JP7100415B2 - 多段圧延機、および多段圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法 - Google Patents

多段圧延機、および多段圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法 Download PDF

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Description

本発明は、多段圧延機、および多段圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法に関する。
クラスター型の圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法の一例として、非特許文献1には、天井クレーンで吊ったカウンターウエイト付きのポーターバーを使用して交換する、ことが記載されている。
日本鉄鋼協会(著)、"わが国における最近のコールドストリップ設備及び製造技術の進歩"、日本鉄鋼協会、1977年8月、P.68-69
従来のクラスター型20段圧延機は、図1および図2に示されるように、被圧延材である帯板1を、上下1対の作業ロール2にて圧延している。
この上下1対の作業ロール2を、各々、上下2対の第1中間ロール3に接触支持させている。また、この上下2対の第1中間ロール3を、各々、上下3対の第2中間ロール4に接触支持させている。
更に、この各々上下3対の第2中間ロール4を、分割バッキングベアリング105、軸106およびサドル107から構成される上下4対の分割バッキングベアリング組立軸に接触支持させている。
その上で、上下4対の分割バッキングベアリング組立軸を、サドル107にてモノブロックハウジング108に支持し、サドルクランプ123のクランプ動作にてモノブロックハウジング108に固定させている。
このような従来のクラスター型20段圧延機や12段圧延機等の多段圧延機では、定期的に作業ロールや各中間ロール、更には分割バッキングベアリング組立軸の交換を行う必要がある。
ここで、図3および図4に示すような従来のクラスター型20段圧延機では、上述の非特許文献1に記載されているように、天井クレーンで吊ったカウンターウエイトの付きのポーターバー43を使用して圧延機からの抜き出し、および挿入を行うことにより上側の上分割バッキングベアリング組立軸A,B,C,Dを交換していた。
また、下側の下分割バッキングベアリング組立軸E,F,G,Hについても、図5および図6に示されるように、天井クレーンで吊ったカウンターウエイト付きのポーターバー43を使用して抜き出し、挿入することで交換していた。
しかしながら、天井クレーンで吊ったカウンターウエイト付きのポーターバー43を使用するため、ふら付かないように操作するためには熟練が必要であり、作業性に問題があった。
また、その間は天井クレーンが他の作業に使用できないため、操業を再開するまでの各種工程におけるボトルネックとなっている、との問題があることから、これらを解決する装置や方法が待ち望まれていた。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、分割バッキングベアリング組立軸の交換が従来に比べて容易な多段圧延機、および多段圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、クラスター型の多段圧延機であって、金属帯板を圧延する1対の作業ロールと、前記作業ロールを支持する中間ロール群と、前記中間ロール群を支持する分割バッキングベアリング、軸、サドルからなる複数の分割バッキングベアリング組立軸と、前記サドルを支持するハウジングと、前記分割バッキングベアリング組立軸の少なくとも駆動側に設けられた滑り機器と、記分割バッキングベアリング組立軸を積載可能なレールを有する交換台車と、を備え、前記交換台車は、前記ハウジングの操作側に設けられており、前記ハウジング内では、前記分割バッキングベアリング組立軸は、前記ハウジングを構成するハウジングボア上面、スプレーフレーム上面、前記交換台車のレール上のうち何れかを前記滑り機にて移動し、前記ハウジング外では、前記交換台車のレール上を前記滑り機にて移動することで、前記ハウジング内から抜き出され、又は前記ハウジング内に挿入されることを特徴とする。


本発明によれば、多段圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換を従来に比べて容易に行うことができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
従来の20段圧延機の正面図である。 図1のA-A’矢視断面図である。 従来のポーターバーによる上分割ベアリング組立軸の抜出時の様子を説明する図である。 従来のポーターバーによる上分割ベアリング組立軸の抜出後の様子を説明する図である。 従来のポーターバーによる下分割ベアリング組立軸の抜出時の様子を説明する図である。 従来のポーターバーによる下分割ベアリング組立軸の抜出後の様子を説明する図である。 本発明の第1実施例に係る20段圧延機の正面図である。 図7のB-B’矢視断面図である。 第1実施例における交換台車の一部構成の断面を示す図である。 第1実施例における交換台車の一部構成の断面を示す図である。 第1実施例における下分割ベアリング組立軸の抜出時の様子を説明する図である。 第1実施例における下分割ベアリング組立軸の抜出後の様子を説明する図である。 第1実施例における上分割ベアリング組立軸の抜出時の様子を説明する図である。 第1実施例における上分割ベアリング組立軸の抜出後の様子を説明する図である。 第1実施例の様子を説明する図下分割ベアリング組立軸の抜出時の様子を説明する図である。 第1実施例の様子を説明する図上分割ベアリング組立軸の抜出後の様子を説明する図である。 本発明の第2実施例に係る20段圧延機の正面図である。 本発明の第3実施例に係る20段圧延機の正面図である。 本発明の第4実施例に係る12段圧延機の正面図である。
以下に本発明の圧延機、および圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法の実施例を、図面を用いて説明する。
<第1実施例>
本発明の圧延機、および圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法の第1実施例について図7乃至図16を用いて説明する。
図7は本実施例に係る20段圧延機の正面図、図8は図7のB-B’矢視断面図、図9は交換台車の一部構成のうち、後述する図12のC-C’矢視断面に相当する部分の断面を示す図、図10は交換台車の一部構成のうち、後述する図14のD-D’矢視断面に相当する部分の断面を示す図である。図11および図12は下分割ベアリング組立軸の抜出の様子を説明する図、図13および図14は上分割ベアリング組立軸の抜出の様子を説明する図である。図15および図16は他の一例の分割ベアリング組立軸の抜出の様子を説明する図である。
図7に示されるように、本実施例の多段圧延機100は帯板1を圧延するためのクラスター型の20段圧延機であり、特には、ステンレス鋼板、電磁鋼板、銅合金等の硬質材の圧延に好適な圧延機である。
図7において、多段圧延機100は、ロールとして上下一対の作業ロール2と、上下2対の第1中間ロール3と、上下3対の第2中間ロール4と、分割バッキングベアリング5、軸6、およびサドル7から構成される上下4対の上分割バッキングベアリング組立軸A,B,C,Dおよび下分割バッキングベアリング組立軸E,F,G,Hと、を備えている。
図7や図8に示しているように、上下1対の作業ロール2は被圧延材である帯板1を圧延する。
この上下1対の作業ロール2は、各々上下2対の第1中間ロール3に接触支持されている。また、これら上下2対の第1中間ロール3は、各々が上下3対の第2中間ロール4に接触支持されている。
本実施例では、これら第1中間ロール3および第2中間ロール4により作業ロール2を支持する中間ロール群が構成される。
更に、本実施例の多段圧延機100では、これら各々上下3対の第2中間ロール4は、上分割バッキングベアリング組立軸A,B,C,Dおよび下分割バッキングベアリング組立軸E,F,G,Hに各々接触支持されている。
これら8つの分割バッキングベアリング組立軸は、各々がそのサドル7にて単一のモノブロックハウジング8に支持されるとともに、サドルクランプ23のクランプ動作にてモノブロックハウジング8に固定されている。
また、本実施例の多段圧延機100における8つの分割バッキングベアリング組立軸では、各々の軸6の駆動側に、その先端部に単数の車輪10が設けられているアーム11が2つ、軸6の操作側にも、その先端部に単数の車輪10が設けられているアーム11が計2つ、合計で4つ設けられている。
この車輪10が滑り機器に相当し、詳しくは後述するレール13,19,20上を転がる。
なお、アーム11および車輪10は、分割バッキングベアリング組立軸の少なくとも駆動側にのみ設けられていればよいが、駆動側と操作側の両方に設けられている方が作業性の観点から望ましい。
また、アーム11および車輪10が1つの分割バッキングベアリング組立軸の一方の端部に2つ設けられている場合について記載しているが、1つでも良いし、3つ以上であってもよい。
すなわち、1つの分割バッキングベアリング組立軸に対して少なくとも1つのアーム11と車輪10が設けられていればよいが、安定した交換作業のためには少なくとも軸6の両端側にそれぞれ2つ以上設けられていることが望ましい。
ここで、8つの分割バッキングベアリング組立軸のうち、下側の第1下分割バッキングベアリング組立軸E、第2下分割バッキングベアリング組立軸F、第3下分割バッキングベアリング組立軸G、第4下分割バッキングベアリング組立軸H側の車輪10には、圧延中に車輪10に大きな荷重が掛からないように、図8に示すように、モノブロックハウジング8のハウジングボア上面8aの操作側と駆動側端部にそれぞれ切欠き溝8c,8bが設けられている。
同様に、上側の第1上分割バッキングベアリング組立軸Aおよび第4上分割バッキングベアリング組立軸Dの車輪10には、圧延中に車輪に大きな荷重が掛からないように、モノブロックハウジング8に取り付けられたスプレーフレーム上面9の操作側と駆動側端部に切欠き溝(図示の都合上省略)が設けられている。
更に、本実施例の多段圧延機100では、図9乃至図12に示されるように、モノブロックハウジング8の操作側には、交換台車12が設けられている。
この交換台車12の上面側は、図9に示されるようにモノブロックハウジング8のハウジングボア上面8aと同じ形状、同じサイズをしている分割バッキングベアリング組立軸交換用レール13が取りつけられており、第1下分割バッキングベアリング組立軸E、第2下分割バッキングベアリング組立軸F、第3下分割バッキングベアリング組立軸G、第4下分割バッキングベアリング組立軸Hを垂直方向には移動させずに水平移動させることが可能となっている。
また、交換台車12には、図10に示されるように、分割バッキングベアリング組立軸交換用レール19,20が形成されているアタッチメント18が取り外し、および取り付け可能となっている。
分割バッキングベアリング組立軸交換用レール19は、第2上分割バッキングベアリング組立軸Bおよび第3上分割バッキングベアリング組立軸Cを垂直方向には移動させずに水平移動させることが可能なように、その上面が形成されている。
分割バッキングベアリング組立軸交換用レール20は、第1上分割バッキングベアリング組立軸Aおよび第4上分割バッキングベアリング組立軸Dを垂直方向に移動させずに水平移動させることが可能なように、スプレーフレーム上面9と同じ形状、同じサイズにその上面が形成されている。
更に、交換台車12の分割バッキングベアリング組立軸交換用レール13,19,20の部分には、図9および図10に示すように、複数のサドルガイドローラ24が設けられており、8つの分割バッキングベアリング組立軸が回転せずによりスムースに転がり移動可能になっている。
この交換台車12は、下部に複数の車輪14が設けられており、多段圧延機100が設置されている施設等のフロアに形成されたレール15に沿って多段圧延機100に対し
近づく、あるいは離れるように走行可能となっている。
なお、図7等では、8つの分割バッキングベアリング組立軸に設けられている滑り機器として、アーム11の先端に設けられた車輪10を用いる場合について説明したが、滑り機器は車輪10に限定されない。
例えば、車輪10の替わりにアーム11の先端側にソリを設け、このソリをハウジングボア上面8aやスプレーフレーム上面9、あるいはレール13,19,20上を摺動により移動させることで8つの分割バッキングベアリング組立軸を各々移動させる形態とすることができる。
なお、この場合は、サドルガイドローラ24の替わりに摺動ライナーを設けることが望ましい。
次に、本実施例に係る多段圧延機100における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法について図11乃至図16を参照して説明する。
作業ロール2、第1中間ロール3、および第2中間ロール4については、手動等の公知の様々な手段で抜き出すことが可能である。
最初に、8つの分割バッキングベアリング組立軸のうち、第1下分割バッキングベアリング組立軸E、第2下分割バッキングベアリング組立軸F、第3下分割バッキングベアリング組立軸G、第4下分割バッキングベアリング組立軸Hの交換方法について説明する。
最初に、サドルクランプ23のクランプ動作を解除する。
その後、図11および図12に示されるように、第1下分割バッキングベアリング組立軸E、第2下分割バッキングベアリング組立軸F、第3下分割バッキングベアリング組立軸G、第4下分割バッキングベアリング組立軸Hは、モノブロックハウジング8内については、ハウジングボア上面8aを車輪10にて手動にて転がり移動させる。
また、モノブロックハウジング8外については、図12に示すように、交換台車12の分割バッキングベアリング組立軸交換用レール13上を車輪10にて手動にて転がり移動させることで、モノブロックハウジング8から抜き出すことができる。
その後、これらの第1下分割バッキングベアリング組立軸E、第2下分割バッキングベアリング組立軸F、第3下分割バッキングベアリング組立軸G、第4下分割バッキングベアリング組立軸Hは、各々天井クレーン等にて吊り上げられ、移動される。
また、新しい第1下分割バッキングベアリング組立軸E、第2下分割バッキングベアリング組立軸F、第3下分割バッキングベアリング組立軸G、第4下分割バッキングベアリング組立軸Hを交換台車12の分割バッキングベアリング組立軸交換用レール13に各々載置する。
その後、モノブロックハウジング8外については分割バッキングベアリング組立軸交換用レール13上を車輪10にて手動にて転がり移動させ、モノブロックハウジング8内についてはハウジングボア上面8aを車輪10にて手動にて転がり移動させることでモノブロックハウジング8内に挿入する。
挿入後は、サドルクランプ23のクランプを動作させ、交換作業が終了する。
次に、第1上分割バッキングベアリング組立軸A、第2上分割バッキングベアリング組立軸B、第3上分割バッキングベアリング組立軸C、第4上分割バッキングベアリング組立軸Dの交換方法について説明する。
最初に、サドルクランプ23のクランプ動作を解除する。
その後、図10に示されるように、交換台車12の上部に分割バッキングベアリング組立軸交換用レール19および分割バッキングベアリング組立軸交換用レール20が取り付けられたアタッチメント18を装着する。
その後、図13および図14に示されるように、第1上分割バッキングベアリング組立軸Aおよび第4上分割バッキングベアリング組立軸Dは、モノブロックハウジング8内については、スプレーフレーム上面9を車輪10にて手動にて転がり移動させる。
また、モノブロックハウジング8外については、交換台車12の上のアタッチメント18の分割バッキングベアリング組立軸交換用レール20上を車輪10にて手動にて転がり移動させることで、モノブロックハウジング8から抜き出すことができる。
また、第2上分割バッキングベアリング組立軸Bおよび第3上分割バッキングベアリング組立軸Cは、モノブロックハウジング8内外を、図14に示すように、交換台車12の上のアタッチメント18の分割バッキングベアリング組立軸交換用レール19上を車輪10にて手動にて転がり移動させることで、モノブロックハウジング8から抜き出すことができる。
その後、これらの第1上分割バッキングベアリング組立軸A、第2上分割バッキングベアリング組立軸B、第3上分割バッキングベアリング組立軸C、第4上分割バッキングベアリング組立軸Dは、各々天井クレーン等にて吊り上げられ、移動される。
また、新しい第1上分割バッキングベアリング組立軸A、第2上分割バッキングベアリング組立軸B、第3上分割バッキングベアリング組立軸C、第4上分割バッキングベアリング組立軸Dを交換台車12の分割バッキングベアリング組立軸交換用レール19,20に各々載置し、抜き出し時と逆の動作にてモノブロックハウジング8内に挿入することができる。
なお、下分割バッキングベアリング組立軸E,F,G,Hの抜き出し,挿入動作については、図15に示すように、交換台車12に取付けられた油圧シリンダー又はモートルシリンダー16にてクランプ装置17を介して実施することができる。
また、上分割バッキングベアリング組立軸A,B,C,Dの抜き出し,挿入動作については、図16に示すように、交換台車12の上のアタッチメント18に取付けられた油圧シリンダー又はモートルシリンダー21にてクランプ装置22を介して実施することができる。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本発明の第1実施例のクラスター型の多段圧延機100は、帯板1を圧延する1対の作業ロール2と、作業ロール2を支持する中間ロール群と、中間ロール群を支持する分割バッキングベアリング5、軸6、サドル7からなる複数の分割バッキングベアリング組立軸と、サドル7を支持するハウジングと、分割バッキングベアリング組立軸の少なくとも駆動側に設けられた滑り機器と、ハウジングの操作側に設けられた、分割バッキングベアリング組立軸を積載可能なレール13,19,20を有する交換台車12と、を備え、ハウジング内では、分割バッキングベアリング組立軸は、ハウジングを構成するハウジングボア上面8a、スプレーフレーム上面9、交換台車12のレール13,19,20上のうち何れかを滑り機構にて移動し、ハウジング外では、交換台車12のレール13,19,20上を滑り機構にて移動することで、ハウジング内から抜き出され、又はハウジング内に挿入される。
このように、ステンレス鋼板、電磁鋼板、銅合金等の硬質材に特に好適なクラスター型の多段圧延機において、分割バッキングベアリング組立軸に対して滑り機器を設けるとともに、その分割バッキングベアリング組立軸を水平方向に移動可能な操作性の良い交換台車を設けたことにより、天井クレーンで吊ったポーターバーを使用せずに分割バッキングベアリング組立軸を交換することができるようになり、作業性を大幅に改善することができる。
また、滑り機器は、レール13,19,20上を転がる車輪10、またはレール13,19,20上を摺動により移動するソリ、のうちいずれか一方であることで、簡単な構造で、かつ大きな力をかけることなく分割バッキングベアリング組立軸を水平移動させることができ、交換作業をより容易に行うことができる。
また、交換台車12のレール13,19,20が配置されている上面は、ハウジングボア上面8a、あるいはスプレーフレーム上面9と同じ形状、同じサイズとなっていることにより、より安定して分割バッキングベアリング組立軸を水平移動させることができ、交換作業をより容易に行うことができる。
更に、滑り機器は、分割バッキングベアリング組立軸の駆動側および操作側に設けられたことで、分割バッキングベアリング組立軸をより正確、かつ確実に水平移動させることができ、交換作業を更に容易に行うことができる。
<第2実施例>
本発明の第2実施例の圧延機、および圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法について図17を用いて説明する。図17は本実施例に係る20段圧延機の正面図である。
なお、本実施例において第1実施例と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。以下の実施例においても同様とする。
図17に示すように、本実施例の多段圧延機100Aは、第1実施例の多段圧延機100のモノブロックハウジング8の代わりに、ハウジングが上ミルハウジング25と下ミルハウジング26からなる。
また、これら上ミルハウジング25と下ミルハウジング26とは、4個のプリストレスシリンダー28およびタイロッド27にてプリストレスが掛かった状態で連結されている。
その他の構成・動作は前述した第1実施例の圧延機、および圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の第2実施例の圧延機、および圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法においても、前述した第1実施例とほぼ同様な効果が得られる。
また、本実施例の多段圧延機100Aでは、圧延中において、プリストレスシリンダー28およびタイロッド27によるプリストレス荷重のため、高いミル剛性が確保可能であり、板厚精度のよい高品質の板の圧延が可能である、との効果が得られる。また通板時やロール交換時は、プリストレスシリンダー28がオープンして上ミルハウジング25が大きく開くため、通板やロール交換が更に容易となる、との効果が得られる。
なお、タイロッド27とプリストレスシリンダー28とにより上ミルハウジング25が下ミルハウジング26に対して昇降可能なように連結されている例を示したが、連結方法はこれに限られず、タイロッドと昇降シリンダー、又は後述する第4実施例のようにタイロッドとウォームスクリューで上ミルハウジング25を下ミルハウジング26に対して昇降可能に連結することができる。
<第3実施例>
本発明の第3実施例の圧延機、および圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法について図18を用いて説明する。図18は本実施例に係る20段圧延機の正面図である。
図18に示すように、本実施例の100Bは、第1実施例の多段圧延機100のモノブロックハウジング8の代わりに、ハウジングが上ミルインナーハウジング29と下ミルインナーハウジング30からなる。
また、上ミルインナーハウジング29の上部の操作側および駆動側には、パスライン調整装置31が配置されており、下ミルインナーハウジング30の下部の操作側および駆動側にはメインジャッキ32が配置されている。
更に、これらパスライン調整装置31やメインジャッキ32は、操作側および駆動側のミルアウターハウジング33で支持される。
その他の構成・動作は前述した第1実施例の圧延機、および圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の第3実施例の圧延機、および圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法においても、前述した第1実施例とほぼ同様な効果が得られる。
また、本実施例の多段圧延機100Bでは、圧延中は高応答のメインジャッキ32の圧下により、板厚精度のよい高品質の板の圧延が可能である、との効果が得られる。また、通板時やロール交換時には、このメインジャッキ32がオープンすることで下ミルインナーハウジング30が大きく開くため、通板やロール交換が容易となる、との効果が得られる。
<第4実施例>
本発明の第4実施例の圧延機、および圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法について図19を用いて説明する。図19は本実施例に係る12段圧延機の正面図である。
図19に示すように、本実施例の多段圧延機100Cは、帯板1を圧延するためのクラスター型の12段圧延機である。
図19に示すように、多段圧延機100Cは、上下一対の作業ロール2と、上下2対の第1中間ロール3と、分割バッキングベアリング34、軸35、およびサドル36から構成される上下3対の上分割バッキングベアリング組立軸I,J,Kおよび下分割バッキングベアリング組立軸L,M,Nを備えている。
上下1対の作業ロール2は、各々上下2対の第1中間ロール3に接触支持されている。本実施例では、この第1中間ロール3により作業ロール2を支持する中間ロール群が構成される。
更に、本実施例の多段圧延機100Cでは、これら各々上下2対の第1中間ロール3は、上分割バッキングベアリング組立軸I,J,Kおよび下分割バッキングベアリング組立
軸L,M,Nに接触支持される。
これら6つの分割バッキングベアリング組立軸のうち、第1上分割バッキングベアリング組立軸I、第2上分割バッキングベアリング組立軸J、および第3上分割バッキングベアリング組立軸Kは、それぞれのサドル36にて上ミルハウジング39に支持されている。
同様に、第1下分割バッキングベアリング組立軸L、第2下分割バッキングベアリング組立軸M、および第3下分割バッキングベアリング組立軸Nは、それぞれのサドル36にて下ミルハウジング40に支持されている。
また、これら上ミルハウジング39と下ミルハウジング40とは、4本のタイロッド42とウォームスクリュー41とで連結されており、ウォームスクリュー41の動作にて上ミルハウジング39が下ミルハウジング40に対して昇降可能となっている。
また、本実施例の多段圧延機100Cにおける6つの分割バッキングベアリング組立軸では、各々の軸35の駆動側に、その先端部に単数の車輪38が設けられているアーム37が計2つ、軸35の操作側にも、その先端部に単数の車輪38が設けられているアーム37が計2つ、合計で4つ設けられている。
なお、第1実施例と同様に、1つの分割バッキングベアリング組立軸に対して少なくとも1つのアーム37と車輪38が設けられていればよく、車輪38の替わりにアーム37の先端側にソリを設けることができる。
本実施例に係る多段圧延機100Cにおける分割バッキングベアリング組立軸の交換方法は、第1実施例と同様であり、その詳細は省略する。
その他の構成・動作は前述した第1実施例の圧延機、および圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の第4実施例のように、中間ロール群は、作業ロール2を支持する上下2対の第1中間ロール3から構成され、分割バッキングベアリング組立軸は、上下3対であり、第1中間ロール3を支持し、ハウジングは、サドル7を支持する上ミルハウジング39および下ミルハウジング40、およびタイロッド42、ウォームスクリュー41から構成される多段圧延機100Cや分割バッキングベアリング組立軸の交換方法においても、前述した第1実施例とほぼ同様な効果が得られる。
また、本実施例の多段圧延機100Cは、ロール本数が少ない、とのメリットがある。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
例えば、既存のクラスター型の多段圧延機に対して交換台車12やそれに付随する設備を追加工事するとともに、ハウジング内についてはモノブロックハウジング8のハウジングボア上面8aやスプレーフレーム上面9、サドル7、サドルクランプ23等を改造することによって、上述した本発明の分割バッキングベアリング組立軸の交換方法を適用することができる。これにより、既存のクラスター型の多段圧延機であっても、上述した第1実施例などと同様の効果を得ることができる。
1…帯板(金属帯板)
2…作業ロール
3…第1中間ロール
4…第2中間ロール
5,34…分割バッキングベアリング
6,35…軸
7,36…サドル
8…モノブロックハウジング
8a…ハウジングボア上面
8b…溝
8c…溝
9…スプレーフレーム上面
10,38…車輪
11,37…アーム
12…交換台車
13…分割バッキングベアリング組立軸交換用レール
14…車輪
15…レール
16…モートルシリンダー
17…クランプ装置
18…アタッチメント
19…分割バッキングベアリング組立軸交換用レール
20…分割バッキングベアリング組立軸交換用レール
21…モートルシリンダー
22…クランプ装置
23…サドルクランプ
24…サドルガイドローラ
25,39…上ミルハウジング
26,40…下ミルハウジング
27…タイロッド
28…プリストレスシリンダー
29…上ミルインナーハウジング
30…下ミルインナーハウジング
31…パスライン調整装置
32…メインジャッキ(メインシリンダー)
33…ミルアウターハウジング
41…ウォームスクリュー(上下ミルハウジング連結装置)
42…タイロッド(上下ミルハウジング連結装置)
100,100A,100B,100C…多段圧延機
A…第1上分割バッキングベアリング組立軸
B…第2上分割バッキングベアリング組立軸
C…第3上分割バッキングベアリング組立軸
D…第4上分割バッキングベアリング組立軸
E…第1下分割バッキングベアリング組立軸
F…第2下分割バッキングベアリング組立軸
G…第3下分割バッキングベアリング組立軸
H…第4下分割バッキングベアリング組立軸
I…第1上分割バッキングベアリング組立軸
J…第2上分割バッキングベアリング組立軸
K…第3上分割バッキングベアリング組立軸
L…第1下分割バッキングベアリング組立軸
M…第2下分割バッキングベアリング組立軸
N…第3下分割バッキングベアリング組立軸

Claims (10)

  1. クラスター型の多段圧延機であって、
    金属帯板を圧延する1対の作業ロールと、
    前記作業ロールを支持する中間ロール群と、
    前記中間ロール群を支持する分割バッキングベアリング、軸、サドルからなる複数の分割バッキングベアリング組立軸と、
    前記サドルを支持するハウジングと、
    前記分割バッキングベアリング組立軸の少なくとも駆動側に設けられた滑り機器と、
    記分割バッキングベアリング組立軸を積載可能なレールを有する交換台車と、を備え、
    前記交換台車は、前記ハウジングの操作側に設けられており、
    前記ハウジング内では、前記分割バッキングベアリング組立軸は、前記ハウジングを構成するハウジングボア上面、スプレーフレーム上面、前記交換台車のレール上のうち何れかを前記滑り機器にて移動し、前記ハウジング外では、前記交換台車のレール上を前記滑り機器にて移動することで、前記ハウジング内から抜き出され、又は前記ハウジング内に挿入される
    ことを特徴とする多段圧延機。
  2. 請求項1に記載の多段圧延機において、
    前記中間ロール群は、前記作業ロールを支持する上下2対の第1中間ロール、および前記第1中間ロールを支持する上下3対の第2中間ロールで構成され、
    前記分割バッキングベアリング組立軸は、上下4対で前記第2中間ロールを支持し、
    前記ハウジングは、ミルハウジングである
    ことを特徴とする多段圧延機。
  3. 請求項1に記載の多段圧延機において、
    前記中間ロール群は、前記作業ロールを支持する上下2対の第1中間ロールから構成され、
    前記分割バッキングベアリング組立軸は、上下3対で前記第1中間ロールを支持し、
    前記ハウジングは、前記サドルを支持する上下ミルハウジング、および上下ミルハウジング連結装置から構成される
    ことを特徴とする多段圧延機。
  4. 請求項1に記載の多段圧延機において、
    前記滑り機器は、前記レール上を転がる車輪、または前記レール上を摺動により移動するソリ、のうちいずれか一方である
    ことを特徴とする多段圧延機。
  5. 請求項1に記載の多段圧延機において、
    前記交換台車の前記レールが配置されている上面は、前記ハウジングボア上面、あるいは前記スプレーフレーム上面と同じ形状、同じサイズとなっている
    ことを特徴とする多段圧延機。
  6. 請求項1に記載の多段圧延機において、
    前記滑り機器は、前記分割バッキングベアリング組立軸の前記駆動側および操作側に設けられた
    ことを特徴とする多段圧延機。
  7. 請求項2に記載の多段圧延機において、
    前記ミルハウジングは、単一のモノブロックハウジングである
    ことを特徴とする多段圧延機。
  8. 請求項2に記載の多段圧延機において、
    前記ミルハウジングは、上ミルハウジングと下ミルハウジングからなり、
    前記上ミルハウジングおよび前記下ミルハウジングは、タイロッドとプリストレスシリンダー、昇降シリンダー、ウォームスクリュー、のうち少なくともいずれかにより前記上ミルハウジングを昇降可能に連結されている
    ことを特徴とする多段圧延機。
  9. 請求項2に記載の多段圧延機において、
    前記ミルハウジングは、上ミルインナーハウジングと、前記上ミルインナーハウジングを支持するパスライン調整装置と、下ミルインナーハウジングと、前記下ミルインナーハウジングを支持するメインシリンダーと、前記パスライン調整装置および前記メインシリンダーを支持するミルアウターハウジングと、からなる
    ことを特徴とする多段圧延機。
  10. 金属帯板を圧延するクラスター型の多段圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法であって、
    前記多段圧延機は、前記金属帯板を圧延する1対の作業ロールと、前記作業ロールを支持する中間ロール群と、前記中間ロール群を支持する分割バッキングベアリング、軸、サドルからなる複数の分割バッキングベアリング組立軸と、前記サドルを支持するハウジングと、前記分割バッキングベアリング組立軸の少なくとも駆動側に設けられた滑り機器と、記分割バッキングベアリング組立軸を積載可能なレールを有する交換台車と、を備え、前記交換台車は、前記ハウジングの操作側に設けられており、
    前記ハウジング内では、前記分割バッキングベアリング組立軸を前記ハウジングを構成するハウジングボア上面、スプレーフレーム上面、前記交換台車のレール上のうち何れかを前記滑り機器にて移動させ、前記ハウジング外では、前記交換台車のレール上を前記滑り機器にて移動させることで前記ハウジング内から抜き出すとともに、前記ハウジング内に挿入する
    ことを特徴とする多段圧延機における分割バッキングベアリング組立軸の交換方法。
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