JP4961674B2 - 金属材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光触媒機能を有する金属材料とその製造方法に関するものである。
半導体物質の一部は、光触媒機能を有することが知られている。例えば、酸化チタンは価電子帯の正孔が非常に強い酸化力を有しているため、有機物を最終的には水と二酸化炭素にまで分解してしまう作用を有している。近年では、このような酸化チタンの光触媒機能(酸化分解機能)を利用して、酸化チタン膜を抗菌剤、殺菌剤、脱臭剤、環境浄化剤などとして使用することが試みられている。しかし、酸化チタンそのものは、有機物をその表面に吸着する能力を有していないため、得られる酸化分解機能には限界がある。
一方、歯や骨などの生体硬組織の主成分であるカルシウムハイドロキシアパタイトCa10(PO46(OH)2は、さまざまなカチオンやアニオンとイオン交換しやすく、高い生体親和性及び吸着特性を有しており、特に蛋白質などの有機物を吸着する能力を発揮することが知られている(例えば、特許文献3)。
最近では、特許文献1及び2に開示されるように、酸化チタン等の半導体物質とカルシウムハイドロキシアパタイト等の燐酸カルシウム系化合物とを組み合わせて、両者の特性を効果的に引き出すことができる製品の開発が行われている。また、特許文献3乃至6に開示されるように、アパタイト中のカルシウムイオンの一部をチタンイオンとイオン交換した光触媒機能を有するカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトCa9Ti(PO46(OH)2の開発も行われている。
特開2003−80078号公報 特開2003−321313号公報 特開2000−327315号公報 特開2001−302220号公報 特開2003−175338号公報 特開2003−334883号公報
一般的に金属成型品に対して光触媒機能を付加する手法としては、金属成型品の表面に酸化チタンを含有する光触媒機能材料(主に酸化チタン)をスピンコートなどの塗布法あるいはスパッタリング法により光触媒機能を有する被膜を付着させる方法が用いられてきた。しかし、これらの手法を用いた場合、所望の光触媒機能は、光触媒機能を有する被膜が形成された金属成型品の表層部のみでその効果を発揮するため、例えば、光触媒機能を有する被膜が損傷、剥離、磨耗した際には光触媒機能が消失してしまうとの問題点を有する。また、前記塗布法では、複雑形状を有する金属成型品に対して被膜が形成できない部分があるため、光触媒機能を有する被膜を均一に形成することが難しいといった問題点がある。さらに、前記スパッタリング法では、スパッタリング装置に投入することが不可能な大きな寸法の金属材料に対して光触媒機能を有する被膜を形成することができず、また塗布法の場合と同様にターゲットから見て影となってしまう部分には被膜が形成できず、大きさが小さく金属成型品の限られた部分にのみ被膜を付着させることしかできないという問題がある。
これら問題点を解消する手段として、金属成型品が母材金属と光触媒機能材料とを混合させた材料が考えられる。しかし、光触媒機能材料として主に用いられている酸化チタンを母材金属に分散させた光触媒機能を有する金属材料は実用化されなかった。それは次のような理由による。酸化チタンの結晶構造は焼成温度により決定され、焼成温度が600℃付近でアナターゼ相、600℃から1000℃までの間ではアナターゼ相とルチル相の混相、1000℃以上でルチル相がそれぞれ生成される。一般に、光触媒機能はルチル相よりもアナターゼ相の方が高いことが知られている。 そのため、例えば金属成型時の加熱処理温度を800℃付近に設定した場合、ルチル相を多く含む酸化チタンが生成されることとなってしまい、成型された金属材料は光触媒機能を十分に発揮させることができないこととなる。従って、携帯情報端末等の電子機器の筐体として用いられるアルミニウム(融点660℃)或いはマグネシウム(融点650℃)に対して光触媒機能を付与することを目的にそれら金属の溶湯中に酸化チタンを添加したとしても、前記理由により本来目的とする光触媒機能をもつ金属成型品を得ることができないという問題点を有していた。
本発明では、光触媒機能を有するアパタイトを、該アパタイトの結晶化が促進される温度域内の温度に設定した母材金属溶湯中に添加し分散させた後に、所望の形状に成型することで光触媒機能を有するアパタイトを含有する金属材料を得ることを目的としている。
本発明による金属材料は、光触媒機能を有するアパタイトを母材金属中に均一に分散させているため、金属成型品の表層部ならびに内部にわたって光触媒機能をもつことが可能となる。そのため、上記金属材料により作成された部品の表層部が損傷、剥離、磨耗したとしても、その内部も光触媒機能を有している材料が露出するため光触媒機能が失われることは無い。一方、従来技術による金属材料は、その表層部が損傷、剥離、磨耗した際には光触媒コーティング膜が消滅するため、光触媒機能が失われることとなる。
また、本発明により得られた金属材料は任意の形状に加工することが可能であるため、光触媒機能を有した複雑形状の部品あるいは大型寸法の部品を作成することが可能となる。特にエレクトロニクスの分野において有用であり、具体的には、レジストランや公共の施設などに設置される表示デバイス、例えばPDPなどにおいて使用し、セルフクリーニング効果によりメンテナンスフリーとすることができる。また、モバイル製品、例えばノート型PC、PDA、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、腕時計などの筐体などの金属部分に使用することで、手垢などの汚れの付着を防止することができる。
本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明の金属材料は、光触媒機能を有するアパタイトを含有していることを特徴としている。前記光触媒機能を有するアパタイトは、少なくとも光触媒機能を有する金属を一種以上含んでいる金属修飾されたアパタイトであることが好ましい。
その主体を構成するアパタイトは、基本的に、次のような一般式によって表すことができる。
Ax-m-nBmCn(DOy)zEs
上式において、Aは、カルシウム、アルミニウム、ランタン、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、鉛、カドミウム、ユウロピウム、イットリウム、セリウム、ナトリウム、及びカリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、アパタイトに含まれる金属原子の主成分である。この中ではカルシウムが最も一般的である。Bは紫外光を吸収する金属原子であり、チタン、ジルコニウム、及びタングステンからなる群から選ばれる。Cは可視光を吸収する金属原子であり、クロム、コバルト、マンガン、バナジウム、銅、鉄、及びニッケルからなる群から選ばれる。Dはリン、硫黄などの原子を表し、Oは酸素原子を表す。また、前記Eは水酸基(−OH)、ハロゲン原子(フッ素、塩素など)を表す。なお、前記一般式におけるBおよびCは吸収する光の種類に合わせて選択すればよい。例えば紫外光のみを吸収したい場合には前記Bだけを、また可視光のみを前記Cだけを、紫外光と可視光の両方を吸収したい場合には前記BとCの両方を含有するアパタイトを用いればよい。また、前記一般式で表されるアパタイトは、例えば、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、燐酸三カルシウム、燐酸水素カルシウムなどに含まれる金属原子を紫外光を吸収する金属原子と可視光を吸収する金属原子とで置換したものである。
(実施例2)
本発明に用いるアパタイトは光触媒機能を有するものであり、前記一般式中のAとしてカルシウムを、Bとしてチタンを選択したチタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトである。本実施形態のアパタイトはチタン原子の一部がカルシウム原子を置換した結晶構造を有するため、約1000℃までの加熱処理をしてもその光触媒機能を維持することが可能である。
(実施例3)
本発明に用いるアパタイトは光触媒機能を有する金属であり、前記一般式中のAとしてカルシウムを、Bとしてチタンを、Cとしてクロムを選択したクロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトである。また、本実施形態のアパタイトは、チタン原子およびクロム原子の一部がカルシウム原子を置換した結晶構造を有するため、約1000℃までの加熱処理をしてもその光触媒機能を維持することが可能である。
(実施例4)
本発明における光触媒機能を有する金属材料の母材金属は、実施例1〜3のアパタイトが1000℃までの加熱処理をしてもその光触媒機能を有するので、母材金属の融点は1000℃以下であることが好ましく、中でも500℃〜800℃の温度域近傍に融点を有するマグネシウム及びその合金、アルミニウム及びその合金、或いは亜鉛及びその合金を用いることがより好ましい。何故ならこの温度域は前記アパタイトの結晶化が促進される温度域と一致するため、本発明による金属材料の光触媒機能をより高めることができるからである。
これら母材金属よりなる合金は、パソコン、電子手帳、携帯電話などの電子機器、あるいは機械、自動車用部品に広く用いられている。特にノート型PCや携帯電話などのモバイル製品は、表面に露出している金属材料の部分が損傷、剥離、磨耗しやすいため、本発明の光触媒機能を有する金属材料を用いることで表層にのみ光触媒機能をもつ膜が付着しているものに比べて、たとえ損傷、剥離、磨耗が発生しても光触媒機能を失することはない。
(実施例5)
図1は、本発明による光触媒機能を有する金属材料の製造フローを示すものである。以下、同図に沿って説明する。
本発明による光触媒機能を有する金属材料の製造方法について説明する。本実施例は,前記電子機器筐体に用いられるマグネシウム合金に光触媒機能を付与することを想定したものである。
先ず、PCなどの筐体に用いる母材金属であるマグネシウム合金(AZ91D合金:Mg−9%Al−1%Zn)を坩堝内に入れ約700℃に加熱し、該マグネシウム合金を溶湯化する。この加熱したマグネシウム合金の溶湯中に、前記実施例2記載のアパタイト(チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイト)を添加し、約1時間撹拌作業を行う。添加する材料としては市販のチタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイト(商品名 Phothap:太平化学産業製)を用いてもよい。なお、チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトは粉体状であるため、溶湯投入時の飛散防止を目的に、チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを金属箔に包んだ状態で前記溶湯中へ添加した。該金属箔としては、母材金属の主成分に相当する材料、例えばアルミニウム、マグネシウム等を用いることが好ましい。また、該チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの結晶構造が変化して光触媒機能が低下するのを防止するために、マグネシウム合金母材の溶湯温度は1000℃以下に設定する必用があり、さらに好ましくは、500℃〜800℃の温度域に設定することが望ましい。この温度域は該チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの結晶化が促進される範囲であるため、マグネシウム合金母材の溶湯温度を該温度域に設定することで、添加された該チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを撹拌工程中に結晶化させることが可能となるため、該チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの焼成工程の省略が実現できる。
十分に撹拌した後に、所望の成形型内で冷却し、マグネシウム合金母材中にチタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを均一に分散させた金属材料からなる金属成形品を得ることができる。図2は本実施例記載の製造方法により作成した光触媒機能を有する金属材料の組織を観察した写真である。図2(a)はチタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを添加したマグネシウム合金であり、図2(b)は当該アパタイトを添加していないマグネシウム合金の観察結果である。図2(a)において、黒色部はチタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを示し、白っぽい部分は母材であるマグネシウム合金を示す。図2(b)と図2(a)と比較することで、本実施例記載の製造方法により作成した光触媒機能を有する金属材料は、マグネシウム合金母材中にチタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトが均一に分散されていることがわかる。
(実施例6)
本発明による光触媒機能を有する金属材料の他の製造方法について説明する。本実施例も前述の実施例と同様に,前記電子機器筐体に用いられるマグネシウム合金に光触媒機能を付与することを想定したものである。
先ず、PCなどの筐体に用いる母材金属であるマグネシウム合金(AZ31合金:Mg−3%Al−1%Zn)を坩堝内に入れ約700℃に加熱し、該マグネシウム合金を溶湯化する。この加熱したマグネシウム合金の溶湯中に、前記実施例3記載のアパタイト(クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイト)を添加し、約1時間撹拌作業を行う。なお、クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトは粉体状であるため、溶湯投入時の飛散防止を目的に、クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを金属箔に包んだ状態で前記溶湯中へ添加した。該金属箔としては、母材金属の主成分に相当する材料、例えばアルミニウム、マグネシウム等を用いることが好ましい。また、該クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの結晶構造が変化して光触媒機能が低下するのを防止するために、マグネシウム合金母材の溶湯温度は1000℃以下に設定する必用があり、さらに好ましくは、500℃〜800℃の温度域に設定することが望ましい。この温度域は該クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの結晶化が促進される範囲であるため、マグネシウム合金母材の溶湯温度を該温度域に設定することで、添加された該クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを撹拌工程中に結晶化させることが可能となるため、該クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの焼成工程の省略が実現できる。
十分に撹拌した後に、所望の成形型内で冷却し、マグネシウム合金母材中にクロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを均一に分散させた金属材料からなる金属成形品を得ることができる。
このようにして得られた金属材料の光触媒機能性の評価には、メチレンブルー試薬脱色試験法を用いた。本試験法は、光触媒機能を有する材料の光触媒機能による効果の評価手段として広く用いられているものである。メチレンブルーは酸化還元反応を確認する代表的な試薬であり、メチレンブルーが還元されると青色から無色へと褪色変化するため、光触媒機能である還元効果の発生を試薬の色の変化で目視確認することができる。
(実施例7)
前記製造方法の実施例5により、チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの添加量を0、3、6、10、15、20重量%と変化させた光触媒機能を有するマグネシウム合金を作成した。得られたチタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイト含有マグネシウム合金を平板(100mm×150mm×1mm)状試験片に成形後、該試験片をメチレンブルー試薬(0.02mmol/l)に浸漬し、染色された試験片に対し波長365nmの紫外線を1mW/cm2の強度で照射し、光触媒機能効果の発生の有無を調査した。
その結果、チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを添加した金属材料ではメチレンブルーの褪色が確認された。図3は、本発明による光触媒機能を有する金属材料の光触媒機能効果を示す図である。同図に示すように、チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの添加量が多いほどメチレンブルーの褪色速度が速いことを目視確認した。一方、チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを添加しないマグネシウム合金では、メチレンブルーが褪色することはなかった。
図4は、本発明による光触媒機能を有する金属材料の加工性を示す図である。同図は、実施例5により作成したチタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイト含有マグネシウム合金を前記平板状試験片に成型した際に、該試験片に目視確認可能な割れが発生したか否か示すものである。同図中、○は目視確認可能な割れが発生しなかったこと、×は目視確認可能な割れが発生したことを表す。図4に示すように、チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを20重量%添加した材料は、光触媒機能を有するもののその強度はやや弱く、前記試験片の成型が困難であった。よって、前記電子機器筐体をはじめとする構造体に適用する場合には、チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの添加量を3〜15重量%の範囲に設定することが好ましい。
(実施例8)
前記製造方法の実施例6により、クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの添加量を0、3、6、10、15重量%と変化させた光触媒機能を有するマグネシウム合金を作成した。得られたクロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイト含有マグネシウム合金を円板(直径100mm、厚さ1mm)状試験片に成形し、前述のメチレンブルー試薬脱色試験法に供した。その結果、クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを添加したマグネシウム合金ではメチレンブルーの褪色が確認された。図5は、本発明による光触媒機能を有する金属材料の光触媒機能効果を示す図である。同図に示すように、クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの添加量が多いほどメチレンブルーの褪色速度が速いことを目視確認した。一方、クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを添加しないマグネシウム合金では、メチレンブルーが褪色することはなかった。
図6は、本発明による光触媒機能を有する金属材料の加工性を示す図である。同図は、実施例6により作成したチタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイト含有マグネシウム合金を前記平板状試験片に成型した際に、該試験片に目視確認可能な割れが発生したか否か示すものである。同図中、○は目視確認可能な割れが発生しなかったこと、×は目視確認可能な割れが発生したことを表す。同図に示すように、クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを20重量%添加した材料は光触媒機能を有するもののその強度はやや弱く、前記試験片の成型が困難であった。よって、前記電子機器筐体をはじめとする構造体に適用する場合には、クロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトの添加量を3〜15重量%の範囲に設定することが好ましい。

(付記1)光触媒機能を有するアパタイトを含有することを特徴とする金属材料。(1)
(付記2)前記アパタイトは光触媒機能を有する金属を少なくとも1種以上含むことを特徴とする付記1記載の金属材料。(2)
(付記3)さらに光触媒機能を有する他の金属原子を含む付記2記載の金属材料。
(付記4)前記アパタイトを含有する金属材料の母材が、マグネシウム合金、アルミニウム合金、あるいは亜鉛合金のいずれかであることを特徴とする付記1乃至2記載の金属材料。(3)
(付記5)光触媒機能を有する金属原子と、他の金属原子とを含むアパタイトを分散させた後に、所望の形状に成型することを特徴とする光触媒機能を有する金属材料。
(付記6)光触媒機能を有する金属原子は、チタン、ジルコニウム、タングステン、クロム、コバルト、銅、鉄、ニッケルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子であることを特徴とする付記2又は4記載の光触媒機能を有する金属材料。(4)
(付記7)他の金属原子は、カルシウム、アルミニウム、ランタン、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、鉛、カドミウム、ユウロピウム、イットリウム、セリウム、ナトリウム、及びカリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子であることを特徴とする付記3又は4記載の光触媒機能を有する金属材料。

(付記8)光触媒機能を有する金属原子がチタン及びクロムであり、他の金属原子がカルシウムであることを特徴とする付記2又は5記載の光触媒機能を有する金属材料。
(付記9)母材金属が、マグネシウム合金、アルミニウム合金、あるいは亜鉛合金のいずれかであることを特徴とする付記5乃至8記載の光触媒機能を有する金属材料。
(付記10)光触媒機能を有するアパタイトを、該アパタイトの結晶化が促進される温度域内の温度に設定した母材金属溶湯中に添加し分散させた後に、所望の形状に成型することを特徴とする光触媒機能を有する金属材料の製造方法。(5)

(付記11)光触媒機能を有する金属原子と、他の金属原子とを含むアパタイトを、前記光触媒機能を有するアパタイトとともに結晶化が促進される温度域内の温度に設定した母材金属溶湯中に添加することを特徴とする付記10記載の光触媒機能を有する金属材料の製造方法。
(付記12)前記結晶化が促進される温度域が500℃乃至800℃の温度である付記10乃至11記載の光触媒機能を有する金属材料の製造方法。
(付記13)光触媒機能を有する金属原子と、他の金属原子とを含む光触媒機能を有するアパタイトを、母材金属の主成分よりなる金属箔に包んで母材金属溶湯中に添加することを特徴とする付記10乃至12記載の光触媒機能を有する金属材料の製造方法。
(付記14)母材金属が、マグネシウム合金、アルミニウム合金、あるいは亜鉛合金のいずれかであることを特徴とする付記10乃至13記載の光触媒機能を有する金属材料の製造方法。
本発明による光触媒機能を有する金属材料は、特にエレクトロニクス分野において有用であり、前記分野に属する製品の筐体などの金属部分に使用することで、手垢などの汚れの付着を防止することができる。
本発明による光触媒機能を有する金属材料の製造フローを示す図である。 本発明による光触媒機能を有する金属材料の構造を示す図である。 本発明による光触媒機能を有する金属材料の光触媒機能効果を示す図である。 本発明による光触媒機能を有する金属材料の加工性を示す図である。 本発明による光触媒機能を有する金属材料の光触媒機能効果を示す図である。 本発明による光触媒機能を有する金属材料の加工性を示す図

Claims (3)

  1. 光触媒機能を有し、チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトまたはクロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトを含有する金属材料。
  2. 前記金属材料の母材が、マグネシウム合金、アルミニウム合金、あるいは亜鉛合金のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の金属材料。
  3. 光触媒機能を有するアパタイトを、該アパタイトの結晶化が促進される温度域内の温度に設定した母材金属溶湯中に添加し分散させた後に、所望の形状に成型することを特徴とする光触媒機能を有するアパタイトを含有する金属材料の製造方法であって、
    前記光触媒機能を有するアパタイトは、チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトまたはクロム・チタン修飾カルシウムハイドロキシアパタイトであることを特徴とする金属材料の製造方法。
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