算出するようにすれば良い。
次に、停止シーケンスは、完全に動作を停止する前に、ガスセンサデバイス6の感応膜9(例えば図7参照)の表面に吸着しているガス分子(吸着物)を除去するとともに、センサチャンバ18内を換気するためのシーケンスである。
これにより、ガスセンサデバイス6の感応膜9の表面及びその周囲を清浄な状態に回復させることができる。
この停止シーケンスの事前設定パラメータは、全時間、UV照射タイミング及び時間、ポンプ動作タイミング及び時間、電磁弁切替タイミング及び時間などである。
停止シーケンスでは、図44に示すように、始動時又は測定開始時のセンサ抵抗、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値をR00とし、ガスセンサデバイス6からの抵抗値がR00以下となる時点、あるいは、ガスセンサデバイス6からの抵抗値がR00よりも小さくなる時点までUV照射を行なう。
なお、始動時のセンサ抵抗は、例えば、始動シーケンスにおけるセンサ抵抗であり、測定開始時のセンサ抵抗は、例えば、測定シーケンスの領域(1)におけるセンサ抵抗である。
ここでは、UV照射と同時にパージガスを導入する。例えば、フィルタ14(22)を介した経路に電磁弁13(21)を切り替えた状態でポンプ16(20)を稼動させることでパージガスを導入する。
そして、ガスセンサデバイス6からの抵抗値がR00以下となってUV照射を停止した後もパージガスは流し続け、UV照射時間よりも十分長い時間(例えばUV照射時間の約2倍の時間)が経過したら、ポンプ16(20)を停止させることで、パージガスの導入を停止する。
ここで、図45は、このような停止シーケンスを、ガスセンサ5に備えられる制御部17がプログラムを実行することによって実現する場合の処理を示すフローチャートである。
まず、制御部17は、光源(ここではUV-LED)10をオンにし(ステップB1)、ポンプ16をオンにし(ステップB2)、タイマをスタートさせる(ステップB3)。なお、タイマのカウント開始はT=0である。
これにより、ガスセンサデバイス6の感応膜9に光(ここではUV)が照射されるとともに、フィルタ14(22)を介した経路に電磁弁13(21)を切り替えた状態でポンプ16(20)を稼動させることでパージガスが導入される。
この状態で、制御部17は、始動時又は測定開始時のセンサ抵抗、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値R00を、例えばメモリなどの記憶部から読み出す(ステップB4)。
そして、制御部17は、センサ抵抗、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値Rをモニタしながら、ガスセンサデバイス6からの抵抗値RがR00よりも小さくなるまで、UV照射及びパージガスの導入を継続する(ステップB5、B6)。
つまり、制御部17は、センサ抵抗、即ち、ガスセンサデバイス6からの抵抗値Rを測定し(ステップB5)、測定された抵抗値RがR00よりも小さくなったか否かを判定する(ステップB6)。
そして、この判定の結果、測定された抵抗値RがR00よりも小さくなったと判定しなかった場合は、NOルートへ進み、ステップB5、B6の処理を繰り返す。
一方、測定された抵抗値RがR00よりも小さくなったと判定した場合は、YESルートへ進み、制御部17は、その時点のタイマのカウント値TをUV照射時間として記憶し(ステップB7)、光源(ここではUV-LED)10をオフにする(ステップB8)。
そして、制御部17は、UV照射を停止した後、UV照射時間の2倍の時間(2T)が経過するまで、パージガスを流し続け、UV照射時間の2倍の時間(2T)が経過したら、ポンプ16(20)をオフにして、パージガスの導入を停止させる(ステップB9、B10)。
つまり、制御部17は、タイマのカウント値Tが2Tよりも大きくなったか否かを判定し(ステップB9)、この判定の結果、タイマのカウント値Tが2Tよりも大きくなったと判定しなかった場合は、NOルートへ進み、この判定を繰り返す。
一方、制御部17は、タイマのカウント値Tが2Tよりも大きくなったと判定した場合は、YESルートへ進み、ポンプ16(20)をオフにして、パージガスの導入を停止させる(ステップB10)。
その後、制御部17は、タイマのカウントを停止させ(ステップB11)、オフとなり、ガスセンサ(ガスセンサシステム)5がオフとなる(ステップB12)。
このような制御を行なう場合、ガスセンサ5に備えられる制御部17は、測定終了後に、ガスセンサデバイス6からの抵抗値が初期値になるまでパージガスを供給するようにパージガス供給機構13、14(21、22)に対する制御を行なうとともに感応膜9に光を照射するように光源10に対する制御を行ない、ガスセンサデバイス6からの抵抗値が初期値になったら光源10に対する制御を終了し、パージガス供給機構13、14(21、22)に対する制御をある時間だけ継続した後、動作を停止するように制御を行なうことになる。
なお、本発明は、上述した実施形態及び各変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
1 光触媒
2 Si基板
3 CuBr結晶粒
4 CuBr膜(CuBr薄膜)
5 ガスセンサ
6 ガスセンサデバイス
7 第1電極
8 第2電極
9 感応膜(CuBr膜)
10 光源(UV-LED)
11 基板
12 ガス供給側配管
13 電磁弁
14 フィルタ
15 排気側配管
16 ポンプ
17 制御部
18 センサチャンバ
19 センサ部
20 ガス導入機構部
21 ガス流路切り替え装置
22 ガスフィルタ(ガスフィルタ機構部)
23 測定部
24 記憶部
25 MPU
26 不揮発性メモリ(不揮発性メモリ素子)
27 表示部
28 通信部(伝送部)

Claims (11)

  1. 1価の銅と1価の臭素とから構成されるイオン結晶で(111)配向した成分を少なくとも含む多結晶体である臭化第一銅からなり、前記臭化第一銅が光の照射で前記臭化第一銅に接する物質を分解する光触媒性を示すことを特徴とする光触媒。
  2. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極とを接続する感応膜とを備え、
    前記感応膜は、請求項1に記載の光触媒からなることを特徴とするガスセンサデバイス。
  3. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極とを接続する感応膜とを備えるガスセンサデバイスと、
    前記感応膜に光を照射する光源とを備え、
    前記感応膜は、請求項1に記載の光触媒からなることを特徴とするガスセンサ。
  4. 前記光源は、近紫外光領域の波長成分を含む光を照射する光源であることを特徴とする、請求項3に記載のガスセンサ。
  5. 測定対象ガスを供給した場合に前記ガスセンサデバイスによって検出される値に基づいて前記測定対象ガスの濃度を測定するとともに、前記光源に対する制御も行なう制御部を備えることを特徴とする、請求項3又は4に記載のガスセンサ。
  6. 前記制御部は、前記測定対象ガスを供給するガス供給タイミング及びガス供給時間を制御するとともに、前記感応膜に前記光源から光を照射する光照射タイミング及び光照射時間を制御することを特徴とする、請求項5に記載のガスセンサ。
  7. 前記制御部は、前記測定対象ガスの供給を停止したタイミングで前記感応膜に光を照射するように前記光源に対する制御を行なうことを特徴とする、請求項6に記載のガスセンサ。
  8. 前記制御部は、前記測定対象ガスの供給開始時に検出した前記ガスセンサデバイスからの抵抗値に戻るまで前記感応膜に光を照射するように前記光源に対する制御を行なうことを特徴とする、請求項7に記載のガスセンサ。
  9. 前記制御部は、前記測定対象ガスの供給開始時に検出した前記ガスセンサデバイスからの抵抗値と前記測定対象ガスを所定時間供給した時に検出した前記ガスセンサデバイスからの抵抗値とに基づいて前記測定対象ガスの濃度を測定することを特徴とする、請求項8に記載のガスセンサ。
  10. 制御部が、請求項1に記載の光触媒からなる感応膜を備えるガスセンサデバイスに、測定対象ガスを供給する制御を行ない、
    前記制御部が、前記ガスセンサデバイスによって検出される値に基づいて前記測定対象ガスの濃度を測定し、
    前記制御部が、前記測定対象ガスの供給を停止する制御を行なうとともに、前記感応膜に光を照射するように光源に対する制御を行なうことを特徴とする測定方法。
  11. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極とを接続する感応膜とを備えるガスセンサデバイスと、
    前記感応膜に光を照射する光源と、
    測定対象ガスを供給した場合に前記ガスセンサデバイスによって検出される値に基づいて前記測定対象ガスの濃度を測定するとともに、前記光源に対する制御も行なう制御部とを備え、
    前記感応膜は、臭化第一銅からなり、前記臭化第一銅が前記光源から照射される光で前記臭化第一銅に接する物質を分解する光触媒性を示し、
    前記制御部は、
    前記測定対象ガスを供給するガス供給タイミング及びガス供給時間を制御するとともに、前記感応膜に前記光源から光を照射する光照射タイミング及び光照射時間を制御し、
    前記測定対象ガスの供給を停止したタイミングで前記感応膜に光を照射するように前記光源に対する制御を行ない、
    前記測定対象ガスの供給開始時に検出した前記ガスセンサデバイスからの抵抗値に戻るまで前記感応膜に光を照射するように前記光源に対する制御を行なうことを特徴とするガスセンサ。
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