JP7104495B2 - 水膨潤性共重合体ラテックス、水膨潤性組成物、及び水膨潤性シーリング材 - Google Patents

水膨潤性共重合体ラテックス、水膨潤性組成物、及び水膨潤性シーリング材 Download PDF

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Description

本発明は、水膨潤性共重合体ラテックス、水膨潤性組成物、及び水膨潤性シーリング材に関する。更に詳しくは、塗工紙のバインダー、カーペットの裏打ちバインダー、各種接着剤及び塗料、及び水膨潤性シーリング材の原料に使用される、共重合体ラテックスに関するものである。
従来から、疎水性材料である合成ゴムや合成樹脂に吸水性能/及び又は水膨潤性能を付与させることが強く要請されており、軟質樹脂やゴム類に吸水性ポリマーを混合した水膨潤性シーリング材が数多く知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2に、不飽和二重結合を含有する反応性乳化剤を用いて乳化重合し、内部架橋した親水性共重合体が開示されている。さらに、特許文献3に記載されるように、反応性乳化剤の使用は、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスの分野では広く用いられる技術である。
特許第2882633号 特許第4627871号 特許第3924450号 特開昭56-33032号公報 特開昭57-108143号公報
しかしながら、特許文献1に記載される従来の水膨潤性シーリング材では、水膨潤性を付与させるために強度が低下し、機械的強度と膨潤性とのバランスが悪く、満足できるものではない(例えば、特許文献4及び5参照)。また、カルボキシル変性重合体のエマルジョンと、水溶性のカルボキシル変性ジエン系重合体と、を架橋剤を用いて乾燥・熱処理することにより共架橋させた水膨潤性ポリマーは、熱処理等複雑な工程が必要で、その条件により十分な性能が発揮されない。
また、特許文献2に開示される親水性共重合体は、この組成範囲では水膨潤性、皮膜の強度及び伸びの水準が十分ではない。さらに、特許文献3に開示されるような乳化重合に反応性乳化剤を使用する目的は、ラテックス皮膜の耐水性向上を目的としたもので、水膨潤性能を考慮したものではない。
そこで、本発明は、水膨潤性に優れ、同時に、乾燥皮膜の機械的強度に優れた水膨潤性共重合体ラテックスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、脂肪族共役ジエン系単量体単位、酸性官能基含有不飽和単量体単位、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体単位、及び反応性乳化剤を、それぞれ所定範囲量含有する水膨潤性共重合体ラテックスを用いることにより、優れた水膨潤性能及び乾燥被膜の機械的強度を有することを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、以下の共重合体ラテックスを提供する。
[1]
単量体単位の総量(100質量部)に対して、
20質量部以上50質量部未満の脂肪族共役ジエン系単量体単位、
3質量部以上30質量部以下の酸性官能基含有不飽和単量体単位、
25質量部以上50質量部以下の不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体単位、及び
0.1質量部以上30質量部以下の反応性乳化剤(b)単位、を含有する、
水膨潤性共重合体ラテックス。
[2]
単量体単位の総量(100質量部)に対して、0.5質量部以下の非反応性乳化剤をさらに含有する、
[1]に記載の水膨潤性共重合体ラテックス。
[3]
トルエン不溶分率が、80%以上99%以下である、
[1]又は[2]に記載の水膨潤性共重合体ラテックス。
[4]
トルエン膨潤度が、3.0以上15以下である、
[1]から[3]のいずれかに記載の水膨潤性共重合体ラテックス。
[5]
[1]から[4]のいずれかに記載の水膨潤性共重合体ラテックスを含む、
水膨潤性組成物。
[6]
[1]から[4]のいずれかに記載の水膨潤性共重合体ラテックスを含む、
水膨潤性シーリング材。
本発明に係る水膨潤性共重合体ラテックスを用いることで、高い吸水(水膨潤)性、及び高い乾燥被膜の機械的強度を得ることが可能である。
以下に本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔水膨潤性共重合体ラテックス〕
本実施形態の水膨潤性共重合体ラテックス(以下、「共重合体ラテックス(A)」ともいう。)は、単量体単位の総量(100質量部)に対して、20質量部以上50質量部未満の脂肪族共役ジエン系単量体単位、3質量部以上30質量部以下の酸性官能基含有不飽和単量体単位、25質量部以上50質量部以下の不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体単位、及び0.1質量部以上30質量部以下の反応性乳化剤(b)単位、を含有する。
以下、本実施形態に用いられる水膨潤性共重合体ラテックスに含有されるもの(単量体単位及び反応性乳化剤単位を含む)の含有量、及び水膨潤性共重合体ラテックスの重合に用いられる原料(単量体及び反応性乳化剤を含む)の添加量(使用量)は、特に断らない限りは、それぞれ、単量体単位の総量(100質量部)及び単量体の総量(100質量部)に対する質量部数で表す。ここで、「単量体」とは、脂肪族共役ジエン系単量体、酸性官能基含有不飽和単量体、及び不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体だけではなく、これら以外の単量体単位を含む単量体を意味する。ただし、反応性乳化剤(b)は除く。
<脂肪族共役ジエン系単量体>
本実施形態の脂肪族共役ジエン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、クロロプレン、2-クロル-1 ,3-ブタジエン、シクロペンタジエン等が挙げられる。
本実施形態においては、少なくとも1種類の脂肪族共役ジエン系単量体を使用すればよいが、複数種類の脂肪族共役ジエン系単量体を同時に用いてもよい。脂肪族共役ジエン系単量体は、上述したうちでは、入手性の点で、ブタジエンが好ましい。
脂肪族共役ジエン単量体の含有量は、共重合体ラテックス(A)に含有される単量体単位の総量(100質量部)に対して、20質量部以上50質量部未満であり、30質量部以上50質量部未満であることが好ましく、35質量部以上50質量部未満であることがより好ましい。50質量部未満であることにより、水膨潤性がより高く、20質量部以上であることにより、乾燥皮膜の強度が優れる。
<酸性官能基含有不飽和単量体>
本実施形態の酸性官能基含有不飽和単量体としては、特に限定されないが、例えば、一塩基酸単量体、二塩基酸単量体等が挙げられる。本実施形態で用いられる酸性官能基含有不飽和単量体は、カルボキシル基やスルホン酸基、リン酸基、ホウ酸基等の酸性官能基を含有する不飽和単量体であり、後述する反応性乳化剤は含まれない。
より具体的に、一塩基酸単量体として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、桂皮酸、スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸及びこれらの一塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
二塩基酸単量体としては、例えば、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、ムコン酸、及びこれらの二塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、等が挙げられる。
本実施形態においては、少なくとも1種類の酸性官能基含有不飽和単量体を使用すればよいが、複数種類の酸性官能基含有不飽和単量体を同時に用いてもよい。酸性官能基含有不飽和単量体は、重合時の安定性上の点から、一塩基酸単量体が好ましく、この中でもアクリル酸、及びメタクリル酸の併用がより好ましい。
酸性官能基含有不飽和単量体の含有量は、共重合体ラテックス(A)に含有される単量体単位の総量(100質量部)に対して、3質量部以上30質量部以下であり、5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、7質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。3質量部以上であることにより、水膨潤性が良好(高く)であり、30質量部以下であることにより、乾燥皮膜の強度が優れる。
<不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体>
本実施形態の不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-エチル-ヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジグリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メトキシポリエチリングリコール(メタ)アクリレート、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリグリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸1-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸1-ヒドロキシプロピル、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、
クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル等も挙げられる。
本実施形態においては、少なくとも1種類以上の不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体を使用すればよいが、複数種類の不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体を同時に用いてもよい。不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体は、上述した中でもエチルアクリレート、プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート等のガラス転移温度が-30℃以下のアルキルアクリレートがより好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の含有量は、共重合体ラテックス(A)に含有される単量体単位の総量(100質量部)に対して、25質量部以上50質量部以下であり、25質量部以上45質量部以下であることが好ましく、25質量部以上40質量部以下であることがより好ましい。25質量部以上であることにより、水膨潤性が良好であり(高く)、乾燥皮膜の伸びが大きく、50質量部以下であることにより、乾燥皮膜の強度が優れる。
<その他の共重合可能な単量体>
本実施形態の脂肪族共役ジエン系単量体、酸性官能基含有不飽和単量体、及び不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体以外の単量体であり、これらと共重合可能な単量体(以下、「その他の不飽和単量体」ともいう。)としては、特に限定されないが、例えば、芳香族ビニル化合物、無水マレイン酸、シアン化ビニル化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、アミノ基を有する塩基性単量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含有α,β-性不飽和単量体、アリル化合物等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p-t-ブチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等が挙げられる。
シアン化ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
アクリルアミド、メタクリルアミドとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-アルコキシ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ビニルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、酢酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルステアレート、ビニルラウレート、ビニルミリステート、ビニルプロピオネート、バーサティク酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテルとしては、特に限定されないが、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
ハロゲン化ビニルとしては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等が挙げられる。
アミノ基を有する塩基性単量体としては、特に限定されないが、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
ケイ素含有α,β-性不飽和単量体としては、特に限定されないが、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アリル化合物としては、特に限定されないが、例えば、アリルエステル、ジアリルフタレート等が挙げられる。
上述した以外のその他の不飽和単量体としては、トリアリルイソシアヌレート等の3個以上の二重結合を有する単量体等が挙げられる。
本実施形態においては、少なくとも1種類以上のその他の不飽和単量体を使用すればよいが、複数種類のその他の不飽和単量体を同時に用いてもよい。
<反応性乳化剤(b)>
本実施形態の反応性乳化剤(b)(以下、単に「反応性乳化剤」ともいう。)は、上述した単量体又はその重合体と反応性を有する乳化剤であれば特に限定されないが、分子構造中にラジカル重合性の二重結合、親水性官能基、及び疎水性基をそれぞれ有し、かつ一般の乳化剤と同様に、乳化、分散、及び湿潤機能を持つものが挙げられる。
分子構造中のラジカル重合性の二重結合の構造例としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基等が挙げられる。
分子構造中の親水性官能基としては、例えば、硫酸基、硝酸基、燐酸基、ホウ酸基、カルボキシル基等のアニオン性基、アミノ基等のカチオン性基;ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン等のポリオキシアルキレン鎖;水酸基等が挙げられる。
分子構造中の疎水性基としては、例えば、アルキル基、フェニル基等が挙げられる。
反応性乳化剤はその構造に含まれる親水性官能基の種類により、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤等を含む。また、分子構造中のラジカル重合性の二重結合、親水性官能基、及び疎水性基は複数の種類の構造、官能基を有することも可能である。
上述した中でも、反応性乳化剤は、少なくとも分子構造内部に親水性官能基としてポリオキシアルキレン鎖及び硫酸基を持つことが好ましい。
反応性乳化剤の含有量は、共重合体ラテックス(A)に含有される単量体単位の総量(100質量部)に対して、0.1質量部以上30質量%以下である。0.1質量部以上であることにより、安定性の良好な共重合体ラテックス(A)が得られ、30質量部以下であることにより、乾燥皮膜の強度に優れる。
このような反応性乳化剤として一般的に市販されている商品名としては、特に限定されないが、例えば、アデカリアソープSE、SDX(旭電化工業社)、アクアロンHS、BC、KH(第一工業製薬株式会社)、ラテムルPD(花王株式会社)、エレミノールJS(三洋化成工業株式会社)、アントックスMS(日本乳化剤株式会社)等が挙げられる。
また、分子構造内部にポリオキシアルキレン鎖及び硫酸基を持つ反応性乳化剤を用いることにより、ポリオキシアルキレン鎖を有しない反応性乳化剤、又は硫酸基を有しない反応性乳化剤のみを用いて共重合体ラテックス(A)を調製した場合に比べて、重合初期及び最終製品の共重合体ラテックス(A)の化学的安定性の低下を抑制し、性能を充分発揮することができる。
(水膨潤度)
共重合体ラテックス(A)の水膨潤度は、1.4倍以上5.0倍以下であり、好ましくは1.5倍以上5.0倍以下であり、より好ましくは2.0倍以上5.0倍以下である。水膨潤度が1.4倍以上であることにより、吸水性能が良好であり、5.0倍以下であることにより、乾燥皮膜の強度が良好である。
ここで、水膨潤度は、以下の方法で測定される。共重合体ラテックス(A)の水分散液を23℃、湿度60%で3日間乾燥し、厚さ0.5mmの乾燥皮膜を調製する。さらに90℃、30分で加熱して完全に乾燥した後、この皮膜を5×5cmに切り出し、その質量V(g)を測定する。この乾燥皮膜を23℃の水に浸漬し、2時間後に重量W(g)を測定する。水膨潤度は以下の式により計算される。
水膨潤度=W(g)/V(g)
(トルエン不溶分)
共重合体ラテックス(A)のトルエン不溶分は、80%以上99%以下であることが好ましい。80%以上であることにより、共重合体ラテックスの機械的強度がより良好である傾向にあり、99%以下であることにより、共重合体ラテックスの製膜性がより良好である傾向にある。
(トルエン膨潤度)
共重合体ラテックス(A)のトルエン膨潤度は、3.0以上15以下であることが好ましく、より好ましくは3.5以上14以下であり、さらに好ましくは3.5以上13以下である。3.0以上であることにより、より良好な水膨潤性が得られる傾向にあり、15以下であることにより、機械的強度がより良好である傾向にある。
ここで、トルエン不溶分率及びトルエン膨潤度は、以下の方法で測定される。共重合体ラテックス(A)の乳化重合後の分散液を、130℃で30分間乾燥させた皮膜を0.5g取り、25℃のトルエン30mLに浸漬させ、振とう器を用いて3時間振とうさせた後に320SUSメッシュで濾過し、不通過分の重量X(g)を測定する。また、不通過分を130℃1時間乾燥させた後、重量Y(g)を測定する。トルエン不溶分率及びトルエン膨潤度は以下の式より算出される。
トルエン不溶分率(%)=Y(g)/0.5(g)×100
トルエン膨潤度=X(g)/Y(g)
(引張強さ、切断時伸び)
共重合体ラテックス(A)は、共重合体ラテックスを用いて作製した厚さ0.3mm以上0.5mm以下のラテックス乾燥皮膜の、引張強さが2MPa以上であり、かつ、切断時伸びが200%以上であることが好ましい。
ここで、ラテックス乾燥皮膜の引張強さと切断時伸びは、以下の方法で測定される。
共重合体ラテックスをフィルムアプリケーターで薄膜化して乾燥させる。乾燥は、20~25℃、45~65%RHの条件下で40~48時間放置することで行うことができる。なお、上記温度条件でラテックスの連続乾燥皮膜が得られない場合には、JIS K6828-2の方法に準じて測定したラテックスの最低造膜温度よりも17~23℃高い温度、湿度45~65%RHの条件下で40~48時間放置して乾燥させてもよい。次いで、乾燥後の薄膜に対し、90℃で30分間加熱処理を施すことで、0.3mm~0.5mm厚のラテックス乾燥皮膜を得ることができる。
得られたラテックス乾燥皮膜について、厚さ以外はJIS K-6251に記載のダンベル状3号型の形状及び寸法に打ち抜いて試験片とする。この試験片を、乾燥用シリカゲルを設置したデシケーター中で24時間以上放置した後、引張圧縮試験機を用いて500mm/minの引っ張り速度で試験することで、引張応力及び伸び率(変位)を測定する。引張圧縮試験機としては、引張圧縮試験機(例えば、ミネベア株式会社製の商品名:TECHNO GRAPH TG-20kN)を用いることができる。得られた測定結果に基づき、引張強さ、及び、切断時伸び(ラテックス皮膜が切断した時の伸び率)を求めることができる。なお、引張応力及び伸び率の測定時の試験条件等は以下の通りとする。
(試験条件等)
チャック間距離:50mm
試験力容量:100N
試験温度:23℃、60%RH
伸び率:ダンベル状3号型の標線間距離を基準にした初期に対する比率(%)
応力:JIS K-6251記載の用語の定義でされる応力で、単位はMPa
引張強さ:試験片を切断するまで引っ張ったときに記録される最大の引張力を試験片の初期断面積で除した値
上記方法で求められる共重合体ラテックスの皮膜特性は、強度の観点から、ラテックス乾燥皮膜の引張強さが3.5MPa以上であり、かつ、ラテックス乾燥皮膜の切断時伸びが200%を超えることがより好ましい。
(平均粒子径)
共重合体ラテックス(A)の平均粒子径は、5nm以上500nm以下の範囲にあることが好ましく、40nm以上200nm以下の範囲にあることがより好ましい。平均粒子径はシードラテックスや界面活性剤の使用割合等によって調整することができ、一般にその使用割合を高くするほど、生成するラテックスの平均粒子径は小さくなる傾向にある。
(ガラス転移温度)
共重合体ラテックス(A)のガラス転移温度Tgは、-60℃以上40℃以下であることが好ましく、-50℃以上10℃以下であることがより好ましい。-60℃以上であることにより、乾燥皮膜の強度がより良好となる傾向にあり、40℃以下であることにより、共重合体ラテックスの成膜性に問題が生じない傾向にある。
(固形分濃度)
共重合体ラテックス(A)中の固形分濃度は、10質量%以上60質量%以下の範囲で選ばれることが好ましい。
単量体を重合する方法としては、特に限定されないが、例えば、重合可能な温度に調整された反応系にあらかじめ所定量の水、反応性乳化剤(反応性界面活性剤)、その他添加剤を仕込み、この系に重合開始剤及び不飽和単量体、反応性乳化剤、調製剤等を回分操作あるいは連続操作で反応系内に添加する事によって乳化重合を行い合成される。
また必要に応じて反応系には、所定量のシードラテックス、開始剤、その他の調製剤をあらかじめ仕込んで置くことも通常良く用いられる方法である。
さらに、不飽和単量体、反応性乳化剤、その他の添加剤、調製剤を反応系へ添加する方法によって、合成される水膨潤性共重合体ラテックス粒子の層構造を段階的に変える事も可能である。各層の構造を代表する物性としては、親水性、ガラス転移点、分子量、架橋密度等が上げられる。また、本実施形態において、この層構造の段階数は特に制限されない。
<重合反応抑制剤>
本実施形態に用いられる乳化重合には、必要に応じて重合反応抑制剤をさらに用いることができる。「重合反応抑制剤」とは、乳化重合系に添加することにより、ラジカル重合速度を低下させることができる化合物を意味する。より具体的には、重合速度遅延剤、重合禁止剤、ラジカル再開始反応性が低い連鎖移動剤、及びラジカル再開始反応性が低い単量体である。
重合反応抑制剤は、重合反応速度の調整及びラテックス物性の調整に用いられる。これらの重合反応抑制剤は回分操作あるいは連続操作で反応系に添加される。重合反応抑制剤を用いた場合、ラテックス被膜の強度がより向上する傾向にある。反応メカニズムの詳細は不明であるが、重合反応抑制剤はポリマーの立体構造に密接に関与していると思われ、このことによりラテックス被膜の物性の調整に効果があるものと推定している。
これらの重合反応抑制剤としては、特に限定されないが、例えば、o-,m-,あるいはp-ベンゾキノン等のキノン類、ニトロベンゼン、o-,m-,あるいはp-ジニトロベンゼン等のニトロ化合物、ジフェニルアミンのようなアミン類、第三ブチルカテコールのようなカテコール誘導体、1,1-ジフェニルあるいはα-メチルスチレン、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン等の1,1-ジ置換ビニル化合物、2,4-ジフェニル-4-メチル-2-ペンテン、シクロヘキセン等の1,2-ジ置換ビニル化合物等があげられる。この他にも、「POLYMER HANDBOOK 3rd Ed.(J.Brandup,E.H.Immergut:John Wiley & Sons,1989)」、「改訂高分子合成の化学(大津:化学同人、1979.)」に重合禁止剤あるいは重合抑制剤として記載されている化合物が挙げられる。
重合反応抑制剤は、これらの中でも、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(α-メチルスチレンダイマー)が反応性の点で好ましい。
これらの重合反応抑制剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。これらの重合反応抑制剤の使用量は、水膨潤性共重合体ラテックス(A)の重合に用いられる単量体の総量(100質量部)に対して、重合速度の観点から好ましくは0.1質量部以上10質量部以下である。
<連鎖移動剤>
本実施形態に用いられる乳化重合には必要があれば、既知の連鎖移動剤をさらに用いることができる。連鎖移動剤としては、特に限定されないが、硫黄元素を含む連鎖移動剤として、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、等のアルカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール等のチオアルキルアルコール、チオグリコール酸、チオプロピオン酸等のチオアルキルカルボン酸、チオグリコール酸オクチルエステル、チオプロピオン酸オクチルエステル等のチオカルボン酸アルキルエステル、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィド等が挙げられる。また、ターピノーレン、ジペンテン、t-テルピネン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
これらの中で、アルカンチオールは連鎖移動速度が大きく、また得られるラテックスの物性バランスが良いので好ましい。これらの連鎖移動剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。これらの連鎖移動剤は単量体に混合して反応系に供給するか、単独で所定の時期に所定量添加される。これらの連鎖移動剤の使用量は、水膨潤性共重合体ラテックス(A)の重合に用いられる単量体の総量(100質量部)に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下であり、0.1質量部以上であることにより、製膜性や接着強度の低下を抑制する傾向にあり、10質量部以上であることにより、分子量(トルエンゲル分率)が著しく低下し機械的強度が低下することを抑制する傾向にある。
<ラジカル重合開始剤>
本実施形態のラジカル重合開始剤は、熱又は還元性物質の存在下ラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであり、無機系開始剤及び有機系開始剤のいずれも使用できる。このようなものとしては、特に限定されないが、例えば、水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、t-ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2-アゾビスブチロニトリル、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられ、また、POLYMER HANDBOOK (3rd edition)、J.Brandrup及びE.H.Immergut著、John Willy&Sons刊(1989)に記載されている化合物も挙げられる。
また、本実施形態において、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリット等の還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合法を採用することもできる。これらの中では、ペルオキソ二硫酸塩が重合開始剤として好適である。この重合開始剤の使用量は、水膨潤性共重合体ラテックス(A)の重合に用いられる単量体の総量(100質量部)に対して、共重合体ラテックスの重合時の安定性の観点から好ましくは0.1質量部以上5.0質量部以下であり、より好ましくは0.2質量部以上3.0質量部以下である。このような範囲であることにより、皮膜の耐水性により優れる傾向にある。
この乳化重合における重合温度は、通常60~120℃の範囲で選ばれるが、上記レドックス重合法等による場合には、より低い温度で重合を行ってもよい。さらに酸化還元触媒として、金属触媒、例えば、2価の鉄イオン、3価の鉄イオン、銅イオン等を共存させてもよい。
本実施形態においては、必要に応じ各種重合調整剤をさらに添加することができる。例えば、pH調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等のpH調整剤をさらに添加することができ、この中でも水酸化カリウムが耐水性と合成時の安定性バランスを高める点でより好ましく、合成後のpH調整剤としては好適である。また、ジアミン四酢酸ナトリウム等の各種キレート剤等も重合調整剤としてさらに添加することもできる。
また、上述した以外の添加剤としては、非反応性乳化剤、アルカリ感応ラテックス、ヘキサメタリン酸等の減粘剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子、増粘剤、各種老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の分散剤、耐水化剤、亜鉛華等の金属酸化物、イソシアネート系化合物、エポキシ化合物等の架橋剤、滑剤、保水剤等の各種添加剤を添加してもさしつかえない。これらの添加剤の添加方法は特に制限されず共重合体ラテックスの重合時、重合後に関わらず添加することができる。
<非反応性乳化剤>
非反応性乳化剤としては、特に限定されないが、脂肪酸せっけん、ロジン酸せっけん、スルホン酸塩、サルフェート、リン酸エステル、ポリリン酸エステル、サリコジン酸アシル、等のアニオン界面活性剤、ニトリル化油脂誘導体、油脂誘導体、脂肪酸誘導体、α-オレフィン誘導体等のカチオン界面活性剤、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、プロポキシレート、脂肪族アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキルアリールエーテル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、オキシオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン界面活性剤が挙げられる。
この中でもスルホン酸塩が好ましく、スルホン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキルアリール硫酸塩、スルホン化油脂、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、N-アシルメチルタウリン酸塩等が挙げられる。また、「界面活性剤ハンドブック(高橋、難波、小池、小林:工学図書、1972)」に記載されているものも挙げられる。
非反応性乳化剤は、得られる共重合体ラテックス(A)の乾燥皮膜の耐水性を悪化させない範囲で乳化重合に使用することが好ましい。非反応性乳化剤の含有量は、共重合体ラテックス(A)に含有される単量体単位の総量(100質量部)に対して、0.5質量部以下であることがより好ましい。
〔水膨潤性組成物〕
本実施形態の水膨潤性組成物は、上述した共重合体ラテックス(A)を含む。
〔水膨潤性シーリング材〕
本実施形態の水膨潤性シーリング材は、上述した共重合体ラテックス(A)を含む。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてさらに具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1から14及び比較例1から10の共重合体ラテックス(A)の重合は以下の方法で実施した。
撹拌装置と温度調節用ジャケットとを取り付けた耐圧反応容器に表1に示した量の水、乳化剤等の初期張り原料を仕込み、内温を85℃に昇温し、表2に示した不飽和単量体、連鎖移動剤及び重合反応抑制剤を表2に示した割合で5時間かけて一定の流速で添加した。また同時に表3に示した水、乳化剤、重合開始剤等の水溶液原料を表3に示した割合で混合した水溶液を6時間かけて一定の流速で添加した。そして、85℃の温度をそのまま1時間保って、重合反応を完了した。
ついで、生成した共重合体水分散液を水酸化ナトリウムでpHを7に調整してからスチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、最終的には固形分濃度が40質量%になるように調整して共重合体ラテックス(A)の分散液を得た。
ここで、表1及び表3に示した乳化剤としては、下記の乳化剤メーカーの提供する反応性乳化剤を使用した。
アデカリアソープSE-1025N:旭電化工業株式会社製
アクアロンHS-1025:第一工業製薬株式会社製
Figure 0007104495000001
Figure 0007104495000002
Figure 0007104495000003
上記で得られた実施例1から14及び比較例1から9の共重合体ラテックス(A)の粒子径、トルエン不溶分率、及びトルエン膨潤度は以下に記載する方法で評価した。評価結果を表4に示す。
(共重合体ラテックス(A)の粒子径)
日機装株式会社製、MICROTRAC粒度分布計型式:9230UPA)を用いて、数平均粒子径を測定した。
(トルエン不溶分率及びトルエン膨潤度)
共重合体ラテックス(A)を、130℃で30分間乾燥させた皮膜を0.5g取り、25℃のトルエン30mLに浸漬させ、振とう器を用いて3時間振とうさせた後に320SUSメッシュで濾過し、不通過分の重量X(g)を測定した。また、不通過分を130℃1時間乾燥させた後、重量Y(g)を測定した。トルエン不溶分率及びトルエン膨潤度は以下の式より算出した。
トルエン不溶分率(%)=Y(g)/0.5(g)×100
トルエン膨潤度=X(g)/Y(g)
また、乾燥皮膜の水膨潤度、引張強さ及び切断時伸びを以下に記載する方法で評価した。評価結果を表5に示す。
(水膨潤度)
共重合体ラテックス(A)を23℃、湿度60%RHで3日間乾燥し、厚さ0.5mmの乾燥皮膜を調製した。さらに90℃で30分間加熱して完全に乾燥した後、この皮膜を5×5cmに切り出し、その質量V(g)を測定した。この皮膜を23℃の水に浸漬し、2時間後に、質量W(g)を測定した。水膨潤度は以下の式により算出した。
水膨潤度=W(g)/V(g)
(引張強さ及び切断時伸び)
共重合体ラテックス(A)をフィルムアプリケーターで薄膜化して乾燥させた。乾燥は、23℃、湿度60%RHの条件下で48時間放置した。次いで、乾燥後の薄膜に対し、90℃で30分間加熱処理を施すことで、厚さ0.3mm以上0.5mm以下のラテックス乾燥皮膜を得た。
得られたラテックス乾燥皮膜について、厚さ以外はJIS K-6251に記載のダンベル状3号型の形状及び寸法に打ち抜いて試験片とした。この試験片を、乾燥用シリカゲルを設置したデシケーター中で24時間以上放置した後、マイクロメーターにより試験片の正確な厚みを測定後、引張圧縮試験機を用いて500mm/minの引っ張り速度で試験することで、引張応力及び伸び率(変位)を測定した。引張圧縮試験機:TECHNO GRAPH TG-20kN(ミネベア株式会社製)を使用した。得られた測定結果に基づき、引張強さ、及び切断時伸び(ラテックス皮膜が切断した時の伸び率)を求めた。なお、引張応力及び切断時伸び率の測定時の試験条件等は以下の通りとした。
(試験条件等)
チャック間距離:50mm
試験力容量:100N
試験温度:23℃、60%RH
伸び率:ダンベル状3号型の標線間距離を基準にした初期に対する比率(%)
応力:JIS K-6251記載の用語の定義による応力で、単位はMPa
引張強さ:試験片を切断するまで引っ張ったときに記録される最大の引張力を試験片の初期断面積で除した値
Figure 0007104495000004
Figure 0007104495000005

Claims (6)

  1. 単量体単位の総量(100質量部)に対して、
    20質量部以上50質量部未満のブタジエン、
    5質量部以上20質量部以下のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、
    25質量部以上42質量部以下の2エチルへキシルアクリレート及び/又はブチルアクリレート、
    5質量部以上29質量部以下のスチレン、及び
    0.1質量部以上5質量部以下の反応性乳化剤(b)単位、を含有し、
    平均粒子径が45nm以上80nm以下であり、
    下記式から算出される水膨潤度が1.4倍以上5.0倍以下である、
    シーリング材用水膨潤性共重合体ラテックス。
    水膨潤度=W(g)/V(g)
    (式中、Vは、水膨潤性共重合体ラテックスの乾燥皮膜の質量を示し、Wは、当該乾燥皮膜を23℃の水に2時間浸漬した後の質量を示す。)
  2. 単量体単位の総量(100質量部)に対して、0.5質量部以下の非反応性乳化剤をさらに含有する、
    請求項1に記載のシーリング材用水膨潤性共重合体ラテックス。
  3. トルエン不溶分率が、80%以上99%以下である、
    請求項1又は2に記載のシーリング材用水膨潤性共重合体ラテックス。
  4. トルエン膨潤度が、3.0以上15以下である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のシーリング材用水膨潤性共重合体ラテックス。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のシーリング材用水膨潤性共重合体ラテックスを含む、
    水膨潤性組成物。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載のシーリング材用水膨潤性共重合体ラテックスを含む、
    水膨潤性シーリング材。
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